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2021.07.14-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210714/k10013139531000.html
「子宮移植」条件付きで容認の報告書を公表 日本医学会 検討委

  子宮が生まれつきない女性などに親族などから提供された子宮を移植して出産を目指す「子宮移植」について、日本医学会の検討委員会は臨床研究の実施を少数例に限って条件付きで認めるとする報告書をまとめました。

  「子宮移植」は、子宮が生まれつきない女性や、がんで摘出した女性などに親族などから提供された子宮を移植して出産を目指すもので、2014年以降、スウェーデンやアメリカなど各国で少なくとも40人が生まれたと報告されています。

  慶応大学の研究チームが臨床研究の計画を示したことを受けて、日本医学会は実施が認められるか、おととしから移植医療や倫理などの専門家で作る委員会で検討を進め、14日に開いた記者会見で「少数例に限って臨床研究として生体からの子宮移植の実施は認められる」とした報告書を公表しました。
  報告書では、臨床研究が認められる条件を示し、子宮を提供する女性や移植を受ける女性の手術などの負担が大きいうえ、生まれてくる子どもを含めて長期的な影響が十分明らかになっていないため、リスクを含めて十分な説明を行うこと、当事者が自由な意思で移植を望んでいることを確実に担保すること、長期的な健康観察を行うことなどを挙げています。

  さらに、臓器移植は脳死からの提供をもとに行うのが原則だとして、現在は認められていない脳死からの子宮の提供が行えるよう法令を改正することや、子宮のない女性に対して医師による説明やケアを徹底するよう提言しています。
  検討委員会の飯野正光委員長は「当事者が十分リスクを理解したうえで強く希望するときには、それを排除できないという考え方が多くを占めた。実際に子宮移植を行う研究グループには、子宮を持たない女性に対し、移植以前に行うべきケアがあることを認識してもらいたい」と話しています。
医学的 倫理的な側面から多くの課題
  日本医学会の検討委員会がまとめた報告書では、子宮移植については医学的、倫理的な側面から多くの課題があると指摘しています。
  報告書では、子宮を提供する女性のリスクとして、摘出した子宮が体内で機能することを目指すため、慎重な手術で出血量が多くなり、手術時間も長時間に及んで大きな負担がかかるほか、子宮を失うことで女性としての精神面での影響が起きる可能性もありえるとしています。

  また、子宮の提供を受ける女性のリスクとして、移植した子宮が機能しない可能性があるほか、拒絶反応を防ぐため免疫抑制剤を受け続ける必要があること、強い免疫抑制剤を使った場合に胎児に影響が出る可能性が否定できないことなどを指摘しています。
  さらに、妊娠、出産に至らなかった場合、子宮を提供した女性、移植を受けた女性ともに精神的な苦痛が大きくなることが指摘されているとしたほか「何としても子どもを産むべきだ」などと子どもを産むことを女性の必須の役割と見るような家族内や社会での圧力が増す可能性があるとし、配慮や対策が必要だと強調しています。

  報告書では、子宮移植の対象となる、生まれつき子宮のないロキタンスキー症候群」の女性たちからヒアリングを行った結果も示していて、本人に告知が行われず、支援を受けられなかったケースや、相談できる専門医やカウンセラーが紹介されなかったケースがあったとしています。
  このため、報告書では、生まれつき子宮のない人に対して子宮移植だけが解決策だと考えるのは不十分で、患者本人や家族への精神的なサポートや相談などについて関係学会で直ちに対策を進めるよう提言しています。
  検討委員会のメンバーで医療に関する法律が専門の早稲田大学の横野恵准教授は「当事者に対する診断のあとのケアが非常に重要で、カウンセリングや相談など、さまざまなプロセスを経て移植を希望するかどうか選択が行われるべきだ」と述べました。
慶応大学など 臨床研究の実施目指す
  「子宮移植」については、慶応大学などのグループが国内で初めてとなる臨床研究の実施を目指しています。
  14日に日本医学会の検討委員会が子宮移植の臨床研究を限定的に容認する報告書をまとめたことについて、グループのメンバーで慶応大学の木須伊織特任  助教は「日本では早く子宮移植を実現してほしいという声は多くいただいていたので、国内でも実施が容認されたことはうれしい知らせだと思っている。提供者の負担やリスクを考えると脳死からの臓器提供が原則だと思うが、今の日本では子宮は提供の対象となっていない。まずは生体ドナーでの臨床研究を行い、有効性や安全性を確認したい」と話しています。
  グループでは、生まれつき子宮がない「ロキタンスキー症候群」などを対象に臨床研究の実施を検討しているということで、準備が整えば、できるだけ早く大学病院の倫理委員会に申請する方針だということです。
  木須特任助教は「子宮移植が認められれば養子制度などに加え、子どもを持つ選択肢が増えることになる。ドナーや生まれてくる子のリスクや倫理的課題にも十分配慮して準備を進めたい」と話していました。


2021.06.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210626-YDYNH6WAJFJ3VBPJRBRWHBXNLY/
<独自>塩野義の国産ワクチン 年明け6千万人分供給可能

  塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルスワクチンを生産・供給できる量が、来年1月から年間最大6千万人分へ倍増することが26日、分かった。これまで「3千万人」としていた。手代木(てしろぎ)功社長が産経新聞のインタビューで明らかにし、「国産ワクチンを安定的に供給したい」と述べた。

  塩野義のワクチンは現在、第1、2段階の臨床試験(治験)を国内で行っている。ワクチンの効き目などから供給量を拡大できる見通しになったという。さらに治験を進めて確認する。
  同社は提携先である医薬品製造会社「ユニジェン」の岐阜県池田町の工場で生産設備を整備中。これまで年内に3千万人分のワクチンの生産体制を整えるとしていた。
  また手代木氏は、最終段階の大規模な治験について「アフリカや東南アジアでの実施に向けて調整中」と明らかにした。
  塩野義は国内でも千例規模の治験を検討している。これを踏まえ、一定の条件を満たせば承認を受けられる国の「条件付き早期承認制度」が適用されれば「年内の実用化が可能」としているが、並行して最終段階の大規模な治験を世界の流行地域で実施する。


