地震・噴火事故・地すべり・洪水-1


2024.11.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241127-M3KRZIDHABMYNC3R7HHIT5ILQY/
1週間は同程度の地震に注意、気象庁が呼びかけ 石川・能登で震度5弱

  26日午後10時47分ごろ、石川県能登地方で震度5弱の地震があった。気象庁によると、震源地は石川県西方沖で、震源の深さは7キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・6と推定される。日本沿岸で若干の海面変動の可能性があるが、津波被害の心配はないとしている。同県津幡町の地元消防によると、同町で70代女性が負傷し、病院に搬送された。けがの程度は不明。

  震度5弱は石川県の輪島市と志賀町。同県羽咋市も震度5弱と考えられるが、記録が入手できていないとしている。気象庁は約1週間、同程度の地震に注意するよう呼びかけた。1月の能登半島地震以降、周辺では地震活動が活発だとして、今後も強い揺れが起きる可能性があるとしている。
  この地震で震度1以上の揺れは東北から四国の広範囲で観測した。26日夜は、震度5弱以降も能登半島では地震が相次いだ。
  JR西日本によると、北陸新幹線は富山―金沢間で運転を見合わせた。富山県の黒部宇奈月温泉と福井県の越前たけふ間で一時停電が発生した。


2024.11.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241107-N5FYYF37GZICXOVATSMUAEY53I/
日本に津波の影響なし インドネシアの大規模噴火

  気象庁7日、インドネシア東ヌサトゥンガラ州フロレス島のレウォトビ・ラキラキ山で発生した大規模な噴火について、日本への津波の影響はないことを明らかにした。

  大規模な噴火が起きると、気圧波の影響で津波が発生することがある。噴火は日本時間の7日午後0時半ごろ発生し、午後5時時点で海外や国内の観測点で目立った潮位の変化は観測されていない
  インドネシア政府によると、この日は複数回噴火し、噴煙は高さ約5千メートルに達した。被害者の報告はないとしている。


2024.10.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241004-6CXKCYFYA5NPBF5JU2HBCR4RUM/
地震の地割れから大量の土砂「人災」と批判も 能登水害、家も車も埋まった
(木下倫太朗)

  9月21日に能登半島で発生した記録的豪雨で、石川県輪島市の市立輪島中グラウンドに元日の地震で生じた地割れから大量の土砂が流出し、周囲の家や車を埋め尽くした。地震後、地割れから水が染み出すなどの予兆もあり、市側は土囊(どのう)を置くといった対策を講じてきたが、豪雨には効果がなかった市に繰り返し対策の強化を求めてきた住民からは「危険性は明らか」「人災だ」といった批判の声も上がる。

  輪島市中心部の高台にある輪島中では、元日の地震で約1万6千平方メートルあるグラウンドに地割れが発生した。グラウンドを管理する輪島市教育委員会によると、地割れは最大で長さ約130メートルに及び、グラウンドの約半分が崩れ落ちた。
  地震後、高台の下で暮らす住民は、雨が降るたびに恐怖を感じた。息子宅の前が土砂に埋まった服部陽子さん(65)は「大きく崩れた斜面から雨が降るたびに水が染み出したり、小石が落ちてきたりした」と振り返る。住民から対策を求める声もあり、市は斜面にブルーシートを張ったり、大型土囊を置いたりしたほか、雨水が斜面に流れないよう仮設の排水管も設置した。
  しかし、今回の豪雨では対策の効果もなく地割れから大量の土砂が流出。高台から約300メートルにわたる坂道には、グラウンドの土砂を含む濁流が川のように流れた。仮設の排水管は十分に機能しないまま壊れ、最大で高さ1メートルほどの土砂が民家や道路、駐車中の車を覆った。服部さんは「しっかり補強していれば被害はもう少し抑えられたのでは」とため息を漏らす。
市教委「被害受けられた方におわび」
  高台の土砂崩れの危険性を市に何度も訴えた住民もいる。輪島中が立つ高台のすぐ下に自宅がある女性(55)によると、地震後、雨が降るたびにグラウンドの砂が自宅前を流れたという。
  土砂流出の危険性は目に見えていたため、女性は輪島中の周辺を土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定するよう市側に要望したが、「教育委員会との兼ね合いがある」などとして取り合ってもらえなかったと憤る。実際、輪島市が公開するハザードマップは令和元年度末から更新されておらず、土砂が流出した範囲は土砂災害警戒区域(イエローゾーン)からも外れたままだ。
  女性宅は今回の土砂流出で床下まで泥水につかり、前の道路も地中の水道管やマンホールがむき出しになるなどした。複数の予兆があったにもかかわらず土砂流出を防げなかったことに、女性は「市の対応はあくまで応急処置に過ぎない。その後の対応はなく、人災と言っても過言ではない」と訴える。

  これに対し、輪島中のグラウンドを管理する市教委は、地震後に一定の対策をとってきたとした上で、「被害を受けられた方におわびする。さらに被害が拡大しないように対策を講じる」と述べるにとどめた。
(木下倫太朗)


2024.10.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241001-MXOTYFR2BJMZPMKNIEO3UCVTEU/
発見場所は170キロ以上離れた福井沖 能登豪雨で不明の14歳女子生徒?着衣タグに名字

  福井県沖で9月30日に見つかった女性の遺体は、福井海上保安署によると、着衣に手書きで名前が書いてあり、石川県能登地方で9月21日に発生した記録的豪雨で行方不明となっていた中学3年の喜三翼音(きそ・はのん)さん(14)の可能性があるとして、身元確認が進められている。喜三さんならば、石川県輪島市から福井沖まで170キロ以上、流されたことになり、潮流による可能性があるという。

  同署によると、遺体が見つかったのは福井県坂井市の福井港沖約40キロの海上。輪島市で喜三さんが行方不明となった場所からは170キロ以上離れており、9月21日の豪雨から9日が経過していた。
  「喜三」と名前が書かれていたのは、黒っぽいジャージーのズボンの内側についたタグで、黒マジックで手書きされていたという。同署などは身元確認を進めている。


2024.09.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240929-5AGWGP6J3FIDBL77DIVNPMRNQE/
中小河川でも家屋流され…「谷底平野」リスク 能登半島豪雨で専門家が警鐘
(市岡豊大)

  石川県能登地方で起きた大雨災害では16の中小河川が氾濫(はんらん)し、川沿いの「谷底平野」で被害が拡大した。近年、全国の山間部で同様の水害が繰り返されている。早めの避難行動が求められるが、中小河川では浸水想定区域が指定されていないことも多い。自治体は川沿いの住民には早めに避難を呼びかけるなどの工夫が必要だ

  同県輪島市では21日に市内を流れる河原田川が氾濫し、能登半島地震の被災者が入る同市宅田町の仮設住宅団地2カ所が浸水。被害拡大後に救助される住民も相次いだ。
  国土地理院の標高地形図によると、団地の西約200メートルには数メートル高い台地状の地形があり、「入居者への注意喚起や避難の呼びかけが不十分だった可能性がある」(市幹部)との声も出ている。
 河川中流は上流から流れてきた土砂が堆積し、川べりと同じ高さに谷底平野が形成される。地形によっては数万年以上前の谷底平野が隆起するなどして台地状の「段丘面」が形成される。
  川は水深が深く、川幅が狭いほど流れる水流が強くなるため、中小河川で増水するとカーブ外側で堤防が削られることがある。さらに氾濫すると谷底平野全体が川のようになり、水かさが急激に増すため強い力で家屋などが押し流される。
  平成29年の九州北部豪雨では福岡県朝倉市の赤谷川などで起きた氾濫で42人が犠牲となった。28年の台風災害では岩手県岩泉町の小本川で21人が犠牲に。23年の紀伊半島豪雨でも和歌山県那智勝浦町の那智川などで50人以上の死者が出た。
  大河川と違い、全国に約2万ある中小河川は行政がリスクを把握しにくい。能登半島の状況を調べた静岡大防災総合センターの牛山素行教授(災害情報学)は「能登は避難先になる台地があまりなく被害が出た。谷底平野のリスクを把握し、川べりと同じ高さに建つ家屋は注意しなければならない」と話した。
(市岡豊大)


