アメリカとロシア問題-1


2024.02.24-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240224-YDQECACBXFJZDM2P35C4HQN37U/
米国が警戒するロシアと北朝鮮の「戦略的急接近」、韓露も非難の応酬で進む冷戦化

  ロシアと北朝鮮の「戦略的接近」が、アジアの安全保障上の懸念として急浮上している。プーチン露大統領は3月の大統領選後に訪朝する意向だが、昨年9月にも朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と会談しており、わずか半年での再会談は異例だ。今年1月中旬に訪露した北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相は、ラブロフ露外相だけでなくプーチン氏にも歓迎された。両国の接近で特に注目されるのは軍事協力で、米高官は「前例のないレベルでの軍事協力を確認している」と警戒感を隠さない。


2023.10.20-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231019-5VBDIVLNTJPS7BB44SDP37SXMA/
米国籍の女性編集者拘束 ロシア、米紙報道

  米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は19日、米国とロシアの二重国籍を持つ米政府系「ラジオ自由欧州・ラジオ自由(RFE・RL)」の女性編集者がロシア当局に拘束されたと伝えた。スパイ罪で起訴され身柄拘束が続く米紙ウォールストリート・ジャーナルの記者に続き、今年拘束された米国籍のジャーナリストは2人目としている。

  ロシアのプーチン政権下では一部メディアをスパイを意味する「外国の代理人」に指定し、圧力を強めている。女性編集者は「外国の代理人」としての必要な手続きを怠った疑いが持たれているという。
  ニューヨーク・タイムズなどによると、女性編集者はアルス・クルマシェワさんで、チェコの首都プラハを拠点としていたが、5月に家族の緊急事態のためロシアに入国。6月にロシア中部カザンから出国しようとした際に拘束された。(共同)


2023.05.25-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230525-CWXHAHFZ55JX7I2EWNK77JDRWU/
ロシア領内で米装備使用認めず バイデン政権高官

  米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は24日の電話記者会見で、ウクライナ領からロシア領内に侵入した武装集団が米国製の装甲車に乗っていたとされる点について「調査中だ」と明らかにした。「ロシア領内への攻撃に米国製の装備が使われることを支持しない」と強調した。

  ロシア内務省などによると、武装集団は22日にロシア領内に侵入、2人が死亡、13人が負傷した。米紙ニューヨーク・タイムズによると、少なくとも3台の米国製の装甲車両が使われ、うち2台をロシア軍が押収したとみられるという。
  攻撃について、ウクライナ側は政府としての関与を否定し、プーチン政権に反対する「自由ロシア軍」や「ロシア義勇軍団」が攻撃を認める声明を出している。
(共同)


2023.05.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230504-MWCTZBJUVNJHVFRX3UMZK2A3WE/
米国務長官、露の主張に懐疑的 クレムリン無人機攻撃

  【ワシントン=大内清】ブリンケン米国務長官は3日、ロシアが首都モスクワのクレムリンを狙ったウクライナのドローン(無人機)攻撃を阻止したと主張していることについて、「報道は読んだが確認することはできない。(主張の真偽は)まったく分からない」とした上で、ロシア発の情報には懐疑的だとの認識を示した。ワシントンで行われた対話イベントで語った。

  またブリンケン氏は、米国をはじめとする国際社会からの軍事支援でウクライナ軍は日増しに能力を向上させていると指摘し、「さらに多くの領土を奪還することに成功するだろう」と予測。「ロシアはウクライナの独立を奪って地図から消し去ることを目指していたが、それは失敗した」とも語った。
  中国が2月に発表した12項目からなるウクライナ戦争の和平案については「前向きな要素もある」と評価しつつも、中国の習近平国家主席が和平の仲介で役割を果たしたいと考えるなら、ウクライナが侵略戦争の被害者であることを明確に理解するべきだと強調した。


2023.03.15-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230315/k10014008461000.html
“米軍無人機にロシア軍機衝突” 米ロ双方で主張食い違う

  ウクライナ南部に面した黒海の上空でアメリカ軍の無人機がロシア軍の戦闘機の妨害行為を受けて衝突し墜落させたとアメリカ政府が発表したのに対して、ロシア側は衝突を否定し、双方で主張が食い違っています

  アメリカ軍は14日、黒海上空の国際空域を飛行していたアメリカ空軍の偵察用の無人機ロシア軍の戦闘機が妨害行為を行ったうえ衝突し、無人機が制御できなくなり海上に墜落させたと発表しました。
  これに対して、ロシア国防省は14日「ロシアの戦闘機は無人機と接触していない」と主張し、衝突はなかったと否定しました。ロシアメディアは一斉にこの問題を取り上げていて、このうち有力紙のコメルサントは14日、「米ロは危険なまでに接近した」と題して、ウクライナ情勢を受けて悪化している米ロ関係で「長年にわたる新たな問題になりかねない」と懸念を伝えています。
  また、政権寄りの新聞イズベスチヤは15日、アメリカの無人機は、ロシアが9年前、一方的に併合したウクライナ南部のクリミア半島付近で、ウクライナの利益のために偵察活動を行っているうえ、無人機にはミサイルを搭載することもできるとして、アメリカが緊張をあおっているとする見方を伝えています
  一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は14日、「この事件がアメリカとロシアの直接的な衝突に発展することはない」として、直接衝突することは両国とも望んでおらず事態のエスカレートにはつながらないとする見方を示しています。
米ロ 軍の接触 ウクライナへ軍事侵攻始まって以降初
  アメリカ軍とロシア軍の部隊どうしの接触が確認されたのは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった去年2月以降、今回が初めてです
  アメリカ国防総省のライダー報道官は14日の記者会見で、ロシア軍の2機の戦闘機は、衝突の30分から40分前に無人機の付近を飛行し始めたと明らかにしました。そして、無人機に衝突したロシア軍機について「損傷している」との認識を示したうえで、場所は明らかにしなかったものの「着陸したことはわかっている」と述べました。
  アメリカのABCテレビはアメリカ空軍幹部の話として、ロシア軍の2機は無人機への接近を19回繰り返し、衝突する前の最後の3、4回で燃料を放出し、無人機に浴びせたと伝えています。また、有力紙ニューヨーク・タイムズは軍幹部の話として、燃料を浴びせたのは、無人機のカメラを汚したり、センサーの機能にダメージを与えたりするのが目的だったとの見方を伝えました。
  一方、アメリカ軍は声明の中で「ロシアによる危険でプロ意識に欠けた行為によって、双方の航空機が墜落するおそれがあった」と指摘し、ロシア軍の戦闘機も墜落する危険があったとの認識を示しました。また、ニューヨーク・タイムズは、複数のアメリカ政府高官の話として「ロシア軍機が意図的に無人機のプロペラに衝突したとは考えにくい」と伝えています。
  このほか、ロシア側が「衝突はなかった」と主張していることに関連して、ライダー報道官は「われわれは機密解除に向けた手続きを進めている」と述べ、当時の状況を撮影した映像を公開することを検討していることを明らかにしました。
米 オースティン国防長官「攻撃的で危険な行動」と非難
  アメリカのオースティン国防長官は日本時間の15日午後9時すぎ、ウクライナへの軍事支援をめぐるオンラインでの会合の冒頭、黒海の上空でアメリカ軍の無人機MQ9が墜落したことに言及しました。このなかでオースティン長官は「ロシア軍機が妨害行為を行い、体当たりした結果、MQ9は墜落した。この危険な出来事は、国際空域におけるロシア軍パイロットによる一連の攻撃的で危険な行動パターンの一部だ」と述べ、ロシアを改めて非難しました。
  そのうえで「アメリカは国際法が認めるあらゆる場所で飛行し、活動し続ける。ロシアには、軍用機を安全かつプロ意識を持って運用する義務がある」と述べ、ロシア側に再発防止を求めました。
ロシア国防省「戦闘機は無人機と接触せず」
  ロシア国防省によりますと、14日の朝、ウクライナ南部クリミア半島に近い黒海の上空でアメリカ空軍の無人機、MQ9を探知し、戦闘機を緊急発進させたとしています。そして日本時間の14日午後3時半ごろ、無人機は急な動きで高度を下げて制御不能となり海上に墜落したと主張しています。
  そのうえでロシア国防省は「ロシアの戦闘機は搭載された武器を使用せず、無人機と接触することもなく安全に帰還した」としてアメリカ側の発表を否定しました。
ロシア大統領府報道官「大統領にも報告」
  黒海の上空でアメリカ軍の無人機がロシア軍の戦闘機の妨害行為を受けて衝突したとアメリカ政府が発表したことについてロシア大統領府のペスコフ報道官は15日「国防省の声明に付け加えることは何もない」と衝突を否定したロシア側の立場を繰り返した上で「当然プーチン大統領にも報告されている」と述べました。
  また、アメリカとロシアの関係について「嘆かわしい状態にある」とする一方、「ロシアは建設的な対話を今でも拒否していない」と述べ、ロシアとしては対話を拒むものではないとする姿勢を示しました。
衝突されたMQ9とは
  アメリカ軍によりますと、ロシア軍機に衝突されたのはMQ9「リーパー」と呼ばれる無人機です。アメリカ空軍のホームページによりますと、MQ9「リーパー」は、イラクやアフガニスタンでの軍事作戦で使われてきたMQ1「プレデター」を改良し、機体をさらに大きくした高性能の無人機です。
  偵察活動に加え、精密誘導兵器などを搭載することも可能だということです。全長11メートル、主翼の幅は20メートルあり、機体の後部にターボプロップ式のエンジンが搭載されています。高度およそ1万5000メートルを飛行でき、最高速度は時速400キロを上回るということです。
松野官房長官「影響など注視していく」
  松野官房長官は午後の記者会見で「アメリカ側が強い抗議の意を伝達したのに対し、ロシア側は、戦闘機はアメリカ軍無人機とは接触していない旨、主張していると承知している。わが国としては、本件が今後の情勢に与える影響などについて注視していく」と述べました。
慶應大 鶴岡准教授「両国間の駆け引き続くか」
  安全保障に詳しい慶應義塾大学の鶴岡路人准教授は「これまでもアメリカの無人偵察機とロシアの戦闘機が接近するようなことはあったようだ。無人機の墜落がロシアの意図した行動かは分からないが、アメリカの偵察活動を妨害したいという考えはあったのは明確だ」と指摘しました。
  そのうえで鶴岡准教授は、アメリカとロシアの主張が食い違っていることについて、両国ともにこれ以上緊張を高めることは望んでいない一方で、どちらも相手の警告に屈した形にはなりたくないという考えが背景にあると分析しています。
  そして「ロシアは、アメリカの偵察活動を少しでも少なくしたいのに対し、アメリカは今回の事態を受けても引き続き偵察活動を続けていきたい。両国は自分たちの行動は変えずに相手の行動がより抑制的になることを目指すだろう」と述べ、今後、両国間の駆け引きが続くという見方を示しました。
ロシア 政府系シンクタンク会長「最悪 核含む軍事衝突に」
  プーチン政権に近い、ロシアの政府系シンクタンク「ロシア国際問題評議会」のアンドレイ・コルトゥノフ会長は、15日にNHKのインタビューに対し「黒海は、多くの国の艦艇や航空機が行き交う最も困難で危険な地域の一つだ。バルト海には、限定的ではあるが、航空機どうしが衝突を回避する仕組みで合意しているが、黒海にはこうした仕組みは存在しない」と指摘しました。
  そして、軍事侵攻が始まる前のおととし6月にも、クリミア半島沖合の黒海でロシア軍がイギリス軍の駆逐艦に対して警告射撃を行ったとする事例をあげ、クリミア周辺の黒海は、ロシアが領海と捉えているためロシア側とNATO=北大西洋条約機構が直接、衝突する危険性が顕在すると指摘しました。
  そのうえで「今回の案件は、意図しないエスカレーションが起こりうることを示すものだ。双方が意図していなくても、負の連鎖が続き、最悪、核すら含む直接的な軍事衝突に発展する危険性もある。これは誰もが注意を払うべき深刻な警告だ」と強調しました。


