G20の問題



2019.10.19-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51193620Z11C19A0EA2000/
リブラ逆風一段と G20「当面認めず」で一致

【ワシントン=小太刀久雄、北京=原田逸策】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は18日、米フェイスブックが主導する「リブラ」などのデジタル通貨には「深刻なリスク」があるとの合意文書をまとめて閉幕した。通貨当局として懸念を解消するまで認めない方針で、巨大IT(情報技術)による通貨発行への逆風は一段と強まった。一方、水面下では主要国の通貨覇権争いもちらつく。
  新興国を含むG20の財務相・中銀総裁らがリブラ問題を本格的に協議したのは今回が初めてだ。黒田東彦総裁は「懸念に対応できるまで発行されるべきではないとG20全体で合意できた」と述べた。世界の国内総生産(GDP)の8割以上を占めるG20の通貨当局が認めない中で、仮にリブラの発行を強行しても、個人や企業で利用が広がる可能性は低い。
  国際機関は対リブラ包囲網を築きつつある。資金洗浄(マネーロンダリング)対策を議論する金融活動作業部会(FATF)は、リブラを含むドルや円などの通貨を裏付け資産とする「ステーブルコイン」も規制対象になると決めた。犯罪資金の温床にならないよう利用者の本人確認をどう徹底するかも求められる。
金融安定理事会(FSB)はデジタル通貨への規制について20年7月に最終報告書を出す。国際通貨基金(IMF)は金融政策を含むマクロ経済への影響を分析する。
  米中貿易摩擦や地政学上の問題が増えているなかで、G20がこの問題で協調するのは、各国が国内で通貨を発行する権限は主権にかかわる不可侵の領域との意識がある。政府・中銀が全く把握できないところで巨額の資金が国境を越えて流通すれば、国内の通貨供給量が分からなくなり、物価も乱高下しかねない。金融・財政・税制などの経済政策を有効に使えなくなるおそれがある。
  ペルーのベラルデ中銀総裁は17日、リブラを「非常に悪い構想」と批判した。フランスのルメール財務相は英フィナンシャル・タイムズに「一企業が公共財を支配するのは受け入れがたい」と指摘している。一方、チリ中銀のマルセル総裁は日本経済新聞の取材に「中銀も決済システムの改革に乗り出さないとリブラのような新興勢力がその役割を担うだろう」と危機感を示した。
  ただG20も必ずしも一枚岩とはいえない。中国もリブラの規制に賛成だが、欧米諸国が挙げるのとは別にもう一つの理由がある。リブラはドルの通貨覇権を強めかねないと警戒する。
  リブラの裏づけ資産には中国の通貨人民元は含まれない見通し。中国はリブラは米ドルと連動するのではないかと疑っており、「デジタル通貨でも米国が覇権を狙う動き」(中国人民銀行の幹部)と映る。
  リブラに対抗するためにも、人民銀はデジタル通貨を自前で発行する準備を急ぐ。人民銀の易綱総裁によるとデジタル人民元の目的は現金の代替だ。現金の流通を減らし、携帯決済で把握が進んだお金の流れをさらに透明にする狙いだ。現金持ちだしによる海外への資本流出を減らす思惑もある。


2019.10.18-産経新聞-THE SANKEI-NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/191018/ecn1910180008-n1.html
G20財務相会議が開幕 世界経済のリスク議論

日米欧の先進国に新興国を加えた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が17日夕(日本時間18日午前)、米ワシントンで開幕した。18日まで2日間の日程で行われ、閉幕にあたっては、共同声明を採択しない見通し。日本が議長を務める。
 初日は世界経済の現状を議論し、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題などで強まる減速リスクについて危機感を共有する。財政に余力のある国は財政政策で対応する必要性でも一致する。
 2日目は「GAFA(ガーファ)」など米巨大IT企業を念頭に置いたデジタル課税の新ルールについても話し合う。
 経済協力開発機構(OECD)は今月、国内に支店などの物理的拠点がない企業に対しても、サービスの利用があった国は、売上高に応じ課税できるとする新ルールの枠組み案を発表。G20はこれを承認する見通しだが、課税の基準となる利益率などをめぐり、先進国と新興国の対立などが表面化する可能性もある。 このほか米交流サイト大手フェイスブックが発行を計画している暗号資産(仮想通貨)「リブラ」も議題とし、規制に向けた課題などが報告される。


