アメリカ選挙-1


2024.02.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240225-DWTQUUGOHJKWRM4H6IHZ5P7CME/
トランプ氏圧勝、バイデン氏の「失政」が追い風 無党派の支持が弱点、ヘイリー氏は浸透
(コロンビア 渡辺浩生)

  11月の米大統領選に向けた24日の南部サウスカロライナ州共和党予備選で、トランプ前大統領(77)は、不法移民問題や物価高を巡って有権者が抱くバイデン大統領(81)の「失政」への怒りを追い風に圧勝した。政権返り咲きを目指すトランプ氏の「実行力」を評価する声は支持層では根強い。だが無党派層の支持も得たヘイリー元国連大使(52)との戦いは、本選に向けたトランプ氏の弱点もあぶり出している(コロンビア 渡辺浩生)

  州中央部コロンビアの選挙登録事務所で、自営業エリック・アンソニーさん(34)は「米国を元通りに戻すリーダーはトランプだけ」と語った。この日はロシアのウクライナ侵略開始から2年。アンソニーさんは「トランプが20年の大統領選を民主党に盗まれずに2期目も続けていればプーチン(露大統領)は侵略しなかった」と断言した。
  トランプ氏は24日夜、勝利演説し、バイデン氏を標的に「お前は首だ。国を壊している」と対決姿勢を鮮明にした。集会では中高年層が多い。
  州内には多くの基地があり、退役軍人が多い。南部ボーフォートでIT業を営む退役海兵隊員のケネス・ブラウンさん(60)は、「バイデンでは若者は米国に誇りがもてない」と話す。息子が高校時代に集会でトランプ大統領から「若者は強くなって国を守れ」と激励され、海兵隊に入隊したと話した。
  コロンビアから車で40分のプロスペリティ。人口1千人強の田舎町には教会が目立つ。24日の同州予備選に投票した約6割がキリスト教右派だった。教会関係者を政治活動に導く団体の創設者、チャッド・コネリーさん(60)は「相手を罵倒するトランプの物言いに閉口する信者は多いが、やると言ったらやって結果を出す実行力に信頼する。中でも国境問題が今年最も重大な転換点となる」と語った。
  米国に昨年、過去最多の約250万人がメキシコ国境から不法入国し、バイデン政権の「無策」に対する批判は強いヘイリー氏も「国境閉鎖」を訴えたが、現職時代に国境の「壁」建設を実現したトランプ氏に対する期待は圧倒的に高い
  一方、党派に関係なく投票できる同州の予備選では無党派、民主党支持者がヘイリー氏に投票する姿もあった。民主党支持の匿名女性(77)は「トランプが勝てば、女性蔑視や差別が広がる。誰を支持するというより、ノーの意思表示だけで来た」と話す。
  南東部ジョージタウンで60代の無党派、ジル・レッチワースさんは「ヘイリーをいじめるトランプと取り巻き男衆は最低」。保守系ウォールストリート・ジャーナル紙は社説で「ヘイリー氏がトランプ氏の脆弱(ぜいじゃく)性を有権者に語ることを陣営は懸念すべきだ」と指摘したが、その通りの展開だ。
  トランプ氏はヘイリー氏の支持者を自身の政治運動「MAGA(米国を再び偉大に)」から排除すると圧力をかけるが、ヘイリー氏が集会で「彼が語るすべては報復。大統領になりたい男が人々を自分のクラブから締め出している」と揶揄(やゆ)すると大歓声が上がった。
  全米で3割を占める無党派層は過去の選挙で勝敗のカギを握り、バイデン・トランプ再対決に不満を抱く層でもある。CNNの出口調査によると、ヘイリー氏は無党派の54%、穏健派(中道)・リベラル層の71%の支持を得た。ヘイリー氏が引き付けたこれらの有権者は自らへの忠誠心を重視するトランプ氏の政治手法ではこぼれ落ちる。
  「トランプは結束のメッセージを示すべきだ」とコネリー氏。「秘密兵器はヘイリー氏の副大統領候補指名なのだが」と漏らした。


2024.02.07-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240207-VFBUSBAYBVIM3DAWPVNCFYKZBA/
生成AI悪用し選挙妨害 大統領装い偽電話に警告

  米東部ニューハンプシャー州司法長官は6日、1月下旬の大統領選の同州予備選で、多数の有権者にバイデン大統領を装い投票を見送るよう促す自動音声の電話をかけた企業を特定し、中止するよう警告したと明らかにした。生成人工知能(AI)を悪用して音声を作成、選挙妨害をしたとみられるという。

  電話をかけたのは南部テキサス州にあるライフ・コーポレーション社とAと名乗る人物。5000~2万5000回架電した可能性があるという。司法長官は投票を抑圧する行為を禁じた州法に違反した疑いがあるとして今後も捜査を続けるとしている。
  電話は1月23日の投開票日の2日前に発信された。バイデン氏に似た話しぶりで、投票に行けば共和党候補指名を争うトランプ前大統領を有利にするだけだとし「あなたの票は23日ではなく、11月の本選で変化を生み出す」と訴えた。(共同)


2024.02.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240207-QYTGSSXZWJMQZPBD4DJ5BUX3HA/
トランプ氏の「免責特権」2審も否定 2020年大統領選の妨害めぐり上告へ

  【ワシントン=大内清】11月の米大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領(共和党)が、自身には刑事訴追を受けない「免責特権」があると主張している裁判で、首都ワシントンの連邦高裁は6日、トランプ氏の訴えを退ける決定を下した。2020年大統領選での敗北を覆そうとしたとして起訴された事件の無効化を狙うトランプ氏には打撃となる。

  この裁判では昨年12月の1審でも原告の訴えが退けられているトランプ氏は最高裁に上告する見通し大統領経験者が刑事責任の免除を巡って争うのは米国の歴史で初めてトランプ氏は昨年8月、民主党のバイデン現大統領が勝利した20年大統領選の結果を確定する手続きの妨害を共謀したなどとして、独立した権限を持つ特別検察官に起訴された。初公判は3月に予定されるが、トランプ氏側は「免責特権」に関する司法判断が確定するまで延期するべきだなどと主張しており、審理日程は不透明感が増している。
  裁判は、大統領在任中のトランプ氏の行動を退任後に刑事訴追の対象とすることの妥当性が争点。トランプ氏側は免責特権が認められなければ、将来の大統領は退任後に政敵から訴追を受けるリスクを抱えることになると主張している。またトランプ氏は、21年1月に支持者たちが選挙結果の確定手続きを阻止するために連邦議会を襲撃した事件を扇動したとして下院の弾劾訴追を受け、退任後の同2月に無罪評決を受けている。このため、特別検察官による起訴は、判決が確定した事件では再び刑事責任を問われない「一事不再理」の原則に反しているとも訴えている。
  これに対し連邦高裁は6日、「大統領の公的行動は無条件に免責されるとの主張は、前例や歴史、憲法構造から認められない」と判断。一事不再理の主張も認めなかった
  トランプ氏は現在、大統領選に向けた共和党の指名争いで首位を独走。本選で再びバイデン氏と対決する公算が大きくなっている
  トランプ氏は20年大統領選の結果を覆そうとしたとされる事件のほかに、南部ジョージア州での開票作業への干渉疑惑や、機密文書の持ち出し不倫関係にあったポルノ女優への口止め料支払いを巡る虚偽記載の3件でも起訴されている。同氏が返り咲いた場合、自身を恩赦する可能性も取り沙汰されている。


2024.02.06-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240206-UEEFCCKA3RLFNK6MKXJCUIVK6Y/
撤退せずに粘るヘイリー氏に脅迫相次ぐ シークレットサービスの護衛申請

  【ワシントン=渡辺浩生】米紙ウォールストリート・ジャーナルは5日、11月の米大統領選で共和党候補の指名をトランプ前大統領(77)と争うヘイリー元国連大使(52)がシークレットサービス(大統領警護隊)の護衛を申請したと報じた。今月24日の南部サウスカロライナ州予備選に向け粘り続けるヘイリー氏に、脅迫行為などが増えているためとしている。

  同紙によると、先週、同州のヘイリー氏の集会で女性が舞台に突っ込もうとして護衛に制止されたり、同氏のウクライナやイスラエルへの支援姿勢に憤る抗議者が出没したりした。州内の同氏の自宅が狙われているとの虚偽の通報騒ぎも起きたという。
  護衛申請は連邦政府当局に提出。中東で親イラン民兵組織の米軍への攻撃が激化する中、国連大使として対イラン政策に関わったことも要因の一つという。
  1月のアイオワ州党員集会とニューハンプシャー州予備選でトランプ氏に連敗したヘイリー氏は、出身のサウスカロライナ州で雪辱を果たすため「反トランプ票」の掘り起こしに懸命だ。しかし、共和党の有力者にはトランプ氏と民主党のバイデン大統領との〝本選対決〟にシフトするため、ヘイリー氏の早期撤退を迫る声がある。
  ヘイリー氏は同紙に警護申請を認めたうえで、脅迫行為などについて「私がしなければならないことを止めることにはならない」と強調した。


2024.01.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240124-6H6EZSGQF5KXRP7RNZQQCCYCSI/
トランプ氏連勝、ヘイリー氏は撤退否定 ニューハンプシャー州共和指名争い

  【マンチェスター(米東部ニューハンプシャー州)=平田雄介】11月の米大統領選に向けた共和党候補指名争いで、第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選が23日実施され、トランプ前大統領(77)が勝利を確実にした。米CNNテレビが報じた。トランプ氏は初戦に続く連勝で、指名獲得へ前進した。

  開票率89%の時点で、得票率はトランプ氏が54・6%。一騎打ちを演じるヘイリー元国連大使(52)が43・2%。ヘイリー氏は大差で敗れて即時撤退となる可能性もあったが、一定の存在感を示すことに成功した。
  ヘイリー氏は23日夜、州都コンコードで「戦いはまだまだ終わらない」撤退を否定2月24日の地元・南部サウスカロライナ州予備選を重視し、集中的に選挙活動を展開する考えを示した。
  トランプ氏は同州ナシュアで「偉大な勝利だ」と演説し、指名獲得に強い自信を示した。早くも11月の本選を見据え、再選を目指す民主党のバイデン大統領(81)に「勝てるのは自分だ」とアピールした。
  バイデン氏も23日夜、トランプ氏との対決を確信した声明を発表し、「米国の民主主義と自由、経済の全てがかかっている」と述べた。23日にはニューハンプシャー州で、民主党の「非公認」予備選も行われた。米主要メディアはバイデン氏の勝利が確実と伝えた。


2024.01.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240124-KQO2WZJSOVOHXFCB272LZO46LY/
「共和党指名はトランプだ」とバイデン氏声明 ヘイリー氏支持層にも共闘呼びかけ

  【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米大統領は23日夜、11月の米大統領選に向け23日に行われた東部ニューハンプシャー州予備選の結果を受けて声明を発表し、「ドナルド・トランプが共和党指名候補となることは今明らかだ」と述べ、共和党の指名争いでアイオワ州党員集会に続き連勝したトランプ前大統領と自身が11月の本選で対決するとの見通しを明らかにした。

  バイデン氏はトランプ氏との再対決について「選択する権利から投票する権利に至るわれわれの民主主義と自由、新型コロナウイルス禍以降世界で最も力強い回復をなした米国経済のすべてがかかっている」と訴えた。
  バイデン氏はニューハンプシャー州の民主党予備選に参加しなかったにもかかわらず、自身の名前を投票用紙に記入した有権者らに「わが国の民主主義のプロセスへの取り組みに関する歴史的な明示だ」と謝意を示した。無党派層や共和党の支持層も「民主主義と個人の自由、すべてに公平な機会を与える経済というわが国の核心的価値への関与を共有している」と指摘。トランプ氏に敗れたヘイリー元国連大使を支持した有権者を念頭に共闘を呼びかけたとみられる。


2024.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240122-53XW6PPV6JOQTDJS5CN6Z2Z2SM/
共和デサンティス氏撤退、トランプ氏支持を表明

  【マンチェスター(米東部ニューハンプシャー州)=大内清】今年11月の米大統領選に向けた野党・共和党の候補者指名争いに参戦していた南部フロリダ州のロン・デサンティス知事(45)は21日、選挙戦からの撤退を発表した。デサンティス氏はビデオ声明で、今後は政権返り咲きを目指すドナルド・トランプ前大統領(77)を支持すると表明した。

