防衛問題-1



2020.6.30-Yahoo!!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/6862931128e2068460d4fae6ab95fbc77c6a465d
政府が「宇宙利用大国」へ情報衛星10機体制 基本計画を改訂

  政府は30日の閣議で、宇宙基本計画を5年ぶりに改定した。「自立した宇宙利用大国」を掲げ、情報収集衛星を現在の4機から10機に増やすなど安全保障や防災への利用を重視する
   計画では、情報収集衛星10機に増やすとともに、日本版GPS(衛星利用測位システム)の準天頂衛星「みちびき」に宇宙ごみの接近を知らせるセンサーを搭載するなど運用態勢を強化する。米国との連携を強め、多数の小型衛星でミサイルを探知するシステムの開発も検討する
   また、災害発生時の状況把握にも衛星を活用する。令和4年度までに被災状況を迅速に把握できるシステムの開発を進める。
   昨年、宇宙軍を創設した米国は、政府にも軍事開発への協力を求めており、今回の改定はこうした流れをくんだ。米国が主導する有人月探査計画では「日本人宇宙飛行士の活躍機会の確保」も盛り込んだ。  新たな計画は6月29日の宇宙開発戦略本部会合で策定。本部長の安倍晋三首相は会合で、「わが国が強みを持つスペースデブリ(宇宙ごみ)対策や衛星量子暗号通信など次なる事態の戦略分野にも、国として大胆に投資をしていく」と述べた。


2020.6.30-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20200630/k00/00m/040/295000c
「敵基地攻撃」は「専守防衛」に反しないのか 自民検討チームが議論開始

  自民党は30日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画断念を受け、ミサイル発射前に相手の基地を攻撃する「敵基地攻撃能力」保有に関する議論をスタートさせた。これは憲法9条に基づく「専守防衛」には抵触しないのだろうか?
  検討チームの座長には敵基地攻撃能力保有に積極的な小野寺五典元防衛相が就任。会合で「北朝鮮は変則軌道ミサイル、ロシアや中国は極超音速滑空弾を開発しており、中長期的にどんなミサイル防衛が必要かしっかり議論する必要がある」と述べた。出席した中谷元・元防衛相は「慌てずしっかり議論すべきだが、手足を縛ったまま守ることはできない。抑止力として能力は必要だ」と保有論を展開。ほかの出席者からは、巡航ミサイル「トマホークなど敵基地攻撃が可能な防衛装備品の議論を求める意見も出た。
  それに対し、岩屋毅前防衛相は「イージス・アショアが難しいからといって、一足飛びに敵基地攻撃能力保有を考えるのは論理の飛躍がある」と表明。防衛庁長官時代に保有論を示した石破茂元防衛相も政府のイージス・アショア断念へ疑問を投げかけた。会合では、今後有識者らも招いて敵基地攻撃能力保有の是非を議論し、7月中にも提言をまとめることで一致したものの、調整が難航する可能性は高まっている。


2020.6.28-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200628/plt2006280016-n1.html
新型コロナ感染防止と任務両立 陸自、「作戦マニュアル」策定

  陸上自衛隊が新型コロナウイルスの感染を防止しつつ任務を遂行する「作戦マニュアル」を策定したことが28日、分かった。マニュアルは、感染が拡大する中、一線の実戦部隊が一人の感染者も出さずに大規模な任務を行った陸自西部方面隊のノウハウと教訓に基づく北朝鮮が保有しているとみられる生物・化学兵器などによる攻撃をにらみ有事対応に生かすことを目的にしているのが特徴だ。
  マニュアルはCBRNE(シーバーン)対処を想定して策定した。C(化学)B(生物)R(放射性物質)N(核)E(爆発物)の英語頭文字をつなげた手段の事態で自衛隊は対応を求められ、新型コロナウイルスはBの生物に分類される。
  隊員が感染を防ぎながら任務を行うことは北朝鮮の生物兵器攻撃への対処に通じる。マニュアルは(1)感染防止(2)任務を継続できる態勢(3)感染疑い発生時の迅速な措置-が根幹をなす。
  マニュアル策定のきっかけは西部方面隊が4月8~17日の間、日出生台(ひじゅうだい)演習場(大分県)で12部隊から延べ1400人を参加させて整備を行った任務だ。緊急事態宣言が7都府県から全国に拡大され、17日には複数の部隊が集合して行う訓練を当面控えることが決まった時期だ。
  演習場整備では一部の隊員で感染の疑いが出ても任務と指揮統制を継続できるよう指揮官らを2グループに分け、別々の場所を拠点にしてテレビ会議で連絡を取り合った。宿営地域では消毒する除染所を設け、出入りを統制する警戒員を置き、衛生を専門とする隊員が感染防止の巡回指導を行った。就寝時には隊員間に間仕切りのシートもつるした。
  マニュアルはこうしたノウハウを詳述し、訓練時の防護基準と位置づけ、陸自全体で共有する。


2020.6.21.-NHKNEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200621/k10012478591000.html
奄美大島周辺 狭い海域を航行 中国が潜水艦の能力 誇示か

  鹿児島県の奄美大島の周辺で確認された中国海軍のものとみられる潜水艦は、幅10キロほどの狭い海域を縫うように航行していたということで、政府は、海洋進出を強める中国が潜水艦の能力などを誇示した可能性もあるとして、警戒を強めています。
  今月18日から20日にかけて、海上自衛隊は、鹿児島県の奄美大島の周辺で、外国の潜水艦が、浮上しないまま、日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行したのを確認しました。
  政府関係者によりますと、この潜水艦は中国海軍のものとみられ、領海への侵入はなかったということです。
  また、奄美大島とトカラ列島の間の狭い海域で、幅10キロほどの領海と領海の間を縫うように進んでいたということです。
  このため政府は、海洋進出を強める中国が潜水艦の能力や、海底の地形に関する情報を収集していることなどを誇示するため、あえて狭い海域を通過した可能性もあると分析していて、警戒を強めています。


2020.6.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200616/plt2006160004-n1.html
地上イージス計画停止「承服できない」 自民から怒り噴出

  自民党は16日、地上配備型迎撃システムイージス・アショア配備計画の停止をめぐり、国防部会などの合同会議を開いた。平成29年にイージス・アショア導入を決めた当時の防衛相だった小野寺五典・党安全保障調査会長が「しっかり説明がなければ到底承服できない」と述べるなど、激しい異論や怒りが噴出した。
  出席者からは、計画停止で日本の弾道ミサイル防衛網に隙が生まれるとの懸念が多く示された小野寺氏や稲田朋美元防衛相らは、敵基地攻撃能力保有などによる防衛能力の抜本的な強化を主張した。
  また、河野太郎防衛相が与党への事前説明をしないまま、記者会見で計画停止を発表したことに対し、「突然の発表に驚きを隠せない」(原田憲治国防部会長)、「こんな重大な問題で事前説明がないのはなぜか」(稲田氏)、「テレビを通してしか説明がないなら(与党は)野党と同じだ。何を考えているんだ」(浜田靖一元防衛相)と不快感の表明が相次いだ
  合同会議には防衛省幹部が出席したが、河野氏は出席していない。


2020.6.16-宮崎日日新聞-https://www.the-miyanichi.co.jp/shasetsu/_45394.html
地上イージス計画停止

完全撤回と徹底的検証を
  河野太郎防衛相が、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画のプロセスを停止すると表明した。2025年度以降に、秋田、山口両県への配備を計画していた米国製のイージス・アショアは、2基の取得費や運用経費で4500億円超が必要で、防衛費を膨れあがらせる一因となっていた。
   河野氏は迎撃ミサイルを発射した場合、ミサイルのブースター(推進補助装置)部分を自衛隊演習場内に確実に落とせないことを計画停止の理由として挙げた。なぜ、技術的に問題のあるイージス・アショアの配備計画を進めてきたのか。計画の停止ではなく完全な撤回を早急に決定するとともに、これまでの経緯を徹底的に検証すべきだ。
   イージス・アショアは、北朝鮮のミサイル防衛のために17年12月に2基の導入を閣議決定18年5月に当時の小野寺五典防衛相が秋田、山口両県を配備候補地とすると表明した。
   イージス・アショアは、イージス艦と同様のレーダーとミサイル発射装置で構成する迎撃システムを、地上に配備するものだ。だが、疑問点は以前から指摘されていた。一つは、陸上に固定されるイージス・アショア自体が攻撃対象となることだ。発射したミサイルの部品が住宅地に落下することを懸念する声もあった。
   防衛省はこれまで演習場内に落とせると説明。だが、河野氏は今年になって米側との協議で「確実には落とせない」と、安全性に疑問が生じたことを明らかにした。ソフトウエアの改修で対応しようとしたが、できないことが分かったという。防衛システムとしては欠陥品と言わざるを得ない。これまでの説明は「配備ありき」で、地元への誠実さに欠けたのではないか。
  迎撃の能力も疑問視されていた。昨年版の防衛白書は、北朝鮮がミサイル能力を向上させ、通常の弾道ミサイルよりも低空を不規則な軌道で飛ぶミサイルを開発している可能性があると指摘している。迎撃が困難であるという現実を、防衛省自身が認めているということだ。
  河野氏は、今後のミサイル防衛の在り方を国家安全保障会議(NSC)で検討し、当面は洋上のイージス艦でミサイル防衛体制を維持する方針を示した。
  問題点が判明した計画をストップすることは評価できる。だが、なぜ国会の会期末を17日に控えたこの時期まで公表しなかったのか。これこそ国会で議論すべき課題ではないか。
  沖縄県名護市で進める米軍基地の移設工事も、軟弱地盤のために工事の長期化が見込まれている。なぜこちらは見直さないのか。ミサイル防衛体制全体の再検討に取り組むべきだ。


イージスシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

  イージスシステムAegis System)は、アメリカ海軍によって、防空戦闘を重視して開発された艦載武器システム。正式名称はイージス武器システムMk.7AEGIS Weapon System Mk.7)であり、頭文字をとってAWSと通称される防衛省ではイージス・システム、イージスシステムの両方を使用している
  イージス(Aegis)とは、ギリシャ神話の中で最高神ゼウスが娘アテナに与えたというであるアイギス(Aigis)のこと。この盾はあらゆる邪悪を払うとされている(胸当てとの異説もある)
概要
  イージスシステムは、アメリカ海軍のウィシントン提督、マイヤー提督の指導のもと、RCA社のレーダー部門(現ロッキード・マーティン)が開発した艦載武器システムである
  従来、空の脅威から艦隊を守ってきた各種の艦対空ミサイル・システム(ターター・システムなど)は、いずれもせいぜい1〜2個の空中目標に対処するのが精一杯であり、また意思決定を全面的に人に依存していたことから、応答時間も長かった。こういった問題を解決するため、1950年代末よりアメリカ海軍は新しい防空システムの開発を試みたものの、計画は難航した。その後、慎重に洞察を重ね、また新しい技術を適用することで、1960年代末から1970年代にかけて開発されたのがイージス・システムである
  イージス・システムは、従来のような単なる防空システムという枠にとどまらない、極めて先進的かつ総合的な戦闘システムとして完成された。イージス・システムにおいては、レーダーなどのセンサー・システム、コンピュータデータ・リンクによる情報システムミサイルとその発射機などの攻撃システムなどが連結されている。これによって、防空に限らず、戦闘のあらゆる局面において、目標の捜索から識別、判断から攻撃に至るまでを、迅速に行なうことができる。本システムが同時に捕捉・追跡可能な目標は128以上といわれ、その内の脅威度が高いと判定された10個以上の目標を同時迎撃できる。このように、きわめて優秀な情報能力をもっていることから、情勢をはるかにすばやく分析できるほか、レーダーの特性上、電子攻撃への耐性も強いという特長もある。
  高性能ゆえに高価であり、イージス・システム全体としての価格は500億円と言われている。ただ、開発が1969年に始まったため技術としては既に成熟域に達しており、欧州諸国が独自に開発・採用している同種のシステムよりは相対的に価格がこなれている。スペインがドイツ・オランダとの防空システム共同開発から脱退し「イージス」を採用したのもそれが理由である。
開発
タイフォンの挑戦と挫折
  アメリカ海軍は、第二次世界大戦末期より、全く新しい艦隊防空火力として艦対空ミサイル(SAM)の開発に着手していた。1944年4月の開発要請に応じ、ジョンズ・ホプキンズ大学応用物理学研究所(JHU/APL)が同年12月に提出した案に基づいて開始されたのがバンブルビー計画であった。まもなく日本軍が開始した特別攻撃(特攻)の脅威を受けて開発は加速、また戦後ジェット機の発達に伴う経空脅威の増大を受けて更に拡大され、1956年にはテリア、1959年にタロス、そして1962年にターターが艦隊配備された。これらは3Tと通称され、タロスはミサイル巡洋艦、テリアはミサイルフリゲート(DLG)、そしてターターはミサイル駆逐艦(DDG)に搭載されて広く配備された。
  しかし、3Tファミリーのうち、もっとも早く開発が進行したテリアミサイルがようやく就役しつつあった1950年代後半の時点で、既にこれらのミサイル・システムには、設計による宿命的な限界が内包されていることが指摘されていた。
 ・具体的には、攻撃に際しては、同じ目標を捜索レーダーと射撃指揮装置が重複して追尾することになる
 ・ミサイルの発射から命中まで、1つの目標に対して1基の射撃指揮装置が占有されてしまう
  という問題が指摘されていた。このために、同時に対処できる目標は射撃指揮装置の基数と同数(2~4目標)に制約されていた上に、自動化の遅れから、即応性にも問題があった。一方、ソヴィエトにおいては、1950年代末より対艦ミサイルの大量配備が進んでおり、複数のミサイルによる同時攻撃を受けた場合、現有の防空システムでは対処困難であると判断された
  このことから、JHU/APLでは、アメリカ海軍との協力のもとで、1958年より次世代の防空システムの開発に着手した。これがタイフォン・システムである。
  しかし要求性能の高さに対する技術水準の低さ、統合システムの開発への経験不足のために開発は極めて難航し、最終的に技術的な問題を解決できず、1964年にキャンセルされた。ただし失敗に終わったとはいえ、タイフォン計画から得られた研究成果の多くが、のちにイージス・システムで結実することになる
ASMSからイージスへ
  タイフォン計画の失敗を受けて、1963年11月より先進水上ミサイル・システム(ASMS)計画が開始された[10]。タイフォンの轍を踏まないため、本格的な開発に着手するまえに、まず1965年1月よりASMS評価グループを編成してコンセプト開発を行った。この任務のため、ASMSプロジェクト室のほか、海軍省や海軍兵器局、艦船局および研究所、JHU/APL、競合する各社、ベル研究所、陸軍防空庁から選りすぐりの要員が集められた。そしてその指揮官として、既に退役していたフレデリック・ウィシントン少将が非常の措置として呼び戻された。
  海軍の要求に応じて各社が提出した28個の提案書はウィシントン評価チームによって吟味され、まず7社が選ばれた。1968年には、RCAジェネラル・ダイナミクス(GD)、ボーイングの3社に絞り込まれた。そして1969年12月、最終的にRCA社が選定され、主契約者となった。同年、ASMS計画はイージス計画と改称した。
  1967年に発生したエイラート撃沈事件、1970年にソ連が行なったオケアン70演習を受けて、開発は加速された。とくに、オケアン70演習においては、90秒以内に100発もの対艦ミサイルを集中して着弾させる飽和攻撃が実演され、従来の防空システムの限界が確認された。
  前準備なしに洋上試験に入って失敗したタイフォン・システムの失敗を踏まえ、1972年、ニュージャージー州ムーアズタウンのランコカス地区のRCA社構内にあった空軍のレーダー実験施設を借り受けて、地上テストサイト(Land Based Test Site, LBTS;現在はCombat System Engineering Development Site, CSEDS)が建設された。1973年より、まずSPY-1レーダーの試作機(アンテナ1面のみ)が取り付けられて試験が重ねられたのち、戦術情報処理装置などその他のシステムと統合されて、システム全体の試作機にあたる技術開発モデル1号機(Engineering Development Model 1, EDM-1)としての試験に入った。地上での航空機追尾試験などを経て、1975年にはEDM-1を実験艦「ノートン・サウンド」に移設しての洋上試験が開始された。同艦では、LBTSではシミュレータで代用されていたミサイル発射機(艦隊現用のMk.26発射機およびSM-1ミサイル)なども搭載され、ほぼ実艦への搭載に近い状況下で、太平洋上で総合的な試験がくりかえされた。このとき、ミサイル発射試験の初弾で早くもインターセプトに成功したほか、高速目標に対する迎撃能力、レーダーの対妨害能力の高さが注目されたと伝えられている。
多機能レーダー
  多機能レーダーとしては、従来、一貫してAN/SPY-1が搭載されてきた。これはイージス武器システムの中心であり、多数目標の同時捜索探知、追尾、評定、発射されたミサイルの追尾・指令誘導の役目を一手に担う多機能レーダーである。周波数はSバンドパッシブ・フェーズド・アレイ・タイプの固定式平板アンテナを4枚持ち、これを四方に向けて上部構造物に固定装備することで、全周半球空間の捜索を可能にする
  最初に開発されたA型、発展型のB型およびB(V)型は巡洋艦向けで、前後の上部構造物に分けて装備された。その後、レーダー機器を艦橋構造物に集中配置して効率化をはかるとともに小型化したD型、その改良型のD(V)型が駆逐艦向けとして開発された。また、D型をベースとしてさらに簡略化されたフリゲート向けのF型、より小型の艦艇向けのK型も開発されている。
  D型では、アンテナ1面につき4350個のレーダー・アンテナ素子が配置され、最大探知距離324キロ以上、200個以上の目標を同時追尾可能とされる。ただしSバンドで動作するため、低高度目標への対処に若干の問題があるとも言われており、ベースライン8以降の艦では、XバンドAN/SPQ-9Bレーダーが追加装備されている
  そしてベースライン10(ACB-20)では、アンテナをアクティブ・フェーズドアレイ(AESA)方式に変更して新開発されたAN/SPY-6 AMDR-Sに変更される予定となっている

・・・・・以下wikipediaにて


2020.5.18-沖縄タイムス OKINAWA TIMES-https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/572660
空自に「宇宙作戦隊」が発足 米軍、JAXAと情報共有

  日本の人工衛星を守るため、宇宙ごみ(デブリ)や隕石、不審な衛星を監視する航空自衛隊の「宇宙作戦隊」が18日、府中基地(東京都府中市)を拠点に発足した。宇宙監視に専従する自衛隊の部隊設置は初めて。防衛省は米軍や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と連携し、情報共有システムの構築を図る。

  米軍は昨年12月、陸海空と並ぶ独立軍として1万6千人規模の宇宙軍をスタートさせた。中国やロシアは他国の人工衛星を攻撃する「キラー衛星」を開発しているとされ、加速する宇宙の軍事利用の動きに日本が影響を受ける可能性もある。
  防衛省によると、宇宙作戦隊は約20人で発足した。(共同通信)


2020.5.12-Sankei Biz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200512/mca2005122143032-n1.htm
リムパック、日本説得で8月実施 コロナ禍の中国進出牽制

