豚熱ウイルス-1



2020.5.25-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/life/news/200525/lif2005250046-n1.html
豚熱、野生イノシシで拡大 農水省、飼育豚で再燃警戒

  
豚熱(CSF)に感染した野生イノシシが今年に入り500頭以上見つかっていることが、農林水産省への取材で25日分かった。4月以降には新潟、神奈川、京都の3府県でも初めて感染を確認。ウイルスを運ぶイノシシが動き回れば飼育豚への感染が再び広がりかねず、農水省は豚への予防ワクチン接種の対象となる「推奨地域」を必要に応じて拡大する方針だ。
   豚熱は平成30年9月に国内で26年ぶりに発生し、中部、関東地方などで広がった。農水省は当初、飼育豚へのワクチン接種は実施せず、養豚場への侵入を防ぐなど野生イノシシ対策を徹底することで蔓延(まんえん)を防ごうとしたが、封じ込めに失敗。このため昨年10月に飼育豚への予防ワクチンの接種を認める方針に転換し、感染リスクに従って推奨地域を指定して順次実施してきた。
   接種済みの養豚場では今年に入り新たな発生はなく、農水省は「昨年と比べてもワクチンで感染を抑えられている」とみている。


豚熱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

豚熱(ぶたねつ、英classical swine feverCSFhog cholera)は、フラビウイルス科ペスチウイルス属によるブタのウイルス性疾病である。ブタ及びイノシシに特有の病気であり、ヒトには感染することはない

  豚熱は、以前は豚コレラという病名であったが、これは、1800年代にアメリカ合衆国で初めて発生が確認された際に、同地域において、ヒトのコレラが流行していたことから、関連は判然としないまま hog cholera (豚コレラ)と命名されたことに由来している。症状はコレラとは異なり、科学的には、ウイルスによって起こる豚熱(旧称:豚コレラ)は細菌で起こるヒトのコレラとは何ら無関係である。
  2019年11月11日、日本
江藤拓農林水産大臣は、「豚コレラ」の呼称を、英語名の「CSF(クラシカル・スワイン・フィーバー)」に変更すると明らかにした。無関係なヒトのコレラを想起させるとして、名称の見直しを求める声が発生県などから上がっていたという農林水産省のHPでは11月12日付で「豚コレラ及びアフリカ豚コレラの名称変更について 」という発表を掲載した。12月24日、農林水産省は「豚コレラ」の法律上の名称を「豚熱(ぶたねつ)」に変更する方針を発表した。正式な変更は、2020年2月5日に「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律(令和2年法律第2号)」が公布・同日施行されたことによる。なお「法令上の用語としてCSFは、略称であるため、法律用語とすることは難しく、端的に病状を理解ができて、かつ、国際的な名称の日本語訳として適切なものとして日本獣医学会から提言を受けて決定した」と農林水産大臣が発表している
原因
  コレラ菌やブタコレラではなく、豚熱ウイルスにより起こる。ブタ、イノシシに感染し、ヒトには感染しない。ヒトが、豚熱にかかったブタの肉を食べても感染することはないなお、ブタコレラ菌 (Salmonella enterica serovar Choleraesuis) は、サルモネラの一種で、ヒト、ブタ、いずれにも感染し、豚コレラではなくサルモネラ症を起こす。
防疫
  
