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ここは2024年01月~2024年03月のニュースです
事件問題-1


2024.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240403-OXT3JKHTVJPMPO4O42WEIQZDGA/
天橋立「股のぞき」中、知人を15m転落させた男性の「罪」 悪ふざけと犯罪の境界線
(木下倫太朗)

  今年2月、日本三景の一つ、天橋立(京都府宮津市)を望む公園の展望台で、観光に訪れていた男性が高さ約15メートル下の斜面に転落した原因は一緒に訪れていた知人の悪ふざけ。下半身を押され転落した男性は骨折などの重傷を負ったが、幸い命に別条はなかった冗談のつもりから男性を転落させてしまった知人だったが、刑事責任を問われる可能性はあるのだろうか

落下防止のネット超え転落
  2月15日午後2時ごろ、50代の男性は同僚ら約10人とバスツアーで天橋立傘松公園を訪れていた。海抜約130メートルにある公園の展望台からは天橋立を一望でき、股の間から逆さに見ることで龍が天に舞い上がるように見えるという「股のぞき」は名物となっている。
  例にならい男性も股のぞきを試みた。するとその時、50代の知人男性が近づき、背後から右手で下半身を押したはずみで体勢を崩した男性は斜面を転がり落ちると、落下防止のネットを越え、そのまま高さ約15メートル下まで転落してしまった
  施設関係者によると、突き落とした知人男性は急いで斜面を降り、転落した男性の元へ向かった。服は泥だらけになり、不安そうな表情を浮かべていたという
  転落した男性は意識はあったものの「胸が痛い」と訴えた。通報から約1時間半後、消防隊員らが救助用の担架とロープを使い、斜面から引き上げて搬送した
  京都府警宮津署によると、突き落とした男性は「悪ふざけで押した」転落した男性は命に別条はなく、事故後も会話ができていたが、骨折していたことが分かった。同署は負傷男性の回復を待って事情を聴く方針で、事故の状況を捜査したり男性の処罰感情などを踏まえたりして、立件の可否を検討するとした。
落とし穴で死亡した事件も
  過去にはこんなケースもあった。平成23年、石川県かほく市の海岸。いずれも23歳の夫婦が友人が掘った落とし穴に転落し、窒息死した。落とし穴を作ったのは、妻と、その6人の友人だった。夫の誕生日を祝う目的で約4時間かけ、砂浜に深さ2メートル以上の落とし穴を掘ったという
  石川県警は関係者への事情聴取や人形を使った実況見分を重ね、捜査を継続友人らが穴を掘る際に「パラパラと穴の砂が崩れて危ないと思った」と説明したことや結果の大きさを鑑(かんが)み、立件が可能と判断した県警は重過失致死と海岸法違反の疑いで友人6人と死亡した妻を書類送検した
  悪ふざけか犯罪か。近畿大法学部の辻本典央教授(刑事法)は「結果の重大性と被害者の感情が重要になる」と説明する。例え悪ふざけであったとしても、結果として死亡させたり回復不能なけがをさせたりした場合、被害感情がなくても刑事処分を受ける可能性は否定できないという。
今回の場合は…
  一方で、今回の天橋立での事故は「骨折という回復可能な結果であることや、知人同士という間柄から話し合いで決着がつく可能性がある」(辻本氏)。このまま被害届の提出がなければ、刑事事件に発展する可能性は低いとみた。
  「謝って済むなら警察はいらない」との言葉がある。刑事事件にならなくとも、治療費などを請求されたり、人間関係が壊れたりするケースは十分に想像できる。あまりにも安易なその場の「ノリ」の代償は、決して小さくないのだ(木下倫太朗)


2024.04.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240401-QFI5ZU3PBNLXJANWAQFGZJKZJQ/
銃で撃たれたか 血を流した男性が突然車の後部座席に 「降りてこい」と男の怒号も

  1日午後1時50分ごろ、大阪市東淀川区豊新の路上で、「けんかで一方が血を流している」などと複数の110番があった。駆け付けた大阪府警東淀川署員が、けがをした男性が停車中の車に乗っているのを発見。右足には銃で撃たれた可能性がある傷もあり、同署が何らかのトラブルがあったとみて捜査している。

  同署によると、女性が運転する車が信号で停車中、血を流した男性が突然、後部座席に乗り込んできた。続いて「降りてこい」などと叫ぶ男が追ってきたという。女性らが110番し、約10分後に同署員が駆け付けると男は逃走したという。
  男性は救急搬送され、右足内部に金属の玉のようなものが残っているのが見つかったほかにも顔に打撲やすり傷があり、両足の骨も折れた疑いがある。同署は被害者が大阪府内の40代男性と確認。男性は現場でけがの原因について、「自分で転んだ」などと不合理な説明をしたという。


2024.03.31-産経新聞-
大阪・平野でベトナム人?男性が切り付けられ意識不明 殺人未遂容疑で捜査

  31日午後2時55分ごろ、大阪市平野区加美北の路上で加害事案があった、と消防を通じて大阪府警に連絡があった。府警平野署によると、ベトナム国籍とみられる成人男性が何者かに刃物のようなもので切り付けられ、病院に搬送された。搬送時に意識はなかったという。切り付けた人物は現場から逃走しており、同署は殺人未遂事件として捜査している。

  同署によると、関係者の話から、犯人もベトナム国籍の男の可能性がある。近隣住民が119番した。
  現場はJRおおさか東線衣摺加美北(きずりかみきた)駅から北西へ約200メートルの工場や住宅が立ち並ぶ地域。


2024.03.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240330-2OYC2YN64RK6HAK34N7TC32KCE/
殺人未遂疑いで21歳女を逮捕 交際相手を包丁で複数回刺したか、千葉

  千葉県警船橋東署は30日、交際相手の男性(19)を包丁で複数回刺し、殺害しようとしたとして、殺人未遂の疑いで、同県船橋市飯山満町、無職、A容疑者(21)を逮捕した。刺された男性は病院に搬送され、命に別条はない。

  逮捕容疑は30日午前0時半ごろ、同市の男性の自宅アパートで、背中や右肩などを包丁で刺し、殺害しようとしたとしている。殺意はなかったなどとして、容疑を一部否認しているという。
  署によると、第三者から「大声や物を投げるような音がした」と110番通報があり、駆けつけた署員が、背中から血を流している男性を室内で発見した。


2024.03.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240327-UNHT62AF6NLD3LXKSUAGCKCZ24/
車内2遺体は愛知県の高校生と和歌山市の大学生 容疑の女「自殺を計画」 北海道・江別

  北海道江別市の公園で18日、車が全焼し車内から女性2人の遺体が見つかった事件で、道警は27日、亡くなったのは愛知県豊田市の高校生(17)と和歌山市の大学生(20)と判明したと発表した。

  道警によると、殺人の疑いで逮捕された北海道寿都町の会社員、A容疑者(25)は、「3人で練炭自殺することを計画した」と否認しており、詳しい経緯を調べている。


2024.03.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240326-OGEJNMQCXNMC5BVFBTIJ5RTE4I/
「ルフィ」グループかけ子、特殊詐欺事件に関与で新たに2人逮捕 比が送還

  フィリピンを拠点に「ルフィ」と名乗る男らのグループによる特殊詐欺事件に関与したとして、警視庁捜査2課は26日、窃盗容疑で、いずれも住所、職業不詳のF容疑者(25)とG容疑者(28)を逮捕した。2人はフィリピン当局が身柄を拘束。26日に強制送還され、逮捕状が執行された。

  26日午後、成田空港に到着した航空機から降りた2人はいずれもマスクを着け、黒っぽいトレーナー姿でフードを目深にかぶり、うつむきがちに歩いて移送用の車に乗り込んだ。
  2人の逮捕容疑はほかの者と共謀し、それぞれ令和元年11月、警察官になりすまして電話をかけ、東京都内の男女からキャッシュカード計7枚を盗んだとしている。
  捜査2課によると、2人はルフィグループで特殊詐欺のリーダー格だったとされるD被告(39)=強盗致死罪などで起訴=の下でかけ子役を担っていた。
  ルフィグループに関連する特殊詐欺事件ではこれまで約70人が逮捕され、被害総額は約60億円。まだフィリピンなどで20人ほどが逃亡を続けているとみられ、捜査2課が捜査を続けている。


2024.03.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240325-4P2CR6PSCFPTBGLAPEWM4F7E4A/
「指導に腹が立って思わず」と受刑者が刑務官に頭突き 傷害容疑で書類送検

  長野刑務所25日、所内の工場で作業中、刑務官に頭突きし負傷させたとして、傷害の疑いで20代の男性受刑者を書類送検した。刑務所によると「刑務官の指導に腹を立て、思わず頭突きした」との趣旨の話をしている。

  書類送検容疑は2022年11月8日午後1時45分ごろ、工場で30代の男性刑務官の右頰付近に頭突きし、唇に7日程度のけがをさせたとしている。
  刑務所は「厳正に対処し、規律秩序の維持を図りながら適正な運営に努める」とコメントした。


2024.03.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240323-D72KYEHH65CJFFHFELKHYGH55U/
中村哲さんがアフガンに残した「日本への信頼」 国際社会で果たすべき役割につなげる
国際舞台駆けた外交官 山本忠通氏(16)/(聞き手 黒沢潤)=「番外編」に続く

  公に目にする記者会見の裏で、ときには一歩も譲れぬ駆け引きも繰り広げられる外交の世界。その舞台裏が語られる機会は少ない。外務省のみならず国連でも事務総長特別代表を務めるなど国際舞台で活躍してきた山本忠通氏に、半世紀近くにわたった外交官生活を振り返ってもらった

