こども(child-1)家庭庁法-1
2023.04.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230419-UVMDC6LZU5OAJGHCD2B7MFFTTE/
離婚後養育「共同親権」導入の方向 法制審部会が議論へ
離婚後の子育てについて検討している法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会で、
離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を条件付きで導入する方向で議論を進めることが確認された。一部の委員からは導入について慎重な意見が出ており、今後、具体的な制度設計を議論する。
離婚後の親権については
①原則、共同親権で例外的に単独親権
②原則、単独親権で例外的に共同親権
③現行の単独親権のみを維持-の3案を軸に議論されている。
関係者によると、18日に開かれた部会でこれまでの議論を踏まえた「
今後の議論の大きな方向」に関する資料が共有され、大半の委員の賛同を得たという。
資料では、家族によって離婚を巡る事情が多様であることを確認した上で、
父母が合意し共同親権を望む家庭も想定されることから、単独親権しか認めていない現行の規定は「見直す必要がある」としている。
今後は、父母が話し合いを経て別れる
「協議離婚」で双方が合意した場合、
共同親権が可能になるような制度の検討を進める。
共同親権を導入する際、子供と同居する親、別居する親とで、子育ての役割をどう分担して担うかなどが議論の対象になるという。
また、一部の委員からは
「共同親権に関する父母の合意が、きちんと確認できない可能性がある」などと慎重な意見も出されており、
合意を確認する具体的な方法などについても検討を進める見通し。
2022.06.16-NHK NEWS WEB(NHK 政治マガジン--https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/84474.html
「こども家庭庁」って何?
子どもの権利は?財源は?
(今村亜由美、杉山加奈)
子ども政策の司令塔となる、こども家庭庁が来年4月に設置されることが決まった。日本を取り巻く子どもをめぐる状況は厳しい。
1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は去年1.30で、6年連続で前の年を下回っている。
少子化に歯止めがかからない中、こども家庭庁は、省庁の縦割りを排し、これまで組織の間でこぼれ落ちていた子どもに関する福祉行政を担うとしている。ただ、重要なのは、組織論にとどまらず、本当に子どものための政策を打ち出すことができるかどうかだ。
今回、文部科学省が所管する「幼」稚園と、厚生労働省が所管する「保」育所を一本化する「幼保一元化」が見送られ、「骨抜きだ」という声もある中、こども家庭庁は、実効的に機能するのか。専門家や関係者の意見から考える。
(今村亜由美、杉山加奈)
子どもを社会の真ん中に
今回成立したこども家庭庁設置法や、去年12月に閣議決定された基本方針によれば、総理大臣直属の機関として内閣府の外局に設置され、子ども政策担当の内閣府特命担当大臣を置いて、各省庁などに子ども政策の改善を求めることができる「勧告権」を持たせるとしている。そして担当大臣のもとには、
こども家庭庁長官が置かれる。
担当大臣とこども家庭庁長官の関係は、ほかの府省の大臣と事務次官と同じだ。そこに内閣府の子ども・子育て本部や、厚生労働省の子ども家庭局などが移管され、
300人規模の職員が配属される。民間や地方自治体との人材交流も積極的に行うとしている。庁内には有識者などをメンバーとする「こども家庭審議会」が設置され、子どもや子育てに関する重要事項や、子どもの権利や利益を擁護するための調査や審議が行われる予定だ。子どもの意見を政策に反映させるため、直接意見を聞き取ることも必要に応じて実施することになっている。また、今回の法律には、
5年をめどに組織や体制のあり方を検討し、必要に応じて見直す規定も盛り込まれている。そのときどきの時代の求めに応じて、臨機応変に組織を変えることができるようになっているのだ。
3つの部門とは
こども家庭庁の中は、
「企画立案・総合調整部門」、「成育部門」、「支援部門」という3つの部門に分かれる。
「企画立案・総合調整部門」は、全体をとりまとめる部門だ。
これまで各府省庁が別々に行ってきた子ども政策を一元的に集約し、子どもや若者から意見を聴くなどして、子ども政策に関連する大綱を作成するほか、デジタル庁などとも連携して、個々の子どもや家庭の状況や、支援の内容などの情報を集約するデータベースを整備する。
