アメリカ対中国(経済戦争)-1



2020.4.3-msnニュース-https://www.msn.com/ja-jp/news/world/
自衛隊も注目する米海兵隊の大胆改革

世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっているが、安全保障の分野でもこのウイルスの影響が徐々に出てきている。
  世界中が新型ウイルスと戦っている状況にもかかわらず、中国人民解放軍(PLA)は東シナ海や南シナ海などで活発な行動を継続している
  一方、米軍も、実力をつけてきた人民解放軍に対処するための将来に向けた変革の動きを加速している。
  米海兵隊は3月末に「2030年の戦力設計」(“Force Design 2030”)という米海兵隊総司令官デビッド・バーガー大将の署名入りの文書を発表した。
  バーガー大将は稀にみる改革派の将軍で、「我々は、漸進的な改善変更や旧来の能力の改善バージョンなどの中途半端な勧告を受け入れることはできない」と宣言し、海兵隊の大胆な改革を推進中である。
  「2030年の戦力設計」によると、中国の台頭などの新たな安全保障環境に効果的に対処する改革として、海兵隊員1万2000人の削減、戦車の全廃、陸上戦力の骨幹である歩兵大隊の削減、「F-35」の機数削減など大胆な削減を行う提案をしている。
  一方で、海軍前方展開部隊(Naval Expeditionary Forces)の強化、長距離対艦ミサイルや致死性の高い無人機システムの増強を提案している。
  この改革の結果は、日本の安全保障にも大きな影響を与えると予想されるため、本稿において紹介する。
  なお、本稿は、「2030年の戦力設計」だけではなく、バーガー大将の海兵隊改革のエッセンスが書かれた“Notes on Designing the Marine Corps of the Future”や“Commandant’s Planning Guidance”も参考にしている。
2018年の「国家防衛戦略」に基づく変革
  バーガー大将の改革案は、2018年に発表された国家防衛戦略(NDS)に基づいてること、インド太平洋地域における中国の脅威にいかに対処するかをウォーゲーム(軍事作戦のシミュレーション)や部隊実験などで実戦的に分析検討している点に特徴がある。
  2018年の「国家防衛戦略」は、海兵隊の任務の重点を中東のイスラム過激派(いわゆるイスラム国など)への対処から、インド太平洋における中国やロシアの脅威への対処へと転換した。
  米海兵隊は、内陸部から沿岸部へ、そして非国家主体から米軍と対等な競争相手(人民解放軍やロシア軍)へとミッションを大きくシフトさせる。
  つまり、米海兵隊は、イラク戦争やアフガニスタン戦争において、米陸軍とともに主として地上戦力として運用されてきた。しかし、米海兵隊は本来、米海軍の作戦を支援する海軍前方展開部隊としての本来の役割がある。
  バーガー大将の改革の核心は、海兵隊が陸上での作戦を重視するのではなく、米海軍と海兵隊との統合を強化し、海軍との全面的なパートナーシップの下で、海洋沿岸での歴史的な役割に回帰することだ。
米海兵隊の戦力設計の概要
  海兵隊の戦力設計に際し、「海兵隊に提供される予算は増えない」という前提を受け入れている。
  この前提の結果として、不可欠な新しい能力に資源を投入するためには、既存の部隊や兵器を削減しなければならない。
  部隊削減の最も合理的な方法は、歩兵大隊を削減するとともに、削減される歩兵大隊を支援する組織(直接支援火砲、地上機動部隊、攻撃支援航空、軽攻撃航空、支援対象となる地上部隊や航空戦闘部隊の規模に類似した能力を持つ戦闘サービス支援能力)も削減することである。
  主要な焦点が大国間の競争に移り、インド太平洋地域へ新たな焦点が置かれる中で、現在の軍隊は、新たな統合作戦構想、海軍および海兵隊の作戦構想(これについては後述する)を支援するために必要な以下のような能力が不足している。
  長射程の精密火力、中・長距離防空システム、短距離防空システム、情報・監視・偵察(ISR)、電子戦(EW)、殺傷能力と耐久能力が高い長距離無人機システム、海上民兵などを使った「グレーゾーン」戦略を追求する相手に対抗するのに適した殺傷力の低い装備が不足している。