2021.06.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210617-EACQLCPLTFOU7BW6DYN4Z4M2KA/
微粒子、細胞に有害な活性酸素 肺の炎症原因に

  近年生産量が増加している人工微粒子を吸い込むと肺に炎症が起きる仕組みが分かったと、名古屋大と大阪府立大の研究チームが17日付の国際科学誌に発表した。細胞の中に取り込まれ、分解されずに蓄積し、有害な活性酸素が発生していた。

  微粒子の大きさが小さいほど、炎症が悪化しやすいことが知られている。名古屋大病院の阪本考司病院助教(呼吸器内科)は「発がん性が指摘されているPM2・5でも同じ仕組みが働いているかどうかを調べたい」と話した。

  チームは、食品や化粧品にも使われ、化学的に安定な微粒子「シリカ」に着目。直径50ナノメートル(ナノは10億分の1)の微粒子をマウスに吸い込ませ、3日後に肺を調べた。すると吸い込んでいないマウスと比べ、炎症の範囲が約10倍になっていた。
  体内で異物を取り込んで分解するマクロファージと呼ばれる免疫細胞を調べると、微粒子を取り込んで、活性酸素や炎症を起こすタンパク質を大量に作っていた。微粒子を分解できないのが原因とみられる。


2021.06.08-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210608/k10013072991000.html
アルツハイマー病の新薬 米FDA承認と発表 エーザイが共同開発

  アルツハイマー病の治療薬としてアメリカの製薬会社と日本のエーザイが共同で開発した新薬について、アメリカのFDA=食品医薬品局は原因と考えられる脳内の異常なタンパク質を減少させる効果を示したとして治療薬として承認したと発表しました。

  アメリカの製薬会社「バイオジェン」と日本の「エーザイ」が開発したアルツハイマー病の新薬「アデュカヌマブ」は症状の進行を抑えることを目的とした薬で、脳にたまった「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質を取り除き、神経細胞が壊れるのを防ぐとしています。
  これについてFDAは7日「臨床試験の結果、『アミロイドβ』の減少が確認され、患者の症状への効果が合理的に予測される」と評価し治療薬として承認したと発表しました。
  FDAによりますとアルツハイマー病の新薬が承認されたのは2003年以来18年ぶりで、アミロイドβに作用する治療薬は初めてだということです。

  今回の承認は深刻な病気の患者に早期に治療を提供するための「迅速承認」という仕組みで行われたため、FDAは追加の臨床試験で検証する必要があるとしていて、この結果、効果が認められない場合には承認を取り消すこともあるとしています。
  この薬については去年11月、FDAの外部の専門家委員会が承認に否定的な結論をまとめていて、FDAが追加のデータを求めて審査期間を延長していました。
  FDAは7日の会見で「専門家委員会の意見を慎重に検討し、データを詳細に検証した結果、迅速承認すべきだという結論に達した」としています。
病の進行抑える効果期待される初めての薬
  アメリカのFDA=食品医薬品局が承認すると発表した「アデュカヌマブ」は、日本のエーザイアメリカの製薬会社バイオジェン共同で開発したアルツハイマー病の治療薬です。
  アルツハイマー病は異常なたんぱく質、「アミロイドβ」が脳にたまって、神経細胞を壊すことが原因と考えられています。
  「アデュカヌマブ」はこの異常なたんぱく質、「アミロイドβ」を取り除く薬で、神経細胞が壊れるのを防ぐことでアルツハイマー病が進行するのを抑える効果があると期待されています。
  これまでのアルツハイマー病の治療薬は、残った神経細胞を活性化させるなどして症状の悪化を数年程度、遅らせるもので、病気によって脳の神経細胞が壊れていくこと自体を止めることはできませんでした。このため病気の進行自体を抑える根本的な治療薬が待ち望まれていました。

