アメリカ選挙-1


2024.10.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20241026-EMVJ7CBX6BLIVKB55QN26U2IHQ/
ビヨンセさんがハリス氏の集会に初登場 テーマソング「フリーダム」に乗り登壇

  米人気歌手のビヨンセさんが25日、出身地の南部テキサス州ヒューストンで開かれた民主党大統領候補ハリス副大統領の集会に初めて登場した。テキサス州が厳格に人工妊娠中絶を規制していることから、集会ではこの問題に話題が集中。ビヨンセさんは壇上から「芸能人ではなく一人の母親としてここに来た」ハリス氏支持を呼びかけた

  テキサス州は伝統的に共和党が強く、今回も共和党候補のトランプ前大統領が優勢。一方、同日実施の上院選では共和、民主両候補が競り合っており、ハリス氏はビヨンセさんの影響力を借りて民主候補を援護する狙いもある。
  ハリス氏のテーマソングはビヨンセさんの曲「フリーダム」で、この日も曲に乗って登壇。女性が自身の体について判断する自由の重要性を訴え「米国の未来を決める投票日まで残り11日。私たちは勝つ」と語った。ビヨンセさんは「米国は新たな歌を歌うときだ。私たちの声は団結のハーモニーを奏でる」と話した。(共同)


2024.10.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241024-3BQOWDM7LBO2NCBLBZOEWU2BJ4/
米軍元高官からトランプ氏批判続出 元首席補佐官が告発「ファシストの定義に当てはまる」

  【ワシントン=大内清】11月の米大統領選で返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領(78)について、適性を疑問視する証言が米軍元高官らから相次いでいる。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は22日、トランプ氏の首席補佐官を務めたジョン・ケリー氏が「トランプ氏はファシストの定義に当てはまる」としたインタビューを音声付きで報道約2週間後の投票にこうした〝警鐘〟が影響するかに注目が集まっている

  ケリー氏は、ファシズムとは「独裁的指導者と集権的専制、軍事主義、反対派への抑圧、社会階層の存在を当たり前とみなす考えに特徴づけられた、極右権威主義的かつ超国家主義的な政治イデオロギーであり運動」だとし、トランプ氏は「一般的定義に間違いなく当てはまる」と語った。
  ケリー氏は海兵隊出身で南方軍司令官も務めた退役大将で、トランプ政権で国土安全保障長官や大統領首席補佐官を歴任。2018年の更迭後は政治的発言を控えていた。だが、トランプ氏が最近、民主党などの批判勢力を「内なる敵」と呼び、その排除に「米軍や州兵」を使用する考えを示したことに強い危機感を抱き、発言を公にすることにしたという。
  ケリー氏は、トランプ氏が在任中に複数回、ナチス・ドイツを率いたヒトラーについて「良いこともした」と肯定的に評価していたとも明かした。トランプ氏にヒトラーへの憧憬があるとの証言はこれまでも伝えられてきたが、最も間近で仕えたケリー氏がそれを認めた形。同氏は、トランプ氏が18年にパリ郊外で行われた第一次大戦の戦没者追悼式典を欠席した際、戦死した米軍将兵を「負け犬のばかども」と呼んだとの報道も事実だと確認した。
  トランプ陣営の広報担当者は、ケリー氏の発言内容は「誤り」だと主張している。
  だが、同様の警告は他の元高官からも相次ぐ。トランプ政権の19年からバイデン政権の23年まで統合参謀本部議長を務めたマーク・ミリー氏は、米紙ワシントン・ポストの名物記者ボブ・ウッドワード氏の近著(15日発売)で「トランプ氏は最も危険」「完全なファシスト」と指摘。トランプ氏に仕えたエスパー元国防長官らもトランプ氏を「民主主義への脅威」と批判している。
  民主党候補のハリス副大統領は23日、ケリー氏の証言は「トランプ氏がどういう人間か如実に示すものだ」と語った


2024.10.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20241006-UM3JMCEGJNOUDFKS55ZIS2VKYU/
トランプ氏、〝生還〟演出で「闘う指導者」印象づけ 暗殺未遂事件の現場で集会

  【バトラー=渡辺浩生】米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領5日、7月13日に暗殺未遂に遭った激戦州東部ペンシルベニア州バトラーで集会を開いた民主党候補のハリス副大統領と競り合いが続く中、選挙1カ月前の最終盤で事件現場への〝生還〟を演出することにより、「強い指導者」を改めて印象付けることを狙った。

  集会では、トランプ氏が登壇するとスクリーンに不法移民流入の推移を表すグラフが映し出された。暗殺未遂は当時、同じ図表に視線を向けた際に起きた。その瞬間に戻って中断した演説の再開を演出した。
  トランプ氏は「3カ月前、冷酷な暗殺者は私とわれわれの運動を沈黙させようとした」と述べ、「バトラーに戻ってきたのは、われわれの運動がかつてないほど勝利に近づいていることを米国民に伝えるためだ」と強調した。
  周囲の建物の屋根には武装した警備要員が目を光らせ、上空は監視用無人機が飛ぶ。7月の集会にも参加した元製鉄所従業員、ウィリアム・ピューさん(64)は「銃声がして、そばにいた娘の手を握って必死に走った」と回想し、「当時会場にいた人々と思いを同じにするために私も戻ってきた」と目を潤ませた。
  トランプ氏は「この場所は(事件に対処した)同胞諸君の勇気と強靭(きょうじん)さを象徴している」と表明。「今晩、ここに戻ることができなかった一人の英雄がいる」とも述べ、銃弾で死亡した元消防士のコーリー・コンパートアさん(50)を紹介し、黙禱(もくとう)した。
  先だって演説した副大統領候補のバンス上院議員は、ハリス氏や大手メディアが「今もトランプ氏を『民主主義の脅威』と呼ぶ」と批判した。
  実際、2020年の大統領選の敗北をトランプ氏が認めず、支持者による翌21年の議会襲撃事件につながった同氏の責任を問う声は、選挙戦最終盤にきて再燃している。
  この日の集会はトランプ氏への銃弾こそ「民主主義への攻撃」(陣営の声明)と強調して批判をかわすと同時に、「闘う指導者」という事件直後のイメージを改めて呼び起こす狙いがある。
  事件後、トランプ氏の支持を正式表明した実業家のイーロン・マスク氏も応援に駆け付け、「米国の民主主義を守るために勝たねばならぬ」と投票行動を呼びかけた。
  政治サイト、リアル・クリア・ポリティクスによると、ペンシルベニア州の平均支持率は5日時点でトランプ氏とハリス氏が共に48・2%で並んだ。同州は配分された選挙人の数が激戦州最多で、両陣営とも支持者の掘り起こしに注力する。


2024.09.23-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240923-FKPLGQ3ABZP2LDIXD2GA5FW5HM/
ハリス氏、トランプ氏を挑発 討論回避「言い訳探し」

  米大統領選民主党候補、ハリス副大統領は22日、共和党候補のトランプ前大統領が10月23日にCNNテレビが主催する予定の討論会の参加に否定的な考えを示したことについて「討論を避ける言い訳探しをしているようだ」と挑発し、応じるよう改めて迫った。

  東部ニューヨークでの選挙資金集めの集会で「もう一度討論会をすべきだ。投開票日の前にもう一度向き合う義務があると強く感じている」と述べた。9月10日に両氏が初めて対決した討論会はハリス氏のペースで進んだ。再討論でもう一度勢いに乗りたい考えとみられる。

 トランプ氏は21日、南部ノースカロライナ州での集会で、CNNが予定する討論会について「期日前投票が始まっており、遅すぎる」と述べ、消極姿勢を示していた。(共同)


2024.09.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240917-UIHTFFEHZRLKPGH6AUQKVYHZW4/
トランプ氏、暗殺未遂事件の容疑者「ハリス氏の言葉信じ行動」 ニュース番組で語る

  米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は16日、暗殺未遂事件の容疑者が民主党候補ハリス副大統領の「言葉を信じ、行動した」とFOXニュースの番組で語った。自身を敵視するハリス陣営が事件を誘発したと決めつけ、11月5日の投開票まで50日に迫る中、攻撃材料にする狙いがある。

  事件で訴追されたA容疑者の動機は明らかになっておらず、ハリス氏の発言が影響したとの根拠はない。
  トランプ氏は自身もハリス氏を非難していることは棚に上げ、ハリス氏やバイデン大統領の発言のせいで自分が狙われると主張。「私は米国を守り、彼らは米国を破壊している」と批判した。自身のソーシャルメディアでも「左派の発言のせいで、銃弾が飛び交う」と不満を示した。
  トランプ氏は10日のハリス氏との討論会で「彼らが私のことを民主主義の脅威だと言うから頭部に銃弾を受けた」と述べ、民主党が7月の暗殺未遂事件を引き起こしたと訴えた。7月の事件の容疑者は射殺され、動機は明らかになっていない。(共同)


2024.09.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240916-H62MUZOOFVLQRA7TD2UHPHPDGI/
イーロン・マスク氏「誰もハリス氏は狙わない」 Xに投稿も批判受け削除

  X(旧ツイッター)を率いる米実業家イーロン・マスク氏15日、トランプ前大統領の暗殺未遂事件を受け「誰もバイデン大統領やハリス副大統領を暗殺しようとすらしない」とXに投稿した。大統領選の民主党候補ハリス氏の暗殺を望んでいるかのような危険な発言だとの批判を浴び削除した

  マスク氏は共和党候補のトランプ氏を支持している。問題の投稿は「なぜ彼らはトランプ氏を殺害したがるのか」との別の人物の書き込みに返信する形で行われた
  投稿についてトランプ氏と決別した共和党のキンジンガー元下院議員は「常軌を逸している」非難した。(共同)


2024.09.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240916-P4QKW47P4VLEHL7ENSZB2OQ4YA/
「トランプ氏去ればうれしい」 暗殺未遂のラウス容疑者 「露軍と戦う」とウクライナ渡航

  【ワシントン=大内清】トランプ前米大統領の暗殺未遂事件を捜査する連邦捜査局(FBI)は、拘束したA容疑者(58)への取り調べを本格化させ、詳しい動機の解明などを進める方針だ

  米メディアによると、同容疑者は白人。南部ノースカロライナ州に長く居住していたが、2017、18年ごろにハワイ州へ移住し建設業に従事していた。
  交流サイト(SNS)への投稿から、16年大統領選ではトランプ氏に投票したとみられる。だが、トランプ氏が敗れた20年大統領選前の投稿では「とても失望した。(トランプ氏が)去ればうれしい」とし、「反トランプ」の立場に転じたことがうかがわれる。
  ロシアの侵略を受けるウクライナ情勢に強い関心を持ち、22年に「露軍と戦う」ためにウクライナへ渡航したとも報じられている。たまたま取材を受けた米紙ニューヨーク・タイムズの記者に対し、アフガニスタン人兵士を徴募してウクライナで戦闘に参加させる計画などを語ったという。
  02年には、ノースカロライナ州で会社事務所に立てこもる事件を起こし、武器の不法携帯や公務執行妨害、無免許運転などの罪で保護観察処分を受けた


2024.09.13-産経新聞(KYOYA)-https://www.sankei.com/article/20240913-ONPYUSFZDRITNGXO22FOFUOSDI/
米共和党の大物、トランプ氏酷評 「破滅的な討論会」

  米大統領選に向けた民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領による10日の討論会について、共和党の選挙戦略に影響力を持つカール・ローブ元大統領上級顧問は12日付のウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿で「トランプ氏にとって破滅的な討論会だった」と酷評した。

  大統領選から撤退してトランプ氏支持に回った無所属の弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏も11日、FOXニュースの番組で「ハリス氏が明らかに勝利した」と指摘した。トランプ氏は一方的に勝利宣言したが、支持者や身内の共和党でも低い評価が目立つ。
  ローブ氏は、トランプ氏にとって討論会での最重要課題は、不人気なバイデン民主党政権の政策とハリス氏を結び付けることだったが、ハリス氏の挑発に乗って激高し、冷静さを失って失敗したと指摘。「トランプ陣営の想像を上回る惨事だった」と振り返った。(共同)


2024.09.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240912-PECE64IDKVNIXI4HDNV2S6XBXQ/
早くもスウィフトさん効果 ハリス氏支持表明と有権者登録誘導で関連サイトの訪問急増

  米人気歌手テイラー・スウィフトさんが10日に大統領選の民主党候補ハリス副大統領を支持すると表明したことを受け、有権者登録に関するウェブサイトへのアクセスが急増している。米メディアによると、スウィフトさんのインスタグラム投稿を経由して33万人超がサイトを訪問ハリス陣営ではスウィフトさんにあやかる動きも出ている

  スウィフトさんは10日の投稿で「投票には有権者登録が必要だ」と手続きを促し、連邦機関が運営するサイトのリンクも載せていた。このサイトは登録のための各州サイトを紹介している。
  ハリス陣営のオンラインストアではスウィフトさんの支持表明後、ハリス氏と副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事の名前が入った「友情ブレスレット」の予約受け付けが始まり、即完売した。友人間で交換するアクセサリーで、スウィフトさんのファンの間で流行している。(共同)


2024.09.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240911-WLLXKYFDR5MYJEJEWETNZYN2W4/
米大統領候補討論会の会場周辺、厳戒態勢に 大一番控え高まる緊張感