  そして、将来の環境に不適な兵器がある。例えば、戦車、牽引火砲、殺傷力の低い短距離・低耐久性無人機システムだと分析している。
米海兵隊の2030年目標戦力
  何年も極秘で行われたウォーゲームを通じ、中国のミサイルや海軍力が太平洋地域での米軍の優位性を脅かしつつあると判明した。
  海軍前方展開部隊としての役割を予算の枠内で再構築するため、海兵隊は保有する戦車を削減し、軍用機を削減し、兵員総数を1万2000人削減し17万人程度に縮小する。
  バーガー大将は、「質を高めるために海兵隊の規模を縮小すべきだとの結論に至った」と述べている。
主要な目標戦力は以下の通り。
コマンド部隊(Command Element)・3個の法執行大隊(軍事警察大隊)の削減
地上戦闘部隊・ 海兵隊は、対テロ戦争の時代において、米陸軍とともに地上戦力として活動してきた。しかし、今は米海軍とともに海洋や海岸近くで作戦するという本来の任務へ回帰するという決心をした。そして、以下のような目標戦力を設定した。
・7個の歩兵連隊本部:8→7(1個歩兵連隊本部の削減)
・21個の歩兵大隊(現役):24→21(3個大隊の削減)
・6個の歩兵大隊(予備役):8→6(2個大隊の削減)
・残りの歩兵大隊の再設計:歩兵大隊当たりの削減数は約200人
・5個の砲兵中隊:21→5(16個中隊の削減)
・21個のロケット砲兵中隊):14→21(14個中隊の増加) この部隊は長射程の対艦ミサイルを含む部隊で、ウォーゲーム分析から得られた結果によると、この部隊のお陰で海兵隊の前方展開が容易になる。
・ゼロ戦車中隊:7→0(7個中隊と前方配置能力のすべてを削減) この能力は、将来の最優先課題に運用上適していないと結論づける。しかし、米陸軍は引き続き戦車を保有する。陸上戦闘における戦車の重要性を否定するものではない。
・12個の軽装甲偵察(LAR)中隊:9→12 (現在の部隊に比し3個中隊の増加)
・4個の強襲水陸両用中隊:6→4(2個中隊の削減) 歩兵大隊の削減などに伴い、これらを支える部隊も縮小する。
・3個の架橋中隊の削減 この能力は、主に持続的な陸上作戦に関連している。陸上作戦を回避して戦力を設計するという指針を考えると、この架橋能力は明らかに要求を超えている。
・2個のAA中隊の削減と水陸両用強襲輸送車(AAV)および水陸両用戦闘車両(ACV)の削減
航空戦闘部隊(Air Combat Element)
• 18個の現役攻撃戦闘機飛行隊 (VMFA):(F-35BとF-35C飛行機を各飛行隊当たり16機から10機まで削減)
• 14個の現役中型ティルトローター飛行隊(VMM):17→14(3個飛行隊の削減) 歩兵大隊の能力とそれに伴う戦闘支援の削減を考えると、残りのティルトローター部隊で十分である。
• 5個の重輸送ヘリコプター(HMH)中隊:8→5(3個中隊の削減) 5個飛行中隊は、海兵隊の要求及び承認された海軍コンセプトに記述されている将来の戦力を満たすのに十分な能力を提供する。
• 5個の軽攻撃ヘリコプター(HMLA)中隊:7→5(2個中隊の削減)
• 4個の航空給油輸送機(VMGR)中隊:3→4(1個中隊の増加)
• 6個の無人機(VMU)中隊:3→6(3個中隊の増加) 将来の「スタンドイン部隊(敵の脅威圏内に展開する部隊)」として、海兵隊は無人航空機システム(UAS)ファミリーを必要とする。
•海兵航空支援グループ(MWSG)の削減
戦力設計の前提となる作戦構想 海兵隊の戦力設計の前提になるのが作戦構想だ。
 海軍の作戦構想である「分散型海洋作戦(DMO: Distributed Maritime Operations)」、海兵隊と海軍の共同作戦構想である「競争環境下における沿岸作戦(LOCE: Littoral Operations in a Contested Environment)」、「前方展開前線基地作戦(EABO: Expeditionary Advanced Base Operations)」だ。
 海兵隊は敵の攻撃を阻止するため、中国のミサイル、航空機、海軍の兵器の攻撃可能範囲内で戦う部隊(Stand-in Forces)になる。
 バーガー大将が策定した計画の中核は、中国海軍と戦うことを任務とする新たな海軍前方展開部隊だ。