  「アミロイドβ」を取り除く薬は以前から研究されていましたが、「アミロイドβ」はアルツハイマー病を発症する10年以上も前からゆっくりと脳の中にたまっていくことや、薬の効果を確認するのが難しいことなどから思うように開発が進まない状況が続いていました。
  こうした中で、「アデュカヌマブ」は、「アミロイドβ」を取り除く効果が認められ、アルツハイマー病の進行そのものを抑える効果が期待される初めての薬となります。
  一方で、「アミロイドβ」を取り除くことができても一度壊れてしまった脳の神経細胞を元に戻すことは難しいことから、治療はできるだけ早い段階で始める必要があるとされていて、この薬も認知症を発症する手前の「軽度認知障害」の人やごく初期の認知症の人を対象として臨床試験が行われていました。
  「アデュカヌマブ」は日本でも去年12月に厚生労働省に承認の申請が出されていて、今後の審査の行方が注目されます。
患者や家族の支援を行う団体「歴史的なこと」
  アメリカでアルツハイマー病の患者やその家族の支援を行うアルツハイマー協会のジョアン・パイク博士は、「アデュカヌマブ」の承認について、「アルツハイマー病の治療にとって歴史的なことだ」と述べたうえで、「この薬によって患者と、家族や介護者が、治療の在り方や、何をして過ごしたいかを考える時間が与えられると信じている」と述べました。
  また、「アルツハイマー病の診断に人々の関心が高まり、多くの人が早期の診断を受けることで、人生や治療についての話し合いを持つ機会をもたらすだろう」と述べ、承認をきっかけにアルツハイマー病に対する人々の意識が高まることへの期待を示しました。
開発主導の製薬会社「薬の価値はコストに見合う」
  アメリカの製薬会社「バイオジェン」で、「アデュカヌマブ」の開発を主導してきたアルフレッド・サンドロック博士は、FDAの承認について「アルツハイマー病は、家族を認識できなくなったり、自立した生活が送れなくなったりと、患者と社会にとって影響の大きい病気で、この薬の価値は、コストに見合うと考えている」と承認の意義について述べました。
  また「これまでの臨床試験で患者の認知機能への効果を示す結果も示されている」と述べたうえで、追加の臨床試験が行われることについては、「FDAなどと議論をしている。臨床試験の詳しい内容については今後明らかにする」と話しました。
エーザイ株が「ストップ高」 東京株式市場
  8日の東京株式市場では、エーザイの株式に買い注文が殺到し、一日の値上がり幅の上限となる「ストップ高」の水準まで値上がりして、取り引きを終えました。
  東京株式市場ではエーザイの株式に買い注文が殺到し、売り注文が少なかったことから売買が成立せず、午前の取り引きでは値がつきませんでした。
  その後、取り引き時間の終了と同時に一日の値上がり幅の上限であるストップ高で取り引きを終え、エーザイの株価は7日の終値より1500円高い、9251円の値を付けました。
  市場関係者は、「新薬が、アルツハイマー病の治療薬として効果をあげていけば、会社の収益力が大きく高まるという投資家の期待が先行した」と話しています。
治験の結果は
  アルツハイマー病を根本的に治療する新薬はこれまでも盛んに研究されてきましたが、候補となる薬ができても有効性の評価が非常に難しいことなどから実用化に至った薬はありませんでした。
  今回、アメリカ・FDAが承認した「アデュカヌマブ」も申請に至るまでにいくつもの壁がありました。
  「アデュカヌマブ」は薬の効果や安全性を確認するための最終段階の「治験」として2つの臨床試験が行われ、それぞれ認知症の前段階とされる「MCI=軽度認知障害」やアルツハイマー型認知症のごく初期の人などおよそ1600人が参加しました。
  治験では、アデュカヌマブを少ない量で投与するグループと多い量で投与するグループ、それにアデュカヌマブが含まれていない偽の薬を投与するグループに分け、月に1回、1年半にわたって投与して認知機能の変化などを調べました。
  そして中間解析が行われましたが、結果は有効性があると確認するのは難しいというものでした。
  これを受けて、治験は中止となりましたが、会社によりますと、その後、最終的に試験を終えた人たちのデータを加えたうえで詳細な解析をしたところ、2つの試験のうち1つの試験で認知機能の低下が22%抑制されたという結果がでたということです。
  また、脳内にたまったアルツハイマー病の原因とされる異常なたんぱく質「アミロイドβ」が、59%から71%減少していることが確認されました。
  会社によりますと治験では、途中で計画が一部変更され、多い量を投与する人が増えたため、効果の確認につながったとしています。


2021.06.04-NHK NEWS WEB -https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210604/k10013067361000.html
75歳以上の医療費の窓口負担 2割に引き上げの改正法 成立

  原則1割となっている75歳以上の医療費の窓口負担を、年収200万円以上の人を対象に2割に引き上げる改正法は、4日の参議院本会議で、賛成多数で可決され、成立しました。改正法は、現役世代の負担の上昇を抑えるため、原則1割となっている75歳以上の医療費の窓口負担を年収200万円以上の人を対象に2割に引き上げるものです

  急激な負担の増加を抑えるため、引き上げの実施から3年間は、1か月の自己負担の増加額を最大3000円までとする配慮措置が設けられています。
  引き上げの時期については、来年10月から半年以内とし、具体的な日程は、今後、政令で定めるとしています。
  4日の参議院本会議で採決が行われた結果、改正法は、自民・公明両党のほか、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決・成立しました。
  一方、立憲民主党と共産党は「後期高齢者の負担が増える一方、現役世代の負担軽減には全く寄与しない」として反対しました。
2割負担が求められる対象は75歳以上の20%
  75歳以上を対象とする後期高齢者医療制度は、患者の窓口負担を除いて、財源の4割が会社員らが加入する健康保険組合からの支援金で賄われています。
  高齢化の進展で、年々、支援金は増え続け、健康保険組合の財政を圧迫していて、現役世代の負担軽減を求める声が上がっています。
  さらに、いわゆる団塊の世代が75歳になり始める来年以降、支援金のさらなる増加が見込まれるとして、政府は、今回、見直しを行いました。


2021.05.07-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/57004950
ドイツ、ワクチンの特許放棄に反対 知的財産の保護主張

  新型コロナウイルスワクチンを途上国に広める目的でワクチンの特許を放棄することについて、ドイツ政府は6日、特許がワクチンの生産を妨げてはいないとして反対の姿勢を示した。
  ドイツ政府は「知的財産の保護は技術革新の源泉であり、今後もそうありつづけなければならない」とした。
  新型ウイルスワクチンの知的財産権の放棄は、インドと南アフリカが世界貿易機関(WTO)で提案したもの。両国は約60カ国とともに、世界中のワクチン生産量を拡大できるとして、過去半年間にわたりワクチンの特許の無効化を求めていた。
  5日には、アメリカ政府がこの提案への支持を表明した。

  欧州連合(EU)は先に、特許放棄について協議する用意があるとしていた。一部加盟国は全面的な支持を示した。
  賛成派は特許放棄によって、より多くのメーカーが新型ウイルスワクチンを生産できるようになり、貧困国で予防接種にアクセスできる人が増えると主張している。一方で医薬品メーカーなど反対派は、期待するほどの効果が得られない可能性があると主張している。

