アメリカと中国-1



2020.9.24-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20200924/0002.html
東南アジアの大河でも米中対立 「メコン川水量低下」で批判の応酬

  【シンガポール=森浩】米国と中国が東南アジアのメコン川地域をめぐって対立を深めている。米国が昨年起きた同川の水量低下は上流にある中国のダムの影響であると指摘したのに対し、中国側は「科学的根拠がない」と反論した。南シナ海に注ぐ同川の流域は日米などのインド太平洋戦略、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のいずれにとっても重要な地域。米中ともに影響力を拡大させたい思惑もあり、新たな対立の舞台となっている。
  「(中国のダムが)流域の何千万もの人々の生活に悪影響を与えている」。米国のスティルウェル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は15日の会見で、メコン川の水量低下について中国を厳しく批判した。


2020.9.24-ZaqZaq by 夕刊フジ(産経新聞)-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200924/for2009240008-n1.html
中国空軍がグアムの米軍基地模した目標を攻撃するプロパガンダ動画を公開 米空軍は反発 米映画「パクリ」の指摘も

 【ワシントン=黒瀬悦成】中国空軍が今月中旬、グアムのアンダーセン米空軍基地に似せた標的を中国空軍機が攻撃するプロパガンダ動画を公開し、米太平洋空軍は23日、「地域を抑圧し、脅し上げようとする人民解放軍の策動だ」と批判する声明を発表した。
 問題の動画は約2分15秒の短編で、19日に、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)で公開された。閲覧者らがネット上で拡散したため、現在はユーチューブなどでも視聴可能だ。
 動画では、核爆弾を搭載可能な中国空軍の戦略爆撃機「H-6K(戦神)」が夜明けとともに砂漠の中の基地から出撃し、グアムの基地とみられる攻撃目標に上空からミサイルを撃ち込んで爆発炎上させる。
 また、攻撃シーンでイラク戦争を描いた「ハート・ロッカー」やアクション大作の「ザ・ロック」などのハリウッド映画の映像を使用していることも判明し、ネット上で「盗作」との指摘も相次いでいる
 アンダーセン空軍基地は米軍のインド太平洋戦略の重要拠点で、米中の軍事衝突が起きた場合は、真っ先に中国の攻撃目標になるとみられている。
 太平洋空軍は声明で「わが軍の人員と装備、そして同盟・パートナー諸国の安全の維持は最重要事項だ」と指摘し、中国に対する備えを引き続き固めていく立場を強調した。(産経新聞)


2020.9.21-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/421cb3706ab6790e1ddfc80f20183d53751833f6
バイトダンス、TikTok新法人に過半出資へ 中国紙は「最悪の事態回避」と評価

  【北京=三塚聖平】中国IT企業、北京字節跳動科技(バイトダンス)は21日に声明を発表し、傘下の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業について、同事業を引き継ぐ新法人はバイトダンスの子会社になるとの認識を示した。米オラクルなど複数の米国企業が新法人に過半出資するとの見通しが伝えられていたが、米側との認識に食い違いが生じている可能性もある。
  声明は、新設する「ティックトック・グローバル」の株式の80%をバイトダンスが保有することになり、同社が経営支配権を失うという見方は「噂」だと否定した。ロイター通信は、バイトダンスの株式の41%を米国の投資家が持っているため、この間接的な保有分を考慮すれば、新法人は株式の過半数を米側が保有することになるという複数の関係者の見方を伝えた。
  中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は21日の記者会見で、ティックトックの米国事業をめぐる動きについて「企業の特定のビジネス活動にはコメントしない」と述べるにとどめた。共産党機関紙、人民日報系の環球時報は21日付の社説で、米側が承認した提携案は「米国への完全売却など最悪の事態を回避した」と評価した。


2020.9.18-Yahoo!Japanニュース-AFP・BBC NEWS/JIJI.COM-https://news.yahoo.co.jp/articles/7a652da6c6e57bd8a29ed01f3246e17f36b16672
米、TikTokのDLとウィーチャットの使用を20日から禁止へ

AFP=時事】(更新)米政府は18日、人気の中国系の動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」のダウンロードと、対話および支払いアプリ「微信(WeChat、ウィーチャット)」の使用を、20日から禁止するよう命じた。商務省が発表した。国家安全保障を脅かすと説明している。

これにより両アプリは、アップル(Apple)およびグーグル(Google)のオンラインストアから排除されることになる。  ウィルバー・ロス(Wilbur Ross)商務長官は、「中国共産党はこれらのアプリを、国家安全保障や外交政策、米国経済を脅かすために使用する手段と動機とを明示した」と指摘した。【翻訳編集】
AFPBB News


2020.9.14-Yahoo!Japanニュース(REUTERSロイター)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4d8ffa6b5fa689f5a73bd750aacd694bd627b890
TikTok米事業売却せず、オラクルとの提携目指す=関係者

[13日 ロイター] - 中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)は13日、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業について、売却はせずに、米ソフトウエア大手オラクル<ORCL.N>とのパートナーシップ締結を目指すことを決めた。事情に詳しい関係者がロイターに語った。
  米国での利用禁止を回避し、中国政府の要求も満たす解決策になることに望みをかけているという。 トランプ米大統領は8月、TikTokの米事業を売却しなければ、同サービスを禁止すると警告。バイトダンスは売却に向け、オラクルのほか、マイクロソフト<MSFT.O>が主導するコンソーシアム(企業連合)と協議を進めてきた。 TikTokは短いダンス動画の投稿によく使われるアプリで、10代の若者を中心に米国で人気が高い。
  ただ、米政府当局者らは利用者情報が中国政府に渡っている可能性に懸念を示してきた

   中国政府は先月、先端技術の海外移転に関する規制を強化。この対象にTikTokが利用者に勧めるコンテンツを選ぶためのアルゴリズムが含まれているため、米国事業売却を巡る交渉にも大きな影響が及んでいた。ロイターは先週、中国政府はTikTokの米事業が強制売却されるよりは閉鎖を望んでいると報じた。
  バイトダンスの案によると、オラクルはバイトダンスの技術パートナーとなり、TikTokの米国のユーザーデータの管理を任されるという。オラクルはまた、TikTokの米資産の一部を保有するための交渉も行っているという。

  オラクルのラリー・エリソン会長は、テック業界では数少ないトランプ氏支持者。オラクルはデータ処理技術は強いが、ソーシャルメディア分野の経験はなく、顧客ももっぱら企業だ。
   米IT(情報技術)企業が米国内でTikTokの大部分を保有することを望むトランプ氏がこの取引を承認するかどうかは明らかではない。米規制当局の対米外国投資委員会(CFIUS)がバイトダンスとオラクルによる交渉の監督役を担っている。
   関係筋によると、バイトダンスは、CFIUSが2年前に承認した中国泛海控股集団による米保険会社ジェンワース・ファイナンシャルの買収が、同社が提案しているオラクルとの合意形態の良い先例になっていると主張する構えだという。
  中国泛海は、ジェンワースの米国内の保険契約者のデータの管理を米国に本拠地を置く外部企業に任せることで合意。これと同じ方法を取れば、TikTokの米国の利用者データも安全が確保されると訴える見通しだという
  バイトダンスとオラクルからのコメントは得られていない。ホワイトハウスはコメントを控えた。 マイクロソフトはこれより前、同事業について、バイトダンスから同社には売却しないと通告を受けたと発表していた。
  TikTok買収でマイクロソフトと連携していた米小売り大手ウォルマート<WMT.N>は13日、引き続きTikTokへの投資に関心があり、バイトダンス経営陣、その他の関係者とさらに協議する方針を示した。


2020.9.8-ZaqZaq by 夕刊フジ(産経新聞)-https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200908/for2009080004-n1.html
中国、米メディアへの記者証更新停止 対抗措置か

  【北京=三塚聖平】中国政府が、中国に駐在する米メディア記者の記者証更新を停止していることが7日、明らかになった。CNNなど複数の米メディアの記者が対象になっており、米政府による中国メディアへの制限措置に対抗したものとみられる。
   CNNによると、このほど記者証の更新を中国当局に申請した米メディアの記者が、手続きが継続中だとする書簡を受け取った。また、新たな査証(ビザ)は通常の1年ではなく2カ月だったという。中国では通常、駐在記者がビザの発給を受けるには、事前に外務省に記者証を申請する必要がある。
   米中間では、メディアをめぐる対立が激化している。中国政府は2月、米紙ウォールストリート・ジャーナルが掲載した新型コロナウイルスに関するコラムに反発し、同紙の北京駐在記者3人の記者証を取り消した。それに対し米政府は5月、中国人記者が米国滞在の際に必要な報道ビザの有効期限を90日間に制限する措置を打ち出した。
   中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は7日にツイッターで、「中国の記者が米国で公正に扱われれば、米記者との協力を喜んで続けたい」と投稿した。(産経新聞)


2020.9.2-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/4fbac9533fcf3b07aebf85771c473b24a7f062ea
米国防総省報告書 中国が世界各地で兵站拠点ネットワークの確保目指す

  【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省は1日、中国の軍事力に関する議会向け年次報告書を公表した。報告書は、中国軍が世界展開を視野に各地で兵站拠点の構築を目指していると指摘し、これまでに南太平洋のバヌアツとソロモン諸島、アフリカのナミビアに対し補給のための軍事拠点の設置を提案した可能性が高いとの見方を示した。
  報告書は、中国による海外拠点の確保は太平洋からインド洋を経て中東、アフリカ諸国に至る海上交通路の確保が目的であるとし、ほかにもタイ、シンガポール、インドネシア、ミャンマー、パキスタン、スリランカ、アラブ首長国連邦(UAE)、ケニア、タンザニア、セーシェル、アンゴラ、タジキスタンの12カ国にも拠点設置を検討中とみられると指摘した。
   中国がこれらの国々に拠点を構築しネットワーク化を進めれば、米国の「自由で開かれたインド太平洋戦略」や米軍の世界展開戦略とぶつかり合うのは必至とみられる。
   報告書は、中国の拠点構築が米軍の作戦行動を阻害、中国軍の対米作戦を支える役割を担う公算が大きいと分析した。軍事専門家の間では、これらの拠点が海外での米軍の動向に関する情報収集に活用される恐れがあるとの指摘もある。
   中国軍は2017年、アフリカ東部ジブチに初の海外軍事拠点となる補給基地を設置。報告書は、ジブチ駐屯の中国軍がレーザー照射や無人機で米軍機の飛行の妨害を図ったとした。


2020.9.2-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200902/k10012595921000.html
米国防総省 中国は核弾頭200個超配備 今後10年で倍増の可能性

  アメリカ国防総省は、中国の軍事動向を分析した報告書で、中国は運用可能な核弾頭を200個以上配備しており、今後10年間でその数を2倍以上に増やす可能性があるという見通しを明らかにしました。

  アメリカ国防総省は1日、中国の軍事動向を分析したことしの年次報告書を発表しました。
  報告書では、中国が保有する核弾頭の数の推計を初めて明らかにし、「現在のところ運用可能な核弾頭を200個以上配備していて、今後10年間でその数を少なくとも倍増させる可能性がある」という見通しを示しました。
  また、こうした核弾頭の搭載が可能で在日アメリカ軍基地を射程に入れる中距離弾道ミサイルや巡航ミサイルの数も増やしていると指摘しています。
  アメリカは、ロシアとの核軍縮条約「新START」の有効期限が来年2月に迫る中、中国も条約に参加するよう求めているのに対し、中国は核戦力が大幅に抑えられる条約には参加しない方針を示しています。
  国防総省で中国問題を担当するスブラジア次官補代理は、報告書の発表に合わせて会見し「保有する弾頭の数だけでは中国の複雑な脅威の全体像は示せない。中国は潜水艦や航空機に搭載できる核ミサイルも開発し、地下から発射する大陸間弾道ミサイルの整備も進めようとしている」と述べ、中国の戦力拡大に警戒していく考えを示しました。