 海軍前方展開部隊は、米海軍の作戦を支援するために、小規模なチームに分散し、揚陸艇などで南シナ海や東シナ海に点在する離島や沿岸部に上陸し、前方展開前線基地(EAB: Expeditionary Advanced Bases)を設定する。
 図1にEABの一例を紹介するので参考にしてもらいたい。図の左側の島にEABが設定されている。
 EABは、敵の長距離精密火力の射程内の離島や沿岸地域に設定される。EABは中隊から大隊規模の小さな前方基地だ
 EABは敵の発見・対処が難しいため、艦艇や航空機よりも長い時間、敵地近くで作戦を行える。敵地近くに長くとどまることで、EABは敵の行動に制約を加える。例えば、対空・対艦攻撃を行い、敵のセンサーを無能力化し、敵の戦力を妨害・阻止する無人機を運用する。
 EABは、海洋ISR装備、沿岸防衛巡航ミサイル(CDCM)、対空ミサイル、戦術航空機のための前方武装給油拠点(FARPs)、滑走路、艦艇・潜水艦の弾薬補給拠点、哨戒艇基地として利用しうる。 これらの兵器や施設は、友軍のセンサーとミサイルの能力を高め、敵のターゲティングを複雑にする。また、重要な海洋地域をコントロールし、シーレーンや海のチョークポイントの安全を強化し、敵の利用を拒否する。 空中・海上・水面下で運用可能な無人システムを運用し、中国海軍がより広い太平洋に進出する直前に、対艦ミサイルで中国の艦艇を破壊する。そのデータは空軍や遠方から長距離ミサイルを発射する海軍部隊にも伝達される
敵の反撃を避けるため、海兵隊は遠隔操縦できる新世代の水陸両用艇を駆使し、48~72時間ごとに島から島へと移動する。他のチームは米戦艦からおとりの舟を使った欺騙(騙すこと)作戦を展開する。
 バーガー大将は、「海兵隊の新たな能力や戦術が人民解放軍に「極めて多くの問題」をもたらすことをウォーゲームが明らかにした」「小規模で常に動き回り、しかも敵と接触する能力を持つ、分散型の海軍前方展開部隊に対抗するのは非常に難しいだろう」と述べている。
米海兵隊改革への筆者の評価
海兵隊改革の動機となった最も大きな要因は脅威認識の変化だ。
 バーガー大将は、「中国の脅威は着実に増している。もし米軍が何もしなければ、われわれは追い抜かれるだろう」中国の脅威を強調しているが、その危機感は妥当だ。 2001年のニューヨーク同時多発テロ以来20年近く続く対テロ戦争を焦点としないで、急速に軍事力を増強し覇権を目指す中国に対して、これにいかに対処するかに焦点を当てたことは妥当である。 そして、米海兵隊が限られた予算の中で、米海軍の作戦を支援するという役割に回帰したことは妥当だと思う。
 人民解放軍の増強が最大の脅威になっている日本にとって、米海兵隊の改革を前向きに評価し、陸海空自衛隊の統合作戦と米軍との共同作戦の充実に向けた努力を継続すべきであろう。
戦車をすべて削減するという方針は非常に大胆だ。
 日本でも、「米海兵隊は戦車を全廃したのだから、陸上自衛隊も戦車を削減しろ」という暴論が出てきそうだ。 しかし、バーガー大将は、「海軍を支援する海兵隊には戦車は必要ないが、大量の戦車を持つ陸軍は必要だ」と発言していることに留意する必要がある。 主として陸上戦闘を遂行する陸上自衛隊や米陸軍と米海兵隊を同列に議論するのは不適切だ。 また、退役した海兵隊の将軍でバーガー大将の改革案を批判する者が少なくないことにも留意する必要がある。
 批判者は、「米海兵隊には多くの任務が付与される。中東、欧州、朝鮮半島などで海兵隊が陸上作戦を命じられた場合に戦車なしでは対応できなくなる。行き過ぎた改革には問題がある」と主張している。
海兵隊の作戦構想である前方展開前線基地作戦(EABO)の多くの要素は、自衛隊の南西防衛構想と共通点がある。
 例えば、離島を拠点とする対艦ミサイルや対空ミサイルにより、人民解放軍の作戦を妨害し、米海軍や米空軍の作戦を容易にするという構想(筆者は自衛隊が実施する人民解放軍に対するA2/ADと呼んでいる)は自衛隊と米海兵隊で共通のものだ。 また、離島における作戦のためにISR能力の向上、無人機システムの導入、長距離ミサイルなどが必要であるという主張には共通するものがある。 以上の諸点を勘案すると、自衛隊、特に陸上自衛隊は米海兵隊の大胆な改革から多くのことを学ぶべきであろう。
 そして、米海兵隊の大胆な改革を契機にして、日米同盟をさらに強化し、中国の脅威に日米共同で対抗すべきである。


