気候(グリーン戦略)-1



2021.01.03-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/210103/bsc2101032253001-n1.htm
CO2地下貯留へ新法 政府法律一本化を検討 民間参入、普及に弾み

  政府は、石炭火力発電所などから出る二酸化炭素(CO2)が大気に拡散する前に分離・回収し、地中に閉じ込める技術「CCS」の普及に向け、新法の成立を含めた事業環境整備を検討する。現状ではCCS整備には複数の法律の適用が必要で、民間企業参入の足かせになるおそれがあり、CCS整備を一貫して行える法体系を目指す。菅義偉首相が表明した「2050年温室効果ガス排出実質ゼロ」の実現に向け、CCS技術の普及を加速する狙い。

  CCSは、回収したCO2を地下深くにある隙間の多い砂岩などの層に閉じ込めることで大気中の濃度を抑える手法。日本でも実証試験が始まっている。
  しかし設備の要件やCO2を圧入する際の安全基準などを定めたCCSに特化した法律はなく、現行の海洋汚染防止法などさまざまな法律の適用が必要。このため手続きが煩雑で、時間や手間がかかる要因になっている。一方、海外ではCCSに特化した法整備が進み、民間企業の参入も増えている。そこで国内でもCCSに特化した法整備などで事業環境を整えることを検討する。
  CCSをめぐっては現在、北海道苫小牧市で国内初の大規模な実証試験が進んでおり、令和元年11月には累計で30万トンのCO2圧入を達成。安全性も確認した。同地での地中貯留の状況を今後、数年かけて観察し、安全性の確認を図るほか、貯留技術の研究開発、適地の選定などを行い、12年までの商用化を目指す。
  また、CO2排出源から地中に埋める貯留地まで距離がある場合でも、CO2を液化して効率よく運搬できる船舶による輸送実証を6年以降に世界に先駆けて始める計画。アジアや米豪などとも連携して日本の知見などを共有し、世界にCCSのネットワークを拡充することも想定する。
  CCSによるCO2削減のコストは現在、1トン当たり7300円程度と高価だ。しかし政府は「CO2の分離・回収技術などの工夫を図り、コストダウンを図っていきたい」(経済産業省担当者)としており、法整備や技術開発を加速し、普及に向け弾みをつけたい考えだ。

CCS 二酸化炭素(CO2)の回収(CAPTURE)、貯留(STORAGE)の頭文字を並べた言葉。大気中に排出される前にCO2を回収し、地中に貯留するという意味。CO2を多く排出する火力発電と組み合わせれば、排出抑制につながるとして国際的に利用拡大が期待されている。GCCSIの調査によると、世界のCO2の貯留可能量は少なくともCO2換算で約7兆トン以上あると試算。日本の貯留量も同約1400億トンあると推定されている。



2020.12.25-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/2d7a0eca7b53ca0b82f65e328523ee0d0e724051
グリーン成長戦略 軽自動車も電動化目標に 価格やサイズの利点に逆風

  2030年代半ばに国内新車販売からガソリン車をなくす政府目標は、日本独自の規格で、新車販売の約4割を占める軽自動車も含まれる。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動化技術の開発にはコストがかかるうえ、大容量の電池を搭載する必要もあり、軽自動車の手頃な価格とコンパクトさという強みが失われる恐れもある。メーカーだけの力で目標を達成するのは困難ともみられ、政府による支援を求める声も強まりそうだ。

   菅義偉首相が50年までの脱炭素化を掲げる中、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は17日のオンライン会見で、政府の脱炭素化目標に「全力でチャレンジする」と宣言した。トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーはHVを中心に電動化に対応する考えだ。
   ただし今回の目標の対象に含まれた軽自動車では新車の約7割をガソリン車が占め、電動化が遅れている。HV技術が搭載されていても、燃費改善効果が少ない「マイルドハイブリッド」と呼ばれる簡易式しかない。「大容量のバッテリーを搭載すれば、車両の重量が増えるだけでなく、車室内に余裕のある空間を確保できなくなる」(軽メーカー関係者)といった事情があるためだ。

   軽自動車は「日本の国民車」(豊田氏)と呼ばれるほど国内で浸透し、特に公共交通機関が乏しい地方部では住民の生活を支える「足」となっている。その軽自動車が今後、環境性能が優れていても高価格で利便性が低いクルマになれば本末転倒になりかねない。
   一方、販売台数に占める軽自動車の比率が高い各社も対応を急ぐ。三菱自動車は23年度にも日産自動車と共同開発した軽EVを投入する計画。スズキは主力市場のインドでEVの試験走行を行うといった対応を始めた。ダイハツ工業は親会社のトヨタからHV技術の提供を受けている。
   ただし日本の自動車業界全体でみても脱炭素化は高い目標であることは確かだ。豊田氏は脱炭素化目標の達成について、「技術的ブレークスルーがなければ難しい。欧米中と同様の政策的、財政的支援を求めたい」と訴えている。
(宇野貴文)


2020.12.25-産経新聞-https://www.sankei.com/politics/news/201225/plt2012250030-n1.html
洋上風力、自動車など14分野で目標 政府「グリーン成長戦略」

  政府は25日の成長戦略会議で、温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする目標の実現に向けた実行計画「グリーン成長戦略」を発表した。洋上風力や自動車など成長が見込まれる14分野で野心的な目標を掲げ、企業の投資など前向きな動きを引き出す。自動車では遅くとも30年代半ばまでに、軽自動車を含む乗用車の新車販売を電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動車に切り替える目標を明記。地球温暖化対策を産業政策と位置付け、関連産業を育てて経済成長につなげる。

