いじめ-1



2020.6.16-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60391210W0A610C2CE0000/
中2男子自殺、母が県と町を提訴 福井地裁

  福井県池田町立池田中2年の男子生徒(当時14)が2017年3月に自殺したのは、厳しい指導や叱責をした当時の担任らに責任があるなどとして、生徒の母親が16日までに、県と町に計約5400万円の損害賠償を求めて福井地裁に提訴した。母親は15日、福井市内で記者会見し「訴訟となることでさらなる事実解明や再発防止の一助となってほしい」と訴えた。
  訴状によると、生徒は、生徒会の副会長に選任された2年生の後期以降、担任と副担任から厳しい叱責を何度も受けるようになった。17年3月14日、校舎から飛び降りて自殺した。
  原告側は、担任の叱責は、極めて威迫的で生徒に強い心理的打撃を与えて恐怖を覚えさせるもので、副担任の叱責も生徒理解という教員の基本姿勢が欠落した全く教育的効果のないものだと指摘。いずれも教員に許される懲戒権の範囲を逸脱しており違法だと主張した。
  生徒は17年1月ごろから精神的に不安定となり、同3月には「死にたい」と口にしたり、部活動の欠席が増えたりするなどしており、担任と副担任は自殺の可能性を認識できたとも言及。叱責した場合に、生徒の衝撃を和らげる措置を取らなかったとして、安全配慮義務違反もあったとした。
  さらに当時の校長と教頭は、生徒と副担任との間に問題があることや、担任が大声で叱る場面を見ていたのに何も対処せず放置したと指摘。適切に対応していれば自殺を止められた可能性があったとした。
  杉本博文町長は「改めて生徒のご冥福を祈り、哀悼の意を表する。今後については丁寧に誠実に対応する」とのコメントを発表。県教育委員会は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
  生徒の自殺を巡り、町教育委員会の調査委員会は17年10月、自殺は担任らの行きすぎた指導による精神的ストレスが原因との報告書を公表した。〔共同〕


2020.6.12-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/west/news/200612/wst2006120024-n1.html
高2いじめ自殺、書類送検 少年ら暴力行為疑い、福岡

  福岡県久留米市の県立高で平成30年6月、野球部所属の2年の男子生徒=当時(16)=がいじめ被害を訴えるメモを残して自殺した問題で、県警久留米署が今年1月、生徒への暴力行為法違反容疑で当時野球部員だった少年ら3人を書類送検したことが12日、同署への取材で分かった。
  福岡地検久留米支部は1月、同法違反容疑で3人を家裁送致。福岡家裁久留米支部は少年審判の開始を決めた。自殺をめぐっては、県教育委員会の第三者委員会が既に部内のいじめが原因とする調査報告書を、31年3月に県教委へ提出している。
   3人の書類送検容疑は、集団で生徒のズボンを下ろすなどしたとしている。


2020.3.26-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200326/2000027046.html
大阪 中1自殺はいじめが原因

おととし、大阪市内の中学1年の男子生徒が、自宅のマンションから飛び降りて自殺したことについて、大阪市が設置した第三者委員会は、同級生らによるいじめなどが原因だとする調査報告書をまとめました。
  おととし1月、大阪市立の中学校に通う1年生の男子生徒が自宅のマンションのベランダから飛び降りて自殺しました。
  大阪市が設置した弁護士らでつくる第三者委員会は、調査報告書をまとめ、26日公表しました。
  それによりますと、男子生徒は、
▽同級生から「LINE」で何かをおごるようにしつこく要求されたり、
▽所属するクラブの先輩からプロレス技をかけられるなどのいじめを受けていたと認定し、こうした行為が、自殺の原因になったとしています。
  一方、中学校の対応について、
▼男子生徒自身が、アンケートでいじめを受けたことがあると回答していたほか、
▼出身小学校からも支援の必要性を伝えられていたにもかかわらず、ほとんどいじめを認識できておらず、不十分だったと指摘しています。
  第三者委員会は、中学校に対し、
▽いじめを早期に発見するための組織的な対応を徹底することや、
▽保護者との情報共有のあり方を見直すことなど、再発防止に取り組むよう提言しています。
  記者会見した第三者委員会の藤木邦顕弁護士は「いじめを早期発見して、担任を中心とした組織のなかで把握できていたら、保護の観点やいじめ防止の観点で色々と動く余地はあった」と述べました。


