イスラエル(Israel)-パレスチナ-1(ハマス)
202.12.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20251214-WDJ7277R4BJZLMW7SPRWDGLTGQ/
イスラエル軍幹部がガザでハマス幹部殺害 奇襲の立役者、停戦中に武器生産主導か
イスラエル軍は13日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスの幹部を殺害したと発表した。停戦中に武器の生産を継続して主導し、停戦合意に違反した責任があると主張した。ガザ戦闘の直接的なきっかけとなった2023年10月のイスラエルに対する奇襲の立案者の一人だという。
イスラエルのネタニヤフ首相とカッツ国防相は共同声明で、ハマスの爆発装置で兵士が負傷したことを受けて、この幹部の殺害を指示したなどと説明した。
イスラエルメディアによると、イスラエル軍はガザ北部ガザ市で幹部を攻撃した。今回の殺害を受けて、ハマス側が態度を硬化させる可能性がある。
イスラエル軍は10月の停戦発効後もガザでの攻撃を継続。ガザ保健当局によると、
停戦発効後の死者は380人以上。23年10月の戦闘開始後の死者は7万600人を超えた。
(共同)
2025.12.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251208-5PGIQRGKWVIBFJ3ODZMYZE5MGM/
ガザ和平「第2段階」移行を協議へ イスラエル首相が今月後半に訪米意向 課題は山積
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ首相は
7日、パレスチナ自治区ガザを巡る米国主導の和平計画の「第2段階」移行に向け、今月後半に訪米してトランプ米大統領と協議する方針を示した。
イスラエルを訪問したドイツのメルツ首相との会談後の共同記者会見で語った。
ロイター通信によると、
第2段階ではガザにおける暫定統治機関の設置や治安維持のための国際部隊の派遣、
イスラム原理主義組織ハマスの武装解除などが予定される。課題は山積しており難航は必至だ。
イスラエルとハマスは10月上旬、米和平計画「第1段階」の実施で合意。双方は人質などの身柄交換を行い、イスラエル軍はガザ域内で部分的に撤収し、10月10日には停戦が発効した。
しかし、
ガザの約半分を支配するイスラエルはガザを繰り返し攻撃。
双方は停戦合意違反だと互いを批判し合ってきた。ガザ保健当局によると、
停戦発効後のイスラエル軍の攻撃による死者は370人以上。
2025.11.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251130-2J65EFNXEZKKVBEJVIFKQRPPAQ/
イスラエル、ガザ攻勢止めず 停戦発効後の死者354人 進む停戦の形骸化
(ホムス=シリア中部 佐藤貴生)
パレスチナ自治区ガザの保健当局は
29日、2023年10月7日に始まったイスラム原理主義組織ハマスを標的とするイスラエル軍の攻撃で、死者が計7万人を超えたと発表した。
イスラエル軍はトランプ米政権が主導して成立した10月10日の停戦発効後も、ハマス側が停戦合意に違反したなどとして断続的に攻撃を行ってきた。ガザ保健当局によると停戦発効後の死者は354人に達しており、停戦は形骸化している。死者数にはハマスががれきを除去して遺体を見つけたケースも含まれる。
イスラエル軍は開戦後の2年以上にわたってガザで相次ぎ避難指示を出し、住民は着の身着のままでの移動を余儀なくされた。国連によると10回以上移動した住民もいるもよう。冬の寒さが厳しくなる中、テント暮らしを強いられている人も少なくない。
国際社会ではイスラエルの攻撃は国際人道法などに違反しているとの批判も少なくない。一方、
イスラエルは攻撃対象はハマスの戦闘員や軍事拠点であり、民間への被害は最小限に抑えるよう努めていると強調してきた。
(ホムス=シリア中部 佐藤貴生)
2025.10.31-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20251031-3E46OVPLEBMIBG2CUA4C77AVRM/
イスラエル軍のガザ攻撃、子供の死者46人に ハマスは新たに2遺体返還
イスラエル軍が28~29日に実施したパレスチナ自治区ガザへの報復攻撃で、
パレスチナ通信は29日、死者は110人に上り、うち46人が子どもだったと伝えた。
イスラエル首相府は攻撃についてネタニヤフ首相がトランプ米大統領に事前通告していたと説明。
トランプ氏は停戦合意違反と見なさない考えを示しているが、攻撃が相次ぎ停戦合意の形骸化が懸念される。
イスラエル軍によると、イスラム組織ハマスは30日、ガザ和平計画「第1段階」合意に基づき、新たに人質2人の遺体を赤十字に引き渡した。身元が確認されればガザに残る遺体は11人となる。
イスラエルはガザ最南部ラファで28日に部隊が攻撃を受け兵士1人が死亡したことに対する報復だと主張した。
ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始後のガザ側死者は6万8600人を超えている。
(共同)
2025.10.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20251019-LOGE534PENOHBLTM4POZ4UDJ3U/
ハマスが新たに2遺体を返還、引き渡しは計12人に ガザ停戦は予断許さず
イスラエル首相府は
19日、パレスチナ自治区ガザの和平計画「第1段階」の合意に基づきイスラム原理主義組織ハマスから人質2人の遺体が返還されたと発表した。
これで計12人が引き渡され、ガザに残るのは16人。停戦はおおむね維持されているが、
イスラエルは迅速に遺体返還を進めるよう圧力を強めており、先行きはなお
予断を許さない。
イスラエル首相府は18日、ネタニヤフ首相がガザ最南部のラファ検問所について「追って通知があるまで」開通しないように指示したと発表。ハマスに管理下にある人質遺体の返還を迫った。
これに対しハマスは、ラファ検問所が引き続き閉鎖され、エジプトなどでの治療のために負傷者や病人がガザから出ることが阻止されているなどとしてネタニヤフ氏の指示を批判した。
(共同)
2025.10.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251012-ZFR652OV3JJKHMNXWSBI26WROE/
ガザ和平合意も達成へ険しい道筋 どうなる停戦維持、武装解除、戦後の統治体制
(エルサレム 佐藤貴生)
トランプ米大統領はパレスチナ自治区ガザで交戦するイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスに、自ら発表した和平案を受諾させるため、
中東諸国と連携して圧力をかけて停戦にこぎ着けた。しかし、
戦後のガザの統治主体など、最終的な和平達成に向けては困難な課題が山積みだ。
身柄交換
短期的には、イスラエルとハマスの双方が停戦を維持し、13日にも始まる身柄交換が順調に進むかが注目される。ハマスが人質48人全員を解放し、イスラエルは終身刑のパレスチナ人受刑者250人を含む約2千人を釈放する予定だ。
英BBC放送(電子版)は11日、反イスラエル闘争を象徴する活動家のマルワン・バルグーティ氏らの名前が釈放予定者リストにないとして、ハマスが不満を示したと伝えた。ハマスは解放予定の48人のうち死亡した人質約28人の遺体発見には時間を要するとも示唆している。
武装解除
隔たりが大きいのが武装解除の問題だ。ハマスはイスラエル軍のガザからの完全撤収が条件だと主張してきた。ロイター通信によると、イスラエルの「占領」終了まで武器を手放さないとする幹部もいる。