2020.3.28-山陽新聞 サンデジdigital-https://www.sanyonews.jp/article/998072
米国の台湾外交支援法が成立 トランプ氏署名、中国反発

【ワシントン共同】トランプ米大統領は27日までに、中国の圧力で台湾と断交する国が相次いでいるのを受けて台湾を外交面で支援する法案に署名、同法は成立した。政権に対し、台湾の安全や繁栄を脅かす行動を取った国に、経済面などでの待遇見直しの検討を求めている。中国は反発しており、新たな火種となる可能性がある。
  同法は国務省に対し、台湾との外交強化の取り組みについて議会に毎年報告を要求。台湾の国際機関への加盟やオブザーバー資格での参加を支援すべきだとも強調しており、米国が働き掛けを活発化させることも予想される。


2020.3.22-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/200322/ecn2003220007-n1.html
【米中貿易摩擦2年】対中関税、米産業界から解除求める声強まる 新型コロナの直撃で苦境
(ワシントン 塩原永久)

トランプ米大統領が中国からの輸入品に追加関税を課す大統領令に署名してから、22日で2年。激化を続けた米中の貿易摩擦は、今年1月に第1段階の貿易協定に署名して「一時休戦」した。ただ、新型コロナウイルスの流行が中国から世界に広がる中、米中関係は緊張含みとなっている。
   トランプ氏は米中の「第1段階」貿易協定について「画期的な合意だ」と成果を誇示してきた。だが、新型コロナの打撃を受けた米産業界からは事業の重荷となる対中制裁関税の解除を求める声が強まっている。「第2段階」合意に向けた交渉カードとして政権が温存した関税が景気減速を加速させかねないジレンマをトランプ氏は抱えている。
   米政権は2月に発効した第1段階協定に沿って、中国が知的財産権保護などに取り組んでいるかを見守る構え。米通商代表部(USTR)は中国政府との紛争処理組織を立ち上げた。
   一方、米国は中国からの輸入品3700億ドル(約41兆円)分にかけた追加関税を維持。関税撤廃を求める中国を第2段階の協議に引き出すためだ。
   米景気は好調な消費に支えられて関税の逆風をしのいできた。だが、ここにきて新型コロナの直撃で米国では中小事業者を中心に深刻な経営不安が出てきた。
   中国からの輸入品に関税分が上乗せされるため、輸入業者はコスト負担が重くなる。米アパレル靴協会の幹部は「業界で年35億ドルの関税負担だ。ただちに関税を撤廃してほしい」と米テレビで訴えた。新型コロナで景気の下振れ懸念が強まる中、多くの産業団体が政権や議会に対して関税の撤廃や一時休止を働きかけている。
   トランプ氏は18日の記者会見で、関税撤廃について「理由がない」と否定した。ただ、対中関税を撤廃すれば国内の企業活動を後押しするのも間違いない。
   景気悪化の見通しが一段と深刻になれば、関税解除を条件とした「第2段階」協議を早期に始める機運が米国側から出てくるシナリオも想定される。
(ワシントン 塩原永久)


2020.3.14-CNN Co.JP-https://www.cnn.co.jp/world/35150824.html
中国高官、新型コロナは「米軍が武漢に持ち込んだ可能性」