2019.7.2-韓国 Jcastニュース-https://www.j-cast.com/2019/07/02361632.html?p=all
米朝電撃会談で日本は「蚊帳の外」? 韓国メディアいわく、G20は「埋もれてしまった」

板門店で行われた3回目の米朝首脳会談をめぐり、日本の存在感のなさが韓国メディアを中心に改めて取りざたされている。安倍晋三首相は大阪市で開かれていた主要20か国・地域(G20)首脳会議では議長を務めたが、閉幕翌日に「電撃会談」が実現したことでG20の存在感はかすんだ。
   いわゆる「蚊帳の外」論をめぐっては、安倍氏が「日本のネットユーザーから嘲笑の対象になっている」として、安倍氏を揶揄する画像が拡散されていることを指摘するメディアもある。安倍氏は北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と無条件で会談に臨みたい考えだが、7月2日付の労働新聞には陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備を非難する記事が載るなど、対日批判が緩む気配は見えない。

会談場所は韓国側施設...文政権も一定の役割か
   G20が閉幕したのは6月29日で、米朝会談が行われたのは、翌6月30日。聯合ニュースは、7月1日、日本メディアが会談について号外を出したり、1面トップに据えたりと大々的に扱ったことを報じ、
「G20関連の報道は、終了から2日しか経っていないのに、見つけるのが難しいほど扱いが小さくなった」「安倍政権は外交力を誇示しようと力を入れたが、朝鮮半島関連の話題に埋もれてしまった」などと指摘した。
   米朝首脳会談では、板門店の韓国側の施設で行われた。朝鮮中央通信が6月27日に「朝米対話の当事者は文字通りわれわれと米国であり、朝米敵対関係の発生根源からみても南朝鮮当局が干渉する問題ではない」という北朝鮮外務省米国担当局長の談話を配信していたこともあり、韓国が「蚊帳の外」だとみる向きもあったが、実際には韓国は相当程度の役割を果たしていたことが明らかになったわけだ。

日本の「コラ画像」も紹介
   そこで際立つ形になったのが日本の外交のあり方だ。韓国の国民日報は、米朝会談で安倍氏が「日本のネットユーザーから嘲笑の対象になった」として、「蚊帳の外」論を強調した記事を掲載した。同紙が「嘲笑」のエピソードとして取り上げたのが、あるユーザーがツイートした「コラ画像」だ。
「あまりに悲惨なので画像の中だけでも板門店にいた事にしておきましょう」といった言葉とともに、米国・韓国・北朝鮮の3首脳が板門店の韓国側施設「自由の家」から出てくる写真の左上に、安倍氏が合成された写真だ。この写真の安倍氏はショートパンツと、ひざ上まである白い靴下姿。国民日報は、「大人になれない安倍氏を批判するときによく使われる写真」だと解説している。
   米朝首脳が対面したのは、6月30日の15時45分頃。このときの安倍氏の行動からも「蚊帳の外」論が出ている。各紙による「首相動静」では、14時46分に大阪・伊丹空港から羽田空港に到着し、15時29分に東京・富ヶ谷の自宅へ。18時31分に東京・永田町のレストランで秘書官と食事をしている。首脳が対面した瞬間には私邸にいたことになるが、それは「事前に歴史的な会合があることを何ひとつ知らなかったからだ」というわけだ。
   なお、西村康稔官房副長官は7月1日の記者会見で、米朝会談を事前に把握していたかについて問われ、「米国との間とは、6月28日の日米首脳会談を含め、これまでも北朝鮮問題について緊密に連携してきている。やり取りの詳細については差し控えたい」と述べるにとどめている。

G20の首脳宣言も「偽善」と皮肉られ...
   日本政府が、半導体製造などに使われる化学製品の韓国への輸出規制強化に踏み切る方針を発表したことも批判されている。G20で採択された首脳宣言では「自由、公正、無差別で透明性があり予測可能な安定した貿易及び投資環境を実現し、開かれた市場を維持する」とうたっているが、国民日報記事ではその文言を引き合いに「安倍政権は(宣言を)自賛していたが、『韓国叩き』で、(宣言が)偽善という批判を免れにくくなった」と皮肉っている。(J-CASTニュース編集部 工藤博司)