  米東部フィラデルフィアでの大統領候補討論会の会場になった国立憲法センター周辺は10日、厳戒態勢が敷かれた。会場の周囲には高いフェンスが設置され、多くの警察官が不測の事態が起きないよう目を光らせた。民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領の大一番を控え、緊張が高まった。

  米国の独立宣言と合衆国憲法が採択された街として知られ、ハリス氏とトランプ氏それぞれの支持者がプラカードや旗を掲げ、健闘を祈った(共同)


2024.09.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240909-LCOAMEKK2NIZTO7FXFXQNSXRQA/
「ご祝儀相場」に陰りか ハリス氏、米紙世論調査 討論会での印象が重要に

  米紙ニューヨーク・タイムズは8日、大統領選に関する最新の世論調査で、民主党候補のハリス副大統領のことをもっと知る必要があるとの回答が約3割に上ったと報じた。全米の支持率で共和党候補のトランプ前大統領にわずかにリードを許し、ハリス氏出馬への「ご祝儀相場」に陰りが出ている可能性を指摘した。

  ハリス氏がトランプ氏との初の直接対決となる10日の討論会で、どのような印象を残せるかが重要となる。対照的にトランプ氏のことをもっと知る必要があると答えたのは約1割だった。
  調査は3~6日に実施。支持率はトランプ氏が48%、ハリス氏が47%だった。激戦の7州では互角か、ハリス氏が僅差でリードハリス氏を知る必要があると回答した人のうち、6割余りがハリス氏の政策に興味を示した(共同)


2024.09.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240907-SX6RBNIOV5OY7PNMIY6XUBAUXU/
トランプ氏 不倫口止め料訴訟の量刑言い渡し 大統領選後の11月下旬に延期「誤解避ける」と裁判所

  【ニューヨーク=平田雄介】トランプ前米大統領に有罪評決が出ている不倫口止め料を巡る会計不正処理事件で、東部ニューヨーク州の裁判所は6日、量刑の言い渡しを今月18日から大統領選後の11月26日に延期すると決定した。トランプ氏が返り咲きを狙う大統領選の行方に「影響を与えようとしているとの誤解を避けるためだ」延期の理由を説明している。

  大統領選の投開票日は11月5日だが、最激戦州とされる東部ペンシルベニアで期日前投票と郵便投票が9月16日に始まるため、混乱が生じる恐れがあった。
  延期決定文は「当法廷は公平かつ公正、非政治的な機関だ」と記し、トランプ氏が会計不正処理事件で大統領の「免責特権」を受けるかの判断も、大統領選後の11月12日に示すとした。
  トランプ氏は2016年大統領選前、不倫口止め料を顧問弁護士に立て替えさせ、当選後の17年に弁済した際、一族企業の帳簿などで費目を「法務費用」と偽り、州法に違反したとして有罪評決を受けた。量刑は最大で禁錮4年だが、収監された先例は少ない
  トランプ氏は6日、「何も間違いをしていない」と改めて無実を主張した。


2024.09.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240906-AHVDF2ODIRK7LE4IBORMZZHC44/
米政府の歳出改革へ、委員会トップにマスク氏を起用 トランプ氏が方針示す

  米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は5日、東部ニューヨーク州での講演で、当選した場合に政府の歳出改革などを担う委員会を設置する考えを表明した。予算執行を効率化する狙いで、委員会のトップにはトランプ氏を支持する実業家のイーロン・マスク氏を起用する考えも示した

  トランプ氏は委員会について「連邦政府全体の完全な財務、業務監査を実施し、抜本的な改革のための提言を行う」と説明。無駄な政府支出を削減するため、設置から6カ月で歳出見直しなどの計画を策定するとした。
  マスク氏については「忙しくないので、任務を率いることに同意した」と述べた。マスク氏はX(旧ツイッター)で委員会についての報道を引用し「機会があれば、米国のために働きたい。給料も肩書も評価も必要ない」と投稿した。(共同)


2024.09.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240904-4FJELSIIPBIZHFMXTQC2TSV6OY/
共和重鎮の息子がトランプ氏の国立墓地撮影を批判 「違反行為、衝撃受けた」

  米大統領選の共和党候補トランプ前大統領が、首都ワシントン近郊の国立墓地を訪れた際の動画を公開し、同墓地で禁じられた政治活動に当たると指摘された問題を巡り、共和党重鎮の故マケイン上院議員の息子で、情報将校のジミー氏が3日放映のCNNテレビのインタビューで「違反行為だ」とトランプ陣営を批判した。

  2008年の大統領選の共和党候補で、トランプ氏を厳しく批判したマケイン氏は、勝敗を左右する激戦州の西部アリゾナ選出。州内にはベトナム戦争の英雄のマケイン氏を尊敬する穏健派の共和党員も多い。撮影への反発が広がれば選挙戦に影響する可能性がある。
  アリゾナ州軍に所属するジミー氏は、祖父と曽祖父を含め、アーリントン国立墓地に埋葬されている関係者は政治活動に利用されるかどうかを「選択できない」と指摘し、動画の公開に「衝撃を受けた」と語った。数週間前に有権者登録を共和党から民主党に変更しており、大統領選では民主党候補のハリス副大統領に投票するつもりだという。(共同)


2024.09.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240903-EGTLNAVF6FN63AAEEABI2RF2LM/
ハリス氏、日鉄のUSスチール買収に慎重姿勢 接戦州で労組票の獲得狙う

  【ワシントン=坂本一之】米民主党の大統領候補、ハリス副大統領(59)は2日、接戦州の東部ペンシルベニア州ピッツバーグで演説し、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に対し慎重姿勢を示した。2日は祝日のレーバーデー(労働者の日)で、買収に反対する労働組合を支援する姿勢を鮮明にし、共和党候補のトランプ前大統領(78)と争う労組票の獲得を図った。

  ハリス氏は演説で「USスチールは歴史ある米企業だ」と強調。「米国内で所有、運営されるべきだ」と述べ、バイデン大統領の政策を踏襲して買収に慎重姿勢を示した。ハリス氏が大統領候補として、日本製鉄の買収計画に対する考えを表明するのは初めて。
  ピッツバーグは買収に反対する全米鉄鋼労働組合(USW)の本部がある。ハリス氏は「米国の製造業を強化し続ける。鉄鋼を含む全ての労働者を支援する」と語るなど、組合員の生活を守っていく姿勢をアピールした。演説には労組重視の政策を進めるバイデン氏も参加した。
  一方のトランプ氏は今年1月、日本製鉄の買収計画に関し「私なら即座に阻止する。絶対だ」と強硬姿勢を示し、労組票の取り崩しを仕掛けていた。現在も産業空洞化で「ラストベルト(さびた工業地帯)」と呼ばれる地域の接戦州で集会を開き、労働者の支持獲得を強化している。
  バイデン氏は7月に大統領選から撤退するまで、ラストベルトに位置する接戦州などを制するため労働者の底上げや雇用確保を掲げ、支援団体である労組の票固めに奔走していた。
  昨年9月には全米自動車労働組合(UAW)のストライキ会場を現職大統領として初めて訪問。今年3月にはUSスチールに関し「国内で所有、運営される米鉄鋼企業であり続けることが不可欠だ」との声明を出してトランプ氏に対抗するなど、労組票の争奪戦を繰り広げていた。
  バイデン氏は2日の演説で「ハリス氏は労組寄りの歴史的な大統領になる」とお墨付きを与え、支持を呼びかけた


2024.08.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240830-PMHDTQIZKNMPPI6RVVCT5CM4LE/
ハリス氏、大統領選勝利なら「共和党員を閣僚起用」表明 米テレビで初インタビュー

  【ワシントン=坂本一之】米民主党の大統領候補のハリス副大統領(59)29日、米CNNテレビのインタビューに応じ、大統領選で勝利すれば共和党員を閣僚に起用する考えを明らかにした。ハリス氏が大統領候補として報道機関のインタビューに応じるのは初めてで、副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事(60)とともに臨んだ。

  ハリス氏は「重要な決定をするときに異なる見解や経験を持つ人がいることは重要だ。閣僚に共和党員がいることは、米国民にとって有益だ」と述べた。具体的な閣僚候補の名前については言及しなかった。
  ハリス氏は22日、民主党全国大会の指名受諾演説で「分断と決別」することを掲げており、インタビューでも党派を超えた指導者像を無党派層にアピールした。
  ハリス氏はまた、政策判断を巡り「私の価値観は変わっていない」と強調。「気候変動危機は現実であり、緊急の課題だ」と述べ、環境対策を重視する方針を示した。
  ただ、環境への悪影響が指摘されるシェールガスの採掘手法「フラッキング(水圧破砕法)」を巡っては過去に反対を示していたが、インタビューでは「大統領としてフラッキングは禁止しない」と述べた。シェールガスは、大統領選を左右する接戦州の東部ペンシルベニアなど、産業空洞化でラストベルト(さびた工業地帯)と呼ばれる地域の経済発展を後押しするとの期待がある。


2024.08.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240828-7EQGLRLRZBLU3JW33OXKK2LK4U/
トランプ氏、9月10日の討論会に参加表明 消音ルールで合意と主張 ハリス陣営は否定

  米大統領選で、共和党のトランプ前大統領27日、9月10日の討論会に参加する意向を示した。相手の発言中、もう一方のマイクを消音する条件で民主党のハリス副大統領と合意したと主張した。米メディアによると、ハリス陣営は否定した。両候補が直接やりとりできるようにするためマイクの音を消さないよう求めている

  初の直接対決になる討論会を巡る駆け引きが続いている。トランプ氏はソーシャルメディアへの投稿で、民主党のバイデン大統領と実施し、相手の発言中はマイクの音を消した6月の討論会と同じルールになると説明。事前に質問は知らされず、メモの持ち込みもないとした。
  9月10日の討論会はABCテレビが東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで主催する。トランプ氏はこれまで、ABCが「不公平だ」として不参加を示唆していた。(共同)


2024.08.27-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240827-Y5DM4MEOFNINROR4CTKJ3ZR2BA/
トランプ氏、9月10日の討論会に不参加示唆 主催のABCテレビを「不公平」と批判

  米大統領選の共和党候補のトランプ前大統領26日、南部バージニア州で記者団に対し、9月10日に予定される民主党候補ハリス副大統領との初のテレビ討論会に参加しない可能性を示唆した。討論会を主催するABCテレビについて「不公平で締め出されるべきだ」と批判し「別の局でやろうじゃないか」と述べた。

  トランプ氏は8月25日のABCの番組を問題視。同日のソーシャルメディアへの投稿で、司会者が共和党上院議員に「偏った」インタビューを実施し、番組のパネリストも「トランプ氏嫌い」だと指摘。「何でこの局で討論会をやるのか」と訴えていた
  討論会を巡っては、ハリス陣営が相手の発言中に、もう一方のマイクの音を消さないよう求め、既に消音するルールで合意したと主張するトランプ陣営と対立していることも判明した。(共同)


2024.08.20-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240820-ICKCXYRWLNLHHAT2NROD7Z3XKI/
「裏切り者Tシャツ」でトランプ氏を批判 全米自動車労組会長、ハリス氏支持を呼びかけ

  米大統領選の民主党大会で19日、全米自動車労働組合(UAW)のフェイン会長「トランプは裏切り者(Scab)だ」書いた赤いTシャツを着て演説し、共和党候補のトランプ前大統領を批判した。民主党候補のハリス副大統領を「労働者階級の闘士だ」と主張し、支持を呼びかけた

  労働者票の取り込みを狙うトランプ氏は、これまで減税を主張するなどして寄り添う姿勢を示してきただがフェイン氏は、2019年に米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の従業員が労働条件の改善を求めてストライキした際、大統領だったトランプ氏は「何もしなかった」と非難した。
  Scabはスト破りなどを意味する。トランプ氏は実業家イーロン・マスク氏と12日に対談し、スト中の労働者には「『クビだ』と言えば良い」などと発言UAWは労働者への脅迫だとして当局に告発したと発表している。(共同)


2024.08.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240819-DFHBGKGUXBLH5OPPGQ2F3DOYH4/
米民主党大会にガザ情勢の影 イスラエル支援に抗議する団体集結、過激派も 19日開幕

  【シカゴ=平田雄介】米民主党の全国大会が19日、中西部イリノイ州シカゴで開幕する。22日までの大会期間中、大統領候補のハリス副大統領(59)と副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事(60)が正式に指名受諾演説を行う。会場周辺では、民間人の被害が拡大するパレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、220団体超がバイデン政権のイスラエル支援に抗議するデモへの参加を予定し、治安当局は過激化を警戒している。

  ハリス氏は18日、現地入りに先立ち、激戦州の東部ペンシルベニアのピッツバーグ地域をバスで巡回した。支持者らと会合を重ね、無党派層の票の掘り起こしを試みた。
  米メディアによると、大会初日の19日夜、バイデン大統領(81)が基調演説を行う。共和党のトランプ前大統領の返り咲き阻止を目指し、民主党の結束を呼びかける。
  大会2日目の20日夜には、全米各州の代議員が「ロール・コール(点呼投票)」をし、ハリス氏とウォルズ氏の正副大統領候補選出を祝福する。
  ウォルズ氏は3日目の21日夜、ハリス氏は最終日の22日夜にそれぞれ演説する見通し。
  大会では、党の綱領も採択する。北大西洋条約機構(NATO)の結束強化や人工妊娠中絶の権利擁護、気候変動対策を掲げ、共和党との違いを鮮明にする。
  また、オバマ元大統領クリントン元大統領2016年大統領選でトランプ氏に接戦の末に敗れたクリントン元国務長官らが演説。バイデン氏夫人のジルさんや、オバマ氏夫人のミシェルさんも登壇する予定で、挙党体制をアピールする。