  同党指名争いは、2戦目となる23日の東部ニューハンプシャー州予備選を前に、トランプ氏とニッキー・ヘイリー元国連大使(52)の一騎打ちとなった。ヘイリー氏は当初から同州予備選に資金を集中投入し、支持率で首位のトランプ氏を追い上げる作戦だったが、レース序盤でデサンティス氏がトランプ氏支持に回ったことで、形勢は一気に同氏優位に傾いた
  デサンティス氏は声明で、「共和党支持者の多数派がトランプ氏にもう一度チャンスを与えたいと考えていることは明らかだ」と撤退の理由を説明した。
  デサンティス氏は共和党の若手のホープとして、一時はトランプ氏を脅かし得る存在とも目された。しかし、昨年5月の出馬表明以降はトランプ氏から集中攻撃を浴びて失速。今月15日に行われた指名レース初戦の中西部アイオワ州党員集会では、トップのトランプ氏に約30ポイント差をつけられ惨敗した。
  トランプ氏の陣営は21日、デサンティス氏からの支持を歓迎する声明を発表ヘイリー氏は「(指名争いは)まだ1州でしか投票が行われていない」とし、トランプ氏追撃に向けてニューハンプシャー州での票の積み上げを目指す考えを強調した。


2024.01.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240122-VVHXCNC26ZJS3AHMI2QGZG5534/
北朝鮮、米選挙激戦と報道 「軍需産業が本当の大統領」

  北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は22日、11月の米大統領選について民主党と共和党が「激しい争いを繰り広げている」と報じた。ただバイデン大統領以外の候補や詳しい選挙情勢には触れていない選挙戦に多額の資金を投じている軍需産業「本当の大統領」だとし、米社会の批判に重点を置いた。

  グーグルやメタ(旧フェイスブック)、アマゾン・コムにも言及し「米国ではカネと大企業から切り離された権力者は存在しない」と主張。米大統領は「資本家の代弁者に過ぎない」と非難した。
  選挙戦で相手陣営への「人身攻撃」が盛んに行われているとして「米大統領選のたびにあることで、別に目新しいことではない」とも伝えた。(共同)


2024.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240121-KU73GJRSUNETNARQNOVBZIHCHU/?outputType=theme_weekly-fuji
トランプ復活なら…日本は「改憲」正念場 台湾有事に米軍は派遣されるか 長谷川幸洋

  米大統領選の共和党指名候補争いで、ドナルド・トランプ前大統領が初戦となるアイオワ州の党員集会(15日)で圧勝した。世論調査では、現職のジョー・バイデン大統領と一騎打ちになった場合、トランプ氏が優勢という結果も相次いでいる。日本は「トランプ復活」に対応できるのか

  トランプ氏は復活すれば、かつての「アメリカ・ファースト(米国第一)」路線を一段と強化する見通しだ。選挙戦では、ウクライナ戦争について、欧州の負担増を求める一方、北大西洋条約機構(NATO)の全面的な見直しを訴えた。
  具体的には、米国がウクライナ支援に武器援助するなら、その分、枯渇する米国の武器在庫を元に戻す経費を欧州が負担するよう求めた。こうした動きに、欧州では早くも警戒する声が出ている。ベルギーのアレクサンダー・デ・クロー首相は「もしも、『米国第一』が復活するなら、これまで以上に欧州は自立し、強くならなければならない」と語った。
  ドイツでも「ウクライナは米国なしでもロシアと戦えるように、われわれが武器製造を増やす必要がある」と野党議員が訴えている。
  トランプ氏は、イスラエルとハマスの戦争については、「イスラエル支援」を明言している。背景には、娘のイヴァンカ氏の夫であり、前政権で大統領上級顧問を務めたジャレッド・クシュナー氏がユダヤ人で、彼の両親は「ホロコーストからの生還者」という事情もある。
問題は中国だ。
  トランプ氏は輸入品に一律10%の関税をかける考えを表明しているが、中でも中国にターゲットを絞っている電子製品や鉄鋼、医薬品など中国からの輸入を4年間でゼロにする一方、中国企業がエネルギーや先端技術、農業など米国の重要産業に参入するのを禁じる考えだ。中国企業が所有する米国の安全保障に関わる株式の強制的売却も検討している
 中国が台湾への武力侵攻を試みた場合はどうか。
  具体的に言及していないが、私は「トランプ政権が米軍派遣を命じる可能性は少ない」とみる。米国内には、専門家の間でも「台湾は米国の死活的国益なのか」という議論がある。ここでも、「米国第一」の考えを貫くとすれば、まずは台湾に自助努力を求め、次に日本の支援、そして最後に「米国に何ができるか」を慎重に検討するだろう
  ウクライナと欧州の関係のように、「もっとも中国の脅威にさらされる日本が台湾を全力で支援せよ」となるのが自然ではないか。
  トランプ氏は2016年、米ニューヨーク・タイムズのインタビューで、「日本の核武装に反対しない」考えを語っていた。NATO同様、日米安保体制の見直しを言い出してもおかしくない。これは、日本が憲法改正を真剣に議論する絶好のチャンスになる。
  日本の歴代自民党政権は、口で「改憲」を語りながら、実際には実現できなかった。いまの岸田文雄政権は、なおさらそうだ。
  米国が身を引く姿勢をにじませてから、慌てて動き出すのは情けない話だが、動かないよりはマシだ。トランプ政権の復活で、日本の保守層と保守政党は「中国に媚びを売り続ける」のか、それとも「大胆に自主独立の日本を目指す」のか正念場を迎える

長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
  ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。


2024.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240121-LZAT7PK4LFBN5DNKSNKZ3ME7UA/?outputType=theme_weekly-fuji
日本は「トランプリスク」に備えよ 「行動で支持を示さないと…」 島田洋一氏

  ドナルド・トランプ前米大統領が、11月の大統領選に向けた共和党候補指名争いの初戦となる中西部アイオワ州党員集会で圧勝した。2位以下の候補に歴史的大差をつけ、ホワイトハウス奪還へ好スタートを切った。トランプ氏が再選されれば、世界情勢、日本への影響はどうなるのか。識者は、日本にメリットはあるが、行動で米国支持を示さないと対日要求を強めるリスクがあると指摘する。

米メディア「再選さらに現実味」
  「11月にわれわれの米国を取り戻し、再び国家を偉大にする」 トランプ氏は15日夜の演説で、こう述べた。
  得票率で、2位のロン・デサンティス・フロリダ州知事と、3位のニッキー・ヘイリー元国連大使に約30ポイント差をつける圧勝だった。AP通信によると、アイオワ州共和党員集会での首位と2位の差は、1988年に勝利したボブ・ドール氏が残した約13ポイント差の記録を更新。4位に終わった実業家のビベック・ラマスワミ氏は撤退し、トランプ氏支持を表明した。
  ジョー・バイデン大統領の再選を目指す民主党は、トランプ氏の勢いが加速することを警戒している。本選で再対決する可能性が高まり、返り咲き阻止に全力を挙げる構えだが、インフレや中東情勢への対応が不評で人気は低迷し、81歳という高齢への不安も根強い
  米ブルームバーグ通信は、バイデン氏に対する有権者の懸念の根強さを踏まえ、今回の大勝で「トランプ氏の再選はさらに現実味を帯びてきた」と伝えた。
トランプ氏が再選した場合の影響はどうか。
  福井県立大学の島田洋一名誉教授は「トランプ政権時代はイランへの制裁を徹底し、サウジアラビアとの関係も良かった。中東情勢は現在よりも落ち着く可能性があり、石油を中東に依存する日本にとってはプラスだ。知的財産権の侵害抑止など対中制裁を強化するだろうから、日本企業にメリットがある」と話す。
  トランプ氏は前回大統領時代、安倍晋三元首相に信頼を寄せ、日米関係は極めて良好だった。今月9~13日に訪米した麻生太郎自民党副総裁の目的の一つが、トランプ氏対応だったとの見方もある。
「日本製品関税引き上げも」
  ただ、島田氏は「トランプ氏の場合、直接会わないと印象付けは難しいため、本人に会えなかったとされる麻生氏はそれほどのインパクトを残せていないのではないか。安倍氏がトランプ氏に信頼されたのは、米国の対北朝鮮、対中国政策などを即座の行動で支えたからだ。機動的に素早い行動を見せないと、日本製品に対する関税引き上げなどのリスクがあるだろう」と指摘した。


2024.10.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240121-BEC7R6FZNFP3DB66YTZW7CYUFU/
トランプ氏支持表明 黒人スコット議員ら共和党有力者相次ぎ ヘイリー氏に打撃

  【ワシントン=渡辺浩生】11月の米大統領選の共和党の候補者指名争いで、昨年11月に撤退したスコット上院議員が19日、トランプ前大統領への支持を表明した。トランプ氏が15日に初戦アイオワ州の党員集会で圧勝した後、共和党の有力者が相次いで支持を表明しており、23日のニューハンプシャー州予備選で逆転を目指すヘイリー元国連大使には打撃となった。

  スコット氏は19日夜、ニューハンプシャー州内のトランプ氏の集会に登場し、「われわれには、(不法移民流入を阻止するため)南部国境を閉じる大統領、国をまとめる大統領が必要だ。ドナルド・トランプが必要だ」と訴えた。
  スコット氏は共和党現職で唯一の黒人上院議員で、南部サウスカロライナ州出身。2013年、当時同州知事だったヘイリー氏の指名を受け、上院議員になった経緯がある。スコット氏がトランプ氏を選んだことで、副大統領候補に指名される可能性が早くも取り沙汰されている。
  トランプ氏に対しては、アイオワ州党員集会で4位となり撤退したインド系投資家のラマスワミー氏、16年の大統領選でトランプ氏と党候補指名を争ったクルーズ上院議員も支持を表明した。
  ヘイリー氏はアイオワ州で3位に終わり、ニューハンプシャー州予備選が正念場となる。米政治サイト「リアルクリアポリティクス」集計の同州の平均支持率はトランプ氏49・7%、ヘイリー氏34%で、15・7ポイントの開きがある。アイオワ州党員集会直前に撤退したクリスティー前ニュージャージー州知事はヘイリー氏に近い穏健派だが、まだ支持を明らかにしていない


2024.01.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240120-XTAENUNICBPH7N7QIBPLKFQBJE/
米大統領選 ヘイリー氏がトランプ氏の副大統領候補を拒否 共和党指名争い

  【ワシントン=坂本一之】11月の米大統領選に向けた共和党候補指名争いでトランプ前大統領(77)を追いかけるヘイリー元国連大使(51)は19日、第2戦が開かれる東部ニューハンプシャー州の集会で、トランプ氏が勝利した場合に副大統領候補として本選に臨まない考えを明言した。ヘイリー氏は同州でトランプ氏との差を詰めており、対決姿勢を強めて巻き返しを図っている

  米紙ワシントン・ポストなどによると、ヘイリー氏は有権者からトランプ氏の副大統領候補になるかを問われ「誰の副大統領にもなりたくない。検討の余地はない」と強い言葉で否定した。
  ヘイリー氏はトランプ前政権で国連大使を務め同氏への批判を抑制する場面もあるなど、トランプ氏が党候補となった場合にタッグを組んで副大統領を狙うのではないかとの観測が一部から出ていた。
  15日に中西部アイオワ州で開かれた初戦で2位を逃したヘイリー氏にとって、23日のニューハンプシャー州での第2戦で勢いを示せるかは今後の選挙戦を大きく左右することになる。
  米統計分析サイト「ファイブサーティーエイト(538)」がまとめたニューハンプシャー州での支持率平均は19日現在でトランプ氏の48・9%に対し、ヘイリー氏は33・8%と15・1ポイント差で2位につけている。


2024.01.18-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240118-5RHTJ6BE25PB3MRRY6ESNUPD6A/
共和討論会相次ぎ中止 ヘイリー氏が出席拒否

  米CNNテレビは17日、大統領選の共和党指名争い第2戦が23日に開かれる東部ニューハンプシャー州で21日に予定していた同社主催の候補者討論会を中止すると発表した。ABCテレビも18日の討論会中止を既に決めた首位トランプ前大統領と、巻き返しを狙うヘイリー元国連大使がいずれも出席を拒否した。

  ヘイリー氏は、トランプ氏や再選を目指す民主党のバイデン大統領以外とは討論しない方針を表明。15日の初戦、中西部アイオワ州党員集会で2位につけたフロリダ州のデサンティス知事と一対一の論戦に臨んでも足の引っ張り合いとなり、トランプ氏を利すると判断したとみられる。
  デサンティス氏はX(旧ツイッター)で「ヘイリー氏は討論会を怖がっている。実際は党の指名獲得ではなく、トランプ氏の副大統領狙いだ」と批判した。第2戦を前にヘイリー氏との駆け引きが続いている。(共同)


2024.01.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240117-7YCS7RS6YRIMHIHOLLGU3V6MAI/
米大統領選 民主主義の力示す論戦を

  世界が固唾をのんで見守る選挙戦の幕が切って落とされた。11月米大統領選で、野党・共和党の候補者指名争いが中西部アイオワ州の党員集会で始まった。与党・民主党は2月3日の南部サウスカロライナ州予備選からスタートする。共和党で初戦を制したのはトランプ前大統領で、2位の候補を大きく引き離した