2019.6.28-産経新聞-THE SANKEI-NEWS-https://www.sankei.com/west/news/190628/wst1906280051-n1.html
https://www.sankei.com/west/news/190628/wst1906280051-n1.html
「オオサカ、ビューティフル」とトランプ大統領

大阪府の吉村洋文知事(44)と松井一郎大阪市長(55)は28日、大阪迎賓館で開かれたG20大阪サミットの文化行事に出席し、地元自治体の首長として各国首脳らを歓待した。
 松井氏によると、米国のトランプ大統領と言葉を交わす機会もあり、「大阪はビューティフルだ」と街並みへの賛辞を伝えられたという。吉村氏は「自己紹介をして、『若いな』といわれた」と笑った。
 会場はおもてなしの温かい雰囲気の中にも、国際政治の最前線としての緊張感があったという。「笑顔なんだけど、国益を抱えて戦ってるみたいな感じ。トランプ大統領と(中国の)習近平国家主席、(ロシアの)プーチン大統領、この3人は特にそう」(松井氏)。


2019.6.26-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/190625/plt1906250042-n1.html
安倍首相、G20で19カ国・機関の首脳と会談へ 韓国の文大統領とは見送り

安倍晋三首相は28、29日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせ、少なくとも計19カ国・機関の首脳と会談する。夏の参院選を控え、G20サミットで議長を務める首相にとって、外交手腕を示す格好の場となりそうだ。一方、韓国大統領府高官は25日、G20サミットに合わせ、首相と文在寅(ムン・ジェイン)大統領との日韓首脳会談について「開かれない」と記者団に語った。
 G20サミットには、20カ国・地域の首脳以外にも、複数の国・国際機関が参加する。一連の会談で特に注目されるのは、首相と米中露3カ国との首脳会談だ。
 トランプ米大統領との会談は12回目。4、5月に続く3カ月連続の相互往来で、強固な日米同盟を世界に示す。非核化をめぐる米朝協議など最新の情報を共有し、北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を示さない限り、国連安全保障理事会の決めた経済制裁は解除しない方針も再確認する。
 また首相は、今月のイラン訪問の詳細をトランプ氏に伝える。イラン革命防衛隊によるホルムズ海峡付近での米軍無人機撃墜などで米イランの対立は激化しており、首相は衝突回避の重要性を働きかける意向だ。
 中国の習近平国家主席は、2013年の国家主席就任後初の来日となる。首相との会談では、米中貿易摩擦が世界経済最大のリスクとなっていることから、通商問題で意見を交わす。20~21日の中朝首脳会談を踏まえ、北朝鮮情勢も協議する。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案撤廃をめぐる香港の混乱について、首相がどう提起するかにも関心が集まる。
 26回目となるプーチン大統領との会談は、協議が停滞している日露平和条約交渉の取り扱いが焦点だ。昨年11月、日露両首脳は1956(昭和31)年の日ソ共同宣言を基礎に条約交渉を加速させることで合意したが、プーチン氏は北方領土の引き渡しに関し「計画はない」と明言するなど、局面打開は難しい情勢だ。
 一方、G20サミットの全体会議では、世界経済、イノベーション、格差・インフラ、気候変動の計4分野が主要議題となる。


2019.6.24-産経新聞-THE SANNKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190624/wor1906240037-n1.html
中国次官、米側の譲歩求める G20、香港問題は「議論許さぬ」

【北京=西見由章】中国商務省の王受文次官は24日の記者会見で、大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた米中首脳会談をめぐり、「一方(中国)だけでなく双方が譲歩しなければならない」と述べ、貿易協議の妥結には米国側の譲歩も必要だとの立場を強調した。中国外務省の張軍次官補も同じ記者会見で「G20で香港問題を議論することは許さない」とし、同問題を提起する方針を示したトランプ米大統領を牽(けん)制(せい)した。
 習近平国家主席は27~29日に大阪を訪問。王氏は、米中の交渉団が現在、双方の相違を解決する方法に関し、交渉を続けていると表明した。一方で、トランプ政権を念頭に「一部の国が一国主義や保護主義を実行し、ほしいままに貿易相手国に関税をかけている」と非難し、G20で多国間主義への支持が一層高まることへの期待感を示した。
 習氏は昨年11月末からのアルゼンチンでのG20首脳会議で、米中首脳会談を控えていたため「保護主義」への反対といった米国との対決色を封印した。ただ中国は、5月に貿易協議が事実上決裂した原因は米国にあると国内メディアを通じて宣伝。協議再開に道筋が付いた場合、一方的に譲歩したと受け止められるのを避けるため、今回のG20ではより強い表現で米批判を展開する可能性がある。