2020.8.28-読売新聞-https://news.yahoo.co.jp/articles/aa3c24c7f3351a8fd90191f60fc9318d6ec98c1d
米、南シナ海での中国ミサイル発射に懸念「情勢を一層不安定化」

  【ワシントン=蒔田一彦、北京=中川孝之】米国防総省は27日、中国軍が南シナ海のパラセル(西沙)諸島周辺で軍事演習を行い、弾道ミサイルを発射したことに対する声明を発表し、「南シナ海情勢を一層不安定化させる」として「懸念」を表明した。
  声明では、ミサイル発射を含む今回の軍事演習について、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が南シナ海での紛争防止を目的に2002年に署名した行動宣言」に違反するとの見方を示した。さらに、「中国の行動は南シナ海を軍事化しないという約束や、米国の『自由で開かれたインド太平洋地域』の考えに反する」と指摘した。
   その上で、全ての関係国に対し、「航行の自由を脅かし、南シナ海の係争を悪化させかねない軍事行動を取らない」ように求めた。
   米国防当局者によると、中国軍は現地時間26日、軍事演習の一環として中距離弾道ミサイル4発を中国の大陸部から発射し、南シナ海の海南島とパラセル諸島の間の海域に着弾させた。米国は、南シナ海における中国の海洋権益主張を認めない姿勢を強めている。

   一方、中国軍で南シナ海を管轄する南部戦区の報道官は、米軍のミサイル駆逐艦「マスティン」が27日にパラセル諸島周辺を航行したと発表し、「米国は南シナ海の国際航行の秩序を壊している」と主張した。中国軍の艦艇や軍用機がマスティンを監視したといい、報道官は「米国は(中米両軍の)不測の衝突を避けるため、南シナ海での挑発をただちに停止すべきだ」と警告した。


2020.8.26-Yahoo!Japanニュース(JIJI.COM)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f2cc6b975e900d292f89955bb2b7dcfc69385eae
米、南シナ海軍事化でビザ制限 中国24社に禁輸制裁

  【ワシントン時事】ポンペオ米国務長官は26日、中国による南シナ海の埋め立てや軍事拠点化などに関与した中国人に対してビザ(査証)制限を実施すると発表した。
   制裁対象者の近親者にも適用される可能性がある。
   これに関連して米商務省も、米国企業からの製品輸出を禁じる海外企業リストに中国企業24社を加えると発表した。国営企業「中国交通建設」の子会社など建設、通信、造船など幅広い業種が含まれる。
   ポンペオ氏は声明で、中国政府は2013年以降、国営企業を使い、南シナ海の係争地で約1200ヘクタール以上を埋め立て、「地域を不安定化させている」と非難。その上で「米国は、中国が南シナ海での威圧的行動を中止するまで行動する」と警告した。
   トランプ政権は7月、中国が南シナ海の大部分で主張する領有権について「完全に違法だ」と否定。新型コロナウイルスの感染拡大や中国による香港の統制強化などを受けて対中強硬姿勢を強める中、南シナ海情勢をめぐっても厳しい対応を取る方針を示していた。 


2020.8.26-Yahoo!Japanニュース(REUTERSロータス」)-https://news.yahoo.co.jp/articles/1abad0703afb7ca3fa728811baf5a3d79c45aa2f
中国、米軍機の演習区域侵入を非難 「不測事態の恐れも」

  [香港 25日 ロイター] - 中国は25日、同国が実弾演習を行う飛行禁止区域に米軍のU2偵察機が侵入したとして、米国に強く抗議した。 中国がこれまでも米国の監視活動を非難する一方、米国は中国航空機による「危険な」妨害活動を指摘してきた。監視活動は定期的に行われるが、中国が公言することは珍しい。
  中国国防省は、実弾演習を行っていた人民解放軍北部戦区の飛行禁止区域でU2偵察機が許可なく飛行し、「正常な演習訓練活動を著しく妨害した」と指摘。誤解や判断ミス、海空での「不測の事態」を引き起こしかねないと非難した。米国が海空の行動に関する米中間のルールや国際的な基準に反していると主張し、「この種の挑発行動を即刻停止し、実際の行動で地域の平和と安定を守るよう要求する」と強調した。
  これに対し、米軍は声明で、U2偵察機の飛行はインド太平洋地域で行われており、航空機の飛行に関する国際ルールと規則で認められた範囲内」との認識を表明。「太平洋空軍は今後も、国際法で認められた場所でわれわれが選んだ時間に飛行と任務を続けていく」とした。
  U2偵察機は7万フィート(約2万1000メートル)以上の高高度で飛行できるため、飛行禁止区域に入ることなく偵察活動を行うことは可能。中国はU2偵察機が侵入した場所を具体的に明らかにしていないが、現在の演習は渤海で行っている
  また、黄海と南シナ海でも演習中。 米中は、貿易から人権までさまざまな問題で関係が悪化している。米国はまた、領有権を巡る対立が続く南シナ海や中国が自国の領土の一部と主張する台湾に関して中国軍が攻撃的な動きを取っていると主張する。
  2001年4月には中国の戦闘機が米偵察機と接触し墜落。中国の操縦士は死亡し、米機は海南島に緊急着陸した。米国側の乗務員24人は米国が中国に謝罪するまで11日間拘束された。


2020.8.24-auヘッドライン-https://news.headlines.auone.jp/stories/domestic/economy/13664393?genreid=4&subgenreid=17&articleid=13664393&cpid=10130017
トランプ氏再選なら米中摩擦先鋭化も 保護主義的な政策が続く公算

  トランプ米大統領は2期目の公約で、経済政策でも中国への強硬な姿勢を示した。再選されれば、米中貿易摩擦の一段の激化が見込まれ、日本企業も影響を受ける懸念がある。トランプ政権の通商政策には、突然に関税引き上げを持ち出すといった「不確実性」が目立った。再選後も同じ手法が取られる可能性が高く、日本は引き続きトランプ氏に振り回される展開も予想される。
   公約には、「中国から100万人分の製造業の雇用を取り戻す」という内容が盛り込まれた。トランプ氏は「海外から国内に雇用を戻すことを拒否する米企業に関税を課す」と発言しており、事実上の罰則で企業への圧力を強めて国内生産を促し、雇用を増やす政策を取るとみられる。公約では「中国に新型コロナを世界に拡散させた責任を取らせる」ともしており、米中対立が先鋭化すれば、両国に拠点がある日本企業は、海外戦略の練り直しを迫れそうだ。貿易摩擦が景気悪化につながれば、経済規模の大きな両国だけに、世界中にその影響が波及する懸念もある
   新型コロナの蔓延(まんえん)により、自国内に医療品や食料を抱え込む国が増えており、世界で保護主義的な動きが強まっている。そもそもトランプ政権の通商政策は保護主義色が強かっただけに、再選されれば、日本が恩恵を受ける自由貿易体制には逆風となりかねない。
   もっとも、SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは、「トランプ、バイデン両氏のどちらが当選しても、保護主義的な政策を取るだろう」と予想する。東部から中西部に広がる「ラストベルト(さびついた工業地帯)」での得票が勝敗を分けるといわれ、国内製造業の振興を重視する姿勢は両氏に共通しているからだ。バイデン氏が当選しても議会の意向を受け、中国への強硬姿勢も維持されると見られている。
(高橋寛次)


2020.8.17-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200817/wor2008170011-n1.html
米のTikTok売却命令に「暴力的な強奪」と中国外務省が反発

  【北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は17日の記者会見で、トランプ米大統領が中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を90日以内に売却するよう命じたことを受け、「強盗の論理と政治的な私欲による暴力的な強奪だ」と米側を非難した。
  趙氏は「国家安全保障は、米国以外の企業を理不尽かつ横暴に抑圧するための宝剣になっている」と主張。米側の一連の措置を「いじめ」だと主張して「直ちに誤りを正し、中国への中傷や他国企業への理不尽な抑圧を停止するよう強く促す」と牽制(けんせい)した。
  中国政府は、ティックトックなど米政府による中国のアプリ排除に反発している。15日に予定されていた米国と中国が締結した「第1段階」の貿易協定をめぐる閣僚級会議が延期されたとロイター通信が報じたが、アプリ排除問題が延期の背景にあるとの見方もある


2020.8.14-gooニュース(産経新聞)-https://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/asia/sankei-wor2008140011.html
米、中国にあらゆる分野で圧力 孔子学院を締め付け

  ポンペオ米国務長官が13日発表した「孔子学院米国センター」に対する締め付けの強化は、トランプ政権が習近平国家主席率いる中国共産党体制に対して経済、外交・安全保障、人権などあらゆる分野で圧力をかけ、既存の国際秩序を脅かす一連の態度の変更を要求する立場を改めて打ち出したものだ。
  トランプ大統領は11日、FOXラジオとのインタビューで習氏について「かつては素晴らしい関係だったが、現在の気持ちは違う」と述べ、中国が新型コロナウイルスへの対応を誤って感染を全世界に拡大させ、米国にも甚大な被害を与えたことで、中国に対する見方が完全に冷却化したとの認識を明らかにした。
  トランプ氏は、中国との貿易交渉を進展させたい思惑から、昨年までは中国を徹底的に追い詰めることに慎重な姿勢ものぞかせていた。しかし、同氏は現在、政権の経済成長路線を中国がウイルス拡散で根底から覆したとして憤りを強め、全面対決に方針を転換。最近では「中国との貿易協議再開に関心はない」と繰り返し明言している。
  ただ米国にとり厄介なのは、中国の影響力が既に米国の経済、政治、社会に深く浸透していることだ。
  東欧4カ国を歴訪中のポンペオ氏は12日、チェコ上院での演説で、「今起きている事態は『第二次冷戦』ではない。中国共産党の脅威が突きつける課題は、旧ソ連との冷戦よりもはるかに厳しい」と警告した。(ワシントン 黒瀬悦成)


2020.8.13-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200813/mcb2008130600012-n1.htm
米国「自国を優先」中国「外交の武器」 コロナワクチン争奪で激突
(1)
  米国と中国が新型コロナウイルスのワクチン開発・確保に向けて、しのぎを削っている。ワクチンは感染拡大の再燃防止と同時に経済活動の正常化に欠かせない。いち早い経済回復は世界に対する影響力の維持・拡大にもつながる。国を挙げ、巨費を投じる両大国の争いは、世界をも巻き込んでいる。

米、自国・他国を問わず契約へ100億ドル
  米バイオ企業モデルナは11日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、1億回分を米政府に供給する合意を発表した。契約額は最大15億2500万ドル(約1600億円)。同社のワクチンは臨床試験(治験)の最終段階である第3段階にあり、ロイター通信によると、結果は11月までに出る可能性がある。
  合意は完成直後には不足が予想されるワクチンの確保などのため、トランプ米大統領が立ち上げた「ワープスピード作戦」の一環。トランプ政権は約100億ドル(約1兆670億円)を投じて、自国、他国を問わず開発企業を支援し、優先的に供給を受ける契約の締結に奔走している。
  「米国民(のワクチン接種)が最優先だ」。米政府高官はこう語り、トランプ政権下で目立つ「自国主義」をここでもあからさまにしている。
  すでに米企業のジョンソン&ジョンソン(提供資金10億ドル)から1億回分、ノババックス(同16億ドル)から1億回分、ファイザーなどからも1億回分(同19億5000万ドル)を受けることで合意。国外でも、英アストラゼネカなどから3億回分(同12億ドル)、仏サノフィなどから1億回分(同21億ドル)の供給を取り付けた。

