害虫の問題-1


2025.07.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250715-ZVRWCBYB7RDENFELECKBVEM434/
マダニ感染症、関東への拡大懸念 神奈川県西部で感染者が入院 静岡県では2人死亡の猛威

  ウイルスを持ったマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、神奈川県が11日、県西部地域に住む60代女性の感染を発表した。感染した場所は不明。隣接する静岡県では6月以降、過去最多ペースとなる4人が感染し、うち2人が死亡するなど猛威を振るっており、関東圏への感染域拡大が懸念されている。

今年は過去最多ペース
  神奈川県によると、感染者は県西部の松田町に住む60代女性。6月28日に発熱などの症状が現れ、7月2日に医療機関を受診して入院。8日に感染が判明した。15日現在、加療のための入院が続いている。女性が感染した場所や感染経路、行動歴などは分かっておらず、県が継続して調べている。
  SFTSは平成25年に山口県で国内で初めて感染者が確認されて以降、九州・四国・中国地方など西日本地域を中心に感染が広がってきた。一方で、東日本での感染事例は相対的に少なかった。国立感染症研究所の統計によると、今年4月末までに、関東では東京都、神奈川県で届け出が計3件あったが、いずれも感染地は関東以外だったと見られている。また、関東以北の都道県が感染地と推定される事例の報告はない。
  一方で今年、全国の感染者数は過去最多ペースで増えている。4月末現在の推定感染地域の「最東端」の静岡県では6月以降、60代~80代の男女計4人の感染が確認され、そのうち60代女性と80代男性の2人が亡くなっている。県感染症対策課によると、過去最多だった令和4年(計6件)を上回るペースだという。
  今回神奈川県が感染確認した患者の住む松田町は、静岡県に隣接する神奈川県の西部に位置していることから、神奈川県の担当課も感染域拡大について「状況を注視している」(担当者)と話している。
ペットのイヌ・ネコ感染も
  SFTSはウイルスを持ったマダニにかまれることで感染し、6~14日の潜伏期を経て発症する。発熱や嘔吐、下痢などのほか、意識障害や失語などの神経症状、皮下出血や下血などの出血症状などが現れる。致死率は6.3~30%。有効な薬やワクチンはなく、治療は対症的な方法しかない
  平成25年以降、今年4月末までに計1071件の感染が確認され、そのうち117人が死亡している。
  マダニに直接かまれて感染するケースのほか、感染したイヌやネコなどの動物を通して人間が感染するケースもある。今年5月には三重県でネコから感染したとみられる獣医師が死亡している。また、茨城県は7月1日、イヌ・ネコそれぞれ1匹の感染を発表した。ペットの感染確認は関東の自治体では初めてとなった。
  厚生労働省などによると、マダニの体長は、吸血前が3~8ミリ程度で、吸血後は10~20ミリ程度と2倍以上に肥大する。吸血は数日から、長いもので10日間以上に及ぶ。春~秋に活動が活発となる。草むらなどにいるため、畑仕事やアウトドアレジャーの際は、長袖・長ズボンなど肌の露出を避ける服装をしたり、ダニに効果がある虫よけスプレーを使ったりすることが対策となる。ペットについては、室内飼育が推奨されている。


2025.06.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250628-T75DFGMRJRMUXK26XWCZBCT7MY/
水田に「地球最悪の侵略的植物」が襲来 令和のコメ不足に追い打ちか、繁殖拡大に農家悲鳴
(和田基宏)

  コメ不足による価格高騰が続く中、水稲に被害を及ぼす特定外来生物の水草「ナガエツルノゲイトウ」が猛威を振るっている茎や根の断片からでも再生して増殖することから「地球上最悪の侵略的植物」とも呼ばれ、今年2月現在で30都府県で見つかっている1月に初めて確認された岡山県内では農家が除草などの対策に乗り出しているものの、侵入経路も不明で、コメの収穫への影響に懸念を強めている