   インドと南アフリカの提案をめぐっては、アメリカのドナルド・トランプ前政権やイギリス、欧州連合(EU)から強い反発があがっていた。
  しかし、トランプ氏の後任のジョー・バイデン政権が5日に支持を表明したことを受け、提案を後押しする気運が高まった。
  WTOのンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長はBBCの番組ニューズアワーで、アメリカの支持を歓迎すると述べた。そして、現在の不公平感は「正しくない」とし、加盟国はワクチン生産に関する現実に即した合意に至るよう交渉すべきだと述べた。
  オコンジョ=イウェアラ氏は現場で必要な原材料や技術的な専門知識が不足していることを認めたうえで、世界のワクチン供給量を増やすにはとにかく取り組みを始める必要があるとした。
  こうした中、ドイツのイェンス・シュパーン保健相はアストラゼネカ製ワクチンについて、全成人への接種を認めると述べた。同国は当初、同ワクチンを接種した人の一部に血栓がみられたことを受け、接種対象を60歳以上に限定していた
ドイツの主張
  ドイツ政府は6日、声明を発表し、アメリカが支持する提案は「ワクチン生産全体に大きな影響を与える」と主張した。
  同政府は「ワクチン生産を制限するのは生産能力と高い品質基準であり、特許ではない」とし、製薬会社はすでに関係各所と連携して生産を強化していると述べた。ドイツはEU最大の経済大国であり、最も広く使用されている新型ウイルスワクチンの1つを開発した製薬会社ビオンテックなど、主要な製薬部門が集まっている。今回のドイツ政府の表明は、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が特許放棄に関する提案について「議論する用意がある」と発言したことを受けたもの。

  フォン・デア・ライエン氏はこれまで、知的財産権の放棄に反対の立場を表明していた。わずか数週間前には米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「特許放棄には全く賛成できない」と述べていた。

各国の反応
  一方、フランスやイタリアなど他の加盟国はこの提案を全面的に支持した。特許放棄については、今週2日間の日程で行われるEU首脳会議で議題にあがると報じられている。
  欧州以外では、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領も支持を表明した。イギリス政府は「問題解決のためにWTO加盟国と連携している」とし、新型ウイルス感染症「COVID-19ワクチンの生産と供給の増加を促進するため、アメリカとWTO加盟国と協議している」と明らかにした。
貧困国のワクチン不足
  多くの発展途上国は、特許や知的財産の保護を義務付ける規則が、パンデミックに対処するのに必要なワクチンやその他製品の生産拡大を妨げていると主張している。低所得国が深刻なワクチン不足に直面する中、ワクチンの特許放棄を求める声が上がっている。
  一方で、製薬業界を中心とした反対派は、特許放棄ではこの問題は解決しないと主張している。
  国際製薬団体連合会(IFPMA)のトマス・クエニ理事長はBBCのラジオ番組「トゥデイ」で、「現在のようなワクチンの品質と安全性を損なうことになるのではと深く懸念している」と述べた。
  「対処すべきはサプライチェーンにおける不足や欠乏だ。また現在、富裕国が貧困国へのワクチンの早期分配に消極的であることも残念だ」
  実際に有益な効果を得るには、製薬会社が生産技術などのノウハウを貧困国と共有する必要があると指摘する専門家もいる。


2021.04.23-m3.com-https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/906710/
歯科医師もワクチン接種可能に、GW前にも事務連絡へ
医師・看護師が確保できない集団接種で2021年4月23日
岩崎雅子(m3.com編集部)

  厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に係る人材に関する懇談会」(座長:田上順次・東京医科歯科大学名誉教授、中谷晴昭・千葉大学理事・副学長)は4月23日、医師の予診を経た上で歯科医師による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種を認める厚労省案に合意した。 医師や看護師が確保できない場合の集団接種に限定し、筋肉注射の経験や研修を必要とする。厚労省はゴールデンウィーク前にも事務連絡を発出する方針(資料は、厚労省ホームページ)。

  今回歯科医師によるワクチン接種が認められるのは、(1)迅速なワクチン接種を進める必要性がある中で必要な医師・看護師等の確保ができず、歯科医師の協力なしには集団接種が実施できない、(2)歯科医師が筋肉注射の経験を有している、またはCOVID-19ワクチン接種のための研修を受けている、(3)歯科医師による接種について患者の同意がある──の3点を満たした場合。集団接種の予診は医師が担当するため、医師の指示の下で接種を行う形となる。

  これまでワクチン接種は「医科」の範疇であることから、「医師でなければ、医業をなしてはならないとする医師法第17条に基づき、医師または医師の指示を受けた看護師等(保健師や助産師、准看護師)に限られており、歯科医師はワクチンを接種することができなかった。しかし、行為が正当化されるだけの事情が存在するかの検討の結果、正当化されるときには違法性が阻却されるとする「実質的違法性阻却」に、歯科医師によるCOVID-19のワクチン接種が当てはまると判断した。
  歯科医師による接種を容認する背景として、厚労省は自治体アンケートの結果、医師や看護師の確保に苦労している現状を提示。3月25日時点では、医師については6.5%、看護師は8.7%の自治体が「確保に至っていない」と回答。特に集団接種を行う特設会場においては、医師は18.1%、看護師は22.8%の自治体が「不足している」と回答していた。厚労省は「現状で接種者が足りていない認識はない」としつつ、5月上旬にもワクチン供給量の増加が見込まれる中、今後接種者が足りなくなる可能性に備えた。

  また、歯学部で筋肉注射やアナフィラキシーショックなどに関する基本的な教育が行われていることや、口腔外科や歯科麻酔に従事する歯科医師は筋肉注射を行うことがあることなどから、歯科医師は「筋肉内注射という行為のみに着目すれば、技術的には一定の安全性を持って実施することが可能と考えられる」とした。
  研修は各自治体が主体で実施するが、厚労省が大枠を示す方針。案として(1)COVID-19ワクチンに関する基礎知識(副作用に関する内容を含む)、(2)COVID-19ワクチンの接種に必要な解剖学の基礎知識、(3)COVID-19ワクチン接種の実際(接種時の注意点を含む)、(4)COVID-19ワクチンのアナフィラキシーとその対応──等を含み、講義と実習の2軸で約2時間の研修を提示した。
  患者の同意については、個別に取るのではなく、会場内に歯科医師が接種する可能性があることを明示の上、歯科医師であると認識できる名札を付けるなどの形で許可を取る方向。