  コロナ禍で米国は経済的に大きな打撃を受けた。米食品医薬品局(FDA)のゴットリーブ元長官は米紙への寄稿で、最初にワクチンを確保できた国がいち早く経済を再建させ、国際的な影響力も高められると、ワクチンを押さえる重要性を説明。米軍の活動にも影響が出た経緯があるだけに、「今や公衆衛生は国家安全保障の一部をなす」と強調した。
  ワクチン確保を急ぐトランプ政権の念頭には、米国と覇を競う中国が最初にワクチン開発に成功することへの警戒もある。ナバロ大統領補佐官は4月、中国がコロナ流行初期に関連情報の提供を拒んだのは、開発競争で先行するためだった可能性があるとし、「中国を打ち負かす」と対抗心をあらわにした。
  米司法省は7月下旬、中国政府の委託を受けた中国人ハッカー2人の起訴を発表した。ワクチンや治療薬の開発データを狙い米企業への侵入を図るなどしたとされ、米中のせめぎあいはサイバー空間にも広がる。
  ただ、米国の動きには波紋も広がっている。自国優先の「ワクチン・ナショナリズム」が幅を利かせないよう、世界保健機関(WHO)はワクチンの公正な配分を目指すが、WHO脱退を通告した米国は国際協調に背を向ける

   自国優先の取り組みには国内でも「グローバルな公衆衛生政策と相いれない」(米専門家)との懸念は強い。だがワクチン争奪を規制する国際的取り決めはないという。(ワシントン 塩原永久)

中国、「支援外交」展開の思惑
  中国は政府の掛け声の下、官民一体で新型コロナウイルスのワクチン開発を急いでいる。コロナ対応で出た国内の不満解消のほか、マスクなどの提供を通じた支援外交の延長として「ワクチン外交」を展開しようとの思惑も垣間見える。
  中国メディアによると、中国製薬会社の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)は7月21日、世界で2番目に感染者が多いブラジルで、ワクチンの臨床試験(治験)第3段階を始めた。国有企業の中国医薬集団(シノファーム)もアラブ首長国連邦(UAE)で第3段階に入っている。同社は年末までにワクチンを市場に出せる可能性があるとの見通しを示す。
  新興製薬会社の康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)は軍の後押しを受け開発に取り組み、6月下旬には人民解放軍で使用する承認を得た。
  中国のワクチン開発の動きは素早かった。中国国営新華社通信によると、国内の感染が深刻な1月下旬には、中国疾病予防コントロールセンターの幹部が開発に着手していると表明。習近平国家主席は3月、医療機関を視察し、早期の治験と市場投入を指示した。李克強首相は6月、ワクチン開発などへの投資額が官民で100億元(約1530億円)を上回る見通しを説明。感染症対策のため1兆元の特別国債発行の財政措置もとる。
(2)
  生産準備にも余念がない。シノファームは国内で2億回分以上の年産能力を確保する見込み。カンシノは1億~2億回分を目指し、シノバックは国内で1億回分、ブラジルでも1億2000万回分の生産権を得ることになった。中国で10社以上が生産体制を整備し、政府はワクチンの産業化加速を指導する方針だ。
  中国は感染拡大を押さえ込んだが、経済活動の大幅制限などで国民の反発が高まった。感染の完全な終息宣言を早期に出せるか否かは、習政権の基盤を改めて固める上で重要。開発を急ぐのはワクチンがそのために欠かせないためだ。
  ワクチンは外交の武器ともなりうる。習氏は6月、アフリカ各国首脳とのテレビ会議で「ワクチンの実用化後、いち早くアフリカ諸国の使用を実現する」と強調した。米欧のワクチン争奪戦で入手が困難視される開発途上国を助け、影響力を広げようとの狙いがにじむ。5月のWHO総会では、中国のワクチンを「世界の公共財」にするとも述べた。
  フィリピンも中国のワクチンの優先利用を求め、中国側は「友好的な隣国であり、考慮したい」(汪文斌(おうぶんひん)外務省報道官)と前向きな姿勢だ。実現すれば、フィリピンが中国と争う南シナ海の領有権の主張を控える可能性も指摘されている。(北京 三塚聖平)

欧州も危機感、囲い込みへ
  新型コロナウイルスのワクチン開発・供給で国際協調を重視する欧州諸国も、ワクチン囲い込みに乗り出した。米国の動きで「うかうかできない」と危機感を高めたためとみられる。
  英政府は7月29日、仏サノフィなどが共同開発中のワクチン6000万回分の供給を受けることで合意したと発表。シャーマ民間企業・エネルギー・産業戦略相は「(ワクチンへの)アクセスを早めに押さえるのは重要だ」と強調した。
  英国は英アストラゼネカ(1億回分)などからもワクチン供給の約束を得ており、欧州連合(EU)は7月31日、サノフィから3億回分を確保する予備交渉に合意した。英製薬業関係者は「米国がワクチン獲得を急ぐので、うかうかしていたら国民に配れなくなるとの焦燥感がある」とみる。
  一方、ワクチン獲得競争に対し、WHOは「ワクチン・ナショナリズムは助けにならない」(テドロス事務局長)と懸念を深める。
  WHOはワクチンや治療薬などを世界に行き渡らせる計画を立て、今後1年で313億ドル(約3兆3400億円)が必要と試算。このうち約180億ドルを、中低所得国向けを含むワクチン確保に充てる考えで各国に協力を呼びかけるが、集まった資金は34億ドルにとどまっているという。
  欧州ではロシアが11日、臨床試験(治験)第3段階を省いて国産ワクチンを承認。早期承認により世界の医薬品市場で主導権を握ろうとの思惑も指摘される。(ロンドン 板東和正)


2020.8.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200810/k10012561391000.html
中国 香港制裁に対抗 米議員らに制裁科すと発表

  中国政府は、アメリカのトランプ政権が、香港政府のトップ、林鄭月娥行政長官ら11人に制裁を科したことに対抗して、対中強硬派として知られる上院議員など11人に対し、制裁を科すと発表しました。
  アメリカのトランプ政権は今月7日、香港の自治を損ね、香港市民の表現や集会の自由を制約したなどとして、香港政府のトップ、林鄭月娥行政長官や、中国政府の高官など11人に対し、アメリカ国内の資産を凍結する制裁を科したと発表しました。
  これに対し、中国外務省の趙立堅報道官は10日の記者会見で「アメリカの行為は、香港に公然と介入し、中国の内政に著しく干渉するものだ」と強く非難しました。
  そのうえで、これに対抗して、対中強硬派として知られるマルコ・ルビオ上院議員やテッド・クルーズ上院議員など、上下両院の議員やNGOの幹部ら合わせて11人に対し、10日付けで制裁を科すと発表しました。
  一方で、制裁の具体的な内容は明らかにしていません。米中両国は、このところ、香港の問題に加え、ウイグル族の問題などでも、互いに制裁を科す応酬が続いているほか、先月には、双方の在外公館を閉鎖しあうなど対立が激しさを増しています。
香港政府 中国の対抗措置を歓迎
  中国政府が、対中強硬派として知られるアメリカの上院議員ら11人に対し、対抗措置をとったことについて香港政府が声明を発表し「先日アメリカが取った措置に対し、香港の市民は中国の人民と同様、憤慨している。中央政府の措置は中国の利益を守るために必要なもので、香港政府はこれを全力で支持し、全面的に協力する」としています。


2020.8.8-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200808/k10012557911000.html
米トランプ政権 香港政府トップら11人に制裁科したと発表

  アメリカのトランプ政権は、香港政府のトップ林鄭月娥行政長官をはじめ、中国政府の高官ら11人に対し、香港の自治を損ねたなどとして制裁を科したと発表しました。中国への圧力を一段と強めています。
  アメリカ財務省は7日、声明を発表し、▼香港政府のトップ林鄭月娥行政長官や▼香港警察のトップなど香港政府の幹部に加えて▼中国政府で香港の問題を担当する香港マカオ事務弁公室のトップ夏宝竜主任ら中国政府の高官など、あわせて11人に対しアメリカ国内の資産を凍結する制裁を科したことを明らかにしました。
  制裁は香港での反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法に対抗し、トランプ大統領が先月署名した大統領令に基づくとしています。
  声明は林鄭長官について「自由と民主的なプロセスへの弾圧という中国政府の政策を履行する最高責任者だ」と批判するとともに、11人はいずれも香港の自治を損ね、香港市民の表現や集会の自由を制約したと非難しています。
  ムニューシン財務長官は声明のなかで「アメリカは香港市民と共にあり、香港の自治を損なう者を対象に我々が持つ手段と権限を行使していく」と強調しました。
  また、ポンペイオ国務長官も声明を発表し、「今回のアメリカの措置は、香港当局の行動は受け入れられず、中国共産党は一国二制度を維持するという約束に反しているという、明確なメッセージを送るためのものだ」として、習近平指導部を強くけん制しました。
  トランプ政権は、香港国家安全維持法の施行を受け、香港に認めてきた経済や貿易などの優遇措置を撤廃するなど、中国への圧力を強めており、ことし11月の大統領選挙も見据え、対中強硬姿勢を一段と鮮明にしています。


2020.8.6-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62348950W0A800C2MM0000/
米、中国の通信企業排除へ新指針 アプリなど5分野

  【ワシントン=中村亮】米国務省は5日、個人や企業情報を守るため国内通信分野での中国企業の排除に向けた新たな指針を発表した。中国製アプリの排除を米配信事業者に促し、中国企業が関与するクラウドサービスの利用は望ましくないとの見方を示した。
  新指針は従来掲げてきた「クリーンネットワーク計画」を拡充したもの。通信キャリア、アプリストア、スマートフォンのアプリ、クラウドサービス、海底ケーブルの5分野で中国企業の排除を目指す。
  ポンペオ国務長官は声明で「中国製アプリはプライバシーを脅かし、コンピューターウイルスを広めて、政治的宣伝や偽情報を拡散している」と批判した。アプリストアを運営するアップルやグーグルを念頭に信頼できない中国製アプリを排除するよう促した。
  米政権は中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を9月15日までに売却するよう求めている。今回の措置に強制力はないが、ティックトック以外のアプリの排除を辞さない構えを鮮明にした。ポンペオ氏は5日の記者会見で対話アプリ「微信(ウィーチャット)」をあげて「米国民の個人情報に対して大きな脅威だ」と重ねて主張した。
  トランプ政権は米国の巨大テック企業について「中国共産党と協力しすぎている」(バー司法長官)と批判してきた。今回の新指針に法的な強制力はないが、中国と距離を取るよう一段と圧力をかける狙いがある。
  さらにポンペオ氏は米国内で中国企業が関わるクラウドサービスもやり玉にあげた。アリババ集団や百度(バイドゥ)、騰訊控股(テンセント)を名指しして「外国の敵がアクセスできるクラウドシステムに米国民にとって最も重要な個人情報や企業の知的財産を保管すべきではない」と訴えた。
  世界をつなぐ海底ケーブル計画についても「中国に情報を不正入手させてはならない」と主張した。米政権は米国とアジアを結ぶ海底ケーブル計画に関し、中国政府の影響力が強まる香港との接続に反対する方針を示している。中国の通信事業者が米国の通信ネットワークに接続させないようにする方針も示した。


2020.8.1-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200801/k10012545141000.html
「TikTok アメリカ国内で禁止」トランプ大統領

  米中の対立が激しさを増すなか、アメリカのトランプ大統領は中国企業が提供する世界的に人気の動画共有アプリ「TikTok」に関して「アメリカ国内で禁止するつもりだ」と述べ、現地時間の1日にも大統領権限で禁止のための措置を取る意向を明らかにしました。
  トランプ政権は中国企業が提供する動画共有アプリ「TikTok」に関して、利用者の個人情報が中国政府に悪用されるおそれがあるとして、利用の禁止を含めて対応を検討しています。
  これについてトランプ大統領は31日夜、専用機内で同行記者団に対し、「アメリカ国内で禁止するつもりだ」と述べ、アメリカでの運営を禁じる考えを示しました。
  そのうえで「私にはその権限がある」として、現地時間の1日にも大統領権限で禁止のための何らかの措置をとる意向を明らかにしました。
  一方、アメリカの複数のメディアは大手IT企業のマイクロソフトが「TikTok」のアメリカでの事業の買収に向け交渉していると報じましたが、トランプ大統領はこれには賛同しない考えを示したということです。
  トランプ政権はこのところ中国への圧力を強めていて、激しさを増す両国の対立が世界的に人気のアプリにまで及んだ形です。
  ただ「TikTok」には各国でも懸念の声があがっていて、トランプ大統領が禁止に踏み切れば、各国の対応にも影響を与えそうです。