2023.01.27-JETRO(日本貿易振興機構)-https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/01/0ae175c4f9aafb73.html
バイデン米政権、ロシアの民間軍事企業ワグネルなどを制裁対象に指定

  米国のバイデン政権は1月26日、ロシアによるウクライナ侵攻に加担していることを理由に、ロシアの民間軍事企業ワグネルや同社と取引のある事業体、ロシア政府高官らを金融制裁対象の「特別指定国民(SDN)」に指定した。

  制裁は財務省と国務省がそれぞれの権限で発動した。財務省はワグネルや同社を世界各地で支援する事業体12社と、それらに関与する個人6人をSDNに指定したと公表した。
  ワグネルについては、2017年と2022年にもウクライナの政情不安への加担を理由にSDNに指定しているが、財務省は今回、ウクライナ侵攻への加担に加えて、アフリカ諸国でも政情不安の扇動や、人権侵害、天然資源の強奪を行っているとして「国際犯罪組織」に指定した。
  ジャネット・イエレン財務長官は、ロシア政府が各国からの制裁を受けて軍需品の調達をワグネルなどに依存している状況を指摘した上で、「ロシアの軍を支援するワグネルとその関係者、関連企業に対して拡大した本日の制裁措置は、プーチンが軍備を増強する力をさらにそぐもの」との声明を出している。
  国務省も同日、ロシアのウクライナ侵攻に関して追加の制裁措置を公表した。
  ワグネル関係では、同社とつながりのある事業体5社と個人1人をSDNに指定した。また、ロシアのデニス・マントゥロフ副首相兼産業商務相を含む政府関係者ら9人、ロシアの軍産複合体に関係のある事業体14社もSDNに指定している。
  このほか、ロシア軍関係者531人に対して、米国入国ビザ規制を課している。アントニー・ブリンケン国務長官は「米国はロシアが世界中で行っている威圧的行為や不安定化をもたらす行動に断固として対峙(たいじ)していく構えだ」との声明を出した。
  SDNに指定した対象には、在米資産の凍結や米国人との資金・物品・サービスの取引禁止という制裁が科される。また、SDNが直接または間接的に50%以上所有する事業体も当該制裁の対象となる。SDNに今回指定した企業などの詳細は、財務省のウェブサイトで確認できる。ワグネルについては、商務省も2022年12月に同社への輸出管理を強化する措置を公表している(2022年12月23日記事参照)。米国政府が2022年2月以降に発動した対ロシア・ベラルーシ制裁関連については、添付資料を参照。


2023.01.05-TBS NEWS DIG.-https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/261523?display=1
米仏がウクライナに新たな軍事支援へ 欧米製の戦車を初めて供与も

  ロシアによる侵攻が続くウクライナに対し、フランスが自国製の戦車を供与すると発表しました。アメリカもさらなる軍事支援を検討しています。

  フランスの大統領府などによりますと、4日、マクロン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行い、フランス製の偵察用装甲車両を供与する意向を伝えました。
  欧米諸国が開発した戦車がウクライナに供与されるのは初めてだということです。
アメリカ バイデン大統領
  「(Q.ウクライナにブラッドレー戦闘車の供与を検討していますか?)はい」
  また、アメリカのバイデン大統領はこのように発言。ブルームバーグ通信はこの戦闘車について「標的を攻撃しながら、兵士を前線に送ることができる」と伝えています。
  ウクライナでの戦況についてアメリカ政府の高官は4日、東部ドネツク州の要衝・バフムトで「一進一退を繰り返しているが、ここ数日でロシア軍が少しずつ前進している」と説明。
  一方、ウォール・ストリート・ジャーナルはウクライナ当局者などの話として、激しい抵抗をうけたロシア軍部隊がバフムトへの攻撃を弱め、周辺に戦力を移動させていると報じています。


2023.01.04-JIJI com.-https://www.jiji.com/jc/article?k=2023010400168&g=int
「ならず者国家ロシア」が1位 今年の十大リスク―米調査会社

  【ワシントン時事】政治リスク分析を専門とする米調査会社ユーラシア・グループは3日、2023年版の世界の「十大リスク」を発表した。1位にはウクライナ侵攻を続けるロシアを挙げ、「世界で最も危険な『ならず者国家』」になり欧米などの安全保障を脅かすと指摘した。

   米著名政治学者イアン・ブレマー氏が率いるユーラシア社は、ロシアが「核の脅し」を強めると分析。「事故や誤算」による核兵器使用リスクは「1962年のキューバ危機以降で最も高い」と警告した。
  2位は、中国共産党総書記として異例の3期目入りを果たし、権力を集中させた習近平国家主席。「大きな過ちを犯す可能性が高い」とし、習政権下で「恣意(しい)的な決定や政策の不安定さがはびこる」と懸念を示した。
  このほか、ウクライナ情勢などに絡む「エネルギー危機」をリスクの6位に挙げた。原油相場について、ロシアの生産減に加え、中国の「ゼロコロナ」政策転換で予想より速く景気回復が進むことなどによる需要増を踏まえ、23年末までに1バレル=100ドルを上回ると予測した。


2022.12.18-Yahoo!Japanニュース(ニッポン放送)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a1d177206bc27a95cb79953c76d4eec386c45ec1
米がウクライナに「パトリオット」を供与するのは「ロシアのインフラ攻撃」が効いている証拠

  外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が12月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。バイデン政権がウクライナへ供与するとみられる迎撃ミサイル「パトリオット」について解説した。

アメリカがウクライナに迎撃ミサイル「パトリオット」供与の見通し
  米CNNテレビなど複数のメディアは、アメリカ政府当局者の話として、バイデン政権がウクライナの防空能力の強化に向けて迎撃ミサイル「パトリオット」の供与を検討し、早ければ今週中にも発表されると報じたパトリオットは弾道ミサイルや巡航ミサイル、航空機などの迎撃に使われる高性能なミサイルシステムである。
  飯田)米ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は12月14日、記者団に対して具体的な言及は避けたものの、「ウクライナにとって防空能力は緊急に必要なものであり、我々も優先している」と述べたということです。
精度の高い迎撃ミサイルシステム「パトリオット」
  宮家)状況を見れば当然だと思います。先日モルドバへ行きましたが、停電があったのです。ウクライナの電力システムがミサイル攻撃されたからです。
  飯田)ロシア軍によって。 宮家)その影響でモルドバまで停電したわけです。このパトリオットは日本も持っている、相当性能の高いミサイル防衛システムです。
  飯田)そうですね。
  宮家)パトリオットは射程が短いですから、1個で全部ウクライナをカバーできるものではありません。電力など、重要インフラのところに置いて、そこを狙ってくるミサイルや航空機を撃ち落とす。それで重要インフラを守るのだと思います。
  飯田)どれくらいか明確ではないですけれど、半径5km~10kmくらいの地域をカバーできるようです。
  宮家かなり狭いTHAAD(サード=高高度防衛ミサイル)の方が遥かに高高度ですからねその代わり精度は高いですから
  飯田)精度は。
  宮家)最終段階まで捕捉した上で撃ち落とすので、効果的だろうと思います。ロシアも無限にミサイルがあるわけではありません。パトリオットを導入することによって、抑止効果も期待できると思います。
米がパトリオットを供与するということはロシアの電力網への攻撃が効いているということ
  飯田)これは「攻め入っていくぞ」という兵器ではない。
  宮家)防空兵器ですからね。迎撃ミサイルなので、それはないです。アメリカもウクライナに対して慎重に武器供与をしていますが、ロシアによるウクライナ電力網に対する攻撃が効果的だという証拠ですね。
  飯田)パトリオットを供与するということは。
  宮家)だからこういう形で、迎撃しなくてはいけない状況になってきたのだろうと思います。
  飯田)実際の戦場のみならず、インフラも狙ってくるという。
  宮家)酷いことをしますが、それが戦争ですから。こういうものを導入して電力だけは守ってあげないと。寒いですからね。


2022.12.09-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/63912802
ロシアで拘束の米女子バスケ選手、「死の商人」との身柄交換で解放

  アメリカ政府とロシア政府は8日、ロシアが拘束していた米女子バスケットボール選手ブリトニー・グライナー氏と、アメリカで服役中のヴィクトル・ブート氏身柄交換を行った。

  グライナー氏は、ロシアで麻薬所持と密輸の疑いで禁錮9年を言い渡されていた。ブート氏は、違法な武器取引で禁錮25年の実刑判決を受け、服役12年目だった。
  ジョー・バイデン米大統領はホワイトハウスでの会見で、グライナー氏は安全で、アラブ首長国連邦(UAE)経由でアメリカに戻ったと述べた。「うれしいことに、ブリトニーは元気だ(中略)回復するための時間と場所が必要だ」
  一方でロシアメディアは、「死の商人」として知られるブート氏がモスクワに到着したと報じた。到着後にブート氏は、「夜中に起こされて、『荷物をまとめろ』と言われただけだった」と記者団に語った。
  グライナー氏は今年2月、大麻成分の入ったオイルを持っていたとして、モスクワの空港で逮捕された。11月にはモルドヴァの刑務所に移送された。
  バイデン政権は、ロシア政府が長らくブート氏の釈放を望んでいたことを踏まえ、7月に受刑者の交換を提案した。2人はプライベートジェットでアブダビ空港に移動し、身柄の交換が行われた。
  サウジアラビアとUAEは共同声明で、サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子とUAEのムハンマド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤーン大統領が仲介役を担ったと発表。サルマン皇太子はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と良好な関係にあり、9月にもロシアとウクライナ間の数百人単位の捕虜交換に協力している。
  しかし、アメリカ政府は仲介役の存在を否定している。カリーン・ジャン=ピエール報道官は、「この合意の交渉をしたのはアメリカとロシアだけだ」と述べた。