ハマスは米国などから戦闘は終結したとの「保証」を得たとしているが、イスラエルのネタニヤフ首相は10日、「厳しい方法」を用いてでもハマスの武装解除を実現すると述べた。ガザ再攻撃も辞さない姿勢を示唆したとみられる。
統治主体
将来の最大の問題になりそうなのが、ガザの統治主体の具体像だ。ハマスやパレスチナの他の勢力は「パレスチナ内部の問題」だとして海外の干渉を拒否する姿勢を示している。これに対し、ネタニヤフ氏は、ハマスはもちろんのこと、ヨルダン川西岸の自治区を治めるパレスチナ自治政府による統治も認めないと訴えてきた。
和平案は、ハマスや他勢力はどのような形であれ統治には関与しないと定めている。ただ、ガザの再開発と自治政府の改革の進展を条件に、パレスチナ国家樹立の可能性に言及したと受け取れる条文もあり、意図的に明確さを欠く表現にした可能性もうかがえる。
和平案は、ハマスや他勢力はどのような形であれ統治には関与しないと定めている。ただ、
ガザの再開発と自治政府の改革の進展を条件に、パレスチナ国家樹立の可能性に言及したと受け取れる条文もあり、意図的に明確さを欠く表現にした可能性もうかがえる。
(エルサレム 佐藤貴生)
2025.10.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251008-MP3EHSMPIRMILBXYHEDGNAC4OA/
手に負えないイスラエル右派政権、米国は制御できるか 「民衆が長期化手助け」と指摘も
(エルサレム 佐藤貴生)
トランプ米政権がパレスチナ自治区ガザに関する和平案を発表し、
イスラム原理主義組織ハマスとの交戦継続に固執してきたイスラエル・ネタニヤフ連立政権の対応が注目されている。
極右勢力も加わり、「史上最も右寄り」とされる政権。ごく一部だが取材した支持層の実像を紹介する。
9月中旬、ヨルダン川西岸ヘブロン近郊。検問所を越えると雰囲気が一変し、石造りの邸宅が並ぶ舗装道が広がった。ユダヤ人入植地のキリヤト・アルバだ。
入植地とは西岸に造られたユダヤ人専用の住宅地のことだ。イスラエルは第3次中東戦争(1967年)で西岸を占領し、多数派のパレスチナ人と衝突しながら入植地建設を強行してきた。国際社会は占領地の地位変更を禁じたジュネーブ条約違反だと批判する。
入植地の入り口では武装したイスラエル兵らがパレスチナ人の襲撃を警戒している。だが、内部はイスラエルの他の町村と変わらない。キリヤト・アルバも小規模ながら銀行や食堂、雑貨店などが軒を連ね、路線バスが走っていた。
内部には、対パレスチナ武装テロも辞さない過激思想で非合法扱いされた故メイヤ・カハネの名を冠した公園もあった。ガザの再占領や西岸の併合を訴え、米和平案の受諾に消極的な極右の国家治安相ベングビールは、カハネに心酔していることで知られる。
入植地は「過激ユダヤ教徒の聖地」
入植地で会った建設作業員の男性(41)は「ベングビールは立派な政治家。法による統治の秩序を打ち立てた」とたたえた。
目の前の小高い丘にはパレスチナ人が住んでおり、ここで出会った数人の男性はみな銃を所持していた。筆者を案内したイスラエルの元記者の男性(49)は「ここは過激なユダヤ教徒の聖地だ」と評した。
イスラエル政界では90年代から右傾化が顕著になった。93年にパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)を結んだ首相ラビンが95年に過激なユダヤ教徒に暗殺され、和平機運は失速。翌96年には右派政党リクードのネタニヤフが首相に初就任した。極右は2022年に首相に返り咲いたネタニヤフの元で連立に参加した。交戦開始後の過激な言動で欧州の複数の国がベングビールの入国を拒否した。
主要野党もパレスチナ国家承認を支持せず
9月20日夜。エルサレムでネタニヤフ政権への抗議デモに参加していた教員の男性(58)は、「ガザで戦闘を続ける理由がない。(ハマスとの)停戦に合意して人質を取り戻すべきだ」と話した。
ただ、その先の政策はどうあるべきかと聞いたら、「それは政治が考えることだ」と述べただけだった。
イスラエル紙への寄稿で昨年、「多くの人は精神の安定のため、ガザの戦闘における暴力や犯罪の存在を否定している」と指摘した歴史研究者のアダム・ラズ(42)は9月の取材に、ガザで起きていることを知ろうとしない民衆が「結果として右派政権の長期化を手助けしている」との見方を示した。
国際社会で増えたパレスチナ国家承認はイスラエルの民衆には不人気で、主要野党も支持していない。
イスラエルの政治評論家、オリ・ゴールドバーグ(49)はこうした点を挙げ、「野党とネタニヤフの政策には大して違いはない。だから野党は支持が増えず、間接的に彼を支援している」と指摘した。
民衆も野党も手に負えないネタニヤフ政権。トランプ米政権という「外圧」は制御できるのだろうか。
=敬称略
(エルサレム 佐藤貴生)
2025.10.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20251008-T6FIITA6NNIWLJZ5P24UWGQAME/
ガザ和平交渉が本格化へ 米特使やトランプ氏娘婿がエジプトに、イスラエル代表も出発
トランプ米政権が示した
パレスチナ自治区ガザの和平計画を巡り、米国のウィットコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿クシュナー氏が8日、エジプト入りし、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの間接協議に加わる。米メディアなどが報じた。エジプト東部シャルムエルシェイクで6日に始まった和平交渉が本格化する。
イスラエル交渉団代表でネタニヤフ首相の側近、デルメル戦略問題相と仲介国カタールのムハンマド首相も8日、エジプトへ向け出発。ハマス拘束下の人質解放とイスラエル軍の撤収などを巡る主張の隔たりは大きく、合意にこぎ着けられるかどうか正念場を迎える。
米ニュースサイト、アクシオスによると、
ウィットコフ氏とクシュナー氏は7日の出発に先立ち、トランプ氏やバンス副大統領らに交渉の進捗(しんちょく)状況を説明した。
(共同)
2025.10.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20251007-BRN2MZ574BKNVFVCZSBOD3QRLM/
ガザに黄金の塔は建つか 続く死闘、終わる日は-一筆多論
(論説委員)
ポーランドの首都ワルシャワで18年前、ユダヤ系住民の会合を取材した。
ナチス・ドイツの迫害から辛くも逃れた70代の男性が語った言葉が忘れられない。
「幼少のころ親から言われた。『どんな苦境下でも生き延びられるよう、楽器(の演奏)を学べ』。私はバイオリンを選んだ」
ナチスのユダヤ人狩りが始まりかけた1930年代の話だ。家族が迫害され、一人生き残っても、路上で演奏し生計を立てよ、との親の諭し。民族の悲しみ、宿命を映し出した言葉に胸を締め付けられた。
ナチス崩壊から80年。イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスが戦うパレスチナ自治区ガザに目を向けると、記者多数がイスラエル軍の攻撃で死傷する状況にある。「故意の攻撃」も指摘される中、「打ち立てた国家の存続を少しでも危うくする不利な情報は遮断する」とのイスラエル側の冷徹な意思も感じる。
国際世論やメディアをたとえ敵に回しても、国家生存のために貫く非情とも思える行動は筆者も間近で垣間見た。ヨルダン川西岸ベツレヘムの教会に逃げ込んだパレスチナ過激派を包囲するイスラエル軍を取材した際、軍の戦車が砲身を静かに回転させ、こちらの眼前でピタリと止めたのだ。「正当な作戦だ、去れ」との警告。乱暴な威嚇とはいえ、イスラエルからすれば当然の行為だったろう。
