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2020.12.27-Yahoo1Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ca5c6962c337f36cb3adbec3eff18c29c4f9876a
水虫薬に睡眠剤混入、被害31人増え216人に…交通事故は1件増の23件

  製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)が製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、同社は27日、健康被害を訴えた人が前日より31人増え、216人になったと発表した。
  薬を処方された364人の約6割に上る。同社は「医療機関からまとめて報告があったため」と説明している。
  服用後、意識を失うなどして起きた交通事故は1件増の23件となった。健康被害を訴えた人のうち、入院したか救急搬送された患者は37人。患者2人が死亡している。
  同社は、混入のあった「イトラコナゾール錠50『MEEK』」と、同錠の「100」「200」シリーズの計3品目のほか、厚生労働省の立ち入り調査の際に作業手順の再確認を求められたなどとして、高血圧の治療薬など16品目を自主回収している。
問い合わせは同社学術部(0120・093・291)。


2020.12.23-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/business/news/201223/bsm2012231238012-n1.htm
小林化工への立ち入り調査終了 厚労省と福井県

  福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入した問題で、福井県は23日、厚生労働省や県などによる、医薬品医療機器法に基づく同社への立ち入り調査が終了したと明らかにした。調査は21、22日の2日間にわたり、年明けにも結果がまとまる見通し。

  調査には、厚労省と県の他、医薬品の承認審査などを担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)が参加した。厚労省によると、調査では、作業記録や担当者への聞き取りから製造実態を確認。同省の担当者は、業務停止命令の行政処分が妥当だとの見方を示している。
  小林化工の21日時点の集計で、意識障害などの健康被害の報告は158件に上り、服用した70代女性と80代男性の死亡が確認されている。


2020.12.21-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/201221/wst2012210009-n1.html
小林化工、水虫薬以外でも承認外の作業

  福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造した爪水虫などの治療薬イトラコナゾール錠50「MEEK」に睡眠導入剤成分が混入した問題で、同社が他の薬品についても、厚生労働省の承認外の作業手順で製造していたことが21日、分かった。医薬品医療機器法(薬機法)違反にあたり、厚労省などは同日、同社に立ち入り調査に入った。
  同省は、死者2人を含め150人以上の健康被害が報告される事態を重くみて、薬機法に基づく業務停止命令など厳しい行政処分で臨む構えだ。
  同社は今月に入り、睡眠導入剤成分が混入し健康被害が発生したとして、イトラコナゾール錠50「MEEK」の自主回収を開始。同社によると、目減りした原料を追加する作業の際、担当者が成分の入った容器を取り違えた。この追加作業は厚労省の承認を得ていない工程だった。
  同省によると、同社はイトラコナゾール錠以外の複数の薬についても、承認していない作業手順で製造していたことを福井県に報告していたという。同省は、薬の種類を確かめるとともに、製造現場で承認から逸脱する作業が常態化していなかったかについても調べている。
  同省監視指導・麻薬対策課の田中徹課長は取材に、「睡眠導入剤の成分が混入するという、ありえない事態。医薬品産業全体の問題として極めて重大だ。厳正に対処していく」と話した。
  同社の集計で、意識障害などの健康被害の報告は20日午前0時時点で156件に上り、服用した70代女性と80代男性の死亡が確認された。


2020.12.17-Dmenuニュース(読売新聞)-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20201217-567-OYT1T50177?fm=topics
水虫薬に睡眠剤混入、2人目の死者…入院中の80代男性

  製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)が製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、同社は17日、服用した80歳代の男性が11月23日に死亡していたと発表した。服用者で死亡が確認されたのは2人目。
  同社は、問題の薬を処方された患者全員に一律30万円の慰謝料を支払うほか、健康被害があった患者の治療費や事故への補償も行うと発表。第三者の専門家による調査委員会を設置して原因究明を進める。
  同社によると、死亡した男性は中部地方の病院に入院中だった。服用により軽い意識障害があったが、別の疾患があったことに加え、服用をやめてから一定期間後に死亡しており、同社は男性の主治医の見解として「服用と死亡との因果関係は薄い」としている。
  問題の薬は、医師の処方箋が必要な「イトラコナゾール錠50『MEEK』」。今年9〜12月に出荷した約9万錠に、1錠あたり5ミリ・グラムの睡眠導入剤成分「リルマザホン塩酸塩水和物」が混入していた。1回あたりの最大投与量の2・5倍にあたる。処方されたのは31都道府県の364人で、健康被害を訴えた人は157人(17日午前0時現在)。今月10日には、首都圏の病院に入院中だった70歳代の女性が死亡している。
  服用によって意識を失うなどして起きた交通事故は20件(同)となり、同社は17日、「人身事故もあった」と初めて明らかにした。事故で少なくとも1人が骨折したとしているが、詳細は明らかにしていない。


2020.12.17-福井新聞 Online-https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1225854
小林化工、睡眠剤投入の作業記録残る(健康被害8人増え154人に)

  福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤成分が混入し、全国で健康被害が報告されている問題で、従業員が製造過程で睡眠導入剤成分を投入したことを示す作業記録が残っていたことが12月16日、福井県への取材で分かった。新たに会社の品質管理やチェック機能が不適切だった疑いが出てきた。

  睡眠導入剤が混入し自主回収となったイトラコナゾール錠50「MEEK」は今年6、7月に製造された。県医薬食品・衛生課によると、作業記録には本来記載する有効成分「イトラコナゾール」を示す番号ではない、睡眠導入剤成分「リルマザホン塩酸塩水和物」を示す番号が書かれていた。
  同社はこれまでに、成分を誤ったことについて二つの容器が全く違うことから「一般的な感覚からすれば、取り違えるレベルではないはず」などと報道陣に説明している。
  また小林化工は16日、服用者の健康被害の報告が全国で8人増え、154人になったと公表した。救急搬送や入院した人は2人増え35人。自動車などによる交通事故は前日と変わらず19件。
  同社は全289製品の出荷を14日から一時停止しており、「再開時期は未定」としている。


2020.12.14-朝日新聞 DIGITAL-https://www.asahi.com/articles/ASNDG5TP9NDGUTFL008.html
75歳以上の医療負担増や児童手当で結論 政府検討会議

  政府の全世代型社会保障検討会議(議長・菅義偉首相)は14日、最終報告となる「全世代型社会保障改革の方針」をまとめた。75歳以上の医療費の自己負担割合について、単身世帯は年間の年金収入200万円以上(夫婦2人世帯は計320万円以上)を対象に、2022年度後半から2割に引き上げることなどを明記した。
  報告は基本的考え方として「現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直す」とした。菅首相は「少子高齢化が急速に進む中にあって、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継ぐことが我々の世代の責任だ」とあいさつした。15日にも方針を閣議決定し、必要な法案を来年の通常国会に提出する。
  医療費窓口負担の2割引き上げの対象は約370万人。窓口負担を増やすことで、75歳以上の医療費の4割(自己負担を除く)を負担する現役世代の負担軽減につなげる。
  実施後3年間は、1カ月あたりの負担増が3千円を超えない経過措置を講じる。75歳以上の自己負担額は平均すると今より3・4万円多い年間11・5万円となるが、経過措置の期間は年間10・6万円に抑えられるという。
  待機児童対策として21年度から4年間で約14万人の保育の受け皿を整備し、財源として児童手当の高所得者向けの特例給付を縮小する。子ども2人の専業主婦家庭の場合、いまは夫の年収が960万円以上なら月5千円の特例給付が支給されているが、22年10月分以降は年収1200万円以上だと、特例給付が支給されなくなる。一方、所得基準の算定基準を現在の「世帯で所得が最も高い人」から「世帯合算」に変更する見直しについては、世代間の公平性の観点などから「引き続き検討する」とした。
  22年度から不妊治療を保険適用とすることも明記し、20年度中にいまの助成制度の拡充を始める、とした。所得制限の撤廃や毎回30万円といった助成の増額を行う。男性の育児休業取得を促進するため、企業に休業制度の周知を義務化することなどを検討する。(久永隆一)


2020.12.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012756371000.html
75歳以上医療費 2割に引き上げ 年収200万円以上対象で合意

  75歳以上の医療費の窓口負担を2割に引き上げる方針をめぐり、田村厚生労働大臣と自民・公明両党の政務調査会長らが会談し、年収200万円以上を対象とし、引き上げの時期を2022年10月から翌2023年3月までの年度後半とすることで合意しました。