戦闘が続く中での国造り
  《2016年春から20年春にかけて、国連事務総長特別代表兼国連アフガニスタン支援団(UNAMA)代表として、アフガンで活動した》
  アフガンで働く国連職員は約5000人。外国人の職員だけで約1500人います。首都カブールにある国連のコンパウンド(区域)には、国連開発計画(UNDP)、世界食糧計画(WFP)、国連女性機関(UN Women)なども拠点を置きます。
  私が率いたUNAMAは、国連平和維持活動(PKO)を行う組織ではない。1992年、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)のトップを務めた明石康さんは軍事部門の長でもありましたが、私は政治分野のみを担当しました。あくまで、アフガン政府を支援する立場。アフガンでの軍事は同国軍と、それを支援する北大西洋条約機構(NATO)軍、NATO指揮外にある米軍が担っていました
  国連はアフガンの各省庁に専門家を派遣し、相談に乗る。汚職や人権問題でも、改善を求めていく立場です。UNAMAトップとしての私の重要な任務は、和平進展と政治家同士の和解、女性の権利を含む人権確保の推進。このため、私の離任1年半後の21年8月に実権を握ることになるタリバンとも頻繁に、カタールの首都ドーハで協議しました。
  カンボジアで明石さんは任務を的確に終え、政治権限を短い期間で同国に引き渡しましたが、私のアフガンでの在任中は戦闘が続き、ある程度の仕事をしても、成果が根付かない難しさがありました。戦闘が終息すれば、みんな将来に向かって国造りを始めますが、戦いの最中での国造りはかなりの困難を伴ったのが現実です。
砂漠を緑の大地に
  《アフガンで住民への人道支援に尽力した日本人医師、中村哲さんが19年12月、武装集団に襲われ、殺害された》
  アフガンで2度お会いしたことがあります。中村さんは、日本でかつて行われていた水をせき止める技術を応用し、アフガンで灌漑を完成させた。写真を見せられ、驚きました。砂漠が「緑の大地」へと変貌しているのです。そこに65万人の一大コミュニティーができていました。私はガニ大統領に会った際、写真を見せて説明したのですが、最初は半信半疑。ところが、理解すると「本当にすごいことだ」と称賛していました。中村さんが亡くなって遺体が日本に帰られるときは空港でお見送りし、アフガン人のために働き命を落とした、と非常に心を痛めていました
  アフガンの現実を国際社会に理解させつつ、アフガン社会のものの見方や、タリバンの考え方を現代の要請に合わせていくことが大事です。タリバンにはできることから始めてほしい。彼らが柔軟性を持って現実を受け入れないと、いつまでもアフガンは取り残されたままになります。
  アフガンには優秀な人たちが多くおり、これから自分たちが力を発揮し、地域の安定に貢献し、世界に貢献していく、ということでないといけません
  日本は、中村さんの例を出すまでもなく、私的な利害を考えず、国家として利己的な戦略目的も有していません。地域の安定とアフガン人の繁栄のために、累積で世界2番目の支援もしています日本のような国がアフガンで役割を果たす機会を与えられれば、アフガンは周辺国とも協力して、より良い世界を作れると思います
  その意味で、日本や国連の役割は大きい。現実を踏まえた上で理想に向け、具体的に動いていくためのイニシアチブを打ち出すことができるはずです。
(聞き手 黒沢潤)=「番外編」に続く

やまもと・ただみち〉
  1950年生まれ。東京工業大卒。74年に外務省入省。北米第1課長、在韓国、在米国政務公使などを経て2006年、広報文化交流部長。08年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)代表部大使。アフガニスタン・パキスタン支援担当大使、駐ハンガリー大使などを経て16年6月、国連事務総長特別代表兼国連アフガン支援団(UNAMA)代表に就任。20年3月に退任し、現在は立命館大客員教授などを務める。


2024.03.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240321-QFLZD56DK5LDFIC2424LIYFDW4/
口座をネットで不正開設か、小学校講師を逮捕「生活困窮し2、3万円で売った」供述

  他人に渡す目的を隠して金融機関の口座を不正に開設したとして、大阪府警黒山署は21日、詐欺などの疑いで、同府羽曳野市立小講師、A容疑者(33)=大阪市旭区高殿=を逮捕した。同署によると「生活が困窮し、口座を2、3万円で売った」と供述している。

  逮捕容疑は昨年1月、インターネット上で口座を開設して暗証番号などをだまし取り、第三者に有償で提供したとしている。
  昨年発生した詐欺事件に容疑者名義の口座が使用されており、府警が捜査していた。


2024.03.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240321-VR6VW2D6X5JYZKR62DX7OX5KZY/
<独自>「金が欲しかった」 美人局的手口で大学生を暴行 容疑で中2生徒を逮捕

  交流サイト(SNS)上で女性になりすまし、そこで知り合った男子大学生(19)に暴行を加え現金を奪ったとして、京都府警が強盗致傷の疑いで、中学2年の男子生徒(14)=京都市伏見区=を逮捕していたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。男子生徒は「金がたくさん欲しかった」と供述し、容疑を認めているという。

  また府警が同日、現場にいた別の中学2年の男子生徒(14)=同=を恐喝容疑で書類送検したことも判明。府警は生徒らがいわゆる美人局(つつもたせ)的な手口で同様の犯行を繰り返していたとみている。
  逮捕容疑は昨年10月、京都市伏見区の路上で男子大学生を「未成年との性行為は犯罪だ」「金を出せ」などと脅し、顔を殴るなどした上で現金6万5千円を奪ったとしている。大学生は1週間の軽傷
  捜査関係者によると、逮捕された男子生徒はSNSで女性になりすまし、プロフィル欄に援助交際を求める内容の文章を投稿。アカウントにメッセージを送ってきた男子大学生とやりとりを重ね、援助交際名目で呼び出したという。
  このほか府警は犯行に関与した当時13歳だった中学2年の男子生徒(14)についても児童相談所に通告。この少年は犯行時14歳未満で刑事責任を問えない「触法少年」にあたる。


2024.03.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240318-3G3PJM5STNP3JGO67S4HD2ZV7I/
「恨みがあった」知人宅に2万円分ピザ配達 福岡県職員を停職処分

  福岡県は18日、知人男性の名義を使って無断で宿泊施設を予約したとして、私電磁的記録不正作出・同供用などの疑いで逮捕された保健医療介護部の女性主任技師(34)を停職2カ月の懲戒処分とした。嫌がらせで男性宅にピザ配達の注文をしていたことも判明。県の聴取に対し「恨みがあった」という趣旨の釈明をしているという。

  佐賀県警が昨年8月に主任技師を逮捕し、佐賀地検は同12月に起訴猶予処分とした。福岡県によると、宿泊予約と同時期に総額約2万円分のピザを注文していた。


2024.03.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240317-G6ZWMTDTOREFTCPCWT3KU6MZ24/
大捜査網が敷かれた緊張の日曜日 グリコとの現金取引は犯人が現れず肩透かしに
  「産経新聞記者たちのグリコ・森永事件(3)」
  (平田篤州)

  「劇場犯罪」として昭和の日本を揺るがしたグリコ・森永事件は3月18日で発生40年となります。サイト「MSN産経ニュースwest」に平成23年10月から掲載された連載「関西事件史」から、グリコ・森永事件に関する5本をアーカイブ公開します。肩書、年齢、名称などは掲載当時のままです

  空は、青く澄み渡っていた。昭和59年4月8日。グリコ事件の犯人グループが、江崎グリコに現金6000万円を要求してきた取引指定日である。日曜日の午前中。休日は夕刊がないので、ふだんなら阪神支局には、当直明けの記者が1人いるだけである。
  だが、この日は違った。三々五々、記者が集まってきた。それも人目を忍ぶように、である。  朝日新聞阪神支局は、阪神電鉄本線をはさんで歩いて5分ほど。神戸新聞阪神総局も、支局の前の国道2号線を車で走れば2、3分の所にある。「いいか、他社には絶対に気づかれないように。特に警察には…」
  前夜の7日、前線デスクが伝えた指示である。グリコ事件の捜査本部がある兵庫県警西宮署は当時、支局の窓から見えるほど近い距離にあった。支局の真向かいが西宮市役所。そのとなりが県立西宮病院で、そのとなりが西宮署だった。
  「あすは大捕り物や。犯人が現金授受現場で逮捕されるところを、必ずおさえる。写真を撮る。みんな心してかかれ」高揚したデスクの声に、誰もがうなずいた。捜査本部のある当の西宮署にこちらの動きを知られては、そんなみんなの思いが吹き飛ぶ。緊張感と期待感、そしてうまくいくだろうか、という不安感も抱きながら、私たちは「Xデー」の朝、支局のドアを、そろりと開けた。
現金受け渡し役の写真を撮れ
  話は、4月6日の金曜日に戻る。「気ぃつけや。帳場の動きが変やで…」 西宮署に出入りする知り合いの刑事から天の声を聞いた夜、取材班は、総力をあげて「捜査の動き」の真相に迫った。 「この週末は、ゴルフできへんな」 「機動捜査隊の連中は、週末に招集かかっとるみたいやで…」  取材班が夜回り先で聞いてきた内容は、週末から日曜日にかけて新たな動きがある、という一点に収斂(しゅうれん)していった。
  「グリコが動く。Xデーは今度の日曜日…」 「捜査員が現金持参人になる。グリコの社員を装って指定場所に向かう」  「誘拐事件専門の捜査1課の特殊班だけでなく、機捜隊も動く」
  決定的な情報が、次から次へと集まった。そして、私たちはXデーの捜査シナリオの核心部分も入手した。現金持参人役と現金持参車の運転手役になる捜査員の名前を割り出したのである。
  翌4月7日午前6時すぎ。 朝もやの中、私と神戸支局の片山雅文は、裏六甲の山道を総局のラジオカー(無線機付きの車)で走っていた。めざすは、現金持参人役の捜査員宅だった。 〈私が朝駆けする。片山はラジオカーの運転席に残る。ラジオカーは30メートルほど離して止める。ピンポンを鳴らす。捜査員が玄関先に出てくる。私が話しかける。その間に、片山が望遠カメラで捜査員の全身写真を撮る〉  2人の戦略はこうだった。シナリオ通りに進んだ。捜査員は、背広姿で出てきた。片山は、見事に捜査員の顔や全身像をフィルムにおさめた。
  「Xデーの当日に現金取引を取材する。そのためには、取材にかかわるすべての記者とカメラマンが、配役(捜査員)の顔を覚えなければならない。要(かなめ)になる現金持参人だけでも、写真をおさえられないか」
  そんなデスクの前夜の急な注文に、首尾よく応えることができた。阪神支局への道すがら、片山のハンドルさばきは、軽やかに見えた。私も、花粉症の鼻をずるずるさせながら、少しばかりの達成感にひたっていた。
捜査本部との駆け引きの末…
  再び4月8日のXデー。西宮市の産経新聞阪神支局。 そろりと集まった取材班は、時間をかけて各自の役割を入念に確認した。配置に着くのは、昼過ぎからだった。
  (犯人グループが動くのは、夕闇に包まれてから) そう、踏んでいたからだ。 私の役回りは、現金持参人を乗せた車両の追尾だった。といっても、車両がどこに待機しているのか、いつから取引が始まるのか、雲の中。車種さえわからない。人海戦術で、捜査本部の動きを追うしかない。裏六甲で撮った「写真の男」を目撃する。すべての取材は、そこから始まるのである。
  午後1時過ぎ。 私は、阪神支局の記者、写真部のカメラマンと3人で、西宮署の捜査本部の窓が見通せる、とある空き地に車を回した。ガソリンスタンドの横で、乗用車が長時間停まっ ていても不思議ではないロケーションだ。 (捜査員に気づかれても、ここなら不審に思われないだろう) 双眼鏡を構えた。車窓から捜査本部の様子をウォッチした。2時間、3時間、4時間…。 動きはない。
  片山は、同じ西宮市にある甲子園署に張り込んだ。 取材班はとなりの芦屋市にある芦屋署、 尼崎市の尼崎西署、尼崎中央署などにも張り込んでいる。もちろん、兵庫県警本部 (神戸市)の捜査車両のチェックも続けていた
  午後7時過ぎ。西宮署の駐車場から、捜査車両が猛スピードで出た。躊躇(ちゅうちょ)する間は、なかった。現金持参人役の、あの「写真の刑事」を確認したわけでもなかった。無線で阪神支局に連絡して、迷わず追尾した。  あたりはすっかり暗い。捜査車両は、国道2号線をひた走った。対向車線の車のヘッドライトが、やたら気になった。前が見にくい。まぶしい…。
  すぐにまかれた。  片山も同じころ、甲子園署から飛び出た車両を追った。顔見知りの「グリコの社員役」の刑事が、確かに乗っていた。だが、芦屋市の警察学校付近で見失った。あとになってわかったことだが、捜査本部は、こちらの動きをすべて「お見通し」だった。私が追尾した捜査車両は、おとりだった。 「ひらっちゃん(平田)、双眼鏡、観すぎやで」 捜査員は、こう言って苦笑した。
スクープが残したものは
  その夜の取材で、犯人グループは指定してきた現金取引現場には姿を現さず、捜査は空振りだったことがわかった。
  グリコ社長に1億円要求 誘拐犯グループ異常な脅迫 引き渡し8日指定 警察、大捜査網敷く 産経新聞の9日付朝刊1面には、こんな見出しが躍った。大捜査網の様子を記した社会面には、猛スピードで走る捜査車両の写真も、どかんと載った。肩透かしの結果となったので、複雑な思いでの出稿となった。 だが、他社にとっては、目が飛び出るような衝撃的な記事だった。何しろ、一歩間違えば、産経新聞に「犯人逮捕の現場写真」と「現金取引劇の一部始終」をルポ記事でスクープされるところだったのだから。
  犯人グループは、8日の取引を「前哨戦」と位置付けていた。江崎グリコが警察に知らせているのかを、確かめたかったに違いない
  江崎グリコが警察に通報していたこと、そして兵庫県警が大捜査網を敷いていたことを、産経新聞のスクープが決定的に裏付けてしまった
  私たちは先の4月5日付朝刊とこの9日付朝刊の連続スクープが、のちの丸大食品、森永製菓、ハウス食品、不二家、駿河屋と続く、一連の事件の試金石になってしまうことに、この時、まだ気づいていなかった。(平田篤州)