 一方で中国当局は、香港の混乱をめぐり各国から批判を浴びる事態を懸念している。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案について香港政府は作業の完全停止を発表したが、張次官補は条例改正が法律上の欠陥を補うために必要だとの認識を改めて表明。「どのような場面や形式であろうと、いかなる国も中国の内政に干渉することは許さない」と米側にクギを刺した。


2019.6.23-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20190623-OYT1T50122/
習近平氏、G20会議出席で大阪へ…中国が発表

北京=比嘉清太】中国外務省は23日、習近平国家主席が、大阪で28~29日に開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議に出席するため27~29日の日程で大阪を訪問すると発表した。国営新華社通信が伝えた。2013年の国家主席就任後、初めての訪日となる。

習氏は安倍首相と27日に会談する予定で、首脳会議での協力を確認するとみられる。首相との夕食会にも出席する方向で調整している。また、トランプ米大統領とも会談し、貿易摩擦など米中対立の緩和を目指すほか、習氏の北朝鮮訪問を受けて非核化問題などを協議する見通しだ。


2019.6.23-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/190623/wst1906230002-n1.html
【G20大阪サミット】空前の厳戒態勢 大規模通行止め、検問強化、臨時休校

サミット期間中、テロ対策などのため大阪府内は阪神高速などで大規模な交通規制が実施される。会場や空港周辺は検問も強化され、大阪府警だけでなく、全国から集まる警察官によって厳戒態勢が敷かれることになる。

 6月に入り、すでに警視庁などの応援部隊が会場のインテックス大阪周辺などで警戒を開始。当日に向けて北海道から九州地方まで全国各地から応援部隊が集まる。最終的には大阪府警と合わせて、平成28年の伊勢志摩サミットの約2万3千人を超える態勢となる見通し。

 サミット前後4日間(27~30日)、阪神高速は大阪市内を走る環状線など10路線(計約160キロ)で早朝から深夜まで全面通行止めに。一般道でも、首脳らが宿泊するホテル周辺など大阪市内9カ所で、首脳らの移動に合わせて頻繁に通行止めとなる。

 また、会場がある人工島・咲洲(さきしま)周辺や、多数の首脳の出入国が予想される関西国際空港につながる連絡橋では、全ての車を対象に検問を実施予定。空港内では手荷物検査も強化される。

 大規模な交通規制で市民生活にも多方面で影響が出る。サミット期間中、全ての府立、大阪市立の学校は臨時休校に。インテックス大阪の最寄り駅が利用停止になるほか、一部のごみ収集が休止となる。 交通規制によって各地で渋滞が発生するおそれがあり、府警などは交通量5割削減を目標に、車の利用自粛を呼びかけている。

https://www.sankei.com/politics/news/190623/plt1906230004-n1.html
【G20大阪サミット】3万人来阪、PR好機 吉村洋文・大阪府知事

今回のG20サミットは日本で初めて行う世界最高峰の国際会議。3万人もの関係者やプレス(報道陣)が来るともいわれ、大阪の魅力を世界に発信する絶好の機会になる。これを成功させることで、今後のMICE(マイス、国際会議や企業研修をはじめとするビジネスイベント誘致)戦略にも生かしていきたい。
 もう一つのポイントは、世界の政治がこの大阪で動くということ。そのダイナミズムを子供たちや学生、企業家、いろんな人に感じてもらいたい。それが将来の大阪のさらなるグローバル化につながっていく。
 プレス会場では「過去・現在・未来」をコンセプトに大阪をPRするブースを設ける。伝統的な茶室に加え、大阪もん(名産食材の総称)をふんだんに使った食を堪能できるブース、さらに2025年大阪・関西万博のブースもつくる。そこで世界のプレスに発信する通訳・案内を、ボランティアの若者たちに担ってもらう。そうした経験がサミットのレガシー(遺産)になる。