  ただ、党内には、バイデン氏が候補指名を目指した予備選の際に、ガザ対応への不満を示すため「支持者なし」と投票した層が存在する。批判の矛先は副大統領のハリス氏にも向いており、大会期間中に党内の足並みの乱れを露呈する可能性も指摘されている。
  会場のユナイテッド・センター周辺では、平和的なデモ行進への参加を訴える諸団体とは別に、暴力を容認する過激派もガザ対応への抗議を呼びかけている。大統領警護隊やシカゴ市警は厳戒態勢で臨んでいる


2024.08.18-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240818-PRKJJR4RENCNBO56HTIAXYNEU4/?outputType=theme_weekly-fuji
米大統領選ハリス氏のアキレス腱 副大統領候補は過去最高の危険な組み合わせ 長谷川幸洋

  11月の米大統領選は、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領と副大統領候補に決まったミネソタ州知事ティム・ウォルズ氏のペアが、共和党候補のドナルド・トランプ前大統領と副大統領候補の上院議員、J・D・バンス氏のペアを一部でしのぐ展開になっている。

  ハリス氏が勝利すれば、ジョー・バイデン政権以上に「米国の左傾化」は避けられない中国は大喜びして、日本の国政と安全保障にも大きな影響が出そうだ。
  米世論調査機関、リアル・クリア・ポリティクス(RCP)の集計によれば、8月15日時点でハリス氏支持は48・1%で、トランプ氏の47・1%を僅差でしのいでいる
  勝敗の行方を左右する激戦7州でみると、トランプ氏はアリゾナ、ネバダ、ペンシルベニア、ノースカロライナ、ジョージアの5州でリードしているが、ハリス氏もウィスコンシンとミシガンで優勢だ。大健闘と言っていい
  7月13日のトランプ暗殺未遂事件の直後は「強い前大統領」の印象が広がって、「トランプ勝利は決まり」かと思われた。ここへきて、ハリス氏の人気が急上昇しているのは、なぜか
  私は「バイデン大統領に募っていた不満の反動」とみる。欲求不満が頂点に達したところへ、民主党が掲げる「多様性・平等・包摂性(DEI)」の理念に「女性・黒人・アジア系」というドンピシャの候補が登場し、支持者が燃えているのだ
  米メディアによれば、特に「若者と非白人層の支持が強い」という。  ただし、この勢いが11月の選挙まで続くかどうか、は分からない。ハリス陣営の政策には、不透明な部分が多いからだ
  例えば、イスラエルとイスラム過激派、ハマスの戦争はどうか。
  ハリス氏はバイデン政権の副大統領として「イスラエル支持」を掲げながらも、パレスチナ人への強い同情を示してきた昨年7月、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談した後、彼女は「私はガザの苦難について黙ってはいない」と記者団に語った。
  それが若者の支持につながっているが、伝統的な民主党支持層からは反発を呼ぶ可能性もある。
  彼女のアキレス腱(けん)は、実はウォルズ氏かもしれない。実績をみると、ウォルズ氏はハリス氏以上の「急進的左翼」と言っても過言でないからだ
  例えば、ミネソタ州知事として、彼は2023年、同州の不法移民に運転免許証を与える法案に署名した。「免許を与えて保険に加入できるようになれば、州民の安全は高まる」という理由からだ。
  既存の医療保険に加入資格がない低所得者も加入できる州独自の「ミネソタケア」保険制度も創設した。低所得世帯の子供に補助金支給や大学の学費免除、中絶権の保証、無料の学校給食、LGBTQ(性的少数者)に対する保護制度創設など、一連の「左派政策」を全面的に展開した。こうした政策が全米でウケるかどうか。
  ウォルズ夫妻は中国の学校で教鞭(きょうべん)をとった経験があり「親中派」とも目されている。
「過去最高の危険な組み合わせ」
  共和党のテキサス州知事、グレッグ・アボット氏はX(旧ツイッター)に「ハリス・ウォルズ組は過去最高の危険な組み合わせだ。彼らは不法移民を引き寄せる磁石になる」と投稿した。
  突出した左派ぶりが「吉と出るか」「凶と出るか」行方は混沌(こんとん)としている

長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
  ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。


2024.08.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240817-U47OVRRZTFJL7JCWB5A7YCIZ7A/
対中国は「対決」か「競争管理」か トランプ、ハリス両氏の政策 副大統領候補も影響か
(ニューヨーク 平田雄介)

  11月の米大統領選に出馬する共和党のトランプ前大統領と民主党のハリス副大統領の対中国政策が注目されている。両陣営とも中国を「最大のライバル」とみなすが、トランプ氏が対決色を打ち出しているのに対し、ハリス氏は副大統領として「競争の管理」を目指してきた。ハリス氏は同盟・同志国との連携を重視するが、単独での「ディール(取引)」を好むトランプ氏が返り咲いた場合には米中関係の先行きは予測が難しくなる

ハリス氏、安保で牽制も関税戦争に反対
  ハリス氏は副大統領になるまで外交経験に乏しく、2021年1月の就任後しばらく、ブリンケン国務長官と毎週昼食をともにして〝集中講義〟を受けた。副大統領として19カ国以上を訪問し、岸田文雄首相を含む150人以上の政治家と会った。そのほとんどが同盟・同志国との交流だ
  顕著な例外が中国の習近平国家主席で、中国重視の姿勢がうかがえる。22年11月にタイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で短時間会談し、ハリス氏は「開かれた対話」を維持すると伝えた。気候変動対策で協力を模索する考えとみられている。
  安全保障では、東・南シナ海での中国の覇権的行動を牽制(けんせい)してきた。APEC後に訪問したフィリピンで、米国は「違法かつ無責任な行動に対抗するため、同盟・同志国を結集する」と語った。
  台湾の頼清徳総統とは、頼氏が副総統だった22年1月、中米ホンジュラスの大統領就任式で立ち話をし、中国をいらだたせた。同年9月、横須賀の在日米軍の艦上で、米国は「台湾の自衛を支援する」と明言した。

  上院議員時代には、19年と20年にそれぞれ施行された香港人権民主主義法とウイグル人権政策法の共同提案者を務め、人権侵害に加担した中国当局者に対する米政府の制裁発動支持した。
  経済関係では、トランプ前政権が仕掛けた対中関税戦争に反対し、「欧州やアジアの同盟国と連携して、中国の問題のある貿易慣行に対決すべきだ」と唱えた。デリスキング(リスク低減)を図りつつ、対中関係を維持する考え方とされる。
  ただ、ハリス氏が大統領になって中国とどう向き合うかには未知の部分も多い。副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事は「親中派」との見方もあり、ハリス氏の対中方針に微妙な影響を与える可能性がある
トランプ氏は「大きな庭の高い柵」唱える
  他方、トランプ氏が再選した場合の対中貿易は、1期目よりも攻撃的になりそうだ。公約集で「中国からの全ての輸入品に最大60%の関税をかける」と掲げ、党綱領に「中国の最恵国待遇を取り消す」と明記した。
  トランプ氏はまた、安全保障上重要な米国の先端技術に限って保護するバイデン政権の政策を批判している。「小さな庭の高い柵」と呼ばれるバイデン政権の政策に対し、保護対象を広げる「大きな庭の高い柵」を唱えた。トランプ氏が返り咲けば、中国経済とのデカップリング(切り離し)が進むとの指摘が根強い
  安全保障を巡っては、トランプ氏の強硬姿勢が同盟相手に向く恐れもある。
  トランプ氏は米誌ブルームバーグ・ビジネスウイークが7月に公表したインタビューで、米国の防衛負担に関する対価を支払うよう台湾政府に要求し、米国を「保険会社」になぞらえた。台湾を「米国の半導体事業を奪った」と非難し、中国の軍事行動から台湾を守るかという質問に対しては「米国から遠い」と口にしたトランプ氏の信用は大いに傷ついた。
  背景には、16年大統領選でトランプ氏に勝利をもたらした「アメリカ・ファースト(米国第一)」主義がある。産業空洞化で「ラストベルト(さびた工業地帯)」と呼ばれる中西部での労働者の雇用確保を最優先する発想だ。
  ラストベルト出身の副大統領候補バンス上院議員は中国を「最大の脅威」とみなしつつ、米国に安全保障を依存する欧州の現状は「顧客」だとし、「同盟国」としての自立を求める立場を示している。日本を含むアジアの同盟国に一層の自助努力を求めてくる可能性は高い
(ニューヨーク 平田雄介)


2024.08.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240816-KWAERUQAYJPCFEO2PY4L4IRL3Q/
トランプ氏、露出に躍起 ハリス氏罵倒が逆効果も〝トランプ節〟封印せず

  【ワシントン=大内清】米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領(78)15日、別邸のある東部ニュージャージー州で記者会見を開いた。各種世論調査で民主党候補のハリス副大統領(59)に有利な結果が示される中、トランプ氏はメディアへの露出機会を増やすのに躍起。共和党内では、トランプ氏によるハリス氏への中傷や個人攻撃が選挙戦の足かせになっているとの指摘が相次ぐが、本人が〝トランプ節〟を封印するつもりはなさそうだ

注目集めるイベント次々と
  会見でトランプ氏は、用意された原稿に視線を落としながら、バイデン政権下での物価高騰を繰り返し批判。当選すれば「12カ月以内にエネルギー価格を半分以下にする」などと主張した。
  トランプ氏は8日にも南部フロリダ州の邸宅で会見。12日に実業家のイーロン・マスク氏とX(旧ツイッター)上で対談するなど、注目を引きつけるイベントをハイペースで仕掛けている。
  有権者が最も重視する経済対策では、民主党のバイデン大統領(81)が7月に撤退するまで、バイデン氏よりもトランプ氏への期待の方が大きいとのデータが各種世論調査で示されていた。しかし、ハリス氏が8月上旬に民主党候補の座を確定させて以降は情勢が急変。英紙フィナンシャル・タイムズなどが13日に公表した調査結果では、経済政策でハリス氏を信頼するとした人が42%で、41%のトランプ氏と拮抗している。
「ハリス氏攻撃の資格ある」
  そんな中で共和党では、ハリス氏を「クレイジー」などと罵るトランプ氏の手法が、むしろ相手陣営に有利に働いているとの見方が強まっている。予備選でトランプ氏と争い、現在は同氏を支持するヘイリー元国連大使は13日、保守系のFOXテレビで「ぶつぶつ文句を言うのはやめて政策を語るべきだ」トランプ氏に苦言を呈した。 
  こうした声を反映し、15日の会見でトランプ氏が読み上げた原稿はハリス氏への個人攻撃を控える内容だった。だが、質疑応答ではトランプ節が噴出。「私にはハリス氏を攻撃する資格がある」「(ヘイリー氏の)助言は尊重するが、私は私のやり方でいく」などと強調し、「(ハリス氏は)ひどく無能だ」と罵倒して会見を締めくくった


2024.08.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240810-ETHRS5RJQBM6JD6WLJHOUFYYBM/
米国のエマニュエル駐日大使、11月下旬に離任する意向 民主勝利なら政権移行関与

  米国のエマニュエル駐日大使11月下旬離任する意向を周囲に伝えていることが9日、分かった。米国の感謝祭(11月28日)前後に日本を離れることを検討している。11月5日の大統領選で民主党候補のハリス副大統領が勝利した場合は、政権移行に関与したい考えだ。米政府関係者が明らかにした。

  共和党大統領候補のトランプ前大統領が勝利すれば、駐日大使の交代は確実。複数の関係者によると、エマニュエル氏は次期大使が決まるまで務めるのではなく、次の政界ポスト探しを進めたい考えという。
  ニュースサイト、アクシオスは、ハリス氏が当選すれば、国家安全保障問題担当の大統領補佐官に起用されるとの観測があると報じている。
  エマニュエル氏は中国に対する厳しい姿勢で知られ、バイデン大統領との関係の近さも武器に日米関係の発展に力を発揮した。長崎市が今月9日に主催した「原爆の日」平和祈念式典にイスラエルを招待しなかったことを理由に欠席し、物議を醸した。(共同)


2024.08.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240809-EJMKI25ZSZJ2RJ7LAJJUQSD2CM/
9月10日に大統領選のTV討論会 ハリス氏、トランプ氏が合意 米ABCテレビ

  米ABCテレビは8日、大統領選の民主党候補ハリス副大統領(59)と共和党候補トランプ前大統領(78)の討論会を9月10日に開催すると発表した。両氏が出席すると合意したとしている。6月下旬の討論会で振るわず撤退したバイデン大統領(81)に代わって出馬したハリス氏とトランプ氏の初の直接対決となる。

  トランプ氏は当初、バイデン氏撤退前に決まっていたABC主催の討論会は中止されたとの見方を示していたが、一転して参加を決めたハリス氏から「言いたいことがあれば面と向かって言えば良い」と挑発され、応じたとみられる
  これに先立ち、トランプ氏は南部フロリダ州の私邸マールアラーゴで記者会見を開き「ハリス氏はインタビューに応じたことがない。ひどいディベーター(討論者)だ。不快だ」と批判し、自身の実績を示すため「討論することが重要だ」と強調した。(共同)


2024.08.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240807-XYLGYMTV3BNBDBVUX6XE6M4JMI/
元州兵、元教師…民主副大統領候補ワルツ氏〝非エリート〟色で共感狙う 米大統領選
(ワシントン 大内清)

