イスラエル(Israel)-パレスチナ-1
2025.03.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250302-24WZ7GVMIZLE7PSTAZXB4IIZ2U/
米提案のガザ一時停戦案、イスラエルは「同意」 ハマスは拒否「支援物資届いていない」
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル首相府は
2日、
米国が提案したパレスチナ自治区ガザの一時停戦案に同意すると発表した。イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は、
イスラム原理主義組織ハマスが提案の受諾を拒否したため、イスラエルがガザへの支援物資の搬入を全て止めたと報じた。
首相府によると、
停戦案はトランプ米政権のウィットコフ中東担当特使が提示した。すでに始まった
イスラム教のラマダン(断食月)と、その後のユダヤ教の祝祭「過越の祭」(4月20日ごろまで)の期間中の停戦を提案した。
合意に達した場合、発効当日にハマスが残る人質の半数を解放し、残りは最終日に解放するとの内容。イスラエルはハマスが拒否した後も、重大な被害が及ぶと警告して受諾を迫った。
1月19日に発効した停戦合意の第1段階は1日が期限だった。イスラエルは42日間の延長を求めたが、恒久停戦を目指す第2段階に進むよう主張したハマスが拒否し、合意に達しなかった。ハマスは停戦合意で決められた量の支援物資が届いていないとも述べ、イスラエルを非難していた。
ラマダンはイスラム教徒にとって最も神聖な月とされ、日中の飲食が禁じられる。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは2日、ラマダン入りしたガザの人々の声を交え、住民らは不安を抱きつつ停戦の継続を期待していると報じた。
2025.02.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250212-DYZR7IYRP5OTVHL3YHL7UE26IM/
イスラエル、ガザ停戦の終了を警告 ハマスに15日正午までの人質解放を迫る
イスラエルのネタニヤフ首相は11日の声明で、
イスラム原理主義組織ハマスが15日正午までに人質を解放しなければ、
パレスチナ自治区ガザでの停戦を終了し、戦闘に戻ると警告した。
ハマスは、ガザへの支援物資搬入を許可しないなどイスラエルが停戦合意に違反していると主張。
人質解放を遅らせる姿勢を見せており、停戦維持を巡る緊張が高まっている。
一方、トランプ米大統領は
11日、ホワイトハウスでヨルダンのアブドラ国王と会談した際、ハマスが15日正午までに全ての人質を解放すると思わないと語った。
トランプ氏は10日、ハマスに対し15日正午までに全ての人質を解放するよう求め、応じなければ停戦合意が破棄される可能性があると警告していた。
ハマスは10日、人質解放の日程について、予定する15日から遅らせる考えを表明した。
ネタニヤフ氏は11日、人質が解放されなければ「ハマスの敗北」まで激しい攻撃を再開すると強調した。軍に対し、ガザと周辺に部隊を集結するように指示したという。
(共同)
2025.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250201-7ZIGCIQIM5L6ZAISK23LQI5IKY/
ガザ停戦で4回目の身柄交換 人質3人解放、負傷者搬送で2月1日に検問所再開か
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスは
1日、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとの停戦合意に基づき、解放を仲介する赤十字国際委員会(ICRC)に人質3人の身柄を引き渡した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラが伝えた。
イスラエルは拘束・収監したパレスチナ人約180人を釈放する見通し。1月19日の停戦発効以来、身柄交換は4回目。
イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)によると、
解放されたのは35~65歳の男性3人。うち2人は先行してガザ南部ハンユニスで解放され、もう1人は北部のガザ市で解放された。
1月30日の3回目の解放の際は大勢のガザの住民が現場に押し寄せて混乱したが、2月1日の引き渡しは覆面した武装戦闘員らにより整然と行われた。
1日にはガザとエジプトの境界に位置し、イスラエル軍が封鎖していたラファ検問所が再開される可能性がある。ガザの病人や負傷者に域外で治療を受けさせるのが目的で、パレスチナ自治政府と欧州連合(EU)が監視に当たる。