  グライナー氏は、アメリカでもっとも有名な女性スポーツ選手の1人女子プロバスケットリーグWNBAではフィーニックス・マーキュリーに所属し、オリンピック代表チームで2回の優勝を経験している。
  ロシアには、オフシーズン中にプレーするために向かっていた。裁判では、大麻成分を含むオイルは「うっかりミス」で荷物に入れたと証言した。アントニー・ブリンケン国務長官は、交渉の功績者としてロジャー・カーステンス大統領特使の名前を挙げた。
  会見に参加したグライナー氏の妻シェレルさんは、バイデン政権の努力を称え、「ただひたすら感情がこみあげてくる状態で、ここに立っている」と語った。対するブート氏は長年、軍閥やならず者国家に武器を売り、世界で最も指名手配されている人物の1人だった。
  ソ連崩壊後に何年も武器取引を行っていたことから「死の商人」として知られ、2005年にはその半生をモチーフとしたハリウッド映画「ロード・オブ・ウォー」が公開された。アメリカの巧妙なおとり捜査によって2008年にタイの首都バンコクのホテルで逮捕されたが、これがロシア政府の怒りを買った。ブート氏の身柄は2年後にアメリカに引き渡され、テロリスト支援やアメリカ人の殺害での共謀罪で有罪となった。妻のアラさんは、2日前にブート氏と話したばかりだと、ロシアのテレビ局に話した。「今夜も電話をくれるはずだった。でも今、私たちはお互いに会って、抱き合うことができる。どんな電話よりも、そのほうがいい」
元海兵隊員は交換に含まれず
  アメリカとロシアは今年4月にも、暴行容疑でロシアで3年間服役していた海兵隊員トレヴァー・リード氏と、コカイン密輸でアメリカで服役していたパイロットのコンスタンティン・ヤロシェンコ氏の身柄を交換している
  グライナー氏の釈放交渉が始まった際、アメリカ側はさらに、元海兵隊員で2018年からスパイ容疑でロシアに拘束されているポール・ウィラン氏も交換に含めるよう求めていた。しかし、ロシア側はこれに応じず、ウィラン氏の家族の希望はかなわなかった。
  バイデン大統領は声明で、ロシアはウィラン氏の件を、完全に非合法的な理由でグライナー氏の件と分けていたと説明。「ポールの釈放には至っていないが、私たちは諦めていないし、諦めない」と述べた。
  ウィラン氏はCNNの取材に対し、無罪である自分の解放に向けた努力がなかったことに「大きく失望している」、「どうして自分がまだここに座っているか分からない」と語った。
  ロシアの流刑地から取材に応じたウィラン氏は、自分がスパイ容疑で告発されたことで、「トレヴァーやブリトニーよりも高いレベルに置かれている」と言われたと話した。
  ウィラン氏の兄弟のデイヴィッドさんも、グライナー氏の釈放を祝した上で、政府からはウィラン氏が身柄交換に含まれていないと事前に知らされていたと語った。
  デイヴィッドさんは声明で、「アメリカ政府がもっと積極的になる必要があるのは明らかだ。ロシアのような悪者が罪のないアメリカ人をつかまえようとするなら、アメリカはより迅速で直接的に対応すべきだ」と述べた。
  ブート氏の弁護人を務めるアレクセイ・タラソフ氏はロシアのテレビ局の取材で、アメリカは最初からグライナー氏とウィラン氏2人の交換を望んでいたと話した。ロシアの外務省は、「アメリカが交渉参加を徹底的に拒否した」と非難している。
アメリカ国民を危険にさらすとの批判も
  ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、今回の合意は交換ではなく、バイデン政権が降参したのだと批判した。
  「世界中のテロリストやならず者国家は今回の件を参考にするし、これは今後、別のアメリカ人を危険にさらすことになる」
  米麻薬取締局の元捜査官で、ブート氏逮捕にも関わったロバート・ザハリアシェヴィッツ氏も身柄交換を非難。BBCの「ワールド・トゥナイト」の取材で、「今日の件は、世界中を旅するすべてのアメリカ市民の背中に的を置いただけだ。彼らはただの取引材料になってしまった」と述べた
  「アメリカ市民を誘拐しないまでも、不法に拘束するのは本当に良いビジネスだと、いつか取引に必要になるかもしれないから、誰か1人押さえておくのは良いことだと、そういうメッセージを発しただけだと思う」
  元ロシア国会議員で、ブート氏に関する議会調査を主導したウラジーミル・オセチキン氏は、BBCの「アウトサイド・ソース」に出演し、プーチン大統領がブート氏の帰還を求めていたのは、ブート氏が知っている情報が理由だと話した。オセチキン氏は現在、フランスでロシアの反体制派運動を行っている。
  「プーチン氏と軍幹部は、ロシアの情報機関がテロ組織を支援し、海外で破壊工作を画策していることについて、ブート氏が詳細かつ一貫した証拠を(アメリカに)提供し始めるかもしれないと懸念していた」「自国の工作員を取り戻すことは、彼らにとっては名誉にかかわる問題だ」
  バイデン大統領は、アメリカ国民に海外渡航前の注意を促し、外国政府によって不当に拘束される危険性を警告している。


2022.10.20-47 NEWS(KYODO)-https://www.47news.jp/8462769.html
戒厳令「残虐行為しかできない」 米大統領がプーチン氏非難

  【ワシントン共同】バイデン米大統領は19日、ロシアによるウクライナ東部・南部4州での戒厳令について「ウクライナの国民に残虐行為をし、屈服させるために脅すことしかできない」とプーチン大統領を非難した。ホワイトハウスで記者団に語った。

  バイデン氏は「プーチン氏は極めて難しい立場に立たされている」との見方を示し、ウクライナ国民がプーチン氏の脅しに屈することはないと強調した。


2022.08.03-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-sanctions-idJPKBN2P81MU
米、ロシアに追加制裁 元新体操選手や鉄鋼MMKなど対象

  [ワシントン 2日 ロイター] - 米国は2日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁を発表した。プーチン大統領に近いとされる元五輪新体操選手、アリーナ・カバエワ氏や、鉄鋼大手MMKと同社の取締役会会長などが対象となる。

  米財務省によると、カバエワ氏は親クレムリン派メディアの「ナショナル・メディア・グループ」のトップを務めている。また、MMKの納税がロシア政府の主要な収入源になっていると指摘した。
  イエレン財務長官は声明で、戦争に加担するロシアのエリート層やクレムリン支援者に責任を負わせ、同盟国と連携してロシアのウクライナでの戦争を支える収入源を断つと改めて言明した。
  米国務省も同日、ウクライナ侵攻に関与したロシア政府当局者および軍関係者893人や、ロシアのクリミア併合を支持したとされる外国の当局者31人に対しビザ(査証)を制限すると発表した。
  また、ロシアの防衛・ハイテク産業をさらに孤立させるため、関連企業24社を制裁対象に追加。プーチン氏支援者とされるロシアの実業家3人も制裁対象となった。


2022.07.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220714-4LI5CCJMO5NMTEEHXKYPITQ2AA/
米「露は160万人強制移送」 北、親露派を国家承認

  ロシアによるウクライナ侵攻に関連し、ブリンケン米国務長官は13日、「ロシアが90万~160万人のウクライナ国民を拘束し、ロシアに強制移送した」とする推計結果を公表した。ブリンケン氏は民間人保護などを定めたジュネーブ条約違反だと非難し、解放を求めた。ウクライナメディアによると、同国のゼレンスキー大統領も同日、「数十万人の子供を含む国民200万人がロシアに連行された」との認識を示した。

  これに関し、ロシアは13日時点で、侵攻に先立って「国家」承認した親露派武装勢力「ルガンスク人民共和国(LNR)」と「ドネツク人民共和国(DNR)」の実効支配地域を含むウクライナ国内から子供約40万人を含む約250万人の「避難民」を「人道的措置」で受け入れたと主張。「避難民」を巡っては、ロシアが今後、停戦交渉などを有利に運ぶための事実上の人質として利用する恐れが指摘されている。
  北朝鮮は13日、LNRとDNRの「国家」承認をロシア側に通知した。タス通信が伝えた。
 これに反発したウクライナ外務省は「国家主権と領土の一体性の侵害だ」とし、北朝鮮との断交を発表した。LNRとDNRはロシアと友好関係を結ぶシリアのアサド政権も先に承認している。

  戦況では14日、ウクライナ中西部ビンニツァ市街地に露軍のミサイルが着弾。少なくとも12人が死亡した。ウクライナ軍参謀本部は、東部ドネツク州の要衝スラビャンスクやバフムト方面で前進を図った露軍を撃退したと発表した。
  一方、今月に閉会した露下院は15日、臨時の本会議を開く。露メディアによると、マントゥロフ産業貿易相を副首相との兼任にする法案などが審議される。制裁で輸入できなくなった製品の国産化に向けて権限を拡大する狙いだという。


2022.06.23-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/415c76442dee83506cc71a6382861a725e78ccfa
米、ウクライナに610億円の追加軍事支援 高機動ロケット砲など

  【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米大統領は23日、ロシアの侵攻に反撃を続けるウクライナに4億5000万ドル(約610億円)の追加軍事支援を行うと発表した。

  高機動ロケット砲システム「HIMARS=ハイマース」を4基追加供与するほか、105ミリ榴弾(りゅうだん)砲用の砲弾3万6000発、機関銃2000丁、哨戒艇18隻を提供する。
  米国は今月15日に10億ドルの軍事支援を表明したばかり東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)の戦闘でウクライナは露軍の長距離砲撃に苦戦しており、高性能な重火器の迅速な支援により、露軍との火力の差を埋めることが急務となっている。 カービー国家安全保障会議調整官は記者会見で、「戦場の状況と直結する」軍事支援を続けるため、ウクライナ側と調整していると強調した。ロイター通信によると、米国が今月1日に提供を発表したハイマース4基は23日、ウクライナに到着した。ロシアが侵攻を開始した2月24日以来、米国の軍事支援は計約61億ドルに達した。


2022.04.13-JIJI.com-https://www.jiji.com/jc/article?k=20220413042863a&g=afp
米大統領、ロシアが「ジェノサイド」と非難 初めて明言
-【翻訳編集AFPBBNews】