  菅義偉首相は10月、50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると表明。首相からの指示を踏まえ、経済産業省が関係省庁の協力を得てグリーン成長戦略の作成作業を進めていた。
  機械的な試算では、グリーン成長戦略による売り上げの増加や設備投資の誘発で、30年に年90兆円、50年に年190兆円程度の経済効果が見込まれるという。
  自動車では、遅くとも30年代半ばまでに、軽自動車を含めた乗用車の新車販売を電動車に切り替えることを目指す。電動車はEVやHV、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)、水素で走る燃料電池車(FCV)を想定する。日本はEVの普及が遅れており、この10年間はEVの導入を強力に進めるとした。EVの経済性を高めるため、30年までのできるだけ早期に車載用蓄電池の価格を1キロワット時当たり1万円以下に抑える。商用車と二輪車の扱いは、来年に結論を持ち越した。
  再生可能エネルギーについては「最大限の導入を図る」とした。再生エネでも伸びしろが大きいとされる洋上風力は40年に4500万キロワットの導入を目指す。
  発電など幅広い用途が期待される水素は、30年に最大300万トン、50年に2千万トン程度の導入を目指し、水素の発電コストをガス火力以下の水準に抑える。
  原子力は50年でも一定程度は活用する方針で、「小型炉(SMR)」などの安全性に優れた次世代原子炉の開発を進めるとした。海外のSMRのプロジェクトに日本企業が関与することで必要な技術やノウハウを取得するのを支援する。


2020.11.19-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201119/mca2011192025024-n1.htm
温室効果ガスゼロ「挑戦的研究」に数百億円 支援拡充、3次補正計上へ

  政府・与党が12月上旬にまとめる追加経済対策で、大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発に必要な資金を投資する制度について支給枠を大幅に積み増すことが19日、分かった。令和2年度第3次補正予算案に数百億円を計上する方向だ。菅義偉(すが・よしひで)首相が掲げる「2050(令和32)年までの温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に向け、国内の技術革新(イノベーション)を加速する。

  「ムーンショット型研究開発制度」という事業で、月面着陸計画のように野心的な目標を掲げ、社会課題の解決を目指す研究を支援するため平成30年に設けられた。政府系研究機関に基金を作り、少子高齢化、環境、科学技術によるフロンティア開拓という3領域で、内閣府が公募・採用した案件に最長10年間の研究費を投資する。1件当たりの上限は設けていないが、現在は今後5年間で約1150億円の支給枠が設定されている。

  環境領域では今年8月、二酸化炭素(CO2)の高効率な分離回収(金沢大)や、回収したCO2を原料にエチレンなどの有用な化学原料を生成する技術(東京大)など、温室ガスの回収・資源転化で8プロジェクトが指定された。いずれも研究段階だが、実用化すれば地球温暖化対策が大きく進展すると期待される。
  50年排出ゼロ目標の実現は現行技術の延長線上では難しく、技術革新が進まなければ絵に描いた餅だ。与党からも「抜本的な投資強化を図る必要がある」との声が上がっており、支給枠の拡充で、8プロジェクトへの投資額を積み増すなど支援体制を強化する。


2020.11.02-マネー現代マーケット-https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76907
菅首相が原発再稼働に「前向き」…?違和感だらけの所信表明演説
(1)
菅首相の演説に官僚もあたふた
  原子力発電に対する政府の方針が“迷走”している。菅義偉首相が2050年までに温暖化ガス排出量ゼロ目標を掲げたことで、目標達成に向けて原発の活用についての議論が“錯綜”している。今、原発はどうなっているのか。
  菅首相は10月26日の所信表明演説で「2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標」を宣言した。