グリコ・森永事件(警察庁指定114号)
  昭和59(1984)年3月18日夜、江崎勝久・江崎グリコ社長が兵庫県西宮市の自宅から入浴中に拉致され、現金10億円と金塊100キロを要求された誘拐事件が発端。江崎社長は約65時間後に大阪府茨木市内の水防倉庫から自力で脱出したが、グリコ本社(大阪市西淀川区)の施設が放火されるなど犯行はエスカレートした。
  犯人グループはその後も同年6月に丸大食品、9月に森永製菓、11月にはハウス食品などを次々と脅迫。同年10月には兵庫など4府県で、翌60年2月には東京と愛知で、スーパーなどに「どくいり きけん」などのメモを張った青酸菓子をばらまいた

  この間、「かい人21面相」を名乗る犯人グループから計144通もの挑戦状や脅迫状がマスコミなどに届いたが、同年8月、「くいもんの会社 いびるの もおやめや」と「終結宣言」を出して動きを止めた。
  警察当局は6都府県警で延べ約130万1000人の捜査員を投入。約600点もの遺留品捜査を行う一方、捜査員が目撃した「キツネ目の男」や青酸菓子ばらまきで防犯カメラがとらえた「ビデオの男」などを公開したが、平成12(2000)年2月までに計28件の事件すべてが時効となった。


2024.03.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240313-K6OS3GGMPRJUFHHT6YS2QVL6LQ/
美人局の中2少女、「グリ下」噂の男子生徒と交際後素行悪化「小6までおとなしかったあの子がなんで…」

  大学生が美人局(つつもたせ)的な手口で脅され、逃げようとして大阪市内のビルから転落死した事件で、強盗致死容疑で逮捕された中学2年の少女(14)と、犯行時13歳の「触法少年」として児童相談所に通告された男子生徒(14)は同じクラスだった。同級生によれば、2年になってから交際を始め、「小学生時代はおとなしく控えめな印象」だったという少女の素行は、次第に悪化していったという。

  捜査関係者によると、男子生徒と少女は事件の現場となったビルにこれまでも訪れたことがあると説明。男子生徒が交流サイト(SNS)上で女性名義の複数のアカウントを作り、メッセージを送信していたことを、少女も認識していた。大阪府警は男子生徒が美人局の計画を主導し、それに少女が連なったとみる
  同級生によると、小学6年までおとなしい印象だった少女は、中学で男子生徒と交際を始めると「雰囲気が変わった」。互いにスマートフォンを学校内に持ち込んだことで、2人で別室で指導を受けることもあったという。「2人で一緒に教室にいることが多く、他の同級生を寄せ付けない雰囲気だった。とても仲が良さそうだった」
  ただ男子生徒については、けんか自慢をするなど「暴力的で怖い印象があった」と語る。居場所を求める若者らがたむろする大阪・道頓堀のグリコ看板下の遊歩道「グリ下」に出入りしているという噂を耳にしたこともある。同級生は「なぜタイプの違う2人が付き合うことになったのか。ずっと疑問だった」と振り返る
  美人局に手を染めるほど金が必要だったのはどうしてなのか。同級生は「友人から2人が事件に関わったと聞いたときは人を死ぬまで追いやったということに驚いた。学校から説明はなく、よく分からない」と、いまだ困惑が収まらない様子だった。


2024.03.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240312-52LVVFTVNZOJNCCBBLKO4LU75U/
「体験を小説に」 広域強盗に関与の女、「ルフィ」幹部指示を積極証言 証人出廷も約束
(橘川玲奈)

  「ルフィ」などと名乗る指示役のもと、全国で相次いだ広域強盗事件を巡り、フィリピンを拠点に特殊詐欺のかけ子をしていた女に今月5日、懲役1年2月の判決が東京地裁で言い渡された女は、自身が果たした役割などを法廷で詳細に証言。今後始まるグループ幹部の裁判に証人として出廷すると申し出たほか、自らの経験を踏まえた小説を執筆したいとも語った

全面協力を確約
  「これから渡辺さんたちの裁判が始まると思いますが、全面協力したいです。よろしくお願いします」
  一連の事件のうち、東京都足立区で発生した空き巣事件に関わったとして強盗予備や住居侵入などの罪に問われたC被告(27)。即日結審した初公判で、裁判官から「言いたいことは」と問われると、こう宣言した。
  C被告は別の特殊詐欺事件で既に一度、実刑判決を受けており、現在服役中の身だ。検察側の冒頭陳述などによると、空き巣事件は令和5年1月20日に発生。実行役の男らは強盗するつもりで住宅に侵入したが、留守のため金品を見つけることができなかったとされる。
  C被告が公判で明らかにしたところによると、当時、フィリピンの入管施設にいた同被告は空き巣事件の前日、「竹の塚警察署のタケナカと申します」と、女性警察官を装って被害者宅に電話をかけた。
  C被告が演じる「タケナカ」は、ある事件の捜査で被害者宅を撮影した写真を押収したが、この写真の裏に「1千万円あり」と書かれていた-などと説明。その上で電話口の男性に、自宅から現金がなくなっていないか確認するよう促した。
  慌てて確認した男性は「3千万円の現金、(自宅に)ありました」と返答。まんまと資産内容を聞き出したC被告は、同じようにフィリピンの入管施設にいる幹部に「現金が1千万円以上(自宅に)ある家がある」と報告したという。
「準備できてるのか」
  C被告が報告した「幹部」とは、一連の事件で強盗致傷罪などで起訴されたD被告(39)とB被告(39)、E被告(39)のことだった。
  幹部3人は、日本にいる実行役に強盗を指示。実際に家へ入る際にも電話で指示を出していた。「Eさんが『お前、バールとかちゃんと準備できてるのかよ』と言い、Bさんが『できてるよ』と応じたが、再確認したらバールはなかった」。その様子をイヤホンで聞いていたC被告は、当時のやりとりを生々しく再現した。
  またC被告は、この空き巣事件の前日に起きた東京都狛江市の強盗致死事件についても証言。押し入った家の90歳の女性が亡くなったことを幹部がニュースで知った際、C被告もその場に居合わせていたという。
  「これ、どうすんの」(E被告)「俺、殺すつもりはなかったんだけど」(B被告)などと慌てた様子で、発覚を防ぐため、女性の遺体を回収することも検討していたと明かした。
「人はなぜだまされるのかをテーマに…」
  元々、C被告が入管施設にいたのは、D被告やE被告が仕切る特殊詐欺グループのかけ子としてフィリピンで活動していたところを、現地当局に摘発されたからだった。
  グループは解散し、入管施設に入れられたC被告は、同じように収容されたE両被告と「再会」。ここでB被告とも知り合った。その後、3人から「お金を稼がなければいけないだろ」と、今回の空き巣事件でも、かけ子をするよう指示されたと証言した。
  B被告が生活していた入管施設の「VIPルーム」に出入りし、食べ物などをもらっていたというC被告だが、幹部との密接な関係は昨年3月、フィリピンから強制送還され、警視庁に逮捕されたことで一変する。
  逮捕後は犯行を反省したというC被告は法廷で「(取り調べでは)知っていることを全部話した」と強調。収容者が入管職員に賄賂を渡すなど、腐敗した施設の実態を事細かに話し続け、裁判官に「簡潔に言っていただければ結構なんで」と、さえぎられるほどだった。
  検察側から、幹部の公判でも同様に証言できるかと問われると、質問が終わらないうちに「話します」と大きな声で答えたC被告。これまでの「経験」を踏まえ、「人はなぜだまされるのか」をテーマに小説を書きたいとも話した
  「被告なりにつまびらかに供述した」。裁判官は判決でこう指摘した上で、検察側の求刑懲役1年6月に対し、1年2月の判決を言い渡した。次に法廷に姿を現すのは、幹部の公判が開かれるときになりそうだ。(橘川玲奈)


2024.03.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240307-LJHYIIETJRL6NJCBWJANT5JQNI/
他にもSNS美人局か、強盗致死容疑で逮捕の中2女子生徒が示唆 大阪の大学生転落死事件

  交流サイト(SNS)で知り合った男子大学生から金を奪うためビルに呼び出し、その場から逃れようとした大学生を4階から転落死させたとして、大阪府警は7日、強盗致死容疑で、大阪市中央区の中学2年の女子生徒(14)と堺市北区の中学3年の少年(15)を逮捕したと発表した。刑事責任を問えない「触法少年」にあたる当時13歳の中学2年の男子生徒(14)=大阪市中央区=も児童相談所に通告した。