香港(CNN) 中国外務省の趙立堅報道官は14日までに、新型コロナウイルスの問題に触れ、発生源は思い込まれているような湖北省武漢市ではなく米軍が持ち込んだ可能性があるとする見解をツイッターに投稿した。
  米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長が今月11日、米議会委員会で示した発言に言及し、そのビデオ映像も掲載した。同所長は米国内で発生した一部のインフルエンザの犠牲者と新型コロナウイルスの関係が後で判明したと述べていた。ただ、死亡の時期などには触れていなかった。
  趙氏はこれを受け、米国で「いつ感染が始まったのか? 何人が感染したのか? 病院名は? 透明性を! データの公開を!」などとツイートした。ただ、米軍の持ち込み説に関するさらなる根拠は明かさなかった。

米軍兵士の数百人は昨年10月、武漢市で開催された軍のスポーツ選手の国際競技大会に参加していた。中国外務省の別の報道官は13日、国際社会において新型肺炎の発生源については多様な意見が出ていると指摘。陰謀論めいた趙報道官の発言は中国政府の公式的な立場なのかの質問には答えず、中国は常に科学的かつ専門的な方法で対処すべきと考えているとした。
    報道官は今月4日の会見で、発生源について結論はまだ出ていないと表明。中国の著名な感染症の専門家は2月27日の会見で感染は最初に中国内で判明したたものウイルスの出所は中国でない可能性があるともしていた。
  趙報道官の上司でもある華春瑩報道局長は今月12日、ツイッター上でレッドフィールド所長の証言内容に触れ、「中国の新型コロナウイルスと呼ぶのは絶対的に間違いで不適切」とも主張していた。


2020.2.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200219/wor2002190016-n1.html
米政権、中国国営メディア5社を「共産党プロパガンダ機関」認定

【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は18日、中国の国営メディア5社を「中国共産党のプロパガンダ(政治宣伝)機関」と認定した。国務省は5社に対し、米国内にある外国の大使館や総領事館と同様に、米国で活動する従業員の名簿や雇用状況、米国内で保有・賃貸する不動産を届け出ることを義務付けた。
   米中は1月、貿易摩擦の緩和に向けた「第1段階」の合意文書に署名したが、今回の措置は米政権が中国の不適切な行為には厳然と対処していく構えを改めて打ち出したといえる。
   国務省によると、認定の対象となったのは新華社通信、外国語放送の中国環球電視網(CGTN)、ラジオ部門の中国国際放送、英字紙チャイナ・デーリーおよび同紙の傘下企業。
   国務省高官は今回の決定の理由について記者団に、中国政府がメディアに対する規制を強化していることや、習近平体制がこれら国営メディアを使って中国に都合の良い政治宣伝を一層積極的に展開しているためだと説明した。
  同省高官の一人は、中国政府による国営メディアに対する管理は「ますます厳格になっている」と強調。別の高官も「習近平体制になって、報道内容と編集権限に対する統制は厳しくなる一方だ」と指摘した。
   5社は、米国内で新たに不動産を購入または賃貸する際に、米政府から事前に了承を得ることも義務付けられた。
   一方、今回の措置を受け、中国政府が報復として欧米メディアに対する規制を強めてくる恐れもある。高官の一人は「外国メディアは中国国内で既に厳格な規制の下で仕事を強いられている」と語った上で、今回の措置は5社による米国内での活動を規制するものではないと説明した。


2020.2.14-福井新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020021401001221.html
米中、制裁関税の税率引き下げ-第1合意発効、貿易摩擦は休戦

【ワシントン共同】米国は14日午前0時(日本時間午後2時)すぎ、テレビや衣服など中国からの輸入品1200億ドル(約13兆2千億円)分に対する制裁関税の税率を15%から半分に引き下げた。米中貿易協議の「第1段階」合意が発効し、中国も米国からの輸入品750億ドル分に課している関税率を半減。景気悪化を回避するため貿易摩擦は休戦に入る。
 米国の制裁緩和は2018年7月に追加関税を発動してから初めて。産業機械や日用品など2500億ドル分には25%の高関税を維持し、産業政策の見直しを迫る。これに対し中国は容易に譲歩しない構えだ。米中の対立解消の道筋は見えない。


2020年1月17日-東京新聞 TOKYO WEB-https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202001/CK2020011702000172.html
米中貿易 第1段階署名 米国、制裁緩和 中国、輸入増 署名