  その具体策として、「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します」との方針を打ち出した。
  まさに“寝耳に水”の原発活用宣言だったのだが、これに直ぐに反応したのが、自民党の世耕弘成参院幹事長だった。
  世耕氏は翌27日の記者会見で、原発はCO2(二酸化炭素)を出さずに大量のエネルギー供給ができるとして、「安全に配慮しながら再稼働を進め、新技術を取り入れた原発の新設も検討することが重要だ」と述べた。
  ところが翌28日には、加藤勝信官房長官が世耕氏の発言の“火消し”に回る。加藤官房長官は会見で、「現時点で政府として原子力発電所の新増設、リプレイスは想定していない」と原発の新設を否定した。
  同日に行われた衆議院本会議の代表質問で菅首相も方向転換。2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標達成に向け「再生可能エネルギーのみならず原子力を含めてあらゆる選択肢を追求する」とした上で、「徹底した省エネ、再生エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する」と述べたことで、原発の新増設を暗に否定した。
(2)
「原発廃止の支持」が大半の中で
  不思議なのは、菅首相が暗に原発の新増設を否定したことにより、既存の原発再稼働そのものが重要な問題だったはずなのに、何故か既存原発の再稼働については容認する雰囲気になっていることだ。
  安倍晋三前政権では、経済産業省出身の今井尚哉首相補佐官(当時)が安倍前首相の寵愛を受けていたことから、原発の再稼働に前向きな姿勢だった。原発の新増設を言い出した世耕氏も経済産業相の経験者で、官邸内の経産省閥が原発を推進している構図だった。
  しかし、菅首相に政権交代したことで原発推進の勢力は弱まるかと思われたが、意外にも菅首相自らが原発活用に前向きな姿勢を見せている。これも菅首相が掲げた「安倍政策の継承」ということなのか。
  では、国民は原発の活用に対して、どのように考えているのか。日本原子力文化財団の2019年度の世論調査(2019年10月)によると、「原子力発電を増やしていくべきだ」2.0%、「東日本大震災以前の原子力発電状況を維持していくべきだ」9.3%、「原子力発電をしばらく利用するが、徐々に廃止していくべきだ」49.4%、「原子力発電は即時、廃止すべきだ」12.2%となっており、原発廃止の支持が半数以上となっている。
  政府は2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」で原子力を「安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置付けている。
  東日本大震災での東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて設置された原子力規制委員会の規制基準に適合する場合には、「停止中の原子力発電所の再稼働」を進めるとともに、省エネルギー、再生可能エネルギーの導入、火力発電所の効率化を進めることで、原発依存度を可能な限り低減させる方針を打ち出している。
  2016年5月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」で2050 年までに 80%の温室効果ガスの排出削減を目指すことが掲げられているが、菅首相がこの目標を引き上げた形だ。
(3)
2050年までに温暖化ガス実質ゼロは無理筋
  しかし、現実の原発利用状況は、菅首相が述べた「原発依存度を可能な限り低減する」という状況には程遠い。
  2011年の東日本大震災による東電福島第一原発事故によって、2012年に54基あるすべての原発が稼働を停止した。その後、原子力規制委員会による審査に適合し9基が再稼働している。審査に適合しているが、再稼働待ちの6基は、主に地元自治体との再稼働に対する合意が得られていないためだ。
  審査に適合しても地元自治体の合意を受け、再稼働するまでには5年近い期間が必要となっている。
  経産省では、電力発電量の原発依存度を 20~22%にするには、30基程度の原発の稼働が必要としており、この場合、原子炉等規制法で定められた原発の「運転期間は原則40年」という期限を延長する必要があるとしている。
  さらに、福島原発事故前には平均7割程度だった原発の設備利用率を8割程度に引き上げる必要があることも指摘している。
  国内の原発は老朽化が進んでいるため、原子力規制委員会の審査に適合するような安全対策を実施しても、残りの稼働可能期間を考えると費用対効果が見込めないため、廃炉に向けた検討が進んでいる。
  このため、2030年度の原発依存度は10%程度にまで落ち込むと見られ、今後、原発の新増設、建て替えが行われず、運転期間の延長が認められなければ、2050年以降に運転可能な原発がなくなる可能性も指摘されている。
  となれば、菅首相がぶち上げた「2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標」は“絵に描いた餅”でしかない
(4)
世界の姿勢も二分している
  今、世界の原発に対する姿勢は2分している。IAEA(国際原子力機関)によると、2018年末の世界の原発は31か国・地域で451基となっている。これは福島原発事故前の2010年末(30か国・地域)の441基から10基増加している。
  特に中国は8年間で原発を33基も増加した。ロシアも4基、韓国、インド、パキスタンは各 3 基増加など8か国・地域で49基増加した。一方で、日本は15基、ドイツは10基、米国は6基、英国は4基など7か国・地域で39基の原発が減少した。
  もちろん、原発は数の問題ではない。そこには、原発の安全性、電力の安定供給問題、環境問題、電力発電の経済性、代替エネルギーの普及・経済性など様々な問題がある。
  また、政府は福島第一原発の汚染処理水の海洋放出を検討していると伝わっている。現在、経産省では第5次エネルギー基本計画の見直し議論が始まっている。
  福島第一原発事故という経験を持つ日本だからこそ、今、原発問題をきちんと国民レベルで議論していく必要がある。


2020.9.14-TBS News-https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4077586.html
米西海岸の山火事被害が拡大、少なくとも30人死亡

  アメリカ西海岸の各地で相次いでいる山火事は焼失面積が東京都の9倍に達するなど被害がさらに拡大していて、これまでに少なくとも30人が死亡しました。
   西海岸カリフォルニア州の各地で発生している山火事は、乾燥や強風などの影響で被害が拡大し続けていて、これまでに22人の死亡が確認されています。また、現地メディアによりますと、オレゴン州でも山火事が相次ぎ、少なくとも10人が死亡、ワシントン州でも1人が死亡しました。
   西海岸全体の焼失面積は東京都の面積の9倍に達したということですが、過去の大規模な山火事は9月と10月に多発していることから、さらなる被害の拡大が懸念されています。



2019.10.17-NHK 福島 NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191017/6050007421.html
郡山 行方不明の男の子捜索続く

台風19号の大雨で川が氾濫し、これまでに5人が死亡した郡山市では、いまも行方が分かっていない小学生の男の子の捜索が続けられています。

郡山市田村町を流れる阿武隈川の支流の黒石川では、今月14日に天栄村の親子3人が乗ったとみられる車が見つかり、川の周辺で30代の母親と小学生の男の子の遺体が発見されましたが、もう1人の男の子の行方がわかっていません。警察や消防は黒石川での捜索を続け、17日からは天栄村の職員なども加わって、およそ120人態勢で川の下流を捜索しています。また、天栄村の職員は、捜索が難しい場所にドローンを飛ばして手がかりを捜していました。
郡山市では、亡くなった親子2人を含め5人の死亡が確認されています。


2019.10.29-グーネット中古車-https://www.goo-net.com/magazine/6980.html
燃料電池車(FCV)の仕組みとメリット・デメリット

  地球温暖化の影響もあり、世界中でエコへの取り組みに関心が向けられています。
  特に多くの二酸化炭素を排出する車ではその活動が顕著となって表れており、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)といった、二酸化炭素を発生させないエコな車が開発されています。
  燃料電池車(FCV)と電気自動車(EV)、ハイブリッドの違い
  環境に優しいエコカーとして注目を集めている燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV・PHEV・PHV)など、政府の後押しや免税措置もあり、目覚ましい普及を遂げてきました。それぞれに燃料と駆動の仕組みが異なり、環境負荷の軽減に貢献しています。

