くるま関係-1
2024.11.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241113-Z3EWT2B2SRPJJG5P3DLFORCA7E/
危険運転見直し案 高速度や飲酒に具体的な数値要件明記へ 法務省検討会たたき台
悪質な運転を処罰する危険運転致死傷罪の在り方を検討する法務省の検討会で13日、
同罪の要件見直しを提案する報告書のたたき台が示された。
高速度の運転や飲酒運転に関し、同罪を適用する具体的な数値要件を明記する案が柱。検討会は議論を進め、早期に報告書を取りまとめる。
危険運転致死傷罪はアルコール摂取で正常な運転が困難な状態での運転や、高速度で制御困難な状態での運転の自動車事故を罰している。
通常の自動車事故を処罰する過失運転致死傷罪の法定刑の上限が7年なのに比べ、上限が懲役20年で重い。
近年、全国で猛スピードによる死傷事故で危険運転致死傷罪が適用されない事例が相次ぎ、遺族らが要件見直しを求めていた。
13日に示されたたたき台では、高速度運転について、法定速度を一定以上超えた運転を危険運転として処罰する新類型を設ける案を提示。飲酒運転については危険運転と判断できるアルコールなどの数値基準を明記するよう求めた。
ほかに、タイヤを滑らせて曲がるドリフト走行などによる事故も新たに対象とする案を示した。
検討会では、
危険運転致死傷罪と過失運転致死傷罪の中間の類型を作る意見や、信号無視による事故を危険運転と判断できる範囲を広げる意見なども出たが、報告書では消極的な見方を示すのにとどめた。
2024.09.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240930-Y4HCN3RYP5KYRNWHU2M6QE3TWE/
完了までわずか2分半 高級車窃盗団の必須ツール「CANインベーダー」、進む分業化
(内田優作)
トヨタ「アルファード」などの高級車を短時間で盗み、日本車を好む海外に密輸する窃盗グループが暗躍している。
手口で目立つのは、車を破損させることなく外から電気信号を発してカギを開けたりエンジンを始動したりする「CAN(キャン)インベーダー」と呼ばれる小さな機器だ。
犯人らも指示役、実行役、依頼を差配するブローカーなど分業化が進んでおり、全国警察の重要課題となっている。
まるで小型バッテリー
スマートフォンの充電などに使うモバイルバッテリーのような形状をしたCANインベーダー。
縦約10センチ、横約8センチほどで、持ち運びもたやすい。
「CAN」は車の電子制御システムに使われている通信手順を指し、電気信号を発してこの通信手順を攪乱(かくらん)させ、キーがなくても車を動かせる。本来は、ドライバーがカギを車内に残したままロックしてしまう「閉じ込み」に対応する際に使われるものという
捜査関係者によると、CANインベーダーを使った車両盗難の具体的な手口はこうだ。
車のフロントバンパーを開け、配線が集まる部品を取り出す。部品の特定部分2カ所に、インベーダーに接続した端子を挿し、起動。ランプが赤から緑色に変われば車の「乗っ取り」は完了。「短ければ2分半でできる」(捜査関係者)。
CANインベーダーの機器一式は、海外のインターネットサイトで、日本円にして80万円ほどで購入できるという。
ヤードから「発注」
自動車窃盗自体は昔からある犯罪だが、近年は分業化、計画性が強まっており、〝ビジネス〟の様相を呈している。
事件の発端となることが多いのが、
盗難車を加工・保管し、密輸出するのに使われる「ヤード」と呼ばれる作業場からの発注だ。
ヤードを仕切る業者が、窃盗団とつながりのあるブローカーへ「この車がほしい」と依頼する。ある捜査関係者は「人気なのはトヨタ車。最近は『××という車のこれがほしい』などと、型式まで指定している」と打ち明ける。
ブローカーは窃盗団の指示役へ相談し、指示役は実行役や盗難車の運搬役などを使いながら、犯行に及ぶ。実行役はCANインベーダーなどを駆使して車を盗むと、離れた場所のコインパーキングなどに盗んだ車を駐車。運搬役が回収し、車をヤードへ持ち込む。
複雑な分業化からは、捜査を攪乱する狙いも透ける。捜査幹部は「盗むところをはっきり防犯カメラで押さえられていなければ、犯罪としての立証が難しい。盗むところからヤードへ持ち込むところまで(同じ犯人が)全部やっていれば、計画性が明白なのだが…」と唇をかむ。
どうすれば被害を防げるのか。
捜査幹部は「CANインベーダーをつなぐ部品は車に数カ所あるが、車外からアクセスしやすいのは助手席側のものだけ」として、助手席側のスペースを駐車場の壁などに詰め、駐車することを推奨。