AFP=時事】ジョー・バイデン米大統領は12日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領指揮下の同国軍がウクライナでジェノサイド(集団殺害)を行っていると明言した。バイデン政権がロシアの行為についてジェノサイドという表現を使ったのは初めて。

  バイデン氏は、自身のアイオワ州訪問に同行した記者団に語った。同州での演説でジェノサイドに言及したことについて問われ、「その通り。私はそれ(ロシアのウクライナでの残虐行為)をジェノサイドと呼んだ」と答えた。
  バイデン氏は「プーチン(大統領)が、ウクライナ人でありたいという思いさえも消し去ろうとしていることがますます明らかになりつつある」と指摘。ただし、ロシアの行為がジェノサイドに当たるかを最終的に判断するのは裁判所だと述べた。

  ロシアの残虐行為を非難する声が世界中で高まる中、バイデン氏はプーチン氏を「戦争犯罪人」と糾弾。しかし、ジェノサイドは厳密に定義されており、重い意味を持つ表現であることから、米国はこれまで使用を控えていた。
  バイデン氏はアイオワ州での演説で、ガソリン価格の高騰について「世界の反対側で独裁者が戦争を宣言し、ジェノサイドに及ぶかどうかに左右されるべきではない」と発言。ガソリン高騰の主因はロシアのウクライナ侵攻にあるとの考えを示していた。【翻訳編集AFPBBNews】


2022.03.30-Yahoo!Japanニュース(REUTERS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/5a4037c04fa8b35cbe5487d8b8d97ae2e0dd5aa6
ロ軍、キエフ周辺から少数移動 「撤退でなく再配置」=米国防総省

  [ワシントン 29日 ロイター] - 米国防総省は29日、ロシアがウクライナの首都キエフ周辺の拠点からごく少数の部隊を移動させ始めたと発表した。ただ戦争からの撤退ではなく再配置だとした。

   国防総省のカービー報道官が会見で、ここ1─2日で少数のロシア軍がキエフから移動したとの認識を示した上で「ただ、これは再配置であって真の撤退ではない。ウクライナの他の地域に対する大規模な攻撃を監視する用意を整えるべきであり、キエフに対する脅威が去ったことを意味するものではない」と述べた。
   ホワイトハウスのベディングフィールド報道官も29日、ロシアはウクライナに駐留している部隊を再配置しており、撤退はしていないと述べた。
  これに先立ち、米政府高官も29日、「キエフ周辺からのロシア軍の移動は撤退ではなく再配置と捉えている。ウクライナの他の地域に対する大規模な攻撃が続くことに備える必要がある」と指摘。
  「ロシアは手法を変えている。ロシアが紛争を終わらせたと勘違いしてはならない」と語った。

  バイデン大統領は記者団に対し「ロシアが提案を実行に移すかどうかを見守る」と表明。ロシアがウクライナでの軍事作戦を縮小させるかまだ分からないとし、米国や同盟国はウクライナに対する強力な支援とロシアへの制裁を継続する考えを示した。


2022.03.24-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB233JS0T20C22A3000000/
米追加制裁、ロシア下院議員300人超が対象に 米紙報道

  【ワシントン=時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は22日、バイデン政権がロシア下院(定数450)の300人以上の議員に対する制裁を準備していると報じた。バイデン大統領が欧州歴訪中の24日にも発表されるという。

  制裁の詳細は不明だが、同紙は「欧州連合(EU)や先進7カ国(G7)と協調して発表される」と伝えている。ロシア下院はウクライナ侵攻に先立ち、親ロシア派武装勢力が支配するウクライナ東部を独立国家として承認するようプーチン大統領に促す決議案を採択していた。
  米欧諸国はロシアへの制裁措置として、プーチン氏や新興財閥(オリガルヒ)、政権幹部らの資産凍結などを既に行っている。同紙によると、今回の追加制裁ではロシアの議員328人を含む計400人が対象となっている。


2022.03.22-dmenuニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-_world_america_Z4NWHAPJFRPS7OGCQBUI3WASOE
露外務省の呼び出しで米大使が逆要求「国際法順守を」 領事訪問拒否を非難

  【ワシントン=大内清】バイデン米大統領がロシアのプーチン大統領を「戦争犯罪人」と非難したことをめぐりロシア外務省が米国のサリバン駐露大使を呼び出したことについて、国務省のプライス報道官は21日、事実関係を認めた上で、同大使がその機会にロシアに対して国際法の順守と露国内で拘束されているすべての米国人への領事官の訪問通信権を認めるよう要求したと明らかにした。

  米露をめぐっては今月、米女子プロバスケットボール選手で昨夏の東京オリンピックでも米代表チームの一員として活躍したブリトニー・グライナーさんが、大麻成分入りの電子タバコ用リキッドを所持していたとしてロシアの空港で拘束されたことが判明。米国内では知名度の高いスター選手が「人質」として利用されるとの懸念が強まっていた。
  プライス氏は同日の記者会見で、領事官の訪問通信権を拒否されることは「断固として認められない」と強調。露外務省がバイデン氏の発言を「不適切」だとしたことについては、「空爆を含む攻撃で多くの市民の命を奪っている国から聞く言葉としては非常にばかげている」と反論した。


2022.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220319-5L2W4PY5ONP5BGV3VF7YCJB46Y/
米、制裁破りを警告 航空機の対露渡航

  【ワシントン=塩原永久】米商務省は18日、ウクライナ侵攻をめぐるロシアへの制裁を破り、同国に入った多数の航空機を確認したと発表した。問題となったロシア新興財閥(オリガルヒ)のアブラモビッチ氏の自家用機など計100機を公表これらに給油や部品供給、整備などの便益を提供した第三国の法人などは制裁違反に該当し、処罰対象になると警告した。

  中国が対露支援に回る懸念がある中、今回の発表は米政府としてロシアと親密な国々を牽制(けんせい)する意図もありそうだ。
  米国は侵攻を受けてロシア制裁を決定。半導体や航空機などのハイテク分野で対露輸出規制を発動した。米国の技術が組み込まれた部品や製品も対象となる。ロシアを支援するベラルーシにも制裁を科した。
  同省が制裁違反で公表したリストには、サッカー・英プレミアリーグの強豪チェルシーのオーナーでもあるアブラモビッチ氏が所有する米ガルフストリーム社製のプライベートジェット機や、アエロフロート・ロシア航空をはじめとするロシア旅客・貨物大手が所有、運航する米ボーイング社製などの機体が含まれた。
  レモンド米商務長官は声明で、「ロシアとベラルーシの企業やオリガルヒが米国の法律を逃れて渡航することを許さない」とした。

  ロイター通信によると、ボーイングはロシアへの部品や整備の提供などを停止した。ロシアが侵略を続けているため、米欧や日本などが、ロシアのプーチン大統領やオリガルヒを標的とする制裁を強化している。


2022.02.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220222-FUVX54JORRMEFMHYXLVJMHNGCI/
露、ウクライナ侵攻後の「殺害・収容リスト」作成か 米が国連に警告

  【ワシントン=大内清】緊迫するウクライナ情勢をめぐり、バイデン米政権が国連に対し、ロシアがウクライナを侵攻・占領した場合に殺害もしくは強制収容所送りにするウクライナ人らのリストを作成していると警告する書簡を送ったことが明らかになった。21日付の米紙ワシントン・ポストなどが報じ、バイデン政権高官が同日確認した。

  書簡は20日、在ジュネーブ国連機関の米代表を務めるクロッカー氏がバチェレ国連人権高等弁務官に送付した。ロシアがウクライナを侵攻・占領すれば、プーチン政権が過去に反体制派に対して行ってきた「暗殺や拉致、不当拘束、拷問」といった弾圧が、同国の反露派などに対しても行われる恐れがあると指摘。露軍が標的とする人物のリスト化を進めているとの「信頼できる情報がある」と強調した。
  それらの標的には、ロシアの活動に反対するジャーナリストや反汚職活動家、ウクライナに亡命中のロシアやベラルーシの反体制派、宗教・民族・性的マイノリティー(少数派)も含まれるという。政権高官は21日、「(標的となり得る)個人や団体には警告を発している」と語った。
  同紙によると露大統領府のペスコフ報道官は「そのようなリストは存在しない。フェイクだ」と全面的に否定した。


2022.02.21-HK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220221/k10013494451000.html
米ロ首脳会談に双方が原則合意 ロシア 緊急安全保障会議開催へ

  緊張が高まっているウクライナ情勢をめぐり、フランス大統領府によりますと、マクロン大統領が提案した米ロ首脳会談について、双方が原則として開催に合意しました。アメリカのホワイトハウスは、ロシアによる侵攻がないことが会談の条件だとする一方で、ロシア側はこのあと緊急の安全保障会議を開催すると明らかにし、ウクライナをめぐるプーチン大統領の発言が焦点となります。