日本での普及率
  経済産業省による2017年度の車の保有台数の調査では、燃料電池車(FCV)が2,440台、電気自動車(EV)で103,569台となっており、ハイブリッド車(HEV・PHV)に至っては8,310,669台となっています。
  調査データから見るとハイブリッド車が圧倒的な普及台数となっていますが、燃料電池車(FCV)の販売が始まったのは2014年のことであり、販売年数の違いがそのまま保有台数に反映されているとも受け取れます。
  ちなみに2014年度の150台から始まった燃料電池車(FCV)の保有台数は、2017年度では2,440台となっており、16倍の上昇率を示しています。年々その伸び率が下がっていることを考慮すると、今後、燃料電池車(FCV)の普及率が高まることが予想されます。
  日本では2050年の「水素社会の実現」を目標に掲げ、世界的にも、中国を始めとする主要各国が燃料電池車の普及を目指しているのが現状です。その結果、燃料電池車の市場は、2030年度には2兆2084億円になるとの予想もされています。
基本的な仕組みの違い
  燃料電池車(FCV)は、水素を燃料とし、酸素との化学反応による電気エネルギーでモーターを駆動・回転させます。航続距離も長く、静音無害なため、次世代のエコカーとして早くから注目を集めていました。しかしながら、全体的なインフラ整備が進んでいないため、他のエコカーに後れを取っているのが現状です。
  対して電気自動車(EV)は、文字通り電気を燃料として家庭でも手軽に充電できることから、安定的に需要を伸ばしてきました。しかし、現時点においては、航続距離が短いというデメリットが強調されています。
  インフラも十分整い、航続距離も申し分のないのがハイブリッド車(HV・PHEV・PHV)です。HVは初期に爆発的な普及を見せた純粋なハイブリッド車のことであり、エンジンと電気モーターによる相互駆動で力強い走りを実践しています。
  HVは外部電源からの充電ができない難点があったのですが、そのデメリットを克服したのがPHEV・PHVです。
  PHEV・PHV、どちらもプラグインハイブリッド車であり、技術的な違いはありませんが、その名前の違いはメーカーによる呼び方の違いや、ハイブリッド車寄りの電気自動車(PHEV)か、電気自動車寄りのハイブリッド車か、という意味合いを含ませたものになります。
  PHEV・PHVは、外部電源からの充電も可能で、航続距離が長いというメリットがあります。
燃料電池車(FCV)のメリット
  燃料電池車のメリットは、二酸化炭素といった空気を汚染するガスを、一切発生させないということが第一に挙げられます。
  水素と酸素が化学反応を起こした後はただの水に姿を変え、その蒸気はパイプを通って外に排出されます。これにより、空気を一切汚すことなく車を走行させることが可能です。
  また、燃料電池のエネルギー変換効率は、ガソリン車に比べるとおよそ倍とされており、今後研究が進めばガソリン車以上に遠くまで走行できるようになると考えられています。電気自動車のように電気を定期的に充電する手間も要りません。
  ガソリン車に比べると低振動・低騒音のため、静かな環境の中で快適な走行ができることもメリットです。閑静な住宅街でも近隣に迷惑になる心配もないため、車の騒音問題のリスクも低くなります。
燃料電池車(FCV)のデメリット
  デメリットとしては、燃料電池の価格の高さが挙げられます。
  燃料電池には触媒として非常に高価である白金が使用されているため、車の価格自体も普通車より高くなってしまいます。
  また、ガソリンスタンドは全国各地にありますが、水素ステーションに関しては、全国でおおよそ80ヶ所しか存在していないようです。
  日本の主要都市に水素ステーションが偏っており、地方ではまだ普及が進んでいないため、現時点では水素の充填を行いにくいというのが大きなデメリットです。
  メリットとして挙げた低騒音ですが、一方で歩行者に接近しても全く気付かれないという恐れもあります。
  これにより歩行者側も注意力が散漫となり、車との接触事故が起きる可能性もあります。







地球温暖化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


地球温暖化(英語: Global warming)とは、気候変動の一部で、地球表面の大気や海洋の平均温度が長期的に上昇する現象である。最近のものは、温室効果ガスなどの人為的要因や、太陽エネルギーの変化などの環境的要因によるものであると言われている。単に温暖化、気候温暖化とも言われている
概要
地球の歴史上、気候の温暖化や寒冷化は幾度も繰り返されてきたと考えられている。地球全体の気候が温暖になる自然現象を単に「温暖化」と呼ぶこともあるが、近年観測されており、将来的にも百年単位で続くと予想される「20世紀後半からの温暖化」の意味で用いられることが多い。この記事では20世紀後半からの温暖化について説明する。
現状の科学的理解
  地球表面の大気海洋の平均温度は「地球の平均気温」または「地上平均気温」と呼ばれ、地球全体の気候の変化を表す指標として用いられており、19世紀から始まった科学的な気温の観測をもとに統計が取られている。地球の平均気温は1906年から2005年の100年間で0.74(誤差は±0.18°C)上昇しており、長期的に上昇傾向にある事は「疑う余地が無い」と評価されている。上昇のペースは20世紀後半以降、加速する傾向が観測されている。これに起因すると見られる、海水面(海面水位)の上昇や気象の変化が観測され、生態系人類の活動への悪影響が懸念されている
  この地球温暖化は自然由来の要因と人為的な要因に分けられる。20世紀後半の温暖化に関しては、人間の産業活動等に伴って排出された人為的な温室効果ガスが主因とみられ、2007年2月に国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が発行した第4次評価報告書 (AR4) によって膨大な量の学術的(科学的)知見が集約された結果、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因である確率は9割を超えると評価されている。このAR4の主要な結論は変わっておらず、より多くのデータを加えた第5次評価報告書の作成が進められている。