2020.3.12-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56695780S0A310C2AC1000/
小5女児が自殺、いじめか 「学校で死ねと言われた」

大阪市立小学校5年の女子児童(11)が2019年9月に自殺し「学校で死ねって言われた自分死んだって誰も悲しまない」などといじめ被害をうかがわせるメモを残していたことが12日、分かった。両親は同日、市内で記者会見し「学校はきちんと向き合って調査してほしい」と真相究明を求めた。
  両親によると、女児は19年9月24日に学校を欠席。同日午後、自宅マンションの高層階から飛び降りて亡くなった。母親(42)はこの日の朝、勉強机に置かれたメモに気付き、欠席連絡と合わせて内容を学級担任に知らせたものの、メモはそのままにしていた。担任は校長に報告せず、女児の死後、身に着けていた衣類のポケットから見つかった。
  学校側は約1カ月後に同学年の児童にアンケートを実施。市教育委員会は結果を踏まえて20年1月に「いじめは認められない。学校内での調査は打ち切る」と説明し、市の外部機関である第三者委員会での調査を勧めたという。
  母親は会見で「きょうだいが同じ学校に通っている。第三者委の外部の人ではなく、信頼できる先生に調査してほしい」と話した。
  市教委の担当者も記者会見し「いじめの疑いはあるが、具体的な行為が把握できていない」と説明した。保護者の要請を受け、市教委が主導する形で学校内の調査を継続するとした。女児が通っていた小学校の校長も同席し「他の調査方法があったかもしれない。ご家族への寄り添い方が適切ではなかった」と話した。〔共同〕


2020.3.13-Yahoo!!Japan ニュース-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200313-00000043-ytv-l27
小6男児 現金要求の同級生7人に10万円渡す 大阪・守口市 男子児童は不登校に

大阪・守口市の小学校で、6年生の男子児童が同級生から要求され、10万円以上の現金を渡していたことが分かった。
   守口市教育委員会によると、6年生の男子児童は、去年5月から7月にかけて、男子同級生7人から「金ちょうだい」などと何度も要求され、自宅にあった現金を持ち出していた。金額は、1人あたり2000円から2万5千円で、分かっているだけで10万7500円にのぼるという。
   自身の子どもが現金を持っていることを不審に思った同級生の保護者が、学校に連絡して発覚した。男子児童は不登校になっており、教育委員会はいじめの重大事態にあたるとし、第三者委員会を設置する方針。


2020.3.8-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/200308/wst2003080015-n1.html
神村学園通信制問題、学園にいじめ報告せず 国指針を逸脱か
(1)
鹿児島県のスポーツ強豪校「神村学園」高等部通信制課程のサポート校「淡路島学習センター」(兵庫県淡路市)で学習支援が放置されていた疑惑で、生徒が同級生からいじめを受けていたことを、センターの運営業者が学園に報告していなかったことが8日、関係者への取材で分かった。文部科学省の指導方針に反している疑いもあり、鹿児島県が実態を調べている。(神戸総局取材班)
   淡路島学習センターは昨年4月に開設された学園のサポート校で、業務提携した地元業者が運営。勉強との両立でプロサッカー選手を目指すとうたっていたが、1期生22人のうち10人が同8月末までに辞めた。
元生徒「2階から飛び降りようと…」
   関係者によると、センターを辞めた元生徒の1人は同4月ごろから同級生に殴られるなどのいじめを受けていた運営業者も同7月までには元生徒への暴言・暴行があったことを把握したが、学園側には報告していなかった。元生徒は産経新聞の取材に対し、「当時は精神的に参っていた。寮の2階から飛び降りようと考えたこともあった」と明かした。
(2)
 文部科学省によると、こうしたサポート校など私立学校の関連施設でいじめが発覚した場合、いじめ防止対策推進法などに基づき、法人側が解決に乗り出すよう求めている。取材に対し運営業者は、「生徒や保護者と密に連絡して対応した」と説明したが、鹿児島県学事法制課は「学園による組織的な対応が必要だった」として、学園側に対する調査を進めている
   学園高等部単位制・広域通信制課程の橋本徳二教頭は、産経新聞が指摘した昨年12月の段階ではいじめを把握しておらず、「生活面は運営業者に任せていた」と説明していた。
   淡路島学習センターをめぐっては、高校卒業資格の取得に必要な教育指導が実施されず、寮などで粗末な食生活を強いられたなどとして、同12月、元生徒9人と親が学園やセンターの運営業者などを相手取り、総額2131万円の損害賠償を求める訴訟を松江地裁益田支部に起こしている。
毎日親に苦境訴え
   「頭が痛くて寝ることができない」「限界かもしれない」。いじめを受けたとされる元生徒は淡路島の寮を去る直前、毎日のように親に苦境を訴えていた。
(3)
元生徒の親によると、同級生数人によるいじめは昨年4月ごろに始まった。「滑舌が悪いからしゃべるな」。当初は暴言にとどまっていたが、そのうち食事の際に殴られたり、すれ違いざまに蹴られたりすることも。同6月には胃腸炎を患って入院。退院後の同7月上旬に親に被害を打ち明け、淡路島学習センターの運営業者にも相談した。
   その後、同級生からは謝罪を受けた。淡路島でサッカーを続けることも考えたが、元生徒は体調が好転しないまま、毎晩のように寮のベッドからSNS(会員制交流サイト)で親に助けを求め、同8月にセンターを去った。
   いじめ問題に詳しい教育評論家の尾木直樹さんは、センター側が日常的に粗末な食事を提供し、学習の機会をほぼ設けていなかった疑惑に触れた上で、「学校法人や自治体の目が届きにくい中で不適切な運営をしているサポート校では、いじめが起きるのは当たり前といえる。良心的な通信制高校に対する世間の信頼も揺らぎかねず、こうした施設をしっかり管理・指導できる体制づくりが必要だ」と訴えている。