「成育部門」は、子どもの安全・安心な成長のための政策立案を担う。
文部科学省と協議して、幼稚園や保育所、認定こども園の教育や保育の内容の基準を策定するほか、子どもの性被害を防ぐため、子どもと関わる仕事をする人の犯罪歴をチェックする「日本版DBS」の導入を検討する。さらに、子どもが事故などで死亡した際に、その経緯を検証し、再発防止につなげる「CDR=チャイルド・デス・レビュー」の検討も進める。
「支援部門」は、虐待やいじめ、ひとり親家庭など、困難を抱える子どもや家庭の支援にあたる。
重大ないじめがあった場合には、文部科学省に説明や資料の提出を求める勧告などを行うほか、「ヤングケアラー」の早期把握に努め、福祉や介護、医療などの関係者が連携して必要な支援を行う。障害児の支援や施設や里親のもとで育った若者などに対しての支援も担う。
現場の受け止めは
こうしたこども家庭庁に対し、直接、子どもや子育て世帯と関わっている自治体からは、さまざまな声が聞かれる。
千葉県松戸市には子ども部という部署がある。松戸市では、ことし4月時点で、
3歳未満の子どもの42%が保育所に入所する一方、
残りの家庭では主に母親が子育てをしていて、孤立化が進んでいるという。
このため、
市が市内28か所の子育て支援施設をつくって、身近な相談や、育児の悩みを聞いたり、同世代の子どもが利用できたりするような場所を用意して利用を促している。
例年、
年間のべ20万人あまりの訪問者があり、
相談件数もおよそ7000件にのぼっている。
(千葉県松戸市子ども部・伊原浩樹部長)
「育児の仕方が全く分からないとか、病気のときにどう対応していいかわからないとか基本的なことでも、1人で悩みを抱えてしまうお母様が多いと聞いている」
松戸市ではさらに、重症心身障害児が通っている児童発達支援事業所が、通常の保育所の開設時間と比べて短く、保護者が仕事をやめなければならない状況があったことから、児童発達支援事業所でも預ける時間を延長できるよう、ことしから市が独自に施設に助成を行い、保育所と同じように利用できる体制を敷いた。
市ではさらなる支援をこども家庭庁に期待している。(
松戸市・伊原部長)
「障害児の担当がこども家庭庁にきたのは非常にいいことだと思っています。保育所がだいたい午前7時から午後7時まで開いている一方、児童発達支援事業所は午前10時から午後4時と短いので、保育所と同じぐらいの水準にしてもらうことも含め、
こども家庭庁に政策が一元化されたことによって、さまざまなアンバランスを是正してもらえるといいなと思っています」
お金と人が足りない
一方、兵庫県明石市では、18歳までの医療費や、2人目以降の保育料のほか、0歳児のおむつ代、中学校の給食費、それに小学生以下の子どものプールの利用料などを無料にしている。
また、市が養育費を立て替えるなど、幅広い分野で子ども施策に力を入れていて、こうした施策もあって、明石市には、子育て世帯の転入が相次ぎ、人口の増加が続いている。
泉房穂市長は、こども家庭庁には十分な予算や人材をつけるべきだと指摘する。
(明石市・泉市長)
「もったいないですね。やっと子どもにみんなの目が向き出したとは思いますが、お金と人が全然足りない。組織を作ったからといって大きく変わるわけではないので、次年度の予算倍増とか、子どもに寄り添う人材の育成などを並行してこれからも議論していくことが必要だと思います」
子ども政策に関する予算をめぐっては、岸田総理大臣は「将来的に倍増を目指したい」として、来年の骨太の方針で、予算倍増への道筋を明確に示すとしているが、現状では、何をベースにいつまでに倍増させるかは明らかになっていない。
国が子育てにどれだけ支出したかを示す「家族関係社会支出」の
2017年度の対GDP比は、日本は1.56%で、スウェーデンが3.40%、イギリスは3.24%など、3%前後の諸外国と比べて低い値となっている。
(明石市・泉市長)
「
基本的に子どもを育てるのにお金がかからない社会にすれば、多くの人は子どもを産み育てたいと思います。子どもを欲しいという人生を社会のせいで諦めるのはもったいない。
『諦めさせる』政治から、
『大丈夫』という政治に変えたらいいと思います」
幼保一元化は見送り
一方、課題の1つが、今回の法案審議でも焦点になった
「幼保一元化」だ。
未就学児童が通う施設は、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省、認定こども園は内閣府がそれぞれ所管している。
幼稚園と保育所の歴史は明治時代にさかのぼり、この当時から
一元化の議論が行われていたという文献もある。幼稚園が未就学児の教育を目的に誕生したのに対し、母親が働いている家庭が、乳幼児を預ける場として