  AR4によれば、2100年には平均気温が最良推定値で1.8–4°C(最大推計6.4°C)上昇すると予測される[注釈 3]。地球温暖化の影響要因としては、「人為的な温室効果ガスの放出、なかでも二酸化炭素メタンの影響が大きい」とされる[注釈 4]。その一方で太陽放射等の自然要因による変化の寄与量は人為的な要因の数%程度でしかなく、自然要因だけでは現在の気温の上昇は説明できないことが指摘されている。一度環境中に増えた二酸化炭素などの長寿命な温室効果ガスは、能動的に固定しない限り、約100年間(5年–200年[7])にわたって地球全体の気候や海水に影響を及ぼし続けるため、今後20–30年以内の対策が温暖化による悪影響の大小を大きく左右することになる。理解度が比較的低い要因や専門家の間でも意見が分かれる部分もあり、こうした不確実性を批判する意見も一部に存在する。ただし、AR4においてはそのような不確実性も考慮した上で結論を出しており、信頼性に関する情報として意見の一致度等も記載されている
  地球温暖化は、気温や水温を変化させ、海面上昇降水量(あるいは降雪量)の変化やそのパターン変化を引き起こすと考えられている。洪水旱魃酷暑ハリケーンなどの激しい異常気象を増加・増強させる可能性や、生物種の大規模な絶滅を引き起こす可能性も指摘されている。大局的には地球全体の気候生態系に大きく影響すると予測されている。ただし、個々の特定の現象を温暖化と直接結びつけるのは現在のところ非常に難しい。 こうした自然環境の変化は人間の社会にも大きな影響を及ぼすと考えられている。真水資源の枯渇、農業漁業などへの影響、生物相の変化による影響などが懸念されている。2–3°Cを超える平均気温の上昇が起きると、全ての地域で利益が減少またはコストが増大する可能性がかなり高いと予測されている。温暖化を放置した場合、今世紀末に5–6°Cの温暖化が発生し、「世界がGDPの約20%に相当する損失を被るリスクがある」とされる(スターン報告)。既に温暖化の影響と見られる変化が、世界各地で観測され始めている
  このように地球温暖化のリスクが巨大であることが示される一方、その抑制(緩和)に必要な技術や費用の予測も行われている。スターン報告AR4 WG III、IEA等の報告によれば、人類は有効な緩和策を有しており、温室効果ガスの排出量を現状よりも大幅に削減することは経済的に可能であり、経済学的にみても強固な緩和策を実施することが妥当であるとされる。同時に、今後10–30年間程度の間の緩和努力が決定的に大きな影響力を持つと予測されており、緊急かつ現状よりも大規模な対策の必要性が指摘されている。
  このような予測に基づき、地球温暖化の対策として様々な対策(緩和策)が進められているが、現在のところ、その効果は温暖化を抑制するには全く足りず、現在も温室効果ガスの排出量は増え続けている。これらの対策に要するコスト等から、このような緩和策に後ろ向きの国や勢力も少なくない。
対策としては京都議定書が現時点で最も大規模な削減義務を伴った枠組みとなっている。現行の議定書は、議定書目標達成に成功した国々もある一方、離脱・失敗した国々もあるなど、削減義務達成の状況は国により大きく異なり、議定書の内容に関する議論も多い。しかし温暖化が危険であり、対策が必要であることは、既におおむね国際的な合意(コンセンサス)となっている。対策費用増加を含めた今後の被害を抑制するため、現状よりもさらに強固な緩和策が必要であると指摘されている
歴史的経過
  地球の気候に関しては、1970年代には「地球寒冷化」の可能性が取りざたされたこともあった。しかしこの寒冷化説は根拠に乏しく、科学的に調べていく過程で、実は地球が温暖化していることが明らかとなっていった。一般の間でも寒冷化説が広まっていたが、1988年アメリカ上院の公聴会におけるJ.ハンセンの「最近の異常気象、とりわけ暑い気象が地球温暖化と関係していることは99%の確率で正しい」という発言が、「地球温暖化による猛暑説」と報道され、これを契機として地球温暖化説が一般にも広まり始めた。国際政治の場においても、1992年6月の環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)にて気候変動枠組条約が採択され、定期的な会合(気候変動枠組条約締約国会議、COP)の開催が規定された。研究が進むにつれ、地球は温暖化しつつあり、人類の排出した温室効果ガスがそれに重要な役割を果たしているということは、議論や研究が進む中で科学的な合意(コンセンサス)となっていった。このコンセンサスは2001年IPCC第3次評価報告書(TAR)、2006年のスターン報告、2007年のIPCC第4次評価報告書(AR4)などによって集約された。

  温暖化の主因と見られる人為的な温室効果ガスの排出量を削減するため、京都議定書が1997年に議決され2005年に発効し、議定書の目標達成を目処に削減が行われてきた。欧州では順調に削減が進み、目標達成の目処が立っている。しかし主要排出国の米国が参加しておらず、また先進国のカナダが目標達成をあきらめたり、日本が削減義務達成に失敗しそうな情勢になっている。途上国の排出量を抑制する道程も定まっていない。その一方で、温暖化の被害を最小にするには、京都議定書より一桁多い温室効果ガスの排出量削減率が必要とされる。2007年のハイリゲンダムサミットにおいては「温室効果ガスを2050年までに半減する」という目標が掲げられたが、具体的な削減方法や負担割合については調整がつかず、2007年12月の温暖化防止バリ会議(COP13)においても数値目標を定めるには至っていない。
近年の気温の変化
  現在、地球表面の大気や海洋の平均温度は、1896年から1900年の頃(5年平均値)に比べ、0.75°C(±0.18°C)暖かくなっており、1979年以降の観測では下部対流圏温度で10年につき0.12から0.22°Cの割合で上昇し続けている。1850年以前、過去1000年から2000年前の間、地表の気温は中世の温暖期小氷期のような変動を繰り返しながら比較的安定した状態が続いていた。しかしボーリングに得られた過去の各種堆積物や、樹木の年輪、氷床、貝殻などの自然界のプロキシを用いて復元された過去1300年間の気温変化より、近年の温暖化が過去1300年間に例のない上昇を示していることが明らかとなった(AR4)。