2020.3.6-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200306/k10012318241000.html
女子生徒 服脱がされる動画拡散され転校 いじめと認定 横浜

横浜市の中学校に通っていた女子生徒が複数の同級生に服を脱がされ、その様子を撮影した動画を拡散されて転校していたことがわかりました。横浜市の第三者委員会は、深刻な影響を及ぼす重大事態としていじめと認定しました。
  横浜市教育委員会によりますと、平成27年6月に市内の公立中学校に通っていた、当時2年生の女子生徒が、同級生の女子生徒5人に服を脱がされて体を触られ、その様子を動画で撮影されたということです。
  動画は、ほかの同級生に転送され、同学年の男子生徒や近隣の中学校に拡散されたということで、この女子生徒は登校できなくなり転校したということです。
  被害者に深刻な影響を及ぼす重大事態として調べてきた第三者委員会は6日、結果を公表し、これらの行為をいじめと認定しました。
  また、小学校の頃にもいじめと認定できる事実が多くあったとしました。また、学校は警察に通報するなどの対応は取っていたものの、今回生徒側から申し立てがあるまでいじめの重大事態としては扱われなかったことから、第三者委員会は専門家による調査や検証を困難にし、再発防止策の提示を遅らせる結果となったと指摘しました。
  報告書は横浜市教育委員会のホームページで公開されていて、教育委員会は「学校とともに、再発防止策の徹底を図っていきたい」と話しています。


2020.2.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/200225/wst2002250007-n1.html
メモ隠蔽で遺族と和解 神戸の中3いじめ自殺

神戸市垂水区で平成28年に市立中3年の女子生徒=当時(14)=が自殺し、市教育委員会がいじめの調査メモを隠蔽した問題で、市は25日、遺族に約2千万円の解決金を支払って和解することを決めた。市議会で同日、訴訟を経ずに和解するための議案が全会一致で可決された。
   市などによると、自殺後に市教委が設けた調査委員会が29年、いじめと自殺の直接の因果関係を認めないとする結論をまとめ、遺族が反発。生徒の同級生が説明したいじめの内容が記されたメモを市教委幹部らが隠蔽していたことも発覚した。
   市は別の第三者委員会を立ち上げて再調査し、昨年4月にいじめと自殺の関連性を認める報告書をまとめた。
   報告書は「遺族の思いが軽く扱われた」と市教委の対応を非難。いじめの初期段階で適切な対応ができるよう、弁護士やスクールカウンセラーとの連携を強化すべきだとの提言も盛り込まれた。遺族側は、提言の実現も和解の条件とした。