2024.09.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240718-TEXU735Z2RPDFCIK3NVB4TKI4U/
三宅島で震度3、震源地は八丈島東方沖 地震の規模はM5・8

  18日午後8時7分ごろ、東京都・三宅島で震度3の地震があった。気象庁によると、震源地は八丈島東方沖で震源の深さは約100キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・8と推定される。

  各地の震度は次の通り。・・・震度3=三宅島、三宅坪田(東京)▽震度2=玉川(福島)つくばみらい加藤(茨城)さいたま南区(埼玉)館山(千葉)八丈島(東京)横浜、(神奈川)富士川鰍沢(山梨)伊豆の国(静岡)など▽震度1=石巻大街道南(宮城)上山(山形)福島(福島)水戸(茨城)宇都宮(栃木)桐生(群馬)さいたま(埼玉)千葉(千葉)世田谷(東京)十日市場(神奈川)南魚沼(新潟)甲府(山梨)諏訪(長野)網代(静岡)など


2024.09.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240922-I3MYLUDN35KBTF3O4RNFODMDOM/
携帯電話が流され… 「笑う元気も残っていない」 濁流に迫られた輪島の人たち

  「もう笑う元気も残っていない」石川県能登地方で河川の氾濫や土砂崩れが多数発生した記録的豪雨から一夜明けた22日輪島市久手川町の中大治さん(66)は、そう言って嘆息した

  21日午前、中さんが仕事から帰宅すると、自宅は近くの川の水とともに押し寄せてきた流木で半壊状態に。自宅前にはペシャンコに押しつぶれた車が横転し、周囲にはかすかにガソリンの匂いが漂っていた。
  家の中は泥まみれで、棚に飾っている孫の写真も汚れていた。「地震の次はこれか。やっと落ち着いたと思ったらこのありさまだ」。中さんは肩を落としながらスコップで泥をかき出し続けた。

  大阪に住む息子も心配しているだろうと思うが、「家に置いていた携帯電話が流され、連絡も取れない。早く連絡したい」と肩を落とした。
  輪島市塚田町の田中宏二さん(76)宅近くの川は、大雨で濁流とともに流れてきた流木が水をせき止め、行き場を失った水が道路や田んぼにあふれた。
  今は少し落ち着いているが、「こんなのは初めてだった。自分も巻き込まれるんじゃないかと恐ろしかった」と振り返った。
(鈴木文也)


2024.09.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240922-DA6BJX4A75JSTDFYIXB2S5QM7I/
能登の「特別警報」を切り替え、「大雨警報」に 観測史上1位の雨量に

  前線や低気圧の影響で石川県能登地方では22日午前まで大雨が続いた。気象庁によると、24時間雨量は輪島市で400ミリを、珠洲市で300ミリを超え、観測史上1位となった。気象庁は雨のピークが過ぎた午前10時過ぎ、両市と能登町の大雨特別警報を大雨警報に切り替えた。北陸では22日昼前にかけて低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に最大級の、土砂災害には厳重な警戒を呼びかけた。東北でも同様の災害が発生する可能性がある。

  北陸ではこれまでの大雨や能登半島地震の影響で地盤の緩んでいる所があり、少しの雨でも土砂災害の危険度が高まる恐れがある。落雷、竜巻などの激しい突風にも注意が必要だとしている。
  気象庁によると、山陰沖の前線上で発達した低気圧が東北東に進んだ。低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態は広い範囲で非常に不安定となった。21日深夜から22日早朝の1時間雨量は、佐賀県唐津市、伊万里市や高知県四万十町、大分県日田市で70ミリに達した。


2024.08.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240816-JB5KYHBFL5OELLXHLZVFG2H6K4/
社説<主張>南海トラフ地震 「半割れ」への対応進めよ

  南海トラフ巨大地震の発生可能性が、平常時に比べて相対的に高まったとして今月8日に発表された「巨大地震注意」の臨時情報は15日に解除された。

  臨時情報を契機に見直した地震、津波への備えと心構えを定着させよう。それに合わせて、終戦前後の混乱期に日本を襲った「昭和の震災」を思い起こしたい。
  終戦を挟んだ5年間に、死者数が千人を超すマグニチュード(M)7~8級の大地震が立て続けに発生した。8年鳥取(M7・2、死者1083人)19年昭和東南海(M7・9、死者・不明1233人)20年三河(M6・8、死者2306人)21年昭和南海(M8・0、死者1330人)23年福井(M7・1、死者3769人)―の5つの地震である。
  このうち、昭和東南海と昭和南海地震は、南海トラフを震源とする海溝型地震で、M8級の大地震が2年の間隔を置いて連動した。「半割れ」と呼ばれる発生パターンで、昭和の前の江戸時代後期の安政東海・南海地震(1854年)では、発生間隔は32時間だった
  南海トラフ巨大地震の想定震源域でM8以上の地震が発生した場合、今回の「注意」よりも強い「巨大地震警戒」の臨時情報が出される。南海トラフの過去の活動歴から、M6・8以上の地震発生時に出される「注意」よりも、連動の可能性は格段に高い。
  先に発生したM8級地震による被災地救援に全力を挙げながら、隣接する震源域での大地震を厳重に警戒しなければならない。巨大地震警戒の臨時情報も期間は1週間程度を目安としているが、過去の連動間隔からは厳重警戒の長期化も想定する必要があるだろう。

  「半割れ」への対応は極めて難しい。「起きた時」ではなく事前に、政府、自治体、地域や家庭で具体的な対応を検討しておくべきである。
  昭和の震災からくみ取るべきもう一つの教訓は、海溝型地震の前後にM7級の内陸地震が発生していることだ。
  今回の臨時情報は、南海トラフ地震防災対策推進地域の29都府県707市町村が対象だったが、南海トラフの震源域から離れた地域でも、地震への備えを再確認しておきたい


2024.08.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240813-WZLAXVBK7BN57APZA5TTIGFOGE/
長周期地震動で揺れ6メートルも 可能性高まる南海トラフ地震 専門家「日常から備えを」
(伊藤壽一郎)

  宮崎県で震度6弱を観測した地震の影響で、マグニチュード(M)8~9級の南海トラフ巨大地震が起きる可能性が普段よりも高まり各地で警戒が続いている。仮に発生した場合、超高層のビルやタワーマンションに長く大きな揺れをもたらす「長周期地震動」を伴うとみられ、揺れ幅は最大6メートルに及ぶという。どんな備えが必要なのか。

  地震で生じる多様な周期の揺れ(地震動)のうち、揺れの1往復の周期が約2秒を超えるのが長周期地震動だ。ゆっくりとした大きな揺れで、地震の規模が大きいほど生じやすく、遠方に伝わる
  建物には揺れやすい固有の周期があり、地震動の周期と一致すると共振という現象で揺れが長く大きくなる。固有周期は主に建物の高さで決まり、内閣府によると、高さ100メートルの建物で2秒程度、高さ300メートルで5~6秒。高層建築ほど長周期地震動で大きく揺れ、同じ建物でも低層階より高層階の方が速く大きく揺れる
  平成23年の東日本大震災(M9・0)では、宮城県沖の震源から700キロ超離れた大阪市で、長周期地震動により超高層ビルの高さ約2百数十メートルにある最上階が約10分間、最大で2・7メートルの幅で揺れ、エレベーターが止まったり、防火扉などが壊れたりした
  南海トラフ巨大地震の発生時も、高層建築物が立ち並ぶ東京、名古屋、大阪の三大都市圏で、長周期地震動の影響が顕著になりそうだ。内閣府の有識者会議は、大阪市沿岸部の超高層ビルの最上階で、揺れ幅が約6メートルに及ぶと想定している。
  長周期地震動の揺れについて、気象庁は4段階の階級を設けている。数字が大きいほど揺れが大きく、階級3では立っていることが困難になり、階級4になると、はわなくては移動できなくなる。昨年、階級3以上の地域の予測を緊急地震速報の発表基準に追加し、同年5月に石川県で震度6強を観測した地震で、予測が初めて発表された。
  高層階にいて長周期地震動が予測されたらどうすればいいのか。防災システム研究所の山村武彦所長は「揺れで飛ばされけがをしないよう、柱などにつかまり体を支えることが大切だ」と話す。
  家具や事務機器などが大きく動き、ぶつかってくる可能性もある。山村所長は「家具などを動かないよう固定したり、体を支えられる場所を確認したり、日常から備えてほしい」と指摘した。
(伊藤壽一郎)