2020.7.24-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200724/k10012531011000.html
中国 成都の米総領事館の閉鎖を通知 アメリカへの対抗措置

  中国政府は24日、アメリカ政府がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じたことに対抗して、四川省成都にあるアメリカ総領事館を閉鎖するようアメリカ側に通知したと発表し、両国の関係悪化は深刻さを増しています。
  中国外務省は、内陸部の四川省成都にあるアメリカ総領事館の設置許可を取り消し、一切の業務を停止するよう、24日午前、アメリカ側に通知したと発表しました。
  これについて汪文斌報道官は24日の記者会見で、「アメリカ側が21日に突然、テキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を要求してきた。これは国際法や国際関係の基本原則に違反し、両国関係を著しく破壊するものだ」と強く非難したうえで、アメリカ総領事館の閉鎖は「いわれのない行為への正当な対応だ」として、対抗措置であることを明らかにしました。
  そして、今回の措置に至った責任について、「完全にアメリカ側にある」と指摘し、ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を撤回し、両国関係を正常な状態に戻すよう求めました。
  また、「成都のアメリカ総領事館員の中には、その資格と異なる活動をしている人がいて、中国の内政に干渉し、中国の安全や利益を損なっている」と指摘し、アメリカ側をけん制しました。
  一方、アメリカのポンペイオ国務長官が23日の演説で、習近平国家主席を名指しして、「全体主義のイデオロギーの信奉者だ」などと強く非難したことについて、汪報道官は、「中国共産党と中国の社会制度を悪意をもって攻撃したものだ。事実をねじ曲げ、イデオロギー的な偏見に満ちている」と激しく反発するなど、両国の関係悪化は深刻さを増しています
成都の総領事館 チベット情勢や人民解放軍分析の拠点
  成都のアメリカ総領事館は1985年に設置され、当初はアメリカ人職員6人の小さな総領事館でしたが、現在は、アメリカ人職員50人余り、中国人スタッフおよそ150人を抱える規模に拡大しています。
  四川省のほか、隣接する大都市の重慶市を含む中国南西部を管轄するとしていますが、とりわけ、中国が人権を抑圧していると指摘されるチベット自治区の情勢や、この地域に強力な部隊を展開する人民解放軍の動向を分析するうえで重要な拠点になっているとみられます。
  成都の総領事館は過去にも米中の外交問題の舞台となっています。
  2012年2月、当時、重慶市の警察トップも兼ねていた副市長が、上司で重慶市トップの薄煕来氏と対立し、総領事館にアメリカへの亡命を求めて駆け込みました
  アメリカは亡命の受け入れを拒みましたが、これがきっかけとなって共産党最高指導部入りを目指していた薄氏は失脚しました。
  この事件をめぐっては、習近平指導部がその年の秋に発足したあと権力集中を急速に進めるきっかけとなったとされています。


2020.7.24-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61896950U0A720C2000000/
米、中国共産党を標的に 強権路線の修正迫る
体制間競争が本格化へ

  【ワシントン=永沢毅】ポンペオ米国務長官は23日の演説で、対中包囲網の構築を通じて中国に強権路線の修正を迫る方針を鮮明にした。トランプ政権には中国共産党の体制そのものに問題の根源があるとの認識が強まりつつある。「新冷戦」とも目される米中対立は新たな段階に入る。

  ポンペオ氏はトランプ政権の対中強硬派の代表格だ。その演説には、複数の点で米国の対中政策が節目にあると印象づける仕掛けがある。その1つは、その舞台として1972年に電撃訪中して対中外交を切り開いたニクソン元大統領ゆかりの博物館を選んだことだ。
  「中国が変わらなければ世界は安全にはならない」「(中国に門戸を開いたことで)フランケンシュタインを作ってしまったのではないかと心配している」――。演説でもニクソン氏の過去の発言などを引用した。
  ニクソン政権で始まった米国のいわゆる「関与政策」に終止符を打とうとするトランプ政権の方針が浮き彫りになった。欧州訪問から時間をおかず、博物館のある西部カリフォルニア州までポンペオ氏がわざわざ足を運んだのはそのためだ。

  もう一つは旧ソ連への言及の多さだ。レーガン元大統領が「信頼せよ、しかし確かめよ」の原則にそって冷戦下でソ連に向き合ったと指摘。「中国に関していうなら『信頼するな、そして確かめよ』になる」との見解を打ち出した。
  「中国共産党はソ連と同じ過ちを繰り返している」とも述べ、その強権主義が潜在的な同盟国を遠ざけているとの認識を示した。冷戦での勝利を意識し、新冷戦とも言われる中国との新たな体制間競争に打ち勝つ決意を示す機会にしたいとの意図がうかがえる。
  ポンペオ氏は「世界の自由国家は、より創造的かつ断固とした方法で中国共産党の態度を変えさせなくてはならない」と宣言した。これまでも中国共産党の体制を問題視する発言を繰り返してきたが、これだけの舞台装置を整えて強権路線の修正を要求したのは初めてだ。トランプ政権としての本気度を表す。
  ただ、対中包囲網の構築は道半ばだ。次世代通信規格5G」からの中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)排除で英国が米国と同調し、フランスも足並みをそろえるとの報道もある。
  ポンペオ氏は演説で「ある北大西洋条約機構(NATO)同盟国は、中国政府が市場へのアクセスを制限することを恐れている」と不満をあらわにした。中国と経済関係の深いドイツやイタリアを念頭においている可能性がある。
  明言はしないが、ポンペオ氏は中国の体制転換を視野に入れているフシがある。演説の場には1989年の中国の天安門事件で民主化運動の学生リーダーらを招き、「自由を愛する中国の国民を元気づけなければいけない」と力説したのがその証左だ。
  「そんなことは言っていない」。ポンペオ氏はFOXニュースのインタビューで、体制転換をめざしているように聞こえるとの質問をこうかわした。憲法改正で国家主席の任期を撤廃し、長期支配をめざす習近平(シー・ジンピン)氏がその行動を改める兆しはみえない。
  在外公館の閉鎖を巡る応酬も続いている。収束のきっかけをつかめない米中対立はチキンレースの様相を呈している


2020.7.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200722/k10012528841000.html
「米が総領事館の閉鎖要求」と中国が非難 対抗措置の考え表明

  中国政府は、アメリカ政府がテキサス州ヒューストンにある中国の総領事館を閉鎖するよう要求してきたことを明らかにし、アメリカ側を強く非難するとともに、対抗措置を取る考えを強調しました
  中国外務省の汪文斌報道官は22日の定例記者会見で、中国メディアからの「アメリカ・ヒューストンの総領事館が、24日までの閉鎖と総領事館員の退去を求められたのは本当か」という質問に対し、「アメリカ側が21日に突然、ヒューストンの総領事館の閉鎖を要求してきた」と明らかにしました。
  そのうえで「これは一方的な政治的挑戦で、国際法の基本的ルールや両国の領事条約の規定に違反するものであり、故意に、そして横暴に両国関係を破壊するものだ」と強く非難しました。
  さらに「アメリカ側に直ちに誤った決定を撤回するよう求める。さもなければ、中国政府は必ず断固とした措置を取る」と述べ、対抗措置を取る考えを強調しました。
  ただ、汪報道官は、アメリカ側が総領事館の閉鎖を求めてきた理由については明らかにしませんでした。
国務省報道官 閉鎖を命じたことを認める
  これについて、アメリカ国務省のオータガス報道官は、ロイター通信の取材に対し、アメリカ政府がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じたことを認めました。
  理由については「アメリカの知的財産と個人情報を保護するためだ」としているということです。


2020.7.21-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200721/k10012525501000.html
米政府 “ウイグル族の人権を侵害” 中国企業などに制裁

  アメリカ政府は、中国のウイグル族に対する大規模な拘束や生体情報の収集に関わり人権を侵害しているとして、中国の合わせて11の企業と組織に制裁を科すと発表しました。
  アメリカ商務省は20日、車両部品を製造する中国の「今創集団」や生体の研究機関など、合わせて11の企業と組織を新たに制裁対象に加えると発表しました。
  これらの会社などは、大規模な拘束や強制労働、強制的な生体情報の収集や遺伝子の解析を行って、ウイグル族の人権侵害に関与しているとされ、アメリカ企業との取り引きが事実上禁止されます。
  ロス商務長官は「今回の行動は少数民族に対する卑劣な行為にアメリカ企業の商品と技術が使用されないことを保証するものだ」とする声明を出しました。
  商務省は去年10月以降、中国の監視カメラメーカーなど合わせて37の企業と組織に対して同様の制裁措置を発動しています。
  トランプ政権は、新型コロナウイルスや香港の問題、通信機器大手ファーウェイなどハイテク分野で、中国との対立を深めていて、中国企業に対する締めつけを強化しています


2020.7.16-CNN-https://www.cnn.co.jp/tech/35156859.html
米、ファーウェイなど中国ハイテク企業の従業員にビザ制限

ワシントン(CNN) 米国務省のポンペオ長官は15日、華為技術(ファーウェイ)など中国のハイテク企業の従業員に対するビザ制限を発表した。
  ポンペオ長官は国務省で行った記者会見で、「ファーウェイのような中国のテクノロジー企業は、世界で人権侵害を行っている政権を物質的に支援している」と主張、そうした企業の特定の従業員に対してビザ制限を課すと表明した。
  ビザ制限の対象とする従業員の氏名や人数は明らかにしなかった。
  同日発表した声明の中でポンペオ長官は、「当該の外国人の入国が、『米国の外交政策にとって深刻な悪影響を及ぼす可能性があると国務省が信じるに足る理由があれば、特定の従業員の米国への入国資格を認めない」としている。
  ファーウェイについては中国共産党の監視国家の一機関」と位置づけ、「ファーウェイとの取引は、人権侵害者との取引になるという認識について、世界中の通信会社が検討しなければならない」と強調した。
  この前日にはトランプ大統領が、香港の民主主義弾圧目的とみなされている中国の措置に関連して、対中制裁を盛り込んだ法案と大統領令に署名していた。トランプ大統領はさらに、中国が新型コロナウイルスを世界中に解き放ったとして非難していた。
  ポンペオ長官は15日、政治紙「ザ・ヒル」の取材に対し、ファーウェイ以外のハイテク企業に対する制限も検討していると述べ、「ティックトックであれ、他の中国のコミュニケーションプラットフォームやアプリやインフラであれ、当政権は、米国民の情報が中国共産党の手に渡る事態から国民を守る必要性を深刻に受け止めている」と語った。


2020.7.15-BBC news Japan-https://www.bbc.com/japanese/53413341
トランプ氏、香港の優遇措置を廃止 大統領令に署名

  ドナルド・トランプ米大統領は14日、香港に対する優遇措置を廃止する大統領令に署名した。中国が香港国家安全維持法(国安法)を成立させたことを受け、トランプ政権は中国への強硬姿勢を強めている。
  トランプ氏はホワイトハウスの記者会見で、「香港は今後、中国大陸と同様に扱われる」と述べた。「特別な恩恵も、特別な経済的待遇も、注意が必要な技術の輸出もなくなる
  トランプ氏はまた、香港市民の権利を弾圧する中国当局者には制裁を科せる、香港自治法にも署名した。
貿易に暗雲
  優遇措置の廃止により、香港で事業を行う1300以上の米企業が対応に苦慮する可能性がある香港に査証(ビザ)なしで渡航できていた米国民が、今後はビザの規制を受けることも考えられる。
  香港とアメリカ間の低率の関税は消滅するとみられ、年間数百億ドル規模の両国の貿易は今後が危ぶまれている