米中両政府は十五日(日本時間十六日未明)、ワシントンで貿易協議「第一段階」の合意文書に署名した。米国は対中関税を引き下げ、中国は米国からの農産品などの輸入を二年で二千億ドル(約二十二兆円)増やす。貿易戦争の一時休戦で世界経済の減速懸念が和らぎそうだが、中国の国有企業改革といった構造問題は「第二段階」へと先送りとなった。
  二〇一八年七月に貿易戦争が始まってから米国が対中関税を引き下げるのは初めて。トランプ大統領と中国の劉鶴(りゅうかく)副首相が文書に署名した。トランプ氏は「公平で互恵的な貿易に向けた歴史的な一歩だ」と成果を強調。劉氏は「両国の意見の相違は話し合いで解決できる」との習近平(しゅうきんぺい)国家主席の書簡を読み上げた。
  トランプ氏は十一月に迫る大統領選をにらみ、中国への輸出増という通商政策の成果で、支持基盤の農家の支持をつなぎ留め、貿易赤字削減の公約実現をアピールしたい考え。中国側は貿易戦争の休戦で国内の景気悪化に歯止めをかける狙いだ。
 米国は昨年九月に発動した千二百億ドル相当の中国製品に対する制裁関税を現行の15%から7・5%に半減する。二月中旬に実施する。中国側は米国からの輸入拡大に加え、知的財産権保護強化や金融サービス開放などを実施する。合意に違反した場合、紛争を解決する方法も盛り込んだ。

産業補助金 第2弾の焦点
米国と中国が十五日署名した「第一段階」の合意で、世界経済を翻弄し続けてきた米中貿易摩擦は「一時休戦」となった。だが「第二段階」へ先送りとなった国有企業改革など中国の「国家資本主義」の根幹に関わる問題で中国が譲歩する見込みは薄く、今後の交渉次第では貿易摩擦が再燃する恐れもある。 (アメリカ総局・白石亘、中国総局・坪井千隼)

融和ムード演出
  「中国との公平で互恵的な貿易に向けた重要な一歩だ。私は大統領に立候補した際に強い行動を誓い、約束を守った」。トランプ大統領は十五日、ホワイトハウスで開かれた調印式で、中国に米国製品の輸入拡大を認めさせた成果を誇った。これに中国の劉鶴副首相も「今回の合意は米中だけでなく、世界のためになる」と融和ムードで応じた。
  二年近くに及ぶ貿易戦争の休戦を宣言した米中。大統領選が迫り、支持者向けに成果がほしいトランプ氏と景気減速に歯止めをかけたい中国の妥協の産物だ。ただ米国は中国の産業補助金など構造改革を先送りし、中国も三千七百億ドル(約四十兆円)相当の輸出品に関税を上乗せされたままで「米中関係の底流にある技術や安全保障を巡る対立は加速した」(米メディア)。
  米国は第二段階の交渉をにらみ、すでに中国包囲網づくりに動く。ライトハイザー米通商代表は十四日、ワシントンで日欧の貿易担当相と会合を開き、市場をゆがめる産業補助金に関し世界貿易機関(WTO)に規制強化を求めることで一致。過剰生産を行う産業などの補助金を厳しく規制する内容で、国際社会を巻き込み中国へ圧力を強める。

根幹では譲らず
  「米農産物の輸入増加は、中国の消費者の需要を満たす。知的財産権保護も中国経済の発展に必要だ」。中国共産党機関紙「人民日報」は十六日、中国側が譲歩した輸入拡大や知財保護などを正当化する専門家の論評記事を掲載した。「米国に譲歩しすぎだ」との批判をかわす狙いだが、実際に妥協が可能な内容だったといえる。
  中国ではアフリカ豚コレラ(ASF)の感染拡大で豚肉が高騰。米農産物の輸入拡大は、社会不安につながりかねない食料価格を安定させることになる。知財保護強化は、官民ともに急速に科学技術水準を向上させる中国にとって「企業の新たなビジネスや、研究開発を促進する」(人民日報)。
  だが第一段階で先送りになった国有企業改革や産業補助金問題は、妥協の余地がほとんどない。国有企業を民間と同列に扱うことを迫った米国に対し、中国側は「国有企業の発展を妨げる」(中国国営の新華社通信)と反発。国有企業は共産党政権を支える基礎組織であり、譲歩は政権基盤を揺るがしかねないからだ。
  また中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」を巡る問題で焦点が当たった米中ハイテク争いも、「第二段階」の交渉を困難にさせる。中国政府は、税制優遇を含む産業補助金でハイテク産業育成を進めており、成長戦略や安全保障にからむ産業補助金問題での譲歩は、容易ではないとみられる。