近年はCANインベーダーによる侵入を防ぐ防犯システムも普及しつつあるほか、「ハンドルロックを付けるなど、目に見える対策で『盗みにくい』と思わせることも大事だ」と話している。
(内田優作)
2024.09.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240909-LL7SJO4ZEBH5NG4FIJWARZ4ZHU/
微・低アルコール飲料に潜む危険性、飲み過ぎると酔う 運転もダメ 適正飲酒推奨で注目
(西村利也)
適正飲酒の風潮の高まりを背景に、アルコール度数の低い「低アルコール」や「微アルコール」の酒類市場が活気づいている。9日には
キリンビールがアルコール度数3%の低アルの新商品を9年ぶりに発表した。8月末には
アサヒビールやサッポロビールなど5社が度数1%未満の微アルに特化したビアガーデンを開くなど、消費者が飲む機会は増えている。ただ、
度数が低いとはいえ、杯を重ねると微アルであっても酔う危険性がある。度数1%未満は酒税法で「ノンアルコール飲料」に分類されるものの、飲んで運転すれば飲酒運転に当たる。
杯重ねればアルコール摂取量も倍増
キリンが9日に発表した「キリン 華よい」(24日発売、価格167円前後)は、缶酎ハイやサワーなど栓を開けてすぐに飲める「RTD」(レディー・トゥー・ドリンク)の新ブランドだ。普段お酒を飲まない若年層をターゲットに、適度な飲み応えを実現するため、アルコール度数は3%にこだわった。
低アル飲料の明確な定義は決められていないが、同社では「度数1~4%」としており、「華よい」ブランドは同社が販売する唯一の低アル商品となる。「酔い過ぎを気にせずにお酒を楽しみたいというニーズの高さを受けて商品化した」(松村孝弘RTD戦略担当カテゴリーマネージャー)。
とはいえ、「低アルであっても、飲み過ぎると酔っぱらう危険性がある」(同)という。例えば、度数3%でも2杯飲むと純アルコールの摂取量は度数6%の飲酒と同等になる計算で、杯を重ねる度にアルコール摂取量は増加する。
法律上ノンアルでも飲酒運転に
飲酒による健康障害リスクを示した厚生労働省の飲酒ガイドラインが2月に公表され、
最近は過剰なアルコール摂取を防ぐ「適正飲酒」が推奨されるようになった。そうした中、低アルよりもさらに度数の低い
「微アル」という新ジャンルも確立されつつある。
低アル同様に微アルも明確な定義はないが、アサヒでは度数1%未満を微アルと定義しており、
同社が販売する「アサヒ ビアリー」は度数0・5%だ。一方、サッポロは微アルコールを「アルコール度数0・00%超1%未満のもの」と定義している。
日本の酒税法で酒類の定義は「アルコール度数を1度以上」と定めており、これらの微アル飲料は法律上は「清涼飲料水」に該当する。
ただ、
わずかな量であってもアルコールを含んでいる以上は飲んで運転すると「飲酒運転」に当たり、検挙される可能性もある。そのため、
各社は微アル飲料について、ホームページ上で「微量ながらアルコールが含まれるため、運転される方は飲用をおやめください」「妊娠・授乳期の方は飲用をおやめください」などと注意を呼び掛けている。
(西村利也)
2024.08.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240821-7LKAWTWF5RLRRK5P4L25MISYS4/
<独自>JAF、チャイルドシート推奨基準を150センチ未満に引き上げへ 事故多発受け
チャイルドシートを使わず、シートベルトをした子供が死傷する事故の増加を受け、
日本自動車連盟(JAF)がチャイルドシートの使用を推奨する基準を見直すことが21日、わかった。
これまでチャイルドシートの使用は身長140センチ未満を推奨していたが、安全性を重視し、来年に150センチ未満に引き上げる。
国内では法律で6歳未満の乳幼児はチャイルドシートの使用が義務付けられている。一方、
JAFは6歳以上でも140センチに満たない場合は児童用チャイルドシートの着用を推奨している。
大人の体格に達していない子供がシートベルトを使用すると、鎖骨の中心付近ではなく、首にかかってしまい、事故の衝撃で頸(けい)動脈を切断して死亡するケースもある。また、
腰骨ではなく、腹部が締め付けられることもある。
今月18日に福岡市早良区で起きた路線バスと軽乗用車の衝突事故では、後部座席の7歳と5歳の姉妹がシートベルトを着用していたが、腹部の圧迫が原因で死亡したとされる。
海外では身長150センチ未満の子供のチャイルドシート使用を義務付ける国もあり、
日本自動車工業会も子供の交通事故による死傷者を減らすため、150センチまで児童用チャイルドシートの使用を推奨している。
ただ、
国内では団体によって推奨基準は統一されておらず、JAFの引き上げで基準統一の動きが広がる可能性がある。