  8月に米ハワイで行われる米海軍主催のリムパック(環太平洋合同演習)が、日本政府の強い働きかけで実現することが12日、分かった。米側は当初、新型コロナウイルスの世界的大流行を踏まえ中止する意向だったが、中国軍の活発な動きを念頭に日本側が開催を要望した。期間や規模は縮小され、自衛隊は予定していた固定翼哨戒機の派遣を見送る方針を固めた。
  リムパックは2年に1回行われる世界最大規模の多国間海上演習で、今年が開催年にあたる。日米関係筋によると、米側が新型コロナの影響で中止する方針を伝えたところ、日本側は「こんな時だからこそ、どんな形でもやるべきだ」と説得したという。世界各国が新型コロナ対策に苦しむ中、中国軍が活発な動きを見せているためだ。
中国海軍は空母「遼寧」が4月11日と28日に初めて宮古海峡(沖縄本島-宮古島間)を通過したほか、南シナ海では独自の行政区を設定した。米海軍の空母やミサイル駆逐艦で新型コロナの大量感染が発生しており、中国軍の行動は米側の状況をうかがう狙いもあったとみられる。
  こうした中でリムパックを中止すれば、新型コロナが米軍の態勢に深刻な影響を及ぼしていると中国側が解釈し、現場レベルで不測の事態が発生する恐れもある。日米両政府は、新型コロナ収束後を見据えた政治的メッセージを発する上でも、リムパックを開催すべきだという点で一致した。
  リムパックの期間は通常1カ月以上だが、今回は8月17~31日の約2週間に短縮。水上訓練や対潜水艦訓練は行うが、地上訓練などは見合わせる。自衛隊は水上艦を派遣する一方、固定翼哨戒機は中東海域での情報収集などで負担が増していることもあり、参加を見合わせる


2020.4.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200425/wor2004250008-n1.html
米駆逐艦が台湾海峡を通過 今月2回目

 【ワシントン=黒瀬悦成】米第7艦隊は24日、米海軍のミサイル駆逐艦バリーが現地時間の23日から24日にかけて台湾と中国を隔てる台湾海峡を通過したことを明らかにした。
   同艦は今月10~11日にも台湾海峡を通過した。米艦船が同海峡を通過するのは今月2回目となる。
   第7艦隊のジュンコ報道官は、同艦の航行に際しては「国際法規に従った」とし、「艦の台湾海峡通過は、自由で開かれたインド太平洋に対する米国の関与を示すものだ」と指摘。その上で「米海軍は、国際法で許されたあらゆる場所で飛行し、航行し、作戦行動を行う」と強調した。
   中国は今年に入り、台湾海峡の周辺で戦闘機や爆撃機などによる軍事演習を頻繁に実施している。」   台湾は23日、中国海軍の空母艦隊が台湾とフィリピンの間のバシー海峡を通過したと発表した。
   台湾当局によると、同艦隊は今月上旬も「南シナ海での定期演習に向かう」と称して台湾の東を南下したという。
   ロイター通信によると、バリーが10~11日に台湾海峡を通過した当時も、中国軍の戦闘機が台湾に近い海域で演習を実施していた。


2020.4.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200425/plt2004250015-n1.html
中朝露、新型コロナの隙突く軍事行動 日本政府警戒
(1)
  新型コロナウイルスの感染が世界で拡大している最中も、日本周辺を含む東アジア地域では中朝露3カ国が軍事的圧力を強めている。特に中国は、空母で感染者が相次ぐ米軍の隙を突くように海洋へ進出している。事態を警戒する日本政府は、新型コロナの感染拡大に対処しつつ、各国と安全保障の連携維持を図る。
   河野太郎防衛相は24日の記者会見で「世界各国が協調していかに新型コロナを封じ込めるかという時期に軍事的な拡大を図るのは、いつにも増して許されない」と中国を批判。同日夜にはエスパー米国防長官と電話で会談した。17日にはフランスのパルリ国防相とも電話会談している。
   いずれの会談も新型コロナ対応のノウハウの共有を通じて連携強化を図る狙いがある。米国はもちろん、ニューカレドニアなど太平洋地域に海外領土を保有するフランスとも中国への懸念を共有したとみられる。
   自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は15日、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長とテレビ会議を行い、新型コロナに関連して活動を活発化する中国やミサイル発射を繰り返す北朝鮮など周辺国の動向について意見交換した。
   中国軍は空母「遼寧」を中心とする艦隊が10日から11日にかけて東シナ海を航行した後、宮古海峡(沖縄本島-宮古島間)の公海上を通り、太平洋に入った。山村浩海上幕僚長は「中国海軍が新型コロナの影響を受けておらず、これまでの活動を継続していることを示した」との見解を明らかにした。
   中国軍は3月18日にもミサイル駆逐艦など4隻が宮古海峡を通過。2月9日にH6爆撃機4機が同海峡上空を通過するなど、領空侵犯の恐れがある飛行も繰り返している。こうした行動の背景には、中国国内の引き締めとともに、空母4隻で感染者を出した米軍の東アジアにおける抑止力を試し、自衛隊にも圧力をかける狙いがあるとみられる。
(2)
北朝鮮も3月に4度にわたり弾道ミサイルを日本海に向け発射。4月14日には地対艦巡航ミサイルを発射した。飛距離200キロ未満の短射程のため、日本政府は韓国や在韓米軍を標的に想定しているとみているが、技術が高度化しているのは明らかで、日本の脅威でもある。
   ロシア軍も、3月24日に最新鋭戦闘機や爆撃機が日本海などを航行し、4月に入っても領空侵犯の恐れのある飛行を繰り返すなど活動を緩めていない。
   これに対し、自衛隊や米軍は、コロナ禍であっても、警戒監視や有事への即応性に影響を生じさせない考えだ。航空自衛隊と米空軍は22日、日本海や沖縄周辺で共同飛行訓練を実施。米軍駆逐艦は中国空母の出現と同じ10~11日に台湾海峡の中国寄りの海域を通過し、「米中が互いに東アジアで軍事的プレゼンスを示し合う状況」(防衛省幹部)になっている。
   自衛隊幹部は「日本国内が新型コロナに必死に対応する中、周辺国が圧力をかけ続ける現状も忘れてはいけない」と警鐘を鳴らす。(田中一世)

2020.4.20.-NHKNEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200420/k10012396681000.html
グアム配備の爆撃機 アメリカ本土運用に切り替え 米軍

  アメリカ軍は、中国や北朝鮮を念頭にインド太平洋地域に展開させるためグアムに配備してきた戦略爆撃機を撤収させ、アメリカ本土から展開させる運用に切り替えたことを明らかにしました。
  アメリカ空軍は、2004年からグアムにあるアンダーセン空軍基地に交代で配備してきたB52やB1などの戦略爆撃機について、グアムへの配備を終了し、アメリカ本土から展開させる運用に切り替えたことを、17日に明らかにしました。
  アメリカ空軍の戦略爆撃機は、中国や北朝鮮を念頭に、グアムから南シナ海や朝鮮半島に展開してきましたが、アメリカのメディアによりますと、これまでの運用方法でグアムへの最後の配備となった5機のB52は、すでにアメリカ本土の基地に移動したということです。
  アメリカ軍は、敵対する勢力に部隊の動きを予想させにくくするため、部隊を特定の拠点に固定化せず、アメリカ本土から柔軟に展開する戦略を進めており、今回の決定もその一環です。
  一方でアメリカ空軍は「戦略爆撃機は、今後もグアムを含むインド太平洋地域で、われわれが選んだ時期と頻度で運用される」ともしており、今後、北朝鮮情勢が緊迫した際などは、グアムが再び拠点として使われるものとみられます。
官房長官「緊密に連携 日米同盟を強化」
菅官房長官は、午後の記者会見で「アメリカ軍の新たな戦略爆撃機の運用方針は、敵対者の計算を複雑化させて敵対的行動を抑制するという考え方に基づくものと承知しており、今後も必要に応じてインド太平洋地域に前方展開されるものと理解している。引き続きアメリカと緊密に連携し、日米共同訓練などの取り組みを進め、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していきたい」と述べました。


2020.4.18-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200418/plt2004180010-n1.html
《独自》F2後継機、日米企業で作業部会 共同開発へ最終調整

   政府が航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる次期戦闘機の開発に向け、日米両国企業で構成する作業部会(ワーキンググループ)を設置する方針を固めたことが18日、分かった。共同開発の相手国として米国か英国を検討し、一時は英国が有力視されたが、米国との共同開発で最終調整に入ることを意味する。戦闘機の製造基盤維持を念頭に日本主導で開発するには米国が適していると判断した。
   次期戦闘機はレーダーに捕捉されにくい国産初のステルス戦闘機として、約90機あるF2の退役が始まる令和17年から配備を開始できるよう開発する。2年度予算で約280億円を計上し、戦闘機システムの初期的な設計に着手した。
   平成30年に策定した中期防衛力整備計画(31年度から5年間)は次期戦闘機の開発を進める上での基本方針として開発経費の低減効果や技術力向上のため「国際協力(共同開発)を視野に」としつつ、「わが国主導の開発」を明記した。共同開発の相手国は令和2年末までに決定する。
   英国は日本の次期戦闘機と同時期に新型戦闘機の開発を計画。政府は米国よりも英国の方が日本主導での開発を実現しやすいとみて英国との共同開発に傾いていた。だが、英政府も自国の企業に利益をもたらすことを重視し、欧州のほかの国の企業が開発に加わってくる可能性があることも分かり、日本主導の実現に疑問符がついた。
   次期戦闘機は自衛隊と米軍が効率的に共同対処できるようにする相互運用性が求められ、米国との共同開発が相互運用性は担保しやすいが、米政府は当初、米軍のF22とF35を基にした派生型の共同開発を提案してきた。この開発案では米国に主導権を握られるとの懸念が政府内に強かった。