  米大統領選で民主党の指名を受けたカマラ・ハリス副大統領(59)が副大統領候補に選んだのは、中西部ミネソタ州のティム・ワルツ知事(60)だった。「元州兵」「元教師」といった庶民的な経歴が、勝敗を左右する中西部やラストベルト(さびた工業地帯)で共感を呼ぶとの期待がある共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)からランニングメート(伴走者)として同様のタスクを課されるJ・D・バンス上院議員(40)との対比に注目が集まりそうだ

アメフトで高校を州チャンピオンに
  中西部ネブラスカ州出身のワルツ氏は17歳で州兵に入隊。2005年の退役まで24年間を過ごし、その間に欧州派遣なども経験した。軍務のかたわらで大学を卒業して教職に就き、同僚だったグウェンさんとの結婚後に夫人の地元ミネソタ州へ移住。教師として勤務した高校でアメリカンフットボールの監督を務め、州チャンピオンに導く手腕をみせた。長年にわたり中国との学生交流事業にも携わっている。
  2006年に民主党から下院選に出馬し、初当選。6期を務めた後、18年に同州知事選で勝利し、現在は2期目だ。
  ハリス氏の副大統領候補選びでは、最重要州である東部ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事(51)が最有力とみられてきた。しかしハリス氏は、ワルツ氏の州兵や教員という決して「エリート」とはいえない経歴に加え、国民的スポーツであるアメフトの指導者としての顔が、特に中西部で有権者の信頼を勝ち取るのに最適だと判断したとみられる。
しのぎ削る「非エリート」同士
  ユダヤ系のシャピロ氏は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザの攻撃に抗議する学生運動を反ユダヤ主義的だと批判するなど親イスラエル姿勢を鮮明にさせている。ハリス氏はこれらが接戦州でアラブ票や学生票を取り込む妨げになると考えた可能性がある。
  一方、共和党の副大統領候補であるバンス氏も、地元オハイオ州を含む中西部での票の掘り起こしが期待される存在だ。白人労働者層の家庭に生まれ、海兵隊での軍務を経て苦学の末に名門エール大ロースクールを出た「非エリート」的な経歴を前面に押し出す。

  ハリス氏とワルツ氏は6日のペンシルベニア州を皮切りに、7日に中西部のウィスコンシンとミシガン、9日に西部アリゾナ、ネバダと接戦の各州を遊説。バンス氏は同じ日程でペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンを回り集会や会見を開くと発表。ハリス氏らをマークして存在感を誇示する構えだ。
(ワシントン 大内清)


2024.08.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240806-VKJGAHC67NOUBI7WMX4SXWA6TU/
米司法当局、ハリス氏脅迫容疑で男訴追 「生きたまま火にくべる」

  米南部バージニア州の司法当局5日、大統領選に出馬した民主党のハリス副大統領を脅迫するメッセージをソーシャルメディアに投稿した疑いで、同州在住のA容疑者(66)を訴追したと発表した。

  容疑者は7月27日に「ハリス氏は生きたまま火にくべる必要がある。誰もやらないのなら私がやる」「大統領になろうとしたことを後悔することになる」などと投稿し、脅したとしている。
  これまでにバイデン大統領や連邦捜査局(FBI)のレイ長官らを脅迫の標的にしたこともあったという。FBIは8月2日に容疑者の自宅を家宅捜索し、ライフルや拳銃を押収した。
  米メディアによると、容疑者は同日逮捕された。(共同)


2024.08.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240805-MRAJAQM2OVPHPBUJASAD5ZCUDU/
ハリス氏、副大統領候補選定が最終段階 6日までに決定し、激戦州へ

  【ワシントン=坂本一之】11月の米大統領選の民主党候補に確定したハリス副大統領(59)4日、ランニングメート(伴走者)となる副大統領候補の最終選考を進めた。6日までに決定し、共に大統領選の行方を左右する7つの接戦州を回って支持獲得を図る予定だ。

  米メディアによると、ハリス氏は4日、有力候補と目される東部ペンシルベニア州のシャピロ知事(51)や中西部ミネソタ州のワルツ知事(60)、西部アリゾナ州選出のケリー上院議員(60)らと面談。シャピロ氏とケリー氏は接戦州の政治家で、票の積み増しが期待できる。
  また、3氏はいずれも白人男性。ハリス氏自身は主要政党で黒人・アジア系の女性としては初の大統領候補となる。このため、支持層を広げられるよう自身と異なる背景の人材を登用する狙いがありそうだ。
  シャピロ氏はペンシルベニアで高い人気を誇る。ケリー氏は海軍出身で元宇宙飛行士という異色の経歴を持ち知名度がある。ワルツ氏は地方の声を重視し、庶民派として知られる。
  ハリス氏は副大統領候補選定に際し、能力や自身との相性、価値観などを重視しているとされる。
  候補決定後、6~10日には、ペンシルベニアを皮切りにミシガンやアリゾナなどの激戦州を共に訪問し、支持拡大を狙う。
  一方、大統領選に共和党候補として出馬するトランプ前大統領(78)は4日、自身のソーシャルメディアで株価下落などを巡って、バイデン政権のナンバー2を務めるハリス氏を批判した。


2024.08.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240804-HNF34FQ7U5JH5IRWT336NXEYJ4/
9月10日討論会を要求 米大統領選でハリス氏

  米大統領選の民主党候補指名が確定したハリス副大統領3日、共和党のトランプ前大統領との討論会について、従来の合意に沿って9月10日にABCテレビ主催で実施するよう求めた。X(旧ツイッター)への投稿で「9月10日に会えることを願う」とした。トランプ氏は別の日程を主張しており、討論会が実現するかどうかは不透明だ。

  トランプ氏は今月2日に「討論会を9月4日に開催することでFOXニュースと合意した」とソーシャルメディアに投稿した。FOXニュースはトランプ氏寄りの報道で知られる。
  ABC主催の討論会についてトランプ氏は、バイデン氏が出馬していた段階で合意したもので、状況が変わったため「もはやなくなった」との見解を示した。
  トランプ氏は「いつでもどこでも討論を受けて立つ」と豪語
していた。ハリス氏はXで「『いつでもどこでも』が『特定の時間、特定の場所』になったのは面白い」と皮肉った。(共同)


2024.08.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240804-VNOXNWAMJVKQ7FJMG6DSB3BKEY/
ハリス米副大統領支える「KHive」って何者だ? 高齢者対決に嫌気、若者が動画拡散
(本間英士)

  米大統領選で民主党の大統領候補指名を確実にしたカマラ・ハリス副大統領(59)インターネット上で支持する人々を指す「KHive」(ケーハイブ)が勢いを増している多くは若者で、ハリス氏が笑ったり踊ったりする動画を交流サイト(SNS)で拡散し、ハリス氏支援を訴える11月の本選に向け米メディアも注目しているが、一部は過去に他候補らを執拗(しつよう)に攻撃した経緯もあり、暴走も懸念されている

ハリス氏待望論とともに「復活」
  KHiveがネット上に出現したのは前回2020年の米大統領選だ。米紙USA TODAY(電子版)によると、副大統領候補だったハリス氏を人種差別・性差別的な攻撃から守ることが目的だった。
  KHiveとは、人気歌手のビヨンセさんの熱狂的なファンを意味する「BeyHive(ビーハイブ)」と、ハリス氏のファーストネームの頭文字を合わせた造語とする説が有力だ。
  ただ、ハリス氏が21年に副大統領に就任してからは「ハリス氏の人気が下がり、最近までSNSからほとんど姿を消していた」(同紙)という。
  潮目が変化したのは今年6月下旬。テレビ討論会で精彩を欠いたバイデン大統領に対する不安とともに、ハリス氏への期待が再度高まった。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「彼女の支持者はますます声高に意見を主張するようになった。オンラインコミュニティーも再び活性化している」と報じた。
ヤシの木がハリス氏のシンボルに
  KHiveの主な層は、81歳のバイデン氏と78歳のトランプ前大統領という高齢者同士の対決に辟易していた若者たちだ。ハリス氏が大爆笑したり、即興で踊ったりする様子がツボにハマり、その動画を動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」といったSNSで拡散している。
  情報発信の際、ハリス氏のシンボルとしてココナツやヤシの木の絵文字を使うことも特徴だ。
  由来はハリス氏が昨年の演説で発した、かつて母親から言われたという「あなたはヤシの木から落ちたとでも思っているの?」との言葉だ。「若者は突然この世に生まれ落ちたわけではなく、先人とのつながりの上で存在している」との趣旨の発言だが、意味の分かりにくさも含めて若者は面白がっているようだ。
  この動きに有名人も呼応した。英ポップスターのチャーリーXCXさんは7月下旬、X(旧ツイッター)に「カマラこそbrat(悪ガキ)だ」と投稿した。bratは自身の最新アルバムのタイトルでもあり、若者世代の間では褒め言葉として使われている
  この発信は爆発的に拡散し、「いいね」の数は33万超。ハリス陣営も反応し、X公式アカウントの背景をアルバムジャケットと同じ黄緑色に設定した。
「不協和音」生む可能性も
  一方、KHiveの動向には懸念も残る。KHiveの一部は2020年大統領選の際、民主党内でのバイデン氏やハリス氏のライバルだったサンダース上院議員やその支持者らに対して攻撃を繰り返した。今回の大統領選でも「不協和音が起きる可能性」(NYT)が危惧されている。
  今回大統領選でのKHiveの投稿はSNS利用者のある種の「内輪ネタ」であるため、面白さを理解できない有権者も多い。盛り上がりが行き過ぎれば、KHive以外の人々の白けムードにもつながりかねない。また、現在の若者の熱気が11月の本選まで続くかも見通せない
  今回の大統領選は無党派層の動向が勝敗の鍵を握るとされる。ネット上の支持も重要視され、特に若者に人気の歌手、テイラー・スウィフトさんの発言が全米の注目を集めているのもそのためだ。NYTは「ポジティブなミーム(ネット上で流行する面白画像や動画)が自然に広まれば、候補者のイメージを高め、選挙活動を勢いづかせるのに役立つ」と指摘している。
(本間英士)


2024.08.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240803-EUZDPPQQRVIORM4DXOMMPSHMDU/
ハリス氏、米大統領選で世代交代訴えトランプ氏に対抗 現政権批判が向かう恐れも

  【ワシントン=坂本一之】11月の米大統領選に向け民主党の候補指名が確定したハリス副大統領(59)は、バイデン大統領(81)からの世代交代を訴え、共和党候補のトランプ前大統領(78)に対抗する構えだ。今後は政策論議を通じて、バイデン氏の路線継承に終わらない具体的な施策を打ち出すことが求められる。

  ハリス氏は2日、大統領選は「未来」を懸けたものだと強調した。高齢で大統領経験者のトランプ氏を「過去」として対比させ、支持拡大を図る戦略だ。自らが率いる政権の下で「自由や思いやり、法の支配の国に住みたいのか」、トランプ政権の下で「混乱や恐怖、憎しみの国に住みたいのか」と有権者に問うた。
  ハリス氏は政策面でバイデン路線を引き継ぐとみられる。人工妊娠中絶の権利擁護を前面に打ち出して無党派層への浸透を図り、民主党の支持組織である労働組合票を固めることにも躍起だ。医療や子育ての負担を軽減させる考えもアピールしている。
  ハリス氏は不倫口止め料を巡る会計不正処理事件で「有罪」となったトランプ氏を批判し、かつて検事だった自身との資質の違いを強調。黒人・アジア系で初の女性大統領を目指す立場を生かし、トランプ氏に引き寄せられる黒人やヒスパニック(中南米)系の支持奪回も目指す
  米ブルームバーグ通信などが7月30日に公表した接戦7州の世論調査ではハリス氏が勢いを見せる。バイデン氏が支持率でトランプ氏に負けていた西部のアリゾナやネバダでハリス氏が優勢となり、南部ジョージアでは同率となった。7州全体ではハリス氏が48%でトランプ氏を1ポイント上回る
  ただ、食品や住宅など物価高に対する有権者の不満は強く、批判がバイデン政権ナンバー2のハリス氏に向かうことも予想される。実績を出せなかった移民・国境対策も課題だ。厳しい政策を打ち出せば民主党左派が反発し、消極的な姿勢を示せば無党派層が離れるというジレンマもある。
  パレスチナ自治区ガザ情勢を巡っては、若者を中心にイスラエルを支援する政権への反発がくすぶっている。ガザでの被害が広がれば、票を失うこともありえる


2024.07.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240726-43GTT3R5KRIP7OLUTQMMMYLHLI/
ハリス陣営が初の公式動画公開 ビヨンセさんの人気曲を採用、「自由」を強調

  米大統領選で民主党候補指名を確実にしたハリス副大統領の陣営は25日、初の公式動画を公開した。音楽界のスーパースター、ビヨンセさんの人気曲「フリーダム」を採用。民主党の多様性をアピールしながら、人生を生きる上でさまざまな選択をする「自由」の重要性を強調する内容だ。

  1分19秒の動画で、ハリス氏自身がナレーションを担当。共和党のトランプ前大統領副大統領候補のバンス上院議員の映像を見せながら「米国が混沌、恐怖、憎悪の国であるべきだと考える人たちがいる」とし、「私たちは自由を選ぶ」と語ると、ビヨンセさんの「自由! 自由!」という力強いコーラスが入る
  黒人女性や労働者、多様性を示す虹色の旗の映像が続き、成功する自由や人工妊娠中絶を選ぶ自由、銃暴力に安全を奪われない自由などを訴えている。
  「フリーダム」は2016年に発表され、20年に広がった黒人差別への抗議デモのテーマ曲にもなった。(共同)


