イスラエルとパレスチナ問題-2023年11月~2024年08月(ガザ地区含む)
2024.08.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240829-6VVJVAYSXRJAHGPVGLPEIOJPZE/
イスラエル、ヨルダン川西岸で「対テロ」作戦 過去数カ月で最大規模、ガザで国連車両銃撃
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は
28日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で大規模な対テロ作戦を始めた。
ヘリコプターや無人機の支援を受けた地上部隊が進軍し、イスラエルのメディアは少なくともパレスチナ人11人が死亡したと伝えた。
作戦は過去数カ月で最大規模とされ、少なくとも数日続く見通しだ。
国連のグテレス事務総長はX(旧ツイッター)に「深く懸念している」と投稿し、作戦の即時停止を求めた。
対テロ作戦は西岸の自治区ジェニンやトルカレムで行われた。イスラエル軍部隊は自治区ガザでも戦っているイスラム原理主義組織ハマスや過激派のイスラム聖戦のメンバーらと交戦になった。
軍報道官によると、西岸を拠点とする反イスラエル攻撃が急増し、民間人に「差し迫った脅威」があるとして大規模作戦に着手した。
軍はガザで戦闘が始まった昨年10月以降、西岸でも攻勢を強め、これまでに660人以上のパレスチナ人が死亡したとされる。西岸ではユダヤ人入植者とパレスチナ人の衝突も頻発している。
一方、
世界食糧計画(WFP)は28日、ガザのイスラエル軍検問所の近くで、WFPのマークが入った車が少なくとも10発の銃撃を受けたとし、
ガザ内部の職員の移動を一時停止すると発表した。けが人はなく、銃撃した者については明らかにしていない。ガザ保健当局によると、
昨年10月以来の死者数は28日時点で4万534人。
2024.08.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240815-V43E2RTI3NPRLOT7BZ4JOWRRFQ/
ガザ停戦に向け間接協議が再開 ハマスは不参加 戦闘による死者は4万人超に
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの停戦を目指す間接協議が15日、
カタールの首都ドーハで再開された。ロイター通信によると
ハマスは協議に加わらないが、イスラエルの対応次第では協議後に仲介国と話し合う姿勢を示している。
協議の行方は、
パレスチナ自治区ガザの戦闘が広域に拡大するか否かにも影響を与えそうだ。
イランは7月末に国内で起きたハマスの最高指導者殺害にイスラエルが関与したと断定。停戦を巡る協議が失敗したり引き延ばされたりしたら、親イラン民兵組織とともにイスラエルを直接攻撃すると警告している。
協議再開は米、カタールなど仲介3カ国がイスラエルとハマスに呼び掛けた。
15日は米、イスラエル、エジプトの情報当局者とカタールの首相が参加した。
バイデン米大統領が5月末に示した停戦案が交渉の柱。ハマスは新たな協議に入るよりイスラエルに過去の合意を履行させることが先決だとし、
再開に消極的な姿勢を示していた。
一方、
ガザ当局は15日、昨年10月に始まったイスラエル軍とハマスの戦闘によるガザ側の死者が4万人を超えたと発表した。
2024.08.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240810-R7K3LU6TIJMGLHTWMFDAFNW32A/
ガザ南部ハンユニス、再びイスラエル軍の攻撃激化、軍事圧力 推計6万~7万人が退避
イスラエル軍は9日、パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニスで攻撃を激化させた。
「テロリストの施設を破壊している」と主張しており、
ガザの停戦交渉に向けて米国など仲介国がイスラエルとイスラム組織ハマス双方に協議再開を要請する中、軍事圧力を強めた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は
ハンユニスから推計6万~7万人が退避したと発表した。パレスチナ側のメディアによると、
9日にジャーナリスト2人を含む14人が死亡した。
イスラエルメディアは、軍がハンユニスで大規模な作戦を実施するのは昨年10月の戦闘開始後、3回目だと報じた。
停戦交渉を仲介する米国、カタール、エジプトは8日の共同声明で、15日に新たな協議を持つよう要請した。
イスラエルは代表団派遣を
表明したが、
ハマス側は意向を示していない。
一方、イスラエル軍は9日、レバノン南部シドンでハマス幹部を殺害した。
対イスラエル攻撃の責任者で、シドンにあるパレスチナ難民キャンプで活動していたという。
(共同)
2024.08.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240806-OE45DLGN55JVHHQOSROU7NPBKQ/
米、イランに報復自制呼びかけ ブリンケン国務長官、中東は「重要局面」
ブリンケン米国務長官は
5日、カタールのムハンマド首相兼外相、エジプトのアブデルアティ外相とそれぞれ電話会談し
「地域は重要な局面にあり、今後数日間、全ての当事者が緊張を緩和するための措置を講じることが重要だ」と強調した。
カタール、エジプト両国に対し、イランにイスラエルへの報復攻撃自制を呼びかけるよう求めた。
バイデン米大統領は5日、緊張する中東情勢の対応について、ホワイトハウスで安全保障チームと協議。これに先立って
ヨルダンのアブドラ国王と電話会談し、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの即時停戦や、
ハマスの拘束下にある人質の解放に向けた交渉を進める方策を話し合った。
国務省のミラー報道官は5日の記者会見で、
米政府は中東諸国を通じ「地域の緊張激化はイランの利益にならない」とのメッセージを送り続けていると述べた。イラン側に実際に伝わっているかどうかは明言しなかった。
(共同)
2024.08.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240803-7SJRMOSDQJOVDOO5OUUEXPMITY/
イスラエル、ガザ停戦交渉へ代表団派遣の見通し 政治的駆け引き思惑
イスラエル政府は3日にも、パレスチナ自治区ガザで続くイスラム組織ハマスとの戦闘を巡り、
停戦交渉の代表団をエジプトの首都カイロに派遣する見通しとなった。地元メディアが報じた。
ハマスはハニヤ最高指導者暗殺を受けて態度を硬化させており、
交渉の進展は見通せないが、
イスラエル側には政治的駆け引きの思惑がうかがえる。
イスラエルはハニヤ氏暗殺への関与を認めていない。
イラン側は報復を宣言しており、イスラエル国民には大規模ミサイル攻撃などへの不安が広がっている。また
米政府は停戦交渉を求め圧力を強めている。
イスラエル軍は2日から3日にかけてもガザ各地を攻撃した。
ガザ保健当局は3日、少なくとも31人が死亡し62人が負傷したと発表した。保健当局によると、昨年10月の戦闘開始後の死者数は3万9550人になった。
(共同)
2024.08.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240802-KNCQMZJPIRLH5EBWA777NXIMXQ/
上空からの爆発物直撃か ハマスのハニヤ最高指導者暗殺 隠し爆弾説も
パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスのハニヤ最高指導者暗殺を巡り、
イラン側が「上空から飛来した爆発物がハニヤ氏の住居に直撃した」とする初期調査をまとめたことが1日、分かった。複数の情報筋が共同通信に明らかにした。
米紙ニューヨーク・タイムズは事前に住居に持ち込まれた爆弾が遠隔操作で爆発したと報じ、
情報は錯綜している。
ハニヤ氏は7月31日、訪問先のイラン首都テヘランで暗殺された。
イランとハマスは敵対するイスラエルの仕業と断定し報復を宣言。イスラエルは暗殺を認めていない。
イラン外交筋によると、
米政府はカタールを通じてイラン政府に対し、親イラン勢力によるものも含め、イスラエルに報復しないよう求めた。
情報筋によると、
ハニヤ氏は攻撃があった31日午前2時ごろ、革命防衛隊が厳重に警備するテヘラン北部の住居で、自身の携帯電話で会話をしていた。情報筋は「携帯電話の電波からハニヤ氏の所在地が特定された恐れがある」と指摘した。
(共同)
2024.08.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240801-XCF4XKYM3RMB3JCFPDPAKERPM4/
ハニヤ氏暗殺 「賓客」守れなかったイラン、限定報復を検討か 米国との全面衝突は回避
【カイロ=佐藤貴生】イランの首都テヘランでイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が殺害され、
イランはイスラエルが暗殺したと断定して報復の規模や時期を探っている。
ただ、イスラエルや後ろ盾の米国との全面衝突を避けるため、抑制された規模になるとの見方もある。
国営イラン通信は7月31日、最高指導者ハメネイ師が「ハニヤ氏の血に報いることは私たちの義務だ」と述べ、
イスラエルへの報復を誓ったと伝えた。
イランは新大統領就任を祝福するため、首都を訪れたハニヤ氏の暗殺を許すという失態を犯した。
「抵抗の枢軸」と称する中東各地の親イラン民兵組織や国民も注視しており、何らかの報復により汚名をそそぐべきだと考えているようだ。
イランはこれまで、米国やイスラエルへの先制攻撃を避け、報復も限定的な形にとどめてきた。
2020年に革命防衛隊の有力司令官が米軍に殺害された際はイラクの駐留米軍基地に弾道ミサイルを発射したが、米兵が軽傷を負った程度で全面衝突は回避された。
今年4月にはイスラエルによる在シリア大使館への空爆で革命防衛隊の幹部司令官が殺害されたとして、300超の無人機やミサイルでイスラエル領内を攻撃した。
攻撃目標は軍事施設に限定され、米英仏が共同で防衛したため被害は軽微なレベルで収まった。
革命防衛隊の元幹部は6月、取材に
「イランはイスラエルとの直接戦争は望まない。それはイスラエルも同じだ」と述べ、
中東における戦闘拡大は双方ともに回避したいのが本音だとの見方を示していた。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、
イランが今回も限定攻撃にとどめるかは「不透明だ」としながらも、
イランではイスラエル西部テルアビブや北部ハイファなど、大都市周辺の軍事施設への攻撃が選択肢に浮上しているとした。
イエメンやイラク、シリアの民兵組織を通じ、紅海周辺を航行する欧米諸国の商船への攻撃を強化したり、駐留米軍施設を攻撃したりする可能性もありそうだ。
2024.08.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240801-GPLRKU56VNFBJGNTHT7B6GZKA4/
暗殺されたハマス最高指導者のハニヤ氏、紳士的だった「テロの親玉」 記者が見た素顔
(三井美奈)
イラン滞在中に暗殺されたイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏。筆者は2006年、取材で自宅に招かれた。
この年の
パレスチナ評議会(議会)選挙でハマスは大勝し、ハニヤ氏は首相に就任した。私はエルサレムに駐在しており、ガザまで話を聞きに行った。彼の家は難民キャンプにある大きな一軒家で、親族や支援者が祝福に詰めかけていた。
待合室でお茶を飲みながら30分ほど待っていると、ハニヤ氏が突然入ってきた。敬虔(けいけん)なイスラム教徒が取材相手だから、慌ててスカーフをかぶろうとしたら、「いいから、いいから」と手を振って笑った。
戒律を他人に押し付けない柔軟な人物に見えた。だが、「どんな政治を目指すのか」と尋ねると、パレスチナの苦難の歴史を延々と語るばかりで、話はかみ合わなかった。
このころの
ハニヤ氏は、ハマスのイメージ戦略を担っていた。外国人記者たちをガザ視察のバスツアーに招いたこともある。昼食会では「お土産です」と言いながら、一人一人にパレスチナのバンダナをかけた。米欧諸国は、イスラエルの生存権を認めないハマスとの対話を拒否していた。
自由選挙による首相交代はアラブ圏では異例のことだった。選挙後、
イスラエルは次々とハマス幹部をミサイルで殺害したが、ハニヤ氏は標的にならなかった。
不思議に思ってイスラエル紙記者に理由を尋ねると、「イスラエル側は『いずれハマスは変わり、ハニヤ氏はガザ統治に役立つ』と見ているのではないか」と述べた。