ネタニヤフ首相の警備体制には、国家を守り抜く、との強烈な意思も感じる。
米ニューヨークのイーストリバーを見下ろす国連本部。約10年前、国連事務総長と会うため総長室を訪れたネタニヤフ氏の警護官は、国連職員や報道陣を神経質なまでに遠ざけた。揺るぎない国家体制を堅持し、子孫代々に引き継ぐ―。こうした国是は、紀元前から離散(ディアスポラ)を強いられ、ナチスのホロコーストで600万人の同胞を絶滅させられた民族の心奥深くに刻まれたDNAのゆえだろう。
一方、パレスチナ側に、イスラエル側の論理はどう映るのか。
ガザに累々と積み上がる遺体は今、7万人に迫る。イスラエルの攻撃で絶命した幼子を父親が白布でくるむロイター配信の写真には、胸が痛む。飢餓で体重を落とす子供を報じる映像を正視できる人がどれほどいるか。つるんとした皮膚の上に鎖骨、肋骨(ろっこつ)、大腿(だいたい)骨が浮き出る様子を親たちはどれほど悲痛な思いで見つめていることだろう。
ガザで取材したとき、イスラエル軍の砲弾で吹き飛んだ隣人の肉片が自宅の壁に張り付いたものの、妻の失神を恐れ内緒にしたとの話を男性から聞いた。現下の惨状はそれをも上回る。
東京・麻布にある駐日パレスチナ代表部。猫の額ほどの地に建つ建物の一室でパレスチナのシアム大使は最近、トランプ米大統領のガザ再建案に言及しながら意外な言葉を口にした。
「ガザのリゾート開発、街の近代化は構わない」
一瞬、耳を疑ったが、住民の雇用・居住が認められるなら、黄金のトランプタワーのごとき施設が出現しても甘受する、との意味だった。絞り出すような声からは、窮状にあえぐ同胞への切実な思いがにじんだ。
国家存続を賭け、ハマス解体を完遂させたいイスラエル。一方、
絶望の淵をさまよい続けるパレスチナ。一日も早い和平の到来を切に願う。
(論説委員)
2025.10.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20251002-GBXU4WEJDVLK7EECJMHWWF3OZY/
米、ハマスと条件交渉か ガザ計画で「機微な協議が進行中」も報道官は具体的な内容示さず
レビット米大統領報道官は1日の記者会見で、
トランプ政権が示したパレスチナ自治区ガザの和平計画を巡り「非常に機微な協議が進行中だ」とし、
トランプ大統領とウィットコフ中東担当特使が関与していると述べた。具体的な内容は示さなかった。
仲介国カタールを通じ、イスラム組織ハマスと計画の受け入れ条件などを交渉している可能性がある。
ハマスは1日、共同通信に、和平計画を慎重に検討しており、
近日中に回答すると説明。
ハマスが求めるイスラエル軍のガザ完全撤収や恒久停戦などを巡り、受け入れに条件を付ける可能性がある。ロイター通信によると、
トランプ氏は1日、カタールのタミム首長と電話会談した。
(共同)
2025.09.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250926-HNL2F2FRIFIWXGMWBUIV7PFPY4/
「ガザ統治にハマスを関与させない」パレスチナのアッバス議長、国連で異例の録画演説
【ニューヨーク=本間英士】パレスチナ自治政府のアッバス議長は
25日、米ニューヨークで行われた国連総会一般討論で録画演説を行った。
イスラエルを擁護するトランプ米政権がアッバス氏らへのビザ(査証)発給を拒否したためで、
事前収録の映像で演説するという異例の形式となった。
アッバス氏はパレスチナを国家承認した英仏などに謝意を示し、未承認国には「承認を強く求める」と呼びかけた。
アッバス氏は、パレスチナ自治区ガザで「ジェノサイド(集団殺害)が起き、家やインフラなどの80%以上が破壊された」と主張。イスラエル軍の攻撃を「単なる侵略ではなく戦争犯罪だ。最悪の悲劇の一つとして歴史書に残るだろう」と非難した。
パレスチナ自治区はガザとヨルダン川西岸に分かれており、自治政府の統治は西岸の一部にとどまる。自治政府の議長選も2005年以降は実施されておらず、アッバス氏の正統性を問う声も以前から上がっている。
22日に国連で開かれた国際会議などで新たに国家承認した各国は、自治政府に抜本的改革を要求。
アッバス氏は演説で、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスを「ガザ統治に関与させない」とし、
「われわれがガザ統治に責任を負う用意がある」と強調。
自治政府の議長選を、ガザでの停戦が実現した後「1年以内に実施する」と述べた。
2025.09.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250920-WX23H2LIZVPLTOGRONDH4DDWUQ/
「日本に勇気があることを願う」 駐日パレスチナ大使インタビュー、各国の国家承認に期待
(聞き手 岡田美月)
ワリード・シアム駐日パレスチナ大使が東京都内で産経新聞とのインタビューに応じた。
シアム氏は9月の国連総会に向けてフランスなどがパレスチナ国家承認の方針を示していることに期待を示した。
一方、イスラエルによるパレスチナ自治区への軍事占領が、イスラム原理主義組織ハマスを含むパレスチナの混乱の根本的な原因だとして、占領を直ちに停止するよう求めた。詳細は次の通り。
-パレスチナ国家承認の動きが広がっている
「各国の動きは変革をもたらす決断だ。国際刑事裁判所(ICC)や国際司法裁判所(ICJ)が指摘するイスラエルによる恒久的な軍事占領と戦争犯罪を拒否し、パレスチナ人に希望、尊厳、主権、平和をもたらすメッセージとなる」
-イスラエルは国家承認に反対している
「イスラエルは国家承認について、重大な過ちでありハマスへの贈り物だと主張しているが、不合理だ。パレスチナは国連によって定められた国境、憲法、法制度があり、国家としての要件を満たしている」
-2023年10月7日、ハマスはイスラエルを奇襲し、民間人を拉致した
「ハマスに全責任があると言いたいかもしれないが、根本的な原因はイスラエルによるパレスチナ自治区への軍事占領だ。イスラエルが平和を望むなら、占領を終わらせなければならない。10月7日の出来事は大惨事だ。われわれはいかなる民間人の殺害にも反対する。しかしそれはイスラエルがガザやヨルダン川西岸、東エルサレムで行っていること(攻撃や入植活動)を継続する言い訳にはならない」
-パレスチナにとり、ハマスはどういう存在か
「われわれは宗教を道具として利用するハマスのイデオロギーには同意できない。パレスチナ解放機構(PLO)とその傘下組織は政教分離を原則としているからだ。ハマスはパレスチナを代表していない。ただ、ハマスがパレスチナ社会の一部であることを否定はできない」
-ガザ情勢を巡る日本の対応をどう思うか
「1950年代からパレスチナを支援してきた日本に感謝している。イスラエルは国連決議などを無視し、(武力戦闘における民間人保護などを定めた)ジュネーブ条約に違反している。日本は常に法の支配を支持し、国際人道法を含む国際法の順守を訴えてきたが、イスラエルとの良好な関係を維持し、ガザにおけるイスラエルの戦争犯罪を本当の意味で非難しているとは思えない。二重基準だ。法の支配や国際法を重視するなら、国を選別せず全てのケースに適用すべきだ。日本に(パレスチナを国家承認する)勇気があることを願う」
(聞き手 岡田美月)
2025.09.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250919-VPIDI43Z45JELIXBVDL6WR3JOA/
ガザは不動産の「掘り出し物」イスラエル財務相 米国と「土地売却で何割かを分配し合う」
(岡田美月)
イスラエルの極右で対パレスチナ強硬派のスモトリッチ財務相は
パレスチナ自治区ガザについて、潜在的な不動産の「掘り出し物」だと述べ、戦闘により荒廃したガザの分割方法に関して米国と協議していると明らかにした。米CNNテレビが18日報じた。