「国民が認めるかが重要」説明求める声
  懇談会では、医師、歯科医師の委員ともに、歯科医師によるワクチン接種への反対は出ず、「歯科医師に協力いただき国民になるべく早くワクチンを打っていただくことは大賛成」「歯科医師の協力が必要ならば前向きに取り組みたい」など賛同の意見が相次いだ。

  一方で、「国民が認めるかが重要。十分に理解を得られるようにきちんとした報道をしてほしい」など、丁寧な説明を求める声が複数上がった。また、「まずは看護師の確保について、平均的給与ではなく手当を付けるなど処遇を改善するべきではないか」との指摘もあった。
  歯科麻酔学講座を担当している東京歯科大学副学長の一戸達也氏は、筋肉注射を行う頻度は最近減っているとしつつ、「教育は行われている。慣れているのは病院歯科の口腔外科が多いのではないか」と指摘。大阪歯科大学歯学部教授の中嶋正博氏は、「口腔外科学会の専門医資格として全身麻酔、集中治療室での研修が義務付けられている。口腔外科であれば筋肉注射の経験があると判断しても良いと思う」と述べた。一方で、日本医師会常任理事の羽鳥裕氏は「集団接種の場に出動するのは、一般の診療所の先生ではないか。eラーニングのシステムを使うなどある程度学習してやってほしい」と要望した。
  「実質的違法性阻却」は、非医療従事者によるAEDの使用や、科学災害・テロ時における非医療従事者による解毒剤自動注射器の使用、COVID-19のPCR検査のための鼻腔・咽頭拭い液の歯科医師による実施などで認められている。PCR検査の際に事前研修に応じた歯科医師は約2000人に上り、要請があり出動した歯科医師はこれまで48人。


2021.04.09-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/56685096
新型ウイルス感染者に世界初の生体肺移植 京大病院

  京都大学病院で、新型コロナウイルスに感染した女性患者に対する、世界初の生体肺移植手術が成功した。同病院が8日、明らかにした。
  新型ウイルスの感染症COVID-19の患者に対する肺移植は、中国や欧米で、亡くなった臓器提供者の肺を使って数多く実施されている。しかし、生体肺移植は世界で初めてとされる。京都大学病院によると、移植された肺は、患者の息子と夫の肺の一部。患者の肺は、COVID-19で機能しなくなっていたという。手術は11時間近く続いた。患者と肺を提供した家族は全員、体調が安定しているという。
  手術にあたった医師団は、患者の体調が数カ月で完全に回復することを期待していると述べた。
生体肺移植は世界初
  京都大学病院によると、今回の患者に基礎疾患はなかった。生存には肺移植が欠かせないと判明すると、患者の息子と夫が肺の一部提供を決心したという。2人は手術前に、肺機能が落ちることによる健康上のリスクについて説明を受けていたという。
  日本などの国々では、死者の臓器を使う肺移植は長い順番待ちの状態が続いている。

  手術で責任者を務めた呼吸器外科医の伊達洋至教授は記者会見で、今回の生体肺移植について、「新しい選択肢ができたという意味では、患者さんにとって希望のある治療法だと考えている」と話した。


2021.03.12-Yahoo!Japanニュース(webum-北日本新聞)-
日医工が薬8品目供給停止へ 業務停止、駆け込み注文で在庫不足

  ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーの日医工が、高脂血症や糖尿病の治療薬など4成分8品目の供給を順次、停止することになった。違法な製造・品質管理で32日間の業務停止命令を受けた富山第1工場(滑川市)で製造していた品目で、処分によって新たな製造ができない上、在庫が限られる中で駆け込みによる大量注文があったことが原因という。
   同社によると、品目によってケースは異なるが、通常は市場に供給できる数カ月分の在庫があるという。
   田村友一社長は3日の会見で製品の供給について「大きな混乱はないと考えている」と述べたが、欠品を懸念した薬局などが大量発注したことで一部に在庫不足が生じた。
   4成分8品目は今月上旬から4月中旬にかけて順次、供給を停止する。供給再開は工場稼働後の5月中旬を見込む。卸売業者や医療機関には代替品となる他メーカーの先発薬や後発薬を案内した。
   同社は処分期間中に工場からの出荷はできないが、全国各地の物流センターに保管されていた製品は出荷できる。


2021.03.04-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9c28a5a203c53760d4e8fc61bc1aad787066bdbe
くも膜下出血から回復の小6、好きな野球をもう一度

  くも膜下出血に見舞われながらも回復し、元気にリトルリーグで野球を続けている小学生がいる。大阪府岸和田市の市立修斉小6年、米盛瑛斗(よねもりえいと)君(12)。「また野球がしたい」という強い思いと、仲間たちの励ましに支えられ、グラウンドに復帰した。白球を追う姿は周囲の人たちに勇気を与えている。(牛島要平)