停戦合意では、第1段階の6週間でハマスはイスラエル人33人を段階的に解放する。これまでに計13人が解放された。イスラエルはパレスチナ人計400人を釈放した。
第2段階の詳細な内容を決める協議は近く始まるもようだ。イスラエル軍のガザ撤収による停戦の恒久化を目指すもので、協議は難航も予想される。
2025.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250130-KKMEZ7F7X5I5HEXDJNARDJJ65M/
ハマスが女性2人を解放、タイ人5人も ガザ停戦で3回目の身柄交換 現場でもみ合い
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスは
30日、パレスチナ自治区ガザを巡りイスラエルとの間で19日に成立した停戦合意に基づき、3回目の人質解放を行った。仲介する赤十字国際委員会(ICRC)は、
イスラエル人2人とタイ人5人の計7人の身柄が引き渡されたとイスラエル軍に伝えた。ニュースサイト、タイムズ・オブ・イスラエルが伝えた。
イスラエルは引き換えに投獄したパレスチナ人110人を釈放するとみられる。
解放されたタイ人は出稼ぎ労働者で、身柄交換の合意の枠外で引き渡されたもようだ。
ハマスはこの日、
20代の女性2人と80歳の男性1人の計3人を解放する予定だった。
ハマスや共闘するガザの過激派、イスラム聖戦はガザ北部のジャバリヤ難民キャンプで女性1人を解放。続いて南部ハンユニスでもう1人の女性を解放したとされる。ハンユニスでは大勢の住民やハマスの武装戦闘員が現場に殺到、もみ合いとなって混乱した。
ハマスはガザを実効支配していると誇示する狙いだった可能性があるが、イスラエルのネタニヤフ首相は混乱は「衝撃的」だとして再発防止を求めた。
イスラエルでは30日、
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する新法の施行日を迎えた。政府当局との接触も禁止され、
UNRWA側はガザなどのパレスチナ人支援に深刻な影響が出るとしている。
米国はUNRWAの主張は「誇張だ」としてイスラエルを支持する姿勢を示した。
2025.01.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250126-ZKIONITKGBITJNEN55ZSEZTB5U/
イスラエル軍が撤収期限後もレバノン南部駐留を継続 攻撃で15人死亡、80人以上負傷
イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを巡る停戦合意は26日午前4時(日本時間午前11時)、双方がレバノン南部から撤収する期限を迎えた。
イスラエル軍は撤収期限以降もレバノン南部駐留を継続。ヒズボラやレバノン政府は「合意違反」と反発、緊張が高まっている。
イスラエル軍は期限後に南部に帰還しようとした住民らを攻撃し、レバノン保健省によると、兵士1人を含む少なくとも15人が死亡、80人以上が負傷した。
攻撃は南部各地で発生。住民らは撤収期限後も居座るイスラエル軍に抗議した。ヒズボラは声明で住民らの行動を称賛した。ヒズボラとの直接交戦は起きていないとみられるが、イスラエル軍が攻撃を拡大すれば戦闘の再燃が懸念される。
イスラエル軍は26日、レバノン南部に展開中の部隊が警告射撃し、部隊に近づいた「容疑者」数人を拘束したとの声明を出した。
(共同)
2025.01.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250125-W6PC6TUFZNJOTIVNGUJSAZTPOY/
ハマスが人質のイスラエル人女性4人を解放 停戦発効後2回目の身柄交換
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスは25日、パレスチナ自治区ガザの停戦合意に基づき、人質にしていたイスラエル人の女性4人を解放した。
身柄は仲介する赤十字国際委員会(ICRC)に引き渡された。イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)が伝えた。イスラエルは引き換えに国内で投獄した200人規模のパレスチナ人を釈放する見込み。
身柄交換は19日の停戦発効以来2回目。ハマスが解放したのは19~20歳の女性兵士4人とみられ、いずれも2023年10月、ハマスの戦闘員により軍施設からガザに連れ去られていた。
イスラエルが今回釈放するパレスチナ人には重罪で終身刑を受けた者も含まれるとされ、ハマスは約70人がパレスチナ域外に送還されるとした。
中東のテレビ局アルジャジーラは25日、
人質解放に先立ち、大勢の住民が見守るガザ市の広場に武装した戦闘服姿のハマス戦闘員数百人が車両やバイクで集結し、整列する様子を放映した。