ハニヤ氏はハマス創始者の側近だが、軍事部門への影響力は薄いのだと指摘した。
ハニヤ氏はガザの難民キャンプで生まれ育ち、住民に人気があった。イスラエルがガザを空爆した夜、現場に行くと、被害を受けた住民たちに声をかけて励ましていた。ハマスは一時、イスラエルとの平和共存を受け入れる姿勢も示唆した。
だが、
ガザ封鎖が長期化すると、強硬な素顔があらわになった。イスラム教シーア派のイランに支援を頼み、米国を敵視するイランの「抵抗の枢軸」に組み込まれていった。ハニヤ氏は2017年にハマス最高指導者に就任し、カタールに拠点を移した。
昨年10月、ハマスのイスラエル攻撃でガザ紛争が始まり、ハマス側の発表によると、ガザでは3万人以上が犠牲になった。彼が残した組織は袋小路に入り込んでしまった。
(三井美奈)
2024.07.20-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240720-FZKQNBH4Z5IY3J55636J5BERKI/
イスラエルが6歳少女の死亡を謝罪 調査結果次第で懲戒や処罰 ガザで攻撃
イスラエルの在ジュネーブ国際機関政府代表部は19日、
パレスチナ自治区ガザで1月、イスラエル軍の攻撃により6歳の少女らが死亡したことについて
「民間人への被害に対し謝罪する」との声明を発表した。
調査を進め、結果に応じて懲戒や刑事上の処罰など必要な措置を取るとしている。
少女はヒンド・ラジャブさん。一緒に避難していた親族が死亡する中、車に取り残されたラジャブさんの電話の音声を多くのメディアが報道。安否が心配されたが、パレスチナ赤新月社が2月、遺体を見つけたと発表していた。
(共同)
2024.07.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240715-LABKESOHDBP5VGTRRWFM7TUWBM/
イスラエルがガザの学校空爆、17人死亡 UNRWA運営の避難所
イスラエル軍は
14日、パレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトで国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校を空爆した。
住民の避難場所だったといい、中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、少なくとも17人が死亡した。
イスラム組織ハマスは「無防備な民間人の虐殺だ」との声明を出した。
9日にはガザ南部ハンユニスの学校施設への攻撃で20人以上が死亡した。6日以降、学校施設が攻撃されたのは5カ所目とみられ、国際社会の批判が強まりそうだ。
軍はヌセイラトの学校周辺で「複数のテロリストが活動していた」と主張し、民間施設を人間の盾として利用しているとしてハマスを糾弾した。
イスラエルとハマスは今月、停戦と人質解放を巡る間接交渉を再開した。軍のハレビ参謀総長は14日「人質解放の合意に向け最適な条件を整えるため必要な圧力をかけている」と強調。
ハマス軍事部門トップのデイフ指導者を狙った13日の攻撃については「ハマスが攻撃の結果を隠そうとしている」と述べた。
(共同)
2024.07.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240701-MW6QNSX4SJLKNFZYTZRGFEG7XE/
「ハマス崩壊しつつある」 イスラエル国防相分析、作戦大詰めか
パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、イスラエルのガラント国防相は
6月30日、ガザ最南部ラファを訪問し兵士らに「(イスラム組織)ハマスはもはや武装も負傷した戦闘員の治療もできず、崩壊しつつある」と語った。地元メディアが伝えた。 国際社会の反対を押し切って5月に始めたラファ地上作戦が大詰めを迎えていると示唆した。
ガラント氏やネタニヤフ首相はこの日、軍のハレビ参謀総長らとガザ情勢を分析し、ラファでの地上作戦の終了について議論した。イスラエルの民放「チャンネル13」は作戦が「数日以内に終了する」との専門家の見方を示した。
同局によれば、ラファ地上作戦終了後、ガザでは戦闘規模を縮小し、情報分析を基にハマス戦闘員らを対象とした急襲作戦の局面へと移行する。
ネタニヤフ氏はすでに軍の部隊を、ガザからレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの緊張が高まるイスラエル北部へ移転させると表明。すでに部隊が移動し始めているとの情報もある。
(共同)
2024.06.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240625-5NQZ7FILRBKSZKOFWKQLBQXPMU/
ラファのハマス壊滅間近 イスラエル軍が分析「戦闘部隊機能せず」
イスラエル軍は
24日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファでの地上作戦を巡り「(イスラム組織ハマスの)ラファの大隊を壊滅したと言える段階まで近づいた」とするハレビ参謀総長の分析を発表した。
ハレビ氏は大隊について「もはや戦闘部隊として機能していない」と強調。5月から強行する地上作戦の終了が近いとの認識を示した。
ハレビ氏の分析は23日付で
「エジプトとの境界沿いを掌握し、ハマスの武器密輸ルートを遮断した」と主張した。
イスラエルのガラント国防相は24日、訪問先の米ワシントンでブリンケン国務長官らと会談した。ブリンケン氏は
「紛争激化を避ける重要性」を強調し、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの本格戦闘に反対する姿勢を示した。
ガザ情勢については人道支援で国連と連携し、支援従事者を保護するよう求めた。
(共同)
2024.06.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240622-C6OVQN76W5NVHFHSKZS2GLCFFM/
ガザ北部攻撃42人死亡 南部避難地域では25人
中東の衛星テレビ、アルジャジーラは22日、
パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市の二つの地域でイスラエル軍の攻撃により
少なくとも42人が死亡したと報じた。一方、軍は21日、
最南部ラファ近郊を攻撃し、ガザ保健当局によると、少なくとも25人が死亡、50人が負傷した。
ラファ近郊の現場は、AP通信などによると軍が
「人道地区」と称し
市民に退避を促す南部マワシ地区の付近。多くの避難民がテント生活を送る地域に戦車で砲撃したとみられる。
イスラエル軍は「人道地区内に攻撃していない」と主張した。
軍はイスラム原理主義組織ハマスの戦闘員らが民間人を盾にして潜んでいると主張し、
人道地区周辺をたびたび攻撃している。ロイター通信はラファ西部や北部に軍用車を展開させていると報じた。
ガザ保健当局は22日、戦闘開始後のガザ側死者は3万7551人になったと発表した。
(共同)
2024.06.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240610-LUUBTRFT6RK75NZNGWCL2BNRK4/
イスラエル前国防相が戦時内閣離脱を表明 挙国一致体制が崩壊 ネタニヤフ首相に痛手
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザでイスラム原理主義組織ハマスと戦うイスラエルのガンツ前国防相は9日、
戦時内閣からの離脱を表明した。ハマスとの戦闘方針を巡ってネタニヤフ首相との意見の相違が表面化していた。
ガンツ氏の離脱は昨年10月の戦闘開始から続いた挙国一致体制の終わりを意味し、
ネタニヤフ氏に痛手となる。
9日夜に記者会見したガンツ氏は「ネタニヤフ氏は私たちが真の勝利へ向かうのを妨げている」と述べ、国会選挙の早期実施を求めた。
5月中旬、ネタニヤフ氏に戦後ガザの統治方針などを明確に示すよう求め、実現しなければ6月上旬に辞任すると表明していた。
戦時内閣は通常の内閣とは別に、昨年10月のハマスによる奇襲を受けて発足した。
中道右派の野党「国家団結党」の代表を務めるガンツ氏が戦時内閣から離脱しても、64議席を有するネタニヤフ連立与党が定数120の国会で過半数を占める状況に変わりはない。
ただ、
ハマスの奇襲を防げず、ガザに残る約120人の人質も救出できないネタニヤフ氏は国民の大きな批判にさらされ、
首相辞任を求める抗議デモは日常化している。戦後統治計画を示さず戦闘継続にこだわるのも、選挙になれば支持を伸ばしているガンツ氏に首相の座を追われかねないからだと指摘される。
ガンツ氏の離脱を受け、対パレスチナ強硬派で連立に参加している極右政党が影響力を強めるとの観測がある。
ハマス壊滅まで戦闘を続けるべきだと主張する極右の方針は、ネタニヤフ氏とも一致するからだ。
ただ、
ネタニヤフ氏が極右重視の政策を進めれば、バイデン米政権などが反発を強めて国際的に孤立が深まる事態も予想される。
2024.06.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240608-3QRODKE3GZMHNFE23UIOLBGVJQ/
ガザ、軍の奪還作戦作戦で住民55人死亡 イスラエル、人質4人救出
イスラエル軍は8日、パレスチナ自治区ガザ中部ヌセイラトでイスラム組織ハマスに拘束されていた人質4人を救出したと発表した。
いずれも健康状態に問題はなく、イスラエルの病院に搬送されたとしている。
軍が作戦で人質を奪還するのは2月以来。救出された人質は計7人になった。
ガザ保健当局は軍の奪還作戦で住民ら少なくとも55人が死亡したと明らかにした。死者はさらに増える可能性があるという。
人質の家族会によると、救出されたのは22~41歳の男性3人、女性1人。いずれも昨年10月7日、イスラエル南部レイムでの野外音楽フェスティバルでハマス戦闘員に拘束された。同フェスティバルでは来場者ら約360人が死亡した。
ロイター通信は7日、軍が地上作戦を進めるガザ最南部ラファで、西端の地中海沿いの地域に戦車が進軍したと報じた。ラファ中心部への攻撃を強化する恐れがある。
(共同)
2024.06.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240603-6Z64Y7QD75ORTNDZFMVZCWFOYE/
ハマスのガザ統治「受け入れない」とイスラエル国防相 停戦の新提案、さらに曲折も
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのガラント国防相は2日、イスラム原理主義組織ハマスがパレスチナ自治区ガザを統治することは「受け入れない」と強調し、
戦闘終結をにらんでハマスに代わる統治主体候補を検討していると述べた。ロイター通信が伝えた。
バイデン米大統領は5月31日、イスラエルの提案だとして恒久的停戦に向けた3段階の「ロードマップ」案を発表したが、ガザの戦後統治からハマスを排除するか否かは明言しなかった。
ハマスがガラント氏の発言に反発する恐れもありそうだ。新提案の発表直後、ハマスは受諾に前向きな姿勢を示唆していた。
6月1日には停戦協議を仲介する米国とカタール、エジプトがイスラエル、ハマスの双方に新提案を受け入れるよう求める共同声明を出した。
一方、
イスラエルのネタニヤフ連立政権に参加しているベングビール国家治安相ら極右政党の閣僚は1日、「ハマスを完全に殲滅(せんめつ)せず戦闘を終わらせることには賛成しない」と述べ、新提案受け入れに反対する姿勢を鮮明にした。
ベングビール氏は連立政権を離脱して政権を崩壊させると警告しており、新提案を巡る駆け引きがさらに続く可能性もある。
2024.06.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240601-MRA5LN7IVZKUVKMDQHMD2326KE/
イスラエル、ガザ地区のラファでハマス戦闘員を数百人殺害と発表 餓死者は37人に
イスラエル軍は
5月31日、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファの市街地の外れや、ガザ南部とエジプトの境界地帯「フィラデルフィ回廊」でイスラム組織ハマスの戦闘員数百人を殺害したと発表した。
5月下旬に軍の戦車がラファ中心部に到達したと伝えられており、作戦を強化している。
パレスチナ通信は1日、ガザ中部デールバラハの病院で少年(13)が餓死したと報道。医療関係者によると、昨年10月の戦闘開始以降、ガザでの飢餓や脱水による死者は計37人になったという。