  フランス大統領府によりますとマクロン大統領は20日、アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領とそれぞれ電話で会談して米ロ首脳会談を提案し、双方が原則として合意しました。
  アメリカのホワイトハウスは、今週後半に予定されているブリンケン国務長官とラブロフ外相の外相会談で、首脳会談の時期や形式について話し合われるとしていて、外交による解決に向けた努力が続いています。
  ただ、アメリカのホワイトハウスは首脳会談も外相会談も、ロシアによる軍事侵攻がないことが開催の条件だとしています。
  一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は21日、記者団に、首脳会談の具体的な計画はまだ決まっていないとしたうえで「可能性は排除していない。必要であれば米ロの首脳会談は、いつでも電話や対面で行う」と述べるにとどまりました。
  また、ペスコフ報道官はクレムリンでこのあと緊急の安全保障会議が開催されると明らかにし、この中でウクライナをめぐってプーチン大統領がどのような発言をするのかが焦点となります。
米国防長官「ロシア軍 首都キエフ攻撃のおそれ」
  アメリカのオースティン国防長官は、20日に放送されたABCテレビとのインタビューの中で、ウクライナの国境周辺に集結するロシア軍について「首都キエフを制圧するためにかなりの戦力が速やかに移動できる」と指摘しました。
  そのうえで「大量の戦車や装甲車、大砲などが確認されている。こうした兵器が使用されれば、市民を含む多くの人たちが被害を受け、住まいを失い、避難民となるなど悲劇を作り出す」と述べ、危機感を示しました。
バイデン大統領 NSC開催
  ウクライナの隣国ベラルーシで軍事演習を行っていたロシア軍が、終了予定の20日以降も現地にとどまる見通しとなった中、アメリカのバイデン大統領は20日、NSC=国家安全保障会議を開きました。
  ホワイトハウスが提供した映像では、バイデン大統領がブリンケン国務長官やオースティン国防長官、それにCIA=中央情報局のバーンズ長官などと話し合っている様子が確認できます。
  この中でバイデン大統領はロシア軍の最新の状況について報告を受け、対応を協議したということです。
  一方、アメリカの複数のメディアは20日、ロシアが軍の部隊に対し、ウクライナへの侵攻を命令したという情報をアメリカの情報機関が得ていると伝えました。
  バイデン大統領は先週、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の可能性についてプーチン大統領は決断したと確信している」と述べましたが、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは当局者の話として、こうした情報が大統領の発言につながったと伝えています。
ロシア軍事侵攻に反対するデモ相次ぐ
  ウクライナをめぐる緊張が高まる中、ウクライナの国内外ではロシアによる軍事侵攻に反対するデモが相次ぎました。
  ウクライナ南部の港湾都市オデッサでは20日、住民がウクライナ国旗を掲げたり、「プーチンがいなければ涙は流れない」などと書かれたプラカードを持ったりして行進し、AP通信によりますと参加者は数千人に上りました。
  参加した男子学生は「ウクライナのすべての国民は国の主権を支持し、占領者とはいつでもどこでも戦うつもりだと示したい」と話していました。
  ウクライナでは2014年2月、ロシア寄りだった当時のヤヌコービッチ大統領の退陣を求めたデモ隊と治安部隊が衝突して100人以上が死亡する事態となり、この週末はそれから8年となったこともありロシアに対するデモが各地で行われたということです。
  また、アメリカのワシントンやスペイン、スウェーデンなどでもロシアのウクライナ侵攻に反対するデモが相次ぎ、事態の収束を願う声が高まっています。
専門家「欧米を交渉の場につかせるシグナルか」
  ロシアの外交・安全保障政策に詳しい笹川平和財団の畔蒜泰助主任研究員は、ウクライナ東部で緊張が高まっていることについて、「ロシアは緊張状態をエスカレートさせ、欧米を交渉の場につかせようとシグナルを送っている可能性が高い」と分析しています。
  その上で、「ロシアがウクライナに軍事侵攻するというシナリオは考えにくい」と指摘しています。
  理由として、「プーチン大統領は、フランスのマクロン大統領に続き、アメリカのバイデン大統領との首脳会談も予定され、交渉を継続する意思を見せている」ためだとしています。
  今後の米ロ首脳会談について、「アメリカはロシアが求めるNATOを拡大させないという確約はできないが、意見交換を継続していく枠組みに合意ができるのかどうかが焦点になってくる。ただ合意できたとしても実行に移すことは難しく、緊張状態がすぐに緩和されることは考えにくい」として、しばらくは緊張が続くと分析しています。
  一方で、「可能性は高くはないが、プーチン大統領が東部の2つの地域を一方的に国家承認するようなことはありうる。その前に、侵攻という形をとる可能性は否定できない」とも述べ、ここ1、2週間のロシアの動きが焦点になるという見方を示しました。
プーチン大統領 全面的な支援を強調
  ウクライナ東部の一部を事実上支配する親ロシア派の武装勢力が今月18日「ウクライナ政府が力ずくでこの地域を奪還する準備を整えている」と主張し、国境を接するロシア南部のロストフ州に住民を避難させると明らかにして以来、連日、多くの人がバスや列車でロシア各地に避難する様子が伝えられています。
  ロシア非常事態省は国営メディアに対して、これまでにおよそ6万1000人が避難してきたとしていて、テレビでは、人々がロシアのパスポートを見せて手続きをしたあと、寝泊まりする場所や食事が提供される映像が流されています。

  ロシアのプーチン大統領は1人当たり1万ルーブル、日本円にしておよそ1万5000円を支給することを決めるなど、全面的な支援を強調しています。
  プーチン政権は2019年から、親ロシア派が事実上支配するウクライナ東部の地域で暮らす住民にロシアのパスポートを発給していて、これまでにおよそ70万人がロシア国籍を取得したとされています。
  これに対してG7=主要7か国の外相は19日の緊急会合でまとめた共同声明の中で、停戦合意の精神に反するとしてロシアを非難しています。


2022.02.18-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/160963
米「平和への脅威だ」、ロ「根拠ない」…国連安保理会合で応酬 ウクライナ紛争回避の糸口見出せず

  【ニューヨーク=杉藤貴浩】国連安全保障理事会は17日、ウクライナ情勢に関する公開会合を開いた。ロシアが近くウクライナに侵攻する恐れがあるとして「平和への差し迫った脅威だ」と非難する米欧に対し、ロシアは「根拠のない当てこすりは非常に遺憾と反発。紛争回避への妥協点は見いだせなかった

  米国はトーマスグリーンフィールド国連大使に加え、格上となるブリンケン国務長官も急きょ出席。ブリンケン氏は「われわれの情報はロシア軍が数日中にウクライナへの攻撃を開始すると明確に示している」と述べ、ロシアが国内テロの自作自演などをきっかけに侵攻を始める計画があると指摘した。侵攻ではウクライナの首都キエフも標的となるほか「ウクライナ各地を爆撃し、サイバー攻撃で主要機関をダウンさせる」との見方を示した。

  ブリンケン氏は「私は戦争を始めるのではなく防ぐためにここにいる」とロシアとの対話を継続する考えも示した一方、「ウクライナに侵攻しないと世界へ明言してほしい。行動で示してほしい」と強く迫った。
  ロシアのベルシーニン外務次官は「いくつかの部隊は一昨日、演習を終えて本拠地に戻り始めた」と述べ、ロシア軍の撤収が始まっていないとする米欧に反論。逆に「米国は昨年、ウクライナに6億5000万ドル(約750億円)相当の武器を提供した」と非難した。

  会合は2月の議長国ロシアが2014、15年のミンスク合意の履行状況を協議するため設定した。同合意は親ロ派勢力が支配するウクライナ東部地域へ自治権に相当する「特別な地位」を与えることなどが盛り込まれており、ベルシーニン氏は「ウクライナは合意を実行しようとしていない」と同国を批判した。
  安保理理事国外から会合に参加したウクライナのキスリツァ国連大使は「ロシアが事態をエスカレートさせた場合、ウクライナは自衛する」と強調した。


2022.01.31-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220131-46RWPHPPFBP5RAHERNI33RTXBU/
米露外相が再会談へ ウクライナ情勢

  【モスクワ=小野田雄一】ロシアによる侵攻が懸念されるウクライナ情勢をめぐり、ラブロフ露外相とブリンケン米国務長官は2月1日、電話で会談する。露外務省のザハロワ報道官が1月31日に発表し、タス通信が伝えた。直接会談は現時点で予定されていないという。

  北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大の確約を柱とするロシアの要求に対し、米国とNATOは1月26日、不拡大の確約には応じないとする回答をロシアに提示。外相会談の実施は回答提示後、初となる。
  ロシアは要求が拒否された場合、外交交渉を打ち切る可能性を示唆し、「軍事技術的な措置」を取ると警告してきた。今回の会談では、交渉の継続で一致できるかが焦点となる。
  ラブロフ、ブリンケン両氏は1月21日のスイス・ジュネーブでの会談で、欧米側の回答後に再会談することで合意していた。


2022.01.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220128-ZDYMDQ5PMBK47BGUSCOITFOTZY/
米の対露制裁 最終手段は決済網からの排除
(1)
  【ワシントン=塩原永久】バイデン米政権はロシアがウクライナに侵攻した場合の対抗策として、幅広い対露制裁案を検討している。金融制裁や輸出規制を柱とし、最も深刻な影響を及ぼす最終手段が、ロシアを国際資金決済網から排除する強硬策だ。ただ、いずれの手段も、欧州など関係国が同調しなければ効果がそがれる恐れがある。

  「極めて強力な兵器となるのは疑いようがない」
  ジョンソン英首相が対露制裁案として米国と検討していると述べたのが、国際銀行間通信協会(SWIFT・本部ベルギー)からロシアを排除する手段だ。
  SWIFTは200以上の国・地域の金融機関1万社以上が参加し、送金や決済に必要な通信網の管理を担う。ロシアの金融機関はアクセスを遮断されれば外貨を受け取れなくなり、天然ガスなどの資源輸出を屋台骨とするロシア経済は、深刻な打撃を受ける。

  ただ、25日に制裁案を報道陣に説明したバイデン政権高官はSWIFT案に触れなかった。断行すればロシア企業と取引する欧州の金融機関にも多大な影響が及ぶため、関係国の足並みがそろわない「現時点では有力手段ではない」(米メディア)とされる。
  一方、米国が独自にできる金融制裁の一つが米ドル決済を禁じる手だ。ドル取引は最終的に米金融機関を通じて決済されるため、米政府が米銀行に取引を禁じれば「(ロシアの)銀行はドル取引できなくなる」(バイデン米大統領)。

  どのような制裁が実際に発動されるか不明だが、米政権高官は、露通貨ルーブルの急落や露企業の債務不履行(デフォルト)を招く「深刻な経済的影響」を与えると警告している。
(2)
  また、バイデン氏が25日に示唆したのが、ロシアのプーチン大統領に制裁を科す案だ。米議会でプーチン氏や側近、政権高官らを対象に、資産差し押さえや取引禁止などの制裁を求める動きがあった。
  制裁案の中でロシア侵攻後、ただちに発動する可能性があるのは、ハイテク部品の対露輸出禁止とみられる。航空宇宙や防衛、量子コンピューター、人工知能(AI)など幅広い産業で米国製の部品やソフトウエアなどの輸出を厳しく制限し、ロシアの軍事・先端技術産業に打撃を与える狙いだ。

  禁輸措置は中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する制裁と似ている。所管する米商務省が仮に半導体で厳格な輸出規制を実施すれば、日欧などの海外メーカーでも、米国由来の技術を使った製造装置で半導体を生産していれば対露輸出を禁じられる。
  ロシアも対抗策は練ってきた。2017年にSWIFTに代わる独自決済システムの運用を開始。米紙によると金・外貨準備が6300億ドル(約72兆円)相当に達し、一定期間は制裁をしのぐ財政余力もある。

  だが、米ジョージタウン大のバルザー教授によると、露版決済システムは「(海外では)12行が利用するだけ」で、「(ロシアの先端)技術、金融分野は制裁に対して最も脆弱(ぜいじゃく)だ」としている。



2022:01.21-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20220121/k00/00m/030/362000c
米露外相会談、ウクライナ情勢で平行線 文書回答約束、緩和は不透明