  気温の測定手段としては、過去の気温については上記のように自然界のプロキシを用いて復元される一方、計測機器を使用した地球規模での気温の直接観測が1860年頃から始まっている。特に最近の過去50年は最も詳細なデータが得られており、1979年からは対流圏温度の衛星による観測が始まっている。AR4の「世界平均気温」については、都市のヒートアイランド現象の影響が最小限となるよう観測地点を選び、地表平均気温の値を算出している。測定精度に関してはなお一部で議論もあるが、そのような誤差要因を考慮しても近年の温暖化は異常であり、気候システムの温度上昇は疑いようがないと評価されている。
  2019年2月6日、世界気象機関WMO)は、2015年から4年間の世界の気温が観測史上最高だったことを確認した。また、2018年の世界の平均気温が産業革命前比で1度上昇し、過去4番目に高かったと発表した。2015年から4年連続で異例の高温が続き、上昇傾向が続き地球温暖化が進行している証拠だとしている。WMOによると、2016年の平均気温の上昇幅は1.2度で観測史上最高を記録した。WMOのペッテリ・ターラス(Petteri Taalas)事務局長は、単年の記録の上位20位が過去22年間に集中しており、「長期的な気温の傾向は単年の順位よりもはるかに重要であり、長期傾向は上昇を示している」とした上で、「過去4年間の気温上昇は陸上と海面の双方で異常な水準にある」と述べた。ハリケーンや干ばつ、洪水といった異常気象の要因にもなったと指摘している。しかし、地球温暖化に対する懐疑論など根強い反対意見も存在している。
原因
  地球温暖化は、人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガスが主因となって引き起こされているとする説が主流である。『気候変動に関する政府間パネル』(IPCC)によって発行されたIPCC第4次評価報告書によって、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因である確率は「90%を超える」とされる。IPCC第4次評価報告書(AR4)は現在世界で最も多くの学術的知見を集約しかつ世界的に認められた報告書であり、原因に関する議論が行われる場合も、これが主軸となっている。
  原因の解析には地球規模で長大な時間軸に及ぶシミュレーションが必要であり、膨大な計算量が必要である。計算に当たっては、直接観測の結果に加え、過去数万年の気候の推定結果なども考慮して、様々な気候モデルを用いて解析が行われる。解析の結果、地球温暖化の影響要因としては、環境中での寿命が長い二酸化炭素メタンなどの温室効果ガスの影響量が最も重要であるとされる。この他、エアロゾル、土地利用の変化など様々な要因が影響するとされる。こうした解析においては、科学的理解度が低い部分や不確実性が残る部分もあり、それが批判や懐疑論の対象になる場合もある。実際のところ、数億年前まで遡って考えると、二酸化炭素濃度は現在より圧倒的に高い。しかしこのような不確実性を考慮しても、温暖化のリスクが大きいことが指摘されている。
影響
地球温暖化の影響に関しては、多くの事柄がまだ評価途上である。しかしその中でもAR4、およびイギリスで発行されたスターン報告が大きな影響力を持つ報告書となっている。
  地球温暖化による影響は広範囲に及び、「地球上のあらゆる場所において発展を妨げる」(AR4)と予想されている。その影響の一部は既に表れ始めており、IPCCなどによるこれまでの予測を上回るペースでの氷雪の減少などが観測されている。 AR4 WG IIによれば、地球温暖化は、気温や水温を変化させ、海水面上昇、降水量の変化やそのパターン変化を引き起こすとされる。洪水旱魃猛暑ハリケーンなどの激しい異常気象を増加・増強させ、生物種の大規模な絶滅を引き起こす可能性などが指摘されている。大局的には地球温暖化は地球全体の気候生態系に大きく影響すると予測されている。個々の特定の現象を温暖化と直接結びつけるのは現在のところ難しいが、統計的には既に熱波や大雨等の極端な気象現象の増加が観測されており、今後さらに増えると見られている
  こうした自然環境の変化は人間の社会にも大きな影響を及ぼす。真水資源の枯渇、農業漁業などへの影響を通じた食料問題の深刻化、生物相の変化による影響などが懸念されており、その影響量の見積もりが進められている。AR4では「2–3°Cを超える平均気温の上昇により、全ての地域で利益が減少またはコストが増大する可能性がかなり高い」と報告されている。 スターン報告では、5–6°Cの温暖化が発生した場合、「世界がGDPの約20%に相当する損失を被るリスクがある」と予測し、温室効果ガスの排出量を抑えるコストの方が遙かに小さくなることを指摘している。
  日本では国立環境研究所などによる影響予測が進められており、豪雨や猛暑の増加、農業用水の不足、植生の変化、干潟や砂浜の消滅、地下水位や海面上昇などによる被害の増大の予測が報告されている。農業では米がとれなくなり、漁獲量ではアワビやサザエ、ベニザケが減少するなどの甚大な被害が予想される。寒害の減少、北日本における米の生産向上など一部では利益も予想されるが、被害が大幅に上回ると見られる
気温への影響
人為的な温室効果ガスの排出傾向に応じて、さらに気温が上昇し、下記のような現象が進行することが懸念されている。
 1990年から2100年までの間に平均気温が1.1–6.4°C上昇。これは過去1万年の気温の再現結果に照らしても異常。
 北極域の平均気温は過去100年間で世界平均の上昇率のほとんど2倍の速さで上昇した。北極の年平均海氷面積は、10年当たり2.1%–3.3%(平均2.7%)縮小している
 陸域における最高最低気温の上昇、気温の日較差の縮小。
 温暖化が環境中からの二酸化炭素やメタンなどの放出を促進し、さらに温暖化が加速する(正のフィードバック効果)。
 サンゴ礁の白化(サンゴ礁の劣化)による、砂礫の供給能力の低下。サンゴ礁によってできている島の水没。
気象現象への影響
気象現象への影響は一括して「異常気象の増加」、気候への影響は「気候の極端化」と表現されることがある。温暖化に伴って気圧配置が変わり、これまでとは異なる気象現象が発生したり、気象現象の現れ方が変わったりすると予想されている。たとえば下記のような変化が懸念されている。
 偏西風の蛇行、異常気象の増加。日本周辺の気候にも大きな影響を与える可能性。
 アメリカ南東部・東部の海水温上昇により、竜巻の発生域が南東部や東部に広がる。
 暑い日・暑い夜が増加し、全体的に昇温傾向となる。高温や熱波・大雨の頻度の増加、干ばつ地域の増加、勢力の強い熱帯低気圧の増加、高潮の増加。降水量に関しては異論もあるものの、たとえば下記のような影響が懸念されている。
 大気中の水蒸気量の増加により、平均降水量は増加。
 平均降水量の変動幅の増大、豪雨旱魃の増加。
 熱帯雨林の乾燥化や崩壊。
海水面への影響
気温の上昇により氷床氷河の融解が加速されたり海水が膨張すると、海面上昇が発生する。これに関しては下記のような予測や見積もりが為されている。
  ここ1993-2003年の間に観測された海面上昇は、熱膨張による寄与がもっとも大きい(1.6±0.5mm/年)。ついで氷河と氷帽(0.77±0.22mm/年)、グリーンランド氷床(0.21±0.07mm/年)、南極氷床(0.21±0.35mm/年)とつづく。
  日本沿岸では(3.3mm/年)の上昇率が観測されている
  第4次報告書(2007)では、最低18 - 59cmの上昇としているが、これは氷河の流出速度が加速する可能性が考慮されていない値である。AR4以降の氷床等の融解速度の変化を考慮した報告では、今世紀中の海面上昇量が1〜2mを超える可能性が指摘されている。
これにより、下記のような影響が出ることが懸念されている。
  浸水被害の増加。オセアニアの島国ツバルヴェネツィアの歴史的建造物をはじめとし、東京、名古屋、大阪などを含む低い土地の水没、等々。
  汽水域を必要とするノリカキアサリなどの沿岸漁業への深刻なダメージ。
  防潮扉、堤防、排水ポンプなどの対策設備に対する出費の増加。
  地下水位の上昇に伴う地下構造物の破壊の危険性、対策費用の増加。
  地下水への塩分混入にともなう工業・農業・生活用水への影響。
海水温・海洋循環への影響(「地球温暖化の影響#海水温・海洋循環への影響」を参照)
地球規模の気温上昇に伴い、海水温も上昇する。これにより、下記のような影響が懸念されている。
  生態系の変化。
  水温の変動幅拡大に伴う異常水温現象の増加。太平洋熱帯域でのエルニーニョ現象の増強。
  海流の大規模な変化、深層循環の停止。およびこれらに伴う気候の大幅な変化。
生態系・自然環境への影響(「地球温暖化の影響#生態系・自然環境への影響」を参照)
温暖化の影響は生態系にも大きな影響を与えることが懸念されている。
  二酸化炭素の増加による生物の光合成の活発化。
  生物の生息域の変化。
  寒冷地に生息する動物(ホッキョクグマアザラシなど)をはじめとする、生物種の数割にわたっての絶滅。
  サンゴの白化や北上(北半球)・南下(南半球)。
  日本においては、ブナ林分布域の大幅減少や農業への深刻な影響。
社会への影響(「地球温暖化の影響#社会への影響」を参照)
  人間の社会へも下記のように大きな影響が出ることが懸念されている。
  気象災害の増加(熱帯低気圧、嵐や集中豪雨)に伴う物的・人的・経済的被害の増加
  気候の変化による健康への影響や生活の変化
  低緯度の感染症マラリアなど)の拡大
  雪解け水に依存する水資源の枯渇
  農業、漁業などを通じた食料事情の悪化
  永久凍土の融解による建造物の破壊
日本でも60%の食糧を輸入しているため、国外での不作や不漁、価格変動の影響を受けやすく、食糧供給に問題が生じることが予想されている。
対策(「地球温暖化への対策」を参照)
地球温暖化への対策は、その方向性により、温暖化を抑制する「緩和」(mitigation)と、温暖化への「適応」の2つに大別できる。
  地球温暖化の緩和策として様々な自主的な努力、および政策による対策が進められ、幾つかはその有効性が認められている。現在のところ、その効果は温暖化を抑制するには全く足りず、現在も温室効果ガスの排出量は増え続けている。しかし現在人類が持つ緩和策を組み合わせれば、「今後数十年間の間にGHG排出量の増加を抑制したり、現状以下の排出量にすることは経済的に可能である」とされる。同時に、「今後20–30年間の緩和努力が大きな影響力を持つ」「気候変動に対する早期かつ強力な対策の利益は、そのコストを凌駕する」とも予測されており、現状よりも大規模かつ早急な緩和策の必要性が指摘されている(AR4 WG IIIスターン報告)。