  75歳以上の医療費の窓口負担を2割に引き上げる対象の範囲をめぐり、菅総理大臣と公明党の山口代表が9日夜、会談し、双方の主張のほぼ中間にあたる年収200万円以上を対象とすることで合意しました。
  これを受けて、10日午後、田村厚生労働大臣、自民党の下村政務調査会長、公明党の竹内政務調査会長らが国会内で会談し、最終的な合意に向けた協議を行いました。
  その結果、菅総理大臣と山口氏の会談を踏まえ、引き上げの対象を年収200万円以上とし、2022年度からとしていた引き上げの時期については、2022年10月から、翌2023年3月までの年度後半とすることで合意しました。
  厚生労働省の試算では、引き上げの対象者は、およそ370万人となり、これらの人については、急激な負担の増加を抑えるため、引き上げの開始から3年間は、1か月あたりの自己負担の増加額を、3000円までとする措置をとることになりました。
  また、児童手当をめぐっても、待機児童の解消に向けた財源を確保するため、2022年10月からは、夫婦のうち所得が高い人の年収が1200万円以上の場合、「特例給付」の対象から外すことで合意しました。
200万円以上なら約370万人が対象
  2割負担を求める所得について、厚生労働省は、年収で▼240万円以上、▼220万円以上、▼200万円以上、▼170万円以上、▼155万円以上の5つの案を示していました。
  菅総理大臣は、若い世代の将来の負担軽減を図りたいとして、年収170万円以上を対象としたい考えでした。これは、所得税の課税対象となる水準にあたり、現役世代並みの所得がある人を除く75歳以上の31%にあたるおよそ520万人が対象となります。
  現役世代の負担を年間で1220億円、軽減できるとされています。しかし、公明党は、負担を求める範囲が広すぎるとして、最も対象を絞ることができる年収240万円以上を提案しました。この案は、介護保険の自己負担が2割となる対象者の割合と同じ程度の水準で、対象は、全体の13%にあたるおよそ200万人となります。
  そして、昨夜菅総理大臣と山口代表が合意したのが、双方の主張のほぼ中間にあたる、年収200万円以上を対象とする案です。平均的な収入で算定した単身者の年金額を上回る水準で、およそ370万人が対象となり、実現すれば、現役世代の負担軽減は、年間880億円と見込まれています。
なぜいま議論?
  75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度は、患者の窓口負担を除いて、財源の4割が会社員らが加入する健康保険組合からの支援金で賄われています。
  しかし、高齢化が進み、医療費が増加しているのに伴って健康保険組合の財政を圧迫していて、現役世代の負担軽減を求める声が上がっています。
  このため、政府は、世代間の公平性を図りながら制度を維持していくため、いわゆる「団塊の世代」が75歳になり始める2022年度までに、年齢ではなく、所得などに応じて負担を求める考え方に見直す方針を示していました。
  菅総理大臣も、先月24日に開かれた政府の全世代型社会保障検討会議の会合で、引き上げの対象とする所得の線引きなどについて、与党とも十分に調整するなどして、年内に結論を出すよう関係閣僚に指示していました。
菅首相「高齢者と若者が支え合っていくこと大事」
  75歳以上の医療費の窓口負担を2割に引き上げる方針をめぐり、菅総理大臣は、記者団に対し、公明党の山口代表と合意したことについて「将来を考えた時、高齢者と若者が支え合っていくことが大事だということで意見が一致した」と述べました。
  75歳以上の医療費の窓口負担を2割に引き上げる方針をめぐり、9日夜、菅総理大臣と公明党の山口代表が会談し、年収200万円以上を対象とすることで合意しました。
  菅総理大臣は、視察先の岩手県宮古市で、記者団に対し「昨夜、山口氏と会談した。後期高齢者の2割負担について年収200万円をめどに大枠で合意し、きょう、自民・公明両党の政務調査会長厚生労働大臣で、詳細について、詰めの作業を行うことにしている」と述べました。
  その上で「再来年には、団塊の世代が後期高齢者になる。社会保障とわが国の将来を考えた時に、高齢者と若者が互いに支え合っていくことが、極めて大事だということで意見が一致した」と述べました。
加藤官房長官「施行時期など政府・与党間で調整を行っていく」
  加藤官房長官は、午前の記者会見で、「少子高齢化が急速に進む中で、現役世代の負担上昇を抑えながら、すべての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくことは、私たちの責任だ。少しでも多くの方に支える側として活躍し、能力に応じた負担をいただくことが必要だ」と述べました。
  そのうえで、加藤官房長官は、「きのうの菅総理大臣と公明党の山口代表との意見交換などを踏まえながら、施行時期や激変緩和措置の具体的な内容について、政府・与党間で調整を行っていくことにしている」と述べました。
自民 佐藤総務会長「これを機に両党のやりとり もっと緊密に」
  自民党の佐藤総務会長は、記者会見で「菅総理大臣もかなり妥協したが公明党の言うことを全部を聞くわけではないという意思表示でもあったと思う」と指摘しました。
  そのうえで、調整が難航したことについて「公明党も新たな執行部になってから時間がたっておらず、菅内閣も発足からまだ数か月でその辺が少しあったのではないか。これを機に両党のやりとりは事前にもっと緊密にやってもらえるのではないか」と述べました。
自民 下村政務調査会長「両党の連携に問題があるわけではない」
  自民党の下村政務調査会長は、記者会見で「お互いに相当歩み寄った中での政治的な判断であり、合意できてほっとしている。負担が増えることは申し訳ないが、世界に誇る国民皆保険制度を維持し、若い人に負担を回さないため、このような判断をせざるを得なかった」と述べました。
  そのうえで、合意までに調整が難航したことについては「菅総理大臣が年収170万円以上を対象としたいと考えていたため、公明党とは最初から考えに相当な開きがあり、なかなか妥協点を見いだせない中での議論だった。両党の連携に問題があるわけではない」と述べました。
公明 竹内政務調査会長「ギリギリのラインで合意」
  公明党の竹内政務調査会長は、記者会見で「今回の窓口負担の引き上げは、生活に大きな影響を及ぼすおそれがあり、急激な負担の増加を抑える『配慮措置』が盛り込めて大変よかった。生活への影響を少しでも抑えたいという配慮だ」と述べました。
  そのうえで、合意までに調整が難航したことについては「まさに政治判断で、菅総理大臣に歩み寄ってもらい、ギリギリのラインで合意できたことはよかった。自民・公明両党で話し合いをして、選択肢を見つけようとした結果であり、今後の両党の関係には何ら問題ない」と述べました。
共産 志位委員長「血も涙もない冷酷な政治」
  共産党の志位委員長は、記者会見で「断固として反対する。高齢者は、今の1割負担でも受診を控えている深刻な実態があり、コロナの問題でさらに拍車がかかっている。社会全体で、高齢者の命と健康を守るために取り組んでいるさなかに、『受診控え』に追い打ちをかけるような対策を決めるのは、血も涙もない冷酷な政治だ」と述べました。


2020..12.01-ラジトピ(ラジオ関西トッピクス)-https://jocr.jp/raditopi/2020/12/01/193231/
旧優生保護法・ 強制不妊は「違憲」大阪地裁、賠償請求は棄却 聴覚障害者ら敗訴

  旧優生保護法(1948~1996年)のもとで不妊手術を強制されたのは憲法違反だとして、聴覚障害のある大阪府の80代男性、70代の妻と知的障害のある近畿在住の女性(77)の計3人が国に計5500万円の損害賠償を求めた訴訟で大阪地裁は11月30日、訴えを棄却する一方、旧優生保護法は憲法に違反するとの判決を言い渡した。賠償請求は、手術から提訴まで20年の「除斥期間」が経過し消滅したとして、いずれも棄却した

  旧優生保護法をめぐる一連の訴訟では、神戸、大阪、東京、仙台など全国9地裁・支部で起こされ、今回が3件目の判決。 2019年5月の仙台地裁、2020年6月の東京地裁で判決が出ており、いずれも原告側の請求が棄却された。 旧優生保護法の違憲性を認めたのは仙台地裁判決に続き大阪地裁が2例目となる。
   訴状によると、夫婦は、妻が妊娠9か月目の1974年5月、病院で胎児に異常があると言われ帝王切開を受けた際、知らぬ間に不妊手術を受けさせられた。胎児は死亡した。女性は15歳の時に日本脳炎を患って後遺症で知的障害になり、高校卒業後、母に連れられて入院、不妊手術を受けさせられたとしている。
   夫婦は2019年1月、女性は2018年9月にそれぞれ提訴。 旧優生保護法は「子を産み育てるかどうかの自己決定権(リプロダクティブ・ライツ)を侵害した」などと訴えていた。強制不妊手術をめぐっては2019年4月、被害者に一時金320万円を一律支給する救済法が施行された。
   仙台地裁判決は旧優生保護法が違憲と判断する一方、被害救済への立法措置を取らなかった国の賠償責任については、法的議論の蓄積がなかったなどとして否定し請求を棄却。東京地裁判決は30日の大阪地裁同様、手術から提訴までに、賠償請求権が消滅する20年の「除斥期間」が経過したとして請求を退けたが、東京地裁は旧優生保護法の違憲性には言及していない。


2020.11.26-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/201126/lif2011260052-n1.html
1人年最大1800円抑制 現役世代保険料 75歳医療費負担引き上げで

  75歳以上の医療費窓口負担1割から2割へ引き上げる制度改革について、厚生労働省は26日、引き上げにより現役世代の負担がどれぐらい減るのか、試算結果を公表した。最大で年間総額1800億円程度、1人当たりの保険料では年間最大で1800円程度抑制される計算となる。
  一方、制度改革をしなかった場合、現役世代の負担は、令和7年度には現在より1兆4千億円増え、8兆2千億円になるとした。
  75歳以上の人が入る後期高齢者医療制度は、約4割が現役世代の保険料からなる「後期高齢者支援金」で賄われる。7年には団塊の世代全員が75歳以上となり、この期間に医療費が急増する見通し。政府は、現在原則1割となっている高齢者の窓口負担を2割に引き上げ、現役世代の支援金負担を抑えたい考えだ。
  試算によると、仮に制度改革をしなかった場合、2年度に6兆8千億円だった支援金が、7年度には8兆2千億円に跳ね上がる。