  アナリストらからは、香港の世界的な金融ハブとしての地位と、中国にとっての国際金融市場への玄関口としての役割が損なわれるだろうとの見方が出ている
  BBCのアジアビジネス担当、カリシュマ・ヴァスワニ編集委員は、香港には低い税率、地理的な利便性、通貨の兌換(だかん)性が残っていることから、米企業などの国際企業がすぐに姿を消すわけではないだろうとする、コンサルタントの見方を紹介。
  ただ、香港でビジネスをするのは厄介だとのイメージが広がれば、中国大陸やシンガポールに移転する動きが出るかもしれないと説明した。

  イギリスの植民地だった香港では、中国大陸にはない自由が認められている。しかし、中国政府によって国安法が施行されたことで、1984年の英中共同声明で合意された一国二制度が終わりを迎えると、多くの香港市民が感じている
  国安法は中国政府批判を違法としており、1997年の香港返還以降で、香港の政治状況に最も大きな変化をもたらしている。

  トランプ氏が署名した香港自治法は、連邦議会が今月初め、超党派で可決していた。同氏はこの法律によって、「圧制的な」国安法をめぐり、中国当局の責任を問うことができると述べた。また、記者からの質問に答えて、中国の習近平国家主席と協議する予定はないと話した。
米中関係の現状
  米中関係はここ数カ月、緊張が高まっている
  アメリカでは11月の大統領選挙が迫りつつあり、トランプ氏と民主党候補ジョー・バイデン前副大統領は互いに、中国に対して弱腰だと相手を批判している。
  米政府は13日、中国の南シナ海での海洋進出について、近隣諸国への威圧だと非難
  トランプ氏は10日、中国の新型コロナウイルス対策を理由に、同国との貿易合意が「第2段階」に至るかは疑わしいと、大統領専用機エアフォース・ワン内で記者団に述べた。
  「中国との関係は深刻なダメージを受けている」、「中国はこの伝染病を止めることができた。止めることができたのに、そうしなかった
  アメリカは先週、世界保健機関(WHO)からの脱退を国連に正式通告した。トランプ氏はWHOについて、中国の影響下にあると非難していた。
  同じ週には、中国の新疆ウイグル自治区で少数派のイスラム教徒の人権を侵害したとして、中国当局者に対する制裁措置を米政府が発表した


2020.7.2-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/world/news/200702/wor2007020008-n1.html
「米国対中国でなく、自由主義対権威主義をめぐる懸案」 米下院、対中制裁法案可決

  【ワシントン=黒瀬悦成】米下院本会議は1日、香港に約束されていた「高度な自治」の抑圧に関与した中国当局者や組織、金融機関に対して米政府が制裁を科すことを求める「香港自治法案」を全会一致で可決した。同法案は上院で可決済みだが、下院で一部内容を修正したため上院で改めて採決する。上院でも可決されればトランプ大統領の署名を経て成立する。
  法案は、中国が反体制活動家の取り締まり強化などを目的とする「香港国家安全維持法」を施行したのを受け、米議会として中国の強権的な行動に対抗していく狙いがある。
 
  民主党のペロシ下院議長は採決に先立ち、下院外交委員会の香港情勢をめぐる公聴会に出席し、国家安全維持法の施行は「香港の一国二制度の原則の死を意味する。香港の住民に約束された自由を抹殺するものだ」と非難した。
  下院議長が公聴会で発言するのは異例とされる
  下院外交委員会では同日、中国の行動を非難するとともに、国連に香港問題に関する特別報告者を設置するようトランプ政権に働きかけを求めることなどを盛り込んだ決議案が提出された。
  一方、ポンペオ国務長官は1日の記者会見で、香港国家安全維持法の施行に「深い懸念」を表明し、香港に対する優遇措置の廃止を進めていく考えを改めて表明した。
  ポンペオ氏はまた、「これは米国対中国の懸案ではない。自由主義対権威主義をめぐる懸案だ」と訴え、同盟諸国などと中国の脅威への対処に向けた「地球規模の連携を築くことが重要だ」と強調した。
  香港自治法案は、香港の「高度な自治」を認めた1984年の中英共同宣言香港基本法を順守しなかった個人や組織に加え、これらの個人や組織と取引のある金融機関に関し毎年報告するよう国務省に求めた。
  また、大統領に対しては報告の記載対象の資産凍結やビザ(査証)発給停止などの制裁を科すよう求めた。報告された金融機関には米金融機関からの融資を禁じるよう求めている。


2020.6.29-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://www.sankei.com/economy/news/200629/ecn2006290003-n1.html
米、中国企業排除を強化 保安検査も、欧州に要請

  【ワシントン=黒瀬悦成】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は28日、トランプ米政権が欧州諸国に対し、中国共産党体制の影響下にある保安検査装置製造大手「同方威視技術(ニュークテック)」の製品を採用しないよう要請していると伝えた。
  トランプ政権は、第5世代(5G)移動通信システム分野で躍進が目立つ中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」に関しても、欧州諸国に対して自国のネットワークから排除するよう要請しており、中国によるハイテク覇権確立の阻止に向けて欧州との連携を強化したい考えだ。
  ニュークテックは、空港や港湾、国交検問所での貨物や荷物、旅行者の保安検査装置を欧州諸国に低価格で納入し、急速にシェアを拡大している。
  米政府は、ニュークテックなどの中国保安検査機器メーカーが傘下のネットワークを介して企業・個人情報を盗み取る恐れがあると指摘。同紙が確認した国務省の文書はニュークテックがこうした情報を中国当局に提供する可能性があると指摘したとしている。
  米当局は空港でのニュークテック製品の使用を禁止し、港湾の貨物検査でも中国のシステムを採用していないという。
  一方、フィンランドの税関は今月、ロシア国境での貨物検査でニュークテックの製品採用を決定した。米国が反対したものの、同社以外の入札企業がなかったためとしている。
  ニュークテックは同紙に対し、同社の経営は中国政府から独立しているとし、「集めたデータは顧客が保有するので安全上のリスクはない」と強調した。


2020.6.27-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200627/amp/k10012485911000.html
香港国家安全維持法案 関与の中国当局者 米国への入国制限

アメリカのトランプ政権は、中国が香港での反政府的な動きを取り締まる法案の審議を進めるなど、香港の高度な自治を損ねているとして、こうした措置に深く関わった中国政府の当局者のアメリカへの入国を制限する措置を発表しました。
  中国は香港での反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法案の審議を進めていて、28日に開く全人代=全国人民代表大会の常務委員会で可決する可能性が出ています。
  この法案に強く反対するアメリカ、トランプ政権のポンペイオ国務長官は26日、声明を発表し、「中国政府はこの法案をはじめ、香港の高度な自治を尊重する義務を果たさず、人権と自由を損ねている」と批判しました。
  そのうえで、こうした措置に深く関わった中国政府の当局者と元当局者、それにその家族に対して、アメリカがビザの発給を制限すると明らかにしました。国務省はNHKの取材に対し、入国制限の対象者の名前は明らかにしないと答えました。
  一方、ポンペイオ長官は「アメリカは香港をめぐる今後の対応について引き続き検討する」として、追加の措置をとることも示唆しました。
  トランプ大統領は先月、中国が法整備を決めたことを受けて当局者への制裁など対抗措置をとる方針を発表していましたが、具体的な措置をとったのは初めてで、中国の法案の審議を強くけん制した形です。
  これに対し、ワシントンにある中国大使館は26日、ツイッターに報道担当者の反論を投稿し、「中国はアメリカの誤った決定に強く反対する。直ちに決定を撤回し、中国への内政干渉をやめるよう強く求める」と反発しています。


2020.6.18-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200618/k10012474721000.html
トランプ大統領「ウイグル人権法案」署名 中国反発必至の情勢

  アメリカのトランプ大統領は、中国でウイグル族への人権侵害があるとして、これに関わった中国の当局者に制裁を科す「ウイグル人権法案」に署名し、法律が成立しました。
  「ウイグル人権法」は、中国の新疆ウイグル自治区で、大勢のウイグル族の人たちが不当に拘束されているとして、アメリカ政府に対しウイグル族の人権侵害に関わった中国の当局者に制裁を科すよう求める内容で、先にアメリカ議会の上下両院で可決されていました。
  これについて、トランプ大統領は17日、法案に署名し、「ウイグル人権法」が成立しました。
  トランプ大統領を巡っては、元側近のボルトン前大統領補佐官が近く出版予定の著書のなかで中国の習近平国家主席に対し、ウイグル族を拘束する施設の建設を容認した疑いがあると記すなど中国国内の人権問題を軽視する姿勢が明らかになり、関心を集めています。
  一方、アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大で中国への反発が広がっていて、トランプ大統領は、このところ秋の大統領選挙に向けて強硬姿勢を示しています。
  ウイグル人権法について、中国政府は法律が成立すれば対抗措置を取る可能性を示唆していて、反発を強めるのは必至の情勢です
中国外務省「内政干渉で強い憤慨」
  アメリカのトランプ大統領が中国でウイグル族への人権侵害があるとして、これに関わった中国の当局者に制裁を科すウイグル人権法案」に署名したことについて、中国外務省は、声明を発表し「このいわゆる法案は、中国政府新疆ウイグル自治区への政策に悪質な攻撃をし、中国の内政に乱暴に干渉するものだ。中国政府は強い憤慨と断固とした反対を表明する」と激しく反発しました。
  そして、「アメリカが直ちに間違いを正すよう再度忠告する。さもなければ中国は必ず反撃し、生じるすべての結果はアメリカが完全に負わなければならない」として対抗措置を取ることも辞さない考えを示しました。


2020.6.2-産経新聞 SANKEI NEWS WEB-https://special.sankei.com/a/international/article/20200602/0002.html
米空母不在 あぶり出す現実

艦内感染で離脱、付け入る中国
  太平洋から米空母が消えた-。3月下旬、日本を含むインド太平洋の米同盟・パートナー諸国の安全保障を揺るがす事態が発生した。南シナ海で覇権的な行動を活発化させている中国を牽制(けんせい)するため同海域で作戦行動中だった米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルトの艦内で、新型コロナウイルス感染が起きていたことが判明したのだ。
  同艦は作戦を中止し、27日に米領グアムに緊急入港した。その時点で確認されていた感染者数は36人。その後も感染者は増え続け、乗組員1人が死亡。最終的に総員約4800人の約4分の1にあたる約1200人の感染が確認されるに至った。
がら空きの太平洋
  問題なのは、乗組員の大半が上陸してウイルス検査と隔離措置を受けた結果、同艦は5月20日までの55日間、グアムにくぎ付けになってしまったことだ。


2020.5.15-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59136260V10C20A5EAF000/
米上院、ウイグル人権法案を可決 中国の反発必至

  【ワシントン=永沢毅】米上院本会議は14日、中国新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族を弾圧する中国の当局者に制裁を科すようトランプ米政権に求めるウイグル人権法案を全会一致で可決した。ウイグル問題は中国が妥協する余地のない「核心的利益」の1つで、反発を招くのは確実だ。
  法案は、米政府に弾圧や人権侵害に関わった人物のリストを作成して議会に報告するよう求め、それらの人物にビザ(査証)発給の停止や資産凍結といった制裁を科せるようにする内容だ。弾圧に用いる顔認証などの先端技術を使った製品の対中輸出の制限も提案している。
  法案の共同提出者のマルコ・ルビオ上院議員(共和党)は「中国共産党に恐ろしい所業の責任をとらせる」とツイートした。同氏は対中強硬派の議員の1人で知られる。
  下院も2019年12月に類似の法案を407対1の圧倒的な賛成多数で可決していた。上院は14日に可決した法案で内容を修正したため、トランプ大統領の署名を経て成立させるためには下院で改めて可決する必要がある。