米中貿易合意文書の骨子
▼企業秘密保護の強化で合意
▼中国は知的財産権保護の行動計画を公表
▼相手国企業への技術移転強要を禁止
▼中国は米産農畜産品の輸入手続きを簡素化
▼中国は保険分野の出資規制を撤廃
▼輸出競争力を得るための為替操作を回避
▼中国は今後の2年で、米国からの輸入を2017年比計2000億ドル(約22兆円)増加

 (ワシントン・共同)


2020.1.16-SankeiBiz-http://www.sankeibiz.jp/macro/news/200116/mca2001162030013-n1.htm
米中もろい「休戦協定」 管理貿易に批判も 第1段階合意

【ワシントン=塩原永久】米国と中国が署名した「第1段階」貿易協定は、火種を抱えた不安定な「休戦協定」といえる。米国が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の締め付けを強め、第5世代(5G)通信技術や人工知能(AI)をめぐる米中の覇権争いは激化する一方だ。協定は中国に合意を順守させる仕組みを設けたが、これが機能しなければ、米国が「懲罰」として関税発動を再開する懸念が残る。

「華為をチェスの駒のように扱わない。安全保障問題が最優先だ」

米中が署名式を開いた15日、ムニューシン米財務長官は米CNBCテレビでそう話し、機密情報流出の懸念があるとみる中国製の排除策を緩めたり、華為問題を交渉材料にしたりする考えはないと強調した。
  ロイター通信は14日、華為への禁輸措置を発動した米商務省が、同社に対する輸出管理をさらに強化する検討をしていると伝えた。米国務省も、中国製を排除するよう求める各国への働きかけを続けており、米中両国はハイテク分野で火花を散らす。
  一方、米中が署名した貿易協定は、知的財産権の保護や技術移転強要の是正を盛り込んだ。中国政府の取り組みを検証できるようにし、紛争解決の手続きも定めている。閣僚級や次官級が定期的に協議し、違反があれば問題の深刻度に応じた対抗措置が認められる。
 ただ、違反の有無や対抗措置の妥当性は米中がそれぞれ判断し、対立が解消できなければ「協定からの脱退」(米政府高官)が最終手段となる。協定が無効となり米国が再び制裁関税を活用する可能性がある。


2020.1.16-JETRO(日本貿易振興機構-ジェトロ)-https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/01/db4ec6af45eab07d.html
米財務省、中国に対する為替操作国の認定を解除

米国財務省は1月13日、2019年下半期の報告書(為替政策報告書)を公表した。財務省は2019年8月5日、中国を為替操作国に認定していたが、今回の報告書において「現時点で中国を為替操作国に認定すべきではないと判断した」として、これを解除した。
  報告書では、米中両国は交渉を通じて、貿易と通貨の特定問題を含む第1弾の合意に達しており、この中で「中国は競争的な通貨切り下げを行わず、競争的な目的で為替レートを目標にしないという実効可能性のある約束」をし、「為替レートと外貨準備高に関する関連情報を公開することにも同意」しているとした。スティーブン・ムニューシン財務長官は、声明文において「中国は透明性と説明責任を推進しながら、競争的な通貨切り下げを行わないという実効可能性のある約束をした」と、解除の理由を説明した。
 為替操作国の認定を行うに当たっては、2015年貿易円滑化・貿易執行法に基づき、米国との物品貿易の輸出入総額が400億ドルを超える国・地域を対象に、
(1)大幅な対米貿易黒字(物品の対米貿易黒字額が年間200億ドル以上)、
(2)実質的な経常収支黒字(経常収支黒字額がGDP比2%以上)、
(3)持続的で一方的な為替介入(介入総額をGDP比2%以上かつ過去12カ月間のうち6カ月以上の介入実績)、