2024.08.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240810-JXMTHV2WXNI3TGVJAQ2T666LWY/
閑散とした海水浴場、簡易トイレの需要増・・・ 宮崎、巨大地震警戒しながらのお盆突入
(千田恒弥、木下倫太朗)

  気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表して初の休日を迎えた10日、2日前に震度6弱を観測した宮崎県の海水浴場は閑散とし、ホームセンターでは簡易トイレを買い求める客が目立った空港では無事を心配していた親族に再会し、喜びあう家族の姿も。旅行、帰省も含めた日常の社会経済活動の継続が呼びかけられる中、警戒しながらのお盆休みが始まった

「遊泳注意」の黄色い旗
  「いつもはビーチパラソルが砂浜を埋め尽くすが、地震の後は例年の1割ぐらいしかない」  宮崎市内にあるサンビーチ一ツ葉海水浴場でライフガードの責任者を務める松田岳さん(25)はこう言って、閑散とした海岸に目を向けた。
  地震当日は海水浴客を避難誘導し、自らも海岸から急いで離れた。その後、気象庁が南海トラフ地震臨時情報を初めて発表したのを受け、監視所には「遊泳注意」を示す黄色い旗を掲げた。また、余震に備えて遊泳区域は海岸寄りに設定し、海水浴客をすぐに誘導できる態勢を整えた。こうした対応は当面続けるが、「自然はわからない。軽々に海に来てくれとはいえない」とつぶやいた。
  海水浴場を訪れていた40代女性は10日に愛媛県から家族5人で帰省。「余震は心配だが、子供たちが海で泳ぎたいというので来た」と話し、波打ち際で遊ぶ3人の子供たちを見守った。
「直接会えてほっとした」
  一方、お盆休み初日を迎えた宮崎空港は、帰省する親子連れや観光客であふれていた。到着ロビーでは久しぶりの再会を喜ぶ家族の姿が見られた。
  東京から帰省する孫を待っていた田中節子さん(74)は「地震が心配なので出かけるのを控える。家でおいしいものをたくさん作って食べさせたい」と笑顔を見せた。到着した大学4年の孫、二葉(ふたば)さん(21)は「地震後、おばあちゃんと連絡は取れていたが、直接会えてほっとした」と顔をほころばせた。
  夏季休暇で宮崎を訪れた人も。横浜市の会社員、山本雅之さん(56)は、日南市でサーフィンを楽しむつもりで旅行を計画。ただ、南海トラフ地震臨時情報が出ていることを踏まえ、「避難経路などを確認して、安全が確保できれば楽しみたい」と話した。
今も一部で断水
  宮崎市のホームセンター「ハンズマン」柳丸店ではこの日、朝から災害対策グッズを求める客の姿が多く見られた。同店では常時、突っ張り棒や非常食など約300種類の災害対策グッズを販売しているが、8日の地震を受けて多くの客が買い求め、完売。その後、注文数を通常の7~8倍ほどに増やし、10日には災害対策グッズ専用の特設売り場を設けた。
  本来、お盆前の時期は花や仏具などを求める客が多いというが、副店長の井和丸(いわまる)健司さん(48)は「お盆関連の商品よりも災害対策用品の方が売れている」と話す。
  特に売れているのが簡易トイレだ。地震後、店内にあった50個ほどの在庫はすぐに売り切れた。追加発注した簡易トイレを10日午前9時に店頭に並べたが、1時間で約100個売れるなど需要が多いという。
  国土交通省によると、今回の地震で宮崎県では日南市や串間市で水道管が破裂、大分県日田市では水源となる井戸水の濁りに伴い取水が停止され、最大120戸が断水。復旧したエリアもあるが、10日午後3時現在、日田市の78戸で断水が続いている。
  簡易トイレを買いに来たという宮崎市の女性(70)は、「断水に備えて買いに来た。トイレが使えなくなったら一番困るので、購入できてよかった」と安心した表情を浮かべた。
(千田恒弥、木下倫太朗)


2024.08.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240810-QGJVEORSXNJHNHEECQZCBK2PRM/
宮崎震度6弱の地震以降、ひずみ観測点に異常なし 気象庁「地震活動は依然活発」

  気象庁は10日、宮崎県で震度6弱を観測した8日の地震以降、高知県と愛媛県の計3カ所のひずみ観測点では、地震後に通常見られる変化以外に異常は見られないと明らかにした震度6弱の後、南海トラフ巨大地震の想定震源域周辺では10日午後2時までに震度1以上の地震が16回発生。8日7回、9日8回、10日午後2時までが1回で、全て日向灘周辺が震源だった。

  震源は陸から離れているため、陸上の地震計で感知する揺れが震度1に満たない地震も多数あり、担当者は「地震活動は依然活発で、収まっているとはいえない」としている。
  内閣府は南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表に伴い、地震発生時にすぐ避難するための準備を求めるなどとした呼びかけについて、大地震など異常な現象がなければ15日午後5時に解除すると明らかにした。政府の中央防災会議が定めた基本計画に基づく対応。解除後も、地震への日頃の備えは継続することを求める方針だ。


2024.08.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240810-RSXCIVGE6VOG3NFL6JKFN5DC6Y/
東海道新幹線、10日朝から大幅な遅れや運休の可能性 9日は10万人に影響 震度5弱

  JR東海によると、9日夜に神奈川県西部で震度5弱を観測した地震の影響で、東海道新幹線は品川―静岡間で一時運転を見合わせた上下計97本が最大約2時間13分遅れ、約10万人に影響した。

  10日も始発から大幅な遅れや運休が発生する可能性があるとしている。


2024.08.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240809-H4EWRJBACVL5DDNXSPWBDCQX2A/
神奈川の震度5弱、南海トラフ想定震源域外 直接の関係はないとの見方 気象庁

  9日午後7時57分ごろ、神奈川県西部で起きた震度5弱の地震は、気象庁によると、南海トラフ地震の想定震源域の外で起きた。8日に南海トラフ地震臨時情報を発表した地震と直接の関係はないとみられる。

  9日の地震の震源の深さは約10キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・3と推定される。津波の心配はない


2024.08.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240809-ZBHDL4U7ZZKCHKTI5X244LS6RU/
「巨大地震注意」お盆休みを直撃 旅行会社はツアー旅行中止の動きも 南海トラフ臨時情報
(飛松馨、田村慶子)

  宮崎県で震度6弱を観測した地震から一夜明け、ホテルや旅行会社にはお盆休みの帰省や旅行についての相談やキャンセルなどの問い合わせが相次いだ南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)が初めて発表され、関東から沖縄にかけて1週間程度、強い揺れや津波への注意が呼びかけられたことが夏休みシーズンの旅行者を直撃。旅行会社にはツアー旅行の催行を中止する動きも出ている。