いじめ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


いじめ(苛め、虐め)とは相手に苦痛を与える行為であり、悪質な場合は傷害罪、暴行罪、強要罪、侮辱罪に相当する犯罪行為となる。文部科学省の定義においては、児童の一定の人間関係のある人物から、精神的、物理的な攻撃を受けたことで苦痛を感じていることであり、国際的には児童に限らず「自尊心を損なわせ弱体化させることを目的とした、執念深い、冷酷な、あるいは悪意のある企てによる、長期に亘って繰り返される不快な行為」である。 いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号)第4条にて、学校に在籍する児童又は生徒の間でのいじめは禁じられており、同法第25条および第26条において、加害児童等に対する懲戒処分・出席停止についても明記されている。

「いじめ」の概要
世界保健機関、国際労働機関、国際公務員労組連盟などによれば、いじめとは児童に限らず、「自尊心を損なわせ弱体化させることを目的とした、執念深い、冷酷な、あるいは悪意のある企てによる、長期に亘って繰り返される不快な行為」である
いじめ認定の要件
「いじめ防止対策推進法」(平成25年法律第71号)の施行以後、教育や司法の場において「いじめ」が議論される場合、基本的に同法の定義が使用される。各種文献において「いじめ」という用語が使用される場合、それが同法の定義する「いじめ」なのか、辞書などにある一般用語としての「いじめ」なのかを区別する必要があり、書かれた時期などにも注意を要する。
  学校や第三者委員会が「いじめ」を認定する際には、「立場の互換性がない」、あるいは「力関係の差」が存在することを要件とする記述も散見される。つまり、「いじめる」側と「いじめられる」側がしばしば互いに入れ替わったり、「強い」立場の者が「弱い」立場の者をいじめるという構図にあてはまらない場合には、じゃれあいやケンカなどとみなされる場合もある。なお、ここでいう「強い」「弱い」という言葉は、腕力や発言力などを指すものではなく、あくまでも集団内での「立場」《スクールカースト》を指し、たとえば発言力の強い者がまさにそれゆえにいじめの対象となることもありうる
  中学1年生についての国立教育政策研究所追跡調査(2004-2009)によれば、半年後まで続くような週1回以上のいじめ事例は半分以下で、一般的イメージとは異なり、いじめる生徒・いじめられている生徒は短期間で入れ替わっており、固定的な「いわゆるいじめられっ子(いじめられやすい子供)」や「いじめっ子(いじめやすい子供)」も存在しないとされた。また、同じ学校・同じ年度の生徒であっても学年が進むにつれていじめの数が大きく増減しており、「いじめが起こりやすい学校・年度」のようなものはなかった。したがって、「いじめが起きやすい学校とそうでない学校、いじめが起きやすい学年とそうでない学年というものが存在しているわけではない」。そのため、「何か特別な問題や背景があるから、いじめが起きる」わけではなく、「そうした問題の有無とはさほど関係なく、いじめは起きうる」「ちょっとしたきっかけで、いじめは起きてしまう、広がってしまう」のが実態とされた。小学校においても同様の傾向が確かめられている
ある行為が「いじめ」であるかどうかの判定は極めて困難であり、むしろその区別にこだわり過ぎているという指摘もある。1994年の愛知県西尾市中学生いじめ自殺事件で自殺した生徒の父は「いじめかどうかは重要ではありません。その行為はいじめではない、と言われたら子供だって安心する。教職員を含めてみんな面倒なことは避けたくて、いじめではないことを心のどこかで望んでいるのかもしれません。でも本来は、仲間はずれにされたり、傷つけられたり、『ウザい』『キモい』『死ね』とけなされたりする行為そのものが問題なはずです。定義が曖昧ないじめという言葉は、教委や学校が責任を逃れるための隠れ蓑になっているのではないでしょうか」と語っている
また、2005年の丸子実業高校バレーボール部員自殺事件では自殺した生徒の母親が裁判をおこすと、事実無根で捏造であるとして加害者とされた側も裁判を起こし、判決では生徒の遺族側の主張は退けられた新潟県神林村男子中学生自殺事件(2006年)では当時の文部科学省の定義からは認定が難しいとされた。
嗜虐的関与
内藤朝雄によれば、いじめは相手の肉体的・心理的苦痛を快楽的に楽しむことを目的として行われるさまざまな行為であり、学級など簡単には抜けることのできない集団のなかで、群れた「みんな」の勢いや「自分たちなり」の特殊な秩序を背景として、そのような行為がなされることをいう。内藤は「人間関係が濃厚すぎる集団内において生じる欠如を埋めようとする偽りの全能感」としていじめの理論化を行った