5月上旬に始まったラファでの地上作戦で、軍はエジプトとガザの境界にあるラファ検問所を封鎖。支援物資のガザへの搬入が滞り、人道危機が急速に悪化している。
ハマスが部隊を再編しているとして、軍が再び攻勢を強めた北部ジャバリヤでは10キロ以上の地下トンネルを破壊し、人質の遺体計7体を収容して任務を終えたと表明した。
(共同)
2024.05.30-産経新聞https://www.sankei.com/article/20240530-W6Z3XEATSVLWJF4IXO7EAU54XM/
ラファ-エジプト間の境界掌握 イスラエル軍発表 元軍トップは「戦闘指揮は失敗」と非難
(中東支局 佐藤貴生)
パレスチナ自治区ガザの最南部ラファでイスラム原理主義組織ハマスへの攻撃を続けるイスラエル軍の報道官は
29日、ラファが接するエジプトとの境界地帯の全域を掌握したと発表した。報道官は
全長14キロの境界について「ガザへの武器密輸に使われてきた」と主張し、約20の地下トンネルを発見したと述べた。
エジプトからガザに流入する物資の監視を強める方針を示したとみられる。
エジプト政府高官はトンネルの存在を否定した。ロイター通信が伝えた。
イスラエル軍は5月上旬、ラファで限定的な地上作戦を始めた。米政府が懸念を表明したほか、国際司法裁判所(ICJ)が攻撃の即時停止を命じる暫定措置(仮処分)を出すなど批判が高まっている。
ラファでの作戦実施で、昨年10月に始まったイスラエルの攻撃はガザのほぼ全域に及んだ形となる。しかし、
ハマスの壊滅と人質全員の救出というネタニヤフ首相が掲げる目標は達成できていない。
政府高官はガザでの戦闘は今後7カ月続くと表明しており、攻撃をやめる気配はみられない。
イスラエルの戦時内閣にオブザーバーとして加わるエイゼンコット元軍参謀総長は29日、政権の戦闘指揮は「悲惨なまでに失敗」したと非難し、
ネタニヤフ氏が主張する目標の達成は困難で、国民を誤った方向に導いていると述べた。
(中東支局 佐藤貴生)
2024.05.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240528-YLTMLBGXIJK5HP4RZ5H7XISK2U/
スペインなど欧州3カ国がパレスチナ承認へ 「2国家共存」和平促す、イスラエル反発
アイルランド、スペイン、ノルウェーの欧州3カ国は
28日、パレスチナを国家承認する。
パレスチナ自治区ガザの戦闘終結に向けてイスラエルに圧力をかけ、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」による和平実現を促す狙いだ。イスラエルは強く反発している。
これまでに約140カ国がパレスチナを国家承認しているが、
日米など先進7カ国(G7)は未承認で、
パレスチナ国家樹立の実現は遠い。欧州連合(EU)加盟国のスロベニアとマルタも近く承認を表明する見通し。
イスラエルは3カ国に駐在する大使の召還を命令。ネタニヤフ首相は、国家承認の表明は
「テロに対する報奨だ」と非難した。
エルサレムに戻った駐アイルランドのイスラエル大使は27日、両国関係を見直しているとロイター通信に明かした。
イスラエル外務省は27日、スペイン政府に対し、エルサレムでのパレスチナ人向け領事業務の制限を要求した。
(共同)
2024.05.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240526-ZL3WRBPL75N6RH5RAIZE3S7NUI/
ガザ支援の米軍船流される 4隻、高波で
米中央軍は
25日、パレスチナ自治区ガザで浮桟橋を使った海上からの支援物資輸送に従事していた米陸軍の船4隻が高波で流されたと発表した。
けが人の報告はなく、浮桟橋にも被害はない。
2隻は桟橋近く、別の2隻はガザ北側のイスラエルの海岸に漂着した。イスラエル軍の支援を受けて離岸を試みる。
(共同)
2024.05.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240519-LDBUN7WCZ5I5VMUGNC42NVCZFM/
記者コラム ガザ問題のインパクト
米大統領選は一般的に、外交・安全保障が争点になりにくいといわれる。多くの有権者にとって、
景気や身近な社会問題がより重要なのは自然なことだろう。 ただし例外もある。たとえば
1968年の大統領選で民主党のジョンソン大統領は、内政面で成果を挙げながら、ベトナム戦争への介入失敗や反戦運動の高まりで出馬を断念した。代わって党の候補者指名を受けたハンフリー副大統領は、
本選で共和党のニクソン候補(いずれも当時)に敗退。米国がベトナム撤退に向かう契機となった。
最近は、
同様のシナリオが11月の大統領選でささやかれる。
パレスチナ自治区ガザで昨年10月から続くイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの戦闘が、再選を狙うバイデン大統領にとっての「ベトナム」になるのではないか、という見方だ。
米国では今年4月以降、ガザの即時停戦や、対イスラエル支援見直しを求めるデモが各地の大学に伝播(でんぱ)した。学生らはイスラエルの攻撃を「ジェノサイド(集団殺害)」と非難し、同国によるパレスチナ占領の放棄などを訴える。
今回の大統領選では、90年代後半以降に生まれた「Z世代」の有権者4千万人超の動向がカギを握るといわれる。
デモに参加したり、その主張に同調したりする層はもともとリベラルな傾向が強い。それだけに、彼らに離反されてはバイデン氏の勝利はおぼつかない。これを避けるため、民主党内では学生らに耳を傾けるべきだとの声がある
安易なアナロジー(類推)は危うい。そう自らを戒めつつも、ガザ情勢のインパクトの大きさは認めないわけにはいかない。
バイデン政権は、イスラエルのネタニヤフ政権が十分な民間人保護を行わずにガザ攻撃を続けてきたことにいらだちを募らせている。この点では、
共和党のトランプ前大統領も戦闘を「早く切り上げるべきだ」とし、個人的な確執が指摘されるネタニヤフ氏に批判的な態度を強めている。
このまま戦闘がさらに長期化するなら、
長年にわたってイスラエルの利益を前提に組み立てられてきた米国の中東政策の曲がり角となる可能性も否定はできない。その場合、
パレスチナ問題の現状打破を目的としたハマスの攻撃は、ある意味で奏功することになる。
【プロフィル】大内清
2002年入社。静岡支局、カイロ留学、外信部などを経て、10~17年に中東支局長。21年から現職。妻と娘はひげのない顔を見たことがない。
2024.05.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240510-62UKMC6PDVKDBN5KL3RFJGFNKU/
イスラエル、強硬姿勢を堅持「あらゆる手段で戦う」 ラファ侵攻「必要な武器はある」
イスラム組織ハマス掃討を掲げてパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの侵攻を計画するイスラエルのネタニヤフ首相は9日、
「あらゆる手段で戦う」と表明した。
本格侵攻すれば武器支援をやめると米国が異例の強い警告を発する中、強硬姿勢を堅持。イスラエル軍のハガリ報道官は「作戦に必要な武器弾薬はある」と強調した。
イスラエルとハマスを仲介するエジプトの首都カイロで開かれていた戦闘休止と人質解放を巡る間接交渉は合意に至らず、
9日に終了。イスラエル紙ハーレツによると、関係筋は話し合いが「完全に崩壊したわけではない」とし、
仕切り直しになる可能性を示唆した。
イスラエルはラファ本格侵攻の計画を進める構え。ネタニヤフ氏は動画声明で、反対する米国を尻目に「単独で戦う必要があるならば、そうするだろう」と述べた。
(共同)
2024.05.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240508-ZPCIBG7ZOJN5JIOIY23FMDFO4A/
交渉失敗ならラファ侵攻 イスラエル、ハマスに圧力 地上作戦は武器密輸阻止が目的
イスラエルのガラント国防相は
7日、パレスチナ自治区ガザの戦闘休止と人質解放を巡るイスラム組織ハマスとの間接交渉が失敗すれば「作戦をさらに進める」と発言した。
ハマスの休戦案受け入れ後、初めての間接交渉がエジプトで開かれるのを前に、ガザ最南部ラファへの本格的な侵攻を示唆してハマスに圧力をかけた。
イスラエル軍は避難民が密集するラファで限定的地上作戦を実施しており、エジプト境界にあるラファ検問所のガザ側を掌握した。
カービー米大統領補佐官は7日のオンライン記者会見で、イスラエルが地上作戦について、ハマスの武器密輸を阻止する目的だと米側に説明したことを明らかにした。
イスラエルは7日、間接交渉に参加するため実務者レベルの代表団をエジプトの首都カイロに派遣した。ハマス代表団やバーンズ米中央情報局(CIA)長官らもカイロ入りした。
(共同)
2024.05.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240507-CZXMLEXUOJN4FMBP5RTPJJXXH4/
イスラエル、ラファ検問所を制圧 ハマスは停戦受け入れ表明
(中東支局 佐藤貴生)
イスラム原理主義組織ハマスと交戦を続けているイスラエルは
7日、エジプトに通じるパレスチナ自治区ガザ最南部の人口密集地ラファの境界地域の一部を制圧した。ハマスの最高指導者ハニヤ氏は6日、
休戦を受諾する意向を示したが、イスラエルは、ハマス側の休戦案に含まれる提案は受け入れられないとしており、休戦の成否はなお見通せない。
ロイター通信が伝えた。
イスラエル軍は7日、エジプト側からの人道物資などの搬入に使われる検問所があるラファの一部に戦車を入れ、管理下に置いた。ラファへの本格攻撃の姿勢を維持する一方、エジプトの首都カイロに代表団を派遣し、ハマスの立場を確認するとした。一方、
ハマスは7日、ラファへの攻撃は休戦努力の土台を崩すと批判した。
ハマスの停戦受諾表明に先立つ6日、イスラエル軍は住民に避難を命じ、その数時間後にラファを空爆した。軍当局者は「限られた範囲」での作戦実施のため住民らに避難を命じたと述べた。
ハマスは、ラファを攻撃すればただでは済まないとして、イスラエル軍を牽制していた。
イスラエル軍は携帯のショートメッセージや電話、ビラなどで、住民に対して「人道地区」への避難を命じた。軍のラファへの空爆では住宅10軒が破壊されて20人が死亡したもよう。5日に軍兵士4人が殺害された迫撃弾の発射場所を攻撃したとしている。
中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると
休戦案は3段階で構成。第1段階は42日間で、ハマスが人質のうち33人を解放し、イスラエルがパレスチナ人を一定数釈放。軍の一部をガザから撤退させる。第2段階では恒久的停戦を協議することも含まれているとされ、ハマスは人質の兵士も一部解放し、イスラエル軍は大半が撤退するとしている。第3段階ではガザ復興計画を盛り込んだ。
昨年10月に始まった両者の戦闘は7日で開始から7カ月となった。
(中東支局 佐藤貴生)
2024.05.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240501-VPX7UYI5GZOY5JGSQZWNYNWLRE/
「休戦合意に関わらずラファ攻撃」イスラエルのネタニヤフ首相 ブリンケン米国務長官と1日に会談 政権内対立深刻化
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ首相は
4月30日、パレスチナ自治区ガザで続くイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘について、
「全ての目標を達成する前にやめるのは論外だ」とし、
休戦合意の有無に関わらずガザ最南部ラファで地上作戦を行い、ハマスを壊滅すると述べた。
100万人以上が密集するラファを本格攻撃すれば、イスラエルの国際的孤立が一層深まることは確実だ。
中東歴訪中のブリンケン米国務長官は30日夜、ヨルダンからイスラエルに到着した。ネタニヤフ氏や政府高官と5月1日に会談して対応を協議する。
ブリンケン氏は、
民間人の避難計画が示されていないとして、ラファ攻撃に反対する姿勢を示している。一連の会談で
ガザへの支援物資の搬入増加をイスラエルに求める意向も示した。
ロイター通信によると、
ハマスは先週末にイスラエルの新たな休戦案を受け取った。米英両国は「寛大」な案だとしてハマスに受諾を迫った。
ハマスの代表団は4月29日、協議を仲介するエジプトを訪れたが、書面で回答を持って戻ってくるとしてエジプトを離れた。ネタニヤフ氏の発言がハマスの判断に影響を与えるとの見方もある。一方、