  西武・プリンスホテルズワールドワイドは宮崎県内で運営する2つホテルで、地震発生後の8日夜未明から9日朝にかけて予約キャンセルが出た。「日南海岸南郷プリンスホテル」(日南市)では宿泊客の安全確保のため、9日に一時運営を休止して「再開は未定」(広報担当者)という。
  日本旅行業協会によると、宮崎県内では余震を懸念して予定を切り上げて帰る旅行者も出ている。また、一部では温泉が濁るなどの影響が出て、営業中止を決めた旅館もあるという。
  「帰省するのが心配だ。行くかどうか迷ってしまう」。都内の女性会社員(46)は、お盆に兵庫県への帰省を予定していたが、巨大地震注意が発出されたことへの不安を口にした。
  帰省や旅行に出かけて大丈夫かと迷う声が数多く聞かれる中、旅行客の不安解消や安全確保に向け、旅行大手の中には思い切った対応に乗り出す動きも出ている。
  クラブツーリズムは、内閣府が公表した「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」などに宿泊するツアーのうち、10~15日の出発分の催行を中止することを決めた。同グループの近畿日本ツーリストはより広い「南海トラフ地震防災対策推進地域」の707市町村を目的地とする9~15日出発分のツアーについて、巨大地震注意を理由とする場合はキャンセル料を免除する。
  また、鉄道各社が一部路線で速度を落とした運行や特急の運休などの対応をとっていることを受け、日本旅行はJRを利用する一部ツアーについて、予約取り消しのキャンセル料を免除するという。
(飛松馨、田村慶子)


2024.08.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240809-6KS3JRSXHJN2RBYSOK2TPRAPFU/
和歌山・白浜町の海水浴場閉鎖、花火大会も中止 南海トラフ地震臨時情報の発表受け

  南海トラフ地震の臨時情報にともない、和歌山県白浜町は9日、町内の海水浴場などを当面の間閉鎖すると発表した。

  町によると、閉鎖するのは白良浜(しららはま)海水浴場、江津良海水浴場、臨海浦海水浴場、椿海水浴場の4カ所町営の公衆浴場「崎の湯」も臨時休業し、南湯崎公園を立ち入り禁止にする。期間はいずれも9日から1週間程度としている。
  また、南紀白浜観光協会(同町)は同日、臨時情報が発表されたことを受け、10日に開催予定だった「南紀白浜花火フェスタ」を中止すると発表した。


2024.08.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240808-VAB6EDH7ORHC5JBX5YHIAMSNKQ/
「巨大地震注意」の南海トラフ 過去は発生32時間後にも巨大地震、49日後に富士山噴火

  8日午後4時43分ごろ宮崎県で震度6弱を観測した地震を受けて、気象庁は南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」を発表した南海トラフ巨大地震は静岡県沖の駿河湾─宮崎県日向灘沖のプレート境界を震源域として発生する大規模地震100~150年間隔で発生する傾向にある直近は1946(昭和21)年に発生した昭和南海地震で、78年が経過した現在、発生の可能性が高まっているとされる。

  南海トラフは東海地方から四国地方、九州東部の太平洋側に延びる水深4千メートル級の比較的浅い海溝日本列島が乗る陸側プレートの下にフィリピン海プレートが沈み込み、震源域別にマグニチュード(M)8クラスの東海、東南海、南海地震が発生する。
  1707年の宝永地震(M8・6)は3つの地震が連動して巨大化し、国内最大級の地震に位置づけられる発生49日後富士山が爆発的な噴火を起こし、江戸に火山灰を降らせた。
  続発したケースもある。1854年に安政東海地震が起きた際は、その32時間後に安政南海地震が発生し数千人の死者を出した。当時発生した津波は米国西海岸に達した。1946年の昭和南海地震は44年の昭和東南海地震の2年後に起きた。被災地の多くは既に先の大戦中に空襲の被害を受けていたが、被害は25府県にわたり死者・行方不明者計約2500人だった。
  政府の地震調査委員会マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に起こる確率は70~80%(今年1月現在)と算出した。2012(平成24)年には最大32万3千人が死亡するとの想定が公表されている。土木学会は発生後20年間の被害総額は最大1410兆円に達する可能性があるとの推計を発表している。


2024.07.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240726-Q75TOUJZCJOO3KXNULDJOBT46M/
東北豪雨の行方不明者4人に 山形で警察官2人がパトカーごと流される、秋田でも被害

  停滞する梅雨前線の影響で記録的雨量となった山形県と秋田県26日、人的被害が相次いで判明し、行方不明者は計4人となった。山形県新庄市では警察官2人がパトカーごと流され連絡が取れていない秋田市では増水した川に流されたとみられる男性1人が行方不明で、県内の不明者は計2人となった。

  山形県警によると25日午後11時45分ごろ、山形県新庄市本合海の橋付近で、住民の救助要請に対応していた新庄署の警察官から、乗っているパトカーが流されたと110番があった。2人は20代男性で巡査部長と巡査長。現場は当時、広範囲で冠水していたという。
  秋田県警によると秋田市では80代の男性1人が25日午後4時ごろから連絡が取れなくなったと、同日夜に家族から届け出があった。増水した雄物川の堤防で男性の自転車が見つかり、水門付近にはヘルメットが浮いていた。25日朝に湯沢市の工事現場で男性1人が行方不明となったことが既に判明している。


2024.07.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240712-HWQVKBP33FOQVLTWXTI3TB7BIQ/
松山市土砂崩れは松山城東側の山の斜面、高さ100メートル崩れ木造住宅の3人逃げ遅れか

  12日午前4時ごろ、松山市緑町付近で土砂崩れが発生し、木造住宅1棟が巻き込まれた市消防局などによると、3人と連絡が取れないとの情報があり、逃げ遅れた可能性がある。市は一部地域に「緊急安全確保」を発令した。大雨洪水警報と土砂災害警戒情報が出ていた

  愛媛県警松山東署によると、近隣住民から「土砂崩れで家がつぶれている」と110番があった。地元消防によると、松山城東側にある山の斜面が幅約50メートル、高さ約100メートルにわたって崩れた土砂を取り除く作業を進めている。周辺のマンションにも土砂が流れ込んでいるという。
  直後に付近を通りかかった人は「土砂崩れは3回起きた。住民とみられる高齢女性が一度家から出てきたが、女性が家に戻った後に土砂崩れが起きたので、無事かどうか分からない」と心配そうに話した。


2024.06.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240607-BFHOJFQQKBMIXKS2QFVYYTF47Y/
ゴーグル内にリアルな浸水、煙映像…AR駆使の防災アプリ普及 避難所設営用も実用化へ
(高久清史)

  AR(拡張現実)の技術で現実の風景に浸水などの3D映像を重ねる防災教育アプリの活用が広がっているアプリ搭載のゴーグル型の機器を使って被災を疑似体験してもらうことで災害を自分事としてとらえてもらう効果が期待でき、全国各地の防災訓練、イベントなどで取り入れられている開発した神奈川歯科大の板宮朋基教授はこの技術で避難所設営に役立つアプリ作りも進めており、今夏からの実用開始を目指している。

浸水で足元見えず
  5月中旬、横浜市鶴見区の岸谷第二自治会が開いた防災イベントで、ゴーグル型の機器を装着した子供ら参加者が「ひなんじょ」「ゴール」と書かれた場所に向かってゆっくりと歩いた。
  ゴーグル内にはその場の風景に浸水の映像が重ねられ、参加者は足元にある段ボールなどが見えない状況実際の災害現場では水面下でマンホールの蓋が外れるなどの危険が潜んでいることもあり、手に持った傘で足元を確認しながら歩を進めた
  会場では同様に火災の煙の映像を映すゴーグルも用意され、参加者からは「リアルで、最初はびっくりした」「すばらしい体験」などの声が上がった。板宮教授が開発したアプリを使って災害の疑似体験サービスを提供する一般社団法人「AR防災」(東京)によると、横浜市や横須賀市にアプリをインストールした機器を納入。東京都、名古屋市、神戸市といった自治体、企業、商業施設などでも活用が進んでいるという。
  板宮教授は画像処理学が専門で、平成23年の東日本大震災をきっかけに自身の技術を防災分野で役立てたいと考えて取り組みを開始した。車運転時の津波被害を体験するVR(仮想現実)シミュレーターなどの開発を進める中で「自分の街での浸水の疑似体験ができないか」という要望が寄せられたことが、AR活用のアプリ開発につながったという。