  トランプ氏は「今こそ米国が団結するときだ」と勝利宣言し、米メディアに「米国を再び偉大にしたい」と語った。移民問題や力による現状変更をもくろむ強権国家への対処など世界一の大国のリーダーには重い課題がのしかかる。
  公正な競争と活発な論戦を通じて勝者を決める民主的な選挙の意義を世界に改めて示してほしい米国の国柄の根幹は、自由と民主主義にある。
  共和党アイオワ州支部によると、得票率はトランプ氏が半数近くを占め、約30ポイント差でフロリダ州のデサンティス知事、ヘイリー元国連大使が続いた。指名争いは、トランプ氏を軸に進む見通しだが、トランプ氏は選挙戦と同時に2021年1月の米連邦議会議事堂襲撃事件などの裁判を抱えている。襲撃事件の初公判は、党員集会や予備選が集中する3月5日のスーパーチューズデーの前日に開かれる。襲撃事件にからみ、トランプ氏を予備選に参加させないとの判断が下された州もある。トランプ氏は上訴しているが、裁判が選挙戦にどう影響するかも注目される。
  民主党の候補者は、現職のバイデン大統領でほぼ一本化しているものの、米メディアの世論調査では、バイデン氏の仕事ぶりを支持する米国民は33%にとどまった。過去15年でどの大統領よりも低い。
  バイデン氏は、ロシアの侵略を受けるウクライナ支援の先頭に立ってきたが、米国内には支援疲れの声も出ている。しかし、国際秩序がかつてない危機にある中、米国が内向きになることは世界のリスクにも直結する。中国は台湾への圧力を強め、ミサイル発射を重ねる北朝鮮は、ロシアと軍事協力を進める。中東での紛争も反米勢力が本格介入をうかがう
  自由主義国を牽引(けんいん)する米国という重しが世界には不可欠だ。こうした視点からの論戦の深まりを期待する。


2024.01.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240116-EFH5TCOLJRLVPB4ITKUUXT2OBM/
<速報>トランプ氏勝利 共和党候補指名争い初戦制する 米大統領選

  【デモイン(米アイオワ州)=坂本一之】11月5日の米大統領選に向けた共和党候補指名争いの初戦となる中西部アイオワ州党員集会が15日夜、州内の各地に設けられた会場で実施され、トランプ前大統領(77)の勝利が確実となった。米CNNテレビが報じた。ホワイトハウスを目指す各候補の戦いはトランプ氏の勝利で始まった。

  気温が氷点下20度近くになるなど記録的な寒波が続く中、各地の会場には有権者が集まった。トランプ氏は、存在感を高めているヘイリー元国連大使(51)や国境対策の強化を掲げるデサンティス・フロリダ州知事(45)らを破り、強さをみせた。アイオワに続いて党員集会・予備選を開く序盤州の戦いに向けて弾みを得た。
  地元紙の「デモイン・レジスター」が13日発表した世論調査では、党員集会の参加予定者の間でトランプ氏を支持する人は48%で、2位のヘイリー氏の20%に大きな差を付けていた。デサンティス氏は16%、政治経験のない投資家のラマスワミー氏(38)は8%となっていた。政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計したアイオワ州の最新世論調査の結果は、トランプ氏がヘイリー氏を33ポイント近く離していた。
  トランプ氏は14日に州都デモイン近郊で開催した支持者集会で、自身のスローガン「米国を再び偉大に(Make America Great Again)」をアピール。大統領再選を目指す民主党のバイデン大統領(81)が同スローガンの頭文字を使って「MAGA(マガ)」とトランプ氏らを批判することを逆手に取り、結束を呼び掛けた。

  共和党候補指名争いは順次各州で党員集会・予備選を実施して絞り込み、7月の党大会で11月の大統領選に臨む候補を指名する。



2023.12.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231220-3JRPDUPDNZKVDA6FWUDHTZ7PYE/
トランプ氏の出馬認めず コロラド州最高裁 陣営「完全な誤り」

  【ワシントン=大内清】米西部コロラド州の最高裁は19日、来年11月の大統領選で返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領について、国家への反逆に関与した者が公職に就くことを禁じるなどした合衆国憲法修正14条に基づき、同州での予備選出馬を禁じる決定を下した。米メディアが一斉に伝えた。修正14条が理由で大統領選の出馬資格が否定されたケースは初めてとみられる。

  トランプ陣営は同日、声明で「決定は完全に誤りだ」と反論し、すみやかに連邦最高裁へ上訴すると説明した。訴えは政治倫理問題などに取り組む非営利団体が起こしたもの。同様の訴訟は複数の州で起こされ、多くは訴えが退けられている。
  トランプ氏は2020年の前回選での落選後、「大規模な不正があった」と根拠のない主張を展開。これを信じた支持者たちが21年1月、民主党のバイデン候補(当時)の当選確定手続きを妨害するため、首都ワシントンの連邦議会議事堂を襲撃する事件を起こした。
  報道によると、下級審は、トランプ氏が支持者を扇動し反逆に関与したと認定した半面、大統領経験者は修正14条の対象にはならないと判断した。これに対し州最高裁は、同氏は14条に基づき大統領職に不適格であり、したがって州予備選に出馬することはできないと判断した。
  コロラド州予備選は、多くの州予備選・党員集会が集中する「スーパーチューズデー」の3月5日に予定されている。


2023.09.23-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20230922-OYT1T50273/
[深層NEWS]米の追加軍事支援、「ゼレンスキー大統領の焦りは強いのではないか」

  元陸上自衛隊東部方面総監の磯部晃一氏、防衛省防衛研究所の長谷川雄之研究員、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が22日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、米国が21日に発表したウクライナへの追加軍事支援などについて意見を交わした。

  供与が見送られた長射程の地対地ミサイル「ATACMS」について、ロバートソン氏は「(来年の米国の)大統領選が始まると決断しにくくなる。(供与は)やるなら早期だ」と述べた。磯部氏は「(戦局を一変させる)ゲームチェンジャーとまではいかないだろう」と評価した。大統領選の結果次第では米国の支援態勢が変わる可能性もあり、長谷川氏は「ゼレンスキー大統領の焦りは強いのではないか」との見方を示した。


2023.09.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230909-35EETY4SWNMFBKVIVAM2PMZOHY/
ペロシ氏、再選出馬表明 前米下院議長、高齢懸念も

  米民主党のペロシ前下院議長(83)は8日、自身のX(旧ツイッター)で、来年11月の連邦下院選に再選出馬すると表明した。ペロシ氏は昨年11月の中間選挙後、約20年にわたって務めてきた下院民主党トップから退いたが、議員活動は続けていた。高齢のため、次期選挙を機に政界を引退するのか注目されていた。

  同じく民主党のバイデン大統領(80)も来年11月の大統領選で再選を目指している。政治指導者の高齢化に懸念が高まっており、ペロシ氏の出馬表明で改めて議論となりそうだ。
  西部カリフォルニア州選出のペロシ氏は、共和党のトランプ前大統領への厳しい批判で知られる。昨年8月に現職下院議長として25年ぶりに台湾を訪問した。同10月にはトランプ氏の支持者とみられる男に夫が襲撃された。
  1987年から下院議員を務め、2003年に下院院内総務、07年に米史上初の女性下院議長となった。(共同)


2023.05.24-Yahoo!Japanニュース(FNNプライムオンライン)-https://news.yahoo.co.jp/articles/9e578a5c1c7eff5aa72545ad78a47d24730cef33
デサンティス知事、米大統領選に出馬表明へ 強硬保守「ミニ・トランプ」とも

  来年のアメリカの大統領選挙に、強硬な保守姿勢で「ミニ・トランプ」とも呼ばれる野党・共和党のデサンティス・フロリダ州知事が、24日に正式に出馬を表明する見通しとなった。

  サンティス氏は世論調査では共和党内でトランプ前大統領に次ぐ支持を得ていて、最大のライバルとなる。
  式な出馬表明は、ツイッターを運営するイーロン・マスク氏との対談の場という異例の形で行われる予定で、さらに話題を集めている。
  スク氏も「生放送で盛り上がろう、何が起こるか見てみよう」との呼びかけを発信している。 これに対しトランプ前大統領は声明で「ツイッターでニッチなキャンペーンだ」などと批判し、自らのへの支持を呼びかけている。
国際取材部


2023.04.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230406-3W7XPRP3YVNUXFFPWUTZUBIXC4/
ケネディ氏が大統領選出馬 民主党指名争い、米報道

  米国の故ロバート・ケネディ元司法長官の息子で弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏(69)が5日、2024年大統領選の民主党候補指名争いに出馬するため、連邦選挙委員会に届け出た。米主要メディアが伝えた。同党のバイデン大統領(80)が2期目出馬を表明すれば、ケネディ氏は厳しい戦いを強いられそうだ。

  故ジョン・F・ケネディ大統領のおいに当たり、政界の名門ケネディ家の一員。ワクチン懐疑派で、新型コロナウイルス流行下でも否定的な言説を繰り返して公衆衛生の専門家から批判を招いた。20年大統領選が「不正だった」との陰謀論に加担した可能性も指摘されている。
  民主党では、女性作家マリアン・ウィリアムソン氏(70)も出馬表明している。(共同)



2022.11.17-Yahoo!Japanニュース(毎日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/48ddd54037ae4f2eee295159915b2ff20fa1a89c
米中間選挙 共和が下院過半数を奪還 上院と「ねじれ」-【ワシントン秋山信一】

  米中間選挙(8日投票)で、野党・共和党が4年ぶりに連邦下院(定数435)の過半数を奪還した。米CNNテレビが日本時間17日に報じた。共和党は期待ほど議席が伸びず「辛勝」となったが、民主党のバイデン政権に対抗する足場を固めた政権政党と下院の多数派が異なる「ねじれ議会」となるため、新会期が始まる2023年1月以降、バイデン大統領は思うように予算案や重要法案を通せなくなり、政権運営が難航するのは必至だ

  既に「勝利」を宣言していた共和党下院トップのマッカーシー院内総務は16日、ツイッターに「正式に(民主党の)ペロシ(下院議長)の下院をひっくり返した。米国民は新たな方向に期待しており、下院の共和党は応える準備ができている」と投稿した。
  民主党のバイデン氏は声明で、マッカーシー氏に祝意を表した上で「今回の選挙では、生活費を抑え、民主主義を守ってほしいといった民意が明確に示された。明るい未来を犠牲にして政争にとらわれてはならない」と対決色を強める共和党をけん制した。
   CNNによると、日本時間17日午後4時現在で、共和党は過半数ラインの218議席を獲得した。民主党は210議席。既に勝利宣言していた共和党は15日、次期下院議長候補にマッカーシー氏を選出した。
   共和党は過半数を確保したものの、民主党との議席数の差は小さい。議会運営を優位に進めるには党内の結束が必要で、24年の大統領選への出馬を表明したトランプ前大統領の影響下にある保守強硬派にも配慮せざるを得ず、民主党との対決色が強まるのは確実だ。
   共和党は下院を舞台に、バイデン氏の次男ハンター氏を巡る外国企業との癒着や税務処理の不正などの疑惑、米軍のアフガニスタン撤収時の混乱の責任などを追及する構えだ。トランプ派は一連の追及の先に、バイデン氏の弾劾訴追決議も要求している。トランプ氏が在任中に2度の弾劾訴追を受けたことへの意趣返しの意味合いがあり、24年の大統領選に向けて政争が一段と激しさを増しそうだ。
   一方、上院選(定数100、改選35)では民主党系が50議席、共和党が49議席を獲得している。議席数が同数の場合、上院議長を兼ねるハリス副大統領の決裁票で採決時には民主党が優勢となる。政府高官や連邦裁判所判事の人事承認権を持つ上院を押さえたことで、バイデン政権は人事に関しては主導権を維持できることになった。最後の1議席となる南部ジョージア州では12月6日に決選投票が実施される。
【ワシントン秋山信一】



2020.12.15-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/uspresident2020/20201215-OYT1T50111/
バイデン氏、米大統領選の「当選が確定」…選挙人投票で過半数獲得

  【ワシントン=横堀裕也】11月3日に投開票された米大統領選の選挙人投票が14日、全米50州と首都ワシントンで行われた。計538人の選挙人による投票で、民主党のジョー・バイデン前副大統領(78)が過半数を超える306票を獲得し、当選が事実上確定した。共和党のドナルド・トランプ大統領(74)は232票だった。トランプ氏は敗北を認めていないが、再選の道は閉ざされた形だ。