水素自動車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


水素自動車とは、水素をエネルギーとする自動車のことである。既存のガソリンエンジンやディーゼルエンジンを改良して直接燃焼を行うものと、燃料電池により発電するものに大別することができるが、後者は燃料電池自動車として別枠で扱うことが一般的である。本項では前者について述べる。

水素エネルギー開発研究所
  2006年7月28日、国土交通省大臣認定を受け公道上での試験走行を開始した。試験車両は日産の市販車を改造したものである。このエンジンの特徴は、水素を直接燃焼させ、燃焼熱で水を蒸気にし(水蒸気爆発を起こさせ)運動エネルギーにするという点である。走行距離は約150km、最高時速は180kmである。フレイン・エナジー
  2008年2月、ガソリンと水素を混焼させる有機ハイドライド水素自動車を発表した。「有機ハイドライド水素」とは水素を結合した有機化合物で、常温・常圧でも保存できる特徴がある。
Ronn Motor
  2008年11月4日、米テキサス州のRonn Motor社は「H2GO」というリアルタイム水素供給システムを搭載した車両を発表した。水を電気分解して気体の水素を取り出し、ガソリンと混燃させることで燃費が向上し、エンジンからの排出物が減少するとしている。水素供給の為の貯蔵タンクなど特別なインフラを必要としない。Scorpionというスポーツカータイプで少量販売を行った
課題
  2010年代前後から各国各社のメーカーは電気自動車の開発にしのぎを削っており、燃料電池自動車の存在もあって水素自動車は影の存在となりがちであるが、普及に当たって支障となる水素の取り扱いに関する問題点は燃料電池自動車と共有するものであることから、この点に関しては燃料電池車と歩調を合わせて開発・普及が進展してゆくものと考えられる。また、既存のエンジン技術を応用できるメリットがあり、エンジンを使って加速するというモーターでは得られない内燃機関独特の走行感は、燃料電池自動車とは違うマーケットを形成できるものとも言われている。