ネタニヤフ政権では今後の方針を巡る対立が深刻化している。
連立与党を構成する極右政党のベングビール国家治安相は「無責任な取引=政府の解散」とX(旧ツイッター)に投稿し、戦闘を継続しなければ連立を離脱すると示唆。これに対し、
ハマスの奇襲を受けて発足した戦時内閣に加わる中道右派野党の代表、ガンツ前国防相はラファ攻撃より人質解放を優先すべきだと強調し、休戦合意の締結を求めた。
イスラエルの各種世論調査では、奇襲を許したネタニヤフ氏の支持率は低下しており、
政権が倒れて選挙が行われれば下野を余儀なくされるとの見方が有力。政権を維持したいネタニヤフ氏は板挟みに陥っている。
2024.04.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240429-DIJDHZKL6BKRTLD5VYSVQN4LQ4/
バイデン氏、イスラエル首相と電話会談 ガザ恒久停戦案議論か
バイデン米大統領は
28日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放を巡る間接交渉への対応について協議した。ホワイトハウスが発表した。
イスラエルは人質解放後に恒久停戦を議論する用意があるとイスラム原理主義組織ハマスに提案したと伝えられている。
ロイター通信によると、ハマス代表団は29日に交渉の仲介役であるエジプトの首都カイロを訪問する。イスラエルの提案に回答するとみられる。
バイデン氏は電話会談で、
イスラエル軍のガザ最南部ラファへの侵攻計画に反対する「明確な立場」を改めて伝達した。
人道支援団体との全面的な協調の下、新たな検問所の開設も含めてガザへの援助を拡大する必要性を強調。米国のイスラエル防衛支援も再確認した。
(共同)
2024.04.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240417-EKP67PPZRBKDXDZW6GKLPDQACU/
イスラエルが刑務所のパレスチナ人を拷問し16人死亡と自治政府 昨年10月の戦闘開始後に
パレスチナ自治政府は16日、
昨年10月のイスラム原理主義組織ハマスとイスラエル軍の戦闘開始後、イスラエルの刑務所で拘束中のパレスチナ人の死者が計16人になったと発表した。
拷問や医療放置の結果だとしている。自治政府でイスラエル拘束下のパレスチナ人問題を担当するカドゥーラ・ファリス氏がヨルダン川西岸ラマラで記者会見した。
ファリス氏は
「世界が沈黙していることでイスラエルの人権侵害を許している」と強調、
国際社会の介入を求めた。ファリス氏によると、16人はイスラエルが占領するヨルダン川西岸や東エルサレム、パレスチナ自治区ガザ出身者で氏名が明らかになったパレスチナ人。そのほか、
ガザでイスラエル軍に拘束された多数のパレスチナ人のうち27人が死亡したとの情報があるという。
軍はガザで拘束し、イスラエルに連行するパレスチナ人の詳しい情報を開示していない。
(共同)
2024.04.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240401-GWYOW3NQ4JMTPAML4DRAYUJM4M/
パレスチナ新内閣が発足 首相は経済専門家のムスタファ氏 ガザ出身者8人が入閣
パレスチナ自治政府のアッバス議長(88)は3月31日、
側近の経済専門家ムハンマド・ムスタファ氏(69)を首相とする新内閣を発足させた。
自治区ガザでイスラエル軍とイスラム原理主義組織ハマスの戦闘が続き人道危機も深刻化する中、戦後統治を見据えた対応が課題となる。
ハマスと自治政府の主流派ファタハとの対立は解消しておらず、イスラエルのネタニヤフ首相も戦後は軍がガザの治安を管理すると主張。
ガザの再建や戦後統治に新内閣がどの程度関与できるかは不透明だ。
ロイター通信によると、
閣僚にはガザ出身者が8人含まれている。バイデン米政権は戦後のガザ統治を自治政府が担うべきだとして改革を要求し、アッバス氏が内閣交代に踏み切った。ハマスに批判的とされたシュタイエ前首相は2月に辞任し、より中立的な立場のムスタファ氏が3月中旬に首相に指名され、組閣を進めてきた。
(共同)
2024.03.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240325-Z53DN7V3YFJFDNO2Y6VS7WW7G4/
ガザ南部2病院も再襲撃 イスラエル「テロに利用」 国防相は米国入り
パレスチナ赤新月社は24日、
イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスにある二つの病院を包囲し、襲撃したと発表した。
軍は声明でイスラム組織ハマスの戦闘員が「民間施設を利用しテロ活動をしている」と正当化した。軍は北部ガザ市にある地区最大のシファ病院を再襲撃するなど、今月に入って医療施設への攻撃を強めている。
赤新月社によると
襲撃されたのはアルアマル病院とナセル病院。いずれも2月に攻撃を受けていた。
軍はアルアマル病院の入り口を封鎖し、院内にいる人々に服を脱いで外に出るよう求めたほか、発煙弾を投げ込んで脅したという。赤新月社のスタッフらが死傷した。
イスラエルのガラント国防相は24日、米ワシントンに到着した。軍が準備するガザ最南部ラファへの侵攻を巡り、オースティン米国防長官らと協議する。
(共同)
2024.03.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240310-VFES4XTAXNLL7BBXUFON3YSJZU/
ハマス「人質7人が死亡」と主張 イスラエルに揺さぶり
パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止を巡る交渉が難航する中、
イスラム原理主義組織ハマスは9日、人質7人がイスラエル軍による攻撃で死亡したとする動画声明を公開し、イスラエルに揺さぶりをかけた。
イスラエル首相府は「ハマスは合意に無関心のように自らの主張に固執している」と非難した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は9日、
エジプトやカタールが近く協議し、10日夜にも始まりが発表される可能性があるイスラム教のラマダン(断食月)に合わせ、2日間の戦闘休止が実現できないかどうか探るもようだと報じた。
ハマスのハニヤ最高指導者は声明で、恒久的な停戦とガザへの支援物資の搬入拡大、パレスチナ独立国家の樹立を訴えた。
米国やエジプト、カタールが仲介する間接交渉は6週間の戦闘休止と引き換えに、
ハマスが高齢者ら約40人の人質を解放する案を軸に協議しているが、平行線をたどっている。
(共同)
2024.02.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240219-IZEVWXHH3NPJZBWH5ASQNJD5QM/
ハマスが指導者の「交代検討」、完全崩壊も イスラエル国防相が見解示す
イスラエルのガラント国防相は18日、
パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスでイスラム原理主義組織ハマスの有力部隊を排除したことで、
ハマス指導部はガザ地区トップ、シンワール指導者の交代を検討していると述べた。
イスラエル軍の決断次第で、軍事組織としてのハマスは完全崩壊するとも語った。
イスラエル軍は15日、ハマスの拠点と見なすハンユニスのナセル病院に突入した。
ガラント氏は「戦闘員は病院で降伏した。ハマスは戦意を失った」と訴え、「ハマスは指揮官たちを信頼していない」との見方を示した。
(共同)
2024.02.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240210-BNLI77JZ4FK3DNRJOG4QLWD2N4/
イスラエル軍、ガザ最南端に本格攻撃へ 境界を接するエジプトは戦車送り警戒、米も批判強める
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエルの首相府は9日、
ハマスの壊滅にはパレスチナ自治区ガザの最南端の町ラファへの攻撃が不可欠だとし、
民間人避難と軍事作戦に関する計画の提出を軍に命じたとする声明を出した。ロイター通信が伝えた。
近くラファへの軍事攻撃が本格化するとみられ、周辺国などが懸念を強めている。
イスラエル軍はガザ北部から南下して攻撃を進め、ラファにはガザの全人口約220万人の半数以上が避難している。
エジプトはラファと境界を接する北東部シナイ半島に戦車約40台と装甲車両を送り、警戒を強化した。ガザとは別のヨルダン川西岸の自治区を統治するパレスチナ自治政府は、ラファへの攻撃はパレスチナ人をガザから追い出す狙いだと非難した。
首相府は声明で、ラファにはハマスの4大隊が残っているとし、このままでは
「ハマス壊滅という戦闘の目的達成は不可能だ」と主張した。イスラエル政府当局者は、ラファでの作戦開始前に住民らをガザ北部に移動させる方針だと述べた。ガザ当局によると、声明が出る直前に戦闘機による攻撃があり、ラファなどで少なくとも
15人が死亡したと述べた。
国連当局者はラファの民間人の生命を「極めて憂慮している」と述べ、移住を強いることは国際法違反だと訴えた。イスラエルを支援する米国のバイデン大統領は8日、
イスラエルのガザへの軍事攻撃は「限度を超えている」と述べ、米国務省も「信頼できる計画がなければ支持しない」と警告するなど、
批判を強めている。
2024.02.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240203-LQMBZ6ZBTNMJDFTLAOOPFMYWRM/
ハマス最高指導者、イスラエル軍にガザ戦闘の「完全終結と撤退」要求
イスラム原理主義組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏は2日の声明で、
パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止交渉について「戦闘の完全終結とイスラエル軍のガザ撤退」につながる必要があると訴えた。共闘する過激派「イスラム聖戦」などと協議した結果としている。戦闘終結に応じない構えのイスラエルや、仲介役のカタールや米国などを牽制(けんせい)した。
イスラエル、米国、エジプト、カタールの情報機関トップらが1月下旬、休戦案を協議。6週間の戦闘休止と引き換えにハマス拘束下の人質を解放し、イスラエルも拘束するパレスチナ人を釈放する内容とされる。
ハニヤ氏は1月30日に提案を受け取ったと表明。AP通信は2日、
ハマス幹部の話として「近いうちに(検討結果を)返答する」と伝えた。
(共同)
2024.01.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240125-IEXRFDOMIRNYXF3TQ4KXDP7TW4/
タリバン、共同通信アフガン助手を解放 拘束から8日
アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバン暫定政権の情報機関は25日、
拘束していた共同通信カブール支局のアフガン人男性助手の身柄を解放した。家族が明らかにした。17日の拘束から8日ぶりの解放。
男性助手は17日に情報機関から呼び出しを受け、当局事務所に出向いたところ拘束された。18日には、当局者とみられる人物が同支局を訪れ、パソコンやカメラを持ち去った。
タリバンは独自のイスラム法解釈に基づき女性抑圧的な政策を取り、メディア弾圧も強めている。
日本を含む国際社会は政権を承認していない。
(共同)
2023.12.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231213-RVB6FZ34CRAXNF6UVH42ZEGNEI/
検問所で金属探知機から30メートル離れて指示、爆破恐れ 空港も厳戒…過敏なイスラエル
イスラエルがパレスチナ自治区で、イスラム原理主義組織ハマスに対する掃討作戦を加速させている。イスラエルの国家安全保障顧問は9日、10月7日の大規模紛争開始後に殺害したハマス戦闘員が「少なく見積もって7000人」と述べた。イスラエルが徹底して掃討を進めるのは、20世紀のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を経て建国した国家の存続のためにはハマスに寸分の隙も与えてはならないーとの強い危機意識があるためだ。2002~09年、現地を訪れた産経新聞記者が目にした厳重な警戒態勢からは、その意識が垣間見えた。
強い照明浴びせられる