   日本側の懸念を受け、米政府は派生型の開発案を取り下げ、日本主導の共同開発に最大限理解を示す姿勢に転じた。それから日米両政府間で複数の協議の枠組みを設けて協力内容を検討し、政府は昨年度末、米国と共同開発を進め、英国とは一部の部品開発などの協力に限定する方向性を確定させた。


2020.4.11-Yahoo!!Japanニュース(JB press)-https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200411-00060107-jbpressz-cn&p=1
コロナ禍中に防弾チョッキを大量発注した中国の狙い
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4月7日についに安倍晋三首相により「緊急事態宣言」が発せられた。
  新型コロナウイルスによる感染症拡大は、東京都など都市圏で爆発的拡大の兆しを見せている。4月9日現在、世界では感染者は150万人を超え、死者も8.8万人を超えた。
  中国当局は、感染症は収束に向かっているとし、武漢市の封鎖も解除された。しかし本当に感染症は収束しているのだろうか? 
  他方で中国は、他国に感染症発生の責任転嫁をするプロパガンダを展開し、西太平洋での軍事活動を活発化させている。その真意はどこにあるのだろうか? 
 中国の疑わしい収束宣言 政治・軍事への影響拡大
  中国では今年3月10日に習近平国家主席が武漢を訪問し、中国国内では型コロナウイルスの感染は収束に向かっているとされ、1月23日から続いていた武漢市の都市封鎖も4月8日には解除された。
  しかし本当に中国国内で新型コロナウイルスの感染が収束に向かっているかには、大いに疑問がある。もともと初動段階で中国当局は、ヒトからヒトへの感染の可能性のある新型コロナウイルスの発生を隠蔽していた。
  昨年12月30日、グループチャットのWeChatを通じて感染症発生を警告した武漢市の李文亮医師は、今年1月3日に武漢市公安当局に呼び出され、口止めされたうえ訓戒処分を受けた。その後自ら感染し2月7日に死亡している。
  今年1月20日過ぎから武漢市の火葬場はフル稼働していたが、それでも遺体の処理が間に合わなかったとの火葬場関係者の証言もあり、実際の武漢の死者数は数万人、公表数の10倍以上に上る可能性は高い。
  中国のインターネットメディア『騰訊』は2月4日に、2月1日までの武漢市での新型肺炎による死者の累計数の真実の数字をうっかりアップしたが、1秒ですぐ切り替わった。 しかし、画面はすぐネット民に「フォーカス」された。その数字によれば「真実の死亡数は2万4589人、感染確認者数は15万4023人」と伝えられている。 このような映像はその後SNSなどに投稿されると、次々に削除されている。
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  また中国湖北省武漢市で3月28日までに、新型コロナに感染した死者の遺骨の受け取りや埋葬が始まった。検査が追いつかず政府発表より実際の死者数が多い可能性が以前から指摘されていたが、多数の人が行列を作ったことで、市民の間で死者数を巡る疑念が再燃している。
  住民によると、武漢の葬儀場では3月26日頃から感染防止のため停止していた遺骨の受け取りが始まった。SNSでは受け取りや墓の購入のため、葬儀場や墓地に大勢の人が並ぶ写真が出回った。
   武漢の感染による死者数はそれまでに計2538人とされている。しかしSNSでは、行列の人数などから感染による死者は数万人に上るとの推測も広がった(『共同通信』2020年3月28日)。
 このように、中国当局の隠蔽と虚偽、ネット監視、言論統制の姿勢は何ら変化がなく、中国の国内外に感染拡大を広める元凶となっていることは、紛れもない事実と言える。中国国内での感染が収束に向かっているとの中国当局の発表には信頼がおけず、封鎖解除が第2次の感染爆発をもたらす恐れが大きいと言わねばならない。
  習近平政権は経済再建を急いでいるが、李克強首相は感染収束を優先すべきだと主張するなど、政権内部の対立も伝えられている。
  中国の宣伝機関による、「習近平主席の指導下でわれわれが疫病との戦いに勝ち続けている」との、いわば「戦勝ムード」が醸し出されている中、李克強首相が「第2の感染爆発」が起きる可能性を指摘、感染の情報公開「透明性」にも言及した。李克強首相のこの発言を国務院が開設している「中国政府網」という政府の公式サイトは掲載した。
  しかし、党中央共産党宣伝部の管理下にある人民日報は、李克強首相主宰の新型肺炎対策会議の内容を1面で報道したものの、「中国政府網」掲載の李首相発言の重要ポイントは報じなかった。
 (https://blog.goo.ne.jp/yuujii_1946/e/f8de768690e123aa31117c99d97dd45d)
  今後この新型コロナウイルス問題は、党内の権力闘争、さらには、2次感染拡大などを招くことになれば、習近平氏の失脚にまで発展する可能性を秘めている。 また感染は人民解放軍内にも拡大している模様である。
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一部の香港紙などの報道によれば、空母などを建造している造船所の労働者の間でも新型コロナウイルスが広がり、海軍軍人の中にも感染して潜水艦の乗組員が隔離されているとの報道もある。
  しかし情報が正確かどうかは分からない。また、人民解放軍幹部は3月5日までに、中国国内で拡大する新型肺炎の問題に触れ、将兵の間には1人も感染者はいないと主張したと、中国国営メディアが報じている。 しかし、韓国の国防省は3月3日、韓国軍人の感染者は確認されただけで31人と発表している。
  同国における感染者数は5300人を超え、犠牲者は32人。在韓米軍では少なくとも4人の感染が判明している(『CNN.com』2020年3月5日)
  軍内は学校と並び、若者が多数集団で長時間濃密感染する場でもあり、スペイン風邪でも軍内に多数の犠牲者が出た。

 感染者数が5300人の韓国で、すでに31人の軍内感染者が出ているのに、感染者数が8万人を超えている中国の軍内の感染者が出ていないとの発表は信じがたい。中国の軍と軍需工場内に感染が拡大している可能性は十分に考えられる。このような今回のコロナウイルスが、中国の軍や軍需産業に与える影響についても、注目する必要があるが、共産党独裁の統制下では、その実態は容易には知られないと思われる。
  また、軍や軍需産業は完全な統制下にあり、党・軍当局としても完全な封じ込めが容易とみられ、早期の収束を図るとみられる。感染拡大があるとしても、その影響を過大に評価することはできないであろう。
  2020年2月25日の『解放軍報』には、今回のロジスティクス作戦について、全体的に称賛しつつも、改善点・問題点を指摘する記事もあらわれている。
  それによれば今後の課題は、(1)さらなる情報化、(2)戦略物資貯蔵であるという。
  解放軍は主に後方支援面で活動したが、その情報化まだ不十分だった。また、一部地区では「戦略物資の貯蔵が十分ではなく、防護服やマスク、消毒液の供給が短時間にできないか、あるいは物資が欠乏」していたと指摘されている(山口信治『NIDSコメンタリー』第112号、2020年3月13日)
  人民解放軍の支援活動は医療面を主にした限定的なものであり、むしろ以下に述べる、対米情報戦と周辺国に対する軍事的威嚇行動にむしろ重点が置かれているとみるべきであろう。
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新型コロナウイルスの発生源については、様々な見方がある。一部には、武漢市近郊の中国科学院武漢ウイルス研究所から感染した実験用動物から漏れたのではないかとの見方も出ている。同研究所は最高度のバイオセキュリティレベルの研究機関だったが、フランスなどからウイルス管理の杜撰さが指摘されており、漏洩の可能性も否定できない(『msnニュース』2020年2月20日)。ただし、確証はない。
  同研究所はいま軍の管理下にあるとみられ、中国当局が発生源とした武漢市の生鮮食品市場も閉鎖されており、発生源の確実な客観的検証方法はない。これに乗じて中国は、発生源は中国とは限らないとし、他国とりわけ米国に責任を押しつけようとするプロパガンダを展開している。
  2月27日の『環球網』に新型コロナウイルスよると、中国国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループの鐘南山グループ長は、「現在、国外ではいくらかの状況が出現している」とした上で、「感染症が最初に出現したのは中国だが、中国から始まったとは限らない」と述べ、暗に米国に責任転嫁をする姿勢を見せた(『Record China』2020年2月27日)。
 