2020.5.5-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200505/mcb2005051520010-n1.htm
中国がウイルス危険性隠蔽、医療物資買い占めのため 米政府の内部報告書 

  【ワシントン=黒瀬悦成】AP通信など米主要メディアは4日、米国土安全保障省が新型コロナウイルスに関し、中国が1月初旬の時点でウイルスの危険性を把握していながら、感染拡大の防止に必要なマスクなどの医療物資を海外から大量に買い占めるため、国際社会に意図的に公表しなかったとする内部報告書をまとめていたと報じた。
  トランプ大統領は3日、中国による感染拡大の責任に関し、米情報機関が4日にも調査結果を公表すると述べていたが、この報告書を指しているのかは明らかでない。
  トランプ氏は、ウイルス関連の情報を隠蔽し、感染を世界に拡大させた中国の責任を明確にし、制裁関税を含む「究極の懲罰」を課す意向を表明している。
  報告書は1日付。中国が1月下旬ごろまで世界保健機関(WHO)などに対し、新型コロナは人から人に感染することを知らせないなど危険性を隠しつつ、医療物資の輸入量を増やす一方、輸出量を減らして備蓄したと指摘した。
  中国はまた、一連の行為の発覚を防ぐため、公的には医療物資の輸出制限を否定し、輸出入データの公表を遅らせたとしている。報告書によれば、中国のマスクや手術着、手袋などの輸入量は1月に急増。一方で輸出量の低下も顕著で、いずれも常識的範囲を超えていたとしている。
  報告書は機密指定はされておらず、政府関係者が公務で閲覧するための「対外秘」扱いとなっている。


2020.4.16-Yahoo!!Japanニュース(JIJI COM)-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200416-00000112-jij-n_ame
米で武漢研究所への疑念浮上 新型コロナ発生源めぐり

  【ワシントン時事】新型コロナウイルスをめぐり、中国湖北省武漢市の研究所で行われていたコウモリのコロナウイルス研究の危険性を指摘したり、「研究所が新型ウイルスの発生源」と指摘したりする米メディアの報道が相次いでいる。
  新型ウイルスは武漢市で最初に発生したが、中国側は発生源の特定を避けている。
   FOXテレビ(電子版)は15日、複数の関係筋の話として、新型コロナウイルスの起源は武漢市にある研究所だったと報じた。生物兵器として開発していたのではなく、中国のウイルス研究が米国と同等以上だと示すための取り組みだったという。関係筋は、ウイルスがコウモリから所員に感染し、それから武漢に広がったとの見方を示した。
   トランプ大統領は15日の記者会見でこの報道について聞かれ、「それについては話したくない。この恐ろしい状況の徹底的な調査をしている」と述べるにとどめ、確認を避けた。
   ワシントン・ポスト紙(同)も14日、米当局者が2018年1月に武漢のウイルス研究所を訪問した後、同研究所がコウモリのコロナウイルスに関する危険性の高い研究を行い、安全性の確保が十分でないと指摘する公電を送っていたと報じた。公電はこのウイルスが人間に感染し、重症急性呼吸器症候群(SARS)のような世界的流行を引き起こす危険性を警告していたという。
   一方、ニューヨーク・タイムズ紙(同)は11日、トランプ政権内に「研究所発生源説」を唱える高官がいるが、米情報機関はその証拠を得ていないと指摘している。


2020.4.3-msnニュース-https://www.msn.com/ja-jp/news/world/
自衛隊も注目する米海兵隊の大胆改革

世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るっているが、安全保障の分野でもこのウイルスの影響が徐々に出てきている。
  世界中が新型ウイルスと戦っている状況にもかかわらず、中国人民解放軍(PLA)は東シナ海や南シナ海などで活発な行動を継続している
  一方、米軍も、実力をつけてきた人民解放軍に対処するための将来に向けた変革の動きを加速している。
  米海兵隊は3月末に「2030年の戦力設計」(“Force Design 2030”)という米海兵隊総司令官デビッド・バーガー大将の署名入りの文書を発表した。
  バーガー大将は稀にみる改革派の将軍で、「我々は、漸進的な改善変更や旧来の能力の改善バージョンなどの中途半端な勧告を受け入れることはできない」と宣言し、海兵隊の大胆な改革を推進中である。
  「2030年の戦力設計」によると、中国の台頭などの新たな安全保障環境に効果的に対処する改革として、海兵隊員1万2000人の削減、戦車の全廃、陸上戦力の骨幹である歩兵大隊の削減、「F-35」の機数削減など大胆な削減を行う提案をしている。
  一方で、海軍前方展開部隊(Naval Expeditionary Forces)の強化、長距離対艦ミサイルや致死性の高い無人機システムの増強を提案している。
  この改革の結果は、日本の安全保障にも大きな影響を与えると予想されるため、本稿において紹介する。
  なお、本稿は、「2030年の戦力設計」だけではなく、バーガー大将の海兵隊改革のエッセンスが書かれた“Notes on Designing the Marine Corps of the Future”や“Commandant’s Planning Guidance”も参考にしている。
2018年の「国家防衛戦略」に基づく変革
  バーガー大将の改革案は、2018年に発表された国家防衛戦略(NDS)に基づいてること、インド太平洋地域における中国の脅威にいかに対処するかをウォーゲーム(軍事作戦のシミュレーション)や部隊実験などで実戦的に分析検討している点に特徴がある。
  2018年の「国家防衛戦略」は、海兵隊の任務の重点を中東のイスラム過激派(いわゆるイスラム国など)への対処から、インド太平洋における中国やロシアの脅威への対処へと転換した。
  米海兵隊は、内陸部から沿岸部へ、そして非国家主体から米軍と対等な競争相手(人民解放軍やロシア軍)へとミッションを大きくシフトさせる。
  つまり、米海兵隊は、イラク戦争やアフガニスタン戦争において、米陸軍とともに主として地上戦力として運用されてきた。しかし、米海兵隊は本来、米海軍の作戦を支援する海軍前方展開部隊としての本来の役割がある。
  バーガー大将の改革の核心は、海兵隊が陸上での作戦を重視するのではなく、米海軍と海兵隊との統合を強化し、海軍との全面的なパートナーシップの下で、海洋沿岸での歴史的な役割に回帰することだ。
米海兵隊の戦力設計の概要
  海兵隊の戦力設計に際し、「海兵隊に提供される予算は増えない」という前提を受け入れている。
  この前提の結果として、不可欠な新しい能力に資源を投入するためには、既存の部隊や兵器を削減しなければならない。
  部隊削減の最も合理的な方法は、歩兵大隊を削減するとともに、削減される歩兵大隊を支援する組織(直接支援火砲、地上機動部隊、攻撃支援航空、軽攻撃航空、支援対象となる地上部隊や航空戦闘部隊の規模に類似した能力を持つ戦闘サービス支援能力)も削減することである。
  主要な焦点が大国間の競争に移り、インド太平洋地域へ新たな焦点が置かれる中で、現在の軍隊は、新たな統合作戦構想、海軍および海兵隊の作戦構想(これについては後述する)を支援するために必要な以下のような能力が不足している。
  長射程の精密火力、中・長距離防空システム、短距離防空システム、情報・監視・偵察(ISR)、電子戦(EW)、殺傷能力と耐久能力が高い長距離無人機システム、海上民兵などを使った「グレーゾーン」戦略を追求する相手に対抗するのに適した殺傷力の低い装備が不足している。
  そして、将来の環境に不適な兵器がある。例えば、戦車、牽引火砲、殺傷力の低い短距離・低耐久性無人機システムだと分析している。
米海兵隊の2030年目標戦力
  何年も極秘で行われたウォーゲームを通じ、中国のミサイルや海軍力が太平洋地域での米軍の優位性を脅かしつつあると判明した。
  海軍前方展開部隊としての役割を予算の枠内で再構築するため、海兵隊は保有する戦車を削減し、軍用機を削減し、兵員総数を1万2000人削減し17万人程度に縮小する。
  バーガー大将は、「質を高めるために海兵隊の規模を縮小すべきだとの結論に至った」と述べている。
主要な目標戦力は以下の通り。
コマンド部隊(Command Element)・3個の法執行大隊(軍事警察大隊)の削減
地上戦闘部隊・ 海兵隊は、対テロ戦争の時代において、米陸軍とともに地上戦力として活動してきた。しかし、今は米海軍とともに海洋や海岸近くで作戦するという本来の任務へ回帰するという決心をした。そして、以下のような目標戦力を設定した。
・7個の歩兵連隊本部:8→7(1個歩兵連隊本部の削減)
・21個の歩兵大隊(現役):24→21(3個大隊の削減)
・6個の歩兵大隊(予備役):8→6(2個大隊の削減)
・残りの歩兵大隊の再設計:歩兵大隊当たりの削減数は約200人
・5個の砲兵中隊:21→5(16個中隊の削減)
・21個のロケット砲兵中隊):14→21(14個中隊の増加) この部隊は長射程の対艦ミサイルを含む部隊で、ウォーゲーム分析から得られた結果によると、この部隊のお陰で海兵隊の前方展開が容易になる。
・ゼロ戦車中隊:7→0(7個中隊と前方配置能力のすべてを削減) この能力は、将来の最優先課題に運用上適していないと結論づける。しかし、米陸軍は引き続き戦車を保有する。陸上戦闘における戦車の重要性を否定するものではない。
・12個の軽装甲偵察(LAR)中隊:9→12 (現在の部隊に比し3個中隊の増加)
・4個の強襲水陸両用中隊:6→4(2個中隊の削減) 歩兵大隊の削減などに伴い、これらを支える部隊も縮小する。
・3個の架橋中隊の削減 この能力は、主に持続的な陸上作戦に関連している。陸上作戦を回避して戦力を設計するという指針を考えると、この架橋能力は明らかに要求を超えている。
・2個のAA中隊の削減と水陸両用強襲輸送車(AAV)および水陸両用戦闘車両(ACV)の削減
航空戦闘部隊(Air Combat Element)
• 18個の現役攻撃戦闘機飛行隊 (VMFA):(F-35BとF-35C飛行機を各飛行隊当たり16機から10機まで削減)
• 14個の現役中型ティルトローター飛行隊(VMM):17→14(3個飛行隊の削減) 歩兵大隊の能力とそれに伴う戦闘支援の削減を考えると、残りのティルトローター部隊で十分である。
• 5個の重輸送ヘリコプター(HMH)中隊:8→5(3個中隊の削減) 5個飛行中隊は、海兵隊の要求及び承認された海軍コンセプトに記述されている将来の戦力を満たすのに十分な能力を提供する。
• 5個の軽攻撃ヘリコプター(HMLA)中隊:7→5(2個中隊の削減)
• 4個の航空給油輸送機(VMGR)中隊:3→4(1個中隊の増加)
• 6個の無人機(VMU)中隊:3→6(3個中隊の増加) 将来の「スタンドイン部隊(敵の脅威圏内に展開する部隊)」として、海兵隊は無人航空機システム(UAS)ファミリーを必要とする。
•海兵航空支援グループ(MWSG)の削減
戦力設計の前提となる作戦構想 海兵隊の戦力設計の前提になるのが作戦構想だ。
 海軍の作戦構想である「分散型海洋作戦(DMO: Distributed Maritime Operations)」、海兵隊と海軍の共同作戦構想である「競争環境下における沿岸作戦(LOCE: Littoral Operations in a Contested Environment)」、「前方展開前線基地作戦(EABO: Expeditionary Advanced Base Operations)」だ。
 海兵隊は敵の攻撃を阻止するため、中国のミサイル、航空機、海軍の兵器の攻撃可能範囲内で戦う部隊(Stand-in Forces)になる。
 バーガー大将が策定した計画の中核は、中国海軍と戦うことを任務とする新たな海軍前方展開部隊だ。
 海軍前方展開部隊は、米海軍の作戦を支援するために、小規模なチームに分散し、揚陸艇などで南シナ海や東シナ海に点在する離島や沿岸部に上陸し、前方展開前線基地(EAB: Expeditionary Advanced Bases)を設定する。
 図1にEABの一例を紹介するので参考にしてもらいたい。図の左側の島にEABが設定されている。
 EABは、敵の長距離精密火力の射程内の離島や沿岸地域に設定される。EABは中隊から大隊規模の小さな前方基地だ
 EABは敵の発見・対処が難しいため、艦艇や航空機よりも長い時間、敵地近くで作戦を行える。敵地近くに長くとどまることで、EABは敵の行動に制約を加える。例えば、対空・対艦攻撃を行い、敵のセンサーを無能力化し、敵の戦力を妨害・阻止する無人機を運用する。
 EABは、海洋ISR装備、沿岸防衛巡航ミサイル(CDCM)、対空ミサイル、戦術航空機のための前方武装給油拠点(FARPs)、滑走路、艦艇・潜水艦の弾薬補給拠点、哨戒艇基地として利用しうる。 これらの兵器や施設は、友軍のセンサーとミサイルの能力を高め、敵のターゲティングを複雑にする。また、重要な海洋地域をコントロールし、シーレーンや海のチョークポイントの安全を強化し、敵の利用を拒否する。 空中・海上・水面下で運用可能な無人システムを運用し、中国海軍がより広い太平洋に進出する直前に、対艦ミサイルで中国の艦艇を破壊する。そのデータは空軍や遠方から長距離ミサイルを発射する海軍部隊にも伝達される
敵の反撃を避けるため、海兵隊は遠隔操縦できる新世代の水陸両用艇を駆使し、48~72時間ごとに島から島へと移動する。他のチームは米戦艦からおとりの舟を使った欺騙(騙すこと)作戦を展開する。
 バーガー大将は、「海兵隊の新たな能力や戦術が人民解放軍に「極めて多くの問題」をもたらすことをウォーゲームが明らかにした」「小規模で常に動き回り、しかも敵と接触する能力を持つ、分散型の海軍前方展開部隊に対抗するのは非常に難しいだろう」と述べている。
米海兵隊改革への筆者の評価
海兵隊改革の動機となった最も大きな要因は脅威認識の変化だ。
 バーガー大将は、「中国の脅威は着実に増している。もし米軍が何もしなければ、われわれは追い抜かれるだろう」中国の脅威を強調しているが、その危機感は妥当だ。 2001年のニューヨーク同時多発テロ以来20年近く続く対テロ戦争を焦点としないで、急速に軍事力を増強し覇権を目指す中国に対して、これにいかに対処するかに焦点を当てたことは妥当である。 そして、米海兵隊が限られた予算の中で、米海軍の作戦を支援するという役割に回帰したことは妥当だと思う。
 人民解放軍の増強が最大の脅威になっている日本にとって、米海兵隊の改革を前向きに評価し、陸海空自衛隊の統合作戦と米軍との共同作戦の充実に向けた努力を継続すべきであろう。
戦車をすべて削減するという方針は非常に大胆だ。
 日本でも、「米海兵隊は戦車を全廃したのだから、陸上自衛隊も戦車を削減しろ」という暴論が出てきそうだ。 しかし、バーガー大将は、「海軍を支援する海兵隊には戦車は必要ないが、大量の戦車を持つ陸軍は必要だ」と発言していることに留意する必要がある。 主として陸上戦闘を遂行する陸上自衛隊や米陸軍と米海兵隊を同列に議論するのは不適切だ。 また、退役した海兵隊の将軍でバーガー大将の改革案を批判する者が少なくないことにも留意する必要がある。
 批判者は、「米海兵隊には多くの任務が付与される。中東、欧州、朝鮮半島などで海兵隊が陸上作戦を命じられた場合に戦車なしでは対応できなくなる。行き過ぎた改革には問題がある」と主張している。
海兵隊の作戦構想である前方展開前線基地作戦(EABO)の多くの要素は、自衛隊の南西防衛構想と共通点がある。
 例えば、離島を拠点とする対艦ミサイルや対空ミサイルにより、人民解放軍の作戦を妨害し、米海軍や米空軍の作戦を容易にするという構想(筆者は自衛隊が実施する人民解放軍に対するA2/ADと呼んでいる)は自衛隊と米海兵隊で共通のものだ。 また、離島における作戦のためにISR能力の向上、無人機システムの導入、長距離ミサイルなどが必要であるという主張には共通するものがある。 以上の諸点を勘案すると、自衛隊、特に陸上自衛隊は米海兵隊の大胆な改革から多くのことを学ぶべきであろう。
 そして、米海兵隊の大胆な改革を契機にして、日米同盟をさらに強化し、中国の脅威に日米共同で対抗すべきである。