「ジャンパーを脱げ」、「バッグを下ろせ」、「ぐるりと回れ」ー。イスラエルとガザとの境界に設置されているイスラエルのエレズ検問所。04年11月、アラファト前パレスチナ自治政府議長の死去取材を終え、イスラエル側に入境する際、宇宙船を思わせる特殊な金属探知機に入れられ、係官から矢継ぎ早に質問を浴びせられた。
探知機は、全面が透明なプラスチック製のような材質で作られた筒型(高さ約3メートル、直径約2メートル)で、衣服の中を360度からスキャンできる。米国の主要空港などで今、一般的になりつつあるとはいえ、当時、簡素なゲート(門)型が主流だった日本やドイツなど欧州に比べ、先進的導入といえた。
探知機の中では、目が痛くなるほどの強い照明も正面から当てられた。係官は探知機から30メートルも離れた地点に立ち、冷たい声音でマイクを通じ質問を繰り返した。係官が一定の距離をとったのは、パレスチナ人がイスラエル側を狙う自爆テロが当時相次ぎ、爆弾がイスラエル側に持ち込まれて至近距離で炸裂するのを恐れたためだ。
係官2人が矛盾を追及
美しい地中海に接するイスラエルの商業都市、テルアビブ近郊にある「ベン・グリオン国際空港」。同国のエルアル航空機の乗客は搭乗前、治安関係係官から、「トランクを荷造りしたのは誰か」「渡航目的は何か」などと10分近く、執拗に聴かれるのが通例だ。
乗客はその後、別の係官から再度、ほぼ同様の内容を聴かれる。2人の係官に対する回答に矛盾がないか入念に調べられ、テロ犯など不審人物がどうか、あぶり出されていく。
世界の空港では通常、搭乗約2時間前にチェックインする必要があるが、ベン・グリオン空港でエルアル機に乗る場合、係官から質問される時間も考慮し、3~4時間前にチェックインすることが必須となる。
反抗し衣服脱がされる
同空港では、係官に反抗的な態度を示すと、別室に連れて行かれ、厳重に調べられるケースもある。中東事情に詳しい邦人男性(60代)は「ある記者は係官の執拗な質問に立腹し、反抗的な態度をとったところ、別室で衣服を脱がされ、厳重に調べられた。神経質なまでのイスラエルの現状をあらわしたものだ」と話した。
2023.12.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231213-2CFJW5K6L5KONOCYPZIQATY4KY/
イスラエル「水攻め開始」 地下トンネル、米紙報道
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は12日、
パレスチナ自治区ガザにイスラム原理主義組織ハマスが構築した地下トンネル網にイスラエル軍が海水を流し込む「水攻め」を始めたと報じた。
中の戦闘員を追い出すための浸水には数週間かかる見通しだとしている。
イスラエルは計7台のポンプを設置し、地中海からの水で地下トンネル網を氾濫させようとしている。米側には、海水の使用は効果的ではなく、ガザの淡水供給に悪影響を及ぼす可能性があるとの懸念も出ている。
ハマスは総延長が約500キロに及ぶともされる地下トンネル網を使ってゲリラ戦を展開。人質の拘束場所になっているとも考えられている。同紙によると、イスラエル国防省報道官は水攻めについて、機密事項だとしてコメントしていない。
(共同)
2023.12.11-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231211/k00/00m/030/010000c
イスラエル軍「ハマス崩壊しつつある」「半数の大隊司令官を殺害」
【カイロ金子淳】
イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザ地区の最大都市・北部ガザ市で、イスラム組織ハマスの拠点が集中している
「パレスチナ・スクエア」を制圧したと発表した」
地下トンネル網やハマスの指導者シンワル氏のオフィスなどがあり、ここからハマスの幹部が越境攻撃などを指示したとみている。同軍の地上部隊は南部にある第2の都市ハンユニスでも中心部に侵攻しており、激しい戦闘が続いている。
ハンユニスでは9日、イスラエル軍が新たに一部区域で住民に対し、即座に退避するよう呼びかけた。
すでに市内の約4分の1の区域で同様の避難勧告を出しており、避難区域を拡大させた形だ。ロイター通信などによると、
10日には軍の戦車が中心部の幹線道路まで到達し、ハマスの戦闘員と衝突した。近くにある警察署付近では銃撃戦も起きた模様だ。また、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ハンユニスと南部ラファをつなぐ幹線道路も空爆で破壊され、住民の避難がさらに困難になっているという。
イスラエル軍は戦闘開始以降、約2万2000カ所の標的を攻撃し、約7000人の戦闘員を殺害したとしている。イスラエルメディアによると、
軍幹部は10日、ハマスの大隊を率いる司令官も約半数を殺害したと説明し、
「ハマスが崩壊しつつある兆候」があると述べた。ただ、「戦闘の終結には近づいていない」とも語り、引き続き攻撃を強める考えを示した。
また、イスラエル軍は10日、
地上侵攻でこれまでにイスラエル兵97人が死亡し、559人が負傷したと公表した。
10月7日のハマスによる越境攻撃を含めると、兵士の死者は425人、負傷者は1593人に上るという。激しい戦闘が続く中、イスラエル軍にも少しずつ被害が広がっている模様だ。
ガザ地区では人道危機も深まっている。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は10日、WHOの緊急会合で、ガザ地区は病気が流行する「理想的な条件」がそろっていると指摘。「ガザの保健システムは崩壊寸前だ」と語り、人道的な
「破局」が近いとの見方を示した。
ガザ地区南部の二つの病院では、病床数の3倍の患者が押し寄せているという。
【カイロ金子淳】
2023.12.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231210-CIDJJJ2FBZIA5DF335HACUGEVQ/
イスラエル行き全船標的も イエメン武装組織警告
イエメンの親イラン武装組織フーシ派は9日、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザに必要な食料や医薬品が搬入されなければ、
イスラエルに向かう全ての船を標的にすると警告した。
フーシ派はイスラエルを敵視しており、全ての船や会社にイスラエルの港を使用しないよう一方的に要求した。
フーシ派は11月にイエメン近くの紅海で日本郵船運航の貨物船を拿捕。船の所有会社の親会社は
イスラエルの実業家が所有しているとされる。
フーシ派はイスラム教シーア派系武装組織。同じシーア派の地域大国イランの支援を受け、ガザの戦闘開始後、イスラエルに無人機や弾道ミサイルなどで攻撃を試みている。
(共同)
2023.12.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231203-PCPPJJ75GRPLPCNGFMKHZQNT7M/
イスラエル軍空爆、30人超死亡 ガザ南部で地上作戦準備か
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ首相は2日の記者会見で「地上作戦の継続なしに目標を達成することはできない」と述べ、
パレスチナ自治区ガザでイスラム原理主義組織ハマスの壊滅に向けた地上作戦を強化する方針を示した。イスラエル軍は南部への激しい空爆を継続し、
3日に30人以上が死亡した。戦闘休止の打ち切りをめぐっては双方が相手を非難しており、休止再開やさらなる人質解放の実現は困難な情勢だ。
1日の戦闘再開後、ネタニヤフ氏が記者会見するのは初めて。同氏はハマスへの「完全な勝利」が得られるまで戦争を継続する方針を改めて表明した。一方で「ガザ住民に危害を加えるつもりはない」とも主張した。
イスラエルは、ハマスが北部から拠点を移したとみて南部ハンユニスやラファへの空爆を展開している。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、3日朝の空爆により30人以上が死亡した。イスラエル軍が今後、南部で地上作戦を本格化させる準備とみられる。
ガラント国防相は2日、ハマスが人質の女性15人と子供2人を解放する約束を破ったために戦闘を再開したと述べた。イスラエル側はハマスとの交渉団を仲介国カタールから引き揚げたという。
一方で
ハマス側は、残された人質は兵士や元兵士たちだと主張。
イスラエルが攻撃を停止し、拘束されているすべてのパレスチナ人が解放されるまで人質は解放しないとの立場を示した。
ロイター通信によると2日、
ラファ検問所を通じてトラック約100台分の人道支援物資がガザに搬入された。戦闘再開後の物資搬入は初めて。
2023.12.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231203-5FRI6HMYSNKUNO4SJOYN5RLYKE/
ガザ攻撃、地上作戦強化へ イスラエル、南部に拡大
イスラエルのネタニヤフ首相は2日の記者会見で、
イスラム組織ハマスを掃討するため、パレスチナ自治区ガザで地上作戦を強化する方針を示した。
「地上作戦なしに目標を達成できない」と語った。
ガザ北部を掌握するイスラエル軍は地上侵攻を南部に拡大する構えで、攻撃を激化させている。
戦闘休止合意の期限が切れ、
1日に戦闘が再開して以来、ネタニヤフ氏の記者会見は初めて。民間人の被害拡大が懸念されるが、同氏は住民に危害を加えるつもりはないと主張した。
一方、ガラント国防相は2日、
ハマスが合意に反して人質の女性15人と子ども2人の解放を拒否したため、戦闘を再開したと述べた。ハマス幹部は中東の衛星テレビ、アルジャジーラに対し、
交渉を拒否したのはイスラエルの方だとした上で、身柄の交換は戦闘終結後に協議することになると語った。
イスラエル軍は1~2日、ガザ南部ハンユニスを激しく空爆した。アルジャジーラは医療関係者の話として、ハンユニスで29人が死亡したと伝えた。
(共同)
2023.12.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231202-PFBNCXF66JP2BC6VLWXWCHXI7E/
イスラエル軍、ガザ南部への攻撃強化 再開後「193人」死亡
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザでイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘を再開した
イスラエル軍は1日夜から2日にかけて、南部ハンユニスなどへの攻撃を強化した。ガザ保健当局は1日の戦闘再開以降、193人が死亡したと発表した。ロイター通信が伝えた。
イスラエル軍によると戦闘再開後、軍は400カ所以上の標的を攻撃。ハマスもロケット弾を断続的にイスラエルに発射し、軍が大部分を迎撃した。再び戦闘を休止するためカタールなどが調停を続けているもようだ。
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は1日、
米国がイスラエル軍に対し、地下施設への直接攻撃が可能な大型の特殊貫通弾(バンカーバスター)100発を供与したと報じた。ハマスの地下トンネル網の攻撃が目的とみられる。
2023.12.01-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231201-OYT1T50189/
ガザ北部で爆発音と銃撃音の情報、空爆で109人死亡か…イスラエル・ハマスが戦闘再開
【エルサレム=福島利之、笹子美奈子】イスラエル政府とパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマスは1日、
戦闘を再開した。さらなる延長の条件となっていた人質の解放を巡り、合意に至らなかった。休止期間は最大10日とされていたが、7日間にとどまった。
イスラエルとハマスは、ハマスが人質10人を解放するごとに休止期間を1日延長することで合意し、人質の解放と休止延長を2度繰り返していた。ハマスが11月30日に解放した人質は8人で、条件を満たしていないとしてイスラエルが反発した。仲介したカタール政府によるとハマスは、前日に解放したイスラエルとの二重国籍のロシア人2人も合意の枠内に含めて10人とカウントすべきだと主張し、交渉が難航した模様だ。
休止期限の12月1日午前7時(日本時間午後2時)直前、ガザからイスラエルに向けてロケット弾が発射され、
イスラエル軍が迎撃した。
イスラエルは、ハマスが合意に違反したとして、戦闘再開を宣言。ガザの200か所を空爆した。ガザの保健当局によると、空爆で109人が死亡した。ロイター通信によるとガザ北部では爆発音とともに銃撃音も響いている。
ハマスの軍事部門カッサム隊は1日、