  「短時間で災害を自分事として考えてもらうためには半端なことではダメだと思った」。濁流の数値シミュレーションをしている研究者らの協力を得たり、消防の訓練施設で実際の火災、煙の状況を体感したりするなどしてリアルな再現を追求。28年に東京都内の小学校の避難訓練で初披露して評判を呼び、各地で活用されるようになった。
避難所の設計図「3Dで表示」
  現在、開発に取り組む避難所の設営体験アプリは、災害発生時に避難所となる施設でゴーグルを装着して現場の風景に段ボールベッド、パーテーションなどの3Dモデルデータを重ねる内容になる。疑似体験しながら「ベッドをもう少し置ける」「通路が狭く感じる」などと検討を重ね、その施設にとって最適な「設計図」を作成することを想定する。
  板宮教授は「実際に災害が起きたときにゴーグルのボタンを押して目の前に3Dで設計図が表示されれば、スムーズに設営できる」と期待。今後は防災教育だけでなく、復興復旧でのARの活用にも力を入れていくとしている。
(高久清史)


2024.06.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240603-GYUER4FIJJKR5FJOWDPUDRBB4I/
震度5強の地震、プレート内部で発生 被災の住宅倒れる被害も

  3日午前6時31分ごろ、石川県輪島市と珠洲市で最大震度5強の地震があった。震源地は能登地方で、震源の深さは約10キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・9と推定される。日本の沿岸で若干の海面変動の可能性があるが、津波被害の心配はない。直後に珠洲市で震度4など、その後も有感地震が相次いだ。石川県で震度5強以上は、1月6日の震度6弱以来。

  気象庁は3日午前、記者会見し、今回の地震はプレート内部で発生し、1月の能登半島地震に伴う一連の活動だと説明した。地震活動は当面継続するとして、特に今後1週間程度は震度5強クラスの地震に注意を呼びかけた
  石川県や能登半島を管轄する奥能登広域圏事務組合消防本部によると、午前7時半ごろまでに人的被害は確認されておらず、情報収集を続ける。県警輪島署によると、元日の地震で被災した輪島市内の住宅が倒れた。
  石川県の北陸電力志賀原発、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発で異常は確認されていない


2024.05.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240512-KSWIZ6ICIZLAHLN2SXOCCVQ2GQ/
アフガンで洪水、300人死亡 北部で大雨

  アフガニスタン北部バグラン州10日、大雨により洪水が発生し、少なくとも130人が死亡した。隣のタハル州でも20人が死亡した。地元メディアなどが伝えた。世界食糧計画(WFP)は11日、洪水による死者が300人を超えたとX(旧ツイッター)で明らかにした。

  アフガンでは4月にも南部ウルズガン州などで洪水があり約70人が死亡した。WFPは洪水被害を受けた地域で、食料を配給するなど支援活動に当たっている
(共同)


2024.04.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240430-YPVHRHJKCFI7DITQADDK3X36GY/
インドネシアで大規模噴火 気象庁、津波の有無調査

  インドネシアのルアン火山で日本時間30日午前4時ごろ、大規模噴火が発生した。気象庁が日本への津波の有無を調査している。30日午前6時40分現在、海外と国内の検潮所で有意な潮位変化は観測されていない

  オーストラリアのダーウィン航空路火山灰情報センター(VAAC)によると、噴煙が高さ約1万9千メートルに到達した
  気象庁は、津波が発生した場合、早ければ沖縄県に30日午前6時ごろに到達すると予想し注意を呼びかけた。
  ルアン火山では17日にも大規模噴火が起きたが、日本への津波の影響はなかった


2024.04.23-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240423-CVNKT2S7I5I7DHDY2QDI2OQ6T4/
台湾東部でM6・3 花蓮、震度5弱 東部沖地震の余震、1000回以上

  台湾気象当局によると、東部花蓮県沖と内陸で23日午前2時半(日本時間同3時半)ごろ、マグニチュード(M)6・0と6・3の地震があった。2回とも花蓮県で震度5弱を観測し、台湾全土で揺れを感じた。台湾メディアによると、3日の東部沖地震で損壊した花蓮県花蓮市内の建物2棟が大きく傾いた。建物内に人はおらず、負傷者はなかった。

  2棟はマンション1棟とホテル1棟。いずれも東部沖地震の後、危険な建物として使用を禁止されていた。被害を防ぐため、警察は23日未明、建物周辺を封鎖した。花蓮県の徐榛蔚県長は現場を視察し、余震が続いているとして住民に注意を呼びかけた。
  気象当局によると、M6・0の地震は午前2時26分に花蓮県沖の深さ10キロを震源に発生M6・3の地震は午前2時32分に花蓮県内陸の深さ5・5キロを震源に起きた。
  東部沖地震の余震は既に1000回以上観測されており、気象当局は今後も続くとして土砂災害などへの警戒を促している。(共同)


2024.04.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240419-TCKIV366OVN3ZPHXVGQXCG5F3I/
誤報告受け災対本部が一時解散 震度6弱の宿毛市から

  17日夜の地震で震度6弱を観測した高知県宿毛市18日午後、県に「災害対策本部を解散した」と誤った報告をしたため、県災対本部が一時解散していたことが19日、県への取材で分かった。

  県によると、宿毛市は18日午後、実際には市災対本部を解散していないのに、県の災害情報共有システムで「解散した」と報告災対本部を立てたのは県内で宿毛市だけだったため、報告を受けた県災対本部が解散した。19日に誤りに気付いた市から連絡を受け、再び設置されたという。
  宿毛市は「非常時にミスをしないよう二重チェックをするなど再発防止を徹底し、正確な情報を共有する」としている。


2024.04.08-産経新聞-https://www.sankei.com/disaster/earthquake/20240408102535-20240408012500000/
緊急地震-地震情報(2024年4月8日 10時29分 発表)

  8日10時25分ころ、地震がありました


2024.04.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240407-HYHUFM3JTFKYXGLHGGXXC2BY5E/
日本統治時代の「百年老橋」復興の一助に 台湾地震、崩落した橋に隣接

  【花蓮(台湾東部)=五十嵐一】台湾東部沖地震の震源に近い花蓮県沿岸部で、崩落した橋に代わり、日本統治時代の約100年前に建設された橋が6日夕、補強工事を終え開通した崩落した橋は比較的新しく、現地でも古い橋の頑強さに驚嘆の声が上がる台湾では統治時代の遺構が多く残っており、「百年老橋」も復興の一助となる。

  3日に発生した地震で崩落したのは、1971年に架けられた長さ約25メートルの「下清水橋」。花蓮県から台北へ向かう最短ルートで、開通後は隣接する統治時代1930年に建設された長さ約10メートルの「旧蘇花第7号橋」が使われなくなった。 1日3回3時間限定
  最大震度6強を観測した今回の地震では下清水橋が崩落し通行不能となったが、統治時代の橋は補強すればすぐに使用できることが台湾行政当局の調査で判明。造りが頑丈で、地震から3日後には補強工事が完了し6日夕、通行可能になった。当面は1日3回、3時間限定で運用する。
  台湾メディアは「百年老橋」などと報道。交流サイト(SNS)でも「奇跡のようだ」「歴史がわれわれを守ってくれた」「やはり古いものは大切にすべき」など称賛する声が相次いだ。台湾では旧台湾総督府を改修した総統府をはじめ、統治時代の建造物などが多く活用されている。
  花蓮市内にある統治時代の日本家屋が残る観光施設「将軍府」。旧日本軍の花蓮港分屯大隊が駐屯していた跡地で当時の門柱を残した区割りのまま、建物を修復してレストランや着付け店など約10店舗が入居する。
歴史を後世に残す
  1日に正式開業したばかりだったが、今回の地震で被災。着付け店では天井の水漏れ被害を確認したが、店主の林秋芬さん(54)は「ここは日本と縁のある場所。歴史を後世に残すためにも営業を続けていきたい」と前を向く。
  将軍府の開業に向けては、地元住民らが修復のために寄付を募るなどして、地元メディアによると、最終的に2・5億台湾元(約11億7500万円)でリニューアルしたという。 この地域を束ねる里長の呉明崇さん(72)は「歴史とはつながりだ。良いか悪いか、二者択一ではない。それを後世に伝えることが自分たちの使命だと思っている。後は次の世代が考えればいい」と話す。
  将軍府から西約5キロにも統治時代に建立された寺院「慶修院」がある。地震で本堂の柱にひびが入り、仏像などが破損したが、現地の人々が再建に向けて準備を進めているという。