2020.3.28-山陽新聞 サンデジdigital-https://www.sanyonews.jp/article/998072
米国の台湾外交支援法が成立 トランプ氏署名、中国反発

【ワシントン共同】トランプ米大統領は27日までに、中国の圧力で台湾と断交する国が相次いでいるのを受けて台湾を外交面で支援する法案に署名、同法は成立した。政権に対し、台湾の安全や繁栄を脅かす行動を取った国に、経済面などでの待遇見直しの検討を求めている。中国は反発しており、新たな火種となる可能性がある。
  同法は国務省に対し、台湾との外交強化の取り組みについて議会に毎年報告を要求。台湾の国際機関への加盟やオブザーバー資格での参加を支援すべきだとも強調しており、米国が働き掛けを活発化させることも予想される。


2020.3.22-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/200322/ecn2003220007-n1.html
【米中貿易摩擦2年】対中関税、米産業界から解除求める声強まる 新型コロナの直撃で苦境
(ワシントン 塩原永久)

トランプ米大統領が中国からの輸入品に追加関税を課す大統領令に署名してから、22日で2年。激化を続けた米中の貿易摩擦は、今年1月に第1段階の貿易協定に署名して「一時休戦」した。ただ、新型コロナウイルスの流行が中国から世界に広がる中、米中関係は緊張含みとなっている。
   トランプ氏は米中の「第1段階」貿易協定について「画期的な合意だ」と成果を誇示してきた。だが、新型コロナの打撃を受けた米産業界からは事業の重荷となる対中制裁関税の解除を求める声が強まっている。「第2段階」合意に向けた交渉カードとして政権が温存した関税が景気減速を加速させかねないジレンマをトランプ氏は抱えている。
   米政権は2月に発効した第1段階協定に沿って、中国が知的財産権保護などに取り組んでいるかを見守る構え。米通商代表部(USTR)は中国政府との紛争処理組織を立ち上げた。
   一方、米国は中国からの輸入品3700億ドル(約41兆円)分にかけた追加関税を維持。関税撤廃を求める中国を第2段階の協議に引き出すためだ。
   米景気は好調な消費に支えられて関税の逆風をしのいできた。だが、ここにきて新型コロナの直撃で米国では中小事業者を中心に深刻な経営不安が出てきた。
   中国からの輸入品に関税分が上乗せされるため、輸入業者はコスト負担が重くなる。米アパレル靴協会の幹部は「業界で年35億ドルの関税負担だ。ただちに関税を撤廃してほしい」と米テレビで訴えた。新型コロナで景気の下振れ懸念が強まる中、多くの産業団体が政権や議会に対して関税の撤廃や一時休止を働きかけている。
   トランプ氏は18日の記者会見で、関税撤廃について「理由がない」と否定した。ただ、対中関税を撤廃すれば国内の企業活動を後押しするのも間違いない。
   景気悪化の見通しが一段と深刻になれば、関税解除を条件とした「第2段階」協議を早期に始める機運が米国側から出てくるシナリオも想定される。
(ワシントン 塩原永久)


2020.3.14-CNN Co.JP-https://www.cnn.co.jp/world/35150824.html
中国高官、新型コロナは「米軍が武漢に持ち込んだ可能性」

香港(CNN) 中国外務省の趙立堅報道官は14日までに、新型コロナウイルスの問題に触れ、発生源は思い込まれているような湖北省武漢市ではなく米軍が持ち込んだ可能性があるとする見解をツイッターに投稿した。
  米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド所長が今月11日、米議会委員会で示した発言に言及し、そのビデオ映像も掲載した。同所長は米国内で発生した一部のインフルエンザの犠牲者と新型コロナウイルスの関係が後で判明したと述べていた。ただ、死亡の時期などには触れていなかった。
  趙氏はこれを受け、米国で「いつ感染が始まったのか? 何人が感染したのか? 病院名は? 透明性を! データの公開を!」などとツイートした。ただ、米軍の持ち込み説に関するさらなる根拠は明かさなかった。

米軍兵士の数百人は昨年10月、武漢市で開催された軍のスポーツ選手の国際競技大会に参加していた。中国外務省の別の報道官は13日、国際社会において新型肺炎の発生源については多様な意見が出ていると指摘。陰謀論めいた趙報道官の発言は中国政府の公式的な立場なのかの質問には答えず、中国は常に科学的かつ専門的な方法で対処すべきと考えているとした。
    報道官は今月4日の会見で、発生源について結論はまだ出ていないと表明。中国の著名な感染症の専門家は2月27日の会見で感染は最初に中国内で判明したたものウイルスの出所は中国でない可能性があるともしていた。
  趙報道官の上司でもある華春瑩報道局長は今月12日、ツイッター上でレッドフィールド所長の証言内容に触れ、「中国の新型コロナウイルスと呼ぶのは絶対的に間違いで不適切」とも主張していた。


2020.2.19-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200219/wor2002190016-n1.html
米政権、中国国営メディア5社を「共産党プロパガンダ機関」認定

【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は18日、中国の国営メディア5社を「中国共産党のプロパガンダ(政治宣伝)機関」と認定した。国務省は5社に対し、米国内にある外国の大使館や総領事館と同様に、米国で活動する従業員の名簿や雇用状況、米国内で保有・賃貸する不動産を届け出ることを義務付けた。
   米中は1月、貿易摩擦の緩和に向けた「第1段階」の合意文書に署名したが、今回の措置は米政権が中国の不適切な行為には厳然と対処していく構えを改めて打ち出したといえる。
   国務省によると、認定の対象となったのは新華社通信、外国語放送の中国環球電視網(CGTN)、ラジオ部門の中国国際放送、英字紙チャイナ・デーリーおよび同紙の傘下企業。
   国務省高官は今回の決定の理由について記者団に、中国政府がメディアに対する規制を強化していることや、習近平体制がこれら国営メディアを使って中国に都合の良い政治宣伝を一層積極的に展開しているためだと説明した。
  同省高官の一人は、中国政府による国営メディアに対する管理は「ますます厳格になっている」と強調。別の高官も「習近平体制になって、報道内容と編集権限に対する統制は厳しくなる一方だ」と指摘した。
   5社は、米国内で新たに不動産を購入または賃貸する際に、米政府から事前に了承を得ることも義務付けられた。
   一方、今回の措置を受け、中国政府が報復として欧米メディアに対する規制を強めてくる恐れもある。高官の一人は「外国メディアは中国国内で既に厳格な規制の下で仕事を強いられている」と語った上で、今回の措置は5社による米国内での活動を規制するものではないと説明した。


2020.2.14-福井新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020021401001221.html
米中、制裁関税の税率引き下げ-第1合意発効、貿易摩擦は休戦