2020.11.23-産経新聞 THE SANKEI NEWS -https://www.sankei.com/politics/news/201123/plt2011230005-n1.html
不妊助成 所得制限撤廃へ 首相「来年すぐにでも支援策」

  菅義偉(すが・よしひで)首相は23日、不妊治療を受ける人への費用助成制度の支援拡充をめぐり「支援策を来年すぐにでもできるようにしたい」と述べ、所得制限(夫婦の合計所得730万円未満)を撤廃する意向を明らかにした。追加経済対策の裏付けとなる令和2年度第3次補正予算案で関連予算を確保する見通しで、不妊治療の支援策の実施を急ぐ考えだ。企業経営者らを対象にした東京都内の会合で発言した。
  首相は会合で少子化対策に言及し、不妊治療について公的医療保険の適用拡大までは時間が必要なため支援策を拡充すると強調し、「これから予算(編成)で方向性を決める。所得制限も撤廃したい」と述べた。不妊治療の保険適用は、首相が自民党総裁選や所信表明演説でも実現に意欲を示し、政権の重要政策と位置付けている。
  政府が来年創設を目指すデジタル庁の人材については「海外からの人材、あるいは育てていただいた世界で活躍できる方をデジタル庁で受け入れる」と述べた。人材確保に関して「官民の交流が重要だ。役所で民間の人が働くのは壁があるわけで、そうしたものを取り払うことは大事だ」と強調。その上で「いろんなことが考えられる」とも語った。
  また、新型コロナウイルスの影響で4~6月の国内総生産(GDP)が戦後最悪の落ち込みとなったことを指摘したうえで「国民の命と暮らしを守る。それが私の最大の使命だ」と強調した。


2020.11.09-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/econome/news/201109/ecb2011091442003-n1.htm
「酒に弱くなる遺伝子」が関係か 「再生不良性貧血」発症の一端を解明

  「酒に弱い体質」の人が持つ遺伝子変異が、血液細胞が十分に作れない難病「再生不良性貧血」の一種の発症に関係している-。こうした研究結果を京都大の高田穣教授(分子生物学)らの研究グループが発表した。遺伝子変異で発症した患者への新たな治療法の開発につながると期待される。

  再生不良性貧血は、血液細胞を作る造血幹細胞が減少し、貧血を起こしたり血が止まりにくくなったりする病気。多くは後天的な発症だが、まれに生まれつきの遺伝子変異で発症する場合もあり、原因となる遺伝子が分からない患者もいた。

  グループは、再生不良性貧血の研究で集められた血液試料の遺伝子情報を解析。原因不明とされた患者7人で、アルコールを分解していく過程で働く「ALDH2」遺伝子と、人体に有害なホルムアルデヒドを分解する過程で働く「ADH5」遺伝子に変異があることを発見した。
   ALDH2遺伝子の変異は日本人の半数にあり、酒に弱い体質になるという。
   この2遺伝子が働かないマウスを調べると、ホルムアルデヒドが分解されず、蓄積することが確認された。2つの遺伝子変異が組み合わさることで、ホルムアルデヒドが造血幹細胞の増殖を妨げ、正常な血液細胞が十分に作られずに再生不良性貧血を発症させるとみられる。
  高田教授は「人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って病態を再現し、遺伝子の働きを高める治療法を開発したい」としている。


2020.11.05-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/econome/news/201105/ecb2011051904003-n1.htm
大病院の過半数、事故報告「ゼロ」…医療事故調査制度5年
(1)
  患者の「予期せぬ死亡」を対象に5年前に始まった医療事故調査制度をめぐり、全国にある400床以上の大病院の過半数が、調査の起点となる第三者機関への事故報告を1度もしていないことが分かった。専門家からは「報告に抵抗感があるからではないか」との指摘もあり、第三者機関では厚生労働省が高度医療を提供する特定機能病院に立ち入り検査する際、報告件数も確認項目に加えるよう求める方針だ。

  制度は医療法改正に伴い、診療や治療に伴う想定外の患者の死亡や死産を対象に平成27年10月にスタート。再発防止を目的に掲げ、第三者機関「日本医療安全調査機構」への報告や院内調査、遺族への調査結果の説明が義務化された。遺族が院内調査に納得できなければ、機構に再調査を依頼することもできる。
  だが、機構に報告するかどうかを判断するのは遺族ではなく病院側で、報告は制度開始以降、年300件台で推移。当初、機構は過去の発生状況などから最大で年2千件程度と見込んでいたが、大きく下回っている。機構によると、制度発足以来報告実績ゼロの病院は昨年12月時点で、400床以上の大病院に限っても、788院中447院と約57%を占める。
(2)
  機構は病院側に報告を促すため、昨年末に作業部会を設置。「医療機関は『事故』という言葉に、悪い、過失のイメージを抱く」とし、医療事故に代わる通称名を検討している。また、厚労省が特定機能病院に医療法に基づき立ち入り検査する際、機構への報告件数も確認するよう要請する予定という。作業部会の委員を務める「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」の永井裕之代表は「機構が病院を指導する権限や責任を強化する必要がある。報告件数が増えなければ、遺族に信頼される制度にならない」と話す。

  事故を起こした病院が自ら調査する制度に不信感を持つ遺族も多い。機構が30年に医療事故の遺族に実施したアンケートでは、23遺族中9遺族が院内調査を「理解できなかった」と回答。11遺族が「調査結果に納得できなかった」としていた。医療問題に詳しい松田耕平弁護士は「医療事故の真相究明と再発防止には、病院側が事故の発生直後に遺族に丁寧に説明し、遺族の声を聞くことが欠かせない。遺族側が病院に対して事故調査を求める権利を認めることも必要だ」と指摘する。


2020.10.31-ameba-https://ameblo.jp/ishinsya/entry-12634976738.html
中国でブルセラ菌漏洩し住民が集団感染!コロナウイルス感染を隠蔽した責任を追求すべき!

  新型コロナウイルスの「震源地」となったchina中国。マスメディアはこの大事な指摘を避けているから不思議だ。新たに別の病原体による大規模な人災が発生していたと産経新聞が報じている。この事件は9月17日に鈴木信行ブログでも取り上げているが、問題を指摘したい。

china甘粛省蘭州市の製薬工場で昨年夏に、人獣感染症「ブルセラ症」の動物用ワクチン工場から菌が漏洩した。周辺住民ら約3600人が感染していたという。
  深刻な被害が出ていたにも関わらず、中国共産党政権は実態を公表しなかった。コロナウイルスの場合も、研究所からの漏洩が事実ならば、隠蔽体質の中国共産党政権の言葉を信じることはできない。
  Chinaのワクチン生産工程はずさんだ。年内には武漢市から感染拡大したコロナウイルスのワクチンの投与開始を目指すというが、ずさんなchinaで再度の漏洩は大丈夫だろうか?そもそも、武漢肺炎コロナウイルスは、武漢市にある研究所から漏洩したという疑いは晴れていない。

  昨年7~8月、国有企業傘下の「中牧蘭州生物薬工場」で使用期限切れの消毒剤を使用したため、ブルセラ症の原因菌が減菌されないまま空気に混じって排出され、工場の風下にあった蘭州獣医研究所の職員や学生ら203人の感染が血液の抗体検査によって判明したというのだ。
  湖北省武漢市で起きたコロナウイルスの漏洩と同じではないか?China政府は、新型コロナの累計感染者について発症者のみを公表している。
  日本とは違い、無症状者は加算していないのだ。今回ウイグル自治区で集団感染が公表された。ところが160人以上の感染者が確認されながら、1人も有症者がいないのは不自然だ。

  中国共産党政権の隠蔽体質が世界をウイルス感染という恐怖に陥らせた。反省ない中国共産党は、この恐怖を繰り返すだろう。日本は入国規制を緩和して大丈夫だろうか?中国共産党政権の言葉を信じることは極めて危険であり、日本国民の健康を損なう結果となる。
  中国共産党政権が今年の始めにコロナウイルスの感染拡大を公表していたら、世界は感染拡大に苦しむことはなかった。
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2020.10.13-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20201013/0001.html
ブルセラ症菌漏洩で住民3600人感染 コロナ彷彿…“隠蔽”暴いた中国誌スクープ

  新型コロナウイルスの「震源地」となった中国で、別の病原体による大規模な人災が発生していた。中国甘粛省蘭州市の製薬工場で昨年夏、人獣感染症「ブルセラ症」の動物用ワクチン工場から菌が漏洩(ろうえい)し、周辺住民ら約3600人が感染妊婦が流産を余儀なくされるなど深刻な被害が出ていたにも関わらず、中国メディアが問題をすっぱ抜いた今年9月まで地方政府は実態を公表していなかった。 (北京 西見由章)