  府警によると、女子生徒は任意の調べに、大学生とは2月にSNSで知り合い、事件当日に初めて会ったと説明。「男子生徒と協力して金をとるつもりだった」と供述しており、府警は美人局(つつもたせ)の手口だったとみている。女子生徒はSNSで知り合った別の男性も脅したなどと示唆しており、経緯を詳しく調べる。
  中学生2人の逮捕容疑は共謀し2月12日午後2時50分~午後3時10分ごろ、大阪市中央区のビルに大学生を誘い出し、金を奪うため脅迫したうえ、逃げた大学生(22)をビルから転落させ、死亡させたとしている。
  府警によると、事件当日、女子生徒は現場近くのコンビニで大学生と待ち合わせ、7階建てビルの6階に行き、そこで待つよう伝えた。その後、女子生徒は少年らと合流。6階で脅迫された大学生は外階段から7階に逃げ、隣接する4階建てビルの屋上に飛び移った。さらに逃げようとした際、地上に転落したとみられる。
  司法解剖の結果、死因は多発性外傷による出血性ショックだった

  女子生徒と男子生徒は同じ中学で、共通の知人を通じて少年と知り合った。現場付近の防犯カメラ捜査などから関与が浮上。女子生徒と男子生徒は容疑を認め、少年は否認しているという。
  現場は大阪・ミナミの繁華街に近い住宅や雑居ビルが立ち並ぶ地域。


2024.03.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240306-GRGLCR2LZNKJHAOGDE57XTAKUE/
腕時計860本超、18億円相当が未返却…「許せない」オーナーの男性憤り
(鈴木源也)

  腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」に貸し出された腕時計がオーナーに返却されていない問題で、警視庁捜査2課が6日、業務上横領の疑いで、運営会社「ネオリバース」元代表の容疑者(42)の逮捕状を取った。ロレックスなど高級腕時計4本(計450万円相当)が返ってきていないという三重県在住の40代の男性会社員は産経新聞の取材に「捜査が始まり安堵(あんど)したが、容疑者が海外に逃亡したことに怒りを感じる」と憤りをあらわにした。

  男性は交流サイト(SNS)で、腕時計のオーナー約200人が集まる「被害者の会」に所属。男性によると2月末時点で計866本、総額約18億円相当の腕時計が返却されていないという。
  メンバーは警察に被害届を出したり、メディアに情報提供したりしており「声を上げたことで警察の対応が早まったと思う」と語る。一方で「容疑者を逮捕しても腕時計は戻ってこないだろう。はじめからだまし取るつもりだったのなら、許せない」と語気を強めた。
  貸し出した腕時計がオークションサイトに出品されているのを確認したオーナーもいる。男性は「警察には早く容疑者を捕まえてほしいし、質店や古物商などに腕時計の特徴を伝え、保管に向けて動いてほしい」と訴えた。(鈴木源也)


2024.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240305-UYFB5M5LPFIMFK4STK3SX554LY/
20億円詐欺か、山口組系幹部逮捕 かけ子グループに電話回線提供疑い

  女性から現金を詐取したとして、大阪府警は5日、詐欺の疑いで特定抗争指定暴力団山口組系組幹部、A容疑者(47)=住所不詳=を逮捕した。府警によると、容疑者は特殊詐欺のかけ子グループに電話回線を提供し、46都道府県の約850人、約20億円の詐欺被害に関与したとみられる。容疑を否認している。

  逮捕容疑は何者かと共謀して令和4年11~12月、架空の有料サイトの利用料金名目で大阪府の70代女性から現金約1200万円をだまし取ったとしている。
  容疑者はいずれも通信事業会社の合同会社スタートアップ(東京都新宿区)と合同会社太田商会(台東区)の実質的経営者で、別の電気通信事業者から購入した回線をかけ子グループに提供していたとされる。 女性の詐欺事件で使われた電話回線を府警が調べたところ、提供元が容疑者の会社と判明した。全国の被害者が受けた電話の回線も容疑者が提供したものとみられ、最大で約1億円の被害に遭った人もいた


2024.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240305-DE73XJLWNNO7LCZNBKRFHDIF5A/
ススキノ男性殺害で両親側が「鑑定医の適性に疑義」 ユーチューブで起訴前提の発言

  札幌市の繁華街ススキノのホテルで昨年、男性=当時(62)=が殺害され遺体が切断された事件で、殺人などの疑いで逮捕され、鑑定留置された無職、A容疑者(30)の両親の弁護人が4日、担当した医師がインターネット上の動画などで、起訴されることが決まっていると印象付けるような発言をしたのは適性を欠くとする意見書を札幌地検などに提出した。

  両親は父親で精神科医のB容疑者(60)、母親のC容疑者(61)
  意見書などによると、鑑定医は昨年11月にユーチューブで公開されたインタビュー動画に出演。事件の鑑定を担当していることを明確に否定せず「今回のケースも恐らく裁判員裁判になる」などと、殺人罪での起訴を前提とした発言をした。


2024.02.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240220-EYN3CDXXRNJ3VNR2J2ODTN7CAY/
浜名湖の高校生遺体、傷害容疑などで日本・フィリピン・ブラジルの少年ら5人逮捕

  静岡県の浜名湖で男子高校生(17)の遺体が見つかった事件で、湖西署捜査本部は20日、高校生に対する傷害容疑などで浜松市中央区の無職、堀内音緒容疑者(21)ら計5人を逮捕した。ほか4人はフィリピン国籍で同区の無職男(18)と少年(17)が3人。3人のうち1人はブラジル国籍

  県警によると、5人は浜松市内で高校生に対して暴行するなどしたとしている。遺体で見つかったのは、中国籍で通信制高校2年の斉藤宇川さん。9日に発見されていた。


2024.02.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240220-V63IGGR3VZJ7BAIH5NR3UNYTRA/
長期にわたり虐待疑い、体のけがも確認 行政支援に課題も 東京・台東の4歳次女殺害
(内田優作、前島沙紀)

  東京都台東区の自宅マンションで昨年3月、次女=当時(4)=に薬物などを飲ませて殺害したとして、両親が警視庁に殺人容疑で逮捕されてから21日で1週間。次女はネグレクト(育児放棄)状態にあったとされ、身体的な虐待も疑われるが、殺害に至る経緯には不明点が残る「養育困難」とされた両親は長期にわたり行政支援を受けてきたが、悲劇を防げず。専門家は「専門人材の育成が進んでいない」と課題を指摘する。

購入履歴
  「かわいくない」・・・母親のB容疑者(37)は次女の美輝(よしき)ちゃんについて、交流サイト(SNS)で父親のA容疑者(43)にこう送っていた。
  A容疑者は過去にネグレクトの疑いで警察から聴取を受けた際、「食事や洗濯は自分がしている」と説明。支援する行政側との連絡も大半をA容疑者が担っていた。
  美輝ちゃんは昨年3月、向精神薬や、不凍液に含まれる化学物質を摂取して死亡。警視庁浅草署捜査本部は今月14日、両容疑者を殺人容疑で逮捕した。
  捜査関係者によると、自宅から押収されたスマートフォンなどには向精神薬や化学物質の購入履歴も残っていたが、A容疑者は殺害を否認、B容疑者は一貫して黙秘しているという。捜査本部は夫婦間の関係や、殺害の動機などについて捜査を続けている。
  事件の背景にあったとみられるのが、美輝ちゃんへの虐待だ。長男、長女を含め5人暮らしだった一家は、美輝ちゃんが生まれる前から断続的に、子供への心理的虐待などで行政の支援対象となっていた。
一時保護
  一家は平成28年に千葉県から台東区へ転入し、31年1月に美輝ちゃんが誕生。同年3月には志保容疑者が自宅ベランダで放火し、子供3人は児童相談所に一時保護された。区は事件前まで、健一容疑者と月1回程度の電話連絡を続けていた。

  一方、区は令和4年9~11月、5回にわたり、美輝ちゃんにたんこぶやあざなどのけががあることを把握している。A容疑者は「公園で転んだ」などと説明。美輝ちゃんも「公園で」などと返答しており、区は「双方の説明に矛盾はない」として身体的虐待はなかったと判断。翌5年3月に事件は起こった
  行政の対応に問題はなかったのか。元児相所長でNPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は「きょうだいの中で美輝ちゃんだけがターゲットになっているという、虐待の構図をとらえられていなかったのではないか」と話す。
  美輝ちゃんは令和4年秋までの3年ほどで、少なくとも5カ所の保育所、託児施設を転々としていた。津崎氏はこの点についても、「通常ではないことで、どのような背景があったかを見落としていた」と指摘。行政機関は人事異動などで担当者が交代していくことから、「知見が根付き、経験を重ねた専門的人材の養成が必要だ」と述べた。
(内田優作、前島沙紀)


2024.02.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240215-REG7U5EOUZL2LD4TICWWXUJMXU/
子供にチョコ食べさせるかで口論、110番通報…以前の住居でも子育てに問題か 4歳次女殺害
(内田優作、前島沙紀)

  東京都台東区のマンションで昨年3月、当時4歳の次女が薬物などによる中毒で殺害された事件で、死亡した美輝ちゃんが生まれる前の平成28年まで一家は4人で千葉県流山市に住んでいた。殺人容疑で逮捕された父親のA容疑者(43)と母親のB容疑者は(37)は、激しい口論でたびたび警察に通報され、児童相談所にも通告されていた。長男や長女へのネグレクト(育児放棄)なども疑われており、両容疑者の子育てを巡る問題は長期にわたっていたとみられる。

  捜査関係者によると、両容疑者の家庭問題が最初に表面化したのは、平成26年7月11日。2人が自宅で口論をしていたのを見かけた近くの住民が110番通報し、千葉県警から聴取を受けた。子育てを巡って言い争いになったと説明したため、子供への心理的虐待に当たるとして、地元の児相に通告された。
  同様の通告は28年8月にもあり、A容疑者が長男にチョコレートを食べさせたことに、B容疑者が「虫歯になる」と注意したところ、再び110番通報されるほどの口論になったという。
  ネグレクトによる通告もあった。28年2月にB容疑者が「子供を育てられない」と騒いだことからA容疑者が110番通報。B容疑者は育児を放棄した状態で、県警の聴取にも「育てられない」と話した。
  当時、主に育児を担っていたとみられるA容疑者も「児相に保護してもらいたい」と言ったほか、「妻が罵声を浴びせてけんかになることがしばしばあり、子供も知っていると思う」と説明していたという。(内田優作、前島沙紀)


2024.02.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240214-XVBPVGI2DFOC5FFYJJX4NM5IHY/
向精神薬で4歳次女殺害容疑の夫婦、父の会社継いで観光地・浅草でホテル経営

  保育園児の次女=当時(4)=の殺害容疑で逮捕された父親のA容疑者(43)と、母親のB容疑者(37)は次女を含む子供3人との5人暮らしで、東京都内でも人気の観光地の浅草でホテルを経営していた。

  徒歩圏内には雷門でも有名な浅草寺があり、運営会社は数年前に亡くなったA容疑者の父親から継いでいた。  ホームページや登記簿などによると、経営する「浅草ホテル旅籠」は隅田川に架かる駒形橋近くにあり、2012年に建てられた。20年に増築され、リニューアルオープン。浅草の眺望が楽しめると宣伝し、夏の隅田川花火大会では屋上やラウンジでの観賞券付きプランも売り出していた
  ホテルを運営する「ホソヤ産業」はA容疑者の父親がかつて経営。18年にA容疑者が代表取締役に就き、A容疑者ら一家が住むマンションの部屋も父親から相続した。