CNNによると、スモトリッチ氏は17日、イスラエルの西部テルアビブで演説し、同国と米国は「戦争に多額の資金を拠出したため、ガザの土地売却で何割かを分配し合う必要がある」と強調。既に米側と土地分割に関する交渉を始めているとして、事業計画は「トランプ米大統領の机上にある」と主張した。
スモトリッチ氏の発言を受け、ホワイトハウス当局者はCNNに対し、イスラム原理主義組織ハマスが「まずは武装解除し、ガザの支配権を放棄すると合意しなければならない」と述べるにとどめた。トランプ氏は今年2月、米国がガザを長期間所有し、ガザの全住民を域外に移住させた上でリゾート開発を行う構想を打ち出している。
(岡田美月)
2025.08.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250821-ZVDN4LFVZFNIJANNZZ6QICK3O4/
イスラエル、西岸で「パレスチナ国家」阻止の住宅建設計画 ガザ市制圧の予備作戦始まる
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザの最大都市、北部ガザ市の制圧に向けて予備作戦を始めたと発表した。
既にガザ市郊外を支配下に置いたとしている。ネタニヤフ首相が制圧までの期間を短縮するよう命じたほか、新たに予備役に招集命令が出された。
イスラム原理主義組織ハマスに停戦協議で譲歩するよう迫る狙いもうかがえる。
制圧作戦についてイスラエルのメディアは、10月上旬までに住民をガザ市から避難させ、続いて軍が攻撃を強化。掌握までに4~5カ月かかると報じていた。
また、軍は20日に予備役6万人に招集命令を出した。計画では総勢13万人が招集される見通しだという。
ハマスは18日、エジプトなどが提示した60日間の停戦案に同意したが、イスラエルは人質の一括返還を含む包括的な戦闘終結に傾いているもようだ。ガザ市の推定人口は100万人で、食料不足の中で避難を強制すれば人道危機の深刻化は避けられない。
一方、ネタニヤフ政権で財務相を務める極右のスモトリッチ氏は20日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区を南北に分断する地域に、ユダヤ人向け住宅約3400軒を建設する計画が政府によって承認されたと発表した。
建設計画は過去に米欧などの批判を受け、度々凍結された。ロイター通信によると、実現すれば西岸と東エルサレムの間が切り離される。どちらもパレスチナ側がガザと合わせ、「将来の独立国家」の領土と位置付ける地域だ。
建設されれば、パレスチナ国家建設によるイスラエルとの「2国家共存」の実現に決定的な打撃になるとの見方が多い。
国連のほか英独などが懸念を表明し、イスラエルに計画を実行しないよう求めた。
2025.08.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250804-GQFIRBREU5MDTDBH6ODFHRPJ6I/
仏・英・カナダ…パレスチナ「国家」承認、主要国で加速 ガザ攻撃のイスラエルを牽制
(カイロ 佐藤貴生)
パレスチナを国家として承認する動きが加速している。
イスラム原理主義組織ハマスを標的にパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルが物資流入を制限し、飢餓の拡大を招いたとして反発が強まった。
フランス、英国、カナダは9月の国連総会をめどに承認する方針で、
イスラエルの後ろ盾である米国も含め駆け引きが激化しそうだ。
最近のパレスチナ国家承認の流れを作ったのはフランスのマクロン大統領だ。「他に選択肢はない」として7月24日に承認する意向をX(旧ツイッター)に書き込むと、29日に英国のスターマー首相、30日にカナダのカーニー首相が追随した。いずれも承認すれば先進7カ国(G7)で初。
フランスとサウジアラビアは7月下旬、米ニューヨークでパレスチナ問題の解決を目指す閣僚級会議を開き、日本など約125カ国が参加した。会議ではパレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家共存」が唯一の解決策だと再確認する宣言を発表した。
パレスチナは国連加盟193カ国のうち約150カ国が国家承認している。ただ、
パレスチナ側が将来の国家の「領土」だとするガザやヨルダン川西岸地区はイスラエルが支配を強化しており、国家建設の実現可能性は低い。
(カイロ 佐藤貴生)
2025.07.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250704-FXKU7UWOAZOI5NGKMXJFMOJAIA/
「死の罠」ガザ支援の物資配給事業に高まる批判 拠点で死者増、イスラエル兵が住民発砲か
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザで住民に食料など物資を配給する「ガザ人道財団(GHF)」の事業を巡り、批判が高まっている。
ガザで作業を始めた5月末以降、配給拠点の周辺では約650人が殺害された。
国連主導の際に約400カ所あった配給拠点は中部と南部の4カ所に減り、腹を空かせて訪れた住民にイスラエル軍兵士らが発砲、殺害した疑いも浮上している。
イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は6月27日、同国軍兵士らの証言として、配給拠点の近くに配置された兵士らが上官の指示により、殺到する住民を追い払うため発砲していると伝えた。配給は毎朝1時間に限られ、それ以外の時間帯に来た住民にも発砲しているという。
毎回、1~5人殺害
兵士の1人は同紙に「配置に着いたときは毎回、1~5人が殺害されている」と述べ、「人命の損失など何の意味もない」と話す予備役兵もいた。証言した人々はイランとの交戦などを通じ、軍がガザへの国際社会の関心をそらすよう努めたと考えているという。イスラエルは外国メディアのガザ入域を禁じている。
また、AP通信は7月3日、GHFの米国人スタッフ2人の証言や入手動画を基に、配給拠点に押し寄せるパレスチナ人にスタッフが実弾を発砲していると報じた。2人は「罪もない人々が傷つけられている」などと訴えた。GHFには米国の民間軍事会社などが協力している。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長は、GHFの手法は「死の罠(わな)」だと非難。170超の人道支援団体も共同声明を発表し、GHF主導の配給事業の停止を求めた。
「最も残酷なジェノサイドの一つ」
このほか、国連のアルバネーゼ特別報告者は3日、イスラエルのパレスチナ占領地での行いは「近代史上、最も残酷なジェノサイド(集団殺害)の一つ」だとし、日米などの45社以上が関与して支援していると批判するなど、イスラエルへの反発が広がっている。
GHFは国連中心の物資配給に不信感を抱く米、イスラエルを後ろ盾に、5月下旬からガザで物資配給を行っている。イスラエルはこれに先立ち、約2カ月半も物資のガザ搬入を遮断し、飢餓の拡大が懸念されていた。
ロイター通信によると、GHFは配給事業を請け負う名目で1億ドル(約144億円)以上の収入を得た。収入源などは明かしておらず、トランプ米大統領の元顧問であるキリスト教福音派の人物が率いている。
GHFは3日、事業開始後に合計5800万個の食料を配給したと発表した。
「配給は問題なく進んでいる」などと主張してきた。
2025.05.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250525-QG26W2SBPJJV7AHPIIY7WOCJCY/
イスラエル軍がガザの女性医師宅を攻撃 子供9人死亡、夫と子供1人も負傷
パレスチナ自治区ガザ当局によると、