2024.04.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240406-QOFH4M7UIFNTHMFJBDDSJ3RQMM/
地震の3分前までSNS 崩落現場で不明の21歳女性、遺体で見つかる

  【花蓮(台湾東部)=白岩賢太、五十嵐一】台湾東部沖地震で、震源に近い花蓮県山間部にある景勝地、太魯閣(タロコ)渓谷の崩落現場から6日、新たに女性1人の遺体が見つかった。女性は観光で訪れていた胡暁鈞さん(21)。地震発生の3分前まで交流サイト(SNS)を通じて家族らと連絡を取り合い、風光明媚(めいび)な場所を訪れた喜びを伝えていた

  「私は今、遊歩道を散策しています」。胡さんのSNSによると、胡さんが地震直前に家族に送った最初のメッセージは3日午前7時33分。場所は渓谷の入り口から約1キロ離れた遊歩道。急流が大理石を浸食してできた渓谷が見渡せる絶景スポットだった。
  その後も家族らと数回のやりとりし、崩落現場近くを訪れたのは同7時50分ごろ。切り立った断崖下の風景写真も添えられており、家族からの「観光客があまりいなさそうだね」というメッセージに返信する形で同55分、「そうだね、観光客はあまりいないかも」と送ったのが最後になった。
  地震はこの3分後に発生し、胡さんは落石に巻き込まれたとみられる。安否を気遣った家族や友人らが「すごい地震だったけど大丈夫?」などとメッセージを送り続けたが、胡さんからの返信はなかった。
  台湾の消防当局によると6日午後、崩落現場で胡さんの遺体が見つかり、花蓮市内の施設に遺体を搬送した。近くにいた5人の家族連れも巻き込まれ、同日までに胡さんとは別の女性1人、男性1人の遺体を確認。残る不明の3人は見つかっていない。
  現地メディアによると、胡さんは3日早朝、花蓮駅から路線バスで太魯閣まで訪れ、観光する予定だった。胡さんの父親は地震後、娘から返事がないことを心配し、知人を介して当日の服装と同じ胡さんの写真とともにSNSで情報提供を呼び掛けていたという。


2024.04.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240406-CXV3PJQ5QBNYHOBZUR3PVFG7OM/
台湾地震、生存限界「72時間」 死者13人に 9人不明、孤立解消へ

  【花蓮(台湾東部)=白岩賢太】台湾東部沖地震で、台湾の消防当局は6日、死者が計13人になったと発表した。同日朝には不明者の生存率が著しく下がるとされる発生後72時間が経過。当局によると、震源に近い花蓮県山間部では、外国人旅行客を含む約400人が取り残されているが、寸断された一部の道路が同日夕に開通し、今後は孤立解消に向かう見通し

  台湾八景の一つ、太魯閣(タロコ)渓谷では、各所で山崩れが発生渓谷を見渡せる観光名所の遊歩道では、現地の観光客6人が落石で下敷きになり、5日に男性1人、女性1人の死亡を確認6日午後には、新たに女性(21)1人の遺体を発見した。
  消防当局は6日午後も18人態勢で崩落現場の捜索を継続。残る3人の行方は分かっていない。ただ、600回を超える余震や悪天候の影響で土砂崩れや落石が依然続いており、現場の状況を確認しながら今後も捜索を続ける。
  救助指揮本部を訪れた徐榛蔚・花蓮県知事は報道陣に「発生から72時間が経過したが、全力で捜索を進めている。連絡がつかない人がいるが、われわれは希望を捨てていない」と語った。
  一方、渓谷内に取り残された人々の救出活動は6日も行われ、午後3時までに外国人旅行客を含む計41人を救助ヘリで運んだ。ヘリによる搬送は悪天候で中断したが、西部の台中市へと通じる道路が開通、今後は孤立解消に向かうとみられる。
  また、当局はトルコの救助隊を受け入れると明らかにした。今回の地震で海外の救助隊が台湾入りするのは初めて


2024.04.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240404-J3IYEMKU4FJURHNGZ2AK2I2HEY/
台湾地震の死者10人に 600人以上が孤立、38人連絡とれず

  【台北=矢板明夫】台湾東部沖で3日に発生した地震で、台湾当局は4日、被害の大きい東部の花蓮県などで救出活動を続けた。4日夕方までに確認された死者は10人、負傷者は千人余り。花蓮県の山間部では600人以上が孤立しているほか、連絡の取れない人が38人いる。300回以上の余震も観測され、道路の寸断された地域での作業が難航している。

  台湾メディアによると、連絡を取れなくなっている38人の多くは、花蓮県の有名観光地、太魯閣(タロコ)渓谷のホテルに出勤中だった従業員らだ。トンネル内で閉じ込められている可能性がある。
  太魯閣渓谷にあるホテルと観光施設で600人以上が孤立していることも分かった。電話連絡や空撮映像でほとんどの人の無事が確認されているが、現地への道路は落石などで通行できず、救援を待っている状況だ。花蓮県の採石場で取り残されていた60人以上は全員が下山した
  消防当局によれば、台湾全体で建物の損壊が約790件、電気・水道などのインフラ被害が500件超に上った。火災は9件確認された。花蓮県にある東華大学では理工学部の4階建て建物が全焼した。
  4日に花蓮入りした陳建仁行政院長(首相に相当)は、同県に3億台湾元(約15億円)の緊急支援を行う考えを示した


2024.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240403-XDTXYBTRJZLERDGOVNOWIDUFFQ/
台湾地震 「数メートル単位で断層ずれた可能性」 能登半島地震と同様、専門家指摘

  3日朝に台湾を襲った地震は、台湾東岸を沿うように走る活断層がずれ動いたことによるものと推定されている。メカニズムは1月の能登半島地震と同じ「逆断層型」で、規模もマグニチュード(M)7・7と同程度だ。専門家は「能登半島地震同様、数メートル単位で断層がずれ動いた可能性がある」と指摘し、今後の地震活動への警戒を呼びかけている。

  今回の震源は台湾の東岸を沿うように走る「花東縦谷(かとうじゅうこく)活断層帯」周辺とみられる。フィリピン海プレートがユーラシアプレートの上にせりあがるようにぶつかるプレート境界でもあり、以前から地震活動が活発なエリアとして知られる
  東北大の遠田晋次教授(地震地質学)によると、フィリピン海プレートは年間約8~9センチずつ台湾側に移動している。前回、このエリアで同規模の地震があったのは約70年前の1951年。蓄積されてきたひずみは単純計算でも約6メートル分に上る
  遠田氏は「少々過大な試算だが、活断層が数メートル単位でずれ動いていてもおかしくない」と話し、沿岸部が大きく隆起した能登半島地震のように、縦方向に大きな力が作用した可能性を指摘する。その規模の大きさゆえ、台湾に近い沖縄県与那国島でも震度4を観測した。
  沖縄県では地震発生直後から津波警報が発令され騒然となった。警報発令について、遠田氏は「気象庁は台湾から南西諸島の南に延びる琉球海溝を震源と想定したのだろう」と推測。実際には海溝ではなく内陸側の活断層による地震だったこともあり、結果的に大きな津波被害は生じなかったが、「発生当初に見極めるのは難しい。早期に警戒を呼びかけたのは正しい判断だった」との見方を示す。


2024.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240403-OCGEULBHSZMJTN6UUW7SBR2K7Q/
台湾東部の花蓮でM7・2、震度6強 建物傾き、地下鉄一時運転見合わせも