  投開票は各州の州都などで行われ、開票結果も含めて公開された。有権者の一般投票の結果に従わない「不誠実な選挙人」はいなかった。2016年の前回選挙では、造反は過去最多の7票だった。今回の結果は来年1月6日に連邦議会で行われる集計で正式に確定し、同月20日にバイデン氏が第46代大統領に、カマラ・ハリス上院議員(56)が副大統領に就任する。
  バイデン氏は開票結果を受けて地元デラウェア州で演説した。米国政治や社会の分断を踏まえ、「今こそ新たな一歩を踏み出し、結束して共に傷を癒やそう。私に投票してくれなかった人も含め、私は全ての米国人の大統領になる」と国民に融和を呼びかけた。
  また、「選挙の正当性は保たれた。我々は投票し、民主主義が勝ったのだ」とも強調した。トランプ氏が大統領選について「大規模な不正があった」などと主張し、選挙の正当性を否定する発言を繰り返していることを意識したものだ。


2020.12.11-NHK NEWS WEB- https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201211/k10012758571000.html
米大統領選 結果の“否認”訴えた裁判 共和党議員100人超支持

  アメリカ大統領選挙をめぐりトランプ大統領に近い南部テキサス州の司法長官が、激戦となった州の選挙結果を事実上認めないよう連邦最高裁判所に訴えた裁判について、100人を超える共和党の議員が支持を表明し、選挙結果を争う大統領に賛同する姿勢を示しました。
  アメリカ大統領選挙をめぐっては、大統領に近いテキサス州の司法長官が今週、連邦最高裁判所に訴えを起こしています。
  このなかでは、激戦となった東部ペンシルベニア州や中西部ミシガン州など4つの州について、選挙制度が法に反して変更されたと主張し、選挙結果に基づいた選挙人による投票をさせないよう求めています。
  この裁判をめぐって10日、共和党の下院議員106人が文書に署名して支持を表明しました。
  アメリカ大統領選挙は来週14日に全米50州と首都ワシントンに割りふられた選挙人による投票が行われ、この結果を受けてバイデン次期大統領の勝利が確定することになりますが、裁判はこの投票を遅らせるねらいがあると見られています。
  トランプ大統領は、この裁判への参加を裁判所に求めていて、「これは大きなことだ」とツイッターに投稿するなど、法廷闘争での巻き返しにつなげたい考えですが、アメリカのメディアは訴えが認められる可能性は低いと伝えています。


2020.12.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201210/k10012756251000.html
バイデン氏次男 “自身の税務処理で検察当局の捜査受ける”

  アメリカのバイデン次期大統領の次男、ハンター氏が自身の税務処理に関して検察当局の捜査を受けていると明らかにしました。ハンター氏をめぐってはこれまでトランプ大統領が繰り返し疑惑を主張していて、今後、批判を強めることも予想されます。
  バイデン次期大統領の次男、ハンター氏は9日、政権移行チームを通じて声明を発表し、自身の税務処理に関して地元の東部デラウェア州の検察当局の捜査を受けていると明らかにしました。
  ハンター氏は、声明で「事態を重く受け止めているが、私が合法的かつ適切に税務処理を行ったことを証明できると確信している」と強調しました。
  またバイデン氏の政権移行チームも声明を出し、「バイデン次期大統領はこの数か月間、悪意ある個人攻撃を含む困難と闘ってきた息子を誇りに思っている」としています。

  デラウェア州の検察当局は、NHKの取材に対し「捜査中のためコメントできない」としていますが、CNNテレビは関係者の話として、捜査ではハンター氏の中国をはじめとする海外での取り引きで、脱税や資金洗浄などの違法行為がなかったかを調べていると伝えています。
  ハンター氏をめぐっては、トランプ大統領が海外での取り引きを通じて不正に利益を得た疑惑があると繰り返し主張していて、今後、批判を強めることも予想されます。


2020.11.05-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201105/k10012696141000.html
動画解説-アメリカ大統領選挙 勝敗の行方は (5日正午)

 開票が続くアメリカ大統領選挙は、バイデン前副大統領が激戦州のウィスコンシンとミシガンで勝利を確実にしたことで、当選に必要な選挙人の獲得に近づいています。
 ただ、トランプ大統領は、選挙で不正があったと主張して陣営が集計の差し止めを求める裁判を相次いで起こし、選挙の行方には不透明感も漂っています。
  日本時間5日正午の最新の情勢と今後の見通しについて国際部デスクが解説します。
(動画は4分2秒)(データ放送では動画をご覧頂けません)


2020.9.9-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200909/mcb2009091631016-n1.htm
大統領選、トランプ氏とバイデン氏が環境保護策で火花 激戦州で支持率並ぶ

  【ワシントン=平田雄介】11月3日実施の米大統領選の共和党候補、トランプ大統領は8日、激戦州の南部フロリダ、ノースカロライナ両州を訪れ、本選に向けた活動を本格化させた。同日発表された世論調査で、トランプ氏が民主党候補のバイデン前副大統領とフロリダ州の支持率が拮抗(きっこう)していることが判明。戦いは激しさを増している。
  トランプ氏は同日、フロリダ沖の石油と天然ガスの掘削停止を2032年半ばまで10年間延長する大統領令に署名。「私の政権のエネルギー政策のおかげで、石油とガスの産出量を世界一で維持したまま、こうした(環境保護のための)措置を取ることができる」と主張。環境保護を訴えるバイデン氏を「口先ばかりで何もしない」と批判した。
  これに対し、バイデン氏は「トランプ氏は気候変動を捏造(ねつぞう)と言ってきた」とする声明を発表し、同氏の環境政策を批判。自らが大統領になれば、太陽光発電など「クリーン・エネルギー事業への大規模投資で雇用を創出し、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済を復活させる」と訴えた。
  米NBCテレビが8日発表した世論調査によると、フロリダ州での両氏の支持率はともに48%で、トランプ氏はヒスパニック(中南米系)の支持でバイデン氏を4ポイント上回った。ただ黒人からの支持はバイデン氏の83%に対し、トランプ氏は11%だったため、同氏の陣営は黒人層の支持を狙い、プロフットボールNFLの黒人選手を起用したラジオ広告の放送を始めた。


2020.11.27-BBC NEWS JAPAN-https://www.bbc.com/japanese/55097616
トランプ氏、ホワイトハウスを去る用意があると示唆

  ドナルド・トランプ米大統領は26日、大統領選の選挙人による来月の投票でジョー・バイデン氏が正式に次期大統領に決まれば、ホワイトハウスを去ると表明した。
  トランプ氏はこの日、選挙人による投票で負けた場合はホワイトハウスを去ることに同意するのかと記者団から問われ、「もちろんそうする。もちろんそうするし、それは分かっていることだろう」と答えた。
  一方で、「もしそうすれば(バイデン氏を当選させれば)、間違いを犯したことになる」と発言。決して敗北を認めない考えを示した。トランプ氏は3日にあった大統領選での敗北を受け入れていない。選挙で不正があったとする、証明されていない主張を繰り返している。
  この日も記者団に、「負けを認めるのはとても難しい。大規模な不正があったと分かっているからだ」と、証拠を示すことなく述べた。バイデン氏の就任式に出席するかどうかは明言しなかった。
バイデン氏の七面鳥は小型
  バイデン氏は26日、米国内で新型コロナウイルスの感染者が増加し続けていることを受け、感謝祭を静かに過ごした。バイデン氏と妻ジル氏は米CNNで、「今年は私たちの七面鳥はサイズが小さくなり、キッチンも少し静かになるだろう」、「多くのアメリカ人と同じく、安全に実行できない慣習は今回、あきらめている」と述べた。
  また、「小さな犠牲ではない。愛する人たちと過ごす時間、失われた時間は戻らない。それでも私たちは、それがお互いを守る対価であり、自分だけが負担する対価ではないと分かっている」とした。
  バイデン氏は今週、国民に感謝祭の祝祭の規模を縮小するよう要請。「私たちはこのウイルスに打ち勝つことができるし、実際に打ち勝つ」と述べた。
来月に選挙結果が確定
  大統領選でバイデン氏が獲得した選挙人は306人で、トランプ氏が獲得した232人を上回っている。バイデン氏の選挙人は当選に必要な270人を大きく超えており、全体の得票数でもバイデン氏がトランプ氏より600万票以上多い。選挙人らは来月、選挙結果を確定させる予定。それを経て、来年1月20日にバイデン氏が大統領に就任する見通しだ。
  トランプ氏と支持者らは、選挙をめぐって数々の訴訟を起こしているが、ほとんどは棄却されている。
政権移行には「誠実に」対応
  同氏は今週に入ってついに、バイデン氏のチームが正式な政権移行の手続きを始めることに同意した。それにより、バイデン氏は大統領就任の準備として、高度の機密情報の報告を受け、政府の重要職員と連携できるようになるほか、数百万ドルの予算を使うことができる。
  政権交代は通常、決まった方法によって進められるが、今回はトランプ氏が敗北を認めないことで滞ってきた。バイデン氏はすでに、来年1月に発足する自らの政権の重要人事を発表している。政権移行については、ホワイトハウスが「誠実に」応じているとしている。


2020.11.22-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201122/wor2011220014-n1.html
トランプ氏、訴訟攻勢は不発 遅延戦術に軸足移すが…

  【ワシントン=黒瀬悦成】米東部ペンシルベニア州の連邦地裁は21日、米大統領選で敗北が確実となった共和党のトランプ大統領陣営が同州での約700万票の郵便投票を無効にするよう求めた訴えを退ける判決を下した。トランプ陣営は「大規模な不正投票があった」として複数の激戦州で選挙結果の逆転に向け訴訟を起こしているが、請求は次々と棄却された。陣営は各州の選管による選挙結果の確定を遅らせる戦術に軸足を移したが、形勢逆転の機会は閉ざされつつある。
棄却・取り下げ30件、勝訴は2件
  トランプ陣営の「不正選挙」をめぐる訴えで、棄却されたか、自ら取り下げたのは今回で30件目。これまでに勝訴したのは、ペンシルベニア州での投開票作業の手続きに関して争った2件にとどまっている。
  ペンシルベニア州の連邦地裁はまた、同州選管が選挙結果を確定させることに問題はないとの意見を表明した。同州では民主党のバイデン前副大統領が勝利し、州選管による選挙結果の確定期限は23日。トランプ陣営は同州での訴訟を法廷闘争の「主戦場」と位置付けてきただけに、大きな打撃となるのは確実だ。
  トランプ氏や陣営は「ドミニオン社製の票集計機がバイデン氏に有利になるよう票を改変した」と唱えてきたが、米メディアなどは事実無根の陰謀論と評しており、陣営も訴訟としては一切提起していない。このため陣営は投票や集計の「不備」を主張し、選挙結果の確定を遅らせる戦術に転じていた。
  バイデン氏が僅差で勝利した中西部ミシガン州では、共和党全国委員会と同党州支部が21日、一部開票所の票を再点検する必要があるとして、最終結果の承認を14日間延期するよう州政府に要請した。
  ただ州政府は、最終結果の確定前の票の点検は州法で認められていないとして要請を拒否する方針だ。
「裏技」画策するも…
  トランプ氏は20日、共和党が多数を占めるミシガン州議会の上下両院議長とホワイトハウスで面会し、州議会で同州の大統領選挙人をトランプ氏に有利となるよう選出し直すよう要求したと伝えられている。
  トランプ氏としては時間を稼いだ上で、一般投票の結果とは異なる選挙人を選出させようとしているとみられる。こうした手続きは憲法上は不可能ではないが、極めて異例の措置とされる。両議長は面会後の声明でトランプ氏の要求を拒否したことを示唆した。
  トランプ氏は、結果確定も含め、あらゆる手段でバイデン氏が大統領に選出される要件を満たせないよう工作を繰り広げ、あくまで再選を目指す考えだ。


2020.11.15-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66254530V11C20A1MM8000/
トランプ氏、バイデン氏勝利に言及 直後に打ち消し

  【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は15日、大統領選で民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にしたことについて「彼が勝利したのは選挙に不正があったからだ」とツイッターに書き込んだ。大統領選後にバイデン氏が「勝った」と言及したのは初めて。
  ところが、そのすぐ後には「私たちは勝つ!」「彼(バイデン氏)の勝利は偽ニュースメディアの判断にすぎない。私は全く敗北を受け入れていない! まだ道のりは長い」と立て続けに投稿した。選挙に不正があったと訴える姿勢を続けた。
  トランプ氏が米国の各地で起こしている訴訟は、訴えが却下されるなど相次ぎ不調に終わっている。法廷闘争を通じて選挙結果を覆すメドは立っていない。
  大統領選は米東部時間の3日に投票された。その後に開票が進み、複数の米メディアは7日にバイデン氏の当選確実を伝えた。激戦となっていた東部ペンシルベニア州をバイデン氏が制し、当選に必要な「選挙人」の過半数(270人)を確保したと判断した。
  全米538人の選挙人のうち、バイデン氏が獲得したのは306人、トランプ氏は232人。敗北を認めていないトランプ氏はバイデン氏への政権移行に協力する姿勢を示さず、トランプ氏への批判が強まっている。