ロケット弾でイスラエル南部の基地などを攻撃したと声明で認めた。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は声明で、
「ハマスは拉致した女性全員を解放するという義務を履行しなかった。イスラエルは人質を解放し、ハマスを無力化するという戦闘の目標を成し遂げねばならない」と述べた。ガザ住民の多くが避難している
南部ハンユニスでは「ハンユニスは戦闘地域となった。(エジプト境界の)ラファのシェルターに避難せよ」と書かれたビラが上空からまかれた。
ハマスは声明で
「交渉は夜を徹して行われたが、イスラエルが拒絶した。戦闘再開の責任はイスラエルにある」と主張した。
カタール政府によると戦闘再開後も休止に向けた交渉は続いている。7日間の戦闘休止中、ハマスは拉致した人質約240人のうち女性と未成年者計105人を解放し、
イスラエルは約7000人とされるパレスチナ人収監者のうち、女性と未成年者240人を釈放した。
残された人質と収監者を取り戻すため、再び休止で合意する可能性もある。
2023.11.24-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231124/k00/00m/030/266000c
ガザ地区で4日間の戦闘休止始まる 人質第1陣の13人解放へ
【カイロ金子淳、エルサレム三木幸治】
イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは、
24日午前7時(日本時間午後2時)から4日間の休戦に入った。現地からの報道によると、
イスラエル軍は戦闘を停止し、ハマスもロケット弾による攻撃をやめている模様だ。
期間中、休戦合意が順守されるかが大きな焦点となる。
ハマスは休戦期間中、イスラエルから拉致した人質約240人のうち、女性や子供ら計50人を順次解放する。
第1陣13人は24日午後4時(日本時間同11時)ごろに解放され、ガザ南部のラファ検問所からエジプトに出る予定だ。
イスラエル政府はその身元を確認した上で国内に移送し、複数の病院で心身のケアを行う計画を立てている。
イスラエルも拘束しているパレスチナ人の女性や子供ら計150人を期間中に順次釈放する。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」の中継では、24日朝に休戦が始まった直後もガザ地区北部から黒煙が上がる様子が流れたが、開始前に起きた攻撃によるものとみられるという。
一方、エジプトとの境界にあるラファ検問所では
24日朝から、支援物資を積んだトラックが続々とガザ地区に入った。
エジプト当局によると、期間中は人道支援が1日あたりトラック200台に拡大するほか、軽油13万リットルとトラック4台分のガスも搬入される。
エジプト国内にいるパレスチナ人がガザ地区に入ることも可能となる。
期間中は
双方とも戦闘行為を中断するほか、
イスラエル軍による上空からの監視も北部では1日6時間、南部では終日停止する。
イスラエル軍の地上部隊はガザ地区内にとどまるが、双方で合意した「休戦ライン」の範囲から出ることはないという。交渉を仲介したカタールの外務省報道官は23日の記者会見で「この休戦が恒久的な停戦に向けた取り組みを始めるきっかけになることを願っている」と語った。
ただ、
双方は休戦期間が終了すれば、戦闘に戻る意向を表明している。
イスラエルのガラント国防相は23日、「(休戦後)少なくとも2カ月の交戦が予想される」と述べた。
ハマスの報道担当者も同日、
「侵略がどれだけ続こうが、対抗し続ける用意はできている」と語った。
また、
今回の休戦合意はガザ地区内での戦闘に限られ、ヨルダン川西岸でのイスラエル治安部隊による行動にも制約はない。
イスラエルを攻撃しているレバノン南部のイスラム教シーア派組織ヒズボラやイエメンの武装組織フーシ派などは関わっていない。こうした武装組織の出方も注目される。
アルジャジーラなどによると、
ガザ地区では休戦直前まで激しい戦闘が続いた。
23日には北部ジャバリア難民キャンプやガザ市近郊などで空爆があり、多数の死傷者が発生。24日朝もイスラエル軍はガザ市にある地区最大規模のシファ病院で見つけた地下トンネルを破壊した。また
同軍は23日、シファ病院の院長を逮捕したと発表した。病院がハマスの司令部として使用されていた疑いがあり、取り調べを行うという。
イスラエル領内でも23日はロケット弾攻撃が相次ぎ、繰り返し空襲警報が発令された。
【カイロ金子淳、エルサレム三木幸治】
2023.11.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231123-5G7RXND6CRIXRNUHKLS3NBQRMA/
ガザ戦闘休止合意の履行に遅れ 人質解放は24日以降か
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスが合意した戦闘の一時休止と人質らの一部解放が遅れている。ロイター通信は23日、
人質の解放は24日以降になると報じた。
イスラエル軍は23日、ガザ北部で地上作戦や空爆を続けた。
仲介役のエジプト政府当局者は、
戦闘の一時休止と人質らの一部解放に関する合意について、23日午前10時(日本時間同日午後5時)の履行を目指すと述べていた。
しかしロイターがイスラエルメディアの報道として伝えたところによると、
ハマスによる合意文書への署名が遅れているという。また、
解放される人質のリストをイスラエル側がハマスからまだ受け取っていないとの報道もある。
イスラエルとハマスの合意は4日間の戦闘休止期間を設け、
ハマスが人質のうち女性や子供約50人を解放し、
イスラエルは見返りに獄中にいるパレスチナ人の女性や未成年者約150人を釈放することが主な内容。
戦闘休止の期間中、ハマスが少なくとも1日10人の人質を解放するとの観測がある。
一方のイスラエルは、期間終了後もハマスが追加で人質10人を解放するごとに1日ずつ戦闘を休止すると表明。釈放の候補だとするパレスチナ人300人分のリストも公表した。ハマスに可能な限り多数の人質を解放させる狙いとみられる。
2023.11.22-毎日新聞-https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20231121/pol/00m/010/005000c
イスラエルvsハマス パレスチナ問題に真の解決はもたらされるか
西川恵・毎日新聞客員編集委員
数の犠牲者を出し、国際社会の強い非難を浴びながらも、イスラム組織ハマス壊滅作戦に突き進むイスラエル軍。これが一段落した後に国際社会に突きつけられる最大の課題は
「パレスチナ問題に真の解決をもたらすこと」だ。
イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区に越境攻撃を開始した時、懸念されたのは
イスラエル軍とハマスの衝突に呼応して、周辺の親イランのシーア派組織がイスラエルへの攻撃を激化させて紛争が拡大、ひいてはイスラエルとイランの直接衝突につながることだった。 実際、シーア派組織であるレバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派は、多くが途中で撃ち落とされたが、ミサイルをイスラエルに向けて発射した。
親イランではないが、ヨルダン川西岸のパレスチナ主流派もイスラエル軍やイスラエル入植者と衝突した。
またシリアとイラクのシーア派組織も、国内に駐留する米軍に対しドローン攻撃などを行い、米軍関係者20人以上が負傷した。
・・・
2023.11.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231121-LJ2C6PAAPBIWHJU6AVAAVSN55E/
記者が見たガザの地下トンネル 砂地むき出し‥イスラエル監視逃れ民生品搬入の「生命線」
パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍と戦うため、イスラム原理主義組織ハマスが利用しているとされる〝地下トンネル〟が注目されている。
ガザでは軍事用、民生用のトンネルが数百本存在するといわれ、
イスラエルに向けて発射されるミサイルの部品から、食料やバイクなど日常品に至るまで、様々な物資がエジプト側から運び込まれるという。
2009年1月、産経新聞記者が実際に潜り、目にしたガザ地下トンネル内の様子とは-。
ポッカリ空いた穴
粗末なコンクリート製の家やアパートが建ち並ぶガザ地区のラファ。エジプトと隣接する検問所近くに、粗末な小屋が1棟建っていた。中に入ると、地面に井戸のような大きな穴がポッカリと口を開けていた。
地下トンネルの入り口だ。穴の直径は1・5メートルほどあった。
男性住民の助けを借り、古びた電動ロープを使って静かに穴の奥へと降りていく。降下中に見たトンネルの壁は、茶色く変色したブロック塀のような物体で補強されていた。
深さ約20メートルの最下地点に達し、電動ロープから降りた。
土砂崩壊の恐怖で引き返す・・・若干、ひんやりし、薄暗くて周囲ははっきり見えない。ただ、どこからか電気が引かれているのか、かすかな明るさはあった。少し息苦しい。
エジプト側に向かって高さ約1・5メートル、幅約90センチの狭いトンネルが延びていた。多少かがみ、歩みを進める。砂地の壁や天井はコンクリートなどで補強されておらず、むき出しのままだった。トンネルの全長は約170メートル。途中、土砂が一斉に崩れて埋もれ、
命を落とす恐怖心を感じ、70メートルの地点で引き返した。
おむつ、ポテトチップス…
当時、ガザの地下トンネルは1000本以上あるといわれた。地下トンネルを仕切る30代後半の男性は「トンネルで幼児用のおむつ、タオル、ポテトチップス、チョコレートといった『民生品』をエジプト側から運び込むのだ」と語った。トンネルが狭いため、バイクを分解し、ハンドル、車輪、マフラーなどの部品を別々に運ぶ、とも教えてくれた。「天井のない監獄」の異名を持ち、四方八方、イスラエル軍の厳しい管理下に置かれるガザ地区。
イスラエル政府の判断次第では、日常品の搬入が円滑に進まないこともしばしばだ。ガザで、地下トンネルが多数掘られる理由がそこにある。地下トンネルはガザ住民の「生命線」といっていい。
TNT火薬や手榴弾も
ガザには、「民生用」の密輸トンネルに加え、ハマスの「軍事用」トンネルもあると指摘される。
イスラエルの国内治安機関シンベトによれば、当時、
▽過去1年間で約175トンのTNT火薬
▽1000万発の銃弾
▽数万発の手榴弾、地雷-がガザに運び込まれたという。
地元記者は
「イランの革命防衛隊で訓練を受けたハマスのメンバーも、軍事用トンネルを使って(ガザに)戻っていると聞いた」と話した。
先月7日からハマスと大規模戦闘を繰り広げるイスラエル軍は、北部シファ病院の地下にハマスがトンネルを掘って軍事利用していると主張し、その〝
証拠〟として今月、映像も公開した。ハマスは否定するが、
「噓とは言い難い」との見方が専門家の間で一般的となっている。
2023.11.20-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231120/k00/00m/030/008000c
イスラエル軍、シファ病院の地下トンネルの映像公開
【エルサレム三木幸治】
イスラエル軍は19日、
パレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市にあるシファ病院の敷地内で発見したイスラム組織ハマスのものとみられる地下トンネルの映像を公開した。トンネルは深さ10メートル、長さ55メートルで、防爆扉につながっていた。扉の内部には拠点があるとみられる。イスラエル軍は「病院がハマスによって使われていた疑いようのない証拠だ」と主張している。
公開された映像などによると、
トンネルの出入り口付近には、多数の銃などを積み、ブービートラップ(おとり爆弾)が仕掛けられた車があった。トンネルは約3メートルのはしごと約7メートルのらせん階段で地上から垂直に下りる構造。横穴を約55メートル進むと防爆扉に到達する。扉は攻撃や侵入を防ぐためのものとみられ、銃撃用の穴が開いていた。
イスラエル軍は、病院の地下トンネルがハマスの「司令部」に直結しているとみており、引き続き調査を進める予定だ。
【エルサレム三木幸治】
2023.11.17-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231117-OYT1T50090/
イスラエル軍、ガザのシファ病院で地下トンネル「入り口」発見と発表…ハマスは「でっち上げ」主張
【エルサレム=福島利之】イスラエル軍は16日、パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市のシファ病院敷地内で地下トンネルの「入り口」を発見したと発表した。トンネルはイスラム主義組織ハマスが利用し、敷地内で武器を搭載した車両も発見されたと主張している。