「託児所」ができ、戦後、託児所から名称が変更されたのが保育所だという。
幼稚園と保育所が急速に普及した1960年代からは、二元行政の問題点が繰り返し指摘されてきた。
今回は、
こども家庭庁が、幅広い子ども政策を担うことから、「
幼保一元化」の議論だけに時間を割けなかったことに加えて、幼稚園や保育所を所管する文部科学省と厚生労働省の利害調整などに時間がかかることが予想されたこともあり、まずは「
こども家庭庁」
を早く設置することを優先させようと見送られた。
こども家庭庁では幼稚園、保育所、それに認定こども園での教育・保育内容の基準の整合性を制度的に担保し、いずれの施設でも共通の教育・保育を受けることを可能にするとしている。
内閣府の担当者は「無理やり『
幼保一元化』を実現しようとして、こども家庭庁の議論そのものをなくすより、今できることをやる方がいいと判断した」と説明する。
幼保一元化は求めない
この「
幼保一元化」に対しても、反応はさまざまだ。
松戸市では、独自の対策として、駅の近くなど利便性の高い場所に小規模保育施設を作って0歳から2歳の子どもを預かり、3歳から5歳の子どもについては、幼稚園の開園時間を保育所並みに拡大するための補助を行って、共働きの家庭でも、幼稚園で教育を受けることができるようにしている。
一方、
保育所では保育士に月額4万5000円から7万8000円の独自の手当を支給して保育士不足の解消や質の高い保育の提供に努めている。
(松戸市・伊原部長)
「さまざまなルールが全く違ったり、省庁の壁によってできないことがあったりするので、
こども家庭庁が司令塔になって改善してもらうことを非常に期待しています。ただ、
松戸では、もともと建学の精神を大事にしている幼稚園が多いので、そこを無理やり、保育とくっつけるのはちょっと無理があるのかなと現場で思っています。幼稚園の運営も補助しながら、保育所との共存を図っているので、幼保の一元化は求めていません」
「ばらばらなのが異常です」
一方、
明石市の泉市長は「幼保一元化」を実現すべきという立場だ。
(明石市・泉市長)
「ばらばらなのが異常ですよ。地方自治体が例えば新しいこども園を作ろうと思っても、所管する内閣府が『お金がないからだめだ』となった場合でも、文部科学省ではお金が余っていたりする。本当に縦割り行政の弊害で迷惑しています。既得権益のために縦割り行政が残る時代は終わったと思うので、関係省庁が一緒にしっかり子どものために力を合わせて欲しいと切に願います」
子どもの権利を守るために
さまざまな意見があるなか、海外の子ども政策に詳しい日本総研上席研究員の池本美香さんは、5年ごとの見直し既定をうまく活用すべきだと指摘する。
(日本総研・池本美香上席主任研究員)
「子どもの立場に立ったらどうなのかということを考えた場合に、そもそも同じような施設を複数の省庁で所管して、複数の法律を作るのは、その行政事務にかかるコストが、将来、子どもたちの負担になることになるので、それを考えたら、二元体制を改めて、1つの省庁に一元化すべき。この議論は、今回の法律に入っている5年をめどに組織や体制のあり方を必要に応じて見直す規定を生かし、改めて議論してほしい
」
さらに池本さんは、今後の見直しの際に、子どもの権利が守られているかを行政から独立した立場で監視し、調査や勧告する権限を持つ「子どもコミッショナー」についても検討すべきだと訴える。
「今回、こども家庭庁の設置にあわせて、子どもの立場に立って政策提言などを行う『子どもコミッショナー』が設置されることは見送られたので、どこまでこども家庭庁が子どもの視点や子育て当事者の視点に立った政策実現ができるのか、若干心配している。これで終わりではなく、『幼保一元化』の実現も含め、積み残したやるべきことを1つ1つスピードアップして解決していってほしい」
リーダーシップを発揮できるか
子ども政策をめぐっては、安定財源の確保に向けた議論が、参議院選挙後にもまた本格的に始まる見込みだ。
また、
子どもの視点の政策とあわせて、子どもを育てる親の働き方の選択肢を増やすなど、子育てと仕事の両立をどう支援していくかという論点も忘れてはならない。
地方自治体や地域社会とともに、こども家庭庁がリーダーシップを発揮して子どもや子育てをする親のための政策を前に進めることができるかどうか。問われるのはこれからだ。
2021.12.15-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211215/k10013389211000.html
名称は「こども家庭庁」に 政府が令和5年度創設へ
子ども政策の司令塔となる新たな組織について、政府は15日の自民党の会合で、
名称を「こども家庭庁」とし、