2020.11.06-Yahoo!Japanニュース(JIJI.COM)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1a0e4c380abb5d3c472aa0b5f992a1ecd52fa736
トランプ氏陣営、法廷闘争拡大へ 激戦2州では敗訴 米大統領選

  【フィラデルフィア時事】米大統領選で、共和党のトランプ大統領の陣営が激戦州で起こした開票作業をめぐる訴訟は5日、中西部ミシガンと南部ジョージア両州で敗訴した。

  一方、東部ペンシルベニア州では開票の監視を認める判断が出ており、法的措置をさらに拡大する方針だ。
   陣営は選挙人の獲得で敗北したミシガン州で、開票作業を監視する陣営側の要員が派遣されるまで郵便投票などの集計中止を求めて提訴。裁判所は州の開票作業が終わる数時間前の提訴だったと指摘し、「現時点で開票作業は基本的に完了している」として訴えを退けた
  民主党のバイデン前副大統領が猛追するジョージア州をめぐっては、チャタム郡で到着期限を過ぎて無効の郵便投票が有効票に混ざったのを監視員が目撃したと主張し、これらの無効票を見つけだすよう求めて提訴。裁判所はこれに対し「証拠がない」として却下した。
   開票作業が続くペンシルベニア州では、フィラデルフィアの集計会場での開票作業をより近くで陣営側の要員が監視することが認められ、陣営側の勝訴となった。
   陣営はペンシルベニア州で6日までに到着した郵便投票を有効とした同州最高裁の判決の是非について、連邦最高裁の介入を改めて申し立てたほか、西部ネバダ州でも死者や既に州から引っ越した人が投票したとして提訴する方針。一方、陣営側は敗訴した2州で上訴するかは明らかにしていない。
   トランプ氏は5日の演説で「合法な票を数えれば、私が簡単に勝てる」と強調し、法廷で徹底的に争う構えを示している。


2020.11.06-JIJI.COM-https://www.jiji.com/jc/article?k=2020110600246&g=int
バイデン氏、過半数間近 トランプ氏は徹底抗戦―ジョージア横一線・米大統領選

  【ワシントン時事】米大統領選は5日、激戦州で開票が続いた。選挙人の過半数(270)獲得へ間近に迫る民主党のバイデン前副大統領(77)東部ペンシルベニア州と南部ジョージア州で共和党のトランプ大統領(74)との差を急速に縮め、ジョージアでほぼ並んだ。これに対し、トランプ氏は5日、記者会見で「選挙を盗むことは許さない」として徹底抗戦を表明した。

  バイデン氏の獲得選挙人は253人。トランプ氏は214人を確保している。
  バイデン氏はペンシルベニア(選挙人20)1州を取るか、南部ジョージア(同16人)、西部のアリゾナ(同11人)とネバダ(同6人)のうち2州を取れば、270に到達する。
 ペンシルベニアでのバイデン氏の追い上げは、民主党票が多い郵便投票や大都市フィラデルフィアの集計が進んだため。一時50万票余りあったトランプ氏との差は開票率94%時点で約4万票、得票率では0.7ポイントまで縮まった。また、ジョージアでは、一時10ポイント以上の差が開いていた二人の得票率が、開票率98%段階で49.4%で並んだ。トランプ氏が約1900票だけ上回っている。


2020.10.28-dmenuニュース-http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor2010280021?fm=latestnews
オバマ氏がトランプ大統領を痛烈批判「無能さと無関心さ」

  【ワシントン=平田雄介】11月3日の米大統領選を1週間後に控える27日、民主党候補のバイデン前副大統領を支援するオバマ前大統領は、激戦州の南部フロリダ州オーランドで車によるドライブイン形式の支持者集会を開いた。オバマ氏は、共和党候補のトランプ大統領による新型コロナウイルス対応を「この種の無能さと無関心さにあと4年間も米国を委ねる余裕はない」と痛烈に批判した。
  オバマ氏は、バイデン氏が控えてきたトランプ氏自身の新型コロナ感染に関する批判にも踏み込み、「私もホワイトハウスに少しの間住んでいたが、病気にかからないよう注意深く予防策が講じられている所だぞ」と皮肉を交えて語った。
  オバマ氏は投開票日まで2週間を切った21日の東部ペンシルベニア州フィラデルフィアでの演説からバイデン氏の選挙運動に本格参戦。24日にはフロリダ州マイアミでドライブイン形式の支持者集会を開いた。

  都会を巡るオバマ氏に対し、バイデン氏は最近、郊外の住民や高齢者に向けた訴えを強めている。トランプ氏を突き放すために党派を超えて支持を広げる狙いがあるとされ、バイデン氏は中道の姿勢で穏やかに支持を呼びかけているという。
  バイデン陣営幹部は「オバマ氏には、辛辣(しんらつ)なトランプ批判を聞きたい都会の若者や黒人、中南米(ヒスパニック)系など少数派のリベラルな支持層を活気づけ、バイデン氏を補完する役割が期待されている」と米紙ワシントン・ポスト(電子版)に語った。
  27日、トランプ氏は激戦州の中西部ミシガンやウィスコンシン、ネブラスカなど3州を遊説した。バイデン氏は共和党の地盤ながら世論調査の支持率が拮抗(きっこう)している南部ジョージア州を訪ね、2カ所で演説した。


2020.10.28-Livedoor News(産経新聞)-https://news.livedoor.com/article/detail/19129092/
警官が黒人男性を射殺、大統領選激戦州ペンシルベニア 反発の住民らが破壊行為

  【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選の激戦州である東部ペンシルベニア州の主要都市フィラデルフィアで26日、住宅街の路上でナイフを振りかざしていた27歳の黒人男性が警官に射殺され、これに反発した住民らが抗議デモと称して市内の一部で警察車両に放火したり商店を略奪したりする破壊行為を展開した。
  米メディアによると、射殺されたのはウォルター・ウォレス氏。インターネット上で拡散された動画では、同氏は警官2人にナイフを捨てるよう警告されたのに従わず、逆に警官らに近づこうとしたため発砲され、搬送先の病院で死亡が確認された。
  また、射殺を受けた住民らによる破壊行為では約90人が拘束され、投石などで少なくとも30人の警察官が負傷した。警官1人が重体となっているという。
  27日夜には商店の略奪が市内の広範囲に拡大。米メディアによると約千人規模の暴徒らが複数の大手量販店に侵入し、大量の商品を奪い去った。
  米国では警官による黒人射殺事件とそれを受けたデモや暴動が相次いでおり、今回の事件を機に黒人と警察との関係や「法と秩序の維持」をめぐる問題が大統領選の争点として改めて注目される可能性もある。


2020.10.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201027/wor2010270026-n1.html
トランプ再選、フロリダ死守が最低条件 米大統領選まで1週間
(1)
  【ワシントン=黒瀬悦成】11月3日実施の米大統領選まで1週間。再選を目指す共和党のトランプ大統領(74)は民主党候補のバイデン前副大統領(77)に対し世論調査の支持率で引き続き劣勢にある。トランプ氏は26日、勝敗の行方を左右する激戦州である東部ペンシルベニア州の3カ所で立て続けに大規模集会を開くなど、土壇場での戦局の打開に懸命だ。
コロナ拡大、バイデン氏の追い風に
  政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた主要各社による全米世論調査の平均支持率は、バイデン氏50・8%、トランプ氏42・9%。今月中旬以降に実施された調査のうち、調査会社「ラスムセン・リポート」が「トランプ氏が1ポイント差で優勢」とした以外は、各社とも軒並み「バイデン氏優勢」としている。
  バイデン氏が優勢を保っている要因の一つは、秋に入って新型コロナウイルスの新規感染者数が大統領選の勝敗を左右する中西部の激戦州を中心に再び増え、感染者総数が870万人に迫る中、トランプ氏の新型コロナ対策の「失敗」を争点の中心に据えることに一定程度成功したためだ。
  世論調査機関ピュー・リサーチセンターが9日発表した世論調査で、「どちらの候補が新型コロナ危機を適切に対処するか」との設問に57%がバイデン氏と答え、トランプ氏40%を大きく上回った。
  ただ、同じ調査で「どちらが経済政策で適切な判断をするか」の問いでは、トランプ氏52%がバイデン氏51%を上回り、新型コロナ危機の前は米国に空前の経済成長をもたらしたトランプ氏への信頼は根強いことも浮き彫りとなった。
勝敗握る激戦6州
  一方、トランプ氏が2016年の前回大統領選で勝利した激戦州6州に限れば、トランプ氏の平均支持率は45・5%で、バイデン氏の49・5%を4ポイント差で追っている。
  前回大統領選の同時期、トランプ氏は民主党のクリントン候補に対して3・5ポイント差に迫っていた。陣営としては前回と同様、ここからの巻き返しに全力を挙げる構えだ。
(2)
  対するバイデン氏が勝利に向けた至上課題とするのは、焦点の激戦6州のうち、本来は民主党の有力地盤とされてきた「ラストベルト(衰退した工業地帯)」に位置する中西部ウィスコンシン州とミシガン州、東部ペンシルベニア州を奪還することだ。
  大統領選は全米50州と首都ワシントンに割り当てられた計538人の大統領選挙人に関し、原則として各州の得票率が最も多かった候補がその州の選挙人を獲得し、過半数の270人を獲得した方が勝利する。
  トランプ氏が前回獲得した選挙人は306人。仮に同氏がラストベルトの3州(選挙人計46人)を落とした場合、バイデン氏は278人の選挙人を獲得して勝利することになる。
  一方で、トランプ氏はミシガン(16人)とペンシルベニア(20人)の2州を落としても、他州で前回同様に勝利すれば、270人をぎりぎり確保できる。 ただ、同氏が激戦州のうち最大の選挙人(29人)を抱える南部フロリダ州で敗れたり、南部ノースカロライナ(15人)や西部アリゾナ(11人)といった他の激戦州も落としたりした場合、再選は絶望的となる。
  トランプ氏としてはフロリダ州を死守することが勝利への最低条件だ。


2020.10.24-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201024/k10012678681000.html
米大統領選 最後のテレビ討論会終え最終盤に

  アメリカ大統領選挙は最後のテレビ討論会を終え、選挙戦は最終盤に入りました。
世論調査の支持率で先行されるトランプ大統領が連日みずから各地を回って巻き返しに向け支持を訴える一方、政権奪還を目指す民主党のバイデン前副大統領は根強い人気があるオバマ前大統領らの応援も得て支持を固めようとしています。
  来月3日のアメリカ大統領選挙に向けた最後のテレビ討論会が22日、南部テネシー州で行われ、非難の応酬で混乱した最初の討論会とは異なり、双方が相手の発言を遮ることもほとんどなく、自身の政策や考えを主張し論戦を交わしました。
  討論会について複数の専門家は、世論調査の支持率でバイデン氏が先行する情勢を大きく変えるものではなかったなどと評価しています。
  このうち、大統領選挙に詳しいジョージ・ワシントン大学のノードリンガー教授はNHKのインタビューに対し「今後の焦点は、激戦州で、まだ投票先を決めていないごくわずかの有権者の動向だ」と指摘しました。
  討論会を終えて選挙戦は最終盤に入り、トランプ大統領は23日に激戦州のフロリダ州で、また、この土日には同じく激戦州のノースカロライナ州など4つの州で集会を開き巻き返しに向け支持を訴えることにしています。
  一方、バイデン氏は、23日、自身の地元デラウェア州で新型コロナウイルス対策について演説を行い、「国民を守るために仕事をする大統領が必要だ」と述べ、政権交代の実現を訴えました。
  また、24日には根強い人気があるオバマ前大統領やサンダース上院議員がそれぞれ激戦州で演説し、盛り上がりに欠けるとも指摘される運動に勢いをつけ、支持を固めようとしています。
  大統領選挙まで10日余りとなるなか、両陣営ともに運動を加速させています。
全米世論調査はバイデン氏リード
  アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、全米を対象にした世論調査の支持率の平均値は、23日時点で、
▽バイデン氏が50.7%、
▽トランプ大統領が42.8%と、
バイデン氏が7.9ポイントリードしています。
米専門家「激戦州で投票先を決めていない有権者の動向 焦点」
  アメリカ大統領選挙のテレビ討論会について、大統領選挙に詳しいジョージ・ワシントン大学のゲーリー・ノードリンガー教授は「両候補とも前回よりずっとうまくふるまい、間違いも犯さなかった。トランプ大統領は、バイデン氏の次男のウクライナ企業との取り引きを取り上げたのに対しバイデン氏はトランプ大統領が税金を適切に納めていないと攻め、有権者の期待に応えた」と述べ両候補とも自分に投票を検討している有権者にアピールできたと評価しました。
  そのうえで今後の選挙戦について、ノードリンガー教授は「トランプ大統領の支持者には今まで見たことがないような熱意があるので、トランプ大統領が勝っても4年前ほどの驚きではない。大統領を支持する有権者は、世論調査では支持していると認めない傾向があるので、『投票先を決めていない』と答えた人なら、トランプ大統領に投票する可能性が大いにある。トランプ大統領が勝つ可能性はまだある」と述べ、世論調査の支持率でリードされるトランプ大統領が巻き返す可能性はあると指摘しました。
  その一方で、バイデン氏については、「討論会で明確に答えなかったり、うろたえているように見えたりしたこともあり、高齢過ぎるという印象が強まったかもしれない。バイデン氏は有権者の熱意を高めるよう努め、投票を呼びかけていくことになるだろう」と指摘しました。
  そして、「焦点は、激戦州で、まだ投票先を決めていないごくわずかの有権者だ。バイデン氏はペンシルベニア州やノースカロライナ州、フロリダ州で大幅なリードがあるわけではない」と指摘し、まだ投票先を決めていない人たちの票の行方が勝敗を左右するという考えを示しました。