  「走れ、走れ!」「すべり込め!」  よく晴れた2月下旬の日曜日、同市内のグラウンド。プロ野球で活躍した清原和博さんもかつて所属した岸和田リトルリーグの練習が行われ、子供たちの弾む声が飛び交っていた。
   2人の兄に付いて小さいころからボールに親しみ、チームに1年生から参加している瑛斗君。最高学年となった今、ショートやキャッチャーを任される。試合では土壇場で仲間に指示を出せるほど、チームの中心的存在に成長した。
   「チームに貢献し、勝てたときが一番うれしい」 そう話す瑛斗君を突然の病が襲ったのは5年生のとき。令和元年12月13日朝、集団登校の途中で急に頭痛と吐き気がして、動けなくなった。周りの児童たちが連携して学校の先生に連絡、駐在所の警察官も駆け付け、病院に運ばれた。
■「長い人生、やりたいことを」
  検査を受けたが問題は見つからず、痛み止めの薬をもらって帰宅した。ところが数日後、詳しい検査を受けると「くも膜下出血です。動脈瘤(りゅう)がいつ破裂してもおかしくない」と診断された。大阪大学医学部付属病院(同府吹田市)に搬送され、緊急手術に。倒れてから5日後のことだった。
   母親の久美子さん(41)は突然のことに涙が止まらなかった。瑛斗君はそんな久美子さんを気丈に慰めた。「いけるから、大丈夫だから」。約3時間にわたる手術は無事に終わった。麻酔が解けたとき、口から漏れた最初の言葉は「野球がしたい」だった。
   入院中、チームの仲間は千羽鶴を折って回復を祈り、「一緒に野球しような」などの寄せ書きをしたボールを届けてくれた。以前にチームを訪れたことのあるプロ野球楽天の村林一輝(いつき)
  内野手も「早く元気になって一緒にまた野球しましょう」とビデオレターを送ってくれた。気持ちは奮い立った。「うれしかった。不安だったけど、また野球やろうと思った」  術後の経過は順調で、後遺症もなく、12月末には退院。
  原因は分からず、久美子さんは野球をさせるのに不安もあったが「これからの長い人生、やりたいことをやらせたい」と判断した。担当医からも定期検査をしっかりすれば、普段通りに生活して大丈夫」と説明があり、気候が暖かくなるのを待ってグラウンドに復帰した。
■3本のホームラン  
  「瑛斗がお母さんと元気に歩いてきたのをみて泣きそうになった」と野内勇司(のうちゆうじ)監督(52)は振り返る。「たとえ後遺症があっても最後まで面倒見ます」と久美子さんに約束していた。
   チームは新型コロナウイルスの影響で昨年2月末から5月にかけて練習を自粛したが、各家庭の判断でキャッチボールをするためにグラウンドに集まることもあり、瑛斗君も様子を見に出かけた。本格的に練習に加わったのはチームが練習を再開した6月ごろ。少しずつ感覚を取り戻した。
   復帰以来、土日祝日にある練習には毎回参加。仲間たちは以前と変わらず接してくれているといい、今月下旬に控える小学生最後の試合を楽しみにする。  2月20日の練習で3本のホームランを打った。ぐんぐん空を切って飛ぶ打球にチームメートや周囲の大人は息をのんだ。「病気が遠い昔のようです。まさか野球がまたできるとは」と久美子さん。
   もうすぐ卒業。瑛斗君は「みんなで楽しめる野球を中学に入っても続けたい」と話す。仲間とともに、確実に成長している。


2021.02.06-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/210206/lif2102060031-n1.html
急激に重症化のおそれ 低酸素状態に気づけない「ハッピー・ハイポキシア」に注意

  新型コロナウイルス感染症では、自宅療養中に容体が急変し、死亡する事例が相次いでいる。症状がないから、軽症だから、と思い込んで過ごしているうちに、重篤な事態となってしまうケースの中で、医療関係者が注意を呼びかけるのは「ハッピー・ハイポキシア(幸せな低酸素症)」と呼ばれる病態だ。

  厚生労働省によると、自宅療養者数は全国で1万7092人(3日午前0時時点)。3万人を超えた1月20日時点よりも減少したものの、依然として多い。自宅療養中に注意しなければならないのが「ハッピー・ハイポキシア」と呼ばれる病態だ。血中の酸素が不足しているにもかかわらず、呼吸困難や苦しさを感じず、普段通りふるまっている状態のことだ。
  埼玉医科大総合医療センターの岡秀昭教授(感染症)は「本来は酸素が少なくなると息苦しくてつらくなる。100メートルを全力疾走した後のように、呼吸が速くなり、肩で息をしたり、ゼーゼーしたり、せき込んだりといった呼吸困難の症状がでる」と説明する。
  だが、新型コロナウイルスに感染すると、肺炎によって血中の酸素が不足し、体は呼吸不全の状態になっているが、目に見える症状が出にくくなるという。
  健康な人の血中の酸素濃度「酸素飽和度」は98%くらいだが、90%以下になると生命を維持するのに必要な酸素が体に入っておらず、危険な状態となる。

  察知のため、酸素飽和度を測る医療機器「パルスオキシメーター」が有効だ。だが、個人需要拡大で品不足になると病院などに行き渡らなくなるため、購入は控えるべきだとし、岡教授は「高齢者や基礎疾患があって重症化しやすい人や、熱が発症から1週間以上続く場合はパルスオキシメーターの貸し出しや医師へ相談をしてほしい」とする。
  そうした医療機器がない場合は、言葉が滑らかにでるか、軽い屈伸運動をして息切れが出ないかを確認するのも有効だという。また、通常1分間の呼吸数は成人で12~16回程度のため、15秒間の呼吸数を数え、4倍して20回を超えていないかを目安にすることもできる。


2021.01.27-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ea4d6e48d0909d1f8cd87e81b7c6c903ceb3c810
小林化工に116日間の業務停止命令へ 過去最長の見通し 皮膚治療薬混入

  福井県あわら市の製薬会社「小林化工」が製造する爪水虫などの皮膚治療薬に睡眠導入剤の成分が混入し、服用者が死亡するなどした問題で、県が同社に116日間の業務停止命令を出す方針を固めたことが27日、関係者への取材で明らかになった。既に会社側に処分方針を通知しており、弁明の機会を与えた上で2月上旬にも処分する見通し。製薬会社への業務停止命令としては、2016年に化学及血清療法研究所(熊本市)が厚生労働省から受けた110日間を上回り過去最長となる。
  睡眠導入剤が混入したのは経口抗真菌剤のイトラコナゾール錠50「MEEK」。製造過程で目減りした原料をつぎ足す際に容器を取り違え、睡眠導入剤「リルマザホン塩酸塩水和物」を混ぜたという。厚労省に承認された製造手順では、つぎ足しは認められていなかった。さらに出荷前の検査で異常の可能性を示すデータが検出されたにもかかわらず、詳しい検査をせず出荷していた。