2024.02.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240212-BA2YRKQAGZP7RAYMEWUYZBPXIY/
国道に女性引きずり、車にひかせて殺害 金銭トラブルのあった知人の男逮捕 沖縄県警「通過車両を利用した殺人」

  沖縄県宜野湾市の国道で女性を引きずって放置し、走行してきた車にひかせて殺害したとして、県警は12日、殺人容疑で女性の知人で同市大謝名の建設作業員、A容疑者(30)=脅迫容疑で逮捕=を再逮捕した。女性が車にはねられる直前、通行人から「男が女性を引きずっている」との110番通報があったため、県警は何者かが車に女性をひかせた殺人事件の可能性もあるとみて慎重に捜査を進めていた。

  再逮捕容疑は1月27日午前2時5分ごろ、同市大山の国道58号で、同市のパート店員、玉城まゆみさん(58)を歩道から道路中央付近まで引きずってあおむけで放置し、走行してきたタクシーにひかせて殺害したとしている。
  県警によると、古謝容疑者と女性との間には金銭トラブルがあり、今年1月、女性が4回にわたり、県警に「(A容疑者から)暴行を受けた」などと通報。那覇署が古謝容疑者に口頭で警告するなどしていた。
  捜査関係者によると、A容疑者は犯行前日の同26日夜から同市内の飲食店で女性と酒を飲んでおり、27日未明、タクシーで現場付近まで移動。その後、A容疑者が倒れたままの女性の腕を両手でつかみ、道路中央まで引きずる姿が通行人に目撃されていた。
  現場付近は街灯などの明かりも少なく、路上にあおむけで横たわっていた女性をひいたタクシーの男性運転手は「避けきれなかった」と話しているという。
  A容疑者は今月1日、脅迫容疑で逮捕されていた。県警は目撃情報や現場周辺の防犯カメラの映像などからA容疑者の犯行を特定。今回の事件を「通過車両を利用した殺人」(捜査関係者)とみている
  県警は12日、宜野湾署に合同捜査本部を設置し、犯行に至る経緯を調べる。


2024.02.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240210-IBNSHUEF2VLRROA6M5OTX4V3II/
16歳の女子高生が車に下敷きになって死亡 5キロ以上に渡って引きずられたか 運転手に事情聴く

  9日午後6時10分ごろ、茨城県ひたちなか市津田のコインランドリー駐車場で「走行中に異常音を聞き、車を止めて確認すると、人が挟まっていた」と110番通報があった。女性が車の下敷きになっており、病院で死亡が確認された。県警は10日、身元を水戸市に住む高校2年の女子生徒(16)と発表した。

  水戸市内から5キロ以上にわたり引きずられた可能性があり、県警が詳しい状況を調べるとともに、自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いがあるとみて、運転手の男性(72)から事情を聴いている。
  県警や消防によると、女子生徒はうつぶせの状態で上半身が車前部の下敷きになっており、体中に引きずられたような傷や出血があった。


2024.02.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240208-REXJV3WPVRLQ7OYEWQHD7I5BNE/
電動ボードでひき逃げ容疑、逮捕の男「免許が必要と思わず」 名古屋

  愛知県警は8日、無免許で電動キックボートを運転し、歩行者をはねて重傷を負わせ逃走したとして、自動車運転処罰法違反(無免許危険運転致傷)や道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、名古屋市中区新栄、無職、A容疑者(44)を逮捕した。

  逮捕容疑は3日午後5時10分ごろ、名古屋市中区の路上で、無免許で電動キックボードを運転し、一方通行を逆走するなどして、歩行中の自営業男性(47)に衝突。鎖骨や肋骨を折る重傷を負わせ、逃走したとしている。
  県警によると、A容疑者は「免許が必要と思わず、一方通行の規制対象外だと思っていた」と容疑の一部を否認している。県警は防犯カメラなどの捜査でA容疑者を特定した。
  最高時速が20キロ以下など一部の製品は「特定小型原動機付き自転車」と分類され、16歳以上なら免許不要で運転できるが、容疑者のキックボードは最高時速が25キロで、原付きに分類されるという


2024.02.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240208-UM7DXEGOIBIZ7F4CFTFULPBLJM/
高1女子を殴った疑いで男女6人逮捕 多摩川河川敷で集団暴行、重傷負わす

  川崎市多摩区登戸の多摩川河川敷で昨年11月、高校1年の女子生徒(16)に集団で暴行し、重傷を負わせたなどとして、神奈川県警は8日までに、強盗致傷などの疑いで相模原市の高校1年の少女(17)ら16~19歳の男女6人を逮捕したと発表した。同日、事件に関わったとして、電子計算機使用詐欺などの疑いで、15~19歳の男女5人を書類送検した。

  逮捕容疑は昨年11月20日午後4時半から6時半ごろ、女子生徒に殴るなどの暴行を加えて12カ月の肝損傷を負わせ、生徒のスマートフォンを奪ったとしている。また書類送検容疑は同日、生徒から奪ったスマートフォンを操作し、電子マネー計2400円分をだまし取ったとしている。
  県警によると、女子生徒と少女らの一部が友人関係で、学校生活を巡るトラブルがあったとみて捜査している。


2024.02.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240207-F5SUAXZHPNOTXNZQCPR4LGUHIM/
「A」名乗る男を身元不明遺体として火葬 遺骨は引き取り手なくても5年間保管

  神奈川県警は7日、昭和49年から50年にかけて起きた連続企業爆破事件の一つに関与したとして指名手配されていた過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー、A容疑者(70)を名乗った男=1月29日に病死=を、身元不明遺体として同県鎌倉市に引き渡した。市によると、遺体は同県逗子市で火葬された。

  引き取り手がない場合は鎌倉市が約5年間遺骨を保管する。男は約40年前から「内田洋」の名前で同県藤沢市の工務店に勤務していた。警視庁は本人と確認できれば容疑者死亡で書類送検する方針。
  男は昨年1月ごろから鎌倉市の病院に通院し、今年1月に入院。25日に病院関係者に「A」と名乗り出て、29日朝に病死。遺体は31日に藤沢署に移されていた


2024.02.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240204-HDUF4TWWXVPAJBADMD2HAOSL3Q/
殺人未遂容疑で男再逮捕 茨城、近隣2店舗で刺傷か

  茨城県阿見町で1月、ドラッグストアで女性従業員が刺され、殺人未遂容疑で男が現行犯逮捕された事件で、県警は4日、事件の10分前に近隣のコンビニで男性店員(49)が背中を刺された事件にも関与したとして、殺人未遂などの疑いで、同町の無職、A容疑者(34)を再逮捕した。

  逮捕容疑は1月14日午後10時15分ごろ、コンビニに包丁を持って侵入し、店員の背中を刺し殺害しようとしたとしている。
  県警によると、当時店内に他の店員や客はいなかった。A容疑者はその後、自転車で付近のドラッグストアに移動して従業員を刺し、駆け付けた警察官に現行犯逮捕された。


2024.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240201-ATOX3FESTVICBIA343LMVVQLOI/
急死俳優の遺族側「宝塚歌劇団が従来の見解を変更」 協議前進の見方示す

  宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組劇団員の女性(25)が昨年9月に急死した問題で、遺族代理人の川人博弁護士らが1日、歌劇団側と1月24日に行った3回目の面談結果を明らかにした遺族側と歌劇団は上級生らによるパワハラの有無を巡って主張に隔たりがあったが、歌劇団側が「明確に従来の見解を変更」したと評価、協議が前進したとの見方を示した

  遺族側は急死の背景に長時間労働やパワハラがあったと主張。歌劇団が昨年11月に公表した弁護士による外部調査チームの報告書は、長時間労働については一部認めた一方、パワハラは「確認できなかった」と結論付けている。
  遺族代理人によると、1月24日の面談には女性の母親と妹が同席。歌劇団側に直接、心情や意見を伝えた。歌劇団側からは「遺族側の意見に相当程度配慮した内容が述べられた」という。一方で見解が一致しない点も残っているとし、歌劇団側に解決に向けた誠実な対応を求めている。
  歌劇団は1日、「引き続き誠意をもって協議を進めていく」とのコメントを発表した。


2024.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240201-NMYYKOYABFKGHDHEMB43623HUE/
手榴弾投げ込むも爆発せず 元組長らを容疑で逮捕 福岡

  福岡県警は1日、同県久留米市の建設会社に平成24年、手榴(しゅりゅう)弾を投げ込んだとして、爆発物取締罰則違反(使用)などの疑いで、指定暴力団道仁会系元組長の解体業、A容疑者(74)=同市東合川=らを逮捕したと発表した。手榴弾は本物で殺傷能力があったが爆発せず、けが人はいなかった。逮捕は1月31日。

  他に逮捕されたのは、道仁会系元組員の会社員B容疑者(45)=同県小竹町南良津。県警によると、2人は犯行当時、道仁会傘下組織に所属していた。建設会社の社長は暴力団追放運動に取り組んでいたことから、詳しい動機を調べている
  2人の逮捕容疑は共謀して平成24年2月7日、建設会社1階のトイレの窓ガラスを割り、手榴弾を投げ込んだとしている。
  県警は、手榴弾を譲り渡したとして、爆発物取締罰則違反などの疑いで、自営業、C容疑者(66)=熊本市東区尾ノ上=も逮捕した。


2024.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240201-GVU5QBZSOBIDNPYMBPDV4JHFTM/
連続企業爆破事件、捜査諦めずと警察庁長官 A容疑者以外のメンバー

  警察庁の露木康浩長官は1日の定例記者会見で、連続企業爆破事件を起こした過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー、A容疑者(70)を名乗って死亡した男について「警視庁において、本人の疑いがあるとみて慎重に確認を進めている」とした上で、逃走中の他の2人のメンバーに関し「追跡捜査を決して諦めることなく進めていきたい」と強調した。

  男は1月25日に入院先の神奈川県内の病院で「A」を自称。末期の胃がんで同29日に死亡した。警視庁公安部がDNA型鑑定などで身元の確認を進めている。
  警察当局はA容疑者以外のメンバーとして、超法規的措置で釈放され国外に渡ったB容疑者(75)とC容疑者(75)についても国際手配して行方を追っている


2024.01.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240130-XRTQHETUSRMMNGJLAMHDMSDHAA/
A容疑者名乗る男 愛称「うっちー」「うーやん」親しまれ地域と交流 〝潜伏〟とは程遠い生活
(橋本昌宗)

  連続企業爆破事件で重要指名手配されているA容疑者(70)とみられる「内田洋(ひろし)」と名乗る男は、29日に入院先の病院で死亡したが、「うっちー」「うーやん」の愛称で、約40年間住んだ神奈川県藤沢市の街に溶け込んでいた。音楽を愛し、夏には70~80人が集まるバーベキューに参加したことも。関係者の証言から浮かび上がるのは、逮捕を逃れる〝潜伏〟とは程遠い生活だった。