 これに対し、3月7日、マイク・ポンペオ米国務長官は、これは「武漢コロナウイルスだ」と反論、中国に対し、このような根拠のない偽情報を振りまくのを止めるよう要求し、責任転嫁を図っていると非難した。
  また3月11日、オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、中国の初動対応について「隠蔽活動だった」と非難し、「そのせいで世界各国の対応が2か月遅れた」と述べ、感染拡大の責任が中国にあるとの認識を示した。
  その翌日の12日夜、中国外務省の趙立堅報道官は、ツイッターで新型コロナウイルスについて「米国での最初の患者はいつ出たのか?  感染患者は何人だったのか?  病院の名前は何と言うのか?  米軍が武漢に疫病を持ち込んだのかもしれない。アメリカは透明性をもって、データを公開すべきだ。米国は説明不足だ」などと書き込み反論している。
  さらに中国は、国内での感染収束をアピールするため、親中的な諸国に対しマスクなど医療資材を送り、世界の救世主と自らを位置づける演出も行っている。
  3月16日には米国のドナルド・トランプ大統領自らがツイッターで「中国ウイルス」と呼ぶなど、米国は中国が発生源であり、中国に責任があることを強調し、中国共産党独裁の隠蔽、虚偽の体質を告発している。このような米政府の反論に対して、国連と世界保健機関(WHO)は、人種差別を助長するとして苦言を呈した。
  他方、トランプ大統領は4月7日、米国も多くの拠出金を出しているのに、WHOは、明らかに中国寄りであり、新型コロナウイルスのパンデミックの中で機能していないと非難、分担金の支払いを停止する可能性があると警告した。
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  これに対し4月8日、テドロス・アダノムWHO事務局長は、ウイルス問題の政治利用だと反発し、中国の趙報道官も米国の発言に対し、「WHO運営の妨げになる」と反論している。 このように米国と中国および中国の影響下にあるWHOとの対立関係が深まり、ウイルスの発生源などをめぐり、米中間の情報戦の様相が強まっている。
  経緯から見て、明らかに発生源は中国国内である。中国側も、発生源が中国以外にあると主張する根拠については、提示していない。
  また、初動段階の隠蔽についても、中国は4月7日に、隠蔽はしていない、国連に報告したと表明しているが、李文亮医師の死に至る経緯はネットで周知されており、ヒトからヒトへの感染の事実は隠蔽されていたことも明らかである。
  ただし、米国の中国からの医療用品や医薬品の輸入額は、2018年は127億ドル(約1兆3900億円)に上っており、約8割以上を中国からの輸入に頼っている。トランプ大統領は「国防生産法」まで発動して人工呼吸器などの増産に努めているが、米国国内での増産は間に合っていない。
  米国にとっても、中国との関係を過度に悪化させることは国内の感染症拡大阻止にとり好ましいことではない。
  中国も、感染収束への疑念などをこれ以上指摘されることは、習近平政権にとっても好ましいことではない。米中の情報戦にも一定の限度はあるとみられる。 米中首脳は3月27日電話協議を行い、感染症対策で両国が協力することで合意したと報じられている。
  米中の覇権争いは、パンデミックの中でも、西太平洋における軍事的プレゼンスをめぐるハードパワーの対立に、むしろ表れている。
高まる中国の周辺国に対する軍事圧力
  国内で感染症拡大を抱える中でも、中国は周辺国に対する軍事圧力を弱めていない
  海上保安庁の集計によれば、2020年に入っても、中国公船の尖閣諸島接続水域内での述べ確認隻数は、1月98隻、2月90隻、3月101隻と、領海侵入船の延べ隻数が1月8隻、2月8隻、3月4隻と、いずれも、急増した2019年に近い高水準が続いている。
  南シナ海では、米国の南シナ海を含めた西太平洋での戦力展開を支援するために、オーストラリアが同国北部の防空態勢を強化すると表明した後、中国は西太平洋での警戒監視活動を強化している。
  オーストラリア国防省は、今年1月から2月の2か月間、中国東岸から豪近海の西太平洋に至る海路を、中国の海洋地理調査船が深海調査を続けていたことを確認している。同海路は、インドネシアのジャワ海を経て豪国領海のクリスマス諸島近海に至る、豪潜水艦が南シナ海に出るため常に使用している海洋戦略ルートである。
  豪国防省高官は、「中国はこれらの潜水艦の経路についてできる限り知りたがっており、併せて中国のハイテク艦艇に対する豪の反応についても試験し監視したがっている」と語っている(Asia Times, March 2, 2020)
  このように、南シナ海から南太平洋海域での中国の海洋調査活動も活発になっている。台湾に対する活動も総統選以降活発になっている。
  今年3月20日付『産経新聞』によれば、3月19日、厳徳発台湾国防部長は立法院の審議で、今年2~3月の状況は以前と異なり、「脅威が増大している」との認識を示している。東部戦区は、東シナ海および台湾周辺において海空戦力による巡行と演習を実施した。
  2月9日には駆逐艦と殲(J)-11戦闘機、空警(KJ)-50早期警戒管制機、轟(H)-6K爆撃機が、多軍種統合作戦能力を高めるための戦備巡行飛行を行い、空中戦力はバシー海峡から太平洋に出て、その後宮古海峡を通過して帰還した(『中国軍網』 2020年2月9日)
  翌2月10日にも6機のH-6Kがバシー海峡を通過して西太平洋との間を往復している(『台灣國防部新聞稿』2020年2月10 日)
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  この際、護衛艦が台湾海峡の中間線を越えた。同28日にもHー6がバシー海峡を往復し、台湾の防空識別圏に一時侵入したとの報道もある。国防部や台湾メディアの発表によると、中国のKJ-50とJ-11などの編隊が3月16日午後7時、台湾南西沖で夜間訓練を実施。台湾海峡の中間線に接近したため、台湾空軍の戦闘機が無線で警告した。空軍は増援のため、戦闘機を緊急発進させた。中国軍機の台湾周辺での夜間訓練は異例である。
  中国は、台湾総統選以前は、台湾周辺での活動を控えていた。
  2月以降の動向について、中正大学の林頴佑准教授は「軍内で武漢肺炎の感染が確認され民衆に能力を疑われているため、国内向けに攻撃能力を誇示する狙いもある」と分析していると報じられている(『産経新聞』2020年3月20日)
  また人民解放軍装備部が、防弾チョッキ約140万着を発注したことが、今年3月の官報により明らかになっている。 人民解放軍の地上軍総兵力約98万人よりも約42万着も多い数である。納入には2年程度を要するとみられる。
  余剰の数は人民武装警察用かもしれない。そうであれば、香港の民主派弾圧、または新型コロナウイルスの2次・3次の感染拡大に伴う国内暴動鎮圧用装備かもしれない。あるいは、台湾侵攻作戦準備の一環ともとれる。
  いずれにしても、何らかの多数の兵員を投入して対処すべき2年以内の緊急事態を想定した準備行動であろう。
  もし今後、小型艦艇の緊急増産などの兆候があれば、着上陸侵攻のかなり差し迫った準備行動と言えるだろう。
  台湾対岸の南部戦区、旧南京軍区での演習活動の活発化も伝えられており、尖閣諸島、台湾に対する何らかの軍事行動の兆候が見られることには十分な注意が必要である。
  世界の主要国、特に米国と日本が新型コロナウイルス対策に追われている隙に、尖閣諸島などの係争地域において、奇襲侵攻し既成事実をつくることは十分にありうる行動である。
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■ 新型コロナウイルスまる米国の対中戦力再編の動き 日本の自立防衛の必要性
  米国の西太平洋での海空優勢の維持がすでに危うくなっている。中国の主力艦艇数は米国を上回っている。昨年5月、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)は、中国人民解放軍海軍が、既に戦闘艦の総数において、米海軍の287隻を上回る300隻もの艦艇を保有し、世界最大の海軍へ変貌を遂げていると結論づけている。 ただし、中国の艦艇は外洋での戦闘に向くように建造されておらず、質的には問題があるとみられている。
  半面、中国は海軍力整備に多大の投資を行っている。「055ミサイル駆逐艦」を建造して艦隊の多層防空を実現し、「遼寧」に続き国産空母「001A」の試験航海を行い、2番艦を建造中である。3番艦、4番艦建造の噂もある。建造中の「075型強襲揚陸艦」は、エア・クッション型揚陸艇を3隻搭載し、1900人の上陸部隊を収容でき、30機程度の回転翼機を搭載できるとみられている。また2万5000トンクラスの「071型揚陸艦」を6隻就役させ、さらに7番艦と8番艦の建造を進めている。(https://grandfleet.info/military-trivia/great-navy-with-300-chinese-naval-vessels/)

  中国の3大造船所の一つである上海の湖東造船所は、2020年6月就役予定の3万トンクラスの075型強襲揚陸艦「艦島」を建造中である(『新浪軍事』2020年3月6日)。今後数年以内に、中国海軍の強襲揚陸能力とそれを支援する海軍力が中国近海においては、大幅に増強されることになるだろう。その効果はすでに表れている。
  ネットチャンネル「Zooming In」のインタビューの中で、今年2月、ジェームズ・ファネル元米太平洋艦隊司令部情報部長が、今後30年以内に台湾をめぐり米中戦争が起こる可能性は「極めて高く」、米国が勝てるとの確信を持てないと発言している。
  その理由として、中国が今後も軍事投資を一貫して増額するとみられること、米軍は世界展開が必要だが中国は西太平洋に戦力を集中できること、特に西太平洋での米中の展開艦艇数が1対10の比率で米軍に劣勢となっていること、中国の新型の駆逐艦(実は巡洋艦級)の性能が向上し、その搭載ミサイルの射程が米艦艇のミサイルより長く優位に立っていることなどを挙げている。
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  ただし、トランプ政権が仕かけた米中貿易戦争により、中国経済の成長が阻害されることになれば、このような海軍力への継続投資は困難になる。その結果、「今世紀中頃には人民軍隊を全面的に世界一流の軍隊にする」との、習近平中央軍事委員会主席が打ち出した軍事力建設のタイムテーブルの実現も不可能になるであろう。このような情勢に危機感を持った米国は、中国を「戦略的競争相手」として明確に位置づけ、インド太平洋を重視した戦略態勢への転換を進めている。今年3月末、米海兵隊は再編計画文書『フォースデザイン2030』を発表した。
  それによると、海兵隊はトランプ政権が2018年に発表した国家防衛戦略に基づき、任務の重点を内陸部での対テロ作戦から、インド太平洋地域で米国の「戦略的競争相手」である中国とロシアの脅威への対処に転換する。特に、中国による海洋覇権を目指す策動をにらみ、海兵隊の本来の任務である上陸作戦など沿海部での作戦行動を重視し、海軍の作戦を支える前方展開部隊として海軍との統合を強化していくとした。