  一方、同社は27日、新たに別の医薬品22製品を自主回収すると発表した。高脂血症などの治療薬で、重い健康被害の恐れはないとしている。厚労省と県が20年12月に立ち入り調査した結果、厚労省が承認していない手順で製造した製品などがあったことが判明。承認された規格に不適合だったり、安定性試験が未実施だったりした。2製品ではイトラコナゾールと同様に原料のつぎ足しをしていたという。

  同社によると、睡眠導入剤が混入した製品を処方された患者は全国30都道府県で344人。意識消失や記憶喪失などの健康被害の報告は25日時点で215人に上り、1人は死亡した。22人が服用による意識障害が原因とみられる交通事故を起こすなどした。【岩間理紀、大原翔】


2021.01.26-朝日新聞-https://mainichi.jp/articles/20210126/k00/00m/040/277000c
「大変な時期に」 旭川医大、コロナ巡り学長と対立の病院長解任 関係者に衝撃

  海道旭川市の旭川医大病院で起きた突然の院長解任吉田晃敏学長らは26日に開いた記者会見で解任の正当性を強調したが、古川博之元院長は「結論ありき」と反論した。【渡部宏人、横田信行】
  会見の冒頭、一連の騒動について吉田学長らは頭を下げて謝罪。解任に至る経緯に関係しているなどとして吉田学長に代わり、大学の顧問を務める福田俊彦弁護士が中心に経緯を説明した。
  解任の理由になった運営会議などを無断で録画・録音し、内容を外部に漏えいした点について、院長が否定したが、複数の関係者の証言や目撃で確認できたと説明した。
  新型コロナ患者の受け入れを巡る学長と院長の対立については、院長が受け入れを求めた時点では、感染症対策が十分な専用病床が確保されていなかったと説明。軽症者の受け入れがないことは「市幹部と協議し了解を得ていた」とした。
  その上で、院長が「学内で協議しないまま受け入れを進めようとした」と指摘。学長側の主張に沿った事実認定をした。
  学長の発言を巡っては、文部科学省がパワーハラスメントの可能性があるとして事実確認中。こうした中、一方の当事者の処分に踏み切ったことに記者から質問が集中した。
  福田弁護士は、25日の全学説明会でも出席者から「拙速ではないか」との指摘が出たことを認めたうえで「手続きに不備があったとは考えていない」と答えた。
  古川氏と大学側の主張にずれがあるまま処分を出した点を疑問視する質問も出たが、十分な説明をしないまま会見は打ち切られた。
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2021.01.26-gooニュース(朝日新聞)-https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASP1V3HMTP1VUTIL002.html
文科相、旭川医大に苦言「冷静な対応を」 院長解任騒動
  国立の旭川医科大学(北海道旭川市、吉田晃敏学長)が付属病院の院長を解任した問題で、萩生田光一文部科学相は26日の閣議後会見で「トップの方たちがこういう形で言い争うことそのものが、道民や利用される患者さんたちに不安を与えると思う。冷静な対応を学内でしてもらいたい」と述べた。

  関係者によると、大学は25日、学内の会議の内容を外部に漏らしたなどの理由で古川博之院長を解任した。古川氏は昨年、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した市内の吉田病院からの患者受け入れを巡って吉田学長と対立し、「受け入れるなら、代わりにお前がやめろと言われた」などと朝日新聞の取材に証言していた。
  吉田学長は昨年11月の学内の会議で、「コロナを完全になくすためには、あの病院が完全になくなるしかない、ということ」などと発言したとされる。文春オンラインが翌12月に発言を音声データとともに報じ、旭川医大は吉田学長名で「不適切な発言だった」などとコメントしていた。


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2021.01.26-Yahoo!Japanニュース(北海道ニュースUHB)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5f47393b2ad078ad30d6ff16d3999c2fbe911e8a
突然の解任理由は…学長の”音声データ外部流出” 旭川医大病院長は関与「一部否定」
  旭川医科大学の吉田晃敏学長と旭川医大病院の古川博之病院長は、新型コロナウイルスの患者の受け入れをめぐり対立していました。1月26日、旭川医大は古川病院長を解任したと発表しました。 1月26日午後、旭川医大が開いた緊急記者会見。会見場には騒動後、初めて報道陣の前に姿を現した吉田晃敏学長も。冒頭、深々と頭を下げました。
  旭川医大 吉田 晃敏 学長:「大変不快な思いをさせたことを、心からおわび申し上げます」 騒動の舞台となっているのは、北海道第二の都市・旭川市の基幹病院・旭川医大病院。
   1月26日の会見で病院のトップ、古川博之病院長の解任が発表されたのです。大学側が解任の理由の一つにあげたのは…。
   旭川医大 松野 武雄 理事:「秘密録音をしました。録画、録音情報を外部に漏洩させたことであります。病院長たるに適さない」、その音声データに収められていたのは吉田学長の発言でした。
   旭川医大 吉田 晃敏 学長(11月17日):「コロナを完全に無くすには、あの病院が完全に無くなるしかない。吉田病院があるということ自体が、ぐじゅぐじゅぐじゅぐじゅとコロナをまき散らして…」  これは2020年11月、クラスターが起きた旭川の吉田病院への発言。会見で吉田学長はその真意を説明しました。
   旭川医大 吉田 晃敏 学長:「吉田病院がなくなれば良いといったのは、吉田病院のコロナウイルスはなくなれば良いという意味でそれを切り取られてしまった」
   そして旭川医大は、この音声データなどの流出に古川博之病院長が関与しているとして、1月25日付で病院長職を解任したのです。