  ブリンケン米国務長官とロシアのラブロフ外相は21日、スイス・ジュネーブで緊迫するウクライナ情勢について会談し、北大西洋条約機構(NATO)不拡大などを求めるロシアの提案に米国が来週中に書面で回答することで合意した。協議の継続でも一致したものの、双方の主張の隔たりは大きく、緊張緩和に向かうかは不透明だ。

  ロシアがウクライナ国境周辺に10万人規模の軍部隊を配備して軍事的圧力を強める中、事態打開への糸口を探った外交トップ同士の会談は約1時間半続いた。

  ラブロフ氏は会談後の記者会見で、今回の協議は「中間的」なものだと強調。NATO不拡大の保証の必要性を改めて説明したとし、米側から書面での回答を受け取った後、「外相レベルで接触を続ける予定だ」と明かした。首脳間の協議の可能性についても「プーチン大統領はいつも準備ができている」と否定しなかった。
  ただ、ウクライナ情勢についてはロシアはウクライナ国民を脅していない」と改めて主張。米欧で広がるウクライナへの軍事侵攻への懸念を「ヒステリー」と呼び「NATOこそがウクライナを自身の影響圏とみなしている」と米欧によるウクライナへの軍事支援を批判。「より冷静に対話をする必要があることでブリンケン氏と合意した」と述べた。

  一方、ブリンケン氏も会談後に記者会見し、ロシアが武力侵攻した場合は「米欧は迅速かつ厳しく、一体となった対応をとる」と大規模な制裁措置をとる構えを改めて強調した。緊張緩和へのいくつかのアイデアを会談で提示したとし、同盟国との協議のうえ「来週に我々の提案や懸念の詳細を書面でロシアに伝えることができるだろう」と語った。今後もロシア側と協議を継続することでも一致したという。
  ロシア側が武力侵攻の意図がないとしていることについては「言葉よりも行動が必要だ」と述べ、軍部隊の撤収を要求。米国の軍事介入の可能性を問われるとウクライナはNATOの加盟国ではなく防衛義務はないが、できる限りのことをする決意だ」と述べるにとどめた。

  NATO不拡大の保証を巡っては、ラブロフ氏がブリンケン氏との18日の電話協議で、書面による回答を求めていた。
  米国やNATOなどは10~13日にロシアと協議したが、ロシアが求めるNATO不拡大などで折り合えないまま平行線。今回、米国が文書回答を約束したことで、決裂は避けられた。【ワシントン鈴木一生、モスクワ前谷宏】



2021.12.08-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/dd3dce709e73975feb108a16052ff2d551eaa270?source=rss
米方針、露「ハイブリッド戦」には効果薄

  【ワシントン=大内清米露首脳会談は、ウクライナへの威圧を強めるロシアへの刺激を避け、欧州諸国と足並みをそろえることに汲々とするバイデン政権の性格が色濃く表れたものとなった。

  「露側が軍事侵攻に踏み切った場合は強力な経済制裁を発動する」との言明は、裏を返せば「軍事侵攻以外の方法での浸透は黙認する」とのメッセージと受け取られかねず、プーチン露政権が推し進めるハイブリッド戦を抑止する効果は期待しにくい
  米側ではこのところ、対露制裁案の一つとして、露産天然ガスをドイツに輸送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」の稼働阻止が浮上している。バイデン政権が、輸入側のドイツに配慮する形で建設を容認していたが、サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日、ロシアがノルドストリーム2を稼働させたいなら、「ウクライナ侵攻のリスクを冒したいとは思わないだろう」と述べた。
  バイデン政権はほかにも、ロシアを国際的な銀行決済取引網「SWIFT」(国際銀行間通信協会、本部ベルギー)から排除する案も検討しているとされる。これらの制裁が実際に発動されれば、政府歳入の約4割を資源輸出に依存するロシアへ長期的に損害を与える強力な措置となることは間違いない
  しかし、ロシアはすでにウクライナに対し、親露派武装勢力などを通じた非正規戦やサイバー攻撃、世論操作や攪乱(かくらん)を狙った情報戦を駆使したハイブリッド戦略を展開している。
  制裁圧力で正規軍による侵攻を思いとどまらせることができても、ウクライナを勢力圏下に置こうとする工作活動を抑止することには直結しない。 そうした中でバイデン政権が今回、制裁発動の〝条件〟を軍事侵攻に絞ったのは、当面の緊張緩和を優先したためだ
  ノルドストリーム2の稼働に期待するドイツをはじめとして、エネルギー面で対露依存を深める欧州諸国への配慮もあるとみられる。 バイデン政権は、中国との競争をにらみ、ロシアとは安定的な関係の構築を目指すとしているが、その交渉姿勢には野党・共和党を中心に「弱腰」との批判がつきまとっている。


2021.06.17-BBC News Japan-https://www.bbc.com/japanese/57506887
米ロ首脳会談、握手はするも不和残る 核軍備管理の対話には合意

  米ロの両大統領は16日、 スイス・ジュネーヴで会談した。両大統領は個別の記者会見でそれぞれ成果を強調したものの、2018年以来となる米ロ首脳会談は具体的成果には乏しかった。初対面ではないが、バイデン米政権発足後、初の対面会談だった。

  アメリカのバイデン大統領は会談後、お互いが相手に異論を伝えたものの、大げさな物言いはしなかったと記者団に話した。また、ロシアは新しい冷戦を望んでいないと述べた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、バイデン氏について経験豊富な国家指導者で、自分たちはお互い「同じ言語」を使う者同士だと話した。

  両大統領の会談は予定より短かかったが、約3時間に及んだ。バイデン氏は記者会見で、首脳同士が対面して直接話をするのは何ものにも代えがたいことだと意義を強調した上で、今回の協議にかけた時間は十分だったと述べた。
  また、「価値観や原理原則にのっとるものは何ひとつ手放さず、両国関係を大いに改善できる展望が本当にあると思う」と期待を示した。

  プーチン氏は記者会見で、「会談はもちろん、しっかりしたものだった。色々な課題で私たちの立場は異なるが、2人とも相手を理解しようという意欲や、立場を近づける方法を探そうという意欲を見せたと思う。とても建設的な会話だった」と話した。

  双方は、核軍備管理の対話開始に合意。さらに、互いの大使を双方の首都に戻す方針を確認した。両国は、アメリカが2020年大統領選にロシアが干渉したと批判したのを受け、今年3月に大使を互いに帰国させていた。
  しかし、懸案のサイバー犯罪対策やウクライナ政策収監中のロシア野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の扱いなどを含め、それ以外の課題については合意の様子は乏しかった。

  バイデン氏は、万が一ナワリヌイ氏がこのまま獄死するようなことがあれば、ロシアにとって破壊的な結果」になると述べた。
  野党勢力の指導者ナワリヌイ氏に対し、モスクワの裁判所は今年2月、過去の有罪判決の執行猶予を取り消し、禁錮3年6カ月の刑の執行を決定した。刑期は2年半残っている。
  ナワリヌイ氏は昨年8月、ロシア・シベリアを旅客機で移動中に体調が悪化。治療のためドイツ・ベルリンの病院に移送された。ドイツ政府は9月、ナワリヌイ氏に対して神経剤ノビチョクによる毒殺が図られた「明確な証拠」があると発表した。今月17日にベルリンから帰国した同氏は、モスクワ郊外の空港で逮捕された。4月には24日間、獄中でハンガーストライキを続けた。

協議内容は
  首脳会談の前、双方とも両国関係は過去最低の状態だと述べていた。プーチン氏は、相手国で受刑中の自国民を双方が交換する可能性について示唆していた。
  アメリカが重視していた相次ぐサイバー攻撃については、プーチン氏はロシアの責任を否定逆に、ロシアに対するサイバー攻撃のほとんどはアメリカから始まっていると批判した。

  バイデン大統領は、水やエネルギーなどライフラインのインフラは、ハッキングを含むあらゆる攻撃の対象から外されなくてはならないとプーチン大統領に告げたと、記者団に話した。
  両大統領は、政府に抗議する権利を含め、人権について、姿勢が大きく食い違ったという。
  バイデン氏は、刑務所内の扱いに抗議して4月にハンストを行ったナワリヌイ氏について、懸念をプーチン氏に伝えた。しかし、プーチン氏はこれを一蹴し、法律を無視したナワリヌイ氏はドイツから帰国した時に自分が逮捕されることは、承知していたはずだと答えたという。
  ナワリヌイ氏は、自分に神経剤を使うよう命令したのはプーチン氏だと批判しているが、プーチン氏はこれを否定している。

  国民の抗議する権利についてプーチン氏は、今年1月の米連邦議会襲撃事件や、昨年夏にアメリカ各地で黒人差別や警察暴力に抗議して起きた「黒人の命も大事だ(BLM)」運動のような騒ぎが、ロシア国内で起きて欲しくないと話した
  これを受けてバイデン氏は、BLM運動に対するプーチン氏の発言は「ばかげている」と反論し、人権問題は常に「議題であり続ける」と述べた。

  バイデン氏はジュネーヴ空港で大統領専用機「エアフォース・ワン」に搭乗する前、プーチン大統領率いるロシアが態度を変えると思うかと記者団に質問され、ロシアがいま「とてもとても厳しい状況にある」と答えた。

  「中国に締め付けられている。なんとしても主要国であり続けたいと必死だ」と、バイデン大統領はロシアの状況について見解を述べた。
  これに対してプーチン氏は、ロシアが核保有国で、重要な国だと繰り返した。BBCのサラ・レインスフォード・モスクワ特派員はプーチン氏について、ロシアの経済規模はアメリカより小さいが、ロシアは今も重要な主要国で、だからこそバイデン大統領は自分と話をしに来たのだとアピールする意図があったとした。


2021.06.17-産経新聞-https://news.yahoo.co.jp/articles/b91c2e8d865c403060c2310456721dd031f8d5fb
プーチン氏 米と協調模索も「一線」譲らず

  【ジュネーブ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は16日のバイデン米大統領との首脳会談で、核軍備管理など米国と利益が一致する領域では協調する意欲を示しつつ、双方には互いに譲れない「一線」があると指摘。露国内の人権侵害を非難する米国に内政干渉と反論するなど、米国と渡り合える強国を示すことに成功した。

  プーチン氏は会談後の記者会見で「会談は建設的だった」と評価した。核戦力の均衡などを念頭に置いた戦略的安定」をめぐる対話の開始は、プーチン氏にとって成果だ。国力差のある米国との本格的な軍拡競争を避けられる可能性が高まる上、米国に匹敵する核大国としてロシアを印象付けられるためだ。

  バイデン氏の米露関係を予測可能にするとの考えには、米露の立場の違いを容認するものとして原則的に賛同しているとみられる。プーチン氏はトランプ前米政権による中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄などを挙げ、米国こそが予測不可能だったと指摘。