イスラエル軍は、病院地下にハマスの司令部があるとみて突入に踏み切り、病院内を捜索していた。公表された映像によると、
トンネルの入り口は地面から縦に掘られ、イスラエル軍が基礎部分を掘り返しているという。イスラエル軍報道官は、発見された車両は未使用で、10月7日のハマスによるイスラエル奇襲に使われる予定だったとの見方を示した。
報道官は、
病院近くの家屋でハマスが人質としていた女性の遺体が見つかったことも明らかにした。
トンネル発見の発表に対し、
ハマスは声明で「占領軍の報道官がでっち上げたばかげた話」と否定した。
イスラエル軍は病院の捜索を続けており、患者や職員は外出を認められていない。国連人道問題調整事務所(OCHA)は、
病院内に患者600人と医療従事者500人がいたとしており、ロイター通信は水や食料、乳児用のミルクなどは尽きていると伝えた。
一方、
イスラエル軍はガザ南部のハンユニス東郊の4地区住民に退避を勧告するビラを空からまき、ハマス掃討作戦を予告した。地上侵攻を南部に拡大する準備とみられる。
2023.11.18-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231118-OYT1T50080/
イスラエル軍、ガザ南部への侵攻拡大を示唆「ハマスがいる場所すべてで作戦行う」
【エルサレム=福島利之】イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザ北部で
イスラム主義組織ハマスの司令部があるとみているシファ病院の捜索を続けた。
ハマスの排除に向け、ガザ南部へ地上侵攻を拡大する可能性も示した。
軍は病院で新たに「地下施設」を発見したと発表したが、詳細には触れなかった。
イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官は17日の記者会見で今後の展開について、「ハマスがいる場所は南部を含め、すべてで作戦を行う。作戦は軍にとって最適な条件の時と場で行われる」と述べた。
ロイター通信によると、
イスラエル政府は17日、ガザへの定期的な燃料の搬入を承認した。48時間ごとに14万リットルが搬入される。
イスラエルはハマスによる燃料の利用を警戒しており、
燃料の使途は上下水道供給に必要な浄水設備、病院、パン屋、通信会社の自家発電機などに限られる。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、
基礎的な人道支援だけで1日当たり16万リットルの燃料が必要とされる。
イスラエルは14日に戦闘開始以来初めて、国連の支援物資を輸送するトラック用として、
ディーゼル燃料2万4000リットルの搬入を認めたが、人質が解放されるまで新たな搬入を認めない方針だった。
ガザでの人道危機の高まりを受け、米国がイスラエルに対し、燃料搬入を認めるよう強く求めていた。
2023.11.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231117-ESX3DM3WMJIGRJPMSYY4HHS7NE/
ガザ病院捜索「重要発見」イスラエル軍、市西部制圧
イスラエルのガラント国防相は16日、
イスラエル軍が突入したパレスチナ自治区ガザの北部ガザ市にある地区最大のシファ病院の捜索で「重要な発見」があったと発表した。詳細は不明だが、
軍は病院地下にイスラム組織ハマス中枢の司令部があるとみている。
地上侵攻が進み
「この24時間でガザ市西部地域を制圧した。次の段階が始まった」とも強調した。
軍は16日、シファ病院に隣接する建物からハマスに拉致されていた女性の遺体を発見し、イスラエル側に移送したと発表した。この建物からライフル銃も見つかったという。イスラエルメディアによると、女性は65歳のイスラエル人で、ガザ境界に近いキブツ(集団農場)で暮らしていた。
パレスチナ赤新月社は16日、
ガザ市中心部のアルアハリ・アラブ病院を軍が包囲し、攻撃していると発表した。
医療チームが病院に取り残されているという。
(共同)
2023.11.16-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20231115-OYT1T50263/
イスラエル軍、シファ病院に突入…ガザ北部制圧で「ハマスの指揮統制システムは完全に解体」
【エルサレム=西田道成】イスラエル軍は15日、パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市にあるシファ病院に突入し、
イスラム主義組織ハマスに対して「正確に標的を絞った作戦を行っている」と発表した。
ガザ北部のハマスの統治機関も次々に制圧しており、
ハマス排除に向けた地上侵攻が激しさを増している。
ロイター通信などによると、
軍はシファ病院に入る際にハマスの戦闘員数人を殺害し、敷地内で武器を発見した。
複数の戦車が敷地内に入り、銃撃や爆発があったという。
シファ病院はガザ最大の総合病院で、軍は地下にハマスの司令部があると主張している。軍は、
ハマスの全戦闘員に投降を呼びかけたと発表した。
米CNNは、シファ病院の医師の話として、軍が病院で作戦を開始する約30分前に「窓やバルコニーに近づかないように」と警告を発したと伝えた。医師は「装甲車の音とともに接近してきた」と緊迫した様子を語った。
救急処置室の職員は、中東の衛星テレビ局アル・ジャジーラに対し、「病院の周囲では至る所で銃声が聞こえる」と述べた。
イスラエル兵は病院に避難していた複数のガザ住民を拘束し、男性たちを裸にした上で目隠しをしたという。職員は
「イスラエル軍は恐怖と死を持ってきただけだ」と憤った。手術棟では軍が部屋の仕切りを破壊し、1人ずつ呼び出して尋問を行っているという。ハマスの戦闘員を見つけ出す狙いとみられる。
軍は14日、ガザ北部のシャティ難民キャンプやガザ市にある議事堂、警察本部など複数の統治機関を制圧したと明らかにした。シャティ難民キャンプをハマスの主要拠点の一つと位置付けており、制圧によって
「地域のハマスの指揮統制システムは完全に解体された」と主張した。
ガザに拉致された約240人の人質を巡り、ハマスの軍事部門カッサム隊は13日、女性や子供を最大で70人解放する用意があるとSNSで表明した。
条件として、5日間の戦闘休止やイスラエルで収監されたパレスチナ人女性や子供ら275人の解放などを求めた。米ホワイトハウスは14日、バイデン大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が電話会談したと発表した。ガザの最新の状況や人質の解放などを巡り協議したという。
一方、ロイター通信などは、ガザ南部とエジプトの境界にあるラファ検問所で15日、戦闘開始以来初めて燃料を積んだトラックがガザ側に入ったと伝えた。国連の支援物資を輸送するトラック用として、
ディーゼル燃料2万4000リットルの搬入をイスラエルが承認していた。
2023.11.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231113-AIP7O7GFYZJLPLLQQYBYOCOMDU/
WHOトップ「ガザの病院は機能停止」 新生児3人死亡
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザのイスラム原理主義組織ハマスに対するイスラエル軍の攻撃で、
ガザ北部の人口密集地、ガザ市の病院が機能停止の危機に直面している。
電力供給が滞り医療機器の使用に支障が出ているためで、ロイター通信は12日、医療関係者の話として
市内のシーファ病院で新生児3人が死亡したと伝えた。
イスラエル北部国境地帯では、同国軍とレバノンの親イラン民兵組織「ヒズボラ」が交戦した。
シーファ病院では電力や燃料不足で暖房が使えず、
ほかの新生児も生命の危機にひんしているという。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は
「病院として機能していない」と指摘した。国連によると
複数の看護師も爆撃で死亡した。
パレスチナ赤新月社はガザ北部の主要病院のアルクッズ病院でも、医薬品や食料、水が欠乏して治療などが不可能な状態だとしている。
イスラエル軍報道官は11日、北部の病院からの乳幼児らの避難を支援するとしたが、
ガザ当局者は避難方法などの連絡がないとした。同国軍は病院の地下や周辺にハマスの軍事部門の重要拠点があるとみて攻撃。12日も北部の病院から南部に退避するよう求めた。ガザ当局者は12日、南部ハンユニスでも空爆により13人が死亡したと述べた。
一方、イスラエル北部のレバノンとの国境地帯でヒズボラが12日、イスラエル軍を攻撃したと公表。同国軍は対戦車ミサイルが撃ち込まれて反撃したとしている。
12日にはガザの外国旅券保有者ら計約80人がエジプトに出域した。出域は10日に停止して以来初めて。この日はトラック80台超がガザに入った。
2023.11.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231112-JMRAIVZWEJNKHDBJXBT37FIHKI/
ガザ最大病院で新生児39人が危険な状態に 電力が不足
パレスチナ自治区ガザで地上作戦を続けるイスラエル軍は11日、
中心都市ガザ市にある地区最大級の医療機関シーファ病院に迫り、付近でイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘が起きた。
パレスチナ保健当局は11日、シーファ病院で電力が不足し、保育器内の新生児39人が危険な状態にあると主張。病院周辺では銃撃や無人機の爆撃が続いたとの情報もある。病院には多数の住民が避難しており、民間人被害の拡大が懸念される。
(共同)
2023.11.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231110-OGNF55RFX5INVI47HREUQGBLOQ/
イスラエル軍、1日4時間の戦闘休止へ 「ハマスはガザ北部の支配を失った」
【カイロ=佐藤貴生、ワシントン=渡辺浩生】イスラム原理主義組織ハマスを標的にパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエル軍の報道官は8日、「
ハマスはガザ北部の支配を失った」と述べた。数日間にわたり、多数の住民が北部から南部に移動したことを理由に挙げた。ロイター通信などが伝えた。一方、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は9日、
イスラエル軍が住民の避難などを目的に、ガザ北部で1日4時間の戦闘休止時間を設けると記者団に明らかにした。イスラエル軍は、休止時間が始まる3時間前に通告する。米国とイスラエルの協議でまとまったとしている。
カービー氏は戦闘休止時間の設定について、
「重要な第一歩」であり、
「必要なだけ続くことを望んでいる」と述べた。
国連によると、8日だけで北部から推定約5万人が南部に避難。9日も住民の移動が続いた。
ガザ北部の人口密集地、ガザ市中心部に進軍したイスラエル軍は、ハマスの地下トンネル網の攻撃に着手。8日の声明でトンネルの出入り口130カ所を爆発物で破壊したと明らかにした。軍はガザ市にハマスの重要な軍事インフラがあるとみている。ただ、
ハマスのトンネルを駆使した反撃に直面し、軍兵士33人が死亡したとしている。
ガザ当局は8日、北部最大のジャバリヤ難民キャンプに空爆があり、少なくとも
19人が死亡したと述べた。イスラエル軍によるものとすれば、先月31日と今月1日に続く3度目の空爆となる。
当局は中部のヌセイラト難民キャンプと南部ハンユニスにも空爆があり
24人が死亡したとした。
2023.11.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231107-76RMVEAFXFNBDKXLSECY4PJZ5Q/
国連トップ、ガザは「子供の墓場」に イスラエル軍、ハマスの兵舎占拠
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスと大規模戦闘を展開するイスラエル軍は、
ガザ北部でハマスの兵舎を占拠し、地下トンネルなどに潜伏する戦闘員への攻撃を準備していると表明した。ロイター通信が6日伝えた。
国連のグテレス事務総長は6日、
ガザはイスラエル軍の攻撃で「子供の墓場」になっていると非難し、停戦を要求。一方で「ハマスは民間人を人間の盾にしている」と批判し、
ガザに連行した人質約240人の解放を求めた。
ガザ保健当局によると、これまでに4100人超の子供を含む1万人以上が死亡した。