  一方、古川病院長は関与を一部否定した上で、「感染がまん延する中での解任は病院と地域医療をないがしろにするものだ」と反論しました。
   道北全体の高度医療を担う基幹病院で起きたゴタゴタに市民らは…。
         ・ 学生:「そういうの(騒ぎ)で全国区になったのは学生として恥ずかしい」
         ・ 通院する人:「もう少ししっかりしてほしい」
         ・  通院する人:「(学長の)言葉がもう少し、言い方があったのでは?」
   さらに新型コロナ患者の受け入れをめぐってもトラブルが…。古川病院長はコロナ患者の受け入れを主張した際、吉田学長から「受け入れるならお前が辞めろ」と言われたとしています
   旭川医大病院 古川 博之 病院長:「(コロナ患者を)受け入れるなら『辞めてください』と言われました。学長の方針で受け入れないとなった」
  一方、大学側は当時、「コロナ患者を受け入れる状況が整っておらず、医療崩壊につながる恐れがあった」と説明。現在、文部科学省がやりとりの事実関係を確認中です。  新型コロナの感染拡大が懸念される中、騒動を収束することができるのか。事態の行方に注目が集まっています。

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2021.01.26-Yahoo!Japanニュース(FRIDAY DIGITAL)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0a7066f58970241f9404ed015d171231aee19bde
パワハラ調査に揺れる旭川医大「病院長電撃解任」の深層
  1月25日付で、旭川医科大学病院の病院長が電撃解任された。昨年来問題が指摘されてきた「学長」が、ではない。学長から「(コロナ患者を)受け入れるなら、代わりにお前が辞めろ」と言われた「病院長」の古川博之氏が解任されたのだ。

  「こんな暴挙がまかり通るとは…学内は驚き、呆れています」(旭川医科大病院の職員のひとり)
  ◆突然の、一方的な「説明会」の果てに 昨年12月に発売された「週刊文春」(12月24日号)で「学長の暴言」が報じられたことが発端となった「旭川医大パワハラ疑惑」問題。
  簡単に経緯を説明すると、旭川市内の民間病院・吉田病院から新型コロナの患者受け入れ要請を受けた旭川医科大病院長の古川氏が、吉田晃敏学長に受け入れを提案したところ「(吉田病院が)コロナをぐじゅぐじゅと撒き散らして」と問題発言したうえに、患者を受け入れるなら「代わりにお前が辞めろ」と暴言を吐かれた。
   吉田学長の一連の言動に対して、文部科学省が「パワハラの疑いがある」として、異例の調査に入ってた。その騒動の渦中での「解任」であるから、普通は、調査の対象となっている吉田学長が解任されたと思うところ。
  しかし、実際に解任されたのは、「被害者」の立場にある病院長。驚きが広がるのも当然だ。 関係者によると、1月25日昼前、学内一斉メールで「一連の報道に関する、職員への説明の会」を開催するという連絡があったという。
  なにごとかとかけつけたおよそ400人の医師や職員の前で、大学役員会のメンバーからあった「説明」は「学内の情報を外部に流し、病院を混乱させた古川病院長を解任する」というものだった。
   「役員会からは、吉田学長が病院長に『辞めろ』と言ったのはその時点でコロナ受け入れの体制が整っておらず、職員を守るための選択だった』という旨の説明がありました。
  だから『パワハラにはあたらない、と役員会議が判断した』と。 こんな説明で納得できるわけがありません。問題のすり替えだし、ハラスメントかどうかは、受けた側が判断することでしょう」(病院関係者)
   ◆いくらなんでも… 説明会では「院長解任」の発表に、驚きと同時に諦めの空気もあったという。そんななか、ひとりの教授が質問に手をあげた。 「『この解任は納得できません。決定の経緯が不透明すぎるのでは』という質問でした。

  みんなが諦めかけていた中で、この質問をするのは勇気がいったと思います」(出席者) この問いに対し、役員会は「4時間にわたって話し合った、その結果である」とあっさり返答。しかし、「病院長の解任という重大事案について、たった4時間の会合で決めること自体おかしい」という声も聞こえてくる。
  病院長「だった」古川氏は、昨年からの新型コロナ対策の先頭に立ち、スタッフの信頼も厚かった。年頭の挨拶で、 「我々は地域の病院として、患者さんたちを守っていかなきゃならない。ここまで職員みなさんほんとうに頑張ってきた。あと一歩、頑張りましょう」 と話し、これを聞いた職員は「涙が出た」という。

  現場のスタッフは「古川先生の働きを知っています。土日も出てきて、病院を支えてました。古川先生だから、私たちも踏ん張ってこられたんです」と悔しさをにじませながら語った。別の医師は、 「今は病院にとってだけでなく、旭川、北海道にとって『有事』のときです。こんな内部事情で混乱している場合じゃない。これまでもこの組織でやりづらさを感じていましたが、今回は本当に『辞めたい』と思いました」 と本音を明かしたうえで、 「目の前に患者さんがいる。だから、手を抜くことも辞めることもできないんです。私たち医療者はそうやって仕事をしています。
  組織としてダメだからといって、質を落としたり量を落としたりすることはできませんから…。
  役員会はさまざまな『理由』をつけて説明をしている。しかし、医療は、ルールの前に倫理。なんだったら、仮にルールにそえなくても、倫理を優先する。それが私たちの仕事なんです」 と苦悩を漏らした。
  説明会では「当事者なので今回の決定には関与していない」と繰り返しアナウンスされ、壇上に座っていた吉田学長。しかし、最後にはマイクをもって「職員を守る。みなさんはファミリーですから」と発言したという。 「今、この切迫した時期にこんなことをして…そのうえで『家族』と言われてぞっとしました」(出席した関係者)
   同大学は26日に記者会見を開き、解任に至る経緯を外部に向けても説明。古川氏が内部の情報を外部に漏らしたと結論づけたことや、マスコミの取材を受け学内を混乱させたことなどを解任の理由として挙げた
  旭川医科大病院は、日本最北の医療の砦といわれる。今日も、多くの患者がここを頼り、命をつないでいる。そんな旭川医科大病院の院長室は今、無人になっている。混乱が収束し、大学と病院が正常に機能し続けることを願うばかりだ。








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