侵入経路不明で困惑
  岡山県内では1月、倉敷市内の小田川河川敷でナガエツルノゲイトウが初めて確認されると、5月には隣接する矢掛町の水田でも見つかった。
  「どちらが先に繁殖したのか、関連性はあるのか、どこから侵入してきたのかも分からない」
県自然環境課の担当者は困惑の色を隠せない。
  ナガエツルノゲイトウはナデシコ目ヒユ科に分類される南米原産の多年草。観賞用として日本に持ち込まれ、平成元年に兵庫県内の野外で定着しているのが初めて確認された。今年2月現在で30都府県で見つかっており、このうち福島や茨城、滋賀など14府県では水田への侵入が確認されている。水陸両生で畦畔(けいはん)や畑地にも侵入。繁殖力が非常に強く、数センチの茎や根の断片から発根して繁殖する。茎はちぎれやすくて水に浮き、断片が水路や河川などを介して拡散しやすいのが特徴だ
  県は矢掛町の水田の取水口付近や周辺の用水路でも繁殖を確認。「用水を伝って侵入したのではないか」と推測する。
  倉敷市は根が残らないよう繁殖場所を重機を使って土砂ごと取り除き、矢掛町では農家が除草剤を散布した。定着すると駆除が困難なため、県は5月に病害虫発生予察特殊報を発表。早期発見・駆除に向け、見回りや疑わしい植物を見つけた場合は連絡するよう農家に注意を呼び掛けている。
猛暑とのダブルパンチ
  「水田や畑で繁殖すると、作物や農機具に絡みついて倒伏させたり、機械の作業効率を低下させたりして、コメや農作物の収穫量の減少につながる」と指摘するのは、県病害虫防除所(赤磐市)の担当者。「草刈り機で刈り払ったり、手で引き抜いてその場に捨てたりすると、飛散した茎や残った根などから繁殖してしまう。農機や作業着などに付着して拡散する恐れもある」と説明する。
  今夏も猛暑が見込まれる中、コメの生育への影響が懸念されており、岡山県内の稲作農家の男性(69)は「猛暑になれば高温障害で収量が減る」と不安を口にする。
  猛暑に加え、ナガエツルノゲイトウによる被害という〝ダブルパンチ〟は避けたい。とはいえ、繁殖力や再生力の強いナガエツルノゲイトウの侵入を防ぐ有効手段はほぼなく、駆除には粘り強い対応が必要となる。男性は「農機や服に断片が付着していないか確認するなど、余計な神経を使わされる。放置して繁殖すればコメの収量が減るし」と嘆いた。
(和田基宏)


2025.06.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250627-VEJQX3DB7VDRPJ26FBY7IPVILQ/
中国発コンテナから大量「ヒアリ」 女王100匹含む2150匹と卵など500個、横浜港

  環境省と横浜市27日、横浜港の山下ふ頭で24日に発見されたアリを調べたところ、南米原産の特定外来生物で強毒を持つ「ヒアリ」と確認されたと発表した。中国の厦門港から輸入したコンテナの中から、働きアリ約2000匹、女王アリ約100匹、雄アリ約50匹の計約2150匹と、卵・幼虫・サナギ計約500個と大量に発見されていた

  環境省などによると、ヒアリが発見されたコンテナを積載した船舶は6月18日に中国の厦門港を出港。東京港の大井ふ頭への入港を経て、24日に横浜港の本牧ふ頭で陸揚げされ、コンテナヤードで一時保管。同日に山下ふ頭の荷捌き地に搬入された。
  事業者がコンテナを開封し、積み荷を降ろしたところ、コンテナの奥に多数のアリがいるのを発見。コンテナからアリが漏れ出ているのも確認したという。アリはその場で殺虫処理した。アリはその後、環境省がヒアリだと確認した。
  ヒアリは南米原産の特定外来生物。日本国内では平成29年6月に初確認されて以降、18都道府県で発見されており、累計では今回が142件目。ヒアリに刺されると「熱いような激しい痛み」を覚え、赤みが出てきて膿がたまったような症状が現れる。アレルギー反応の「アナフィラキシーショック」により、息苦しさや激しい動悸(どうき)やめまい、腹痛のほか、血圧が急低下して意識を失うなど、重症化して生命にかかわるケースもある


2025.06.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250617-2JDYUCHI3RA5PH2DKELZUCOKEY/
強毒「ヒアリ」活動期 東京港・大井ふ頭コンテナヤードで600匹発見、6月だけで5件目