豚熱は、症状として、発熱し食欲減退、急性結膜炎を起こす。初期に便秘になったのち下痢に移行する傾向が見られる。全身リンパ節や各臓器の充出血、点状出血などが認められる。アフリカ豚熱トキソプラズマ症、急性敗血症豚丹毒オーエスキー病豚繁殖・呼吸障害症候群との鑑別が必要である。
  豚熱ウイルスがタンパク質に富む環境下においては燻製や塩蔵により不活化されることはなく、冷蔵で約3か月・冷凍で4年超にわたり活性を保つことがある。また、加熱による不活化には温度のわずかな差にも影響される故に、37に加熱した肉で1 - 2週間、50℃で3日間は生存するという結果がある。そのために加熱処理の有効温度(肉なら中心温度)は70℃で30分以上あるいは 80℃では3分以上と定義されている。
  日本の沖縄県で発生した豚熱の感染経路について、農林水産省の疫学調査チームは、肉製品を含む食品残渣飼料を非加熱で給餌したことが原因である可能性を指摘している
  1833年のアメリカ合衆国のオハイオ州での発生が世界最初の報告とされている(ただし現在、アメリカは豚熱清浄国である)。
  なお、1822年にフランスで豚熱に類似した症例が報告されており、これが世界最初の事案という意見もある。
  現在はアジアを中心に発生。日本では家畜伝染病予防法において法定伝染病に指定されており、対象動物はブタ、イノシシ。日本では生ワクチンの使用が限定的に認められていたが、2006年3月にワクチン接種を完全に中止して、摘発淘汰を基本とした防疫体制となり、2007年4月1日より国際獣疫事務局(OIE)の規約に基づき、日本は豚熱清浄国となった。しかし2018年9月以降は、岐阜県岐阜市からの疑似患畜により、ワクチン接種の再開と感染国に戻っている


ウイルスとは - 秋田大学 大学院医学系研究科

(3)ウイルスの分類
  ウイルスはさまざまな生物に感染する動物では哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫植物のウイルスもある、かびや細菌のウイルスもある

  国際ウイルス分類委員会の分類では、全部で3万種くらいのウイルスが見出されているそのうち、哺乳類と鳥類に感染するウイルスは約650種しかも、1つの種はさらにいくつものタイプに分けられる。
  たとえば、人で風邪を起こすウイルスにライノウイルスというのがあるこれは1種だが、その中に110ものタイプがある。
  20年ほど前、米国の国立衛生研究所で人に感染するウイルスを整理してみた結果、平均的アメリカ人は一生の間に200回くらいウイルスに感染していると報告があるこれらのウイルスの多くは風邪などの軽い症状、もしくはほとんど症状を引き 起こさない。
  そのため、私たちは感染したことも気づかないで済んでいる。 これらの数多くのウイルスのごく限られたものが重い病気を引き起こしてい る。
(4)ウイルス感染症の歴史
  ウイルス感染症は有史以来、人類を悩ませてきた。その最大のものは天然痘と狂犬病。 天然痘は、紀元前9000年頃、古代エジプトとメソポタミアの大河流域で人 々が農業を始めるようになって、人口が増え始めたために、人々の間で広が るようになったのではないかと推測されている。
  紀元前1500年には、サンスクリットの医学書に天然痘と思われる病気の流行が書かれている。
  紀元前1157年に死亡したエジプトの王、ラムセス5世のミイラがカイロ博物館に展示されているが、天然痘に特徴的な発疹の後がはっきり残っている。
  狂犬病については、紀元前1885年、メソポタミア文明を築いたシュメール 人の法律に、狂犬病に関するものと思われる文章が残っている。
  紀元前500年にはギリシアのアリストテレスやヒポクラテスが狂犬病のことを述べて いる。 しかし、ウイルスが初めて分離されたのはわずか100年ほど前の19世紀 の終わり、それはウシの口蹄疫ウイルスとタバコのタバコモザイクウイルスです。ヨーロッパではウシの間で急速に広がる口蹄疫が畜産上の大きな問題であった。
  その原因解明をドイツ政府から命令されたフリードリッヒ・レフラーの研究チームが、発病したウシの口や乳房にできた水疱を直接、子牛に接種した結果、1898年、病気を再現するのに成功した。しかも、その水疱を細菌が通過できないフィルターで濾過しても、子牛に病気を起こせることが確認され、その結果、濾過性の病原体、すなわちウイルスという存在が明らかになった。
  一方同じ年、オランダではタバコの葉に斑点ができるタバコモザイク病で、タバコモザイクウイルスが分離された。 ウイルスの存在は、ウイルス粒子という実体ではなく、病気を起こす要素 として見つかってきた。
  約50年前は、実験動物にサンプルを接種して病気が起こるかどうかを調べてウイルスの存在を推測して いた。
  その後,試験管内で培養した細胞を破壊するかどうかでウイルスの存在を調べるようになる。
  どちらの方法もウイルスそのものを見ているのではなく、ウイルスの感染性と病気を起こす能力、つまり 生物学的性質から、ウイルスを間接的に検出している。
   最近では、ウイルスの遺伝子を検出することで、ウイルスの存在を知ることも可能になった。物質としてのウイルスも取り扱えることができるようになってきた

ウイルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


ウイルス(ラテン語: virus)は、他生物の細胞を利用して自己を複製させる、極微小な感染性の構造体で、タンパク質の殻とその内部に入っている核酸からなる。生命の最小単位である細胞やその生体膜である細胞膜も持たないので、小器官がなく、自己増殖することがないので、非生物とされることもある

特徴
ウイルスは細胞を構成単位とせず、自己増殖はできないが、遺伝子を有するという、非生物・生物両方の特性を持っている。現在のところ自然科学では生物・生命の定義を行うことができていないため、便宜的に細胞を構成単位とし、代謝、増殖できるものを生物と呼んでいるが、ウイルスは「非細胞性生物」として位置づけられる。あるいは、「生物学的存在」ともいわれる。感染することで宿主の恒常性に影響を及ぼし、病原体としてふるまうことがある。ウイルスを対象として研究する分野はウイルス学と呼ばれる。
遺伝物質の違いから、大きくDNAウイルスRNAウイルスに分けられる(詳細はウイルスの分類を参照)。

一般的な生物」との違い
ウイルスは様々な点で一般的な生物と大きく異なる。

  1-非細胞性で細胞質などは持たない。基本的にはタンパク質核酸からなる粒子である(→ウイルスの構造)。
  2-大部分の生物は細胞内部にDNARNAの両方の核酸が存在するが、ウイルス粒子内には基本的にどちらか片方だけしかない。
  3-他のほとんどの生物の細胞は2nで指数関数的に増殖するのに対し、ウイルスは一段階増殖する。またウイルス粒子が見かけ上消えてしまう「暗黒期」が存在する。
  4-代謝系を持たず、単独では増殖できない。他生物の細胞に寄生したときのみ増殖できる。
  5-自分自身でエネルギーを産生せず、宿主細胞の作るそれを利用する。

なお4の特徴はウイルスだけに見られるものではなく、リケッチアクラミジアファイトプラズマなど一部の細菌や真核生物にも同様の特徴を示すものがある。
  細胞は生きるのに必要なエネルギーを作る製造ラインを持っているが、ウイルスはその代謝を行っておらず、代謝を宿主細胞に完全に依存し、宿主の中でのみ増殖が可能である。彼らに唯一できることは他の生物の遺伝子の中に彼らの遺伝子を入れる事である。厳密には自らを入れる能力も持っておらず、ただ細胞が正常な物質と判別できずウイルスタンパクを増産し病気になる。これらの違いからウイルスは生物学上、生物とは見做されないことも多い。
  上記のようにウイルスは生物学上の生物とはされない事が多いが、メガウイルスミミウイルスなど、細菌に非常に近い構造を持つウイルスの発見により、少なくとも一部は遺伝子の大部分を捨て去り、寄生に特化した生物の一群由来であろうことが強く示唆されている。一方、レトロウイルストランスポゾンの類似性もまた、少なくとも一部のウイルスは機能性核酸が独立・進化したものである可能性を強く示唆している。つまり、「ウイルス」として纏められている物は多元的であり、人為分類群である可能性が非常に高い。
構造
ウイルスの基本構造は、粒子の中心にあるウイルス核酸と、それを取り囲むカプシド (capsid) と呼ばれるタンパク質の殻から構成された粒子である。その大きさは小さいものでは数十nmから、大きいものでは数百nmのものまで存在し、他の一般的な生物の細胞(数〜数十µm)の100〜1000分の1程度の大きさである。ウイルス核酸とカプシドを併せたものをヌクレオカプシド (nucleocapsid) と呼ぶ。ウイルスによっては、エンベロープ (envelope) と呼ばれる膜成分など、ヌクレオカプシド以外の物質を含むものがある。これらの構成成分を含めて、そのウイルスにとって必要な構造をすべて備え、宿主に対して感染可能な「完全なウイルス粒子」をビリオンと呼ぶ。










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