  蘭州市当局は10月10日、感染者に対する具体的な補償内容を公表し、ようやく問題解決に向けた姿勢を打ち出した。だが今回の事件では感染症をめぐる中国当局の隠蔽体質だけでなく、ワクチン生産工程のずさんさも浮き彫りに。中国が年内の正式投与開始を目指す新型コロナワクチンにも不安を生じさせる結果となった。
  約10カ月にわたる長期取材によってブルセラ症原因菌漏洩の実態をスクープしたのは、9月14日発行の中国誌「財新週刊」。表紙に加えて18ページの大特集を組んでおり、編集部の意気込みが感じられる。
  本来、中国本土のメディアは「共産党の喉と舌」と呼ばれ、宣伝機関として強い統制を受ける。だが財新は党の実力者、王岐山国家副主席と密接な関係にあるとされ、当局側の不正や失態に鋭く切り込む数少ないメディアの一つだ。
  その財新によると、地方当局が菌漏洩問題について最初に公表したのは昨年12月26日。同7~8月、国有企業傘下の「中牧蘭州生物薬工場」で使用期限切れの消毒剤を使用したため、ブルセラ症の原因菌が減菌されないまま空気に混じって排出され、工場の風下にあった蘭州獣医研究所の職員や学生ら203人の感染が血液の抗体検査によって判明したとの内容だ。
  ただその第一報は、深刻な事態であることを極力否定するという点において、ほぼ同時期に湖北省武漢市当局が発表した新型コロナ感染をめぐる内容と酷似している。


2020.10.24-YahooJapanニュース(WoW !Korea)https://news.yahoo.co.jp/articles/ee984204eb74534e2959c5ce28d97b5f08aea6f9
インフルワクチン接種後の死亡「48人」…疾病管理庁長「速やかに調査する」=韓国

  韓国では、インフルエンザワクチンの接種後に死亡した事例が、今日(24日)基準で「48人発生している。前日午後1時基準の36人から12人増えたことになる。

  主要な異常反応としては、アレルギーが245件、発熱204件、局所反応177件、その他480件となり、死亡事例は48件である。
   死亡事例の年齢は、70代が22人、80代が16人などで、70代から80代がほとんどを占めている。 防疫当局は、前日に行なわれた被害調査班の会議と、この日の午前の予防接種専門委員会会議を経た結果、そのうちの26人の場合は インフルエンザワクチンの予防接種との因果関係がかなり低く「予防接種の継続は必要だ」と伝えた。 チョン・ウンギョン(鄭銀敬)疾病管理庁長は「インフルエンザの国家予防接種の進行過程で、ワクチンの流通と、また ワクチン粒子などの問題点が発生し、最近になって重症な異常反応、死亡報告が増加していることによって、国民の不安感を一層大きくさせてしまったことに対して、防疫当局の当事者として、とても申し訳ない」と伝えた。 つづけて「毎日 公開している予防接種の異常反応の報告事例は、まだ 予防接種やワクチンとの関連性が明らかになっていない報告の統計だ」とし「予防接種が原因となって死亡した事例と誤認しないよう、慎重に解釈していただきたい。より一層 速やかに調査し、透明性をもって情報を公開する」と付け加えた。
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2020.10.21-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201021/k10012674331000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001
東京女子医科大学病院 2歳男児死亡 担当医師6人を書類送検

  6年前、東京女子医科大学病院で手術のあと鎮静剤を投与された2歳の男の子が死亡したことについて、警視庁は、容体を適切に把握せず薬の使用を続けたなどとして、担当した医師6人を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
  6年前の2014年2月、東京 新宿区の東京女子医科大学病院で首の腫瘍の手術のあと人工呼吸器を付けて集中治療を受けていた2歳の男の子が、鎮静剤の「プロポフォール」を投与された3日後に死亡しました。
  「プロポフォール」は人工呼吸器を付けて集中治療が行われている子どもへの使用が原則として禁止されていましたが、警視庁のこれまでの調べで男の子には70時間以上にわたって投与されていたことが分かっています。
  捜査関係者によりますと、心電図の波形や尿の色などに変化が出て体調に異常が認められたにもかかわらず、病院側は使用を中止したり別の薬に切り替えたりする措置をとらなかったということです。
  警視庁は、男の子の容体の変化に適切な対応を取らず薬の使用を続けたなどとして、当時担当していた麻酔科の医師6人を業務上過失致死の疑いで書類送検しました。
  男の子の両親は医師や看護師に対して賠償を求める訴えを起こし民事裁判が続いています。
  東京女子医科大学病院は「改めて亡くなられた患者様のご冥福をお祈りし、ご遺族の方々に心よりおわび申し上げます。今後も病院全体として患者様の安心安全の確保に努めてまいります」などとコメントしています。


2020.10.15-TBS NEWS-https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4102989.html
不妊治療の保険適用、菅首相 「年末に工程を明らかに」

  菅総理は、政策課題の一つに掲げる不妊治療の保険適用に向けた工程を今年末に公表する考えを明らかにしました。
  「出産を希望する世帯を広く支援し、ハードルを少しでも下げていくために不妊治療への保険適用を早急に検討し、本年末に工程を明らかにします」(菅首相)
  政府の全世代型社会保障検討会議で菅総理はこのように述べたうえで、保険適用が実現するまでは現行の助成措置を大幅に拡充していくことを訴えました。また、待機児童の問題についても「終止符を打つ」として、今年末に新たな計画を定める考えを示しました。
  このほか、出産直後に男性が育児休業を取得しやすい制度の導入をはかることで、安心して子どもを産み育てる環境整備を進めるなどとしています。


2020.10.10-Yahoo!Japanニュース(産経新聞 THE SANKEI NEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f5f3a1f404c3e7702704dca8d6a968fd81b36772
オンライン診療恒久化 政府と日医が激しい攻防 制度設計難航も

  新型コロナウイルス感染の広がりを受け特例措置として認めている初診からのオンライン診療をめぐり、政府は恒久化に向けて制度設計を本格化させる。だが、日本医師会(日医)は安全性などを理由に慎重な立場を崩しておらず、政府と日医による攻防は激しさを増している。(坂井広志)
  オンライン診療について厚生労働省はこれまで「初診は対面」を原則としてきたが、新型コロナが発生。院内感染などを防ぐため、4月から特例で電話やタブレット端末などを活用したオンライン診療を初診から容認し、期限は感染が収束するまでとした。
  ただ、規制改革の推進などを掲げる菅義偉(すが・よしひで)首相は就任後、田村憲久厚労相に恒久化の検討を指示した。6日の政府の経済財政諮問会議では、民間議員がオンライン診療などの「特例措置の恒久化」を提言。
  7日の規制改革推進会議も「当面の審議事項」にオンライン診療が入り、「デジタル時代に合致した制度として恒久化を行う」と明記された。
  8日には田村氏が、河野太郎規制改革担当相や平井卓也デジタル改革担当相と恒久化で合意し、外堀は埋まりつつある。
   一方、日医の中川俊男会長は9月24日の記者会見で「医療機関へのアクセスが制限されている場合にオンライン診療で補完する」「初診からのオンライン診療は有事における緊急の対応だ」などと見解を表明した。
   中川氏は「できるものを一つ一つ議論して、拡大できるものは拡大していく」とも語っており、全面的に反対しているわけではない。だが、「初めて会う人の診断をオンラインでするリスクは計り知れない」と警戒感を隠さない。
   オンライン診療は患者の利便性は高いが、医師は触診などができず、対面より得られる情報は少ない。その分、患者の状態の見極めも難しい。日医は医師のなりすましによる患者の健康被害の発生、患者のなりすましによる薬剤不正入手、健康保険の不正使用などのリスクも強調する。
   ある日医関係者は「検査料やもろもろの管理料などが取れなくなるので収入が減少してしまう」と漏らす。オンラインだと通院距離に関係なく、評判の良い病院に患者が集中し、経営が苦しくなる病院が出かねないという懸念もある。会見で中川氏はこう言い放ち、政府を牽制(けんせい)した。

   「オンライン診療は日医にとってはど真ん中のストライクだ


2020.10.4-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d603eb342cf567409c2e2d44b8d962561aaf9490
アビガン、11月にも承認 コロナ治療薬 審査に3週間

  新型コロナウイルス感染症の治療薬候補アビガン」について、早ければ審査を3週間で終えて11月にも承認される見通しであることが分かった。複数の政府関係者が明らかにした。 
  発した富士フイルム富山化学は月内にも国に承認申請を出す方針だ。新型コロナの治療薬にはレムデシビル」と「デキサメタゾン」があり、認められれば国内で3例目となる。
  複数の政府関係者によると、同社側は臨床試験(治験)の結果を踏まえ、治験の報告書を作成し、10月中旬頃、申請する見通しだ。質の高い検査データが得られていた場合、3週間で審査を終えて承認することは可能だという。
  田村憲久厚労相は25日の記者会見で「企業がデータをそろえて出してくれば、科学的に検証した上で承認をするのかしないのかを決定したい」と述べていた。厚労省幹部は「承認ありきではない」としている
  同社の治験は、重篤ではない新型コロナ肺炎の患者156人を対象に実施した。アビガンを投与した患者の症状が改善してウイルスが陰性化するまでの期間が、偽薬を投与した患者より3日程度短かったとしている。