  また、図上演習を重ねた結果、中国軍のミサイルや海軍力がインド太平洋地域での米軍の優位を脅かしつつあることが分かったと指摘。海兵隊は中国海軍と戦うために複数の比較的小規模な部隊を中国軍のミサイルなどの射程圏内にある離島や沿岸部に上陸させて遠征前進基地(EAB)を設営し、対艦攻撃や対空攻撃、無人機の運用などによって中国軍の作戦行動を妨害するとしている。
  計画文書は同時に、武装集団の離島上陸や公海上での民間船への襲撃といった、いわゆる「グレーゾーン事態」に対処し勝利できるようにすると明記しており、海兵隊が尖閣諸島周辺やスプラトリー諸島などでの作戦行動も念頭に置いていることが浮かび上がった。
  兵員数は総数を30年までに約1万2000人削減し、7つの戦車中隊を全廃し、戦車を必要とする陸上戦闘は陸軍に任せるとの立場を明確にした。
  前方展開任務で枢要な役割を担うミサイル・ロケット砲兵中隊を現在の7から21に増強。また敵の勢力圏下で「情報収集・警戒監視・偵察」や対艦・対地攻撃などを実施する無人機部隊を現在の3から6に増やすとしている(『産経新聞』2020年4月4日)
  この中で注目されるのは、米海兵隊が前方展開任務では、戦車部隊を運用するような陸上戦闘は陸軍に任せると明確に示している点である。

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  米海兵隊は海軍作戦の一環としての沿海部での作戦が本来の任務であり、機動性に富み即応性も高いが、重戦力には乏しい。これを攻撃ヘリにより補完してきたが、攻撃ヘリ部隊も大幅削減の対象になっている。 米陸軍は戦車、装甲車、重砲などの重戦力を保有しているが、それだけ展開には時間を要する。
  米本土からの来援となれば数カ月はかかるとみられる。その前に、来援を掩護できるだけの海空優勢が確保されなければならない。それまでの間の日本防衛は、米海空軍や一部海兵隊の主として長射程の対艦・対空ミサイル攻撃などによる支援を受けつつ、自衛隊が主体となって担任することになる。
  特に、国土防衛のための陸上戦闘は自衛隊が、反攻作戦段階も含めて主体となって行うことになるであろう。今回の米海兵隊の戦力設計計画でも、その方向性はより一層明確になったと言えよう。
  日本が数カ月にわたる国土防衛とその後の国土回復作戦を主体的に行うことが可能なのか、その時間や必要とされる人員や装備、弾薬・ミサイルなどを確保できるのかが、いま問われている。今回の新型コロナウイルスは、米空母の乗組員が感染することにより、米海軍のプレゼンスにも重大な影響を与えている。米空母「セオドア・ルーズベルト」で感染者が150~200人に達したとの情報があり、艦長は乗組員の大半を陸上で隔離すべきだと主張。米軍の海外展開能力の一翼を担う同空母は、機能不全の危機に陥っている。
  ただし、マーク・エスパー国防長官は、米軍の即応能力低下の「懸念はない」と強調している(『JIJI.com』2020年4月2日)
  現在、米空母の展開にはかなりの無理がかかっている。
  イランは、トランプ政権の核合意破棄、革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官殺害に対し反発を強め、今年2月の総選挙では強硬派が圧勝し、米国との緊張関係が高まっている。米海軍は、中東正面の緊張増大に対する抑止力として、もともと空母1隻のところを、常時2隻を中東正面に展開するという運用を、長期にわたり行ってきた。
  しかしそのために、特にインド太平洋正面の配備に無理が生じ、空母の長期洋上展開が続き、乗員や艦艇に負担がかかっている。今回の感染拡大の背景にもこのような長期派遣の過労が一因としてあるのかもしれない。
  前述した西太平洋における米中艦艇の展開日数の格差を考慮すると、米海軍としては中東正面の緊張が緩和されない限り、今後ともインド太平洋正面の空母の運用について、かなり無理のある運用を強いられることになるとみられる。
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 まとめ:米中覇権争いに深刻な影響
   このように、新型コロナウイルスの影響は、感染症による死亡者や感染症対策に伴う経済的・社会的犠牲に止まるものではない。その間にも、トランプ政権登場以来明確になった、米中覇権争いの様相はさらに激化している。
  貿易面、5Gなどの技術面をめぐる争いのみならず、今回のパンデミックの最中に展開されている、米中の西太平洋の海空優勢をめぐる鍔迫り合いと、いずれが正義かを競う情報戦も、新たな戦いの局面として浮かび上がってきている。
  パンデミック終息後の世界では、グローバリズムが後退してナショナリズムが強まり、国際的なバランス・オブ・パワーも大きく変化するであろう。国際秩序も、米中覇権争いを軸として、大きく変容するとみられる。
  トランプ政権は、半導体など最新兵器システムの生産に不可欠な先端部品のサプライチェーンから中国を外し、生産基盤を北米へ移転することを重視している。そのためには、中国に展開している米国の企業や研究機関を国内に呼び戻し、国内の製造業、研究開発能力のテコ入れを実現しなければならない。
  新型コロナウイルス対策で成功すれば、トランプ大統領が再選される可能性は高まる。しかし、その後米国国力の復活が、製造業の再生を含めて、トランプ大統領の思惑通りに進むのかが注目される。新型コロナウイルス対策いかんで、トランプ大統領の再選もその後の評価も大きく左右されることになるだろう。 他方の中国も重大な挑戦に直面している。

  習近平体制は、今回の新型ウイルス問題により、感染症収束から経済再建へと円滑に移行できるのか、それとも2次・3次の感染症爆発に見舞われ、経済破綻にとどまらず習近平独裁体制を招くのかが問われている。
  もしも習近平の失脚と経済困難が重なれば、全国的な暴動、さらには共産党一党支配体制の崩壊など、革命的な社会体制の変革に至るかもしれない。中国もまた、重大な歴史的分岐点に立たされている。
  そのような不安を払拭し、国内の信頼をつなぎとめるためか、ここ数カ月、中国は国内での感染症防止に全力を傾けるよりも、むしろ周辺国に対する軍事的な威圧行動を強めている。
  しかしこのような行動は、国内での感染症対策に割ける資源を浪費し、無用に米国はじめ世界各国の反発を高め、日台豪などの中国周辺国の警戒感を強めさせることになる。
  米国が感染の打撃から立ち直れば、米国を中心とするインド太平洋での対中封じ込め戦略は、本格的に始動することになるであろう。新型コロナウイルスの打撃を米中いずれがうまく切り抜けるかにより、その後の国際政治構造は大きく様変わりするであろう。
  日本としては、米国はじめ台湾、豪州、インドなどとの連携を強めるとともに、立ち遅れた国内の危機管理と自立防衛態勢を早急に強化し、インド太平洋の安定と秩序の維持に貢献しなければならない。今後数年は、その成否が問われる時期となるであろう。

 バックナンバー:
「新型コロナ:中国で終息の嘘と2次感染の危険性」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59742)
「イスラエルによるイラン攻撃の可能性高まる」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59027)
矢野 義昭


2020.3.26-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200326/plt2003260030-n1.html
陸自、オスプレイ運用部隊とミサイル部隊新設 対中で南西防衛強化
(田中一世)

陸上自衛隊は26日、米国製輸送機オスプレイを運用する「輸送航空隊」を木更津駐屯地(千葉県)に、12式地対艦ミサイル(12式SSM)部隊を宮古島駐屯地(沖縄県)にそれぞれ同日付で新設したと発表した。国防の空白地帯といわれる南西諸島方面で中国軍の進出が活発化する中、防衛を強化する狙いがある。
   オスプレイは、離島が侵攻された場合、陸自相浦駐屯地(長崎県)に所在する離島奪還部隊「水陸機動団」を前線近くに輸送する役割を担う。部隊は発足したが、機体配備は6月末から7月に始まる見通し。将来的に17機態勢とする。
   12式SSMは敵艦船を離島に近づけさせないため、遠方から撃破する。約200キロの長射程とされ、改良して倍程度に延伸する案もある。
   03式中距離地対空ミサイル(中SAM)部隊も26日付で長崎県から宮古島駐屯地に移駐させた。射程100キロ未満で、離島に接近する敵の巡航ミサイルや戦闘機を迎撃する。
   中国は日本周辺への艦艇や戦闘機の進出を活発化させ、巡航ミサイル開発を進めている。これに対し、自衛隊は12式SSMや中SAMで中国艦・機の離島への接近を阻止し、もし上陸されたらオスプレイで輸送した水陸機動団で奪い返す-という態勢が構築される。
   湯浅悟郎陸上幕僚長は26日の記者会見で「空白だった地帯の防衛態勢を強化することは国土防衛の強固な意思表示そのもので、抑止力は向上する」と述べた。
   ただ、オスプレイが配備される木更津駐屯地は長崎県の水陸機動団から離れており、南西諸島にも遠く、有事の際の即応性に課題がある。本来は長崎県に近い佐賀空港(佐賀市)に配備する計画だが、佐賀の地元漁協との交渉が難航し、機体は米国内に留め置かれている。
   防衛省は5年間に限り木更津駐屯地に暫定配備することで地元の木更津市と合意し、部隊発足にこぎつけた。暫定期間の令和7年夏頃までに佐賀空港への配備で地元と合意し、関連施設整備を終えられるかは不透明だ。(田中一世)


2020.3.21-Gooニュース(産経新聞)-https://news.goo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt2003210006.html
陸自オスプレイ、6月末にも千葉・木更津に暫定配備 離島防衛を強化