2020.10.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201010/k10012657161000.html
米大統領選 2回目のテレビ討論会 中止を発表 主催団体

  アメリカ大統領選挙に向け来週、予定されていたトランプ大統領と民主党のバイデン候補の2回目のテレビ討論会について、主催団体は中止すると発表しました。
  アメリカ大統領選挙の2回目のテレビ討論会は当初、来週15日に南部フロリダ州で開かれる予定でしたが、トランプ大統領の新型コロナウイルス感染を受けて主催団体はオンライン形式で行うと発表していました
  しかし、トランプ大統領の陣営が、新型コロナウイルスの治療は完了したなどとして、対面での実施を求めたのに対し、バイデン陣営はこれに反発し、バイデン氏は同じ日に別の集会に参加する予定で、討論会の開催のメドが立っていませんでした。
  こうした状況を受けて主催団体は9日、「両陣営が15日に別々の予定を発表しており、討論会を行えないことは明らかだ」として中止を発表しました。
  一方、主催団体は22日に南部テネシー州で予定している3回目の討論会については、両候補が参加に同意したとして、予定通り、準備を進めるとしています。
  アメリカ大統領選挙の討論会は候補者が直接意見を戦わせる選挙戦終盤の山場ですが、先月行われた1回目の討論会は非難と中傷の応酬になったうえ、2回目は両陣営の対立で直前になって中止される異例の事態となっています。


2020.10.1-SankeiBiz(Bloomberg)-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201001/mcb2010011616019-n1.htm
米大統領選テレビ討論 初の直接対決は暴言応酬、納税・コロナで火花

  11月3日の米大統領選に向け、共和党候補のトランプ米大統領と民主党候補のバイデン前副大統領による最初のテレビ討論会が9月29日夜(日本時間30日午前)、オハイオ州クリーブランドで行われた。
  両候補はヘルスケアや経済政策などをめぐり激しく言い争い、司会を務めるFOXニュースのクリス・ウォレス氏も手に負えない場面が多かったバイデン氏は自分が回答しているときに話し始めるトランプ氏を繰り返し「愚か者」と呼び、「黙れ」と発言。さらに、人種問題に関する政府研修をやめるよう命じたことを釈明したトランプ氏を「人種差別主義者」と呼び、「過去最悪の米大統領」と断じた。
  一方、トランプ氏はバイデン氏の知力に関して暴言を吐いたほか、同氏の息子の海外ビジネスをめぐる疑惑に言及した。
申告書の開示求める
   討論の冒頭、トランプ大統領は死去したルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の後任としてエイミー・コニー・バレット氏を指名したことについて、約4年前に「われわれが選挙で勝利した」と述べ、自分にその権利があると主張。これに対してバイデン氏は、バレット氏の指名はオバマケアの廃止を狙ったものだと反論。トランプ氏とバレット氏がオバマケア廃止を望んでおり、廃止すれば2000万人が保険を失うだろうと指摘した。
   バイデン氏は討論会の数時間前、自身の直近の納税申告書を公開した。トランプ氏は自分は2016、17年に「数百万ドル」を納税したと発言。これに対し、バイデン氏は「あなたの納税申告書をわれわれに示していただきたい」と、開示を求めた。
   バイデン氏は司会者からトランプ氏の新型コロナウイルスへの対応について質問されると、「国民はパニックに陥っていない。パニックになったのはトランプ氏だ。彼は今もプランを持っていない」と指摘。これに対し、トランプ氏は「それは間違っている」とし、「あなたが大統領だったらわれわれのような仕事はできなかっただろう」と反論。バイデン氏が大統領なら、数百万人の死者が出ていただろうと主張した。
マスクは着用しない
  大統領選の投票日まで5週間となる中、世論調査では全米と激戦州の双方でバイデン氏がリードしている。バイデン陣営は今回の討論会が今後を左右する重要イベントと捉えていた。支持率で後れを取っているトランプ陣営にとっても、巻き返しのための絶好の機会だった。(ブルームバーグ Jennifer Epstein、Jennifer Jacobs)
   両候補はマスクをめぐっても議論。トランプ氏が「ここにマスクを持っている。必要なら私はマスクをする」と述べたうえで、「彼のようには着用しない」と続け、コロナ感染拡大防止でマスクを着用すべきだとするバイデン氏との違いを鮮明にした。
   トランプ氏は司会者から白人優越主義者や武装集団を非難するかと問われると、「もちろんそうする用意がある。しかし、私が見る限り、ほとんど全てが右派ではなく左派によるものだ。私はどんなことでも行う用意がある。平和を望んでいる」と答えた。ただ、司会者から実行を促されると、具体的な個人名が分からなければ非難のしようがないと語った。
  大統領選の投票日まで5週間となる中、世論調査では全米と激戦州の双方でバイデン氏がリードしている。バイデン陣営は今回の討論会が今後を左右する重要イベントと捉えていた。支持率で後れを取っているトランプ陣営にとっても、巻き返しのための絶好の機会だった。(ブルームバーグ Jennifer Epstein、Jennifer Jacobs)


2020.9.3-産経新聞 TEH SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200903/wor2009030026-n1.html
激戦州でトランプ氏の猛追目立つ バイデン氏、「ヒラリー氏の二の舞い」に危機感 米大統領選まで2カ月 

  【ワシントン=黒瀬悦成】11月3日の米大統領選まで2カ月再選を目指す共和党のトランプ大統領(74)は、民主党大統領候補のバイデン前副大統領(77)に支持率で劣勢にあったのが、8月に入ってから激戦州を中心に追い上げを見せ、徐々に接戦の様相が強まってきた
   米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた両候補の全米平均支持率は2日現在、トランプ氏が42・2%、バイデン氏は49・7%で、同氏がリードを保っている。
   ただ、同サイトによれば勝敗を左右する「激戦州」に位置付けられる中西部ウィスコンシン、ミシガン、東部ペンシルベニア、南部ノースカロライナ、フロリダ、西部アリゾナの6州での平均支持率はトランプ氏が45・5%で、バイデン氏48%との差はわずか2・5ポイントだ。7月24日時点でのバイデン氏との差は6・3ポイントだったことから、トランプ氏の猛追傾向は明白だ。
   中でもトランプ氏の健闘が目立つのは、バイデン氏の出身州で、バイデン陣営の本部があるペンシルベニア州。モンマス大が今月2日発表した世論調査結果では、同州での両者の支持率の差は7月中旬の13ポイントから一気に4ポイントに縮まった。
   さらに、同サイトの分析では、トランプ氏の激戦6州での支持率(2日現在)は、同氏が勝利した2016年の前回大統領選の同時期比で0・8ポイント上回っていた。民主党の間では、前回大統領選で最後まで優勢を維持しながら敗退したクリントン元国務長官の二の舞いをバイデン氏が演じる恐れも排除できないとして、危機感を強めつつある。
   トランプ氏の勢いがここへきて回復傾向にあるのは、新型コロナウイルス危機に関し1日あたりの新規感染者数が8月から減少傾向に転じたことや、経済が株価の上では回復基調を示すなど、「正常化」への展望が多少開けてきたことが要因とみられている。
   また、バイデン氏が新型コロナ感染対策を理由に先週まで自宅から選挙活動を行う「穴熊戦術」に徹していたことも支持低下につながった可能性がある。


2020.8.26-SankeiBiz(Bloomberg)-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200826/mcb2008261149007-n1.htm
トランプ氏を候補正式指名 米共和党、コロナ対応の主張称賛

  2020年米大統領選に向け開幕した与党・共和党の全国大会は24日、トランプ大統領を党の大統領候補に正式指名した。支持率で民主党のバイデン候補にリードを許す中、2期目を目指した選挙戦の追い込みが正式にスタートした。
  共和党大会は一部でオンライン形式ではなく、会場に参加者が集まる形で実施する。トランプ氏はノースカロライナ州シャーロットの会場で「米国は極めてひどい方向、または今よりさらに素晴らしい方向のどちらかに進み得る」と述べた。

  トランプ大統領と講演者は批判された新型コロナウイルス感染拡大への対応について肯定的なイメージ作りを目指した。
  新型コロナ感染で米国内で17万7000人余りが死亡する中、トランプ大統領は強力な対策を打ち出せておらず、公共の場でのマスク着用の必要性など公衆衛生当局の助言に抵抗したと批判されている。トランプ大統領は新型コロナが弱まっていくと述べ、民主党大統領選候補のバイデン氏が勝利すれば、必要に応じ経済活動を再び停止することになると冷笑した。トランプ大統領の主張を、新型コロナに感染した口腔(こうこう)外科医のG.E.ガリ氏ら党大会講演者が称賛した。
  大統領の息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏も登壇し、新型コロナ感染防止の取り組みで中国からの渡航の大部分を停止したことについて民主党が「私の父を人種差別主義者で外国人嫌いと呼んだ」が、彼らは「米国民の安全安心より政治的な正しさを優先した」と指摘した。
  共和党大会の講演者はまた、トランプ米大統領を無能と批判した民主党に対抗し、民主党のバイデン大統領候補を危険な急進主義者として描こうとした。
2024年の大統領選候補と目されているヘイリー前米国連大使は自身とトランプ氏が国連で「米国のために立ち上がった」と主張。民主党とバイデン候補が米国第一主義を非難しているが、トランプ氏は常に米国を第一としており再選にふさわしいとの認識を示した。
(ブルームバーグ Jordan Fabian、Mark Niquette)


2020.8.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200819/k10012573291000.html
米民主党バイデン氏 大統領になったらアメリカはどう変わる?

  秋のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党の大統領候補にバイデン前副大統領が正式に指名されました。バイデン氏は新型コロナウイルスへの対応でトランプ大統領に不満を抱く人たちに浸透をはかるとともに、温暖化対策や外交政策で違いを打ち出して、幅広い支持を得たいねらいです。