2020.9.19-msnニュース-https://www.msn.com/ja-jp/news/national/
タトゥーの安全性、ルール作り不可欠 彫師の無罪確定でも残る課題

  入れ墨(タトゥー)を施す彫師(ほりし)を医師法で取り締まることはできない-。最高裁の決定により、安全性をめぐる議論が加速化しそうだ。医師免許がないのに客にタトゥーを入れたとする医師法違反罪に問われた男性(32)の上告審で、最高裁が検察側の上告を退けた。2審の逆転無罪判決が確定する。ただ衛生上のリスクを軽視したり、誰もが施術可能と認めたりしたわけではない。新たなルール作りが求められている。(土屋宏剛)

  「胸を張って、彫師の仕事が間違っていなかったと言える」。大阪府吹田市の彫師、増田太輝さん(32)は18日夜、大阪市内の記者会見で声を弾ませた。最高裁は16日付の決定で、増田さんを逆転無罪とした大阪高裁判決を支持。「これまで支援してくれた人に感謝したい」と話した。
  平成26~27年、客3人にタトゥーを施したとして医師法違反罪で略式起訴され、その後正式裁判となった。最大の争点は、増田さんの行為が、医師法の禁じる「医業」に当たるのかどうかだった。
  29年の1審大阪地裁判決が罰金15万円の有罪としたのに対し、30年の2審大阪高裁判決は「医師でなくともある程度の安全確保は可能」として1審判決を破棄、無罪を言い渡した。
  最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は、検察側の上告を棄却する決定をした。タトゥーを施す際の状況や社会の受け止めを踏まえ、施術は「医療行為には当たらない」と判断。歴史的にも、医師免許を持たない彫師が行ってきた実情があると認めた
  会見に同席した弁護団の川上博之弁護士は「彫師という職業の存続をかけた裁判だった。タトゥーの歴史的文化的側面も考慮されており、バランスが取れた決定だ」と話した。
  ただ日本では反社会的勢力のイメージからか、タトゥーに否定的なイメージを持つ人が多い。観光庁の全国の宿泊施設調査(平成27年)では、回答を得た約600施設のうち、約56%が入れ墨客の入浴を断っていた。一方、海外では文化や宗教的な理由に根ざしている場合がある。そうした影響から、近年では国内でも若者を中心にファッションとして受け入れる傾向がある。
  最高裁の決定もこうした流れを意識したものだが、衛生上の危険性を放置し、誰もがタトゥーの施術ができると容認したわけではない。針で肌に色素を注入する行為には、アレルギー反応や皮膚障害などのリスクが伴う。草野裁判長は「危険防止のため合理的な法規制が相当ならば、新たな立法によるべきだ」との補足意見を付け、保健衛生上の危険性は医師法以外の方法で防ぐしかないと結論付けた
  「入れ墨はファッションや文化として定着している。彫師による施術全般を規制するのは現実的ではない。今回の決定には賛成だ」と話すのは、タトゥー除去手術を手がける「かじクリニック熊本」(熊本市)の梶昇吾院長だ。
  ただ、彫師の多くは医師免許を持っていないとみられ、「器具の管理や衛生問題、皮膚障害などが発生した場合の対応で不安な面がある」(梶院長)。安全性を確保するためのルール作りが不可欠だとして、施術前に同意を得ることの義務化や、施術施設の認可制導入などの対策を提案した。


2020.9.9-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/econome/news/200909/ecb2009090640001-n1.htm
長期使用可能なECMOを重症コロナに 国循開発、10病院で臨床研究へ

  国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は8日、新型コロナウイルスに感染し重い呼吸不全になった患者に対し、長期使用を可能にした新型の人工心肺装置「ECMO(エクモ)」で救命率を向上させられるかどうか調べる臨床研究を今月中旬に始めると発表した。東京と大阪の10病院で計50人に実施する。

  エクモは、血液を管で体外に引き出し、肺の代わりに酸素を供給して体に戻す装置。現行の製品は6時間以内の使用を条件に国が承認しているが、新型コロナ治療では回路を交換しながら12日以上使うケースが半数に及ぶ。交換は患者の体の負担が大きく、医療従事者に感染リスクも生じる。

  新たな装置は耐久性の高いガス交換用の膜を使い、管などには血栓ができにくいコーティングも施して連続使用できる時間を延長。同じ主要部品を使い小型化した装置は、ヤギの実験で血栓をほとんど作らず約1カ月使うことができ、心不全などを対象に、製品化を目指した治験が進行している。


2020.8.24-Yahoo!Japanニュース(KYODO)
薬誤投与で死亡、医師が認める 業過致死罪、大阪地裁で初公判

  大阪府高石市の高石藤井病院で2015年、高校3年の女子生徒=当時(18)=に用法用量を誤って薬を投与し死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた医師槙原優被告(45)は24日、大阪地裁堺支部(安永武央裁判長)で開かれた初公判で「間違いない」と起訴内容を認めた。
   起訴状などによると、15年12月29日、食物アレルギーの症状が出て救急外来を訪れた女子生徒に、筋肉か皮下に注射するべきアドレナリンを、誤って点滴で静脈に過剰に投与するよう看護師に指示し、翌30日に致死性不整脈などによる心停止で死亡させたとしている。


【声明2020.07.30】-全日本民主医療機関連合会-https://www.min-iren.gr.jp/?p=40854
「黒い雨」訴訟広島地裁の判決を支持し、速やかな被爆者救済を求める
全日本民主医療機関連合会-会 長 増田剛

  広島への原爆投下後に降った「黒い雨」によって健康被害を受けたとして、被爆者の認定を巡り2020年7月29日広島地裁は原告側の主張を認め、広島市や県に対し被爆者手帳交付申請の却下処分を原告84人全員について取り消し被爆者健康手帳の交付を命じた。
  これまで国は「黒い雨」が降ったとされた地域のうち「大雨地域」のみを援護対象地域に指定し、不当な線引きをしていた。しかし本判決では、広い範囲で「黒い雨」が降った可能性があることを認め、被爆者援護法1条3号を原爆の放射線により健康被害が生じる可能性があったと解釈するのが相当であり、原告の「黒い雨」を浴びたという供述に不合理な点がなく、原爆の影響と関連が想定される病気を発症しているとして原告全員を被爆者と認めた。
  これは放射線の影響の立証に具体的な被ばく線量など厳格な科学的根拠までを求めず「身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった」者も援護を受けられるようにしている被爆者援護法の趣旨に沿ったもので極めて妥当である。さらに、「黒い雨」被爆者を正面から3号被爆者として認めると同時に、いわゆる「大雨地域」のみを援護対象地域としてきたこれまでの範囲そのものの見直しを迫る画期的な判決となっている。
  被爆後75年の間、「黒い雨」訴訟の原告らも被爆者として様々な健康被害に苦しめられてきた。被爆者の高齢化も進む中、速やかな救済が求められる。また、こうした長い月日を経てもなお、被爆者の体と心を苦しめ続ける非人道的な核兵器を許すわけにはいかない
  広島市長と広島県知事には、原告全員に対して速やかに被爆者手帳交付し、すべての「黒い雨」被爆者の救済を求める。そして控訴を断念すべきである。
  また、日本政府に対して、唯一の戦争被爆国として非人道的な核兵器によって二度と被爆者を生まないため、核兵器自体を違法とし全世界から廃絶させるために、核兵器禁止条約の批准を求める
  全日本民医連は、引き続き被爆者のいのちと暮らしに寄り添い、核兵器のない世界を願う市民社会に連帯し、その日が実現するまでともに歩み続ける。


2020.6.15.-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200615/k10012470641000.html
狂犬病の患者死亡 14年ぶりに確認 フィリピンで犬にかまれたか

  フィリピンから来日し、先月、国内で14年ぶりに狂犬病の患者と確認された愛知県豊橋市の30代の外国籍の男性が13日、死亡しました。
  豊橋市保健所によりますと、死亡したのは、ことし2月にフィリピンから来日した外国籍の30代の男性です。
  男性は先月、豊橋市内の医療機関を受診し、足首の痛みや腹痛、おう吐などの症状を訴えたため、国立感染症研究所に検体を送って検査したところ、国内では14年ぶりに狂犬病に感染していると確認されました。
  男性は市内の病院に入院して治療を受けていましたが、13日に死亡しました。
  男性の家族は、去年9月ごろにフィリピンで犬に足首をかまれたと話していることから、豊橋市はフィリピンで感染したとみています。
  厚生労働省によりますと、狂犬病はウイルスに感染した犬や猫にかまれることで感染し、通常ヒトからヒトに感染することはないということです。
  また、感染してすぐにワクチンを接種すれば発症を防ぐことができますが、発症すると有効な治療法はなく、ほぼ100%の患者が亡くなるということです。


2020.6.11-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/200611/lif2006110008-n1.html
WHOがエボラ対応で米と協調へ コンゴで流行