2024.07.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240726-ICXCTLNONRKCVLAV6OJZ757WKY/
トランプ氏とハリス氏、1ポイント差の接戦 NYタイムズの大統領選世論調査

  米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は25日、大統領選に関する最新の世論調査で、共和党候補のトランプ前大統領の全米での支持率は48%、民主党候補指名を確実にしたハリス副大統領は47%だと報じた。民主党のバイデン大統領は撤退前の調査でトランプ氏に6ポイント差をつけられていたが、ハリス氏が1ポイント差に迫る接戦になっているとした。

  バイデン氏が精彩を欠いた6月の候補討論会以降、民主党は苦しい戦いになっていたが、ハリス氏に候補が代わったことで同紙は「討論会での失敗前に状況が戻った」と指摘した。
  調査はハリス氏が民主党の候補指名争いに出馬表明した直後の22~24日に実施。民主党支持者の79%がハリス氏を指名すべきだと回答した。ハリス氏はバイデン氏が苦戦していた若年層と有色人種の支持を広げた。
  ロイター通信などの同時期の調査では、ハリス氏がトランプ氏を2ポイントリードしていた。(共同)


2024.07.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240722-JG7VZMKECJLFPEFMDWO5F4PCKA/
バイデン氏、米大統領選から撤退 党内圧力受け決断

  【ワシントン=坂本一之】11月の米大統領選で再選を目指していた民主党のバイデン大統領(81)21日、選挙戦から撤退することを決めた。自身のX(旧ツイッター)で発表した。バイデン氏を巡っては6月の候補者討論会で精彩を欠き、民主党内部から出馬辞退を求める圧力が強まっていた。2020年の大統領選に当選し、歴代最高齢で大統領に就任したバイデン氏だが、2期目を目指す中で異例の撤退に追い込まれた

  民主党は、大統領選で共和党のトランプ前大統領(78)と戦う新候補の選出を進める党内ではハリス副大統領(59)が自動的に大統領候補になることに異論もあり、曲折が予想される
 バイデン氏は、2期目入りを目指し、今年2月から民主党が各州で実施した予備選・党員集会で圧勝を続け、3月に党候補指名を確実にした。
  だが、6月の候補者討論会でトランプ氏の発言に十分に反論できない場面が相次ぎ、言葉に詰まる様子も目立った。自身は討論会後も再選への意欲を繰り返し表明したが、大統領選でトランプ氏に敗れるとの懸念はぬぐえなかった
  今月13日にはトランプ氏が標的となる銃撃事件が発生。共和党は15~18日の全国党大会で結束を演出して気勢が上がる一方、民主党内ではバイデン氏勝利を疑問視する声が強まった。


2024.07.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240719-5HQZ4UBCTNOAHL3OWKFIGEO5KI/
バイデン氏、近く撤退決断の可能性 ペロシ元下院議長が見解 米紙報道

  【ワシントン=坂本一之】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は18日、民主党重鎮のペロシ元下院議長が同党の複数の議員に対し、バイデン大統領(81)が11月の大統領選からの撤退を近く決断する可能性があるとの見方を示したと報じた。

  再選を目指してきたバイデン氏だが、6月に共和党のトランプ前大統領(78)と行った討論会で精彩を欠き、高齢不安から民主党内で撤退論が噴出している。
  NBCニュースは18日、オバマ元大統領がバイデン氏の選挙戦継続に「懸念」を持っていて、トランプ氏が勝利することは「難しくなっている」とみていると報じた。ワシントン・ポストは、オバマ氏が側近に対し撤退を真剣に検討する必要があるとの考えを示したと報じている。
  CNNテレビによると、民主党の知事の一人は、バイデン氏の進退を巡る議論について「72時間(3日間)が非常に重要だ」と語った。


2024.07.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240718-CVAXXUCN6NJYXCZTOLRJPPZQPI/
バイデン氏が新型コロナ感染 ホワイトハウス発表、米民主党重鎮から大統領選撤退要求も

  【ワシントン=坂本一之】米ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官17日、バイデン大統領が新型コロナウイルス検査で陽性になったと発表した。

  鼻水などの軽い症状があるが、大統領としての職務は継続する。地元の東部デラウェア州で自主隔離しながら職務を行う。ホワイトハウスはバイデン氏の状況について定期的に情報を公表するとしている。
  バイデン氏を巡っては、高齢不安から11月の大統領選からの撤退を求める声が同じ民主党内から出ていて17日には党重鎮のシフ下院議員が出馬辞退を求めた。


2024.07.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240717-WZ5GIBIO4VKGPHIYXUH6ORV6OM/
米共和党大会でヘイリー氏演説「トランプ氏の政策に100%賛同する必要はない」結束演出

  【ミルウォーキー=大内清】11月の米大統領選に向け、共和党が中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催中の全国大会は16日、2日目に入った。正式に候補者指名を受けたトランプ前大統領(78)が前日に続いて会場に登場。トランプ氏と予備選で争ったヘイリー元国連大使らが演説を行い、党内の結束を演出した。

  予備選でトランプ氏への不満票の受け皿となり存在感を示したヘイリー氏当初、大会に招待されていなかった。しかし、13日に東部ペンシルベニア州で起きたトランプ氏への銃撃事件を受け、トランプ氏が従来の対決的な表現を抑制して結束を訴える方針を示したことで、一転して大会参加が決まった
  ヘイリー氏は演説で「私はトランプ氏を支持する」と断言「トランプ氏に投票するのに、その政策に100%賛同する必要はない」と語り、トランプ氏の政治手法や人柄を嫌う層に、本選でのトランプ氏への投票を呼びかけた
  またヘイリー氏は、民主党のバイデン大統領(81)はロシアやイランなどの敵対国家を押さえ込むことができていないと批判し、トランプ氏の強い指導力が必要だと主張。会場内でヘイリー氏の演説に立ち会ったトランプ氏は満足げな笑顔を浮かべ、拍手を送った。
  16日はこのほかにも、予備選に参戦した南部フロリダ州のデサンティス知事や、インド系投資家のラマスワミ氏も登壇しトランプ氏への支持を改めて強調した。


2024.07.17-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240717-MAEGZKSCEJJ75BFY2P4GYSJTC4/
党大会前のバイデン氏早期指名計画に反対 一部下院議員「党大会まで議論を」

  11月の米大統領選を巡り民主党内で、8月19~22日の党大会前にオンライン投票でバイデン大統領を党候補に正式指名しようとする計画反対する動きが表面化している。下院議員の一部は高齢不安を抱えるバイデン氏の撤退論を早期に封じる狙いだと計画を非難した。米メディアが16日報じた。

  議員らは共和党のトランプ前大統領に勝てる候補の選出に向け、党大会まで議論を尽くすべきだと訴えている。
  大統領選では党大会で候補を指名するのが通例だが、民主党全国委員会は5月、前倒しを発表した。オハイオ州では投票用紙に氏名を載せる手続き期限が8月7日となる中、共和党が優勢な州議会が変更を認めないためだと理由を説明した。
  ただこの後、共和党側は期限を民主党大会後に設定することに同意した。(共同)


2024.7.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240716-G4OPU4AUMRFP3OH7SLDTTC7H3M/
トランプ氏「星条旗と拳」写真 「英雄待望の米国人つかむ」「まるで宗教画」 欧州も震撼
(三井美奈)

  米大統領選で、演説中に銃撃されたトランプ前大統領が星条旗を背景に拳を振り上げた姿の写真は、世界中に報じられた劇的な一瞬に、欧州メディアは「ヒーローを待望する米国人の心をつかんだ」「まるで宗教画」と衝撃の大きさを伝えた。左派共闘の象徴だった「拳」のイメージを変えたという指摘も出た。

  フランスではフィガロ紙が15日付け社説で、トランプ氏の姿を「闘技場に立つ剣闘士」と評した。古代ローマで、死闘を制した戦士が観衆の声援を一身に浴びる姿になぞらえた。13日の銃弾事件でトランプ氏は、血のついた顔で観衆の声援にこたえた。
  パリジャン紙は16日付社説で「米国人はヒーローを求めている」として、事件は大統領選の転機になると明記した。2001年の米中枢同時テロなど米国が経験した危機を振り返り、「米国人はテレビの前で震撼すると、即座にみんなで愛国主義に走る」と論評。政治的嗅覚に優れたトランプ氏は共和党大会で、国民の結束を呼び掛けるだろうと予測した。
独誌「左派共闘のシンボル奪った」
  ドイツ紙ウェルトは、トランプ氏「劇場効果の天才」と評した。九死に一生を得た瞬間、シークレットサービスが避難させようとするのに抵抗し、拳を突き上げた判断力に注目した。トランプ氏は死線を越えてより強力になったとして、「米国人の多くは凋落を恐れており、まさにこういう力を求めている」と論じた。
  一方、独誌シュピーゲルは拳のイメージ効果に注目した。革命や左派共闘の歴史的シンボルだったのに、「皮肉なことに、白人の金持ちで、少数派の権利擁護に否定的なトランプ氏が奪いとった」と嘆いた。1968年のメキシコ五輪で米黒人選手が表彰台で拳を突き上げて人種差別に抗議し、トランプ政権時代に広がった「ブラック・ライブズ・マター」(黒人の命は大切)運動でも拳は連携の象徴だったと振り返った。同誌はまた、バイデン大統領が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で示した拳は弱々しかったと比較し、「高齢者の『拳対決』、おそらく選挙戦でも勝者がはっきりした」とも記した。
英紙「キリストの血」に重ねる
  英紙ガーディアンは15日に論説で、トランプ氏の流した血は、写真に宗教画のような効果を生んだと指摘した。トランプ支持者たちは「彼はキリストのように自己犠牲を払い、復活した」と思うだろうとして、大統領選の政策論争を超えて、有権者の心をつかむ力を持つと論じた。米国では、トランプ氏の拳ポーズを入れ墨する動画をSNSで発信する支持者も出てきた。ポーズ写真をプリントしたTシャツも製造されているという。拳はトランプ氏のシンボルとなりつつある。
(三井美奈)


2024.07016-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240716-O63CJVX4MJICHHYBVSJVGFP3IM/
トランプ氏、共和副大統領候補にバンス上院議員指名 路線継承も視野

  【ミルウォーキー(米中西部ウィスコンシン州)=大内清】11月の米大統領選で返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領(78)15日、自身の交流サイト(SNS)で、副大統領候補にJ・D・バンス上院議員(39)=オハイオ州選出=を指名すると発表した。

  バンス氏は、白人労働者層出身の生い立ちなどをつづったベストセラー『ヒルビリー・エレジー』の著者。上院議員としては2022年中間選挙で当選したばかりの1期目ながら、一定の知名度がある。トランプ氏の長男ジュニア氏と親しい間柄で、指名にはジュニア氏からの強い後押しがあったと指摘される。
  トランプ氏としては、自身の路線を継承する次世代のリーダーとしてバンス氏を育てる考えもありそうだ


2024.07.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240711-ZY5FXGORJVNIJID7FAESJRKVBQ/
人気俳優のジョージ・クルーニーさん、大統領撤退を要請 重鎮ペロシ氏も再考促す

  米大統領選を戦い抜く構えの民主党のバイデン大統領(81)に対し、支持者の人気俳優ジョージ・クルーニーさんは10日、バイデン氏では11月の本選で「勝てない」として撤退を要請した。党重鎮のペロシ元下院議長も「時間がなくなってきている」としてバイデン氏に再考を促した。高齢不安は収まらず、混迷が深まっている。

  バイデン氏の資金集めの集会を先月に共催したクルーニー氏は、ニューヨーク・タイムズ紙電子版への寄稿で「集会で見たバイデン氏は4年前の姿ではなく、討論会で見た通りの人間だった」と吐露。個別に話した議員の全員が、共和党のトランプ前大統領(78)には勝てないと考えていると明らかにした
  撤退には混乱が伴うと認めながら「民主党には他にも有権者の心を躍らせるような候補がいる」とし、ハリス副大統領や東部メリーランド州のムーア知事などを挙げた(共同)


202407.07-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240707-U63HH2QMHZDV5CTDEKW6A47URA/?outputType=theme_weekly-fuji
トランプ氏と戦える有力候補なし 米大統領選「バイデン降ろし」加速 峯村健司
(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員 峯村健司)

  11月の米大統領選に向けた、民主党のジョー・バイデン大統領(81)と、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)との第1回テレビ討論会が6月27日開かれた。筆者が確認しただけでも、バイデン氏は10回せきこみ、途中で言葉を失うこともあった。壇上を昇り降りする足下もおぼつかなかった。
  筆者はワシントン特派員時代に、副大統領だったバイデン氏を直接取材したことがある。当時は大きな身ぶり手ぶりを交えてユーモアを挟みながら、時に眼光鋭く相手を論破することもあった。だが、当時の面影はもはやない。体力と認知能力の衰えは火を見るよりも明らかだった