南部ハンユニスの住宅に23日、イスラエル軍による攻撃があり、この家に住む子供10人のうち9人が死亡した。残る子供1人と父親は重傷。母親は小児科医で、病院で勤務中だったため無事だった。
米CNNテレビやAP通信によると、死傷した10人の子供は生後7カ月~12歳で、父親も医師。母親は自宅が攻撃されたとの知らせを受ける直前まで働いていた。死傷した家族は、母親の勤務先の病院に搬送された。
イスラエル軍は「付近は戦闘地域とみなされている。民間人の被害は調査中だ」と同国メディアに説明した。
ガザ保健当局のボルシュ局長はX(旧ツイッター)への投稿で「イスラエル軍は医療従事者だけでなく、その家族全員を標的にしている」と非難した。
イスラエル軍は2023年10月の戦闘開始以降、病院への攻撃も繰り返しており、医療体制は危機に陥っている。
(共同)
2025.05.20-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250520-6FGFHZLQFJKBPHEKQLY7XW7IV4/
ガザ、2カ月半ぶりに物資搬入 イスラエルが再開容認 国連「限定的」と批判
イスラエル軍は
19日、パレスチナ自治区ガザに人道支援物資を積んだトラック5台が入ったと発表した。
ガザへの物資搬入はイスラエルが3月2日に停止して以降初めてで、約2カ月半ぶり。国連人道問題調整室(OCHA)のフレッチャー室長によると、トラック9台の入域が許可されたが、
供給は「限定的だ」と批判し増やすよう求めた。
イスラエル首相府が18日に支援物資搬入の再開を発表していた。ネタニヤフ首相は19日、搬入する物資の量について「最低限になる」と説明。トラックは子ども用の栄養補助食品などを積み、ガザ最南部ケレムシャローム検問所から入った。
ガザ当局は「トラック9台分は最低限をはるかに下回っている」と非難し、1日当たりトラック500台分の支援物資と50台分の燃料が必要だと訴えた。
フレッチャー氏も「大海の一滴」と批判し、物資の安定的供給のため、ガザに物資を搬入する複数のルートの確立をイスラエルに求めた。
(共同)
2025.05.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250517-6B75OOAE6ZOBFHFLZZ5VY5IEUU/
イスラエル軍、ガザで大規模作戦開始と発表 米政府は100万人のリビア移住を検討か
【イスタンブール=佐藤貴生】イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザで複数の「戦略的地域」を制圧し、
大規模な軍事作戦の初期段階に入ったと発表した。ニュースサイトのタイムズ・オブ・イスラエルが16日に報じた。
ガザ北部などの住民に南部へ避難するよう勧告しており、人道危機のさらなる深刻化が現実味を帯びてきた。
イスラエル軍はイスラム原理主義組織ハマスに人質解放の圧力をかけるとして、ガザ攻撃を強化。ロイター通信によると15日からの死者数は250人を超えた。
イスラエルは3月初めから食料など全物資のガザ搬入を遮断している。政府当局者は新たな作戦の実施により、ガザを「征服」する可能性があると述べたという。
一方、米NBCテレビは16日、複数の米政府当局者の話として、トランプ政権が100万人規模のガザ住民をリビアに移住させる計画を検討していると報じた。リビアが移住を受け入れるなら、米国が見返りにリビアの数十億ドル相当の資産凍結を解除する可能性があるという。
リビアは首都トリポリの暫定政権と東部トブルクの勢力が対立し、国家分裂状態にある。
トランプ大統領は
2月、ガザ住民をエジプトやヨルダンなどに移住させる構想を発表し、中東諸国を中心に強い反発が起きた。
2025.04.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250402-GGQUANEDPZNCXCTER5HM5YO6IE/
イスラエル、ガザ支配地域を拡大へ 「25%を占領」の報道も 人質解放へ圧力かける狙い
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスと戦うイスラエルのカッツ国防相は
2日、パレスチナ自治区ガザで軍事作戦を強化し、支配地域を拡大する方針を示した。
ガザにおけるハマスの軍事力や影響力を排除し、人質解放に圧力をかける狙いだとした。
カッツ氏は支配地域をどの程度、拡大するかは明言しなかったが、米ニュースサイトのアクシオスは3月31日、イスラエル政府高官の話として、「今後2~3週間でガザの25%を占領する」方針だと報じていた。
イスラエル軍はすでにガザ南部ハンユニスや、エジプトと境界を接する最南部ラファのパレスチナ住民に、ガザの地中海沿岸地区への避難勧告を発令している。イスラエルは住民の自主的なガザ退去を後押しする政策を進めており、攻撃強化や支配地域の拡大を通じ、住民の域外移住を促進する狙いもうかがえる。
イスラエルは2005年にガザから完全撤収した。アクシオスは、イスラエルがガザ再占領に乗り出せば無期限となり、200万人超のガザ住民の生活に責任を持たねばならなくなる-と警戒する高官もいると報じた。
トランプ米大統領は1日、エジプトのシーシー大統領と電話会談し、ガザの戦闘やイエメンの親イラン民兵組織、フーシ派による紅海周辺の船舶攻撃などについて協議した。
イスラエル軍は最近、レバノン南部や首都ベイルート近郊への攻撃を強化したほか、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸でも掃討作戦を継続している。
2025.03.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250320-NRETQ4BITFMPFLYG7IKHKECN2I/
イスラエル、ガザで地上侵攻再開 空爆も継続して事態悪化 国連職員1人が死亡
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は
19日、パレスチナ自治区ガザの中部と南部に部隊を送り、イスラム原理主義組織ハマスを標的に地上侵攻を再開した。
400人超が死亡した18日の大規模空爆に続いて上空からの爆撃も行い、少なくとも48人が死亡した。
事態は急速に悪化しており、約2カ月前に発効した停戦の継続が危ぶまれている。
イスラエルは停戦恒久化を協議する代わりに、一時的停戦を延長して人質などの身柄交換を進める米国案の受諾をハマスに求めてきた。軍事作戦を強化して要求を受け入れるよう圧力をかける狙いがある。
米国務省報道官は19日、一連の提案を拒否して恒久停戦の協議入りを求めるハマスの態度は「完全に受け入れられない」と述べた。その上で、「(提案実現の)機会は残っているが、急速になくなりつつある」と牽制(けんせい)した。
19日には国連のブルガリア人職員1人がガザで爆撃を受けて死亡した。当局者は現場が国連の敷地内で、職員がいることはイスラエル軍も知っていたと指摘した。軍は無関係だと主張して原因を調べているもよう。国連のグテレス事務総長は2023年の開戦以来、少なくとも280人の国連関係者がガザで死亡したとする声明を出した。
イスラエル軍は19日の地上侵攻で、ガザを南北に分断する「ネツァリム回廊」の制圧に乗り出した。軍は1月中旬に発効したハマスとの停戦合意に基づき、回廊から撤収していた。ハマスは停戦違反だとイスラエルを非難した。
2025.03.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250302-24WZ7GVMIZLE7PSTAZXB4IIZ2U/
米提案のガザ一時停戦案、イスラエルは「同意」 ハマスは拒否「支援物資届いていない」
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル首相府は