  バイデン氏をバランスの取れた人物」と評した。 サイバー空間の安全保障に関する協議開始は露側が事前に提案するとしていたもので、プーチン氏は米国の同意を得られたことに満足感を示した。

  ただ、プーチン氏はサイバー攻撃への国家としての関与を改めて否定し、「世界一のサイバー犯罪大国は米国だ」と主張した。サイバー攻撃をめぐる協議に前向き姿勢を示したのは、ロシアへの非難や制裁の矛先をかわすためとの見方もあり、サイバー犯罪をどこまで本気で取り締まる意思があるかは不透明だ。

  露反体制派指導者のナワリヌイ氏収監や反体制デモ弾圧などロシアの人権状況に関しては、米国の改善要求を拒否する姿勢を明確にした。プーチン氏はデモ弾圧について、1月の米連邦議会議事堂が一時占拠された事件などを引き合いに出し、「ロシアで暴動が起きることは望まない。われわれはそのために必要なことをする」と正当化した。
  プーチン氏は米議会の動きを念頭に「米国にはロシアとの関係発展に反対する人々がいる。米国が新たな対露制裁を行えば(関係再構築の)機会の喪失を意味する」と牽制(けんせい)。
  米露関係には「幻想(楽観論)を過去に持ったことはなく、今後も持つことはない」とし、バイデン政権の今後の出方に警戒を緩めなかった。


2021.06.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210617/k10013089141000.html
米ロ首脳会談 核軍縮など対話へ サイバー攻撃などでは隔たりも

  アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領が会談し、核戦争のリスクの低減や核軍縮に向けた対話の枠組みをつくることで合意しました。一方で、サイバー攻撃や人権をめぐる問題での主張の隔たりは大きく、対話を通じて両国関係の改善につなげられるかが今後の焦点になります。

  アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領は16日、スイスのジュネーブで初めて対面での首脳会談を行い、およそ3時間半にわたって意見を交わしました。
  この中で両首脳は、両国で世界の核弾頭の9割を保有する中、武力衝突や核戦争のリスクを低減し、将来的な核軍縮や軍備管理の土台を築いて戦略的な安定を目指す対話の枠組みをつくることで合意しました。
  両首脳は会談後それぞれ記者会見し、バイデン大統領はアメリカがロシアに向き合っていくうえでの明確な基礎を築くことができた」と述べ、プーチン大統領は意見の相違はあるが、双方は相手を理解し距離を近づけるための方法を見いだそうとする気持ちを示した」と評価しました。

一方で、アメリカがロシアの責任を主張するサイバー攻撃をめぐっては、バイデン大統領が攻撃を受けた場合は相応の措置をとると強く警告しましたが、プーチン大統領はロシアも被害を受けているとして、議論は平行線をたどりました。
  また、バイデン大統領がロシアの反体制派の指導者、ナワリヌイ氏の収監をめぐり懸念を表明したのに対し、プーチン大統領はロシアの法律に違反したと説明し、両国間の主要な問題では主張の隔たりが改めて浮き彫りになりました。
  このため、今後、会談で合意した対話を通じて、両国が冷戦終結後最悪ともいわれる関係の改善につなげられるかが焦点になります。
長崎の被爆者「両首脳 信頼関係徐々に築いて」
  アメリカとロシアの首脳会談で、新たな核軍縮の枠組みの構築など、戦略的安定に向けた2国間対話を始めることで合意したことについて、長崎の被爆者で被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中重光代表委員は「世界の核弾頭の9割を保有するアメリカとロシアの対応が世界の明暗を分ける鍵を握る。両国が核軍縮などで話し合いを進めれば、他の国も追随すると思うので、両首脳には信頼関係を徐々に築いていってもらいたい」と期待感を示しました。

  さらにことし8月9日の長崎原爆の日を前に「『被爆者を再び出さない』という被爆者が発信するいちばんの思いを両首脳には分かってもらいたい。核保有国が存在するかぎり、核戦争はいつ起こるか分からない。ことし1月には核兵器禁止条約が発効し、核兵器を持ってはいけないことが国際的な規範になったので、これからも世界の市民や国連と結びついた運動を続けていきたい。日本政府は核兵器禁止条約から背を向けているので、条約に署名・批准をして、被爆国の役割を果たしてほしい」と述べました。


2021.05.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210520/wor2105200022-n2.html
米露が北極でせめぎ合い 露の軍備増強を米非難、中国も関与模索
(1)
  【モスクワ=小野田雄一、ワシントン=黒瀬悦成】米国とロシア、カナダなど北極の関係8カ国で構成される北極評議会の閣僚級会合が20日、アイスランドの首都レイキャビクで行われ、北極圏の持続可能な発展や環境保護について協議した。豊富な天然資源を擁し、航路としての発展も期待されている北極をめぐっては米露が主導権争いを強めており、両国は会合に先立って互いを激しく牽制(けんせい)した。

  南極については日英米や当時のソ連など12カ国が1959年に採択した南極条約があり、領有権主張の凍結や平和利用が定められている。これに対し、北極圏をめぐってはルールが未整備で、関係国の利害や主張が錯綜(さくそう)している。

  北極圏に計300万平方キロメートルの領土と領海を有する最大の沿岸国ロシアはとりわけ自己主張を強めている。ロシアは、自国沿岸の北極海航路(北東航路)を通る船舶に対して事前許可の義務付けや、船の誘導のため自国の水先案内人の同乗を要求する方針を表明要求に従わない船舶には武力行使も辞さないとしており、ブリンケン米国務長官は国際法違反だ」と強く非難している。

  ロシアは2017年、北極圏ヤマル半島で液化天然ガス(LNG)の生産を開始。近隣のギダン半島でのLNG生産も23年の開始を予定しており、アジア太平洋地域を中心にLNG市場でシェア拡大を狙う
  北極圏の資源開発とセットになるのが、輸送を担う北極海航路の開発だ。ロシアは北東航路でアジアと欧州を結べばスエズ運河ルートよりも距離が3割短縮されるとし、大型砕氷船の建造などを進めている。

  露メディアによると、17年は1千万トンだった北東航路の輸送量は20年に3300万トンまで増加。今年3月のコンテナ船座礁事故でスエズ運河が遮断された際、露政府はすかさず北極海航路の宣伝を図った。
(2)
  バイデン政権が警戒を強めているのは、ロシアによる北極圏での軍事力増強だ。ロシアは1月、北極圏を管轄する北方艦隊に、権限がより強い軍管区」の地位を付与。3~4月には北極点近くでの戦闘機への空中給油や複数の原子力潜水艦による同時浮上実験などを行った。

  ラブロフ外相は今月17日、「ロシアが北極圏で軍事活動を展開しているとの泣き言が(各国から)出ているが、それはロシア領(内の演習)だ」などと主張。他方で「ノルウェーなどが北大西洋条約機構(NATO)を北極に引きこもうとしている」と欧米側を批判した。
  これに対してブリンケン氏は18日、北極評議会閣僚級会合を前に、レイキャビクで記者団に「ロシアは北極海で不法な海洋権益を主張している」などと批判した。
  米CNNテレビ(電子版)によると、ロシアは原子力推進式の核魚雷「ポセイドン2M39」の開発を北極海沿岸の露軍基地で行っているほか、ロシアの戦略爆撃機や戦闘機が北極圏に多数配備されていることが衛星写真で確認された。
  米国は昨年、北極海航路での航行の自由を掲げ、ロシアに近いバレンツ海で欧州の同盟諸国と合同海軍演習を2回にわたり実施した。ブリンケン氏は、ロシアによる北極海の軍事拠点化は「事故や誤算の増大につながる。北極海の平和的かつ持続可能な将来を確保するという各国共通の目標にも反する」と指摘した。
  中国が北極海航路を「氷のシルクロード」と名付け、巨大経済圏構想「一帯一路」の中に組み込んでいく考えを示していることも沿岸国の警戒心を呼んでいる。


2021.03.19-dmenuニュース-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor2103190010
プーチン氏、バイデン氏に公開討論呼びかけ 「人殺し」発言受け

  【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は18日、露国営テレビの番組に出演し、バイデン米大統領に対し公開での直接対話を早急に行うことを提案した。米テレビのインタビューでプーチン氏について人殺しとの認識を示したバイデン氏に挑戦状をたたきつけた形で、強い指導者のイメージを演出する狙いがあるようだ。
  プーチン氏は、私たちは陰でののしり合うべきではないと述べ、「(直接対話は)明日(19日)か月曜日にでも可能だ。そのために必要な指示を外務省に出す」と表明した。
  プーチン氏はこの日、ロシアによる併合から7年を迎えたウクライナ南部クリミア半島の住民らとのオンライン会議でも、バイデン氏に言及し、「人が他人を評価するというのは、鏡の中の自分を見ているようなものである」と揶揄(やゆ)、「(バイデン氏の)健康を願っている」と述べた。
  一方、ペスコフ露大統領報道官は18日、バイデン氏の発言は「歴史上、(前例が)なかった」と批判。今後の対米関係については、発言を受けて一時帰国が命じられたアントノフ駐米大使から報告を受けた上で検討されるとした。


2021.03.18-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210318/wor2103180007-n1.html
米大統領選へのロシアの選挙干渉 「プーチン氏は代償払う」とバイデン氏

  ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は17日放映されたABCニュースとのインタビューで、昨年の大統領選にロシアが干渉したと結論付けた米国家情報会議(NIC)の報告書が16日に公表されたのを受け、「ロシアのプーチン大統領は代償を払うことになる」と述べ、「近日中」に対抗措置をとることを表明した。

  バイデン氏は対抗措置の具体的な内容には言及しなかったが、ロイター通信によると、米政権は来週にも制裁を発表する準備を進めているという。
  報告書の中で言及されていた、プーチン氏の意を受けてバイデン氏親子に関するスキャンダル情報の拡散を図るなど選挙干渉工作に重要な役割を果たした」とされるウクライナの親露派国会議員、アンドレイ・デルカッチ氏に対しては、米財務省が昨年9月に制裁を発動している。
  バイデン氏はまた、ロシア反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の暗殺未遂事件に関連し「プーチン氏が人殺しだと思うか」と司会者に聞かれた際、「そう思う」と答えた。



2020.11.25-CNN -https://www.cnn.co.jp/world/35162878.html
米海軍艦、日本海で航行の自由作戦 ロシアが警告