  ヒンデンブルク号爆発事故のイメージなどから、水素は危険だというイメージがつきまとっている。だが実際はヒンデンブルク号は真っ赤に燃え上がっており、実際の事故原因は船体外皮の酸化鉄アルミニウム混合塗料(テルミットと同じ成分)によるものとされているガスタンクに亀裂が入った瞬間、水素の特性である気体中最軽量という点から急速に大気中に放出・拡散、一部は大気中の酸素とすぐに結合して水になるため、ガソリンの危険性と大差が無いのではないかという説もある。しかしながら、水素は燃焼時に炎がほとんど見えず、爆発濃度域(燃焼範囲/爆発限界)が非常に広い。ガソリンの燃焼範囲が1.4〜7.6vol%であるのに対し、水素のそれは4.1〜71.5vol%である。それゆえ引火の危険性が非常に高い。発火後の消火は容易でないことが予想される。

  また水素の物性として分子が極小のため、シリンダーブロックなどを構成する金属中に拡散・浸透し、脆くしてしまう現象(水素脆化)、および、温度変化、衝撃、衝突時の車体変形などにも考慮した水素の車両への搭載方法に関する問題が挙げられる。また、水素レシプロエンジンでは、水素の燃焼速度が高いため吸気-圧縮過程で混合気が高温の点火プラグや排気バルブに接触した際に爆発が起こりやすく、ノッキングバックファイアーなどが起こりやすい(ロータリーエンジンは構造上、バックファイアーが起こりにくい)。このため、水素混合率を極めて低くする必要があり、ガソリンを用いた場合と比較すると、出力は50 %程度に留まる。さらに水素と空気の混合気を燃焼させた場合、二酸化炭素や硫黄酸化物は生成されないが、高温燃焼過程に酸素窒素が共存する結果、窒素酸化物が生成されるという本質的な問題がある。

  その一方で、触媒レアメタルを使用する燃料電池を搭載しなければならない燃料電池自動車に対し、水素自動車は従来のエンジンを改良するだけでよいため、圧倒的に安価に仕上がるという利点もある。そのためマツダが開発した水素とガソリンのハイブリッド自動車(RX-8 ハイドロジェンRE)の価格は、従来車よりも100万円程度高いもので済まされると予想されている。
  燃料となる水素は、採掘によって得られる一次エネルギーとは異なり、水素源にエネルギーを与えて初めて得られる二次エネルギーである。現在、水素は天然ガスなどの改質によって工業生産されているが、前述のとおりエネルギーを消費するため、製造効率は60〜70%程度にとどまっている。一方、ガソリンおよび軽油の採掘・精製・運送(中東〜日本の場合)の熱効率は90%以上である。また、水素燃焼エンジン単体の燃焼効率は従来のエンジンと大差無いため、燃料の製造過程を考慮した総合熱効率はガソリンエンジンディーゼルエンジンよりも劣る。このため、水素燃焼型自動車の大量導入によって、単純に自動車用燃料を石油から水素にシフトさせても、結局はそれ以上のペースで天然ガスの消費を招き、二酸化炭素の総排出量が現状よりも増加するという見方がある。一方で、工業的に副産物として生成する水素を利用した場合には廃棄物の再利用となる。日本においては数百万台分の水素燃焼車の燃料を賄えるだけの水素が廃棄されているとされており、これらを回収・精製し、効率的に配分するインフラの構築が望まれている。このため、燃料の供給元となる水素ステーションインフラの整備も重大な課題となっている。

  また元々水素自動車が開発されるきっかけとなっていた、石油の精製過程の副産物として出てきた大量の水素ガスは、公害対策を理由として行われてきた精製設備の更新によって水素ガスが発生しないものへと変わってきている。原料である水素の製造を伴うため、全体ではカーボンオフセットつまり環境性能の向上にあたらないとの見解は根強い。
  燃料タンクについては、気体水素の密度が低く、高密度貯蔵が困難であることから、従来のガスタンク内圧(15 MPa程度)を大きく超える高圧タンクが開発されている。現在は炭素繊維複合材にアルミ合金ライニング(内張り)を施した35 MPa級高圧タンクが各所で開発され、燃料電池自動車で実用試験に供されている。DOE(アメリカ・エネルギー省)の試算によると、ガソリン車と同程度の走行距離を得るためには70 MPa級の高圧タンクが必要とされており、各研究開発機関がこの要求値を満たすタンクの開発をすすめている。これらのタンクはいずれも極めて高圧の水素をガソリン程度の安全性を維持して貯蔵する必要があるため、安全性保証のために、水素充填時のタンクをライフルで撃つガンファイアテストなどをクリアする強度を持たなければならない。

  このような貯蔵密度の問題を回避するために、BMWGM、そしてGM傘下のオペル液体水素タンクを開発し、実用評価を行っている。液体水素は極低温であるために、断熱対策が万全でないと貯蔵されている水素が気化する。BMWは、貯蔵開始後からボイルオフが始まるまでの時間を3週間程度まで延ばすことに成功している。さらに事故などでタンクが破損した場合の危険性もガソリンと同程度か、ガソリンより低いと思われる水素吸蔵合金の性能が向上すれば、低圧で比較的穏和な水素供給が可能なタンクが開発されると考えられているが、現状では、吸蔵放出温度、吸蔵放出速度、吸蔵放出時の反応熱のやりとり、合金質量などの点において未解決の問題が多い。
  すでにエタノール、メタノール、液化天然ガスなどの燃料で低公害車は普及している。アルコール系燃料は技術的ハードルが低く、ブラジルでの普及やモータースポーツでの使用などもあり、安全性やインフラなどの技術も確立している。水素燃料は走行時に二酸化炭素を出さないという環境面でのメリットがあるが、前述のように非常に多くのデメリットがあり、それらが実用化を妨げている。









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