  東京都は16日、東京港の大井ふ頭(品川区)で12日に発見されたアリを調べたところ、南米原産の特定外来生物で強毒を持つヒアリだと確認されたと発表した。コンテナヤード上に約600匹いた。ヒアリの発見は6月に入ってから各地で相次いでおり、今回で5件目となった。

  都によると、12日、ふ頭のコンテナヤード上にヒアリの疑いのあるアリ約600匹がいるのを環境省の調査員が発見。周辺に殺虫エサを設置するなどして駆除した。その後、専門家がヒアリと確認したという。
  環境省はヒアリが分布する国・地域と定期コンテナ航路がある全国の65港湾について、ヒアリの活動期にあたる春~秋に毎年、生息を調査している。
  今年は5月に調査を始め、6月2日に横浜港本牧ふ頭(横浜市)で今年度初めてとなる約550匹を発見。以降、東京湾の中央防波堤外側コンテナふ頭(大田区)、千葉県柏市の民間事業者敷地内のコンテナ、名古屋港飛島ふ頭(愛知県飛島村)からそれぞれ60匹、約500匹と卵・幼虫など約30個、12匹が発見されている。
  ヒアリは平成29年6月に、国内で初確認されて以降、18都道府県で発見されており、累計では今回が140件目。
  ヒアリは強い毒を持ち、刺されると「熱いような激しい痛み」を覚え、赤みが出てきて膿がたまったような症状が現れる。アレルギー反応の「アナフィラキシーショック」により、息苦しさや激しい動悸(どうき)やめまい、腹痛のほか、血圧が急低下して意識を失うなど、重症化して生命にかかわるケースもある。
  都によると、これまでにヒアリが発見された都内の場所はいずれも沿岸部の物流施設などで、内陸部の住宅地などでは発見されていないとしている。港湾局の担当者は、「人体にとって危険な生物。素手で捕まえたり、触ったりしないように」と注意喚起し、もし発見した場合には都などへの速やかな通報を呼びかけている


2023.10.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231030-CDDTIAZ7GFL2ZE7SOWL2XEBD2U/
和歌山で被害拡大のクビアカツヤカミキリ 被害防ぐためウメとモモの産地で研修会

  和歌山県は、ウメやモモなどの果樹で被害が広がっている特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の対策研修会を開く。会場は一大産地のみなべ町と紀の川市の2カ所で、果樹農家などが対象。県の担当者は「産地を守るために、ぜひ研修に参加し、危機感を持って対策にあたってほしい」と呼びかけている。

  クビアカツヤカミキリは成虫で3~4センチ。果樹の幹や樹皮の割れ目に産卵し、孵化(ふか)した幼虫がそのまま住み着いて果樹内部を食い荒らす1~3年かけて成虫化し、春から夏にかけて飛び回り卵を産み付ける。繁殖力が強く、成虫1匹で千個以上の卵を産み付けた例もあるという。
  県内では、令和元年11月にかつらぎ町の6農園でモモとスモモの木計11本で被害を初確認。その後、紀の川市や和歌山市など徐々に被害エリアは広がり、今年初めて御坊市、日高川町などでも被害が確認された。これまでの被害は5市3町で延べ2千本以上で、このうち今年判明したのが583本に上るなど深刻化している。
  研修会では、県内の被害状況に加え、成虫への対処方法など、最新の研究事例を紹介。クビアカツヤカミキリの被害の特徴である幼虫のふんと木くずが混ざった痕跡「フラス」の見つけ方や、被害を発見した場合の対処方法などを学ぶ。
  みなべ町では町生涯学習センターで11月16日午後1時半~3時に開催。先着100人。紀の川市は粉河ふるさとセンターで来年1月31日午後1時半~3時に開く。先着130人。ともに参加費無料。問い合わせは県農業環境・鳥獣害対策室(073・441・2905)か最寄りの振興局へ。


2020.11.25-中部経済新聞-https://www.chukei-news.co.jp/news/2020/11/25/OK0002011250f01_01/
ウンカ猛威、稲作に打撃 大陸から飛来、高温少雨で西日本被害 24府県警戒、早期防除重要

  稲の養分を吸い取る害虫「トビイロウンカ」が猛威を振るい、西日本を中心に打撃をもたらしている。今年警報や注意報を出したのは24府県(10月時点)に上り、特に九州は2年連続の「不良」となった。専門家は早めの防除や品種の分散などの対策が重要







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