  (CNN) ロシア国防省は、米海軍の駆逐艦「ジョン・S・マケイン」が24日に日本海でロシアの領海を侵犯し、ロシアの駆逐艦「アドミラル・ビノグラドフ」が警告を発したと発表した。米海軍艦は、警告を受けてこの海域から出たとしている。
  一方、米海軍はロシア側の主張を否定し、「今回の作戦に関するロシアの発表は誤っている。ジョン・S・マケインは、いかなる国家の領海からも『駆逐』されていない」とする第7艦隊の声明を発表した。
  声明ではさらに、「今回の作戦は、航行の自由と合法的な海洋使用の原則を支持する我々の貢献を反映している。米国はロシアが行ったような脅しに屈することも、不当な海洋主張を受け入れることも決してしない」と強調。「航行の自由作戦は、権利と自由、ロシアの過剰な海洋主張に異議を唱えることにより、国際法で認められた海洋の合法的な利用を支持するものだ」としている。

  米駆逐艦が航行したピョートル大帝湾は日本海で最大の湾で、ウラジオストクに面し、ロシア海軍太平洋艦隊の拠点がある。
  この海域に関するロシアの領海の主張は旧ソ連時代にさかのぼる。米国はロシアの主張を認めておらず、前回は2018年に旧ソ連の解体来初めて、この海域で航行の自由作戦を実施していた。
  米国で次期大統領に選出されたバイデン前副大統領の就任を約2カ月後に控え、米ロの緊張は高まっている。トランプ大統領と良好な関係にあったロシアのプーチン大統領は、まだバイデン氏に祝意を伝えていない。


2020.10.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/201020/wor2010200039-n1.html
新START交渉大詰め 米大統領選にらみ米露駆け引き
(1)
  米国とロシアの間に唯一残る軍備管理・軍縮の枠組み「新戦略兵器削減条約」(新START)が来年2月に期限切れを迎える。同条約の延長をめぐり、トランプ米政権とプーチン露政権との協議が大詰めを迎えた。トランプ米政権は、11月3日の米大統領選を前に外交成果を上げたい思惑から、ロシアに条件付きでの暫定延長を提案。プーチン露政権は、米国との核軍拡競争を避けるために新START延長を望みつつ、大統領選の行方もにらんで駆け引きに出ている

  【ワシントン=黒瀬悦成】新STARTの延長問題では、トランプ政権がロシアに対し、条約を1、2年間暫定的に延長する一方、その間は米露の全ての核弾頭の保有数を増やさないとする提案を行った。
  これに対しプーチン大統領は16日、核弾頭の凍結には言及せず、条約を無条件で1年間延長することを提示したものの、オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同日、これを「全く話にならない」と拒絶した。
  トランプ政権は国際軍備管理に関し、新STARTが対象とする戦略核弾頭およびその運搬手段だけでなく、短中距離核や、極超音速ミサイルなど新型兵器も含めた、包括的な核軍縮・軍備管理の枠組み構築を目指すべきとの考えだ。
  それ以上に、米露が中距離核戦力(INF)全廃条約(昨年8月に失効)を順守している隙を突いて中国が短中距離核およびミサイルを中心とする核戦力を着々と増強させ、米国およびインド太平洋地域への重大な脅威となっていることをにらみ、中国を条約に組み入れるのが不可欠との認識を強めている。

共和党のレーガン政権下で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めたロバート・マクファーレン氏は19日、政策研究機関「大西洋評議会」での講演で、新STARTは「時代遅れだ」と切り捨て、現行の枠組みにこだわるロシアの態度は「見当はずれで頑迷だ」と非難した。
(2)
  トランプ政権とその周辺には、現在の戦略的環境の実態に合わない新STARTをこのまま葬り去るべきとの議論も存在する。
  一方で米政権による最近の動きは、現行の条約を将来、中国も含めた包括的な新条約に発展させる土台にしたい思惑がにじむ。
  仮にロシアが今回、米政権が提案した「核弾頭の凍結」に応じれば、たとえ暫定的にせよ米露が保有する全ての核弾頭に史上初めて制限の網がかかる「歴史的合意」(ビリングスリー米大統領特使)となる。
  ただ、プーチン氏がこれに応じない考えを示唆したことで、米政権内には協議の行方に悲観論が浮上しているのも事実だ。
  トランプ大統領は、米大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領が新STARTを現状のまま5年間延長する立場を示しているのを視野に、最後まで野心的な提案で大型合意を目指し、外交成果につなげたい考えとみられる。

  【モスクワ=小野田雄一】国力で米国に大きく劣るロシアは、新STARTを延長したいのが本音だ。その一方でロシアは、大統領選を控えたトランプ米政権の焦りを見越し、できるだけ有利な形での交渉妥結を探る。新START延長に前向きとされるバイデン前副大統領が当選する可能性を視野に、硬軟両様の対応で様子見をしている感もある。
  ロシアは、音速の20倍以上で飛行する極超音速兵器「アバンガルド」や、南極回りの飛行ルートでも米国を攻撃できるとされる新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」など新型戦略兵器の開発や配備を急いできた。航続距離が「無制限」とされる原子力推進の巡航ミサイル「ブレベスニク」や大型核魚雷「ポセイドン」の開発も進めている。
  米国のミサイル防衛(MD)網を突破ないしは回避する能力を備えると同時に、それを米国との軍備管理交渉の取引材料に使う狙いからだ。ラブロフ露外相は昨年12月、新STARTが延長される場合にはアバンガルドとサルマトを規制対象に含める用意がある、と水を向けていた。
(3)
  世界銀行によると、2019年のロシアの国内総生産(GDP)は米国の10分の1以下で、真っ正面からの軍拡競争では米国に太刀打ちできない。ロシアは新兵器開発を誇示しつつ、米国との間で落としどころを探るのが得策だと考えている。核超大国の地位を維持しつつ、米国との際限ない軍拡競争は抑えるのがロシアの政策目標だ。
   米露が全ての核弾頭数を凍結する代わりに新STARTを暫定延長する-。この米提案をロシアはいったん拒絶したが、露外務省は20日になって、米国が追加要求を持ち出さないとの前提で「核弾頭数の凍結に応じる用意がある」と譲歩の姿勢を見せた。
   一方、米国が求める中国の軍縮枠組みへの参加について、ロシアは「中国が望んでいない」と否定的だ。ロシアには中国の軍拡を潜在的脅威と認識する面があるものの、米欧と中露の対立が激しくなる中で、ロシアとしては中国に配慮し、良好な関係を維持せざるを得ない事情がある。


2020.10.17-TBS NEWS-https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4104294.html
「無条件で1年延長」提案、新STARTめぐりプーチン氏

  来年2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約について、ロシアのプーチン大統領は無条件で1年延長することを提案しました。
   プーチン大統領は16日、安全保障会議で来年の2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約=「新START」について、無条件で最低1年延長することを提案。ラブロフ外相に対し、アメリカ側から早期に回答を得るよう指示しました。
   新STARTをめぐっては、アメリカ側が延長の条件として、短距離、中距離の核兵器も対象にすることを求めていましたが、ロシア側が難色を示していました。今回のプーチン大統領の提案は条約をこのまま延長させ、交渉を継続するというもので、来月3日のアメリカ大統領選を前に、外交面での成果をアピールしたいトランプ政権から譲歩を引き出す狙いがあるものとみられます。
   一方、ホワイトハウスで国家安全保障問題を担当するオブライエン大統領補佐官は16日、声明を出し、「アメリカは、米ロ両国がすべての核兵器を制限の対象とすることを条件に、条約の1年延長を提案した。ただ条約を延長するというプーチン大統領の反応は検討に値しない」と指摘しました。その上で、「軍拡競争が続く前にロシアが自身の立場を見直すことを期待している」として、逆に、アメリカ側の提案を受け入れるよう求めています。


2020.8.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200825/wor2008250040-n1.html
米副長官、ベラルーシへの露介入を牽制 露外相らと協議

  【モスクワ=小野田雄一】ルカシェンコ大統領の6選が発表された大統領選への抗議デモで混乱するベラルーシをめぐり、ビーガン米国務副長官は25日、モスクワを訪れ、ロシアのラブロフ外相らと会談した。在モスクワ米国大使館によると、ビーガン氏は会談で「ベラルーシの主権と、国民の自己決定権への支持」を表明し、ロシアの介入を牽制(けんせい)した。
  ビーガン氏は、毒物を使用されて重体に陥った疑いが出ているロシア反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイ氏の状況に懸念も示したという。ナワリヌイ氏はドイツに搬送され、治療を受けている。


2020.6.24-Yahoo!!Japanニュース(時事通信)-https://news.yahoo.co.jp/articles/b581c6eb80966b1c406b92d2eeb5e7f76c615ef2
新START、1カ月後に再協議 米代表「あらゆる核兵器対象」

  【ワシントン時事】ビリングスリー米大統領特使(軍縮担当)は23日、新戦略兵器削減条約(新START)延長などをめぐる米ロの核軍縮交渉について、7月下旬か8月上旬に第2回の高官級協議を開催すると明らかにした。
  ビリングスリー氏は第1回協議が開かれたウィーンで記者団に「新たな軍縮協定は戦略核兵器だけでなく、あらゆる核兵器を対象にしなければならない」と強調。中国についても参加を呼び掛け続けると語った。 


2020.1.11-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200111/k10012242191000.html
アラビア海で米駆逐艦にロシア艦艇が異常接近

中東情勢をめぐる緊張が続く中、アメリカ軍はアラビア海北部に展開していた駆逐艦にロシア海軍の艦艇が異常接近したことを明らかにし、ロシアを強く非難しました。ロシア海軍は先月末にイランと合同軍事演習を行うなど、イランへの圧力を強めるアメリカへのけん制を強めています。
  中東地域を管轄するアメリカ中央軍は10日、声明を発表し、9日にアラビア海の北部に展開していた駆逐艦「ファラガット」にロシア海軍の艦艇が異常接近したことを明らかにしました。
  海軍の当局者によりますとロシア側は「ファラガット」が進路を変更するよう信号を送ったあとも進路を変えず、およそ54メートルの距離にまで接近したということで、声明で中央軍は「攻撃的な接近で衝突の危険を高める」としてロシアを強く非難しました。
  アラビア海の北部にはイランの脅威に対応するため原子力空母「ハリー・トルーマン」が派遣されており、「ファラガット」も空母に随行する空母打撃群の一隻として現場海域に展開していました。
  イランと良好な関係にあるロシアは先月末に、イランと中国の海軍とオマーン湾などで合同軍事演習を行うなど、イランへの圧力を強めるアメリカへのけん制を強めています。
ロシア国防省「ルール違反はアメリカ」
これについてロシア国防省は10日声明を発表し、「ロシア軍の艦船が進もうとする航路をアメリカ軍の駆逐艦がさえぎった。国際ルールに違反しているのはアメリカのほうだ」と反論しました。








このTopに戻る





monomousu   もの申す
最近のニュース
TOPにもどる