  民主党は18日、2日目となる全国党大会を開き、代議員による投票の結果、バイデン前副大統領が党の大統領候補に正式に指名されました。またバイデン氏のもと党の政策の指針となる政策綱領も採択しました。
  政策綱領では新型コロナウイルス対策でのワクチンの無償提供や労働者を重視する経済政策を掲げる一方、地球温暖化対策や移民に寛容な姿勢などでトランプ政権との違いを打ち出しています。
  また外交面ではアメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領が国際協調を軽視してきたと批判し、同盟国との関係や多国間の枠組みを重視し、国際社会でのアメリカの指導力を新たな形で構築するとしています。
  バイデン氏としては新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、トランプ大統領に不安や不満を抱く人たちに浸透をはかるとともに、与党・共和党でトランプ大統領の政策や言動に反発する層にも党派を超えて訴えかけ、11月の大統領選挙に向けて幅広い支持を得たいねらいです。
専門家「多国間外交に戻る」
  共和党のブッシュ政権でアジア政策を統括していたホワイトハウスの元高官、マイケル・グリーン氏は、NHKの取材に対して「バイデン氏の外交はもっと伝統的な民主党の主流派の外交に戻る。それは外交による解決や国際的な機関を重視し、多国間外交を進め、気候変動に積極的に取り組む外交だ」と述べました。
  そのうえでトランプ大統領のような予測不能な外交ではなく、国際協調を重視した外交政策になるという見方を示しました。
  そして、「日本やアジアに対する外交・安全保障政策は党派を超えたものになる」と述べ、引き続き、日本やオーストラリアなどの同盟国を軸にインド太平洋地域を重視する戦略を進めるほか、トランプ政権よりも東南アジアの国々との外交に力を入れるのではないかという見通しを示しました。
「日本に過度な要求はしない」
  さらにグリーン氏は、「バイデン氏はトランプ大統領のように日本に対して、いわゆる思いやり予算を4倍から5倍に引き上げるような過度な要求はしない」としながらも、アメリカの負担を減らし同盟国の貢献を増やす方針に変わりはなく、安全保障面で日本に何らかの負担を求めるという見方を示しました。
  また、トランプ政権が参加を拒み日本が主導して発効した、TPP=環太平洋パートナーシップ協定への復帰の可能性をあげました。
  グリーン氏は「バイデン陣営は、現時点では復帰の可能性を否定するか言及を避けている」とし、その理由については、前回の大統領選挙でトランプ大統領が獲得した労働組合票を奪うことを優先しているためだと分析しました。
トランプ大統領 再選で「さらに予測不能に」
  一方でグリーン氏は、トランプ大統領が再選されれば、「周囲をイエスマンで一層固め、自分に異議を唱える人物を排除するだろう」とし、大統領の直観に基づく「さらに予測不能な外交が展開されるだろう」と分析しました。
  そのうえで、懸念の1つとして韓国からのアメリカ軍撤退の可能性を挙げ、「政権の高官たちは反対しているものの大統領自身は前向きだ」と述べ、日本の安全保障にとっても影響を与えかねないと警告しました。
  また、日本については「トランプ大統領は安倍総理大臣を個人的に好きな一方で、80年代以降、日本に対する憤りと不信感を抱いてきた。だからこそ、思いやり予算のばく大な増額要求や関税措置を実施しており、二重人格的だ」と述べ、「二重人格外交」が続くという見通しを示しました。
  マイケル・グリーン氏は、共和党のブッシュ政権で重要ポストに就いていたものの、前回の大統領選挙ではトランプ氏に投票しないと表明し、今回の大統領選挙でも民主党のバイデン氏を支持すると明言しています。
「トランプ外交とは対照的」
  民主党のバイデン陣営に東アジア政策を助言しているアメリカ外交問題評議会のミラ・ラップフーパー上級研究員は、NHKの取材に対し、バイデン氏は外交の面で、一国行動主義のトランプ大統領とは対照的に国際協調を重視するという見方を示しました。
  この中でラップフーパー氏は、トランプ大統領が地球温暖化対策のパリ協定やイラン核合意からの離脱、それにWHO=世界保健機関からの脱退などを進め、「一国行動主義で国際社会でのアメリカの指導力を破壊してきた」と批判しました。
  さらに、日本や韓国などの同盟国に対しても、アメリカ軍の駐留経費を巡り、過度な要求を行うなど同盟関係を軽視してきたとし、懸案となっている中国に対しても同盟国と協調して政策を打ち出すのではなく、関税を引き上げる貿易戦争などを一方的に始めたと指摘しました。

  一方でバイデン氏の外交政策については、トランプ大統領とは対照的に国際的な枠組みや国際機関を重視するとともに中国についても日本などの同盟国と連携して対処にあたると述べ、前のオバマ政権が貿易面で中国との対抗も視野に推し進めたTPP=環太平洋パートナーシップ協定にアメリカが復帰する可能性もあるという見方を示しました。
  さらに、バイデン氏の中国政策については、中国による香港での統制強化や、新疆ウイグル自治区での人権侵害、それに南シナ海での軍事拠点化などを例に挙げ、「中国の最近の強硬な姿勢を見れば、いかなる政権であってもかつてのような関与政策に戻るのは難しい」と述べ、バイデン氏が大統領になっても、中国に対しては厳しい姿勢で臨むという見通しを示しました。
  また、北朝鮮やイランの核問題、気候変動の問題の解決のためには、「中国と協力をせざるをえない」とする一方、「アメリカのかつての政権は協力を引き出すために他の分野で圧力を控えるという間違いがあった」とも指摘し、新政権は中国から協力を引き出すために南シナ海の問題などで譲歩しないことが重要だと強調しました。
共和党の重鎮 パウエル元国務長官も登場
  今回の民主党大会では初日に与党・共和党からケーシック前オハイオ州知事をはじめ、4人の党員が異例の応援演説を行ったのに続き、2日目は共和党の重鎮、パウエル元国務長官が登場して民主党のバイデン氏の支持を表明しました。
  パウエル氏は演説で「われわれの国は分断され、あらゆる手段を使って分断をはかる大統領が存在している」とトランプ大統領を批判したうえで「バイデン氏こそ国を結束させ世界でアメリカの指導力を取り戻し、同盟国との関係も立て直せる」と強い期待を示しました。
  またこの日は共和党のかつての大統領候補で2年前に亡くなったマケイン元上院議員の妻がマケイン氏とバイデン氏との党派を超えた友情を語ったビデオも放送されました。ビデオでは両氏が政党は異なっていても国益のために協力しあってきた歴史を伝え、共和党の支持者にも訴えかける内容となっています。
  2日目の党大会のテーマは「リーダーシップの大切さ」で民主党としてはバイデン氏が共和党とも連携して国に尽くしてきたとして、その指導力をアピールすることで、党派を超えた結束を呼びかけるねらいがあるとみられます。
  共和党内ではトランプ大統領が依然、高い支持率を維持していますが、バイデン陣営は新型コロナウイルスの感染拡大や人種差別の抗議デモへの大統領の対応に失望し離反する党員も増えているとみて、さらなる取り込みをはかる考えです。


2020.8.13-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200813/k10012565091000.html
民主党 副大統領候補ハリス氏がトランプ大統領非難 論戦開始

  ことし秋のアメリカ大統領選挙で野党・民主党の副大統領候補に選ばれたハリス上院議員は、初めての演説で、トランプ大統領の新型コロナウイルスへの対応を厳しく非難しました。一方、トランプ大統領もハリス氏の演説を批判し、論戦が始まっています。
  11月のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党のバイデン前副大統領から副大統領候補に選ばれた、カマラ・ハリス上院議員は12日、東部デラウェア州でバイデン氏と初めてそろって姿を見せ、演説を行いました。
  演説は、新型コロナウイルス対策で、会場に支持者を入れない形で行われ、ハリス氏は、「アメリカが平等と正義に向かって今も進まなければならない中、バイデン氏は黒人女性をみずからの伴走者に選んだ」と述べ、自分が選ばれたのは、人種差別の問題に取り組む姿勢のあらわれだと強調しました。
  そして、アメリカで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない理由について、「トランプ大統領が最初から真剣に取り組まなかったからだ」と述べ、大統領の対応を厳しく非難しました。
  そのうえで、「アメリカはリーダーシップを必要としている。われわれは、よりよい未来を選択できる」と述べ、政権奪還に向けた決意を表明しました。
  これに対して、トランプ大統領は会見で、「演説の一部だけ見たが、それで十分だった。かつてハリス氏ほどバイデン氏のことを侮辱した人はいない。大きな失敗をしそうなので、ペンス副大統領との討論が楽しみだ」と述べ、ハリス氏が、民主党の討論会でバイデン氏を厳しく追及したことなどを挙げて批判を強めており、論戦が始まっています。


2020.8.8.-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200808/wor2008080017-n1.html
【米大統領選】バイデン氏、また失言 「中南米系は黒人と異なり多様だ」

  【ワシントン=平田雄介】11月の米大統領選で民主党の候補指名が確実なバイデン前副大統領が、黒人社会が多様性に欠ける集団であるかのように受け取れる失言をして、批判を浴びている。問題視されたのは6日朝に公開されたオンラインイベントでの発言で、バイデン氏が「ヒスパニック(中南米系)の社会は、黒人社会と異なり、信じられないほど多様だ」と述べたことだ。
  これに対し、共和党から再選を目指すトランプ大統領は7日、「もはやバイデン氏は黒人が票を投じるに値しない」と批判した。6日には「黒人社会を軽蔑し侮辱した」とも非難し、ニュースでも終日報道された。
  バイデン氏は同日夜になって「黒人社会が画一的だと示唆する意味はなかった」とツイートした。「政治家として黒人社会にある多様な考え方や生い立ち、感情を目の当たりにしてきた」と釈明に追われた。
  バイデン氏は5月のラジオ番組でも、黒人司会者に「私かトランプ氏か投票に迷っているようなら、君は黒人じゃない」と発言。人種差別などと批判され、「無神経な発言だった」と謝罪している。
  バイデン氏は史上初の黒人大統領だったオバマ氏の前政権で副大統領を務め、黒人の間で支持が高いが、民主党側では失言癖が懸念されている。


2020.7.31-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200731/k10012542571000.html
トランプ大統領 大統領選挙延期言及 郵便投票を改めて批判

  アメリカのトランプ大統領はことし秋の大統領選挙の延期の可能性に言及したことについて、「選挙を遅らせたいわけではない。郵便投票が不正につながるからだ」と述べ新型コロナウイルスの感染拡大で導入が進んでいる郵便投票を改めて批判しました。
  新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、アメリカでは他人との接触を減らすために11月の大統領選挙で郵便投票を導入する州が増えていますが、トランプ大統領は不正が行われると主張して反対しています。
  これについてトランプ大統領は30日、「郵便投票が行われれば2020年の大統領選挙は最も不確かで不正に満ちた選挙になる。人々が安心して投票できるようになるまで選挙を延期すべきだろうか?」とツイッターに投稿し、大統領選挙の延期の可能性に言及しました。
  しかし、大統領選挙の期日は連邦法で定められており、変更には議会による法改正が必要となります。大統領の権限ではできず、延期の可能性は低いとみられますが、突然の投稿に波紋が広がっていました。
  トランプ大統領はその後の会見で「選挙を遅らせたいわけではない。投票のあと投票用紙がどこかにいってしまったり集計が何か月もかかったりして勝敗が分からなくなるのを避けたいからだ。郵便投票は大いなる不正につながる」と述べ、あくまで郵便投票をすべきではないという主張だったことを強調しました。
  アメリカ大統領選挙では投票率が上がると民主党の候補に有利になるという見方もあり、トランプ大統領は郵便投票で投票率が上がりみずからに不利になることを警戒していると見られています。


2020.7.14-goo-https://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/318fa8e79e897de92634f35cc57e3717
バイデン氏 認知症疑惑の影――古森義久さん

  米国大統領選で民主党候補指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領が認知症を病んでいると思う有権者が4割から5割を超えることを示す世論調査結果が2つ、相次いで明らかとなった。バイデン氏は今、他の世論調査でトランプ大統領より優位に立ったとはいえ、この認知症疑惑は深刻な影ともなりかねない。

  米国の大手世論調査機関ラスムセン社は6月末、バイデン氏の認知症に関する全米調査の結果を発表した。

  発表によると、「バイデン氏が何らかの形の認知症を病んでいると思うか」という、ずばりとした質問に対して「そう思う」と答えた人が全体の38%、「思わない」が48%という結果が出た。この調査は全米計1千人ほどの有権者を対象に実施したという。
  さらに6月中旬には他の有力世論調査機関のゾグビー社が動揺にバイデン氏の認知症疑惑についての調査結果を発表した。
  発表では大統領選で実際に投票するとみられる全米有権者を対象に「バイデン氏は認知症の初期段階にあると思うか」と質問したところ、55%が「そう思う」と回答した。「思わない」は45%だったという。
  いずれもバイデン陣営にとっては衝撃的な結果だった。バイデン氏が認知症だと思う人が第1の調査では有権者全体のほぼ4割、第2の調査では半数以上だというのである。
  バイデン氏に対し認知症の疑惑がかけられることには、それなりの理由があった。同氏は長年、失言、放言で知られてきたが、とくに最近は事実に反する発言が目立ってきたのだ。しかもそのミスは77歳という彼の年齢だけには帰せない頻度と規模だというのだ。
  例えばバイデン氏は6月下旬、ペンシルベニア州の集会で「米国では(新型)コロナウイルスで1憶2千万人が死んだ」と述べた。実際には12万人だった。
  バイデン氏は自分の副大統領時代の体験を語る中、当時の大統領のオバマ氏の名を思い出せず、戸惑ったあげく、「私のボスだった大統領」と述べたこともある。バージニア州で予備選の演説中、「ここノースカロライナ州では」と述べ、オハイオ州とアイオワ州を間違えたこともあった。
  とくに有名なのは昨年夏の予備選関連の集会で繰り返したアフガニスタン戦争体験談だった。
  バイデン氏は「私は副大統領としてアフガン戦争を視察し、米海軍大佐が深い谷間に取り残された部下をロープで助けるのを目撃した。その直後にその海軍大佐に副大統領として銀星勲章を授与することになったが、大佐は助けた部下が死んだので勲章を辞退した」と熱を込め何回も語った。
  ところがバイデン氏は副大統領としてアフガンを訪れたことはなく、海軍大佐のそんな戦闘も勲章も記録にはなかった。
  要するにこの種のミス発言が極めて多いのだ。だから認知症の疑惑が真剣に提起されることとなる
  ただしワシントン・ポストやCNNという民主党支持メディアは今回の2つの世論調査結果を正面からは報じず、逆にこの問題を提起する側の「偏向」を非難する。しかしバイデン氏の認知症疑惑が今後なお大きな課題となっていく展望は確実だといえる。