  【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は10日、ジュネーブでの記者会見で、コンゴ民主共和国(旧ザイール)のエボラ出血熱の流行について、米国と協調して対応したいとの考えを示した。
  WHOは今月1日、コンゴ北西部の赤道州で、エボラ出血熱が流行していると宣言していた。
  テドロス氏は会見で、コンゴでのエボラ出血熱の流行について先週、アザー米厚生長官と協議したことを明らかにした。テドロス氏は「非常に良い話し合いをした」とした上で「(アザー氏は)エボラ出血熱への対応について継続的な支援を確約した」と述べた。ただ、米国からWHOに直接の資金提供がなされるわけではなく、テドロス氏は 「重要なのは米国との協力であり、資金ではない」と強調した。
  トランプ米大統領が5月29日にWHO脱退を宣言して以降、テドロス氏と米高官の接触が明らかになったのは初めて。米国の脱退は、年間4億5000万ドル(約480億円)規模とされる拠出金をWHOが失うことを意味し、WHOは不足資金の穴埋めを他の加盟国と協議する見通しだ。


2020.6.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200610/k10012465451000.html
原因不明の乳幼児の病気「川崎病」発見 川崎富作さん死去

原因不明の乳幼児の病気で、全身の血管に炎症を起こす川崎病」を発見した小児科医の川崎富作さんが、東京都内の病院で、老衰のため亡くなりました。95歳でした。

  川崎富作さんは、大正14年、東京 浅草に生まれ、昭和23年に、当時の千葉医科大学の医学専門部を卒業しました。
  その後、日赤中央病院、今の日本赤十字社医療センターの小児科で勤務していたとき、高熱と体全体に赤い発疹が現れ、舌がいちごのように赤くはれる乳幼児の患者がいるのに気付きました。
  昭和42年には、50人の患者の症状について、原因不明の新しい病気として世界で初めて報告し、のちに「川崎病」として国際的にも知られるようになりました。
  川崎病は、国内では、毎年1万5000人以上が新たに発症しており、一部の患者では心臓に後遺症が残ります。
  川崎さんは、旧厚生省の研究班の班長として原因の解明や診断や治療法の開発を進め、平成2年に日本赤十字社医療センターを定年退職して以降も、日本川崎病研究センターの理事長などをつとめ、研究とともに、患者や親からの電話相談にも応じてきました。
  日本川崎病研究センターによりますと、川崎さんは今月5日、東京都内の病院で、老衰のため亡くなったということです。
  川崎病をめぐっては、欧米で新型コロナウイルスに感染した子どもで全身のさまざまな臓器に炎症が起きるケースが報告され川崎病に似た症状として注目されています。


2020.5.30-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/200530/lif2005300034-n1.html
NSS経済班、30人に倍増 感染症対策へ態勢強化

  政府が今春発足した国家安全保障局(NSS)経済班について、職員数を現在の15人から30人態勢への倍増を検討していることが30日、分かった。令和3年度予算案の概算要求に必要な経費を盛り込む方向。国民の生命を脅かす新型コロナウイルスなどの感染症が国の安全保障を揺るがす事態を踏まえ、厚生労働省などの専門知識に精通する職員を増やし、態勢を強化する必要があると判断した。
  4月に正式発足したNSS経済班は新型コロナの流入阻止のための入国規制など水際対策や、中国企業による買収を念頭に、改正外為法に基づいて高度な医薬品などを扱う日本企業への出資規制を手がけてきた。
  新型コロナ感染拡大を受けた3~5月の日米首脳電話会談で、安倍晋三首相とトランプ大統領は「医療は安全保障の真ん中にきている」(政府高官)との認識で一致した。政府は今後、海外生産に依存してきたマスクなど医療器具の国内生産への回帰や、抗インフルエンザ薬「アビガン」の各国供与を通じた世界的流行の封じ込めなど、米国との連携を軸に感染症対策を本格化させる考えだ。
  ただ、現在の経済班は経済産業省出身の審議官と、総務、外務、財務、警察の各省庁の職員らで構成され、医学的な知見を持つ職員は少ない。新型コロナ対策では、政策立案が厚労省と経産省、外務省などに分散したために初動対応が遅れたとの指摘もある。首相官邸に権限を一元化し、経済と安全保障を包括的に判断する態勢づくりを急ぐ。
  増員にあたっては、厚労省のほか、農林水産省や水産庁の職員を投入することも検討する。アフリカで大量発生し、農作物を食い荒らす「サバクトビバッタ」による食糧危機への対応や、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での中国公船の領海侵入を踏まえた海洋権益保護も強化する。


2020.5.16.-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200516/k10012432701000.html
欧米の子どもたち 川崎病に似た症状相次ぐ 新型コロナと関連か

  WHO=世界保健機関はアメリカやヨーロッパで子どもたちに全身の血管に炎症が起こる「川崎病」に似た症状が相次いで確認され、その中に新型コロナウイルスへの感染が報告されていることから、症状と感染が関連している可能性があるとして、各国が警戒にあたるよう呼びかけています。
  アメリカやフランスなどの欧米各国では、新型コロナウイルスの感染が拡大したあと、川崎病に似た症状の子どもが病院に搬送されるケースが相次ぎ、中には感染が確認されて死亡するケースも出ています。
  この状況について、WHOのテドロス事務局長は15日、スイスのジュネーブの本部で開かれた会見で、「こうした兆候はウイルスと関連しているかもしれないと仮定できる」と述べ、関連の可能性について言及しました。
  そのうえで、「因果関係を理解し、治療法を見つけるため、こうした兆候がなぜ起こるのか緊急に調べることが必要だ」と述べ、各国の医師が当局と連携して警戒にあたるよう呼びかけました。


2020.5.11-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20200511/k00/00m/040/232000c
中高生の妊娠相談過去最多 新型コロナによる休校影響か 熊本・慈恵病院

  親が育てられない乳幼児を受け入れる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を運営する熊本市の「慈恵(じけい)病院」は11日、4月に同病院の妊娠相談窓口に寄せられた中高生からの相談が過去最多の75件に上ったと発表した。同病院で記者会見した蓮田健副院長は「新型コロナウイルスの影響で学校が休みになって引きこもり状態になっている。その中で性行為の機会があって望まない妊娠になっている場合もある」と指摘した。
  慈恵病院は、さまざまな事情で養育困難な親が匿名で預ける「こうのとりのゆりかご」を2007年に開設。同時に、電話とメールで24時間対応する妊娠相談窓口も設けた。
  同病院によると、中高生からの相談は全国から寄せられた。「両親が自宅にいない間に交際相手と性交し、妊娠検査薬で陽性が出た」「初めての性交で避妊ができているか分からない」など女子生徒からが多かった。男子生徒からも「交際相手につわりのような症状がある」といった相談があったという。
  同病院によると、中高生からの妊娠相談は3月ごろから増加し、休校措置が継続された4月は19年より17件増えた。4月のすべての妊娠相談592件のうち、中高生の割合が13%を占めた。例年の5~7%と比べると倍の水準。中高生とカウントしたのは詳細に年齢を回答した相談者だけで、「10代」などの回答は含んでおらず、同病院は「実際の中高生の割合はさらに多い」とみている。
相談に対応している蓮田真琴・新生児相談室長は「女子生徒には、『自分の身を守れるのは自分だけ』と伝えたい。心配や不安があれば気軽に相談してほしい」と呼びかけた。
 相談は、同病院のSOSフリーダイヤル(0120・783・449)へ。同病院ホームページの問い合わせフォームからもメールで相談できる。【清水晃平】


2020.5.8-宮崎日日新聞-https://www.the-miyanichi.co.jp/news/Science/2020050801001436.php
訪問看護、9割で態勢不十分 対コロナ、マニュアルや装備なし

  在宅患者に対応する訪問看護の新型コロナウイルス対策に関し、9割の事業所で感染者宅を訪れる際のマニュアルがないなど態勢が整わず、感染予防の装備も不足していることが、現場の看護師と神戸市看護大の調査で8日分かった。神戸市の事業所が対象の調査だが、感染が広がる他の地域でも同様の問題が生じているとみられる。
  調査した北須磨問看護・リハビリセンター(神戸市)の藤田愛所長は「感染予防に必要な物資が足りない。看護師が感染して休業する事業所が相次げば、在宅医療が窮地に」と危機感を募らせる。
  調査は4月中旬に実施し、神戸市の119の訪問看護ステーションから回答を得た


2020.5.8-Yahoo!!Japanニュース(産経新聞)-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200508-00000570-san-hlth
変死体発見後にコロナ陽性判明、感染リスクに戸惑う現場