 大規模警備や交通規制で市民のみなさんにはご不便をおかけするが、マイカーの利用は控えていただきたい。


外務省-(Ministry of Foregin Affairs of Japan)
G20(金融世界経済に関する首脳会合)

詳しくは外務省HPへ

2019.6.9-産経新聞(https://www.sankei.com/economy/news/190608/ecn1906080016-n1.html)
【G20】「人間中心」AI開発の原則合意 貿易・デジタル経済相会議が開幕

20カ国・地域(G20)貿易・デジタル経済相会議が8、9日の日程で、茨城県つくば市で開幕した。初日の8日はデジタル経済分野に絞った閣僚声明を採択。G20として初めて議論した人工知能(AI)をめぐって、人権や雇用に配慮するなど「人間中心」の開発を目指す原則を声明に盛り込んだ。自由なデータ流通の重要性も確認した。

 AIは生産性を向上させる一方、雇用を奪うなどの懸念もある。声明では「技術革新と投資が促進される人間中心のAIの実現環境を提供する」とした。

 また、日本が提唱する信頼性のある自由なデータ流通の重要性で一致。このため、個人情報保護やサイバーセキュリティーの強化、知的財産権の保護などの課題に対処するとした。8日会見した世耕弘成経済産業相は「自由なデータ流通が世界経済の発展につながる」と強調した。

 最終日となる9日は、貿易分野も含む全体をまとめた共同声明を採択して閉幕する見通し。自由貿易の重要性について踏み込んだ表現を盛り込めるかが焦点だ。世耕氏は8日夜、今回欠席したライトハイザー米通商代表と電話会談し、声明の文言で最終調整した。

茨城県つくば市で開かれていた20カ国・地域(G20)貿易・デジタル経済相会議が9日、2日間の協議を終えて閉幕した。採択した共同声明では世界貿易機関(WTO)の改革の必要性を強調した。また、声明の中では「市場を開かれたものとするため、自由で公平かつ無差別で透明性がある貿易と投資環境を実現する」とし、自由貿易の重要性も訴えた。

 WTO改革をめぐっては「ルールと整合的な紛争解決制度の機能に関し、行動が必要であることに同意する」と明記した。韓国による福島など8県産水産物の輸入禁止措置をめぐって最終審に当たる上級委員会が正当性を明示しないまま韓国の措置を容認するなど、WTOの紛争解決機能が問題視されるなか、機能の向上に向けて協議していくことで合意した。

 また、サービスや関税といった分野ごとに分かれている通常委員会の機能向上や、産業補助金などの通報義務制度について改善の必要性を訴えるなど、WTO改革の具体策にもふれた。

 電子商取引(EC)の国際的なルール作りをめぐっては、共同議長の世耕弘成経済産業相が記者会見で「議論をさらに進展させることを確認した」と強調。声明の中でも「現在進行中の議論を歓迎する」と盛り込み、ルール作りに向け議論を加速させることを共有した。

 一方、見解が分かれた項目については、共同声明とは別に議長声明を出した。議長声明では、米中の貿易摩擦を背景に「貿易をめぐる現下の緊張に関し懸念」を表明。米国が相次ぎ発動する追加関税を念頭に「貿易措置がWTOと整合的であることを確保する」と指摘したが、米国が反対したため、議長声明に盛り込まれたとみられる。


2019.6.9-産経新聞(https://www.sankei.com/photo/story/news/190609/sty1906090010-n1.html)
経済減速「対処し行動」 G20声明、米中摩擦警戒

福岡市で開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は9日、共同声明を採択して閉幕した。声明は「世界経済の成長は下振れの恐れがある」と減速を懸念。特に米中を念頭に貿易摩擦の激化への警戒感を示し「リスクに対処し続け、さらなる行動を取る用意がある」と、景気刺激策などで連携する構えを示した。ただ同日終わったG20貿易相らの会合の声明を含め「保護主義と闘う」との文言は盛り込めなかった。