「幸せにできない」
  「60~70年代のブルースやロックが好きで、店で生バンドの演奏があるときはよく踊っていた」  JR藤沢駅近くの飲食店の60代の男性オーナーは、客として月に1回程度やってきた「内田」についてこう話す。
  店に来るようになったのは20年ほど前。銭湯に行く途中や帰りがけが多かった。来るのはいつも一人だったが「店のスタッフやお客さんからは、『うっちー』と呼ばれて親しまれていた」。生バンドの演奏では「リズムに合わせて踊り、『イェイイェイ』とあおって演奏者や客を盛り上げていた」と明かす。米ロックバンド「サンタナ」のライブ映像を収めたビデオテープをもらったこともある男性は「音楽には相当詳しくて、店に置いてあるギターを手に取って鳴らすこともあった」と話す。
  男は建築関係の仕事をしていること以外、経歴は語らなかったが、15年ほど前、親密な女性がいて「自分は幸せにできるタイプじゃないから」と、交際を断ったことをスタッフに明かしていたという。
海岸のバーベキューに
  同じく20年ほど前から「内田」が店に来ていたと話すのは、駅近くにあるバーを経営する60代男性。多い時は週に1、2回来たといい、「ほかのお客さんから『うーやん』って呼ばれて、なじみの客の一人」と話す。一度、出身地の話になったときは「岡山」と話していた。  この店でも音楽談議に花を咲かせ、持ち込んできたCDをマスターに頼んでかけてもらうことも。自ら横浜市内のライブハウスまで音楽を聴きに行っていると話していたという。「この辺りの音楽好きが集まるような店ではかなり知られた存在だった」。以前、近くの鵠沼(くげぬま)海岸で、男性がバーベキューイベントを行ったときも、70~80人に交じって参加していた。男性は「全く『隠れている』というようなそぶりはなかった」と話す。
  藤沢駅周辺の飲食店を活発に「はしご」していた男だが、新型コロナウイルス禍を機に、姿を見せなくなる。次に飛び込んできたのが、「内田」が「A」と名乗り、病院で死亡したという一連のニュースだった。男性は「お客さんたちも『何かの間違いじゃないか』と話している。それほど穏やかな、いい人だったから」と、「内田」の死をいたんだ。(橋本昌宗)


2024.01.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240131-FXVAH2HQ5FN6TIDIU77EIDRSQM/
<独自>韓産研爆破事件への関与否定 間組事件の関与ほのめかす A容疑者名乗る男

  昭和49~50年の連続企業爆破事件で、爆発物取締罰則違反容疑で重要指名手配された過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー、A容疑者(70)とみられる男が、警視庁公安部の任意聴取に対し、韓国産業経済研究所爆破事件への関与を否定し、間組(現安藤・間)爆破事件への関与をほのめかす趣旨の話をしていたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。男は29日に死亡。公安部はDNA型鑑定を行い身元の確認を進めている。

  桐島容疑者は東アジア反日武装戦線の3グループのうちの1つ「さそり」に所属。昭和50年4月、手製の時限爆弾で東京・銀座の韓国産業経済研究所の入り口ドア付近を爆破した疑いで指名手配され、49年にわたり逃亡を続けていた。
  さそりのリーダー格だったB受刑者は、50年5月に逮捕され、一連の爆破事件のうち、鹿島建設爆破事件(49年12月)や東京都港区北青山の間組本社6階と9階が爆破され、1人が重傷を負った事件(50年2月)などを起こしたとして、62年に無期懲役刑が確定。これらの事件では、A容疑者との共謀関係が指摘されていた。
  捜査関係者などによると、A容疑者を名乗る男は「内田洋(ひろし)」の偽名を使い、神奈川県藤沢市内の土木会社で、約40年にわたり住み込みで勤務。約1年前から通院し、今月上旬に鎌倉市の病院に入院した。
  男は今月25日に病院側に「自分はAだ」と名乗ったため、連絡を受けた公安部が話を聞いていた。「(一連の事件を)後悔している」とし、支援者はおらず「一人でいた」などと話したという。29日朝に死亡。末期の胃がんだった。


2024.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240130-377QHXSNXZPB7HT52QDJW5LSFA/
フィリピン拠点、特殊詐欺未遂疑い 8人移送し逮捕へ、神奈川

  フィリピンを拠点に日本の高齢者らを狙った特殊詐欺事件に関わったとして、神奈川県警が詐欺未遂の疑いで、日本人の男ら8人の逮捕状を取ったことが30日、捜査関係者への取材で分かった。既に現地当局に拘束されており、30日中に日本に移送され、県警が逮捕する方針。

  捜査関係者によると、男らはフィリピンから日本に向け、詐欺の電話をかけるなどした疑いが持たれている。県警は男らのグループによる被害の実態解明を進める。
  男らは、フィリピンの当局に不法就労の疑いで拘束され、30日午後にも成田空港に到着する見通し。


2024.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240130-ZQKV3GULIVLVXNTNZODV7FWLNA/
<独自>「A」名乗る男「後悔している」と供述 死亡前の警視庁聴取に 連続企業爆破

  昭和49~50年の連続企業爆破事件で、警視庁公安部に身柄を確保された過激派「東アジア反日武装戦線」の「さそり」グループメンバー、A容疑者(70)とみられる男が公安部の任意聴取に「後悔している」と話していたことが29日、捜査関係者への取材で分かった。

  男は29日朝、神奈川県鎌倉市の病院で死亡。公安部はDNA型鑑定などで身元が確認できれば、容疑者死亡で書類送検する方針。
  捜査関係者などによると、男は「内田洋」と名乗り、同県藤沢市内の工務店で、数十年間にわたり住み込みで勤務。入院時も内田を名乗っていたが、25日になって「A」と名乗ったため、連絡を受けた公安部が身柄を確保した。
  死因は病死で、関係者によると、死亡確認は午前7時33分。末期の胃がんだった。公安部はこれまでの逃亡手段や、手助けした人物について調べている。
  A容疑者は一連の事件に関わった同戦線メンバー10人のうち唯一、逮捕されずに49年間潜伏を続けていた


2024.01.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240129-LEKEWOUXXVIKZAK7DISHUXCPM4/
連続企業爆破「A」名乗る男が死亡 末期がんで神奈川県鎌倉市の病院に入院

  昭和49~50年の連続企業爆破事件で、警視庁公安部に身柄を確保されている過激派「東アジア反日武装戦線」の「さそり」グループメンバー、A容疑者(70)とみられる男が29日、死亡したことが、捜査関係者への取材で分かった。男は末期がんで神奈川県鎌倉市の病院に入院しており、警視庁公安部がDNA型鑑定で身元の特定を進めていた。

  捜査関係者などによると、男は「内田洋」と名乗り、同県藤沢市内の工務店で数十年間にわたり勤務していた。1月上旬に、自宅近くでうずくまっているところを近隣住民に救助され、その後鎌倉市の病院に入院した。
  男は入院時も内田を名乗っていたが、25日になって「A」と名乗ったため、連絡を受けた公安部が身柄を確保している。「最期は本名で迎えたかった」などと話したという。公安部はこれまでの逃亡手段や、手助けした人物について調べている。
  A容疑者は昭和50年4月、手製の時限爆弾で東京・銀座の韓国産業経済研究所の入り口ドア付近を爆破したとして、爆発物取締罰則違反容疑で手配。公安部が特定した、連続企業爆破事件に関わった東アジア反日武装戦線のメンバー10人のうち唯一、一度も逮捕されずに49年間にわたって潜伏を続けていた。
  共犯とされるC容疑者(75)らが日本政府の「超法規的措置」で国外に逃亡したため、時効は停止
されている。


2024.01.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240128-ZWFTLD6FZZOH3CUTDVLEIJSF7Q/
逮捕の男、次女への暴行容疑認める 愛媛・今治の女性殺害に関与か

  愛媛県今治市の住宅でピアノ教師、冨田小雪さん(64)が殺害された事件で、冨田さんの次女(35)への暴行容疑で逮捕された自称会社員、A容疑者(34)=同県西条市樋之口=が、次女に対する容疑を認める趣旨の供述をしていることが28日、愛媛県警への取材で分かった。県警はA容疑者が、殺人事件に関与した可能性もあるとみて捜査を進めている。

  事件は26日発生。午後6時過ぎ、冨田さんが自宅で首などを切られた状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。現場から何者かが立ち去り、次女とも連絡が取れなくなっていたが、27日夜に西条市内で次女を発見。その直後、警察官がA容疑者を見つけ、次女への暴行容疑で逮捕した。
  捜査関係者によると、冨田さんの自宅付近の防犯カメラに、事件当時、次女と容疑者とみられる男女が歩く様子や車に乗り込む様子が写っていた。県警は、容疑者が次女を車で連れ回した疑いがあるとみている。


2024.01.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240127-DSKGVT5KC5OP3HGKSRJLX4HT6E/
「A」名乗る男、偽名で神奈川に潜伏か 海外にも滞在ほのめかす 病院で保険証使わず

  連続企業爆破事件の一つに関与したとして、重要指名手配されている過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー、A容疑者(70)とみられる男が、偽名で神奈川県に潜伏していた疑いがあることが27日、捜査関係者への取材で分かった。海外滞在もほのめかしており、警視庁公安部は支援者がいる可能性もあるとみて調べる。

  捜査関係者によると、男は行き倒れていたところを神奈川県鎌倉市の病院に搬送されて入院。保険証を使わず自費で治療を受け、当初は別の名前を名乗っていた。25日に自身が「A」だと話し、神奈川県警からの連絡を受け公安部の捜査員が身柄を確保した。
  男は入院前、神奈川県内の工務店で病院での偽名と同じ名前で勤務していたとみられ、海外に滞在していたとする趣旨の説明もしている。末期がんで「最期は本名で迎えたかった」とも話しており、公安部はDNA型鑑定で身元の特定を進めるとともに、男の容体が悪いことから逮捕後の勾留に耐えうるかどうか、慎重に見極める方針だ。
  東アジア反日武装戦線は、昭和49~50年に連続企業爆破事件を起こし、公安部がメンバー10人を特定。A容疑者は同戦線内の3つのグループの一つ「さそり」に属し、10人の中で唯一、一度も逮捕されずに潜伏を続けている
  A容疑者は50年4月、東京・銀座の「韓国産業経済研究所」入り口ドアに手製爆弾1個を仕掛け、爆発させたとして、同年5月に爆発物取締罰則違反容疑で重要指名手配された。
  共犯とされるD容疑者(75)らが日本政府の「超法規的措置」で国外に逃亡したため、A容疑者も時効が停止されている


2024.01.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240127-TG3JCOGVZNLXXM5UIMVYLXKEHE/
愛媛の女性死亡、次女への暴行容疑で知人男を逮捕