  新型コロナウイルスの感染が拡大する中、民家や路上などで発見された変死体が、後に感染していたと判明するケースが全国で相次いでいる。死因が明確でなく、犯罪に巻き込まれていた可能性もある変死体を調べる警察では、感染の疑いがある場合に防護服を着用するなどの対策を取っているが、新型ウイルスの感染と隣り合わせという未知の状況に戸惑いもみられる。(桑波田仰太、小松大騎)
頭から足まで
  4月下旬、大阪府内の山中で、行方不明届が出ていた70代男性の遺体を通行人が発見。110番を受けた大阪府警が男性の家族に連絡したところ、家族は「行方が分からなくなる数日前から発熱があった」と説明した。府警は「感染の疑いあり」と判断。実際に感染していれば体内にウイルスが残存している可能性があり、捜査員は頭から足までを覆う防護服やゴーグルなどを着用、事件性の有無を見極める検視を実施した。
  結果的に男性は事件に巻き込まれた可能性は低く、新型コロナも陰性だった。ただ、警察庁によると、全国の警察が3月中旬から約1カ月間に取り扱った変死体のうち、東京や神奈川、兵庫など5都県の計11人が新型コロナに感染していたことが判明。変死体の感染リスクが明らかになった。
渡航歴など確認
  大阪府警検視調査課によると、府警が昨年取り扱った変死体の数は、全国最多の警視庁に次ぐ1万2309体。1カ月平均で1千体に上るが、府警では現在、変死体が見つかった場合に遺族らから生前の渡航歴や発熱の有無などを確認することを徹底している。
  同課は、「検視は迅速さも大事で、検査の結果までは待てない。生前の情報から少しでも疑いがあれば捜査員の感染リスクを減らさないといけない」と説明。感染の疑いが浮上すれば、捜査員は防護服を着て検視や搬送にあたっている。これまでに数十の感染疑いのある変死体を取り扱い、いずれもPCR検査では陰性だった。しかし、これまでとは異なる緊張感を強いられる場面は続きそうだ。
葬儀にも影響が
  新たなウイルスは、その後の遺体の取り扱いでも混乱をもたらした。
  4月、大手葬儀業者から大阪府警にある文書が配布された。検視や司法解剖を終えた遺体は通常、速やかに警察署が葬儀業者に引き渡して納棺されるが、文書は感染有無の正確な結果が出るまで遺体を警察署で安置するよう求めていた。
  さらに、陽性だった場合には納棺も警察で行うようにとの要請も。現場には「施設や装備が限られているのに納棺までというのは…」と困惑が広がった。
  その後、この葬儀業者は再検討して要請を撤回。現在は感染していても遺体を引き取り納棺することにしている。担当者は取材に「これまで感染疑いがある遺体かどうかを警察や病院から伝えられないケースがあった」と説明。当初の要請は「情報共有の徹底をお願いしたいという趣旨だった」と弁明した。
救命措置「依頼できない」
  死後間もない変死体や瀕死(ひんし)状態の人を搬送する際も感染リスクがつきまとう。
  大阪市消防局では通報を受けた段階で感染疑いがあれば、救急隊員が血液などとの接触を防ぐ服やゴーグルを身に着けて現場に向かう。だが、感染の有無を確認する時間がない場合は、現場の隊員の判断でこうした対策を取ることもあるという。
  また、以前は救急隊員の到着までの心臓マッサージや人工呼吸などの処置を通報者に依頼することも多かったが、同局の関係者は「現在、家族以外の第三者に接触を伴う処置の依頼は積極的にはできていない」としている。
  和歌山県立医科大の近藤稔和教授(法医学)は「感染症が広がる有事では遺体を取り扱う人たちも命がけとなる」と指摘。「各分野がいかに普段から感染症に備えてシミュレーションしていたかという課題を突き付けている」と話している。


2020.4.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/200416/lif2004160035-n1.html
仏外出禁止令1カ月 「息ができない」もだえた患者 「わずか2日で死ぬとは」衝撃の遺族

 【パリ=三井美奈】新型コロナウイルス感染が広がるフランスで、外出禁止令が施行されてから17日で1カ月を迎える。元患者や遺族が、ウイルスの恐ろしさを語った。
   「息ができず、釣り上げられた魚のように、もだえていた。『酸素よ、肺に入れ』と必死で、死の恐怖を感じる余裕もなかった」
   パリ郊外の会社員、ジル・ブレバンさん(52)は3月9日、集中治療室(ICU)に救急搬送されたときのことを回想した。約2週間後に退院。元ラグビー選手で筋肉が自慢だったが、体重は10キロ落ちた。自宅の階段を上るだけで、今も息が切れる。電話でのインタビュー中も時々、声を詰まらせた。
   2月末、40度の熱が出た。1週間後には妻も発熱し、臭いが分からなくなった。妻が「新型コロナかも」と自分で救急車を呼んだ。救急隊員はブレバンさんに「あなたも危ない」と言い、吸入器を付けた。
   病院では、マスクや防護服が不足。看護師に「あなたが私を呼ぶ度、新しいマスクと防護服を着けねばならない」と言われ、のどが渇いても我慢した。「新型コロナは高齢者の病気と思っていた。陽性といわれ、『まさか自分が』と信じられなかった」と話す。
   パリの会社員、ブリジットさん(58)は、義兄(75)を亡くした。
   義兄は外出が禁止される直前、パリから南西部にある実家の城に移った。感染疑いのある親族がおり、邸内を仕切って隔離生活していた。ベランダで親族の子供とあいさつした翌日、義兄は高熱とせきに襲われた。
   地元の病院に行ったが、病床が足りず、廊下で待たされた。付き添った義妹は帰宅。翌日、「死亡した」と病院から連絡があった。遺体が戻ってきたのは、10日後。感染防止用の袋に包まれていた。教会で葬儀は行えず、城にいた家族で敷地内の墓に埋葬した。ブリジットさんは、「私と夫はインターネットのビデオで埋葬の瞬間を見守った。あまりに唐突な死で、信じられない」と衝撃を語った

(フランスの感染者は15日までに約10万人。死者は1万7千人を超えた。)


2020.4.10.-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200410/k10012379431000.html
初診からオンラインや電話で診療 週明けから開始 厚労省

新型コロナウイルスの感染が医療機関で広がるのを防ぐため、厚生労働省は初診からオンラインや電話で医師の診断を受けたり薬の処方を受けたりできる仕組みを週明けから始めると発表しました。
  医療機関での新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、インターネットを使って自宅などで診察が受けられる「オンライン診療」が初回の診療から認められることとなり、厚生労働省は週明けから仕組みを始めると発表しました。
  オンライン診療は映像を通じて行うことが想定されていますが、パソコンやスマートフォンなどがない患者については、医師の判断で電話でも受けることができます。
  薬も初回の診療からインターネットや電話で薬剤師の服薬指導を受けたうえで、配送で受け取れるようになるということです。
  厚生労働省では、これらの仕組みに対応する医療機関のリストを都道府県ごとにまとめて公表することにしています。
  加藤厚生労働大臣は記者会見で「近くの医療機関や薬局が対応しているか調べていただき、多くの方に利用していただきたい」と述べました。
オンライン診療 診療報酬は2140円
厚生労働省は、初回の「オンライン診療」について、医療機関に支払う診療報酬を2140円とすることを決めました。3割負担の患者の場合、自己負担分は642円になります。


2020.3.30-東京新聞-TOKYO Web-https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020033002000094.html
<新型コロナ>鼻経由手術、延期や中止 感染防止のため東大、京大病院検討

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、東京大や京都大の付属病院などが、四月にも耳鼻咽喉科や、脳外科で鼻から器具を入れる手術を、延期や中止とする方向で検討していることが二十九日、医療関係者への取材で分かった。がんなどの悪性腫瘍や緊急性があるケースは例外とする。同様の対応が各地の医療機関に広がる可能性がある。
   医療現場でのほかの患者への感染や、手術数を減らしてリスクを下げ、医師、看護師の感染拡大による医療崩壊を防ぐ狙い。同様の目的で医療機関への受診患者の殺到を抑えようと、耳鼻咽喉科では、症状に応じ自宅療養を促す動きも始まった。
   日本脳神経外科学会は今月、鼻から内視鏡などの器具を入れる脳の手術では、手術室にウイルスが飛び散る危険性を警告。日本消化器内視鏡学会も、患者の鼻水やたんから出た微粒子「エーロゾル」で、医療従事者の感染の恐れがあるとして、緊急性のない検査や治療の延期を求めている。
   欧米では、脳外科や耳鼻咽喉科で鼻からアプローチする手術を停止する動きが広がっており、呼応した形だ。緊急性の判断を巡り、患者と医療機関に混乱が起きる懸念もあり、実務的な対応方法の検討を急ぐ。
   患者数の抑制を巡っては、日本耳鼻咽喉科学会が、新型コロナウイルスで嗅覚や味覚の異常が出る可能性が浮上していることを踏まえ「においや味の異常を感じても、ほかの症状がなければ二週間は、医療機関への受診を避け、自宅療養とし、それ以上続いた場合に受診してほしい」との指針を近く公表する。
   専門家によると、嗅覚や味覚に異常があった場合の新型コロナウイルスの治療法は確立していない。新型コロナウイルスと無関係で自然治癒も多い。自宅療養をする際は、家族との接触を避け、マスクの着用や換気に加え、タオルを共有せず、ごみ袋も口を縛って出すなどの対応が必要だ。


2020.2.15-宮崎日日新聞-https://www.the-miyanichi.co.jp/news/Science/2020021401002510.php
ハンチントン病に薬の候補、大阪 遺伝子の異常、進行抑止 