2日、
米国が提案したパレスチナ自治区ガザの一時停戦案に同意すると発表した。イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)は、
イスラム原理主義組織ハマスが提案の受諾を拒否したため、イスラエルがガザへの支援物資の搬入を全て止めたと報じた。
首相府によると、
停戦案はトランプ米政権のウィットコフ中東担当特使が提示した。すでに始まった
イスラム教のラマダン(断食月)と、その後のユダヤ教の祝祭「過越の祭」(4月20日ごろまで)の期間中の停戦を提案した。
合意に達した場合、発効当日にハマスが残る人質の半数を解放し、残りは最終日に解放するとの内容。イスラエルはハマスが拒否した後も、重大な被害が及ぶと警告して受諾を迫った。
1月19日に発効した停戦合意の第1段階は1日が期限だった。イスラエルは42日間の延長を求めたが、恒久停戦を目指す第2段階に進むよう主張したハマスが拒否し、合意に達しなかった。ハマスは停戦合意で決められた量の支援物資が届いていないとも述べ、イスラエルを非難していた。
ラマダンはイスラム教徒にとって最も神聖な月とされ、日中の飲食が禁じられる。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは2日、ラマダン入りしたガザの人々の声を交え、住民らは不安を抱きつつ停戦の継続を期待していると報じた。
2025.02.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250212-DYZR7IYRP5OTVHL3YHL7UE26IM/
イスラエル、ガザ停戦の終了を警告 ハマスに15日正午までの人質解放を迫る
イスラエルのネタニヤフ首相は11日の声明で、
イスラム原理主義組織ハマスが15日正午までに人質を解放しなければ、
パレスチナ自治区ガザでの停戦を終了し、戦闘に戻ると警告した。
ハマスは、ガザへの支援物資搬入を許可しないなどイスラエルが停戦合意に違反していると主張。
人質解放を遅らせる姿勢を見せており、停戦維持を巡る緊張が高まっている。
一方、トランプ米大統領は
11日、ホワイトハウスでヨルダンのアブドラ国王と会談した際、ハマスが15日正午までに全ての人質を解放すると思わないと語った。
トランプ氏は10日、ハマスに対し15日正午までに全ての人質を解放するよう求め、応じなければ停戦合意が破棄される可能性があると警告していた。
ハマスは10日、人質解放の日程について、予定する15日から遅らせる考えを表明した。
ネタニヤフ氏は11日、人質が解放されなければ「ハマスの敗北」まで激しい攻撃を再開すると強調した。軍に対し、ガザと周辺に部隊を集結するように指示したという。
(共同)
2025.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250201-7ZIGCIQIM5L6ZAISK23LQI5IKY/
ガザ停戦で4回目の身柄交換 人質3人解放、負傷者搬送で2月1日に検問所再開か
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスは
1日、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとの停戦合意に基づき、解放を仲介する赤十字国際委員会(ICRC)に人質3人の身柄を引き渡した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラが伝えた。
イスラエルは拘束・収監したパレスチナ人約180人を釈放する見通し。1月19日の停戦発効以来、身柄交換は4回目。
イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)によると、
解放されたのは35~65歳の男性3人。うち2人は先行してガザ南部ハンユニスで解放され、もう1人は北部のガザ市で解放された。
1月30日の3回目の解放の際は大勢のガザの住民が現場に押し寄せて混乱したが、2月1日の引き渡しは覆面した武装戦闘員らにより整然と行われた。
1日にはガザとエジプトの境界に位置し、イスラエル軍が封鎖していたラファ検問所が再開される可能性がある。ガザの病人や負傷者に域外で治療を受けさせるのが目的で、パレスチナ自治政府と欧州連合(EU)が監視に当たる。
停戦合意では、第1段階の6週間でハマスはイスラエル人33人を段階的に解放する。これまでに計13人が解放された。イスラエルはパレスチナ人計400人を釈放した。
第2段階の詳細な内容を決める協議は近く始まるもようだ。イスラエル軍のガザ撤収による停戦の恒久化を目指すもので、協議は難航も予想される。
2025.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250130-KKMEZ7F7X5I5HEXDJNARDJJ65M/
ハマスが女性2人を解放、タイ人5人も ガザ停戦で3回目の身柄交換 現場でもみ合い
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスは
30日、パレスチナ自治区ガザを巡りイスラエルとの間で19日に成立した停戦合意に基づき、3回目の人質解放を行った。仲介する赤十字国際委員会(ICRC)は、
イスラエル人2人とタイ人5人の計7人の身柄が引き渡されたとイスラエル軍に伝えた。ニュースサイト、タイムズ・オブ・イスラエルが伝えた。
イスラエルは引き換えに投獄したパレスチナ人110人を釈放するとみられる。
解放されたタイ人は出稼ぎ労働者で、身柄交換の合意の枠外で引き渡されたもようだ。
ハマスはこの日、
20代の女性2人と80歳の男性1人の計3人を解放する予定だった。
ハマスや共闘するガザの過激派、イスラム聖戦はガザ北部のジャバリヤ難民キャンプで女性1人を解放。続いて南部ハンユニスでもう1人の女性を解放したとされる。ハンユニスでは大勢の住民やハマスの武装戦闘員が現場に殺到、もみ合いとなって混乱した。
ハマスはガザを実効支配していると誇示する狙いだった可能性があるが、イスラエルのネタニヤフ首相は混乱は「衝撃的」だとして再発防止を求めた。
イスラエルでは30日、
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する新法の施行日を迎えた。政府当局との接触も禁止され、
UNRWA側はガザなどのパレスチナ人支援に深刻な影響が出るとしている。
米国はUNRWAの主張は「誇張だ」としてイスラエルを支持する姿勢を示した。
2025.01.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250126-ZKIONITKGBITJNEN55ZSEZTB5U/
イスラエル軍が撤収期限後もレバノン南部駐留を継続 攻撃で15人死亡、80人以上負傷
イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを巡る停戦合意は26日午前4時(日本時間午前11時)、双方がレバノン南部から撤収する期限を迎えた。
イスラエル軍は撤収期限以降もレバノン南部駐留を継続。ヒズボラやレバノン政府は「合意違反」と反発、緊張が高まっている。
イスラエル軍は期限後に南部に帰還しようとした住民らを攻撃し、レバノン保健省によると、兵士1人を含む少なくとも15人が死亡、80人以上が負傷した。
攻撃は南部各地で発生。住民らは撤収期限後も居座るイスラエル軍に抗議した。ヒズボラは声明で住民らの行動を称賛した。ヒズボラとの直接交戦は起きていないとみられるが、イスラエル軍が攻撃を拡大すれば戦闘の再燃が懸念される。
イスラエル軍は26日、レバノン南部に展開中の部隊が警告射撃し、部隊に近づいた「容疑者」数人を拘束したとの声明を出した。