  1)内藤は最広義の定義を実効的に遂行された嗜虐的関与とした。つまり、相手が苦しむことを楽しむことを目的として、何らかの行為が行われ、実際にそれが効果を挙げたことをいう。「嗜虐的」攻撃は、「戦略的」攻撃とは区別され、攻撃を受けて苦しむ様子を見ること自体が目的である。
  2)次に、広義において、いじめとは「社会状況に構造的に埋め込まれたしかたで、実効的に遂行された嗜虐的関与」であるとされる。この定義において、たとえば通り魔や、グループを組まない乱暴者による一対一のいじめは除外される。なんらかの人間関係があったり、学級などに制度的に組み込まれているなどの枠組みの中で、いじめは発生する。
  3)さらに、狭義では「社会状況に構造的に埋め込まれたしかたで、かつ集合性の力を当事者が体験するような仕方で、実効的に遂行された嗜虐的関与」と定義される。集団の中の「ノリ」がエスカレートして暴力が激化したり、客観的には取るに足らない理由でシカトされる者が決定されたりと、集団心理のダイナミクスが働いていることが狭義におけるいじめの要件となっている。
「いじめ」の分類
教育社会学者の藤田英典も(学校での)いじめを次の4つに分類し、多くのいじめに対する言説がその特性の相違点を考慮していない点を批判している。

  1)モラルの低下・混乱によるもの。1980年代中ごろに頻発したタイプで、被害者が偶発的に決定されるところに特徴がある。一種のモラル・パニック集団ヒステリーといえる。
  2)社会的偏見・差別による排除的なもの。1のケースと比較するといじめの対象となった理由(特定の社会的属性を持っていたということ)は明瞭であり、差別意識自体を取り除く指導をすることがこの種のいじめの対策となる。
  3)閉鎖的な集団内で特定の個人に対して発生するもの。教師など外部から実態が把握しにくいぶん、対策は難しくなる。
  4)特定の個人への暴行・恐喝を反復するもの。3のケースと違って、加害者と被害者の属するグループは異なる場合が多い。不良が下級生からカツアゲするといったものが典型的なもので、認知されやすい。


教育評論家森口朗も藤田の分類を継承して「修正藤田モデル」という四分類を作った

  1)子供たちが共同生活をおくる上で当然発生するであろう軋轢
  2)従来型コミュニケーション系いじめ。仲間はずれにするなど、犯罪の構成要件は満たさないもの。
  3)犯罪型コミュニケーション系いじめ。インターネット上での誹謗中傷のように犯罪(名誉毀損罪侮辱罪など)とみなしうるもの。
  4)暴力・恐喝型いじめ。暴行や窃盗などの犯罪(暴行罪傷害罪恐喝罪など)に問われるもの。