  【台北=矢板明夫】台湾中央気象局によると、3日午前7時58分(日本時間同8時58分)、台湾東部の花蓮県付近の海域を震源とするマグニチュード(M)7・2の地震があった台北市内でも大きな揺れが感じられた。台湾の通信社、中央社によると、台湾で起きた地震の規模としては、2000人以上の死者を出した1999年9月21日の921大地震の(7・3)に次ぐものだという。

  花蓮県では震度6強を観測した。地元テレビの報道によると、地震により同県内で建物が大きく傾き倒壊する被害が出ている。死傷者は確認されていない。地元の警察と消防などが現場に駆け付け、捜索作業を開始した。
  花蓮県付近の道路では大きなひび割れが複数確認された。地震発生後、台北市や高雄市などの地下鉄は一時運転を見合わせた


2024.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240403-4WZV7PU3FRJT7MMJGX3ZYQVALM/
沖縄本島などに津波警報、鳴り響くサイレン「安全な場所に避難して」

  3日午前9時1分に津波警報が発令された沖縄本島の那覇市内では、避難を呼びかけるスマートフォンや携帯電話のエリアメールが一斉に鳴りだしサイレンや防災行政無線も聞こえた

  「直ちに高台へ避難し、身の安全を確保してください」。エリアメールにはこんな文言が表示され、津波到達予想時刻は午前10時、予想される津波の高さは3メートルと記載されていた。
  気象庁によると、3日午前8時58分ごろ、沖縄県与那国島で震度4の地震があり、沖縄本島地方や宮古島・八重山地方に津波警報が出ている。


2024.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240403-7IHQAZATQRLKVIWKPCYAS5UONM/
沖縄・与那国島で震度4 沖縄本島、宮古島・八重山に津波警報 震源は台湾付近、M7・5

  3日午前8時58分ごろ、沖縄県の与那国島で震度4を観測する地震があった気象庁によると、震源は台湾付近、震源の深さはごく浅く、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7・5と推定される。

  気象庁は、沖縄本島地方と宮古島・八重山地方に津波警報を発令した。宮古島・八重山地方はただちに津波来襲が予測される。沖縄本島地方の到達予想時刻は午前10時、いずれも高さは3メートル。
  主な震度は次の通り。   ・震度4=沖縄県与那国町   ・震度3=沖縄県石垣市、竹富町


2024.04.02-LIFE-https://www.at-s.com/life/article/ats/1431969.html
東北地方で地震 福島震度5弱 静岡県内も震度2や震度1観測(15日午前0時14分頃の地震)

  15日午前0時14分ごろ、福島県で最大震度5弱を観測する強い地震がありました。

  気象庁によりますと、震源地は福島県沖で、震源の深さは約50km、地震の規模を示すマグニチュードは5.8と推定されます。この地震による津波の心配はありません。   この地震について、緊急地震速報を発表しています。  最大震度5弱を観測したのは、福島県の川俣町と楢葉町です。
  静岡県内では、震度2を富士市、震度1を沼津市 富士宮市 御殿場市 静岡清水町小山町 熱海市 伊豆の国市 東伊豆町 河津町 松崎町 西伊豆町 静岡清水区で観測しています。


気象庁-南海トラフ地震
南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ

  政府の中央防災会議は、科学的に想定される最大クラスの南海トラフ地震(以下、「南海トラフ巨大地震」という)が発生した際の被害想定を実施しています。
  この被害想定によれば、南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。

南海トラフ巨大地震の津波高
  (「駿河湾~愛知県東部沖」と「三重県南部沖~徳島県沖」に「大すべり域+超大すべり域」を2箇所設定した場合)
南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)」(中央防災会議, 2013)
  なお、この被害想定は、発生過程に多様性がある南海トラフ地震の一つのケースとして整理されたものであり、実際にこの想定どおりの揺れや津波が発生するというものではありません。
  また、南海トラフ巨大地震は、千年に一度あるいはそれよりも発生頻度が低く、次に発生する南海トラフ地震を予測したものではないことにも留意が必要です。 
  南海トラフ地震への対策については、この地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的とした「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に基づき、被害想定の結果を踏まえて、南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域が「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定され、国、地方公共団体、関係事業者等の各主体がそれぞれの立場で、建物の耐震化やハザードマップの整備等のハード・ソフト両面からの総合的な地震防災対策を推進することとされています。
南海トラフ地震防災対策推進地域
  (緑色に塗られた領域、赤線で囲まれた領域は南海トラフ巨大地震の想定震源域、内閣府資料に一部加筆)


南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ
(南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)について)

  中央防災会議防災対策推進検討会議の下に平成24年4月に設置された「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」(主査:河田惠昭関西大学教授、以下「対策検討WG」という。)において、南海トラフ巨大地震を対象として具体的な対策を進め、特に津波対策を中心として実行できる対策を速やかに強化していくことが重要との認識の下、当面取り組むべき対策等をとりまとめた中間報告が平成24年7月19日に策定された。
 また、並行して被害想定手法等について検討が進められ、被害想定の第一次報告として、建物被害・人的被害等の推計結果が平成24年8月29日にとりまとめられた。
  南海トラフ巨大地震の被害想定(平成25年3月公表)について、最新のデータ(建築物や人口、ライフライン等のデータ、津波避難意識アンケート結果等)に基づき、再計算したものである。
 今回の被害想定(令和元年6月)は、マクロの被害を把握する目的で実施しており、都府県別の数値はその計算根拠を明確にするために示したものであるため、ある程度幅をもって見る必要がある。各都府県において地域の実情に応じて実施されている被害想定に影響を与えるものではない。

  南海トラフの巨大地震については、内閣府に昨年8月に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」(座長:阿部勝征東京大学名誉教授、以下「モデル検討会」という。)において、科学的知見に基づき、南海トラフの巨大地震対策を検討する際に想定すべき最大クラスの地震・津波の検討を進め、本年3月31 日に第一次報告として、震度分布・津波高(50mメッシュ)の推計結果がとりまとめられた。
  今回、モデル検討会において、第二次報告として、10mメッシュによる津波高及び浸水域等の推計結果がとりまとめられたものである。
  一方、中央防災会議防災対策推進検討会議の下に本年4月に設置された「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」(主査:河田惠昭関西大学教授、以下「対策検討WG」という。)において、南海トラフ巨大地震を対象として具体的な対策を進め、特に津波対策を中心として実行できる対策を速やかに強化していくことが重要との認識の下、当面取り組むべき対策等をとりまとめた中間報告を7月19 日に策定した。
  また、対策検討WGにおいては、並行して被害想定手法等について検討を進め、今回、第一次報告として、建物被害・人的被害等の推計結果がとりまとめられたものである。
  南海トラフ巨大地震の被害想定(平成24年8月公表)について、最新のデータ(建築物や人口、ライフライン等のデータ、津波避難意識アンケート結果等)に基づき、再計算したものである。
 今回の被害想定(令和元年6月)は、マクロの被害を把握する目的で実施しており、都府県別の数値はその計算根拠を明確にするために示したものであるため、ある程度幅をもって見る必要がある。各都府県において地域の実情に応じて実施されている被害想定に影響を与えるものではない。

NHK
4.南海トラフ地震臨時情報が発表されたら何をすればいいの?
   南海トラフ地震臨時情報(調査中)が発表された場合は、個々の状況に応じて避難等の防災対応を準備・開始し、今後の情報に注意してください。また、地震発生から最短2時間後に観測された異常な現象の調査結果が発表されます。政府や自治体からキーワード(巨大地震警戒、巨大地震注意または調査終了)に応じた防災対応が呼びかけられますので、それぞれの内容に応じた防災対応をとってください。

   南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合は、日頃からの地震への備えの再確認に加え、地震が発生したらすぐに避難できる準備をする必要があります。地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民は1週間の事前避難を行う必要があります。
   南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合は、事前の避難は伴いませんが、日頃からの地震への備えの再確認に加え、地震が発生したらすぐに避難できる準備をしましょう。
   南海トラフ地震臨時情報(調査終了)が発表された場合は、地震の発生に注意しながら通常の生活を行いましょう。ただし、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではないことに留意しておきましょう。