再来年度 令和5年度の早い時期に創設するなどとした基本方針の案を示しました。
政府が示した基本方針の案によりますと、子どもに関する政策の司令塔となる新たな組織の名称は「
こども家庭庁」としています。政府は当初、名称を「こども庁」とする予定でしたが、与党側から「子育てに対する家庭の役割を重視した名称にするのが望ましい」などといった意見が出されたことから、名称を変更しました。
そして「
こども家庭庁」は、総理大臣直属の機関として内閣府の外局に位置づけたうえで、各省庁への勧告権などを持つ担当大臣を置き、再来年度 令和5年度のできるかぎり早い時期に創設するとしています。
また、子どもが施設の類型を問わずに、共通の教育・保育を受けられるよう、こども家庭庁と文部科学省が協議し、幼稚園や保育所の教育・保育内容の基準を策定するとしているほか、文部科学省と重大ないじめの情報を共有し、必要な対策を講じるとしています。
さらに、子どもの性被害を防ぐため、子どもと関わる仕事をする人の犯罪歴をチェックする仕組みの導入を検討することや、子どもの貧困対策に取り組むNPO法人などを支援することも盛り込んでいます。
政府は年内に基本方針を閣議決定したうえで、必要な法案を年明けの通常国会に提出する方針です。
2021.12.08-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/article/20211208-6ZKS4UNYXRL4VHUYTDAWYNZUXI/
こども庁で日本版DBS検討 教育現場の性犯罪排除
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永原慎吾-
政府は、
令和5年度の設置を目指す子供関連施策の司令塔「
こども庁」で、
性犯罪歴を持つ人物が教育や保育の現場などで働くことを制限する「日本版DBS」の創設を検討する。
子供と接する職業に就く人には性犯罪歴がないことの証明が必要な英国の制度がモデル。教員や保育士は所管省庁も異なることを踏まえ、こども庁で一元的に対応する狙いがある。
DBSは英内務省が所管する組織「ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス(Disclosure and Barring Service)」の略称で、
性犯罪歴がないことを証明する書類を発行している。英国では書類を提出しなければ子供に接する職業には就くことができない。性犯罪は再犯率の高さが指摘されており、子供の安全を守るため、危険性の有無をチェックする仕組みだ。政府関係者によると、諸外国でも同様の仕組みが取り入れられており、日本でも導入に向けた検討が進められてきた。
政府が昨年12月に閣議決定した「
第5次男女共同参画基本計画」では、子供が活動する場所で勤務する人に対し「海外の法的枠組みも参考にしつつ、性犯罪歴がないという証明書を求めることを検討する」と明記した。今年の通常国会では、児童生徒へのわいせつ行為で懲戒免職となった教員に対する免許再取得の制限強化を柱としたわいせつ教員対策法が成立している。
ただ、子供と接する仕事は文部科学省所管の学校だけではなく、厚生労働省が受け持つ保育の現場に加え、学習塾、ベビーシッターなど多岐にわたる。また、
個人の前歴にかかわる仕組みづくりには法務省や警察庁との調整が必要なため、省庁横断で子供政策に対応するこども庁で検討を進める方針だ。
野田聖子こども政策担当相は3日の記者会見で「日本版DBSの議論をこども庁で排除することはない」と述べた。犯罪歴がないことを証明する制度は個人情報保護との兼ね合いもあり、野田氏は「導入にあたっては既存の法律との整合性をしっかりととらなければならない」とも語った。
政府はこども庁の設置時期について「
令和5年度の早い時期」を想定。同庁が新たに実施する業務としては
日本版DBSに加え、子供が死亡した場合に原因などの情報を収集する「CDR(チャイルド・デス・レビュー)」、子供に関する情報を一元的に把握する「こどもDB(データベース)」が浮上している。
(
永原慎吾)
2021,11.20-日刊」スポーツ(RSS)-https://www.nikkansports.com/general/news/202111200001438.html
「こども庁」創設は23年度以降へ先送りへ 施策移管など省庁間の調整難航
子ども関連施策の司令塔となる「
こども庁」の創設に関し、
政府が当初想定していた2022年度を先送りし、23年度以降とする方向となったことが20日、政府関係者への取材で分かった。
関係省庁がそれぞれ担当する施策の移管や新組織の体制について、省庁間の調整が難航しているため。
岸田文雄首相は20日、訪問先の松山市で記者団に「