体が勝手に動く、性格が変わるといったさまざまな症状が出る神経難病ハンチントン病の治療薬候補となる物質を開発したと、大阪大などのチームが14日付の米科学誌ネイチャージェネティクス電子版に発表した。
原因遺伝子の一部が伸びていく異常を止め、正しい長さに戻るのを助ける。
 現在は症状を緩和する薬があるだけだが、中森雅之講師(神経内科学)は「製薬会社とも協力し、1日でも早く根本治療につなげたい」と話した。同じく遺伝子の一部が伸びすぎることで発症する筋ジストロフィーなど他の病気に応用できる可能性もあるという。
 国内の患者は千人ほどとされる。


2020.2.1-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200201/k10012268931000.html
臓器搬送中のヘリ不時着 移植手術は中止に

東京大学附属病院で1日予定されていた心臓移植手術が、臓器を運んでいたヘリコプターの事故で中止になりました。日本臓器移植ネットワークによりますと、臓器の搬送中の事故で移植手術が中止になるのは初めてということです。
  日本臓器移植ネットワークによりますと、1日、福島県会津若松市の病院で脳死と判定された50代の男性から提供された心臓を東京 文京区にある東京大学附属病院に運んで、50代の男性に移植する予定でした。
  しかし、摘出された心臓を福島空港に向けて運んでいた福島県警察本部のヘリコプターが、1日朝、福島県郡山市で不時着する事故を起こしました。
  心臓は事故現場からパトカーで福島空港まで搬送された後、飛行機に載せて羽田空港に運ばれ、その後、消防のヘリコプターで東大附属病院まで届けられました。
  しかし、臓器移植ネットワークによりますと到着がおよそ1時間遅れたうえ、事故の衝撃が影響している可能性もあり、病院は心臓の機能の保証ができないとして手術の実施を中止しました。
  臓器の搬送中の事故により移植手術が中止されたのは、平成9年に臓器移植法による制度が始まってから初めてということです。
  臓器移植ネットワークによりますと、男性は手術室で準備に入っていたということですが、急きょ、取りやめられたということです。
  容体は今のところ安定しているということで、今後、移植を待つか、別の治療に切り替えるかは主治医が判断することになるとしています。


ブルセラ症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  ブルセラ症ブルセラ病)とは、ブルセラ属(Brucella) の細菌に感染して起こる人獣共通感染症。日本においては家畜伝染病予防法に基づく家畜伝染病感染症法における四類感染症に指定されている。診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る。また、マルタ熱とも呼ばれる。ブルセラ属細菌は国立感染症研究所病原体等安全管理規程においてレベル3に分類されている。
  動物への依存度が強い国や地域では、依然として多発する。動物のブルセラ症対策が行き届いた結果、多くの工業国ではヒトのブルセラ症も減少した。これは、ヒトのブルセラ症の発生が保菌動物の存在に依存していることを示している。
  ブルセラ属菌は敵国の兵士や住民に罹患させて能力を低下させる生物兵器としても研究・培養された。アメリカは1942年、ソ連は1978年に兵器化を実現した

病原体と感染症の概要
  ブルセラはグラム陰性の球形に近い小桿菌で、莢膜、芽胞、鞭毛をもたず、発育は非常に遅い。潜伏期間は2〜3週間。そのため、通常の培養は少なくとも4週間は経過観察の必要がある。脾臓、リンパ節などでの細胞内増殖をする。ほこりの中では6週間、土や水の中では10週間生存する。家畜との接触、汚染乳製品の摂取を通じてヒトに感染する。1887年クリミア戦争でマルタ熱の原因病原体としてイギリス軍の軍医デビッド・ブルース (Sir David Bruce) によって Micrococcus melitensis が発見されたため、この名前が付いた。100個以下の菌数でも感染するとされ、感染しやすく検査室感染も多い[5]。本菌の分離には血液若しくは血清が添加された培地を用いる。カタラーゼ陽性、ウレアーゼ陽性、ペプトン培地では糖から酸を産生しない。
  ヒトに感染を起こすのは Brucella abortus、B. melitensis、B. suis、B. canis の4種類とされていたが、近年の研究では B. pinnipedialis、B. ceti でも感染するとされている。

  牛においては Brucella abortus の感染が妊娠6〜8ヶ月での流産の原因となる。日本では家畜におけるブルセラ症は1970年代にほぼ撲滅されたが、現在でも犬の Brucella canis 感染が見られる。ヒトに感染すると発熱発汗頭痛、背部痛、体力消耗というような症状を起こす。重症化すれば脳炎髄膜炎などの中枢神経炎症心内膜炎骨髄炎を起こすこともある。テトラサイクリンストレプトマイシンなどに感受性を示すが、細胞内寄生を持つため体内の菌の撲滅は難しく、再発する。なお、家畜においては治療を行わず殺処分する。現在家畜のみ、生体輸入については厳しい検疫制度により感染家畜を輸入されないよう水際で監視され、罹患家畜は殺処分されている。犬猫ペットについては充分な検疫はされないので、外観で感染が判断できないため感染犬を輸入してしまう場合もある。Brucella canis による犬ブルセラ症は、日本に定着したと考えられ犬の2−5%が既にキャリアである。山口県による2005年の報告によれば、48検体中1検体で抗体を検出した


https://www.jst.go.jp/crest/immunesystem/result/02.html
JST-科学技術振興機構-CREST
【黒崎チーム】「メモリーB細胞が抗体産生細胞に分化しやすくなる仕組みを解明」Immunity 2013

抗体産生の仕組み
 獲得免疫系にはB細胞が産生する抗体(免疫グロブリン)が主体となった液性免疫T細胞が主体となる細胞性免疫があります。
 B細胞が異物である抗原に特異的な抗体を産生するようになるためには、通常はT細胞の助けが必要です。このT細胞はヘルパーT細胞と呼ばれます。先ず、外から侵入してきた異物(病原体等の蛋白分子)は抗原提示細胞である樹状細胞に取り込まれペプチドに分解されます。分解されたペプチドは、主要組織適合抗原(通常はMHCクラスII)と複合体を形成して、抗原提示細胞表面に運ばれます。T細胞表面に発現する抗原受容体(TCR)によって、抗原提示細胞上の抗原ペプチドとMHCクラスIIの複合体が認識されると、T細胞はB細胞に抗体産生を促す刺激を与えるサイトカインを産生するようになります。このT細胞がヘルパーT細胞です。
 抗体は可溶性の糖たんぱく質で、血液を始めとする体液中に存在し、病原体等の抗原を認識して結合し、その除去を助ける役割を持つと同時に、B細胞の抗原受容体(BCR)としての役割も持ちます。抗体にはIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5つのクラスがあることがわかっています。
 黒崎チームは抗体産生B細胞が、1度目の感染で認識した抗原を如何にして記憶し、二度目以降の感染で迅速に抗体産生能を獲得するのか、そのしくみを明らかにしました。
「メモリーB細胞が抗体産生細胞に分化しやすくなる仕組みを解明」
 私たちの体は、1度出会った細菌やウイルスなどの抗原に再び出会うと、1度目よりも大量の抗体を迅速に作り出して速やかにその抗原を除去し生体を防御します。これは、抗原に初めて出会うIgM型B細胞抗原受容体(BCR)を持つB細胞(IgM型ナイーブB細胞)よりも1度目の免疫反応で抗原を記憶したIgG型BCRを持つB細胞(IgG型メモリーB細胞)が素早く反応するためです

もし、IgG型メモリーB細胞が抗体産生細胞に分化できなくなると、感染防御に対する能力が低下したり、逆に過剰に活性化すると、アレルギーや自己免疫疾患を引き起こしたりしてしまいます。そのため、IgG型メモリーB細胞が抗体産生細胞に素早く分化する仕組みを解明することは非常に重要ですが、その仕組みについては不明のままでした。
 これまで、その仕組みを説明する仮説として、大きく2つありました。1つは、IgG型BCRがIgM型BCRよりも細胞内にシグナルを伝達する能力が高いことから、「B細胞の活性化・分化のしやすさは、細胞表面に発現しているBCRの型に起因する」(仮説1)というものです。一方、「IgM型ナイーブB細胞とIgG型メモリーB細胞は細胞内に発現している分子群にも違いがあり、このことが活性化・分化の能力の違いを引き起こしている」という仮説2も唱えられていました。これらのどちらが正しいのかは、長く議論されていましたが、今まで決着はついていませんでした。そこで黒崎チームは、マウスを用いた研究により、仮説の検証に取り組みました。

 今回、IgG型メモリーB細胞では、転写因子Bach2の発現量が厳密に制御されていることが、同じ抗原に再び出会ったときの迅速な応答に必要であることを明らかにしました。つまり、IgG型メモリーB細胞におけるBach2の発現量が正しく制御されないと、抗原に対する防御機能が低下したり、アレルギー反応や自己免疫疾患を引き起こしたりしてしまう可能性を示唆しています。
 IgG型メモリーB細胞の働きを理解することは、近年、猛威を振るっているインフルエンザなどに対する効果的なワクチンを開発するうえでも重要です。今後、転写因子Bach2は、ワクチンや免疫疾患の創薬開発において新しい標的となると期待できます。


JOHO CO JP-https://www.jiho.co.jp/Portals/0/ec/product/ebooks/book/46540/46540.pdf
免疫学-「わたしの体」をまもる仕組み
兵庫医療大学薬学部教授 田中捻之 著









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