19日の人質解放の際にも同様の映像が公表されたが、さらに大がかりな規模で、組織は健在で住民の支持もあるとアピールする狙いとみられる。ハマスは19日に女性3人を解放、イスラエルが90人を釈放した。
欧米の報道によると、
停戦合意の第1段階は6週間で、ハマスは人質約100人のうち33人を解放する。イスラエルは解放される人質1人につき30~50人のパレスチナ人を釈放する。釈放人数はハマスが解放する人質の性別や年齢、軍人か否かなどにより変わる。
第2段階では、残る人質の解放やイスラエル軍のガザからの完全撤収、恒久的停戦を目指す。
2025.01.-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250114-QW6YB2JLGFLHBPHBIMOFZYWM7E/
イスラエルとハマス、近く停戦合意か 背景に米政権交代と親イラン勢力の影響力低下
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザで戦うイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスが近く停戦で合意するとの観測が出ている。
戦闘開始から約1年3カ月が過ぎたいま、両者が歩み寄る背景には、米政権交代と中東各地の親イラン勢力の影響力低下という情勢の変化がありそうだ。
無制限攻撃の可能性
20日に第2次政権を始動させるトランプ次期米大統領は、自身の就任までにハマスが人質を解放しなければ「中東に地獄が訪れる」と述べた。発言が効果を発揮したとみる向きは多い。
英BBC(電子版)はハマスがこの発言について、イスラエル軍のガザ攻撃に一定の制約をつけたバイデン政権と異なり、トランプ次期政権は人質を解放しなければ攻撃を無制限に認める恐れがある、と考えた可能性があるとした。
トランプ氏はイスラエルとアラブの大国サウジアラビアの国交正常化を実現したい意向とされ、戦闘の長期化はその目標を達成する上で障害となる。このため、次期米政権で中東担当特使となるウィットコフ氏は11日のイスラエル・ネタニヤフ首相との会談で停戦受け入れを強く要求し、協議の進展を引き出したとも報じられた。
イスラエルの世論もネタニヤフ氏の判断に影響を与えた可能性がある。ガザで死亡したイスラエル兵士は400人を超え、停戦を求めるデモが頻発。同氏が掲げた「完全勝利」が何を意味するかも不明だ、などとして批判が強まっていた。
イランの影響力衰退
一方、ガザの戦闘は中東に激震をもたらし、勢力図は一変した。これがハマスの対応が軟化する一因になったとの見方もある。
イランと連携するレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラはイスラエル軍の攻撃を受けて弱体化し、シリアではイランが支援したアサド政権が崩壊した。「シーア派の弧」と呼ばれる対イスラエル包囲網が崩れ、イランの地域への影響力は衰えた。こうした環境の変化がハマスの孤立化を促し、停戦受諾の圧力になったという解釈だ。
停戦が成立したとしても、どこまで維持されるかは見通せない。
報じられている停戦案は第1段階で人質などの身柄交換を進め、第2、第3段階に関する協議は停戦発効から16日後に始まる。
ハマスは第1段階で人質を解放した後、イスラエルが停戦合意から離脱することを危惧しているといわれる。双方が停戦協定に関与し続け、順守するよう監視する第三国の存在もカギを握りそうだ。
2024.10.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241018-7FIK6NTWLFKILND7WUQQPTZHCY/
イスラエル、ハマス最高指導者を殺害 首相は「悪に打撃与えた」 米は停戦交渉推進の構え
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザへの攻撃でイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者、ヤヒヤ・シンワール氏を殺害したと発表した。昨年10月7日にハマスが行ったイスラエルへの大規模襲撃の首謀者とされ、同国にとっては戦闘開始以来、
最大級の成果となった。
イスラエルのネタニヤフ首相は
「悪に打撃を与えたが、任務はまだ完了していない」と述べ、約100人とされる人質全員の帰還まで戦闘を続けると言明した。バイデン米政権は停戦の好機だとして交渉を推進する構えだが、戦闘が終結するかは見通せない。ネタニヤフ氏とバイデン大統領はシンワール氏の死亡確認後に電話で会談した。
ロイター通信によると、イスラエル軍は16日のガザ南部ラファでの地上作戦で「3人の戦闘員」を殺害したとし、シンワール氏が含まれている可能性があるとしてDNA型鑑定などで身元確認を行っていた。
欧米メディアは、