こども庁のスタートに向けて努力を続けていきたい」と述べ、来年の通常国会への関連法案提出方針は堅持した。ただ、政権としての優先度は低下し、与党内での議論も停滞している。
こども庁は虐待など複雑化する課題に総合的に対処するため、複数の府省庁にまたがる施策を一元化する新組織。行政の縦割りをなくす狙いがあったものの、政府内の調整では主な教育分野を文部科学省に残す方向で検討するなど、
本来の目標とずれが生じている。
当初、
創設検討を指示したのは菅義偉前首相だった。政府は6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太方針」で、
早急に検討に着手すると明記。7月には関係省庁の職員を集めた検討チームを設けた。当初は1年で発足に至ったデジタル庁を参考にし、22年度中の創設を目指していた。
政府の検討では、
こども庁は内閣府の外局とし専任閣僚を置く。保育や児童虐待防止を担う厚生労働省の部署と、子どもの貧困対策を担当する内閣府の部署を移す見通しで、主な教育分野は文科省に残す方向。また、専任閣僚には、他官庁への改善を要請する「勧告権」を与える方針。(共同)
2021.04.22-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/fdc15ce6f4a12fd5f7fffdbebbea9239324d73e3
「こども庁」政府3案判明 子育て・教育を一体化、義務教育の移管も
菅義偉(すが・よしひで)首相が意欲を示す「こども庁」創設をめぐり、
内閣府と文部科学省が検討する3案が22日、判明した。3案はいずれも、省庁の所管が異なる幼稚園、保育園、
認定こども園をこども庁に一元化するなど子供関連政策を一体的に担う組織とする。小中学校の義務教育を
文科省から移管する案もあり、
首相が持論とする「縦割り行政打破」を打ち出す。
内閣府案は2案あり、ともにこども庁を各省から独立した組織として内閣府に新設、首相の直属機関として「こども総合政策相」を置き、その下に「こども庁長官」も設ける。
案(1)では、未就学児の通う幼稚園(文科省所管)、保育園(厚生労働省所管)、認定こども園(内閣府所管)をこども庁に集約。
案(2)では、未就学児に加え、現在は文科省が担う小中学校の義務教育もこども庁に一元化する。
文科省案は、少子化対策や教育など各分野の総合調整機能を充実させるため、
内閣官房に「こども政策戦略会議(仮称)」を新設して担当相を置く。文科省の下に「こども庁」を置き、幼稚園や小中学校、高校などを所管する初等中等教育局と、総合教育政策局から子供の福祉と保健に関連の深い業務を「こども庁」に移管し、その他は文科省に残す。
3案はいずれも、虐待や貧困の問題を「こども庁」が受け持つとしている。
政府は、こども庁を夏にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に盛り込み、令和4年度予算案に反映させる方針。自民党も総裁直属機関を新設して議論を始めており、次期衆院選の目玉公約としたい考え。来年の通常国会への設置法案提出も視野に、政府・与党内で具体的な組織の在り方の検討を進める。
2021.04.02-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210402/k10012951531000.html
「こども庁」創設へ 役割や組織形態などの検討急ぐ 自民
子どもに関する行政の在り方をめぐり、自民党は、菅総理大臣の指示を受けて、
政策を一元的に担当する「こども庁」の創設を次の衆議院選挙の公約に盛り込むことも視野に、役割や組織形態などの検討を急ぐことにしています。
子どもに関する行政の在り方をめぐり、菅総理大臣は1日、自民党の有志の議員が、
政策を一元的に担当する「こども庁」を創設し、専任の大臣を置くことなどを提言したのに対し「強い決意でしっかりと取り組んでいく」と応じました。
そして、菅総理大臣は、自民党の二階幹事長に対し、党内に新たな機関を設けて具体的な検討を進めるよう指示しました。
政府・自民党内では、
保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省、認定こども園は内閣府がそれぞれ所管している現状を踏まえ、省庁再編を含めて検討すべきだという意見がある一方、
教育と保育の政策を一元化するための調整は容易ではないという見方もあります。
また、
虐待の防止や子どもの貧困など幅広い課題にも対処できるよう強力な権限を持たせる必要があるといった声もあり、自民党は「
こども庁」の創設を次の
衆議院選挙の公約に盛り込むことも視野に、役割や組織形態などの検討を急ぐことにしています。