(中央防災)
南海トラフ地震関連解説情報(第9号)
-見出し-(過去の地震情報)
  8月8日16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生しました。この地震の発生後、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すような地震活動や地殻変動は観測されていません。南海トラフ沿いでは、いつ大規模地震が発生してもおかしくないことに留意し、「日頃からの地震への備え」を引き続き実施してください。
-本文-
  8月8日16時43分頃に日向灘を震源とするマグニチュード7.1(モーメントマグニチュード7.0)の地震が発生しました。この地震の発生に伴って、南海トラフ地震の想定震源域では、大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられたことから、8月8日19時15分に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。
  この地震の震源付近の地震活動は、当初は活発でしたが、時間の経過とともに低下しています。しかし、日向灘では過去に、最初の地震の1ヶ月半後にそれと同程度の規模の地震が発生したこともあります。
  8月8日16時から本日(8月29日)12時までに南海トラフ地震の想定震源域(8月8日の地震の震源域周辺を含む)で発生した震度1以上を観測した地震の回数(速報値)は次の通りです。
  8月 8日16時から8月15日24時まで 24回(震度6弱:1回、震度3:2回、震度2:5回、震度1:16回)8月16日00時から8月22日24時まで  0回8月23日00時から8月29日12時まで  1回(震度1:1回)
  8月24日09時32分に、四国沖でマグニチュード4.2の地震がありました。この地震発生以降、特段地震活動が活発化した様子は見られません。
 ひずみ観測点では、マグニチュード7.1の地震に伴うステップ状の変化が観測されていますが、地震後に通常みられる変化以外は今のところ観測されていません。東海から紀伊半島及び四国の深部低周波地震(微動)活動に伴う変化が付近のひずみ計等で観測されていますが、従来からも繰り返し観測されてきた現象です。
  8月8日21時頃から、日向灘及び九州地方南東沖で浅部超低周波地震を観測しています。この現象は従来からも繰り返し観測されてきた現象ですが、発生頻度・規模等発生様式については今後も観測・研究が必要です。
  8月8日の地震発生後、宮崎県南部を中心に、地震後の余効変動と考えられる地殻変動を観測しています。余効変動自体はM7クラス以上の地震が発生すると観測されるものですが、今回の余効変動は、そのような地震後に観測される通常の余効変動の範囲内と考えられます。なお、地震直後に余効変動のメカニズムを見極めることは困難であり、ある程度の期間、観測を続ける必要があります。また、8月18日に実施した臨時の海底地殻変動観測では今回の地震の発生前後で有意な地殻変動は観測されませんでした。
  そのほか、8月5日頃から、紀伊半島沖で地殻変動に起因するとみられる孔内間隙水圧の変化を観測しています。この現象は従来からも繰り返し観測されてきた現象です。
  このように、8月8日の地震の発生後、南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すような地震活動や地殻変動は観測されていません。
   政府では、8月8日16時43分頃の日向灘を震源とする地震の発生から1週間経過したことから、8月15日17時をもって、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発表に伴う政府としての「特別な注意の呼びかけ」を終了しています。

   過去の世界的な事例をみると、大規模地震の発生の可能性は、最初の地震(8月8日の地震)の発生直後ほど高く、時間の経過とともにその可能性が低下していく傾向がありますが、最初の地震から1週間以上経過した後に大規模地震が発生した事例もあります。
 南海トラフ沿いの大規模地震(マグニチュード8から9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から約80年が経過していることから切迫性の高い状態です。
 南海トラフ沿いで異常な現象が観測されず、突発的に南海トラフ地震が発生することもあります。
 南海トラフ沿いでは、いつ大規模地震が発生してもおかしくないことに留意し、「日頃からの地震への備え」については、引き続き実施してください。
 気象庁では、引き続き注意深く南海トラフ沿いの地殻活動の推移を監視します。
※モーメントマグニチュードは、震源断層のずれの規模を精査して得られるマグニチュードです。気象庁が地震情報等で、お知らせしているマグニチュードとは異なる値になる場合があります。
-次回発表予定-
  次回は、9月6日開催の定例の南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会での評価結果をとりまとめ、同日17時に情報発表を行う予定です。
  南海トラフ地震臨時情報】
  情報発表条件:
   ○南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合
   ○観測された異常な現象の調査結果を発表する場合
  情報名に付記するキーワード:
   ○「調査中」 下記のいずれかにより臨時に「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」を開催する場合
     ・監視領域内※1でマグニチュード6.8以上の地震※2が発生
     ・1カ所以上のひずみ計での有意な変化と共に、他の複数の観測点でもそれに関係すると思われる変化が観測され、想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある場合など、ひずみ計で南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる変化を観測
     ・その他、想定震源域内のプレート境界の固着状態の変化を示す可能性のある現象が観測される等、南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる現象を観測
   ○「巨大地震警戒」 想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価した場合
   ○「巨大地震注意」
・監視領域内※1において、モーメントマグニチュード7.0以上の地震※2が発生したと評価した場合(巨大地震警戒に該当する場合は除く)
・想定震源域内のプレート境界において、通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価した場合
   ○「調査終了」 (巨大地震警戒)、(巨大地震注意)のいずれにも当てはまらない現象と評価した場合
※1 南海トラフの想定震源域及び想定震源域の海溝軸外側50km程度までの範囲
※2 太平洋プレートの沈み込みに伴う震源が深い地震は除く

【南海トラフ地震関連解説情報】
情報発表条件:
   ○観測された異常な現象の調査結果を発表した後の状況の推移等を発表する場合
   ○「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の定例会合における調査結果を発表する場合(ただし南海トラフ地震臨時情報を発表する場合を除く)
※すでに必要な防災対応がとられている際は、調査を開始した旨や調査結果を南海トラフ地震関連解説情報で発表する場合があります。

地震本部
  南海トラフは、日本列島が位置する大陸のプレートの下に、海洋プレートのフィリピン海プレートが南側から年間数cm割合で沈み込んでいる場所です。この沈み込みに伴い、2つのプレートの境界にはひずみが蓄積されています。過去1400年間を見ると、南海トラフでは約100~200年の間隔で蓄積されたひずみを解放する大地震が発生しており、近年では、昭和東南海地震(1944年)、昭和南海地震(1946年)がこれに当たります。昭和東南海地震及び昭和南海地震が起きてから70年近くが経過しており、南海トラフにおける次の大地震発生の可能性が高まってきています。
  過去に南海トラフで起きた大地震は多様性があります。そのため、次に発生する地震の震源域の広がりを正確に予測することは、現時点の科学的知見では困難です。地震本部では、南海トラフをこれまでのような南海・東南海領域という区分をせず、南海トラフ全体を1つの領域として考え、この領域では大局的に100~200年で繰り返し地震が起きていると仮定して、地震発生の可能性を評価しました。

  過去に南海トラフで発生した大地震は、その震源域の広がり方に多様性があります。また、南海地域における地震と東海地域における地震が、同時に発生している場合と、若干の時間差(数年以内)をもって発生している場合があります。東海地域の地震でも、御前崎より西側で、断層のすべりが止まった昭和東南海地震(1944年)と、駿河湾の奥まですべりが広がったと考えられている安政東海地震(1854年)では、震源域が異なります。また、宝永地震(1707年)の震源域は、津波堆積物などの調査結果から、昭和南海地震(1946年)や安政南海地震(1854年)の震源域より西に広がっていた可能性が指摘されています。慶長地震(1605年)は揺れが小さいが、大きな津波が記録されている特異な地震であり、明治三陸地震(1896年)のような津波地震であった可能性が高いとされています。また、南海トラフでは、分岐断層が確認されており、過去にはプレート境界だけではなく、分岐断層がすべることによる地震も起きていたと指摘されています。

以下は、HPで







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