シンワール氏とみられる遺体ががれきに埋まっているのを兵士らが見つめる軍発表の写真を掲載した。
ガザの責任者だったシンワール氏は、最高指導者だったハニヤ氏がイラン訪問中の7月末に殺害されたのを受け、後継者となった。イスラエルの暗殺対象リストのトップに名前があったとされ、軍などはガザの地下トンネルに潜伏しているとみて行方を追っていた。
カタールなど海外を拠点に停戦協議に参加していた幹部らに、停戦に応じないよう主張した「強硬派」として知られる。
英BBC放送(電子版)などによると、
シンワール氏は1962年、ガザ南部ハンユニスの難民キャンプで生まれた。
ハマスではパレスチナ人スパイの摘発を進め、多数のスパイを残忍な方法で殺害。イスラエルで収監され、20年以上を獄中で過ごした経験がある。
2024.11.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241128-TPXOJG6MOBLOZLV5LVLMVBYMPE/
イスラエル、レバノン南部で爆撃と発表 停戦発効後初か ヒズボラ「抵抗活動続ける」
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は
28日、レバノン南部で親イラン民兵組織ヒズボラの軍事施設を発見、爆撃したと発表した。ロイター通信によると
イスラエル、レバノン両政府の停戦が発効した27日以降でこうした攻撃は初めて。
レバノン軍は27日、合意に基づいて同国南部に展開を始めたと発表した。イスラエル軍は南部で兵士に近寄ってきた不審な4人の身柄を拘束した。ヒズボラのメンバーの疑いもあるとして調べている。
合意によると、60日間の停戦期間中にイスラエル軍はレバノン南部から段階的に撤収し、ヒズボラは南部を流れるリタニ川以北へと撤収する。レバノン軍はリタニ川より南側に展開し、停戦監視に当たる。
ヒズボラは27日、停戦発効後初の声明を出し、イスラエルへの抵抗活動とパレスチナ人の支援を続けるとした。
イスラエル軍のレバノン南部からの撤収を戦闘員が監視するとも述べた。
2024.11.27.-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241127-ZK4455SB3JPV7DPCC2PPNX76UE/
イスラエルとヒズボラ、レバノン停戦で合意 発効は日本時間27日午前11時
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ首相は26日にテレビを通じて演説し、
米国主導で策定されたレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの停戦案を履行する用意があると表明した。続いてバイデン米大統領が演説し、
停戦は現地時間27日午前4時(日本時間同日午前11時)に発効すると述べた。
昨年10月から1年以上続いた戦闘は終結に向けて動き出した。
中東メディアが報じた停戦案によると、イスラエル軍とヒズボラは互いへの攻撃を停止し、イスラエル軍は60日以内にレバノン南部から撤収する。南部には代わってレバノン軍が展開する。レバノンの兵器売買や製造は同国政府が監督し、不法な兵器製造拠点は破壊される。
ロイター通信は米政府高官の話として、停戦違反を防ぐために米国がレバノン軍に協力すると伝えた。米軍の戦闘部隊は対象地域には立ち入らない方針。レバノン首相府によると、ミカティ暫定首相はバイデン氏と電話会談し、停戦合意を歓迎すると述べた。
一方、ヒズボラ幹部は26日、「(停戦条件を)精査する必要がある」と述べ、対応に含みを残した。
ネタニヤフ氏は演説で、ヒズボラを攻撃して指導者のナスララ師ら主要幹部を殺害し、大半の兵器のほか地下を含む軍事施設を破壊したとし、戦闘能力を大幅に奪ったと主張した。
また、停戦の期間はヒズボラの対応次第だと述べ、合意に違反して再び武装したりイスラエルとの国境近くに施設を再建したりした場合には、「攻撃する」と明言した。この点は米国も理解していると強調した。
ネタニヤフ氏は停戦に同意した理由について、宿敵イランの軍事的脅威への対処に集中し、兵器の補充を進めるためだと述べた。レバノンの戦闘をパレスチナ自治区ガザで続くイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘と分離し、ハマスを孤立させる狙いもあるとした。
イスラエルは今年9月、レバノン国境に近い北部から避難している6万人を自宅に帰還させるとしてヒズボラへの攻勢を強め、レバノンへの地上侵攻にも踏み切った。レバノンでは総計3700人超が死亡、120万人が避難民となった。
2024.11.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241125-PC3RF6KQDNLFXH7PXT64RKYCW4/