巨大IT企業などを対象とした「デジタル課税」について2020年の最終合意を目指す作業計画と、途上国でのインフラ投資に関する新原則はそれぞれ承認した。 貿易などの収支不均衡には関税などの貿易障壁だけでなく、各国の政策や経済構造といった要素が「複合して反映している」と指摘。「協力推進の精神」で各国が不均衡是正に必要な政策に取り組むとし、2国間の関税交渉や貿易赤字の解消に突き進むトランプ米政権を暗にいさめた。


(最終更新日:令和元年5月22日)(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/g20osaka/index.html)
 G20大阪サミットの開催(日本で初の開催)

G20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)が、明年6月28日及び29日に大阪で開催されます。G20大阪サミットの成功に向けて、政府をあげて取組を始めています。

G20サミットとは

 G20サミットとは、G7(仏、米、英、独、日、伊、加(議長国順)の7か国及び欧州連合(EU))に加え、アルゼンチン、豪、ブラジル、中、印、インドネシア、メキシコ、韓、露、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ(アルファベット順)の首脳が参加して毎年開催される国際会議です。G20サミットにはメンバー国以外にも、招待国や国際機関などが参加しています。 ・・・ G20サミットの日本での開催は、2019年が初となります。

 G20サミットは、リーマン・ショックを契機に発生した経済・金融危機に対処するため、2008年11月、主要先進国・新興国の首脳が参画するフォーラムとして、従来のG20財務大臣・中央銀行総裁会議が首脳級に格上げされ、ワシントンDCで第1回が開催されました。以降、2010年まではほぼ半年毎に、2011年以降は年1回開催されています。


G20
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


G20は、"Group of Twenty"の略で、主要国首脳会議(G7)に参加する7か国、EUロシア、および新興国11か国の計20か国・地域からなるグループである。

構成国・地域は、アメリカイギリスフランスドイツ日本イタリアカナダEUロシア中国インドブラジルメキシコ南アフリカオーストラリア韓国インドネシアサウジアラビアトルコアルゼンチンである。20か国・地域首脳会合(G20首脳会合)および20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20財務相・中央銀行総裁会議)を開催している。主要20か国・地域[1][2]ともいい、NHKでは先進国会合であるG7と区別して先進国に新興国を加えた主要20か国[3]と表現している。

概要

アメリカイギリスフランスドイツ日本イタリアカナダEUは、G7として定期的に財務大臣・中央銀行総裁会議を開催していたが、この先進7か国・1地域に主要国首脳会議(G8)参加国のロシアと新興国11か国(中国インドブラジルメキシコ南アフリカオーストラリア韓国インドネシアサウジアラビアトルコアルゼンチン)が加わり、1999年より20か国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議(G20 Finance Ministers and Central Bank Governors)を開催している。この会議には、国際通貨基金世界銀行国際エネルギー機関欧州中央銀行など、関係する国際機関も参加している。

世界金融危機の深刻化を受けて、2008年からは20か国・地域首脳会合(G20 Summit)も開催されている。正式名称は「金融・世界経済に関する首脳会合」(Summit on Financial Markets and the World Economy)であるが、金融サミットとも呼ばれる。議長は各国持ち回りで担当し、任期中は議長国が事務局機能を果たすため、恒久的な事務局や常勤職員などは存在しない[4]

G20の20か国・地域(EU加盟国を含む)の国内総生産(GDP)を合計すると、世界のGDPの90%ほどを占め、貿易総額は世界の80%である。また加盟国の総人口は世界の3分の2ほどになる[5]。欧州連合は団体としてG20に参加しており、欧州連合加盟国は、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアを除き個々の国としてG20には参加していない。ただ、スペインオランダのように、G20に参加していない国が必要に応じて、会合に臨時出席する場合もある[6]

2009年に米国で開催されたG20は「G20を国際経済協力の第一の協議体」とすることで合意した。2010年6月に開催された4回目となるG20サミットは、カナダのトロント主要国首脳会議(G8サミット)に連続して開催され、その最大目的は、欧米諸国の財政・金融政策の健全化をどう達成するかであり、途上国の開発援助・地球温暖化の問題などが焦点となった。また、中国やインド、ブラジル、南アフリカ共和国などが国際経済で果たす役割が増す中で開かれた。




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