  討論会後の米紙USAトゥデーの世論調査をみれば、バイデン氏の劣勢は鮮明となった(カッコ内は前回5月の調査)。
  バイデン氏38%(37%)・・・トランプ氏41%(37%)
  バイデン氏は翌28日、南部ノースカロライナ州で開いた選挙集会で演説をした。 「私は以前ほど楽に歩けない。以前ほどスムーズにも話せない。議論も以前ほどうまくはできない。だが、真実を伝える方法は知っている。そして、この仕事をどうこなせばよいのかも分かっている」  前日とは打って変わり、20分間の演説で拳を突き上げながら、選挙戦を続けていくことを宣言した。  だが、民主党内の動揺は収まらなかった。
  ロイド・ドゲット下院議員(テキサス州選出)は7月2日、バイデン氏に大統領選からの撤退を求める声明を出した。バイデン氏に撤退を求める準備をしている民主党下院議員は25人に上るという。一部の献金者も撤退を求めている。米紙ニューヨーク・タイムズは3日、バイデン氏が選挙戦を継続する可否を検討していると側近に伝えたと報じた。
  再選を目指した大統領が立候補を断念したケースはこれまでもあった。1968年の大統領選で、リンドン・ジョンソン大統領が再選を目指したものの、勝ち目がないと判断して選挙戦を離脱した。  今後、「バイデン降ろし」の動きは加速する可能性がある。代わりの候補者として、カマラ・ハリス副大統領のほか、ピート・ブティジェッジ米運輸長官、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事らの名前が挙がっている。 だが、世論調査を見ると、いずれの候補もトランプ氏と一騎打ちになった場合、支持率は下回っている
  筆者が3日、意見交換をした民主党関係者は、今後の見通しについてこう語った。
  「バイデン氏では選挙戦を乗り切るのは難しいことは党内で共通認識となっているが、他の有力な候補者も見当たらない。まさにデッドロック(行き詰まり)に陥っている」 
(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員 峯村健司)


2024.07.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240704-MVT7XTXL2VKETIHUT4TEKGBEPM/
バイデン氏の米大統領選撤退は「絶対にない」と報道官 今後数日間での国民納得がカギ

  【ワシントン=渡辺浩生】米紙ニューヨーク・タイムズとCNNテレビは3日、バイデン大統領(81)が周辺の協力者に対し、激戦州での集会やテレビインタビューなど今後数日間の政治日程を通じ、大統領職の遂行能力を国民に示し納得を得ることが選挙戦継続の重大なカギとなるとの認識を語ったと報じた。

  衰えをみせた6月27日の討論会以降、民主党内の撤退論は収まらず、同党のグリハルバ下院議員が3日、「バイデン氏が候補なら支持するが、別に目を向ける機会だ」と述べた。米メディアによると、同党議員による撤退要求は前日のドゲット下院議員に続き2人目。ブルームバーグ通信は3日、同党の下院議員数十人がバイデン氏に撤退を求める書簡を出すことを検討していると報じた。
  ただし、ジャンピエール大統領報道官は3日の記者会見で、バイデン氏が撤退する可能性は「絶対にない」と否定した。
  バイデン氏は3日、ホワイトハウスで民主党州知事ら25人との会合で選挙戦継続を訴えた。終了後、全国民主党知事会会長のウォルツ・ミネソタ州知事は記者団に「11月の選挙に勝利する道を確実にするため一致協力することが大統領の最優先事項だ」と述べ、候補としてバイデン氏を支持すると表明した。
  バイデン氏は5日にABCテレビのインタビューに応じ、中西部ウィスコンシン州を訪問。7日には東部ペンシルベニア州を訪れる。9~11日にワシントンで北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が開催され、主要同盟国首脳らを迎える。
  バイデン氏は一連の日程を通じ、共和党のトランプ前大統領(78)との選挙戦を勝ち抜く意思と能力を訴え、高齢や認知機能をめぐる不安払拭を図るとみられる。

  しかし、米紙ウォールストリート・ジャーナルが3日報じた最新世論調査によれば、有権者の80%がバイデン氏について「再出馬するには高齢すぎる」と回答。支持率ではトランプ氏が48%とバイデン氏を6ポイント上回る結果となった。調査は討論会終了後の6月29日~今月2日に実施された。
  一方、バイデン氏が2日の集会で、複数の欧州外遊による疲労の蓄積で「(討論会の)ステージの上で眠りそうになった」と語ったことについて、ジャンピエール報道官は「時差ぼけやかぜ」が討論に影響したとの認識を示した。


2024.07.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240703-DAEQ7QTYTZJPFJ4GV3DZBHIAZE/
米民主党 大統領選でバイデン氏の進退巡り分裂 下院議員が撤退要求

  【ワシントン=坂本一之】米民主党のドゲット下院議員2日、大統領選で再選を目指す同党のバイデン大統領(81)に撤退を求める声明を発表した。民主党の連邦議員が公に撤退を要求するのは初めて。一方、2016年大統領選で民主党候補指名を目指した急進左派の中心的存在であるサンダース上院議員は、バイデン氏と連名で寄稿文を発表し連携姿勢を示すなど、党関係者の中で意見の分裂が起きている。

  ドゲット氏は声明で、バイデン氏が6月27日の候補者討論会で共和党のトランプ前大統領(78)の「噓を暴けなかった」と指摘。「多くの政策実績」も示せず、劣勢にある支持率の挽回につながらなかったとして、「困難な決断を望む」と撤退を要求した。米メディアによると、民主党関係者の中には週内の撤退表明を求める声もあるという。
  一方、サンダース氏は2日、米紙USAトゥデー(電子版)にバイデン氏と連名で、製薬会社に対し処方薬の大幅な価格引き下げを求める寄稿文を掲載。価格が引き下げられるまで「休んではいけない。共に前進しよう」と述べ、今後も政策実現で協力していく姿勢をアピールした。
  党内に大きな影響力を持つオバマ前大統領も討論会翌日の28日、自身のX(旧ツイッター)でバイデン氏を擁護。「今回の大統領選は、庶民のために奮闘してきた人物(バイデン氏)と、自分のことしか考えていない人物(トランプ氏)の選択であることに変わりはない」と書き込んだ。メッセージにはバイデン陣営のホームページのリンクも貼り付けられた。
  米CNNテレビが討論会後に実施した2日公表の世論調査では、大統領選でバイデン氏とトランプ氏のどちらに投票するか問う質問で、バイデン氏を選んだ人が前回の4月調査と同じ43%。トランプ氏も4月と同じ49%で、両氏の間の支持率に変化はなかった
  ただ、民主党がバイデン氏以外の人物を候補にした方が勝利する可能性が高いと回答した人は75%に達した。民主党支持者と民主党寄りの無党派も56%が別の候補の方が勝算が高いと考えている


2024.06.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240624-BT73ZNI6AVDS7P4UE47JGJG7DE/
米トランプ陣営に120億円 最大支援者の富豪、大統領選でバイデン氏対抗馬に献金連発
(三井美奈)

  米大統領選で共和党の候補指名を確実にしたトランプ前大統領
の支援団体に対し、名門財閥の富豪が5000万ドル(約80億円)を献金した。連邦選挙委員会の開示資料で明らかになった。米メディアによると、今回の大統領選で特定候補を支える個人献金としては最高額という。 この富豪はティモシー・メロン氏(81)。メロン財閥出身で現在は西部ワイオミング州に住み、トランプ氏を支える特別政治活動委員会(スーパーPAC)に献金を続けている。

  今回の大口寄付が行われたのは5月31日。トランプ氏の「不倫口止め料」を巡る訴訟で、ニューヨーク州地裁の陪審団が有罪評決を出した翌日にあたる。メロン氏のトランプ陣営に対する献金は総額7500万ドル(約119億円)に達した。
  メロン一族は、ロックフェラー、モルガンと並ぶ米3大財閥のひとつだ。米誌フォーブスによると、メロン家の推計資産は総額141億ドル(約2兆2420億円)にのぼる
名門財閥出身、移民対策を重視か
  メロン氏は20世紀、共和党政権で恐慌対策を担ったアンドリュー・メロン財務長官(1855~1937年)の孫にあたる飛行機操縦が趣味で、1991年に名門航空会社パンアメリカン航空(パンナム)が倒産した後、ブランド使用権を取得した。これまで、南部テキサス州のメキシコ国境への壁建設など、移民規制の政策や訴訟に寄付してきたという。近く自伝を出版する予定だ
  連邦選挙委によると、メロン氏は今年4月までに大統領選の無所属候補ロバート・ケネディ・ジュニア氏陣営にも計2500万ドルを寄付した。トランプ陣営への寄付とあわせ、総額1億ドル(約159億円)を大統領選に投じたことになる

  米国では、候補者の選挙運動を行うPACについて、個人献金は年間上限5000ドルと定められているスーパーPACは表向きは候補者から独立し、献金額の上限がないため、大口献金の受け皿になっている。テレビ広告で他候補を中傷するネガティブキャンペーンなどを担う
(三井美奈)


2024.06.07-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240607-Z2XZAGTWHVN6XAHUGR5MWF6L3E/
バイデン氏、次男ハンター氏が有罪でも恩赦せず 米大統領選対決のトランプ氏と違い示す

  バイデン米大統領は6日放映のABCテレビのインタビューで、薬物依存を申告せず銃を購入したとして起訴された次男ハンター氏が有罪評決を言い渡されたとしても受け入れ、恩赦しないと改めて明言した。11月の大統領選で再対決するトランプ前大統領は在任中、有罪となった側近に恩赦を与えており、対応の違いを示した。

  トランプ氏は不倫口止め料を不正に会計処理したとして自身が有罪評決を先月受けたことに反発している。バイデン氏は、トランプ氏が法の支配を「台無しにしている」と批判した。(共同)


2024.05.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240525-PXAK5JYBNFJUNKNZ5NZGSA7HQU/
トランプ氏の副大統領候補にコットン議員が浮上 若手の保守強硬派、イラクで従軍経験も

  米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は24日、11月の大統領選で共和党の候補指名を確実にしたトランプ前大統領(77)が、選挙戦で二人三脚を組む副大統領候補に、党の若手ホープで保守強硬派のトム・コットン上院議員(47)を検討していると報じた。トランプ氏の考えを直接知る関係者3人の話だとしている。

  コットン氏は南部アーカンソー州選出。外交・安全保障政策で「力による平和」を掲げるトランプ氏と関係が近く、トランプ前政権で国防長官や中央情報局(CIA)長官の候補に名前が挙がったことがある。イラクやアフガニスタンでの従軍経験もある。
  トランプ氏は7月15~18日に中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれる共和党大会の前に副大統領候補を決める考えを示している。(共同)


2024.05.10-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240510-LEBQV7E7TZPU3FIAS35VK3OQOQ/
トランプ氏の三男、18歳のバロン氏が政界進出か フロリダ州代議員に選出

  米南部フロリダ州共和党は8日、トランプ前大統領の三男バロンさん(18)を同州代議員の1人に選出した。州の代表として、トランプ氏を共和党の大統領候補に指名する7月の党全国大会で投票する。NBCテレビは、政界進出に向けた動きだと報じた

  長男ジュニア氏(46)、次男エリック氏(40)、次女ティファニー氏(30)らも州代議員に選ばれている。  トランプ氏と3番目の妻メラニア夫人の間に生まれたバロンさんは来週に高校を卒業する。トランプ陣営関係者はバロンさんが「政治に関心を持っている」と述べた。
  トランプ氏は7月15~18日に中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれる共和党全国大会で正式指名され、民主党のバイデン大統領と11月5日の本選で対決する。トランプ政権で大統領補佐官を務めたトランプ氏の長女イバンカさん(42)は政治と距離を置いている(共同)


2024.05.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240505-5BOS5FHVORIQRAH7WKXNV7KSH4/
米大統領選、トランプ氏再選なら「好影響大きい」は1社のみ 1割余は「悪影響大きい」
(福田涼太郎)

  11月の米大統領選でトランプ前大統領が再選した場合の影響について、主要企業110社のうち「好影響の方が大きい」考える企業は1社にとどまることが5日、産経新聞の企業アンケートで分かった多くの企業が影響を測りかねる一方、1割余りが「悪影響の方が大きい」と回答。再選を明確に「マイナス」と捉える企業の方が多い状況が明らかになった

  アンケートは4月上旬~下旬に実施。110社から回答を得た。
  米大統領選でトランプ氏が返り咲いた場合の期待や懸念など事業への影響を尋ねたところ、多い順に「分からない」32%無回答28%「どちらとも言えない(プラスとマイナスが同程度)」27%-と明確に見通せない企業が多かった。一方で「悪影響の方が大きい」は11%に上り、「好影響の方が大きい」(1社)を大きく上回った
  トランプ氏はバイデン政権の政策を転換する方針を表明しており、保護主義的な姿勢を強める公約を多く掲げている
  特に環境・エネルギー分野では、自身の1次政権時に脱退し、後継のバイデン政権で復帰した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から再び離脱する方針世界の脱炭素に向けた機運にブレーキがかかるとみられ、日本企業の取り組みにも影響する可能性がある。
  実際、トランプ氏の再登場時に関心対象となる政策分野(複数回答可)は、環境・エネルギー規制が51%で最多だった。次いで対中国政策49%関税政策46%ウクライナ支援27%移民や外国人の入管政策13%-となった。同氏は対中強硬姿勢や関税の強化もうたっており、中国事業や対米輸出を手掛ける企業の警戒心もうかがえる
  一方、「好影響の方が大きい」と回答した1社(金融・保険業)は、トランプ氏が掲げる政策について「金融市場、ひいては実体経済においても好影響を及ぼす蓋然性が相応にある」とした。(福田涼太郎)