(共同)
2025.01.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250125-W6PC6TUFZNJOTIVNGUJSAZTPOY/
ハマスが人質のイスラエル人女性4人を解放 停戦発効後2回目の身柄交換
【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスは25日、パレスチナ自治区ガザの停戦合意に基づき、人質にしていたイスラエル人の女性4人を解放した。
身柄は仲介する赤十字国際委員会(ICRC)に引き渡された。イスラエル有力紙ハーレツ(電子版)が伝えた。イスラエルは引き換えに国内で投獄した200人規模のパレスチナ人を釈放する見込み。
身柄交換は19日の停戦発効以来2回目。ハマスが解放したのは19~20歳の女性兵士4人とみられ、いずれも2023年10月、ハマスの戦闘員により軍施設からガザに連れ去られていた。
イスラエルが今回釈放するパレスチナ人には重罪で終身刑を受けた者も含まれるとされ、ハマスは約70人がパレスチナ域外に送還されるとした。
中東のテレビ局アルジャジーラは25日、
人質解放に先立ち、大勢の住民が見守るガザ市の広場に武装した戦闘服姿のハマス戦闘員数百人が車両やバイクで集結し、整列する様子を放映した。
19日の人質解放の際にも同様の映像が公表されたが、さらに大がかりな規模で、組織は健在で住民の支持もあるとアピールする狙いとみられる。ハマスは19日に女性3人を解放、イスラエルが90人を釈放した。
欧米の報道によると、
停戦合意の第1段階は6週間で、ハマスは人質約100人のうち33人を解放する。イスラエルは解放される人質1人につき30~50人のパレスチナ人を釈放する。釈放人数はハマスが解放する人質の性別や年齢、軍人か否かなどにより変わる。
第2段階では、残る人質の解放やイスラエル軍のガザからの完全撤収、恒久的停戦を目指す。
2025.01.-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250114-QW6YB2JLGFLHBPHBIMOFZYWM7E/
イスラエルとハマス、近く停戦合意か 背景に米政権交代と親イラン勢力の影響力低下
【カイロ=佐藤貴生】パレスチナ自治区ガザで戦うイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスが近く停戦で合意するとの観測が出ている。
戦闘開始から約1年3カ月が過ぎたいま、両者が歩み寄る背景には、米政権交代と中東各地の親イラン勢力の影響力低下という情勢の変化がありそうだ。
無制限攻撃の可能性
20日に第2次政権を始動させるトランプ次期米大統領は、自身の就任までにハマスが人質を解放しなければ「中東に地獄が訪れる」と述べた。発言が効果を発揮したとみる向きは多い。
英BBC(電子版)はハマスがこの発言について、イスラエル軍のガザ攻撃に一定の制約をつけたバイデン政権と異なり、トランプ次期政権は人質を解放しなければ攻撃を無制限に認める恐れがある、と考えた可能性があるとした。
トランプ氏はイスラエルとアラブの大国サウジアラビアの国交正常化を実現したい意向とされ、戦闘の長期化はその目標を達成する上で障害となる。このため、次期米政権で中東担当特使となるウィットコフ氏は11日のイスラエル・ネタニヤフ首相との会談で停戦受け入れを強く要求し、協議の進展を引き出したとも報じられた。
イスラエルの世論もネタニヤフ氏の判断に影響を与えた可能性がある。ガザで死亡したイスラエル兵士は400人を超え、停戦を求めるデモが頻発。同氏が掲げた「完全勝利」が何を意味するかも不明だ、などとして批判が強まっていた。
イランの影響力衰退
一方、ガザの戦闘は中東に激震をもたらし、勢力図は一変した。これがハマスの対応が軟化する一因になったとの見方もある。
イランと連携するレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラはイスラエル軍の攻撃を受けて弱体化し、シリアではイランが支援したアサド政権が崩壊した。「シーア派の弧」と呼ばれる対イスラエル包囲網が崩れ、イランの地域への影響力は衰えた。こうした環境の変化がハマスの孤立化を促し、停戦受諾の圧力になったという解釈だ。
停戦が成立したとしても、どこまで維持されるかは見通せない。
報じられている停戦案は第1段階で人質などの身柄交換を進め、第2、第3段階に関する協議は停戦発効から16日後に始まる。
ハマスは第1段階で人質を解放した後、イスラエルが停戦合意から離脱することを危惧しているといわれる。双方が停戦協定に関与し続け、順守するよう監視する第三国の存在もカギを握りそうだ。
2024.10.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241018-7FIK6NTWLFKILND7WUQQPTZHCY/
イスラエル、ハマス最高指導者を殺害 首相は「悪に打撃与えた」 米は停戦交渉推進の構え
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は17日、パレスチナ自治区ガザへの攻撃でイスラム原理主義組織ハマスの最高指導者、ヤヒヤ・シンワール氏を殺害したと発表した。昨年10月7日にハマスが行ったイスラエルへの大規模襲撃の首謀者とされ、同国にとっては戦闘開始以来、
最大級の成果となった。
イスラエルのネタニヤフ首相は
「悪に打撃を与えたが、任務はまだ完了していない」と述べ、約100人とされる人質全員の帰還まで戦闘を続けると言明した。バイデン米政権は停戦の好機だとして交渉を推進する構えだが、戦闘が終結するかは見通せない。ネタニヤフ氏とバイデン大統領はシンワール氏の死亡確認後に電話で会談した。
ロイター通信によると、イスラエル軍は16日のガザ南部ラファでの地上作戦で「3人の戦闘員」を殺害したとし、シンワール氏が含まれている可能性があるとしてDNA型鑑定などで身元確認を行っていた。
欧米メディアは、
シンワール氏とみられる遺体ががれきに埋まっているのを兵士らが見つめる軍発表の写真を掲載した。
ガザの責任者だったシンワール氏は、最高指導者だったハニヤ氏がイラン訪問中の7月末に殺害されたのを受け、後継者となった。イスラエルの暗殺対象リストのトップに名前があったとされ、軍などはガザの地下トンネルに潜伏しているとみて行方を追っていた。
カタールなど海外を拠点に停戦協議に参加していた幹部らに、停戦に応じないよう主張した「強硬派」として知られる。
英BBC放送(電子版)などによると、
シンワール氏は1962年、ガザ南部ハンユニスの難民キャンプで生まれた。
ハマスではパレスチナ人スパイの摘発を進め、多数のスパイを残忍な方法で殺害。イスラエルで収監され、20年以上を獄中で過ごした経験がある。
2024.11.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241128-TPXOJG6MOBLOZLV5LVLMVBYMPE/
イスラエル、レバノン南部で爆撃と発表 停戦発効後初か ヒズボラ「抵抗活動続ける」
【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍は
28日、レバノン南部で親イラン民兵組織ヒズボラの軍事施設を発見、爆撃したと発表した。ロイター通信によると
イスラエル、レバノン両政府の停戦が発効した27日以降でこうした攻撃は初めて。
レバノン軍は27日、合意に基づいて同国南部に展開を始めたと発表した。イスラエル軍は南部で兵士に近寄ってきた不審な4人の身柄を拘束した。ヒズボラのメンバーの疑いもあるとして調べている。
合意によると、60日間の停戦期間中にイスラエル軍はレバノン南部から段階的に撤収し、ヒズボラは南部を流れるリタニ川以北へと撤収する。レバノン軍はリタニ川より南側に展開し、停戦監視に当たる。