そしてそれぞれ求められるべき対処法は異なり、1のタイプの軋轢の解消は可能な限り生徒の自主性に任せ(教師は2の段階に移行しないかを直接介入することなく見守る)、3・4のタイプでは警察へ通報または弁護士に相談するなど司法の介入によって解決し、2のタイプのみ教師・学校側が積極的に解決すべき問題であるという。
学校でのいじめ
間接的、隠れた虐め学校での虐め学友迫害も参照。
日本のいじめは特に1985年(昭和60年)ごろから陰湿化した校内暴力をさすことが多い。いじめによる暴行で重篤な場合は重傷を負わせられる、傷害の結果死に至ったり山形マット死事件)、強姦されたり(1996年の旭川女子中学生集団暴行事件、自殺する例もある(1986年の中野富士見中学いじめ自殺事件)。また、中学生が5000万円も恐喝によって得たり名古屋中学生5000万円恐喝事件、2000年)、いわゆる問題児モンスターチルドレン不良行為少年)による単純な暴力だけでなく、使い走り(パシリ)をさせたり、「物を隠す」「第三者の物を隠し、被害者に罪をなすりつける」「交換日記悪口を書く」「机に花を置き死亡したことにする」「被害者の名前を隠語にして被害者がききかえしても別人のことをしゃべっているふりをする」といった「心に対するいじめ」もあり、シカト(無視、仲間外れ)などは水面下で行われることから、教師や周囲が気づかないうちに深刻な事態になりうる。1996年(平成8年)に文部大臣(当時)が緊急アピールしているように、「深刻ないじめは、どの学校にも、どのクラスにも、どの子供にも起こりうる」もので、児童生徒1,000人あたりの7.1人がいじめを受けている。調査では「小学校4年生から中学校3年生までの6年間の間に、いじめ(仲間はずれ、無視、陰口)と無関係でいられる児童生徒は1割しかいない」ことが指摘されている。
学校の種類別といじめの様態
学校の種類別では、幼稚園保育園では小学校や中学校のようないじめはないという。積極的な子供が消極的な子供を従えているようにみえる「子供同士の力関係」や、「子供のコミュニケーション能力の未発達」による玩具等の横取り、手を出すことをいじめととらえてしまう親もいるという
  学年別動向の統計調査では、小学校では、「冷やかし」の割合が多いが、「仲間はずれ」の割合が、他の区分に比べて多い。国立教育政策研究所追跡調査(2004-2009)によれば小学校・中学校で「仲間はずれ、無視、陰口」が3年間の間に全く無かった児童生徒はそれぞれ22.6%、27.6%で、3年間連続でいじめがあった児童生徒は小学校・中学校でそれぞれ0.4%、0.6%であった。しかし、小学校でもいじめを苦にした自殺事件はあり、2005年の滝川市小6いじめ自殺事件2010年の桐生市小学生いじめ自殺事件ではフィリピン系の生徒が自殺した。
  中学校は統計上、いじめが最も多くなる年代である。国立教育政策研究所調査(2004-2009)によれば、学年別で見た場合、中学1年生だけで17,063件のいじめが認知されており、この数字は小学6年生(4,262件)や高校1年生(3,701件)に比べ4倍以上多い。男女比では、54.8%が男子、45.2%が女子である
  高等学校では「冷やかし」と「暴力をふるう」割合が高い。いじめによって退学する場合もある(人間関係を理由とした中途退学は、2005年度で7.4%)。先輩後輩をいじめる事例もある。大学に於いても特に体育会系のクラブで、先輩からの「しごき」という名のいじめは昔から存在する。これに関連して、継続的な悪質ないじめで、訴訟沙汰になった例もある。また、2007年の追手門学院大学いじめ自殺事件では在日インド人学生がいじめで自殺し、自殺した生徒の親も1年後自殺した。

教師によるいじめと監督不行届(「指導死」も参照)
自衛官の子供へのいじめや差別が、日教組教師らによって行われてきた。佐々淳行の子供が通っていた小学校の日教組組合員の女教師が、父親が警察官・自衛官である生徒を立たせて「この子達の親は悪人です!」と吊し上げをした。憤慨した佐々が家庭訪問の際教師に問うと、その教師は反省の弁は無く、自民党や自衛隊、警察を口汚く罵るばかりであったが、教育委員会に訴え出て免職させると佐々が言うと、教師は一転して土下座して謝罪しはじめた。この際、この教師は「日教組の組織をあげて戦う」と発言したという。また、自衛官の配偶者や子供の中には差別を恐れ、配偶者や親の職業を隠さざるを得なかった例もあり、自衛隊員の息子であった産経新聞社会部次長大野敏明は小学校4年生の頃、日教組の教師に「大野くんのお父さんは自衛官です。自衛隊は人を殺すのが仕事です。しかも憲法違反の集団です。みんな、大きくなっても大野君のお父さんのようにならないようにしましょう」といわれ、「自衛隊員の息子として教師から虐めを受け、登校拒否になった」という。また、同じく自衛官の息子だった友人は内申書の評価を下げられ、親の職業を言いたがらない者もいたと述べている
  問題のある教師(モンスターティーチャー)によるいじめも問題となっている1986年の中野富士見中学いじめ自殺事件では、東京都中野区の中学教師がいじめに加担した2006年の福岡中2いじめ自殺事件でも教師がいじめに加担した。
  その他にも、教員による職場いじめとして職員室のいじめもある。
監督不行届
大津市中2いじめ自殺事件(2011年)では、自殺した生徒からいじめ相談をされていた担任が適切な対応をとらなかったことが問題とされた。
  2014年の長崎県新上五島町奈良尾中学校いじめ自殺事件では生徒が利用していたLINEに自殺を仄めかす書き込みをしており、同級生や一部の保護者らは気付いていたものの学校に知らせていなかった。また、同町教委はいじめの存在は認めたものの、自殺との因果関係は不明としており、生徒の遺族は真相究明を求めた
  また、2013年9月に施行されたいじめ防止対策推進法によって、教育委員会が各都道府県知事に対し、「重大事態」に相当するいじめについて報告する義務が課されたにもかかわらず、同法への無理解から、報告を怠っていたケースが散見され、法が事実上機能していないと指摘されている
学校の不認知
2015年10月、文部科学省が岩手県矢巾町のいじめ自殺不認知問題を受けて全国の小中高校等に再調査させたところ、前年度減ったとされる15万件である結果から約3万件増え、最終的に前年度を二千件上回る結果となった。増えた件数について福島県で4.3倍、福岡県で2.7倍、岩手県で2.1倍となった
  さらに、加藤・太田・水野 (2016) は、公立小中学校の児童生徒41,043人を対象に、いじめ被害の実態を質問紙を用いて調査した(調査では、児童生徒が質問紙に回答後、質問紙を配布された封筒に入れて封をし、その封筒を回収している)。その結果、文部科学省が公表しているいじめ認知件数は、実際のいじめ被害人数の5%以下であること(日本全国の児童生徒数に対する文科省が公表するいじめ認知件数の割合と、加藤らの調査の対象となった児童生徒41,043人に対する同調査におけるいじめ被害人数の割合を基に算出)が判明した。これは、文科省が公表するいじめ認知件数は、教師がいじめだと認知したものに限られるのに対して、加藤らの調査では、上述のように児童生徒が安心して真実を回答できるよう配慮された方法で行われたアンケート調査を通して児童生徒本人がいじめ被害を回答したからであると思われ、教師がとらえているいじめ(文科省が公表するいじめ認知件数)はいじめ被害全体のごくわずかであることが明らかになった