防衛省は21日、陸上自衛隊が導入する米国製の輸送機オスプレイ2機を6月末にも陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定配備する方針を固めた。初の「日の丸オスプレイ」の国内配備で陸自の離島奪還部隊の輸送を担う。26日には離島侵攻を図る敵艦隊を撃破する最新ミサイル部隊を陸自宮古島駐屯地(沖縄県宮古島市)に新設する方針で、南西諸島方面の離島防衛強化を加速させる。
5年間限定、即応性には課題
  防衛省は機体の到着に先立つ26日、オスプレイの運用部隊を木更津駐屯地に新設する。オスプレイはヘリコプター(回転翼)のように滑走路がなくても地面に垂直に離着陸でき、飛行機(固定翼)の速度と長い航続距離も有している。将来的に17機態勢に拡充する。
   オスプレイは、他国に侵攻された日本の離島に上陸し、奪還する陸自水陸機動団の部隊を前線近くに輸送する。ただ、木更津は南西諸島から遠く、即応性に課題がある。防衛省は5年間限定で木更津駐屯地に暫定配備することで木更津市と合意、暫定期間は令和7年夏頃までとなる。
   本来、オスプレイは佐賀空港(佐賀市)に配備する計画だが佐賀県の地元漁協との交渉がまとまらず、平成27年度の調達開始以降、導入する機体は今も米国内に留め置かれている。
宮古島にはミサイル部隊新設
  一方、宮古島駐屯地には12式地対艦ミサイル(12式SSM)部隊を新設し、03式中距離地対空ミサイル(中SAM)の部隊を長崎県から移転。12式SSMは約200キロの長射程とされ、将来的には改良して倍程度に延伸する案もある。
   中国は日本周辺への戦闘機や艦艇の進出を活発化させ、巡航ミサイルの開発を進めている。これに対し、自衛隊は12式SSMで中国艦艇を離島に接近させず、中SAMで中国機を撃破。万が一離島が侵攻された場合はオスプレイで輸送した水陸機動団で奪い返す−という態勢が構築される。
   防衛省関係者は「これらの装備を備えていること自体が、中国に対する抑止力になる」と語る。
   19日には海上自衛隊のイージス艦「まや」が就役した。海自の艦艇や航空機などと敵ミサイル・戦闘機情報をリアルタイムに共有する「共同交戦能力」(CEC)を自衛隊で初めて搭載した。河野太郎防衛相は就役式の訓示で、中国について「ミサイル戦力や航空戦力を中心に軍事力を急速に強化し、わが国の周辺海空域で活動を拡大している」と述べた。


2020.3.2-中央日報/中央日報日本語版-https://japanese.joins.com/JArticle/263187
韓米防衛費交渉の難航で日本でも緊張高まる…「韓国の悲鳴、明日は我が身」

「韓国の悲鳴、明日は我が身」。朝日新聞は2日付1面記事にこのような見出しをつけた。
  米国が韓国に対して防衛費分担金の大幅引き上げ圧力を加えている中、日本外務省の幹部が「韓国の悲鳴、明日は我が身」と語ったということだ。
  産経新聞も似た趣旨の記事を2日付1面に掲載した。日本政府は韓米間の交渉内容を参考に年初から交渉戦略を準備し、最近、概略的な方針が決まったと、同紙は伝えた。
  報道によると、トランプ大統領が再選に成功しない場合は現行の負担額を維持することにした。トランプ大統領が再選する場合は
     (1)大幅な負担増は拒否
     (2)在日米軍の域外作戦費を日本に要求する場合、自衛隊の米軍防護で作戦費負担を相殺
     (3)「思いやり予算」以外も包括的に調整
-という方針だ。
  日本政府はこうした計画を作成する過程で韓米間の交渉状況を深く参考にしたと、同紙は伝えた。在日米軍駐留経費の日本側負担を決めるために日米両国は5年ごとに特別協定を締結してきた。現行協定は来年3月に終了する。両国は今年12月に日本政府が来年度予算を編成するまでに合意を目指すという。
  2004年に米国政府が発表した米軍駐留経費の日本側負担比率は74%で、韓国(40%)、ドイツ(32.6%)、イタリア(41%)などの駐留国より高かった。日本はこうした点を浮き彫りにする方針だが、米国側は「74%は過去の数値にすぎない。米国の経費はさらに増え、日本の負担は減った」という立場だと、朝日新聞は伝えた。
  米国側の引き上げ要求は、日本の負担額全体のうち、いわゆる「思いやり予算」(今年1974億円)と呼ばれる日本人従業員の基本給と手当、施設整備費・訓練移転費などに集中すると予想される。「米国側が1974億円を4倍の8700億円に引き上げることを日本側にすでに要求した」という報道も昨年11月に米国で出てきた。
  現在、米国は今年夏から交渉を本格化するという姿勢だ。しかし日本政府は「秋ごろから交渉が始まる」(河野太郎防衛相)と主張する。交渉開始時期をめぐり双方の神経戦が始まったのだ。その間、韓米間の交渉を見守ってきた日本にもDデーが近づいている。


2020.2.11.-dmenu-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt2002110010?fm=topics
北朝鮮の弾道ミサイルを電波で妨害 防衛省が装備導入着手

  防衛省が、北朝鮮の弾道ミサイルを電波で妨害できる装備の導入に着手することが11日、分かった。ミサイルと地上との電波の送受信を妨害することで地上からミサイルを捕捉できないようにして自爆に導いたり発射を抑止したりすることを目指す。令和2年度から研究を始め、5年程度で自衛隊に導入する方針で、現行の装備では不可能な発射直後の上昇段階でミサイルに対処できるようになる。
   北朝鮮が弾道ミサイルを発射する際、地上基地で航跡や機器の状態を捕捉できるようミサイルから情報を伝えるテレメトリーと呼ばれる電波が発せられる。ミサイルと基地の間を行き交う電波に強い電波を照射し、混信などを起こさせ送受信を遮断したり誤った信号を送らせたりすれば、位置が確認できなくなる。軌道を外れて中国に着弾することが最悪の事態で、その危険性を認識できなくすることで発射を抑止する。
   地上基地への電波送信や緊急時などに地上基地からの制御信号の受信が途絶えた場合、ミサイルを自爆させるプログラムが組まれているとも想定しており、電波妨害で自爆させる防御効果が期待できる。北朝鮮はミサイルの飛行データの収集も困難となり、発射に伴う能力向上に歯止めをかけることにもつながる。
   防衛省は装備の導入に向け2年度予算案で「対空電子戦装置の研究」に38億円を計上した。最初の目的として敵の陸・海上部隊への対処を念頭に置く陸上配備型の電波妨害装備をより遠方にいる敵航空機のレーダーを無力化できるようにするため参考品を取得する。
   参考品の装備は陸上自衛隊に置き、遠くまで強い電波を照射できるよう出力強化などの研究を行い、北朝鮮の弾道ミサイルも電波で妨害できるようにする。
   装備の候補は陸自が導入するネットワーク電子戦システムが有力だ。同システムは指揮統制や電波の収集と妨害を担う5種類の車載型装備で構成され、陸自は2年3月から本格的に配備を始める。電波の出力を強化するには電波を放射するアンテナの拡充と内部機器の改良が課題となる。


2020.2.8-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200208/plt2002080011-n1.html
「日本版海兵隊」北海道に新設検討 水陸機動団、訓練環境整う

防衛省が陸上自衛隊の離島奪還部隊「水陸機動団」について、北海道の陸自駐屯地への新設を検討していることが分かった。長崎県佐世保市の相浦駐屯地に次ぐ2カ所目の配置となる。規模は600人程度で令和5年度末までに立ち上げる方針。「日本版海兵隊」と言われる精鋭部隊を増強し、中国公船の領海侵入が続く尖閣諸島(沖縄県石垣市)など南西諸島の防衛強化を図る。
  夏までに配置先を選定し、令和3年度予算案に新設経費を計上する方向で調整している。南西諸島有事での即応性を重視し、沖縄本島へ新設する案もあるが、訓練環境が整い、地元の理解も得やすい北海道が有力になっている。
  水陸機動団は、相浦駐屯地(2個連隊)のほか、3個目の連隊を相浦以外に作る計画が決まっている。北海道は即応性は不十分だが、浜大樹訓練場(大樹町)など海に面した訓練場があり、訓練実績も多い。自衛隊関係者は「周辺国への抑止効果のためにも訓練を重ねて能力を高めることが不可欠」と語る。
  沖縄本島については、多くの米軍基地や軍事訓練を抱える地元から政府への反発があり、部隊新設の調整が進むのか不透明だ。
水陸機動団
 水陸両用作戦を担う陸上自衛隊の部隊。日本の離島が侵攻された場合、水陸両用車やボートなどで上陸し、敵の上陸部隊を奇襲して島を奪還する。米海兵隊を手本に、平成29年度末に相浦駐屯地に発足。2個の連隊のほか、後方支援、通信、偵察など2100人態勢を組む。米国などで米海兵隊との共同訓練も実施している。


2020.2.2.-NHKNEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200202/k10012269341000.html
中東への自衛隊派遣 海上自衛隊護衛艦部隊が横須賀出港