イスラエルとレバノンが停戦で大筋合意か、ヒズボラは不明 バイデン米政権が仲介
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘を巡り、ロイター通信は25日、米ニュースサイトのアクシオスの情報として、
イスラエルとレバノンが停戦の条件で大筋合意したと伝えた。
ヒズボラが合意したかは不明。
停戦はバイデン米政権が仲介し、最近も特使を中東に派遣して調整を進めていた。当初の案は60日間の停戦期間を設け、
イスラエル軍がレバノンから撤収することなどが含まれていたとされる。
イスラエルは国境周辺からのヒズボラの撤収などを要求し、履行されない場合にはレバノン領を攻撃する権利を保証するよう求め、交渉の障害になっているとも報じられた。
イスラエル軍は昨年10月にヒズボラとの戦闘を開始し、今年9月にはレバノンでヒズボラ指導者ナスララ師を殺害。さらに地上侵攻して攻勢を強めていた。
2024.09.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240924-RUX4HZUIJBK5RK3D6UGLCD6KWI/
ヒズボラ攻撃に国際社会が危機感 「ほぼ全面戦争」イスラエル軍、レバノン地上侵攻観測も
【ラマラ(ヨルダン川西岸)=佐藤貴生】イスラエルが親イラン民兵組織ヒズボラを標的にレバノンで大規模な攻撃を行い、国際社会から懸念する声が相次いだ。
パレスチナ自治区ガザに端を発する中東の戦闘が広域化しかねず、緊張は一段と高まっている。
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は23日、イスラエルのレバノン攻撃を受け、「ほぼ全面戦争」の真っただ中にいると述べ、危機感を示した。
ロイター通信によると、米国務省高官は攻撃を巡ってイスラエルとの間に意見の隔たりがあることを暗に認め、事態の沈静化に向けて関係国と協議する意向を示した。
レバノンでは攻撃で子供35人も死亡したと報じられ、民間に大きな被害が出た。攻撃開始直前には、レバノン国内の携帯電話に8万件の避難要請の連絡が届いたとされる。イスラエル軍が市民の不安をあおる心理戦を仕掛けた可能性もありそうだ。南部から首都ベイルートなど北部へ向かう主要道は脱出を図る多数の車で埋まり、混乱の大きさを示した。
イスラエルにはヒズボラが使う小型の通信機器に工作を施し、9月17、18の両日にレバノン国内で一斉爆発させた疑いが浮上している。ヒズボラ内部の連絡網を寸断した上で、大規模攻撃に乗り出し、最大限の打撃を与えることを狙った可能性もある。
イスラエル軍がレバノンへの地上侵攻を検討しているとの見方もある。イスラエルはレバノン国境周辺の交戦で避難を余儀なくされている北部の住民約6万人を帰還させる方針を示している。住民の安全確保のため、軍を侵攻させてレバノン南部との間に「緩衝地帯」を設けるとの観測だ。
大規模攻撃を受けた後も、ヒズボラはロケット弾などによりイスラエルを攻撃しており、抗戦が続くことは確実だ。イスラエル軍が地上侵攻に踏み切れば、戦闘の長期化や戦費の増額は避けられない。イスラエルのネタニヤフ政権の次の一手は今後の戦局を大きく左右する。
2024.09.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240923-KNJ6UUOVNVMMLGMTNPWAFGK3PM/
イスラエルがヒズボラ拠点300カ所を攻撃 100人死亡、400人超負傷
【ラマラ(ヨルダン川西岸)=佐藤貴生】イスラエル軍は
23日、レバノンにある親イラン民兵組織ヒズボラの拠点300カ所以上を攻撃した。イスラエルのメディアが報じた。英BBC放送によると少なくとも100人が死亡、400人超が負傷した。イスラエルとヒズボラの軍事衝突は拡大の一途を示し、中東情勢は急速に不安定化している。
イスラエル軍は23日朝、ヒズボラがイスラエルへのロケット弾による大規模攻撃を計画していたとして、レバノンへの攻撃を始めた。
ヒズボラは22日、多数のロケット弾などでイスラエルを攻撃し、第3の都市ハイファ近郊の建造物が損傷した。ヒズボラのナンバー2、カセム師はイスラエルとの「期限なき戦い」に突入したと述べていた。
イスラエル軍は22日未明までの24時間に約290カ所のヒズボラの拠点を攻撃した。ネタニヤフ首相は22日、「ヒズボラが(イスラエルの)メッセージを理解していないのなら、理解させる」と述べた。
イスラエル政府はレバノンと国境を接する北部一帯の住民約6万人を避難させている。イスラエル軍のハレビ参謀総長は詳細には触れず、「次の段階」に向けて準備していると述べた。
レバノンでは17、18日にヒズボラなどが使用する通信機器が多重爆発し、ヒズボラはイスラエルが事件に関与したとして報復を宣言。イスラエル軍は20日、ヒズボラの幹部司令官を空爆で殺害し、双方の緊張が急速に高まっている。