2020.2.21-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200221/k10012296121000.html
教諭いじめ問題 報告書 暴行など100件余 職員室の雰囲気も言及

  神戸市の公立小学校で4人の教諭が同僚に無理やり激辛カレーを食べさせたり、暴行を繰り返したりしていた問題で、外部の弁護士らで作る調査委員会はこうした行為が100件余りに及んでいたとする報告書をまとめました。加害者の教諭らの個人的な資質に加え歴代の校長らが作り上げた職員室の雰囲気によっていじめを止めることができず、1人の教諭を精神的に追い詰めたと指摘しています。
  神戸市の市立東須磨小学校で4人の教諭が同僚の20代の男性教諭をいじめていた問題で、市の教育委員会が設置した外部の弁護士らで作る調査委員会は21日、報告書を提出しました。
  それによりますとおととし複数の教諭が家庭科室で「激辛カレーの会」を開き、被害に遭った教諭を羽交い締めにして食べさせたり、本人の携帯電話から勝手に女性の同僚教諭に不適切な文言をLINEで送ったりしていたということです。
  また、もっとも多くの行為が認定された教諭は日常的にひざ蹴りやプロレス技をかけるなどの暴行を繰り返していたほかプールに投げ込むなどの行為も行っていたとしています。報告書ではこうした行為が合わせて103件に上ると認定しています。
  このほか、いじめがエスカレートした原因については加害者の規範意識の低さなど個人的な資質だとしたうえで、歴代の校長によって相談しにくい環境が作られ職員室内の風紀に緩みが生まれるなど、職員室の雰囲気によっていじめを止められず、1人の教諭を精神的に追い詰めたと指摘しています。
  さらに、教育委員会による研修制度や外部相談窓口の不備もあったとして「いじめ防ぐべき立場の教育者集団内でこのような事態が生じたことは極めて重く受け止められるべきだ」と厳しく指摘しています。
103件のいじめ
  神戸市の教育委員会が設置した調査委員会の報告書では20代の男性教諭に対する4人の同僚教諭の103件ものいじめやハラスメント行為を認定しました。
  このうち4人の中で古くから小学校に在籍していた30代の教諭は、問題となった「激辛カレー」や車への嫌がらせのほか、教員室などで日常的に「くず」「死ね」などと暴言をはき、プール清掃の際には手足を持ってプールの中に放り投げるなどしていました。
  ほかにも、本人の携帯電話から勝手に女性の同僚教諭に対して不適切な文言をLINEで送るなど78もの行為がいじめやハラスメントと認定されました。
  また別の30代の男性教諭は同僚と一緒に行った行為を除き、飲み会で皿に親指を入れるなどしたほか、被害者の交際相手の女性の悪口を言うなど単独で14の行為が認定されました。
  さらにもう1人の30代の男性教諭も、足を踏んだり、イスを蹴ったりするなど3つの行為が単独でのいじめやハラスメントと認定されました。
  そして、最年長の40代の女性教諭については、日常的にビンタをしたり「ポチ」と呼んだりしたほか、相談されていたプライベートの話をほかの教諭に話すなど、単独で8つの行為が認定されました。
調査委員会「闇がある」
  調査委員会の渡邊徹委員長は記者会見で「全貌が解明できたかわからないが、調査を通じて『闇がある』と思った。加害教員らの個人的資質や性格などの問題があるが、一方でそれに気付けず助長した歴代の管理職などの責任も小さくなく、状況を聞きくにつけ『残念だな』と思った」と話していました。
被害者教諭 メッセージとコメント(全文)
  神戸市の公立小学校でのいじめ問題で、被害者の男性教諭が調査報告書のを受けて発表した子どもたちへのメッセージとコメントの全文です。
(調査報告書を受けたコメント)
  昨年来、私に関することで、東須磨小学校の児童、保護者の皆様をはじめ、多数の方々にご心配をおかけしてしまいましたことを改めてお詫び申し上げます。
  昨年9月、私は、加害教員とされる方々からの執拗ないじめ行為を受けたことが原因で、教員としての職責を果たせなくなってしまいました。病名は、適応障害でした。
  当初は入院を余儀なくされましたが、現在は通院治療を続けており、心身ともに回復をしてきました。今は、神戸市教育委員会の担当の方とお医者様と相談のうえで復職に向けて調整させていただくところまで来ております。
  この間、児童をはじめ沢山の方々から励ましの言葉を頂戴いたしました。この場をかりて皆様にお礼申し上げたいと思います。
  加害教員の方々には、やっている側は単なるいじりだと思うかもしれませんが、やられている側は笑顔でいても辛い思いをしているということをわかって欲しいと思います。今後のことは調査報告書を精査した後、家族、弁護士の先生と相談して決めていきたいと思います。一日も早く教壇に立てるよう治療と準備をしたいと思っております。
(子どもたちへのメッセージ)
  子供たちへ君たちから受け取った全員の励ましのメッセージが貼ってある冊子や、お手紙や絵、手作りの学級通信、そして一生懸命に折ってくれた千羽鶴、全部がとても嬉しかったです。
  あなたたちが優しく成長していることにもとても安心しました。
  先生のことを救ってくれてありがとう。君たちのおかげでもう一度立ち上がろうと思うことができました。
  また君たちの元気な笑顔、そして先生の元気な姿で会えることを楽しみにしています。