中東地域への自衛隊派遣で、海上自衛隊の護衛艦の部隊が2日午前、神奈川県の横須賀基地を出港しました。今回は、防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて、1年単位の長期間にわたり、自衛隊が海外に派遣される初めてのケースで、今月下旬から現地で任務を始める予定です。
  派遣されるのは海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」で、2日午前、横須賀基地で、安倍総理大臣も出席して出発式が行われました。
  この中で、派遣部隊の指揮官を務める稲葉洋介1等海佐が中東地域への出発を報告しました。
  護衛艦は隊員が乗り込んだあと、午前10時半すぎ、家族らが見送る中、出港しました。
  護衛艦にはヘリコプター2機を搭載し、部隊は隊員およそ200人で編成され、イランとアラビア半島の間にあるオマーン湾などで、日本に関係する船の安全を確保するために必要な情報収集にあたります。
  今回の中東地域への派遣では、P3C哨戒機の部隊が先月からソマリア沖のアデン湾で、海賊対策の活動と並行して情報収集の任務にあたっています。
  今回は、防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて1年単位の長期間にわたり、海外に自衛隊が派遣される初めてのケースで、日本に関係する船が襲撃されるなど、不測の事態が発生した場合には、海上警備行動を発令して、対応するということです。
  「たかなみ」は、今月下旬に現場海域に到着して、任務を始める予定です。
安倍首相が訓示「極めて大きな意義」
  出発式で安倍総理大臣は派遣される隊員に訓示し「諸官がこれから赴く北アラビア海、オマーン湾は年間数千隻の日本関係船舶が航行し、わが国で消費する原油の約9割が通過する。日本国民の生活を支える、大動脈、命綱といえる海域だ。日本関係船舶の安全を確保することは、政府の重要な責務であり、そのために必要な情報収集を担う諸官の任務は、国民の生活に直結する極めて大きな意義を有する」と述べました。
  そのうえで「わが国は米国と同盟関係にあり、同時に、イランを含む中東各国と長年良好な関係を築いてきている。イランのロウハニ大統領に自衛隊派遣について直接説明し、わが国の意図について理解を得た。今後も、こうした日本ならではの外交努力を尽くす」と述べ、引き続き、中東の緊張緩和に向けた外交努力に取り組む考えを示しました。
指揮官「教育訓練踏まえ必要な対応」
  派遣部隊の指揮官を務める稲葉洋介1等海佐は2日、出港を前に、記者団に対し「しっかり準備をしてきたので、今回の任務に万全の態勢で臨めると思っている。日本船舶の安全確保のために情報収集活動をしっかりやっていきたい」と述べました。
  そのうえで、不測の事態への対応については「事態や対象船舶によって対応できる内容が異なるが、それについてはしっかり教育訓練をしてきた。教育訓練を踏まえ必要な対応はやりたい」と述べました。
調査研究に基づく派遣 武器使用の判断 難しい状況も
今回は「調査・研究」に基づく派遣で、不測の事態が発生した場合には海上警備行動を発令して対応することになっていますが、保護するのが日本船籍の船か、襲撃を行っている相手が誰かによって武器の使用などの対応が異なり、状況によっては難しい判断を迫られることになります。
◎保護対象が日本船籍
防衛省によりますと、このうち日本船籍の船に対する襲撃の場合、まず、相手の船に対し、無線や拡声機を使ってさまざまな言語で呼びかけて所属や目的を確認し、行為がやまない場合には停船などを要求し、それに従わない場合には武器の使用を警告します。
  それでも従わない場合、必要と認められる範囲内で警告射撃などの武器の使用を行うことができます。
◎保護対象が日本船籍以外
一方、外国船籍の船に対する襲撃の場合、日本人が乗っている船や日本の会社が運航する船など日本が関係する船であったとしても、武器の使用は難しいということです。
  防衛省は「船の保護は船籍を登録している国が行う」という国際法上の原則があるためだと説明していて、外国船籍の日本関係船舶の場合は、相手の船に近づいて襲撃をやめるよう呼びかけるなど強制力を伴わない範囲で、できるかぎりの対応をとるとしています。
◎国などによる襲撃の場合
また、襲撃を行っている相手が国や国に準ずる組織だった場合、武器を使用することは海上警備行動の権限を超えるとしています。
  去年6月に、ホルムズ海峡付近でタンカーが攻撃を受けた事件では、イランやイランの「革命防衛隊」の関与をアメリカなどが指摘していますが、こうした場合には武器を使用することは困難だとしています。
元海将「任務増も安全確保を」
自衛隊の中東地域への派遣について、去年まで海上自衛隊で自衛艦隊司令官を務めた元海将の山下万喜さんに聞きました。
  「調査・研究」に基づく派遣については、「海上自衛隊では日頃、わが国周辺の日本海や東シナ海で何が起こっているか情報収集しながら緊迫した環境のなかで警戒監視を続けていて、今回の活動は、その延長線上にあると認識している」としています。
  そのうえで、「行動をどこまでやっていいのかという行動基準に従って、何をしたらいいのかをずっと怠らずに検討し、必要なら訓練をすることが、極めて重要な注意点だ。現場部隊が何かを判断しなければいけないところで迷わないようにしていくことがこれから重要だ」と指摘しています。
  また、海上自衛隊の任務が増えていることについて、「1隻増やして派遣するということはどこかにインパクトがあると言わざるをえない。任務そのものも余裕がなくなってきているのではないかと思う。任務が増加しているなかで、いかに隊員の練度を保ちながら安全を確保するか、そのバランスが大事で安全をおろそかにするような状態になってはいけない」と指摘しています。
海自の艦艇運用はひっ迫
海上自衛隊では、中国の海洋進出や北朝鮮の弾道ミサイルへの対応などを背景に任務が増えています。
  海上自衛隊の艦艇は、日本周辺の海域でふだんから警戒監視を行っていて東シナ海では、中国海軍の尖閣諸島周辺での活動など海洋進出の活発化を背景に、継続的な警戒にあたっています。
  また、3年前から国連の安保理決議に反して北朝鮮の船舶と外国の船舶が洋上で物資を積み替えるいわゆる「瀬取り」の警戒のため監視にあたっています。
  さらに、防衛省関係者によりますと、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射を受け、去年11月以降、イージス艦を日本周辺の海域に展開させて警戒にあたっています。
  これに加えて、今回、新たに中東地域に護衛艦1隻が派遣されるのに伴い、次の派遣に備えて別の護衛艦も準備の態勢をとる必要があるということで、艦艇の運用がさらにひっ迫すると指摘されています。
  海上自衛隊トップの山村浩海上幕僚長は、先月の記者会見で、「新たに1隻、海外に派遣することで装備のふり回しは厳しくなる。国内で通常行っている業務を削ることも検討している」と述べています。


2020.1.21-毎日新聞 デジタル毎日-https://mainichi.jp/articles/20200121/k00/00m/040/150000c
中東派遣の海自P3Cが飛行開始 護衛艦には海賊対処の機材搭載へ

中東海域に情報収集活動のため派遣されている海上自衛隊のP3C哨戒機が21日午前(日本時間21日午後)、ソマリア沖アデン湾の上空で飛行を始めた。アフリカ東部ジブチを拠点に任務にあたる。
  海自トップの山村浩海上幕僚長は同日の記者会見で「部隊がしっかりと任務を遂行できるよう万全を期すとともに、隊員が安心して任務に専念できるよう家族支援に全力を尽くす」と述べた。
   また山村氏は、2月2日に日本を出発する護衛艦「たかなみ」には、防弾板を設置するなど海賊対処の護衛艦と同程度の機材を搭載することを明らかにした。このほかに追加装備するのは、言葉や音を大音量で出して警告する「LRAD(エルラド)」と呼ばれる装置や機関銃、防弾ガラス、衛星通信機材など。機関銃は、護衛艦の後ろに回り込む小型船への対応を想定している。山村氏は「安全確保に必要な機材」と説明した。【町田徳丈】


2020.1.11-産経新聞-THE SANKEI NEWS-産経フオト-https://www.sankei.com/photo/story/news/200111/sty2001110003-n1.html
海自哨戒機、中東へ出発 第1陣、20日から活動

海上自衛隊のP3C哨戒機2機は11日、中東海域での情報収集活動に当たるため、那覇航空基地(那覇市)を出発した。河野太郎防衛相による派遣命令を受けた第1陣で、20日から現地で活動を始める。防衛省設置法の「調査・研究」に基づく初の海外への長期派遣。期間は約1年とし、延長も可能だ。河野氏は訓示で「大きな意義がある」と強調し、各国部隊や国際機関との緊密連携を指示した。米国とイランの深刻な対立により緊張が続く中の派遣で、野党などの反対も根強い。
  安倍晋三首相は中東訪問の出発前に「日本関係船舶の安全確保は極めて重要だ。関係国の理解を得て、万全の準備を進めたい」と羽田空港で記者団に述べた。第2陣の護衛艦「たかなみ」は2月2日に出航し、下旬に活動を開始。派遣規模は哨戒機と護衛艦を合わせて260人程度となる。


2020.1.5-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200105/plt2001050007-n1.html
空自を「航空宇宙自衛隊」に改称検討 政府、新領域の防衛強化

政府は、航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」に改称する検討に入った。従来の陸海空に続いて安全保障上重要な新領域と位置づける宇宙空間での防衛力強化を図る狙いがある。令和5年度までの改称を目指し、自衛隊法など法改正の調整を始める。陸海空3自衛隊の改称は、昭和29年の自衛隊創設以来初めて。
  安倍晋三首相は昨年9月の自衛隊高級幹部会同で、来年度空自に20人規模の「宇宙作戦隊」を新設することを踏まえ「航空宇宙自衛隊への進化ももはや夢物語ではない」と言及していた。
  防衛省の来年度予算案には、宇宙作戦隊新設や、外国による日本の人工衛星への電磁波妨害を監視・把握する装置取得費など、宇宙関連に506億円が計上されている。
  宇宙防衛に力を入れる背景には、中国やロシアが他国の人工衛星を攻撃する「キラー衛星」の開発に乗り出すなど、各国が宇宙空間の軍事利用を進めている現状がある。中国は、地上から発射するミサイルによって人工衛星を破壊する実験に成功している。
  宇宙作戦隊は令和4年度に100人規模に拡大し、5年度までの本格運用を目指している。政府は、宇宙軍を昨年発足させた米国との宇宙防衛に関する情報共有を想定しており、空自の改称には米国と協調を強化する狙いもある。








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