2020.7.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200710/wor2007100029-n1.html
バイデン氏が75兆円の経済政策 トランプ支持層切り崩しへ

  【ワシントン=塩原永久】今年11月の米大統領選の民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領は9日、雇用拡大と製造業の復活に計7千億ドル(約75兆円)を投じる経済政策を発表した。米国製品の購入拡大や新技術の研究開発に取り組み、「500万人以上の雇用創出につなげる」と述べた。トランプ大統領を支える労働者層の支持基盤の切り崩しを図る内容だ。
   バイデン氏は東部ペンシルベニア州で演説し、当選すれば「勤労者世帯に焦点をあてる」と強調した。同州は、かつて鉄鋼業などの製造業が盛んだった「ラストベルト(さびついた工業地帯)」にある。海外への雇用流出を止める「米国第一」主義を掲げ、前回の大統領選でトランプ氏が制した激戦州のひとつ。
   バイデン氏は、自身が同州内の労働者家庭に生まれたと言及。裕福な家庭に生まれたトランプ氏が、「あなたたち(労働者)ではなく、株価ばかりみている」と当てこすった。
   トランプ氏が実施した大型減税は、恩恵が富裕層に回ったと指摘。大手企業が「公正な比率の税金を負担しなければならない」と指摘し、法人税率を引き上げる意向を表明した。さらに「労働者のパワーと発言権を取り戻す」とも語り、株主重視の経営を強めることにつながった「株主資本主義」を批判して、労働者寄りの姿勢を強調した。
   雇用創出の具体策としては、政府調達で米国製の使用を求める「バイアメリカン」条項を厳格に運用し、製造業を中心に米企業を側面支援すると説明。関連事業には4年間で約4千億ドルを充てるとした。
   また、インフラ投資や産業イノベーションの促進、クリーンエネルギー導入に約3千億ドルを計上。中国が産業振興で力を入れる第5世代(5G)移動通信システムや、人工知能(AI)などにも資金を入れ、米国の技術覇権を後押しする。
  新型コロナウイルスへの対応に必要な医療物資などの調達で、中国をはじめとする外国への依存を減らす方針も示した。


2020.6.18-Yahoo!!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/76b8a69b3e27d6cc012b50dd7bfc762ed3db6649
米主要紙がボルトン氏の著書の内容を報道 「トランプ氏、習主席に再選への支援要請」など

  【ワシントン=黒瀬悦成】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は17日、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が23日に出版予定の著書で、トランプ大統領が昨年6月に中国の習近平国家主席に対し、今年11月の米大統領選で自身の再選を支援するよう要請したとの記述が含まれていると伝えたトランプ氏の議会での弾劾裁判のきっかけとなったウクライナ疑惑と同様の図式であるとして、野党の民主党が反発を強めるのは必至だ。
   同紙が独自に入手した著書の内容によれば、トランプ氏は昨年6月の大阪市での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の場で行われた米中首脳会談で、中国米国の大豆や小麦を購入すれば農業従事者が大統領選で同氏に投票し、結果を大きく左右するとの趣旨の発言をし、習氏に米国産農産物の購入拡大を要請したとしている
   ウクライナ疑惑でトランプ氏は、ウクライナ政府に対する軍事援助と引き換えに、大統領選をにらんで政敵のバイデン前副大統領のスキャンダル調査への協力を依頼したとして追及された。ボルトン氏は著書で、一連の動きは「悪い政策で合法性に疑問があり、大統領の行動として容認できない」として政権高官に懸念を訴えたという。
   著書はまた、トランプ氏が外交・安保関連の知識を欠いていることを示す事例を列挙。同氏が当時のケリー首席補佐官に「フィンランドはロシアの一部なのか」と聞いたほか、2018年5月のメイ英首相(当時)との会談では「英国は核保有国なのか」と真顔で聞いたとしている。
   一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、ボルトン氏は著書で、トランプ氏と金正恩朝鮮労働党委員長による2018年6月の米朝首脳初会談後、ポンペオ国務長官がトランプ氏の北朝鮮非核化政策について「成功する可能性は皆無」と語ったとしている。
   また、シンガポールでの米朝初会談の最中、同席したポンペオ氏が横のボルトン氏に「(トランプ氏の発言は)たわ言だらけだ」と書かれたメモをそっと渡したとし、トランプ氏の「忠臣」とされる人物でも実際には同氏に否定的な感情を抱いているとしている。
   ポスト紙によれば、日本との関連では、トランプ氏はイランと新たな核関連の包括合意の締結に向け安倍晋三首相に協力を依頼したと記述されていた。また、政権高官らとの貿易問題に関する会合では、補佐官らが日本や同盟諸国に関し話し合い始めたところ急に怒り出し、旧日本海軍による1941年の真珠湾攻撃を非難し始めたという。
  米司法省は16日、「著書には機密が含まれている」として首都ワシントンの連邦地裁に出版差し止めを申し立てている。


2020.4.29-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200429/k10012410161000.html
大統領選へ クリントン元国務長官もバイデン氏支持表明

  アメリカ大統領選挙まで半年となるのを前に、野党・民主党のクリントン元国務長官が、党の候補者指名を確実にしたバイデン前副大統領への支持を表明しました。新型コロナウイルスの感染拡大で選挙運動が制約を受けるなか、民主党では政権奪還に向けた挙党態勢づくりが加速しています。
  クリントン元国務長官は28日、バイデン前副大統領とそろってインターネットを通じて開かれたイベントに参加し、大統領夫人や上院議員、国務長官としてバイデン氏と長いつきあいがあると説明したうえで「ジョーが人々をまとめるのを見てきた。今こそジョー・バイデンのような大統領が必要だ」と述べ、支持を表明しました。
  クリントン氏は、前回2016年の大統領選挙で民主党の候補者として選挙戦に臨みトランプ氏に敗れましたが、今も知名度は高く、バイデン氏にとって後押しとなりそうです。
  民主党では5月3日で大統領選挙まで半年となるのを前に、オバマ前大統領やペロシ下院議長ら党内の有力者からバイデン氏への支持の表明が相次いでいます。
  民主党としては、バイデン氏が候補者指名を確実にしたものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で集会が開けないなど選挙運動が制約を受けるなか、政権奪還に向けた挙党態勢づくりを加速させ、有権者に存在感をアピールするねらいもあると見られます。


2020.4.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200427/wor2004270014-n1.html
【米大統領選】バイデン氏に再びセクハラ疑惑 左派勢力から候補指名辞退を求める声

 【ワシントン=黒瀬悦成】11月実施の米大統領選で民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領(77)に再び女性に対するセクハラ疑惑が浮上した。しかし、民主党陣営は「バイデン氏に落ち度はなかった」(ペロシ下院議長)として黙殺する構えを示しており、左派勢力からは「民主党は女性のセクハラ被害を告発する『ミー・トゥー』運動を後押ししてきたのに、調査もせずにバイデン氏を免罪するのは二重基準だ」と反発の声が上がっている。
   問題の疑惑は、バイデン氏が上院議員だった当時の1993年、同氏の事務所職員をしていたタラ・リード氏が訴え出て発覚した。リード氏はバイデン氏に議会の部屋に呼び出され、壁に押し付けられて下着の中に手を入れられるなどしたという。リード氏が抵抗すると、バイデン氏は「私のことが好きかと思ったのに」と話したとしている。
   リード氏は今月9日に首都ワシントンの警察に刑事告訴した。
   バイデン氏は昨年、リード氏を含む計8人の女性からセクハラで訴えられ、謝罪を強いられた。リード氏はこのときは「首や髪の毛を触られた」と述べるにとどめていたが、民主党系有識者などから「バイデン氏を陥れることを狙ったロシアの工作員」などと個人攻撃を受けたことから、今年に入って「真実」を話すことを決めたとしている。
   米紙ニューヨーク・タイムズは、当時の関係者への取材でリード氏の主張を裏付ける証言は得られなかったと報道。だが、93年8月に放映されたCNNテレビのトーク番組で、リードさんの母親とされる女性が「著名な上院議員の下で働いていた娘が問題を抱えて辞めた」と相談する動画が見つかり、真相究明を求める声が強まった。
   民主党指名争いで敗れたサンダース上院議員(78)の支持者らからは「今からでも本選候補の変更は遅くない」として候補指名の辞退を求める声も広がり始めている。


2020.3.3-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200303/k10012311351000.html
米民主候補者選び 撤退の2人がバイデン氏支持 中道派一本化へ

  アメリカ大統領選挙に向けた野党・民主党の候補者選びは大きなヤマ場となるスーパーチューズデーを迎えます。左派のサンダース上院議員が勢いを見せるのに対し、撤退を表明した2人の有力候補が中道派のバイデン前副大統領への支持を相次いで表明し、中道派がバイデン氏を軸に一本化する動きが出ています。
  日本時間の3日夜から投票が始まるスーパーチューズデーは、全米の14の州で一斉に予備選挙を行う候補者選びの大きなヤマ場で、事前の世論調査では序盤戦で最有力候補に躍り出た左派のサンダース上院議員が、西部カリフォルニア州や南部テキサス州といった重要州でリードしています。
  こうした中、2日夜、すでに撤退を表明した中道派のブティジェッジ前サウスベンド市長は、テキサス州で同じく中道派のバイデン前副大統領とともに演説し「バイデン氏こそが大統領になれるリーダーだ」と述べ、バイデン氏を支持する考えを明らかにしました。
  また、中道派のクロブシャー上院議員もテキサス州で行われた集会に参加し、選挙戦からの撤退を表明したうえで、バイデン氏を支持することを明らかにしました。一方、サンダース氏は西部ユタ州で集会を開き、「主流派は非常に神経質になっている」と述べ、サンダース氏に対抗するための、中道派の動きをけん制しました。
  2人の有力候補が、相次いでバイデン氏の支持を表明したことで、中道派がバイデン氏を軸に一本化する動きが進んでいて、先行する左派のサンダース氏に対してどこまで巻き返せるかが焦点です。
“オバマの再来”オルーク氏もバイデン氏支持表明
  また、バイデン氏の集会には民主党の候補者指名争いから去年、撤退した地元テキサス出身のオルーク前下院議員も参加し、バイデン氏への支持を表明しました。
  この中でオルーク氏は「勝てる候補者が必要だ。それはドナルド・トランプとは異なり、人としてまっとうで、親切で、思いやりがあるジョー・バイデンだ」と述べ、バイデン氏こそが大統領にふさわしいと強調しました。
  オルーク氏は、2018年の中間選挙で上院議員選挙に立候補し、共和党の現職を相手に接戦を展開して一躍注目を集め、融和を訴えるその切れ味鋭い弁舌から「オバマ前大統領の再来」とも称されました。
  地元で若者を中心に根強い人気があるオルーク氏からも支持を取り付けたことで、バイデン氏はスーパーチューズデーを目前に、カリフォルニア州に次いで有権者の多いテキサス州での支持拡大に向けて弾みを付けた形です。
サンダース氏 バイデン氏に対抗心むき出し
  一方、サンダース上院議員は2日夜、バイデン氏が南部テキサス州で集会を開いたのと同じ時間に、中西部ミネソタ州で支持者を前に演説を行い、「ジョー・バイデン氏は古くからの友人でまっとうな人間だが、彼の将来のビジョンは間違っている」と述べました。
  そのうえで「バイデン氏の陣営は60人を超える大富豪から献金を受けている。そんな人間がアメリカに必要な変革をもたらすことができると思うか」と批判し、撤退した中道派の候補者たちからの支援を取り付けたバイデン氏への対抗心をむき出しにしました。


2020.3.3-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200303/k10012311111000.html
米 民主党候補者選び 撤退のブティジェッジ氏がバイデン氏支持

アメリカ大統領選挙に向けた野党・民主党の候補者選びで、大きなヤマ場となるスーパーチューズデーを前に、候補者争いから撤退した中道派のブティジェッジ前サウスベンド市長が、バイデン前副大統領への支持を表明しました。
  同じ中道派のクロブシャー上院議員もこのあと撤退とバイデン氏への支持を正式に表明する見通しで、候補者指名に向けて序盤で連勝した左派のサンダース上院議員が先行する中、バイデン氏が中道派の支持を集め、巻き返すことができるかが焦点です。







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ここは、2020年03月03日~2024年02月ニュースです
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