こうした中、バイデン米大統領は6日、
ガザへの人道支援物資搬入のための戦闘の一時中断や、人質解放などについてイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談した。
英BBC放送(電子版)によると、
イスラエル軍は6日、過去24時間でハマスの拠点450カ所を攻撃したと述べた。ハマスの拠点があるとみられる北部での本格的な接近戦が近いことを示唆する軍幹部もいる。戦闘で兵士31人が死亡した。
イスラエルはハマスのメンバーが複数の病院などに潜伏していると主張し、ハマスは否定している。ガザ保健当局は6日、北部最大のシーファ病院にイスラエル軍の空爆があったと述べたが、
同国軍は否定した。
イスラエル軍はこの病院の地下に軍事拠点があるとみており、主要な攻撃目標となる可能性がある。
国際社会では、物資欠乏で病院が負傷者に対応できず、食料や飲料水も尽きつつあるとして、ガザへの物資搬入を求める声が強まっている。
ブリンケン米国務長官は6日、訪問先のトルコで、
数日のうちにガザへの物資搬入が増加するとの見通しを示した。一方、
南アフリカは6日、イスラエルに駐在する外交官を呼び戻して攻撃に抗議の意を表明した。南アはイスラエルに大使を置いていない。
2023.11.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231106-JNIU3CQK2NKRFFUZGUTSQLI4HY/
イスラエル、停戦を拒否 ガザ地区を南北に分断 死者1万1千人超
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエル軍の戦闘は、
7日で開始から1カ月となる。
イスラエルはガザへの軍事作戦を強化しており、双方の死者数は計1万1千人を超えた。ガザでの人道危機が収まる見通しはない。
イスラエルのネタニヤフ首相は5日、ハマスが人質を解放しない限り「停戦はない」と改めて明言した。
イスラエル軍報道官は5日、ガザの北部と南部が完全に分断されたと述べた。
軍はすでにガザ北部の人口密集地、ガザ市の包囲を完了している。北部に点在する病院の周辺にハマスの地下トンネル網や司令室、ロケット弾の発射拠点が築かれているとみている。
戦闘は10月7日、ハマスがイスラエルを約3千発のロケット弾で攻撃して始まった。
イスラエル軍が対応に追われる隙に、推定約1500人の戦闘員がガザからイスラエル南部に侵入し、野外コンサート会場やキブツ(集団農場)などで無差別に市民を殺害した。
イスラエルでの死者は1400人以上で、240人以上が人質としてガザに連行された。
7日に空爆を開始したイスラエル軍は連日、数百の目標を爆撃。
ネタニヤフ首相は28日、戦争は「第2段階」に入ったとし、
ハマスの統治・戦闘能力の破壊と人質救出を目標にガザでの地上作戦を本格化させた。ただ、
人質は地下トンネル網に分散して拘束されている恐れが強く、救出作戦は困難を極めそうだ。
ロイター通信などによると、ガザでは9770人超が死亡した。国連はそのうち7割が女性や子供、高齢者だとしている。ガザの人口約220万人のうち150万人近くが避難民になった。
ガザには21日から11月4日までに、食料や医薬品、飲料水などトラック計451台分の人道支援物資が搬入された。だが、
戦闘前には1日あたり約500台分が搬入されていたとされ、物資は極度に不足している。
2023.11.05-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231105/k10014247911000.html
イスラエル軍 2日連続でガザ地区の住民に退避を呼びかけ
ガザ地区での軍事作戦を続けるイスラエル軍は、
激しい空爆や地上部隊による攻撃でイスラム組織ハマスへの攻勢を強めるとともに、
2日連続で地区の住民に南部への退避を呼びかけています。
4日夜には、ガザ地区の難民キャンプが攻撃を受け、40人以上が死亡したと伝えられていて、住民の犠牲が増え続けています。
イスラエル軍の地上部隊はガザ市を包囲しながら市街戦を続け、ハマスへの攻勢を強めていて、5日には地上作戦の開始以降、2500か所以上のハマスの拠点を攻撃したと発表しています。5日に新たに公開した動画では、
大勢の兵士や戦車などが展開し、市街地で戦闘を続ける様子が映されています。
一方でハマス側も5日、ガザ地区南部のハンユニスの東側でイスラエル軍の部隊に攻撃を行い、戦車2台を破壊したなどとしています。こうした中、
住民の犠牲も増え続けていて、複数のアラブ系メディアは、ガザ地区中部にあるマガジ難民キャンプが4日夜にイスラエル軍による空爆を受けたと伝えています。
このうち、衛星テレビ局のアルジャジーラなど複数のメディアは、
現地の保健当局の話として40人以上が死亡したと伝えていて、現地からの映像では、一面がれきとなった現場に多くの人が集まって救助活動を行う様子が確認できます。
こうした中、イスラエル軍は現地時間の5日午前10時から午後2時までの4時間、ガザ地区を南北に貫くサラハディン通りを開放すると2日連続で発表し、
住民に南部への退避を呼びかけていて、住民の犠牲を減らす姿勢をアピールしています。
ただ、
イスラエル軍は4日、退避経路を確保しようとしていたイスラエル兵に、ハマスが砲撃し退避を妨害したとして強く非難しているほか、
時間も4時間と限られるため、どれだけの住民が応じるかは不透明です。
一連の衝突で、
ガザ地区の保健当局によりますと、子ども3900人を含む9488人が死亡しています。
イスラエル側は、少なくとも1400人が死亡し、外国人を含む240人以上がガザ地区で人質になっています。
2023.11.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231104-RU5IBSSSNJLMTK2G2PNZSYOQYA/
イスラエル軍、ガザに対トンネル部隊投入 部隊名は「ヤハロム」
イスラエル軍報道官は3日夜、
パレスチナ自治区ガザでの拡大地上作戦に、トンネル対策に当たる特殊工兵部隊を投入したことを明らかにした。
イスラム組織ハマスは、ガザの地下にトンネル網を構築し、人質を地下で拘束しているとみられている。部隊名は「ヤハロム」で、報道官は投入目的を「トンネルの発見と破壊だ」と明言した。
報道官は、軍による完全包囲を表明したガザの中心都市、北部ガザ市で地上作戦を強め、ハマスの施設を破壊し、戦闘員を殺害していると述べた。米シンクタンク、戦争研究所によると、ガザ市郊外で戦闘が起きた情報があるほか、ハマスはガザ北部ベイトハヌーンとベイトラヒヤでイスラエル軍を対戦車砲で攻撃した。地上戦を強めるイスラエル軍の兵士の死者は、ここ数日間で二十数人に上っている。
(共同)
2023.11.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231104-DRH4BGHQ25I4HOVE5NWQPZRVQA/
ガザ、救急車空爆15人死亡 イスラエル「ハマス使用」
パレスチナ自治区ガザの保健当局は3日、
ガザ北部にあるシファ病院の入り口付近でイスラエル軍が救急車の車列を空爆し、少なくとも
15人が死亡したと発表した。イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが使用していた救急車を攻撃し、戦闘員多数を殺害したと確認した。
イスラエル軍はガザ北部のジャバリヤ難民キャンプを空爆し、国際社会の非難を浴びたばかり。ハマスを支持するレバノンの民兵組織ヒズボラ指導者のナスララ師は3日、米国がイスラエルのガザ攻撃を止めなければ「地域戦争」に突入すると警告した。
ガザ保健当局は、救急車が負傷者をエジプトに搬送中だったと説明。イスラエル軍は、救急車で戦闘員や武器を運ぶのがハマスの手法だと反論した。
戦闘激化とともに民間人の被害拡大に懸念が強まっている。イスラエルを訪問したブリンケン米国務長官は3日、ネタニヤフ首相に民間人保護を求めていた。
(共同)
2023.11.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231104-25FHXL523RODBEQNKEPLHBRFU4/
米国務長官、戦闘中断に言及 ネタニヤフ首相は停戦拒否「人質解放が先」
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍報道官は2日、
パレスチナ自治区ガザで続けるイスラム原理主義組織ハマスへの軍事作戦をめぐり、「ガザ市の包囲を完了した」と述べた。
イスラエル軍はガザ市に上空と地上から攻撃を加え、近郊では市街戦となった模様だ。
ブリンケン米国務長官は3日、イスラエルでネタニヤフ首相と会談し、民間人の犠牲を最小限に食い止める方策を協議した。
ガザ市はガザ北部の主要都市で、人口は約60万人。ガザ地区全体の約3分の1~4分の1が集中する。
イスラエル軍はハマス壊滅に向けた重要拠点として空爆を繰り返し行い、
住民には南部への退避を要求していた。
ハマスは地雷や爆弾を仕掛けてイスラエル軍の進軍を阻んでいるほか、地下トンネルを出入りしながら戦車にミサイルを発射するなどしてゲリラ戦を挑んでいるもよう。イスラエル軍は地上作戦の開始以来、兵士18人が死亡したとしている。
ブリンケン氏のイスラエル訪問は、先月7日にハマスが同国を奇襲して以降、3度目となった。ネタニヤフ氏との会談後、記者団に対し、
人道目的での一時的な戦闘中断について話したと明らかにした。だが、ネタニヤフ氏はテレビ演説で「人質解放がなければ、一時的な停戦は拒否する」と明言した。
ガザの検問所当局によると、エジプトとの間を結ぶラファ検問所では1日に続き、2日も400人規模の外国旅券保有者が出域したもよう。数十人の負傷者も出域した。
ハマスは2日、レバノン国境に近いイスラエル北部キリヤトシモナにロケット弾12発を発射したと述べた。国境付近では親イラン民兵組織「ヒズボラ」とイスラエル軍の戦闘も続いている。
イスラエル軍は3日、なお240人以上の人質がいると確認した。ガザの保健当局は、死者は9200人を超えたとしている。
2023.11.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231101-43OEMB7HERKEHCP4URFC3UOO7I/
難民キャンプ攻撃、50人死亡か 攻撃自制求める声相次ぐ イスラエル・ハマス大規模戦闘
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスとの大規模戦闘を続けるイスラエル軍の
報道官は10月31日、パレスチナ自治区ガザ北部のジャバリア難民キャンプを攻撃したと述べた。
ガザの保健当局は少なくとも50人が死亡したとしている。軍は「高位のハマス司令官1人がこのエリアにいた」とし、
地下にあるハマスの軍事インフラを破壊したとしている。英BBC放送(電子版)などが伝えた。
キャンプは人口密集地として知られ、国際社会でイスラエルの攻撃への批判が高まる可能性もある。
英首相府によると、スナク英首相は10月31日にイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、
自衛権の行使を支持する一方で、
「民間人の犠牲を最小限にとどめるために可能なあらゆる手段」を取るよう強調した。
国連のグテレス事務総長は同日、
「国際人道法は無視できない明確なルールを定めており、好みに応じて選ぶメニューのようなものではない」と
イスラエルを批判した。
イスラエル軍は10月31日、夜間にガザで300カ所の標的を攻撃したとし、空爆と地上作戦を続けている。
ハマスは同日、イスラエル軍の車両にロケット弾を発射したほか急襲攻撃を行ったとしており、双方の戦闘が激化しているもようだ。
イスラエル軍の包囲と攻撃により、ガザでは食料や医薬品、飲料水や燃料の不足が深刻化し、物資搬入のため戦闘の一時中断を求める声が高まっている。
ネタニヤフ氏は中断を拒否する姿勢を示している。
また、重傷を負ったガザ住民約80人の治療のため、エジプトが1日にラファ検問所を通じて国内の病院で負傷者を受け入れるとの見通しが出ている。
一方、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」は近く、外国人の人質を解放する方針を示した。人質は総勢約240人いるとみられる。
イスラエル軍は10月31日、南部に接近する「空の標的」を撃墜したと述べた。イエメンの親イラン民兵組織フーシ派はイスラエルに向けて弾道ミサイルと無人機を発射したとしており、親イラン勢力による攻撃が続いている。
ガザ保健当局は子供3500人以上を含む8525人が死亡したとしている。
イスラエルでは1400人以上が死亡しており、死者数は計1万人に迫っている計算だが、
実態は不明。