独占禁止法問題(公正取引委員会)-1
2023.03.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230330-I6SLYULRWFMXFIPPIL4FOHCIFI/
課徴金、過去最高1千億円 電力3社カルテル 関電は自主申告で処分免除 公取委、独禁法違反
事業者向け電力販売などで顧客獲得を制限するカルテルを結んだとして、
公正取引委員会は30日、
独禁法違反(不当な取引制限)で、中部、中国、九州の電力3社などに対し、過去最高となる総額約1010億円の課徴金納付命令を出した。電力3社とそれぞれカルテルを結んでいたと認定された
関西電力は課徴金減免制度に基づき、調査開始前の自主的な違反申告が認められ、処分を免れた。
公取委によると、
課徴金額は中国電が約707億円、中部電と子会社「中部電力ミライズ」が計約275億5千万円、九電が計27億6千万円。九電は調査開始後の減免申請が認められ、30%減額された。ミライズと中国電、九電の子会社「九電みらいエナジー」には再発防止を求める排除措置命令も出された。
2022.11.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221116-ZYERTIW6ERO63K7UR4IDTQJILI/
ニュース利用料不当に安い恐れ 公取委、巨大IT調査へ
(浅上あゆみ)
公正取引委員会は16日、新聞社やテレビ局などの報道機関から提供を受け、まとめサイトなどを運営するニュース配信プラットフォーマーの取引実態調査を開始すると発表した。
報道機関に適正な対価が支払われているか、サイト内の記事の表示順位が適切であるかなど、取引構造や実態を明らかにする。独占禁止法上の問題があれば、
来年をめどにまとめる報告書で、是正を求める提言を行う。
公取委によると、日本新聞協会に加盟する新聞社や通信社、日本民間放送連盟に加盟するテレビ放送事業者など計約300社にアンケートを実施。プラットフォーマーに対してもヒアリング調査を検討している。
報道機関はヤフーニュースなど、ニュースまとめサイトを運営するプラットフォーマーに有償で記事を提供している。ただ、以前から使用料が低いとの指摘は多い。公取委が令和3年2月に公表したインターネット広告などに関する報告書でも、「使用料の算定基準を明確化することが望ましい」との考えを示していたが、改善がみられなかったとして、より詳細な調査に踏み切った。
近年、ニュースまとめサイトから情報を得る人は増えているが、
強い影響力を背景に適切な取引が行われていなければ、優越的地位の乱用に当たる可能性がある。報道各社の経営を圧迫し、ニュースの質の低下も懸念され、公取委の小林渉事務総長は「
ニュースが国民に適切に提供されることは民主主義の発展において必要不可欠だ」と話した。
(浅上あゆみ)
2022.06.17-スポニチ SuportAnnex-https://www.sponichi.co.jp/society/news/2022/06/17/kiji/20220617s00042000030000c.html
食べログ「独禁法違反」認定 優越性乱用、店の評点下落 3840万円の賠償命令
飲食店情報サイト「食べログ」で
評点を不当に下げられ客が激減したとして、
焼き肉チェーン店を経営する「韓流村」(東京都港区)がサイトを運営する「カカクコム」(渋谷区)に約6億3905万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、3840万円の賠償を命じた。
評点を決定する「アルゴリズム(計算手法)」を2019年5月に変更した際、チェーン店が下方修正される内容にした部分が独禁法の禁じる優越的地位の乱用に当たると判断した。
アルゴリズムの妥当性が争われた初の司法判断とみられる。
食べログは外食時の店選びに幅広く利用され、1カ月の利用者が8700万人以上に上る影響力を持つ。詳細な内容が非公開となっている
評点算出過程は以前から飲食業界で疑問や不満の声が出ており、公正化が求められそうだ。
林史高裁判長は韓流村にとって「
食べログの有料店舗会員でなくなった場合、経営上大きな支障を来し、著しく不利益な要請を受けても受け入れざるを得ない状況だった」として食べログの取引上の優越性を認定した。
その上で、19年5月のアルゴリズム変更は「優越的な地位を利用し、相手方が不利益になるように取引をしたと言える」として独禁法上の不公正な取引に当たると判断。変更に伴って受けた損害額は21店舗での売り上げ減少額のうち、1カ月当たり160万円の2年分として算定した。
韓流村側が併せて求めた変更後のアルゴリズムの使用差し止めについては、変更の内容が明らかにされれば消費者もその前提で店を選ぶようになるとして「売り上げ減が今後も続くとは直ちに判断できない」と退けた。
韓流村は請求が退けられた部分を不服として控訴する方針。
カカクコムもホームページ上で「不当な判決と考えている。控訴審で問題点を指摘し、当社の正当性を改めて主張する」と控訴の方針を示した。
食べログ側はアルゴリズムの変更を「消費者の利益に資する目的があり、評点の変動も当然に想定されている」と主張していた。
評点を決定するアルゴリズムは不正な評点操作の可能性を理由に詳細が公表されておらず、今回の訴訟では当事者に限って開示された。
判決などによると、食べログのアルゴリズム変更後、韓流村が展開する「KollaBo」21店のうち大半で評点が平均約0・2ポイント下落。減少幅が最大0・45ポイントに上った店舗もあり、食べログ経由の客が減少した。
2022.01.26-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/article/20220126-JENSAJX7I5JOZG64FB3H3NVFAI/
新規上場の価格設定、過小値付けは独禁法違反恐れ 公取委が見解提示へ
公正取引委員会が
企業の新規上場時の公開価格に関し、
証券会社が一方的に過小な値付けをするのは、独禁法違反の恐れがあるとの見解を示すことが26日、分かった。昨年から実態把握を進めており、近く報告書を公表する。新興企業が十分に資金調達できる環境の整備につなげる。
公開価格をめぐっては、市場で売買が初めて成立した「初値」との差が欧米と比べ大きく、企業の資金調達額が少なくなっているとの指摘がある。このため公取委は昨年から、公開価格の設定プロセスについて実態把握を進めていた。