  26日午後6時10分ごろ、愛媛県今治市松本町の住宅で、住人のピアノ教師、冨田小雪さん(64)が倒れているのが見つかったと通報があった。首などに複数の傷があり、病院で死亡が確認された。愛媛県警は27日、冨田さんの次女(35)とともに行方が分からなくなっていた知人とみられる自称会社員の男(34)の身柄を確保し、次女に対する暴行容疑で逮捕した。次女が安全であることも確認した。

  捜査関係者によると、事件当時、現場付近にある防犯カメラに次女と知人とみられる男女が車に一緒に乗り込む様子が写っていた。
  現場では男子中学生が縛られた状態で見つかり、病院に運ばれた。負傷しているが命に別条はない。冨田さんが自宅で開いているピアノ教室の生徒とみられる。中学生は男に縛られたと説明しているという。
  冨田さん方は次女と次女の子供2人の4人暮らし。冨田さんの知人女性が住宅を訪れて倒れている冨田さんを発見、通報した。凶器は刃物とみられるが、見つかっていない。


2024.01.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240126-G5BN6UVI7BJLNJ7M3Y7RI4DDIY/
警視庁「寝耳に水」 連続企業爆破事件のA容疑者の確保劇 発生から半世紀の急展開

  連続企業爆破事件で指名手配されたA容疑者(70)とみられる男の身柄が26日、警視庁に確保された。昭和49~50年に起きた「戦後最悪の爆弾テロ」と呼ばれる事件は発生から今年8月で50年。過激派「東アジア反日武装戦線」の犯行グループの大半はすでに逮捕されたが、逃走を続けた容疑者は何を思い、どう身を隠し続けたのか。警視庁公安部は全容解明を急ぐ。

  「寝耳に水だ」。ある警視庁幹部は、神奈川県鎌倉市に入院中の男がA容疑者だと名乗ったとの一報を受けた衝撃をこう振り返った。東アジア反日武装戦線など過激派のメンバーらは、警察当局に反感を抱き、徹底抗戦の構えで取り調べに応じないことが多い。しかし、捜査関係者らによると、情報提供を受けて病院に到着した捜査員に対し、末期がんで余命数カ月とされる男は「A」と名乗った。
  指名手配に関する情報は、各地の警察に日々寄せられており、その度に警察は確認を進めるが、過激派の指名手配犯が自ら容疑者を名乗るのは異例。「驚いたなんてもんじゃない」。幹部はこうも語る。
  A容疑者は、公安部が連続企業爆破事件で東アジア反日武装戦線の10人を特定した後、一貫して逃走を続けていた唯一のメンバーで、警察庁重要指名手配犯のうち、最も逃走期間が長い容疑者だった。
  警察庁などによると、東アジア反日武装戦線は昭和40年代以降、組織に縛られることを嫌い、少人数でグループを作っていくことで生まれたグループの一つとされる。日本では、一般労働者は革命のエネルギーを失い、「アイヌ、在日朝鮮人、日雇労働者等の少数の差別を受けている人だけが、革命の主体になりうる」という「窮民革命論」の影響の下、日雇い労働者の敵として、大企業やゼネコンを狙ったとみられている
  また、グループは49年8月14日、昭和天皇の御召(おめし)列車を橋の上で爆破する「虹作戦」を行うため、鉄橋に導火線を設置するなど準備。計画は中止されたが、用意した爆弾は同月30日の三菱重工業ビル爆破事件に使われたという。
  一連の爆破事件で関与したメンバー10人のうち、公安部は50年5月に8人を逮捕。A容疑者と男が指名手配されたが、男は57年に逮捕された。メンバー3人が海外でのテロ事件に絡む日本政府の「超法規的措置」で国外に逃亡。1人は逮捕されたものの、2人は今も逃走している。
  公安部は、男の身柄がA容疑者だと特定され次第、49年間の逃走の過程を調べる方針。


2024.01.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240126-CPJ4HBBAX5B2PAC2XRH6F7SHQE/
「この件だけ親会社にあがってこなかった」SOMPOの桜田CEO ビッグモーター問題

  中古車販売大手のビッグモーター(BM)による自動車保険金の不正請求問題を巡り、25日に金融庁から業務改善命令を受けたSOMPOホールディングス(HD)の桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者(CEO)は26日の記者会見で、中核子会社の損害保険ジャパンが働いた一連の不正について「(親会社として)知らなかった。本件だけ(報告が親会社にあがってこなかった)ということは『なぜか?』ということがある」と説明した。

  また、損保ジャパンの白川儀一社長は「(一連のBMの実態などについて)報告をしていなかったのは事実。一般的な疑義案件の幅であると認識していた」と述べ、「事案を招いたすべての責任は私にある」と謝罪した。


2024.01.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240124-SO3Z6B4WMJLZFI3BIIB7WHOSHE/
出産直後の子殺害未遂疑いで22歳母親逮捕 茨城

  茨城県警は24日、出産直後の男児を便器に押し込み殺害しようとしたとして、殺人未遂の疑いで、茨城県土浦市真鍋の職業不詳、A容疑者(22)を逮捕した。自ら119番通報しており、県警は詳しい動機を調べる

  県警によると、男児は救急搬送され、命に別条はない。現在は生後2カ月で施設に入所している。逮捕容疑は昨年11月2日午前8時半ごろ、自宅で出産した男児を流そうと便器に押し込み、殺害しようとしたとしている。


2024.01.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240124-HZU64IED7NI7NLTXDWK23OFPEM/
クルドの祭り開催問題 埼玉県公園協会が謝罪「誤解招いた」

  埼玉県川口市などに在留するトルコの少数民族クルド人の新年の祭り「ネウロズ」県営公園での開催を巡り、県公園緑地協会の対応にクルド人側が反発していた問題で、協会側は「誤解を招いた言い方があった」などと謝罪、開催を許可する方針であることが24日、分かった。

  同協会によると、23日に支援団体や主催団体と協議、クルド人側が求めていた楽器演奏公園のルール通り禁じるものの、スピーカーで音楽を流すことは大音量でない限り問題ないとした。ただ、現状では企画書や許可申請書も提出されておらず、協会側は文書の提出を待って具体的な開催条件を伝えるとしている。
  協議の際、同公園の管理事務所長がクルド人側「開催してほしくないという前提で話を進めてしまった。誤解を招いた言い方があった」などと謝罪したという。
  支援団体は今月初め、県営秋ケ瀬公園(さいたま市桜区)で3月開催の予定で協会に相談。協会側は「楽器演奏の禁止」を条件に許可する方針を示したが、支援団体が「音楽と踊りは一体だ」などと反発していた。
  協会側によると、「クルド人に県の施設を貸すな」といった電話やメールが複数寄せられていた


2024.01.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240119-Z2YUHLOTORIP3LCOHDODOLAES4/
「恒心教」に共鳴か 渋谷駅に「爆弾」妨害容疑で14歳中学生を書類送検

  東京・渋谷駅のホームに「bomb(爆弾)」と記した張り紙を付けた段ボール箱を置いたとして、警視庁捜査1課は、威力業務妨害容疑で山梨県笛吹市に住む中学2年の男子生徒(14)を書類送検し、住所不定、無職のA容疑者(22)を逮捕した。捜査1課によると、生徒が実行役を闇バイトで募集し、応じたA容疑者に指示を出していた。

  2人に面識はなかった。生徒はインターネットで特定の弁護士を攻撃する集団とされる「恒心教」に共鳴していたとみられ、張り紙には弁護士の画像が載り、犯行声明のような文章もあった。
  生徒は「恒心教のコンテンツを盛り上げたかった」A容疑者は「僕がやったことで間違いない」と供述し、容疑を認めている。生徒はインターネットの掲示板で実行役を募っていた。


2024.01.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240119-CVZZEYRQQZKALKXOI4VORI74TA/
PCR検査事業巡る投資詐欺 検査キット社長が投資スキーム考案か

  架空のPCR検査事業を巡る投資詐欺事件で、検査キット販売大手「ICheck(アイチェック)」社長、A容疑者(44)=詐欺容疑などで逮捕=が投資スキームを考案し、投資コンサルタント会社社長、B容疑者(50)=同=らに集金を指示していたとみられることが18日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁生活経済課は、過去の投資案件で出た損失穴埋めのためだったとみて、詐取金の使途などの解明を進めている。

  A容疑者は自社の名前を投資家らに伝えないよう求めていたとされる。被害の訴えが出ると自社のホームページで「一切無関係」と公表。投資呼びかけの際にアイチェックの名前を出した勧誘役を提訴したこともあった。同社は米ナスダック市場への上場を目指しており、悪評が立つのを警戒したとみられる。
  勧誘時、出資金は検査キットの購入代に充てると説明していたが、実際には一切購入せず、出資者には見せかけの送金記録を提示して信用させていたという。
  生活経済課によると、A容疑者らは18都府県の135の個人や法人から約32億円を違法に集金。配当の支払いは4億円程度にとどまっていたとみている。A容疑者らの逮捕容疑は令和4年3~9月ごろ、無登録で投資を募ったほか、男女3人から計6千万円をだまし取ったとしている。


2024.01.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240118-LV77CNL4Z5JZVABSF4C76J4V5U/
「自殺しようと…」 数百人分の致死量の「青酸ソーダ」盗む、容疑で42歳の男を逮捕

  岡山県警は18日、岡山市内の職場の印刷会社工場内で毒物のシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)100グラムなどを盗んだとして、窃盗の疑いで、同県瀬戸内市邑久町豆田の会社員、佐藤友紀容疑者(42)を逮捕したと発表した。「人間関係に悩んでいて、自殺しようと思って盗んだ」と容疑を認めている。

  薬品を発送した会社から「商品を受け取ったことが確認できない」との連絡を工場が受けて発覚。県警が17日に印刷会社から被害届を受け、同日逮捕した。
  逮捕容疑は昨年10月31日~今年1月16日、岡山市内の職場の工場内で、瓶に入った毒物のシアン化ナトリウムの粉末100グラムと、劇物の亜硝酸ナトリウムの粉末500グラムを盗んだ疑い。県警によると、佐藤容疑者は昨年末から体調不良で休職中だったという。
  容疑者の自宅を家宅捜索するなどし、薬品を発見。使用されていないか慎重に調べている。県警によると、シアン化ナトリウムは約0・2グラムが致死量で、今回盗まれた量は数百人の致死量に相当する。


2024.01.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240118-JISFPTH3ZNMSLGCSHIHEV62GPM/
東京・足立の住宅床下から2遺体 不明の50代夫婦か 警視庁が死体遺棄事件として捜査本部設置

  東京都足立区千住緑町の住宅に住む50代の夫婦が16日夜から行方が分からなくなっており、警視庁が18日午後に自宅内を調べたところ、床下から2人とみられる遺体を発見した。捜査1課は18日、死体遺棄事件として千住署に捜査本部を設置した。玄関などから複数の血痕が見つかっており、捜査本部は遺体の身元の確認を急ぐとともに、2人が事件に巻き込まれたとみて詳しい状況を調べている

