第3の感染源-1
(この項目に関しては国立感染症研究所の HP(https://www.niid.go.jp/niid/ja/へどうぞ)
2022.03.28-NIID国立感染症研究所-https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/11053-covid19-78.html
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路について
国立感染症研究所-(掲載日:2022年3月28日)
人は、咳、くしゃみ、会話、歌、呼吸などの際に、鼻や口からさまざまな大きさや性状をもった粒子を空中に放出する。粒子はその大きさや含まれる液体の量によって空中での振る舞いが異なる。液体を含んだ大きな粒子は、放出されてから数秒から数分以内に落下するが、小さな粒子や乾燥した粒子は、空中に数分から数時間にわたって浮遊する。従来、これらの粒子については大きさや性状に応じて飛沫やエアロゾルと呼ばれてきた
[。
SARS-CoV-2は、感染者の鼻や口から放出される感染性ウイルスを含む粒子に、感受性者が曝露されることで感染する。その経路は主に3つあり、
①空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むこと(エアロゾル感染)、
②ウイルスを含む飛沫が口、鼻、目などの露出した粘膜に付着すること(飛沫感染)、
③ウイルスを含む飛沫を直接触ったか、ウイルスが付着したものの表面を触った手指で露出した粘膜を触ること(接触感染)、である。
実際にどの経路で感染するのかは、感染者から放出される感染性ウイルスを含む粒子の量や環境条件によって決まり、必ずしも1つであるとは限らない。
感染者が呼吸をすると粒子が放出され、大きな声を出したり、歌ったりすると、放出される粒子の量が増える。また感染者との距離が近いほど(概ね1-2メートル以内)感染する可能性が高く、距離が遠いほど(概ね1-2メートル以上)感染する可能性は低くなる。
特に
換気が悪い環境や密集した室内では、感染者から放出された感染性ウイルスを含む粒子が空中に漂う時間が長く、また距離も長くなる。こうした環境に感染者が一定時間滞在することで、感染者との距離が遠いにもかかわらず感染が発生した事例が国内外で報告されている。
このようなSARS-CoV-2の感染が起こりやすい環境条件をわかりやすく説明したものが、
「3つの密」と呼ばれる概念である。
密閉:
換気の悪い閉じられた環境
密集:
狭い空間に多くの人が集まっている環境
密接:お互いの距離が近く、特に
会話をしている環境
3つの条件に1つでも当てはまる環境に感染者と感受性者が滞在すると、感染が成立する可能性は高くなり、さらに3つの条件がそろうとより高くなる。
なお、呼吸器感染症の感染経路については国際的に研究が進められており、これらの知見は今後更新される可能性がある。