2024.04.27-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240427-MCCYUYHW3ZJTBEH64IF3PYCSPY/
バイデン氏、トランプ氏と討論へ 「今すぐやろう」参加明言

  バイデン米大統領26日、11月の大統領選で再対決するトランプ前大統領との候補者討論会に参加すると述べた。これまで参加するかどうか明言を避けてきたが「喜んで討論する」とラジオ番組で語った。トランプ氏はソーシャルメディアに「今すぐやろう。どこだって行く用意がある。何だったらホワイトハウスでもいい」と投稿した。

  討論会は9月以降に予定されている。共和党のトランプ氏は同党候補指名争いで討論会を全て欠席したが、民主党のバイデン氏との討論には強い意欲を示している自身の法廷闘争が本格化する中、捜査は不当だと印象付ける狙いもあるとみられる。
  バイデン氏は人気ディスクジョッキー、ハワード・スターン氏のインタビューで討論会に参加する考えを示し「時期は分からない」とした。バイデン陣営はトランプ氏が討論会の規則に従わない可能性があるなどとして参加表明を控えてきた。(共同)


2024.04.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240417-532GUU63RRPB3JTMDDWTR37LEA/
トラス英前首相がトランプ氏支持を表明 「世界には強い米国が必要」、英米保守連帯を模索

  【ロンドン=黒瀬悦成】トラス前英首相は15日、英BBCニュースの番組に出演し、11月の米大統領選で共和党候補指名を確実したトランプ前大統領を支持すると表明した。 トラス氏は今月16日発売の回顧録でトランプ氏を称賛したほか、2月に米ワシントン近郊で開かれたトランプ支持派主催の「保守政治行動会議」(CPAC)の会合に出席しているが、大統領選で同氏の支持を打ち出すのは初めて

  トラス氏が属する保守党は年内にも実施の英総選挙で苦戦が予想される。党内では同氏ら強硬右派を中心に、トランプ人気にあやかって英米の右派勢力の連帯を図り、従来の穏健保守路線からの脱却を図るべきだとの声が強まっている。
  トラス氏は、世界情勢に関し「非常に深刻な紛争の瀬戸際にある」と指摘し、「これまで以上に強い米国が必要とされる」と述べた上で、トランプ氏の在任中は「世界がより安全だった」と主張。イランと中国への対応でもトランプ氏はより強硬だったとした。
  トラス氏は2022年に首相に就任し、経済活性化を目指して大型減税方針を発表したが、財源不足への市場の強い懸念から通貨ポンドの急落を引き起こし、英史上最短となる就任から49日で辞任した。
  トラス氏は、2月のCPACの会合で当時の混乱について「ディープステート(闇の政府)」を構成する支配層が現状維持を図るため、自身を首相の座から放逐したのだと主張した。
  BBCの番組でもトラス氏は「誰もが全責任は私にあると非難し中傷した」としつつ、責任の多くは減税策を妨害したイングランド銀行(英中央銀行)と独立評価・監視機関の予算責任庁にあると反論するなど、既存の英体制への対決姿勢を改めて鮮明にした。


2024.04.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240406-HTFCMDFAEZKWJB5EOK5VWACFRI/
トランプ氏の妻メラニアさん、選挙運に「参戦」 20日の資金集め集会出席へ

  【ワシントン共同】11月の米大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領の妻メラニアさんが、20日に南部フロリダ州で開かれる資金集めの集会に参加する見通しだ。米メディアが5日報じた。これまで選挙運動と距離を置いてきたメラニアさんの「参戦」に注目が集まっている。

  集会は共和党を支持する性的少数者の団体が主催トランプ氏の私邸マールアラーゴで開かれ、側近らも出席する。民主党支持が多い性的少数者の票の取り込みを図る。
  大統領選でパートナーが果たす役割は小さくない。再選を目指すバイデン大統領の妻ジルさんが積極的に活動しているのと対照的に、メラニアさんはトランプ氏の集会に参加してこなかった1月に母親を亡くした影響もあるとみられる。
  トランプ氏の家族では、大統領補佐官を務めた長女イバンカ氏が選挙運動とは距離を置く考えを明らかにしている


2024.04.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240402-6JFIPWESEFJ3FMKK4IMEUHVB5E/
トランプ氏「撤退」と冗談 エープリルフール

  11月の米大統領選で返り咲きを目指すトランプ前大統領は1日「選挙戦を中断する」との件名のメールを支持者に送信し、撤退をほのめかした。本文で「ただの冗談だ。楽しいエープリルフールを過ごして」と記した。米メディアが報じた。

  トランプ氏は2020年大統領選に続き再対決するバイデン大統領を「ペテン師」だと批判し「われわれの偉大な国を破壊するのを傍観しているわけにはいかない」として、支持者に献金を呼びかけた。
  トランプ氏は民事、刑事双方で訴訟を抱え、資金繰りが厳しい選挙資金集めでバイデン氏に差をつけられており、巻き返しを図ろうと耳目を集めるメールを送ったとみられる。
  メールでトランプ氏は、バイデン政権下で不法移民が増加し、インフレも悪化したと非難。「米国民のために闘うことをやめるわけにはいかない」とした。(共同)


2024.03.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240327-3AS7IGR5JNLHPBDZ7KNBELHPP4/
ケネディ氏、38歳女性の副大統領候補で高齢者対決に対抗 「私は壊し屋」

  【ワシントン=渡辺浩生】11月の米大統領選に無所属で出馬したロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)は26日、副大統領候補に女性弁護士のニコール・シャナハン氏(38)を起用したと発表した。民主党のバイデン大統領(81)と共和党のトランプ前大統領(77)の高齢者対決に幻滅する若者や無党派を念頭に、第3極候補としての戦略を打ち出した。

  「私がバイデン氏とトランプ氏に対するスポイラー(壊し屋)であることに同意する」ケネディ氏はこの日、西部カリフォルニア州オークランドの集会で、バイデン氏陣営がケネディ氏をトランプ氏再選に道を開く「スポイラー」と攻撃するのを逆手にとって、対決姿勢を鮮明にした
  シャナハン氏を選んだ理由には「ますます多くのミレニアルとZ世代の米国民が未来への信頼と国への誇りを失った」ことが根底にあるとした。「若者からみれば、憎み合うバイデン氏とトランプ氏は表裏一体だ」と述べ、「真の変化を望むならリスクをとってケネディチームに参加を」と呼びかけた。
  シャナハン氏はカルフォルニア州出身で、母親は中国移民。グーグルの共同創業者サーゲイ・ブリン氏の元妻で、企業家として環境や医療問題に取り組む。2020年の大統領選でバイデン氏陣営に献金したが、シャナハン氏は集会で「民主党から決別する」と表明。巨大産業界と公権力の癒着から「中間層を守る」と訴えるケネディ氏に共鳴したとし、一緒に「米国を癒す道を進む」と訴えた。
  政治サイト「ザ・ヒル」によると、世論調査の平均支持率はトランプ氏41・3%、バイデン氏39%、ケネディ氏9・9%バイデン陣営はケネディ氏に警戒感を抱く。民主党全国委員会(DNC)はケネディ氏の集会直後にビデオ記者会見を開き、同州選出の下院議員が「反ワクチン、反科学‥公衆衛生を傷つける偽情報を流す陰謀論者」と批判した。 
  ケネディ氏は弁護士として、ワクチンをめぐる科学的合意に反する言動を続けてきたとされる。バイデン氏を支持する他のケネディ一族からは「異端児」扱いされ、米主流メディアも懐疑的な報道が目立つ
  本選の最大障壁は、州によって手続きが異なる候補者登録だ。無所属や第3政党候補を投票用紙に載せるには有権者の署名を義務付ける州も多い。陣営によると、西部ユタ州で登録が完了し東部ニューハンプシャー、西部ネバダ州で必要な署名を集めた。副大統領候補の発表には、他州での署名に弾みをつける狙いがある。米紙によると、民主党はケネディ氏の候補者登録を無効化する「法的攻勢」に着手した


2024.03.17-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240317-56F4JB2C7VBKPOKM5BLPB4WCUU/?outputType=theme_weekly-fuji
トランプ大統領誕生なら「台湾有事に手出さない」 河野克俊氏、衝撃的見立て 長谷川幸洋
(長谷川幸洋)

  11月の米大統領選に向けた民主、共和両党の指名候補争いで、民主党はジョー・バイデン大統領(81)が、共和党はドナルド・トランプ前大統領(77)が、候補者指名に必要な代議員数を確保した。今後は、本選でのスイング・ステート(激戦州)を中心とする本格的な選挙戦となる。こうしたなか、世論調査で先行するトランプ氏の「台湾認識」が注目されている。「台湾有事は日本有事」と言われるが、トランプ氏がホワイトハウスに凱旋(がいせん)した場合、「自由」「民主」「人権」「法の支配」という基本的価値を共有する台湾を守り切るのか。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、河野克俊元統合幕僚長に緊急インタビューした。
  米大統領選は、トランプ氏が、バイデン大統領に対して、優勢に戦いを進めている。もしも、トランプ氏が復活すれば、台湾情勢はどうなるのか。私はニコ生番組「長谷川幸洋Tonight」で、元統合幕僚長の河野氏にインタビューした。河野氏の見立ては衝撃的だ。
河野発言を紹介しよう
―習近平国家主席の中国が台湾に侵攻するなら、どんな形になるか
  河野氏「中国は米国の影響力をアジアから追い払いたい。従って、中国は九州から南シナ海に至る第1列島線の内側を絶対に固めなくてはならない。ただし、中国にとって台湾問題は出口ではなく、入り口だ。台湾を奪った後に、米国との本格的対決になる」
―なるほど
  河野氏「そう考えれば、核を使った米国との全面戦争など考えるわけがない。台湾政庁だけをとればいい。フェイクニュースを流し、サイバー攻撃をしたり、おそらく空挺(くうてい)部隊も使うだろう。政庁を占拠して(5月に就任する)頼清徳総統を拘束し、傀儡(かいらい)政権を立てる。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナで狙った作戦だ」
―中国は武力侵攻ではなく、海上封鎖や臨検をする、という見方もある
  河野氏「海上封鎖や臨検は『台湾をゆっくり締め上げる』という話だ。それでは、米国に時間を与えてしまう。国連も動くだろう。習氏はそれを望まない。『やるなら一気呵成(いっきかせい)に』という話だ。1週間以内で完結する作戦を考えているのではないか」
―米国はどう出るか
  河野氏「トランプ氏が大統領になったら、『中国が台湾に手を出せば、許すわけがない』という人もいる。だが、彼は理念の人ではなく、利害の人だ。私は『トランプ氏は手を出さない可能性が高い』と思う」
岸田政権では対応できない
―なぜ、そう考える?
  河野氏「2017年からの米朝交渉では、決裂したら、彼は北朝鮮に興味を失ってしまった。北朝鮮が変則軌道のミサイルを撃っても、『どこでもやっている』と許容した。北朝鮮に核を放棄させる理念ではなく、『屈服されれば、自分の得点になる』と思ってやっていただけだ」「あの行動をみると、台湾で何かが起きても、『米国に何の関係があるのか。日本の問題だ』と言い出しかねない。おそらく、習氏もそうみているだろう」
―大統領選候補だった実業家のビベク・ラマスワミ氏は「2028年までは台湾を守るが、その後は事情が変わる」と言っていた。台湾の半導体工場を米国に移すからだ。トランプ氏も同じ考えだろうか 河野氏「その可能性は大ですね」 以上である。

  ラマスワミ氏は「ミニ・トランプ」と言われ、もともとトランプ氏の考えに近い。2月の保守政治行動会議(CPAC)で実施された世論調査では、サウスダコタ州のクリスティ・ノーム知事と並んで、いまや副大統領候補の筆頭に挙げられている。
  トランプ政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏も、最近のインタビューで「トランプにとって重要なのは、いつでも自分自身なのだ」と指摘している。同氏は「2期目のトランプは北大西洋条約機構(NATO)から脱退する」とも語っている。
  トランプ氏が大統領に復活し、NATOからは脱退、台湾も守らないとなったら、日本はどうなるか。米国の核に日本の平和と安全を依存しながら、「核なき世界」を唱えるような偽善と矛盾に満ちた岸田文雄政権では、とうてい対応できないだろう。

長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
  ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。


2024.03.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240316-KLQQXDHX4JOSDAD27RTGO575SI/
「良心にかけてトランプ氏に投票しない」 ペンス氏が不支持表明 2024米大統領選

  【ワシントン=大内清】ペンス米前副大統領は15日、共和党のトランプ前大統領を11月の大統領選で「支持しない」と明言した。保守系のFOXニュースの番組で語った。ペンス氏は同党の指名争いから序盤で撤退しているが、トランプ氏に間近で仕えた人物が同氏への「不支持」を改めて鮮明にしたことは、投票先を明確にしていない無党派層に影響する可能性もある。

  昨夏以降に同党が開催した候補者討論会では、最終的に指名を受けた人物を他の候補全員が支持することが参加条件の一つとなっていた。しかし、トランプ氏が一度も討論に応じなかったことなどから、支持を表明するかは実質的に各候補の判断に委ねられている
  敬虔なキリスト教福音派で知られるペンス氏は番組で、「良心にかけてトランプ氏を支持することはできない」と強調。同氏がこのところ、福音派が求める人工妊娠中絶の禁止で主張を後退させていることや、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の禁止を目指す超党派の動きに反対していることを批判した。再選を目指す民主党のバイデン大統領に投票することは「決してない」とも語った。