  捜査本部によると、16日午後8時50分ごろ、この夫婦の長男から、「仕事から帰宅すると両親がおらず、自宅内の床面から血痕を見つけた」と110番通報があった。18日午後、捜査員が自宅内を調べたところ、床下から2人とみられる遺体が見つかった。
  この住宅には両親と長男の3人が暮らしていたという。長男らが2人を最後に確認したのは16日朝だったという。住宅の登記簿によると、この家族は令和2年からこの住宅に住んでいたとみられる。
  現場はJR北千住駅から南西に約1キロの住宅街。現場住宅付近には規制線が張られ、捜査員らがあわただしく出入りしていた。ストレッチャーとみられるものも搬送していた。
  近くに住む女性は「(家族は)2、3年前に引っ越してきた。新型コロナウイルスの感染拡大で前に住んでいた人が引っ越して建て直した。こんなことがあり物騒だ」と不安そうに話していた。


2024.01.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240118-CGYZRNPIRNJIHM6L4PIDQ3RNHE/
琵琶湖岸に中年男性遺体 殺人事件と断定、死因は窒息

  滋賀県近江八幡市牧町の琵琶湖岸で男性の遺体が見つかり、県警は18日、遺体の状況などから殺人、死体遺棄事件と断定。県警近江八幡署に同日、捜査本部を設置した。

  遺体は16日午後9時半ごろ、水面に浮いているのを釣り客が見つけ110番した。県警捜査1課によると、男性の死因は首を絞められたことによる窒息死。男性は50~60代とみられ、身長1メートル65センチの小太りで、黒色のジャンパーに灰色の長袖トレーナーを着用。靴は履いていなかったという。県警は身元の特定を急いでいる。


2024.01.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240118-LXRO6UBKRFPDTA25PYINRY4EXQ/
遺体はシートにくるまれた状態 血痕は拭き取った形跡も 東京・足立の遺棄事件

  東京都足立区の住宅床下から2人の遺体が見つかった事件で、遺体がいずれもシートにくるまれた状態だったことが18日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁千住署捜査本部は、遺体が行方不明となっている住民の夫婦とみて確認を急ぐとともに、夫婦に関するトラブルの有無などを調べている。

  捜査関係者によると、夫婦は高橋徳弘さん(55)と妻、希美江さん(52)。同居する30代の長男は16日午前8時10分ごろに出勤し、午後8時10分ごろに帰宅後、夫婦がおらず、玄関などに血痕があったことから110番通報した。血痕は拭き取ったような形跡があったという。


2024.01.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240115-BAG3ZSJJZNJ53JE4H5LX73QOLA/
埼玉のカラオケ店から2500万円強盗疑い 18歳男逮捕、他3人関与か

  埼玉県警川口署は同県川口市のカラオケ店で会社役員の男性(38)から現金を奪ったとして、強盗の疑いで相模原市の自称高校3年の男(18)を逮捕した。逮捕は14日付。認否を明らかにしていない。他に男3人が逃走しており、署が強盗の疑いで行方を追っている

  逮捕容疑は14日午後2時55分ごろ、氏名不詳の人物と共謀し、川口市西川口のカラオケ店で男性に催涙スプレーをかけ、現金2500万円を奪ったとしている。
  署によると、店は開店前で、男性は「貸すために金を持って来ていた」と話している。同行していた知人が110番通報。近くで警察官が容疑者を確保した。現金の一部は見つかったが、残りは逃走した男らが持っていったとみて調べている。


2024.01.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240111-75JOHSF7C5KM7AMBK4TUZLZN3M/
熊本の豪雨被災住宅再建で詐欺疑い 建設業者の男逮捕

  熊本県で2020年7月に起きた豪雨で被災し、自宅を再建しようとした人吉市の男性会社員(67)に「安く家を建てられる」などと言い、建設費用をだまし取ったとして、熊本県警は11日、詐欺の疑いで、津市白塚町の建設業、A容疑者(75)を逮捕した。熊本県警によると、「納得できない」と否認している。

  逮捕容疑は、男性に「代金を支払えば住宅を建築し、完成させる」とうそを言い、人吉市の事務所で21年10月と11月に現金計700万円をだまし取ったとしている。
  A容疑者は20年8月~22年3月ごろ熊本にいた。東北地方や千葉県、岡山県など災害に見舞われた各地を訪れ、被災者に住宅再建を持ちかけていたとみられる。
  A容疑者が住宅修繕などを請け負ったのに適切に工事を進めていないとして、複数の被災者が22年12月、損害賠償を求め熊本地裁人吉支部に訴訟を起こしている


2024.01,10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240110-V6X6UO7LQBMT5AAEAESRW5TICY/
多摩川スーツケース遺体 男性は都内居住 動画配信サイトで活動

  川崎市の多摩川にあったスーツケースから昨年12月、職業不詳の原唯之さん(46)の遺体が見つかった事件で、神奈川県警は10日、不詳としていた原さんの住所を東京都江戸川区と特定したと明らかにした。原さんは首を絞められ窒息死したとみられ、県警が殺人、死体遺棄事件として捜査している。

  スーツケースは昨年12月29日午後10時10分ごろ、川崎市川崎区殿町付近の多摩川で、釣り人が発見。110番通報を受けた県警が回収し、遺体を確認した。捜査関係者によると、原さんは動画配信サイトで生配信などの活動をしていた。


2024.01.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240110-XUBTX5G2WZNNLD7GCAZJ2ICDVU/
練炭で妻殺害疑い再逮捕 放火で起訴の37歳男「殺していない」と否認 横浜

  横浜市鶴見区のアパートの自室で昨年2月、同居の妻を急性一酸化炭素(CO)中毒にさせて殺害したとして、神奈川県警は10日、殺人容疑で、当時居住していた無職、A容疑者(37)を再逮捕した。県警によると、練炭を使ったとみられる。容疑者は自室に放火したとして現住建造物等放火容疑で逮捕、起訴されていた。

  再逮捕容疑は昨年2月19日から20日までの間、妻の優理香さん=当時(36)=を殺害したとしている。県警によると「殺していない」と否認している。夫妻は2人暮らしだった。焼け跡から遺体が見つかり、県警は殺害後に放火したとみて、詳しい経緯を捜査する。
  容疑者は昨年2月20日未明、近くの消防に駆け込み「目が覚めたら白い煙が出ていた。妻が取り残されている」と説明した。自身も気道熱傷で入院し、県警は退院後の同22日、現住建造物等放火容疑で逮捕。刑事責任能力を調べる鑑定留置を経て横浜地検が昨年9月、起訴した。


2024.01.08-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20240108/k00/00m/040/219000c
酒気帯び運転で59歳逮捕 成人式参加の若者4人が追跡・確保
【平川昌範】

  8日午後4時25分ごろ、福岡市博多区大博町の交差点で、赤信号で停止していた車の運転手から「正面衝突された」と110番があった衝突した側の軽乗用車を運転していた無職の男性(59)=同市東区=が車を降り、その場から逃げようとしたが、現場近くで開かれていた「はたちのつどい」に参加していた若者4人が男性を数十メートル追いかけ、身柄を確保した。

  福岡県警が調べたところ、男性の呼気から基準を超えるアルコールを検出したため、道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕した。調べに「我慢できずに車で酒を飲み、そのまま運転した」と容疑を認めている。正面衝突された車の男性は軽傷を負った。
  8日は成人の日で、市の記念式典「はたちのつどい」が現場近くのマリンメッセ福岡で開かれていた。4人は式典に参加した20歳の男性らで、現場から逃げようとする運転手を目撃し、スーツ姿のまま追いかけて警察官が駆け付けるまで取り押さえていたという。【平川昌範】


2024.01.06-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20231223-OYTNT50051/?dicbo=v2-VOSPE0g
スーパー駐車場で女児はねられ死亡した事故、車は知人名義・車検切れ・自賠責保険なし

  宮崎市霧島3の駐車場11月29日、バックしてきた乗用車に親子がはねられ、生後9か月の女児が死亡した事故で、乗用車は運転していた男(72)の知人名義で、車検が切れていた上に自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)も加入していなかったことが捜査関係者への取材でわかった。

  男は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕され、その後、処分保留で釈放された。宮崎県警は過失運転致死傷容疑で任意で捜査を続けている。


2024.01.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240104-ZR5HKKNUHRFR5NKOSNTBS42P3U/
<独自>「公共施設を爆破する」 全国の複数自治体に爆破予告 能登半島地震で震度5強の糸魚川市も

  全国の複数の自治体で4日「公共施設を爆破する」といった内容のファクスが一斉に届いたことが分かった。1日に発生した能登半島地震で対応に追われている自治体でもファクスが確認されており、警戒を強めている。

  1日に震度5強を観測した新潟県糸魚川市では4日朝、「主要な公共施設を午後3時34分から午後8時10分までの間に爆破する」といった内容のファクスが届いた。同市によると、通常通り市の業務はしているが、市内の公共施設の点検などを行ったという。
  埼玉県東松山市では4日朝、「公共施設を本日の午後3時34分から午後8時10分までの間に爆破する」といった内容のファクスを確認した。同市は県警東松山署に通報するとともに、市内のパトロール強化を要請した。
  また、茨城県笠間市でも4日未明、「主な公共施設に複数の爆弾を仕掛けた。1月4日の午後3時34分から午後8時10分の間に爆発する」といった内容のファクスが届いた。市では市内の各小中学校の施設点検などを行った。


2024.01.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240104-G6OIMMZWSZNEPFTCABR6IRC3JY/
山手線で刃物女、3人搬送 秋葉原、車内で切り付けか 殺人未遂疑い現行犯逮捕

  3日午後10時55分ごろ、東京都千代田区のJR秋葉原駅で「刃物を振り回している人がいる」と110番通報があった。警視庁などによると、山手線車内で女が数人を刃物で切り付けるなどしたとみられ、少なくとも乗客の男性3人がけがをして病院に搬送された。いずれも命に別条はないという。警視庁は殺人未遂容疑で20代とみられる女を現行犯逮捕した。

  女はその場にいた人が電車内で取り押さえ、駆け付けた万世橋署員に引き渡した。女はおおむね容疑を認めている。搬送の3人は脇腹や背中、腕を切られたり刺されたりしたとみられる。
  JR東日本によると、山手線は外回りで3日午後10時55分ごろから運転を見合わせ、4日午前0時15分ごろ、運転を再開した。「車内トラブルのため」としている。


2024.01.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240103-UDLIRIV3B5KJVCX3DKDHNYUEP4/
妹殴り死なせた疑い、福岡県警の警部補逮捕 「思い出せない」と否認

  福岡県警は3日、妹(55)を殴るなどして死なせたとして、傷害致死の疑いで田川署の警部補、A容疑者(57)=同県直方市=を逮捕した。妹は昨年12月31日、北九州市の路上で倒れているのが見つかり、今月1日に死亡。県警が親族らから事情を聴いていた。A容疑者は「思い出せない」否認している。

  逮捕容疑は先月31日午後9時半ごろ、北九州市門司区の無職、山本美智恵さんの顔面を殴打するなどし、今月1日午前、外傷性脳障害で死なせたとしている。







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