2020.2.13-YAHOO JAPAN!!ニュース 産経新聞-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200213-00000593-san-life
15年前のいじめで第三者委設置へ 神戸市教委、再三陳情も調査せず

神戸市立小学校で約15年前、当時小学5年生だった男性(25)が複数の同級生からいじめを受けていた可能性が高いとして、神戸市教育委員会がこれまでの対応に問題がなかったかを検証する第三者委員会を近く設置することが13日、分かった。
   市教委はこの事案について平成18年2月には学校から報告を受けていたのに、男性から直接聞き取りを行ったのはその約6年半後だった。面談はその一度きりで、いじめかどうかの判断を現在まで見送っている。
   男性側は23年以降、いじめと認定するよう求めて市議会に陳情を重ねてきた。昨年11月、与野党の構成が変わったことで16回目の陳情が初めて採択され、市教委がようやく第三者委の設置方針を固めた。
   男性の父親(56)や男性が同級生側に損害賠償を求めた訴訟の記録によると、いじめは小学5年だった17年から約1年間にわたり行われた。男性は同級生から「いじめ宣言」を受けて、複数の児童から日常的に暴行された。さらに万引を強要されたり、50万円超の現金を脅し取られたりして、翌年春に転校を余儀なくされた。
   訴訟では21年6月の1審神戸地裁判決、21年12月の2審大阪高裁判決で、いずれも同級生によるいじめ行為があったと認定され、男性側勝訴の判決が確定している。
   市教委は1審係争中の20年2月、学校による聞き取りでは双方の言い分に齟齬(そご)があるとして「いじめ・恐喝の事実があったかなかったか断定できない」との文書を神戸地裁に提出。判決確定後の24年9月になって初めて男性と面談したが、「いじめの定義に合うか判断できなかった」としている。
   市教委は裁判所の事実認定を踏まえ、現在は「いじめだった可能性が極めて高い」としているが、明確な結論は留保している。







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