2024.03.10-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20240310-E6XHH6X2LBBRJBFF35YQUBYAII/?outputType=theme_weekly-fuji
スーパーチューズデー現地取材 トランプ氏圧勝の裏にバイデン氏の「弱さ」 峯村健司
(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員 峯村健司)

  筆者は今月初めから、米首都ワシントンを訪れている。今年11月に投開票がある米大統領選の行方を見定めるためだ。最大の目的は、5日にあった「スーパーチューズデー」を現地調査することだった。民主、共和各党候補の指名争いで、16の州・地域の予備選などが集中しており、今後の選挙の行方を左右する重要なイベントとなる。うち、共和党指名候補争いは15州で行われ、ドナルド・トランプ前大統領(77)は、カリフォルニアやテキサスなど14州で、ニッキー・ヘイリー元国連大使(52)を破り、7月の党大会での指名獲得を固めた。一方、同時に行われた与党・民主党の候補者選びはジョー・バイデン大統領(81)が圧勝し、前回2020年の選挙と同じく、2人の対決が確実となった。

  米紙「ニューヨーク・タイムズ」が3日に発表した世論調査では、トランプ氏に投票すると答えた人は48%だったのに対し、バイデン氏は43%にとどまった。この調査によると、前回トランプ氏に投票した人の97%が「今回も再びトランプ氏に投票する」と答えた。一方、バイデン氏は前回投票した人の83%しか獲得しておらず、10%が「今回はトランプ氏を支持する」と答えている。
  前回選挙と同じ時期の調査では、バイデン氏が50%で、トランプ氏が46%だったことを考えると、トランプ氏が圧倒的に優位となっていることが裏付けられた。 「バイデン政権になって物価高だけでなく、移民問題や治安の悪化が深刻になっている。明らかにトランプ政権の時の方が生活は良かった」 トランプ氏に投票したという有権者の多くが、バイデン政権の移民政策を批判した。現場から見えたのは、バイデン氏の「弱さ」だった。
  さらに深刻なのが、バイデン氏個人の問題だ。バイデン氏の個人事務所や私邸から機密文書が見つかった問題を捜査していたロバート・ハー特別検察官が出した2月の報告書は、バイデン氏について「記憶力が悪い善意の年配者」と批判した。
  前出のニューヨーク・タイムズの世論調査によると、バイデン氏に投票した人のうち61%が、「国を率いるには高齢過ぎる」と答え、健康不安が支援者の間で広がっていることが浮き彫りとなった。
  一方のトランプ氏自身も深刻な問題を抱えている。 4つの刑事事件について計91の罪で起訴されており、「被告人」として裁判に出廷する傍らで、大統領選に挑む異常事態となっている。トランプ氏の側近の一人は「まだ予断は許さない状況」と語る。
  米国を占う重要な選挙戦から見えてきたものは、国際秩序を支える超大国の揺らぎだった
(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員 峯村健司)


2024.03.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240306-U4HYKMHGERJTXJUDZ6QWYFPPXU/
共和党指名争い撤退のヘイリー氏、トランプ氏の支持表明は見送り 世代交代訴えるも大敗

  【ワシントン=渡辺浩生】米主要メディアは6日、ヘイリー元国連大使(52)が11月の米大統領選に向けた共和党の指名争いから撤退すると報じた。15州で予備選などが行われた「スーパーチューズデー」で大敗したことを受け、6日午前10時(日本時間7日午前零時)にヘイリー氏が地元の南部サウスカロライナ州で正式表明する見通しという。

  スーパーチューズデーで14州を制したトランプ前大統領の候補指名が確実となり、民主党の指名が確実視されているバイデン大統領との11月の本選で対決する構図が固まった。
  米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ヘイリー氏は撤退を表明する際にトランプ氏への支持表明は見送る見通し。
  ヘイリー氏は5日のスーパーチューズデーでは東部バーモント州で勝利したのみ。これまでの指名争いを制したのは首都ワシントンを含む2カ所の予備選にとどまった。ヘイリー氏はトランプ氏の唯一の対抗馬となって以来、高齢のバイデン氏とトランプ氏の再対決に不満を抱く有権者に向け世代交代を訴えた。ロシアの侵略が続くウクライナ支援の継続も主張。共和党穏健派や無党派、都市部の女性などから一定の支持を集めた。
  トランプ氏や共和党有力者はヘイリー氏が指名争いを通じてあぶり出す「反トランプ票」に警戒を抱いたとみられ、撤退圧力を強めていたトランプ氏としては今後、ヘイリー氏を支持した有権者の取り込みと党内の結束が本選対決に向けた喫緊の課題となる。
  同紙によると、ヘイリー氏は撤退後も共和党の伝統的な保守主義に沿った外交、国内政策を唱え、トランプ氏の唱える孤立主義色が強い外交姿勢や規律の緩い財政運営の危険を訴えていくという。


2024.03.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240306-6UCGDDOCOVITNFOCU3KWAMSSN4/
ヘイリー氏撤退へ 米大統領選共和党指名争い スーパーチューズデーで大敗

  米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は6日、ヘイリー元国連大使(52)が同日、米大統領選共和党候補指名争いからの撤退を表明することを計画していると報じた。間もなく発表するもよう。ヘイリー氏は5日に投開票された「スーパーチューズデー」で、トランプ前米大統領(77)に1勝14敗と大敗、去就が注目されていた。(ワシントン支局)


2024.03.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240306-43ZOEPJTZJPYLNIXTPWQN5ZFPA/
トランプ・バイデン両氏、第3政党候補の動きを警戒 再対決に不満抱く無党派層の受け皿は

  【ワシントン=渡辺浩生】米大統領選に向けた5日のスーパーチューズデーで圧勝した共和党のトランプ前大統領(77)と民主党現職のバイデン大統領(81)が注視するのは無所属や第3政党候補の動向だ。本選のカギを握り両高齢者の対決に不満を抱く無党派層や穏健派の支持が流出しかねないからだ

  米メディアによると、第3政党の政治集団「ノーレーベルズ」はスーパーチューズデーの結果を踏まえ8日にも全州の代表者会議を開き大統領候補を擁立するか否かを判断する。ノーレーベルズから擁立が取り沙汰された民主党穏健派のマンチン上院議員は不出馬をすでに表明。同氏の擁立はバイデン氏の支持基盤を「破壊する」と反対してきた民主党を安心させた。
  だが、ブルームバーグの最新の世論調査によると有権者の52%はバイデン氏を「高齢すぎる」、59%はトランプ氏を「危うい」と回答。別の調査では約3割が両者対決に不満とした。
  実際、「高齢のバイデン氏に勝てる候補はトランプ氏ではなく私だ」と訴えたヘイリー元国連大使(52)が一定の支持を得たのは、そうした有権者の意識を裏付けるものだ。また、ノーレーベルズの幹部はヘイリー氏を「確かに興味のある人物だ」と述べた。ヘイリー氏は5日の開票前にFOXニュースに出演した際、「私は共和党保守であり、無所属やノーレーベルズから出るつもりはない」と否定したが、去就が注目されている
  一方、無所属で立候補すると表明したロバート・ケネディ・ジュニア氏(69)は最新のウォールストリート・ジャーナル紙の世論調査で9%の支持を集める。無所属で出馬すればバイデン氏の票を奪うと民主党有力者やケネディ家から批判されている。
  反ワクチン活動家として知られるケネディ氏には、新型コロナウイルスのワクチン接種に懐疑的な共和党支持層の票も流れる可能性があるとして、トランプ陣営も警戒しているという。
  無党派層は有権者全体の3~4割。2016年の選挙で勝利したトランプ氏は無党派層の支持でクリントン元国務長官を上回り、20年の選挙では勝利したバイデン氏がトランプ氏より多くの無党派票を獲得。今回の選挙も、意中候補のいない大量の無党派層の投票行動によって勝敗が左右される可能性が高い


2024.03.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240306-IZGP7VZJ5FK6PHQRHUSNOVIDOU/
スーパーチューズデー トランプ氏、圧勝の勢い バージニアとノースカロライナなどで勝利確実

  【ワシントン=渡辺浩生】11月の米大統領選に向けた共和党の指名争いは5日、15州の予備選・党員集会が集中する「スーパーチューズデー」が繰り広げられ、CNNテレビによると、トランプ前大統領(77)が南部のテキサス州、バージニア州、ノースカロライナ州、テネシー州、オクラホマ州、アーカンソー州、アラバマ州と東部メーン州、西部コロラド州での勝利を確実にした。対抗馬のヘイリー元国連大使(52)は苦戦。トランプ氏は党指名へ王手をかけるとみられる。

  党指名争いは全米50州などに割り振られた代議員の獲得数を競う。7月に開催される党大会で指名を得るには代議員の過半数(1215人)が必要。スーパーチューズデーは西部カリフォルニア州(169人)、南部テキサス州(161人)、ノースカロライナ州(74人)、バージニア州(48人)など代議員数の上位州が集中する。
  トランプ氏は本選を念頭に、最大の争点となっている不法移民問題や物価・景気対策で民主党現職のバイデン大統領(81)の「失政」を攻撃する選挙戦を展開。1月の初戦アイオワ州から着実に勝利を重ね、党内結束に向けヘイリー氏に撤退を迫ってきた
  ヘイリー氏は、トランプ氏ではなく自らがバイデン氏との本選で「勝てる選択肢」とアピール。トランプ氏に拒否感を抱く党穏健派や無党派の一定の支持を集めたが、勝利したのは現時点で今月3日の首都ワシントン予備選のみ。5日の結果を受けて進退を明らかにするもようだ。
  民主党も14州と米領サモアで予備選・党員集会を実施。有力対抗馬のいないバイデン氏が着実に勝利を重ねている


2024.03.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240305-LET6AFORSNOFFMCTCYEGVGXFSQ/
米最高裁がトランプ氏出馬認める決定 コロラド予備選、トランプ氏「大きな勝利」

  【ワシントン=大内清】米連邦最高裁は4日、共和党のトランプ前大統領が在任中だった2021年1月の連邦議会襲撃事件で「国家への反逆」に関与したとして大統領選への出馬資格を否定した西部コロラド州最高裁の判断を覆し、トランプ氏の同州予備選への出馬を認める決定を下した。他州でも同様の理由でトランプ氏の出馬を阻止しようとする動きが広がる中、同氏にとっては大きな司法上の勝利となる。

  これを受けてトランプ氏は同日、「米国にとって大きな勝利だ」との声明を出した。コロラド州予備選は、多くの州予備選・党員集会が集中する「スーパーチューズデー」の5日に行われる。
  裁判は、議会襲撃事件への関与を巡り、国家反逆者が公職に就くのを禁じた合衆国憲法修正14条がトランプ氏に適用されるか否かが争点。コロラド州最高裁は昨年12月、トランプ氏が20年大統領選での敗北を覆すために支持者たちを扇動し事件を引き起こしたと認定した上で、修正14条の対象になると判断した。トランプ氏側はこれを不服とし、連邦最高裁に上訴していた。
  連邦最高裁は、各州はそれぞれの州の公職に就こうとする人間の適格性を判断することはできても、修正14条に基づいて連邦レベルでの出馬の可否を判断する権限はない、とした。


2024.03.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240304-HZDJ34I5RNIZDC65JQ65XPKFOU/
ヘイリー氏が初勝利 首都ワシントンの米共和党予備選でトランプ氏に一矢

  【ワシントン=平田雄介】11月の米大統領選で共和党候補指名を目指すヘイリー元国連大使が3日、首都ワシントンで行われた共和党の予備選でトランプ前大統領に勝利した。今年の共和党候補指名レースで、ヘイリー氏の勝利は初めて。米主要メディアが速報した。

  トランプ氏は2日までに行われた予備選や党員集会で8連勝。7月の党大会での指名獲得に向けて優位を保ち、ヘイリー氏に撤退圧力をかける。 ただ、3日、ワシントンでヘイリー氏に投票したエリック・キャスパーさん(40)は、ヘイリー氏に「11月の本選まで戦って」と訴えた。
  ヘイリー氏は米NBCテレビで「競争力がある限り戦う」と語り、予備選が集中する5日のスーパーチューズデーの結果を踏まえ、継戦の可否を判断する考えを示した


2024.03.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240303-GM5MXOOFZZKZ5EIGXPTX4T5Z6U/
トランプ氏、ミズーリとアイダホの2州で勝利 8戦全勝で優位固める

  11月の米大統領選の共和党候補指名争いで、中西部ミズーリ、西部アイダホ両州で2日に党員集会が開かれ、いずれもトランプ前大統領が勝利した。初戦から8戦全勝。多くの州で予備選や党員集会が集中する天王山スーパーチューズデーを5日に控え、優位を固めた。

  トランプ氏は2日、南部バージニア州の州都リッチモンドで開かれた大規模集会で、支持者数千人を前に演説した。指名争いで一騎打ちとなっているヘイリー元国連大使に撤退圧力を強めるためにスーパーチューズデーで「民意を示すことが重要だ」と述べ、自身への支持を訴えた。
  民主党候補指名獲得が確実視されるバイデン大統領について、メキシコ国境で不法移民の流入が急増し、ロシアによるウクライナ侵攻など国際情勢の不安定化も招いたと非難した。本選での再対決を見据え「米国を破壊しようとしている最も無能な大統領だ」とこき下ろした。(共同)







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ここは、2024年03月03日~2024年10月のニュースです
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