という3つの基準が設定されている。
  今回の報告書では、前回と同様に、3つの基準全てに該当した国はなかったが、監視リストには、前回も取り上げられた中国、日本、韓国、ドイツ、イタリア、アイルランド、シンガポール、マレーシア、ベトナムの9カ国のほか、スイスが新たに加わり、計10カ国が監視対象とされた。
  中国については、(1)のみが該当していたが、米国の貿易赤字において巨大かつ不均衡な割合を占めると米国が判断したことから、引き続き監視対象とされた。報告書では、「市場開放をより進めるための断固たる措置を講じる必要がある」と指摘した
  日本、ドイツ、韓国、イタリア、マレーシアは引き続き(1)と(2)、シンガポールは(2)と(3)の2つの基準にそれぞれ該当していたことから、前回と同様に監視対象とされた。アイルランドとベトナムは今回(1)のみに該当していたが、前回報告書で(1)と(2)に該当していたことから、引き続き監視対象となった(注1)。スイスは(1)と(2)に該当していたことから、新たに監視対象追加とされた。(注2)また、次回報告書では、アイルランドが監視対象から外される可能性があるとした一方で、今回は監視対象とされていない台湾やタイについて主要基準に抵触する可能性があるとした。
  これに加えて、1988年包括通商競争力法に基づき、各国が国際収支の実効的な調整を妨げ、不公平な競争優位を得ることを目的として、自国通貨・米ドル間の為替レートを操作しているかどうかについても検討することとされている。しかし、この基準に照らして、今回は為替操作を行っていると認定される国はなかったとした。・・・・・
  (注1)監視リストに一度挙げられた国は、少なくとも向こう2回分(1年分)の報告書で対象国として取り上げられ、3つの基準にみられる改善が一時的なものでなく、永続的なものになっているかどうかについて評価される。
  (注2)スイスは、2016年10月から2018年10月までの報告書においても、監視対象とされていた。(権田直)


2020.1.15-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200115/mcb2001151505027-n1.htm
米中「第1段階」合意 署名前から批判噴出 中国の構造改革先送り懸念

【ワシントン=塩原永久】米中両政府による貿易協議の「第1段階」合意の署名を15日に控え、米産業界や政界から合意内容への注文や批判がさっそく噴出している。中国による知的財産権保護などの構造改革が、第2段階の協議に先送りされるとの懸念が根深いためだ。11月の米大統領選挙に向けて、トランプ米大統領が防戦に回る局面も想定される。
  民主党は14日、上院トップのシューマー院内総務がトランプ大統領に、「弱い合意は米国労働者や企業に害を及ぼす」と指摘する書簡を送付したと発表した。
  シューマー氏は15日にホワイトハウスで署名を予定する米中合意で、中国に構造改革を確約させるとしてきた政権の取り組みが、不十分に終わるとの懸念を表明。中国による米農産品の大量購入を評価し、米政府が対中制裁関税の一部低減に応じる内容の第1段階合意は、トランプ政権が中国に大幅な譲歩をしたとの印象を与えかねない。
  トランプ氏の弾劾問題などで同氏と鋭く対立するシューマー氏だが、対中政策については“盟友”となってきた。米企業に対する知財窃取や技術移転の強制といった中国の貿易慣行を、シューマー氏は問題視。関税発動を辞さず中国に厳しく対処するトランプ氏に、エールを送ってきたのだ。
  それだけにシューマー氏は第1段階合意に関し、党派を超えてトランプ氏の対中交渉を称賛してきた自身の立場が「無駄骨になる」と危ぶむ。
  米産業界からも、中国に構造改革を迫る第2段階協議を急ぐよう求める声が出ている。米商工会議所のドナヒュー会頭は9日の年頭所見で、「まだ道は遠い。第2段階協議では、米企業を不利にしている中国の貿易・産業政策を是正させねばならない」と述べ、トランプ政権にくぎを刺した。
  一方、トランプ政権は「歴代政権がなし得なかった大きな成果だ」(経済閣僚)と合意内容を擁護する構えだ。だが、民主党や産業界が求める第2段階の合意について、トランプ氏は今月、ツイッターへの投稿で11月の大統領選後に先送りする考えを示した。ロイター通信によると、ムニューシン米財務長官は14日、第2段階での合意まで、計3700億ドル(約41兆円)の対中制裁関税を維持する意向を表明した。








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