ヒズボラは27日、停戦発効後初の声明を出し、イスラエルへの抵抗活動とパレスチナ人の支援を続けるとした。
イスラエル軍のレバノン南部からの撤収を戦闘員が監視するとも述べた。
2024.11.27.-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241127-ZK4455SB3JPV7DPCC2PPNX76UE/
イスラエルとヒズボラ、レバノン停戦で合意 発効は日本時間27日午前11時
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ首相は26日にテレビを通じて演説し、
米国主導で策定されたレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとの停戦案を履行する用意があると表明した。続いてバイデン米大統領が演説し、
停戦は現地時間27日午前4時(日本時間同日午前11時)に発効すると述べた。
昨年10月から1年以上続いた戦闘は終結に向けて動き出した。
中東メディアが報じた停戦案によると、イスラエル軍とヒズボラは互いへの攻撃を停止し、イスラエル軍は60日以内にレバノン南部から撤収する。南部には代わってレバノン軍が展開する。レバノンの兵器売買や製造は同国政府が監督し、不法な兵器製造拠点は破壊される。
ロイター通信は米政府高官の話として、停戦違反を防ぐために米国がレバノン軍に協力すると伝えた。米軍の戦闘部隊は対象地域には立ち入らない方針。レバノン首相府によると、ミカティ暫定首相はバイデン氏と電話会談し、停戦合意を歓迎すると述べた。
一方、ヒズボラ幹部は26日、「(停戦条件を)精査する必要がある」と述べ、対応に含みを残した。
ネタニヤフ氏は演説で、ヒズボラを攻撃して指導者のナスララ師ら主要幹部を殺害し、大半の兵器のほか地下を含む軍事施設を破壊したとし、戦闘能力を大幅に奪ったと主張した。
また、停戦の期間はヒズボラの対応次第だと述べ、合意に違反して再び武装したりイスラエルとの国境近くに施設を再建したりした場合には、「攻撃する」と明言した。この点は米国も理解していると強調した。
ネタニヤフ氏は停戦に同意した理由について、宿敵イランの軍事的脅威への対処に集中し、兵器の補充を進めるためだと述べた。レバノンの戦闘をパレスチナ自治区ガザで続くイスラム原理主義組織ハマスとの戦闘と分離し、ハマスを孤立させる狙いもあるとした。
イスラエルは今年9月、レバノン国境に近い北部から避難している6万人を自宅に帰還させるとしてヒズボラへの攻勢を強め、レバノンへの地上侵攻にも踏み切った。レバノンでは総計3700人超が死亡、120万人が避難民となった。
2024.11.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241125-PC3RF6KQDNLFXH7PXT64RKYCW4/
イスラエルとレバノンが停戦で大筋合意か、ヒズボラは不明 バイデン米政権が仲介
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘を巡り、ロイター通信は25日、米ニュースサイトのアクシオスの情報として、
イスラエルとレバノンが停戦の条件で大筋合意したと伝えた。
ヒズボラが合意したかは不明。
停戦はバイデン米政権が仲介し、最近も特使を中東に派遣して調整を進めていた。当初の案は60日間の停戦期間を設け、
イスラエル軍がレバノンから撤収することなどが含まれていたとされる。
イスラエルは国境周辺からのヒズボラの撤収などを要求し、履行されない場合にはレバノン領を攻撃する権利を保証するよう求め、交渉の障害になっているとも報じられた。
イスラエル軍は昨年10月にヒズボラとの戦闘を開始し、今年9月にはレバノンでヒズボラ指導者ナスララ師を殺害。さらに地上侵攻して攻勢を強めていた。
2024.09.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240924-RUX4HZUIJBK5RK3D6UGLCD6KWI/
ヒズボラ攻撃に国際社会が危機感 「ほぼ全面戦争」イスラエル軍、レバノン地上侵攻観測も
【ラマラ(ヨルダン川西岸)=佐藤貴生】イスラエルが親イラン民兵組織ヒズボラを標的にレバノンで大規模な攻撃を行い、国際社会から懸念する声が相次いだ。
パレスチナ自治区ガザに端を発する中東の戦闘が広域化しかねず、緊張は一段と高まっている。
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は23日、イスラエルのレバノン攻撃を受け、「ほぼ全面戦争」の真っただ中にいると述べ、危機感を示した。
ロイター通信によると、米国務省高官は攻撃を巡ってイスラエルとの間に意見の隔たりがあることを暗に認め、事態の沈静化に向けて関係国と協議する意向を示した。
レバノンでは攻撃で子供35人も死亡したと報じられ、民間に大きな被害が出た。攻撃開始直前には、レバノン国内の携帯電話に8万件の避難要請の連絡が届いたとされる。イスラエル軍が市民の不安をあおる心理戦を仕掛けた可能性もありそうだ。南部から首都ベイルートなど北部へ向かう主要道は脱出を図る多数の車で埋まり、混乱の大きさを示した。
イスラエルにはヒズボラが使う小型の通信機器に工作を施し、9月17、18の両日にレバノン国内で一斉爆発させた疑いが浮上している。ヒズボラ内部の連絡網を寸断した上で、大規模攻撃に乗り出し、最大限の打撃を与えることを狙った可能性もある。
イスラエル軍がレバノンへの地上侵攻を検討しているとの見方もある。イスラエルはレバノン国境周辺の交戦で避難を余儀なくされている北部の住民約6万人を帰還させる方針を示している。住民の安全確保のため、軍を侵攻させてレバノン南部との間に「緩衝地帯」を設けるとの観測だ。
大規模攻撃を受けた後も、ヒズボラはロケット弾などによりイスラエルを攻撃しており、抗戦が続くことは確実だ。イスラエル軍が地上侵攻に踏み切れば、戦闘の長期化や戦費の増額は避けられない。イスラエルのネタニヤフ政権の次の一手は今後の戦局を大きく左右する。
2024.09.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240923-KNJ6UUOVNVMMLGMTNPWAFGK3PM/
イスラエルがヒズボラ拠点300カ所を攻撃 100人死亡、400人超負傷
【ラマラ(ヨルダン川西岸)=佐藤貴生】イスラエル軍は
23日、レバノンにある親イラン民兵組織ヒズボラの拠点300カ所以上を攻撃した。イスラエルのメディアが報じた。英BBC放送によると少なくとも100人が死亡、400人超が負傷した。イスラエルとヒズボラの軍事衝突は拡大の一途を示し、中東情勢は急速に不安定化している。
イスラエル軍は23日朝、ヒズボラがイスラエルへのロケット弾による大規模攻撃を計画していたとして、レバノンへの攻撃を始めた。
ヒズボラは22日、多数のロケット弾などでイスラエルを攻撃し、第3の都市ハイファ近郊の建造物が損傷した。ヒズボラのナンバー2、カセム師はイスラエルとの「期限なき戦い」に突入したと述べていた。
イスラエル軍は22日未明までの24時間に約290カ所のヒズボラの拠点を攻撃した。ネタニヤフ首相は22日、「ヒズボラが(イスラエルの)メッセージを理解していないのなら、理解させる」と述べた。
イスラエル政府はレバノンと国境を接する北部一帯の住民約6万人を避難させている。イスラエル軍のハレビ参謀総長は詳細には触れず、「次の段階」に向けて準備していると述べた。
レバノンでは17、18日にヒズボラなどが使用する通信機器が多重爆発し、ヒズボラはイスラエルが事件に関与したとして報復を宣言。イスラエル軍は20日、ヒズボラの幹部司令官を空爆で殺害し、双方の緊張が急速に高まっている。