【ワシントン共同】米国は14日午前0時(日本時間午後2時)すぎ、テレビや衣服など中国からの輸入品1200億ドル(約13兆2千億円)分に対する制裁関税の税率を15%から半分に引き下げた。米中貿易協議の「第1段階」合意が発効し、中国も米国からの輸入品750億ドル分に課している関税率を半減。景気悪化を回避するため貿易摩擦は休戦に入る。
 米国の制裁緩和は2018年7月に追加関税を発動してから初めて。産業機械や日用品など2500億ドル分には25%の高関税を維持し、産業政策の見直しを迫る。これに対し中国は容易に譲歩しない構えだ。米中の対立解消の道筋は見えない。


2020年1月17日-東京新聞 TOKYO WEB-https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202001/CK2020011702000172.html
米中貿易 第1段階署名 米国、制裁緩和 中国、輸入増 署名

米中両政府は十五日(日本時間十六日未明)、ワシントンで貿易協議「第一段階」の合意文書に署名した。米国は対中関税を引き下げ、中国は米国からの農産品などの輸入を二年で二千億ドル(約二十二兆円)増やす。貿易戦争の一時休戦で世界経済の減速懸念が和らぎそうだが、中国の国有企業改革といった構造問題は「第二段階」へと先送りとなった。
  二〇一八年七月に貿易戦争が始まってから米国が対中関税を引き下げるのは初めて。トランプ大統領と中国の劉鶴(りゅうかく)副首相が文書に署名した。トランプ氏は「公平で互恵的な貿易に向けた歴史的な一歩だ」と成果を強調。劉氏は「両国の意見の相違は話し合いで解決できる」との習近平(しゅうきんぺい)国家主席の書簡を読み上げた。
  トランプ氏は十一月に迫る大統領選をにらみ、中国への輸出増という通商政策の成果で、支持基盤の農家の支持をつなぎ留め、貿易赤字削減の公約実現をアピールしたい考え。中国側は貿易戦争の休戦で国内の景気悪化に歯止めをかける狙いだ。
 米国は昨年九月に発動した千二百億ドル相当の中国製品に対する制裁関税を現行の15%から7・5%に半減する。二月中旬に実施する。中国側は米国からの輸入拡大に加え、知的財産権保護強化や金融サービス開放などを実施する。合意に違反した場合、紛争を解決する方法も盛り込んだ。

産業補助金 第2弾の焦点
米国と中国が十五日署名した「第一段階」の合意で、世界経済を翻弄し続けてきた米中貿易摩擦は「一時休戦」となった。だが「第二段階」へ先送りとなった国有企業改革など中国の「国家資本主義」の根幹に関わる問題で中国が譲歩する見込みは薄く、今後の交渉次第では貿易摩擦が再燃する恐れもある。 (アメリカ総局・白石亘、中国総局・坪井千隼)

融和ムード演出
  「中国との公平で互恵的な貿易に向けた重要な一歩だ。私は大統領に立候補した際に強い行動を誓い、約束を守った」。トランプ大統領は十五日、ホワイトハウスで開かれた調印式で、中国に米国製品の輸入拡大を認めさせた成果を誇った。これに中国の劉鶴副首相も「今回の合意は米中だけでなく、世界のためになる」と融和ムードで応じた。
  二年近くに及ぶ貿易戦争の休戦を宣言した米中。大統領選が迫り、支持者向けに成果がほしいトランプ氏と景気減速に歯止めをかけたい中国の妥協の産物だ。ただ米国は中国の産業補助金など構造改革を先送りし、中国も三千七百億ドル(約四十兆円)相当の輸出品に関税を上乗せされたままで「米中関係の底流にある技術や安全保障を巡る対立は加速した」(米メディア)。
  米国は第二段階の交渉をにらみ、すでに中国包囲網づくりに動く。ライトハイザー米通商代表は十四日、ワシントンで日欧の貿易担当相と会合を開き、市場をゆがめる産業補助金に関し世界貿易機関(WTO)に規制強化を求めることで一致。過剰生産を行う産業などの補助金を厳しく規制する内容で、国際社会を巻き込み中国へ圧力を強める。

根幹では譲らず
  「米農産物の輸入増加は、中国の消費者の需要を満たす。知的財産権保護も中国経済の発展に必要だ」。中国共産党機関紙「人民日報」は十六日、中国側が譲歩した輸入拡大や知財保護などを正当化する専門家の論評記事を掲載した。「米国に譲歩しすぎだ」との批判をかわす狙いだが、実際に妥協が可能な内容だったといえる。
  中国ではアフリカ豚コレラ(ASF)の感染拡大で豚肉が高騰。米農産物の輸入拡大は、社会不安につながりかねない食料価格を安定させることになる。知財保護強化は、官民ともに急速に科学技術水準を向上させる中国にとって「企業の新たなビジネスや、研究開発を促進する」(人民日報)。
  だが第一段階で先送りになった国有企業改革や産業補助金問題は、妥協の余地がほとんどない。国有企業を民間と同列に扱うことを迫った米国に対し、中国側は「国有企業の発展を妨げる」(中国国営の新華社通信)と反発。国有企業は共産党政権を支える基礎組織であり、譲歩は政権基盤を揺るがしかねないからだ。
  また中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」を巡る問題で焦点が当たった米中ハイテク争いも、「第二段階」の交渉を困難にさせる。中国政府は、税制優遇を含む産業補助金でハイテク産業育成を進めており、成長戦略や安全保障にからむ産業補助金問題での譲歩は、容易ではないとみられる。

米中貿易合意文書の骨子
▼企業秘密保護の強化で合意
▼中国は知的財産権保護の行動計画を公表
▼相手国企業への技術移転強要を禁止
▼中国は米産農畜産品の輸入手続きを簡素化
▼中国は保険分野の出資規制を撤廃
▼輸出競争力を得るための為替操作を回避
▼中国は今後の2年で、米国からの輸入を2017年比計2000億ドル(約22兆円)増加

 (ワシントン・共同)


2020.1.16-SankeiBiz-http://www.sankeibiz.jp/macro/news/200116/mca2001162030013-n1.htm
米中もろい「休戦協定」 管理貿易に批判も 第1段階合意

【ワシントン=塩原永久】米国と中国が署名した「第1段階」貿易協定は、火種を抱えた不安定な「休戦協定」といえる。米国が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の締め付けを強め、第5世代(5G)通信技術や人工知能(AI)をめぐる米中の覇権争いは激化する一方だ。協定は中国に合意を順守させる仕組みを設けたが、これが機能しなければ、米国が「懲罰」として関税発動を再開する懸念が残る。

「華為をチェスの駒のように扱わない。安全保障問題が最優先だ」

米中が署名式を開いた15日、ムニューシン米財務長官は米CNBCテレビでそう話し、機密情報流出の懸念があるとみる中国製の排除策を緩めたり、華為問題を交渉材料にしたりする考えはないと強調した。
  ロイター通信は14日、華為への禁輸措置を発動した米商務省が、同社に対する輸出管理をさらに強化する検討をしていると伝えた。米国務省も、中国製を排除するよう求める各国への働きかけを続けており、米中両国はハイテク分野で火花を散らす。
  一方、米中が署名した貿易協定は、知的財産権の保護や技術移転強要の是正を盛り込んだ。中国政府の取り組みを検証できるようにし、紛争解決の手続きも定めている。閣僚級や次官級が定期的に協議し、違反があれば問題の深刻度に応じた対抗措置が認められる。
 ただ、違反の有無や対抗措置の妥当性は米中がそれぞれ判断し、対立が解消できなければ「協定からの脱退」(米政府高官)が最終手段となる。協定が無効となり米国が再び制裁関税を活用する可能性がある。


2020.1.16-JETRO(日本貿易振興機構-ジェトロ)-https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/01/db4ec6af45eab07d.html
米財務省、中国に対する為替操作国の認定を解除

米国財務省は1月13日、2019年下半期の報告書(為替政策報告書)を公表した。財務省は2019年8月5日、中国を為替操作国に認定していたが、今回の報告書において「現時点で中国を為替操作国に認定すべきではないと判断した」として、これを解除した。
  報告書では、米中両国は交渉を通じて、貿易と通貨の特定問題を含む第1弾の合意に達しており、この中で「中国は競争的な通貨切り下げを行わず、競争的な目的で為替レートを目標にしないという実効可能性のある約束」をし、「為替レートと外貨準備高に関する関連情報を公開することにも同意」しているとした。スティーブン・ムニューシン財務長官は、声明文において「中国は透明性と説明責任を推進しながら、競争的な通貨切り下げを行わないという実効可能性のある約束をした」と、解除の理由を説明した。
 為替操作国の認定を行うに当たっては、2015年貿易円滑化・貿易執行法に基づき、米国との物品貿易の輸出入総額が400億ドルを超える国・地域を対象に、
(1)大幅な対米貿易黒字(物品の対米貿易黒字額が年間200億ドル以上)、
(2)実質的な経常収支黒字(経常収支黒字額がGDP比2%以上)、
(3)持続的で一方的な為替介入(介入総額をGDP比2%以上かつ過去12カ月間のうち6カ月以上の介入実績)、

という3つの基準が設定されている。
  今回の報告書では、前回と同様に、3つの基準全てに該当した国はなかったが、監視リストには、前回も取り上げられた中国、日本、韓国、ドイツ、イタリア、アイルランド、シンガポール、マレーシア、ベトナムの9カ国のほか、スイスが新たに加わり、計10カ国が監視対象とされた。
  中国については、(1)のみが該当していたが、米国の貿易赤字において巨大かつ不均衡な割合を占めると米国が判断したことから、引き続き監視対象とされた。報告書では、「市場開放をより進めるための断固たる措置を講じる必要がある」と指摘した
  日本、ドイツ、韓国、イタリア、マレーシアは引き続き(1)と(2)、シンガポールは(2)と(3)の2つの基準にそれぞれ該当していたことから、前回と同様に監視対象とされた。アイルランドとベトナムは今回(1)のみに該当していたが、前回報告書で(1)と(2)に該当していたことから、引き続き監視対象となった(注1)。スイスは(1)と(2)に該当していたことから、新たに監視対象追加とされた。(注2)また、次回報告書では、アイルランドが監視対象から外される可能性があるとした一方で、今回は監視対象とされていない台湾やタイについて主要基準に抵触する可能性があるとした。
  これに加えて、1988年包括通商競争力法に基づき、各国が国際収支の実効的な調整を妨げ、不公平な競争優位を得ることを目的として、自国通貨・米ドル間の為替レートを操作しているかどうかについても検討することとされている。しかし、この基準に照らして、今回は為替操作を行っていると認定される国はなかったとした。・・・・・
  (注1)監視リストに一度挙げられた国は、少なくとも向こう2回分(1年分)の報告書で対象国として取り上げられ、3つの基準にみられる改善が一時的なものでなく、永続的なものになっているかどうかについて評価される。
  (注2)スイスは、2016年10月から2018年10月までの報告書においても、監視対象とされていた。(権田直)


2020.1.15-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200115/mcb2001151505027-n1.htm
米中「第1段階」合意 署名前から批判噴出 中国の構造改革先送り懸念

【ワシントン=塩原永久】米中両政府による貿易協議の「第1段階」合意の署名を15日に控え、米産業界や政界から合意内容への注文や批判がさっそく噴出している。中国による知的財産権保護などの構造改革が、第2段階の協議に先送りされるとの懸念が根深いためだ。11月の米大統領選挙に向けて、トランプ米大統領が防戦に回る局面も想定される。
  民主党は14日、上院トップのシューマー院内総務がトランプ大統領に、「弱い合意は米国労働者や企業に害を及ぼす」と指摘する書簡を送付したと発表した。
  シューマー氏は15日にホワイトハウスで署名を予定する米中合意で、中国に構造改革を確約させるとしてきた政権の取り組みが、不十分に終わるとの懸念を表明。中国による米農産品の大量購入を評価し、米政府が対中制裁関税の一部低減に応じる内容の第1段階合意は、トランプ政権が中国に大幅な譲歩をしたとの印象を与えかねない。
  トランプ氏の弾劾問題などで同氏と鋭く対立するシューマー氏だが、対中政策については“盟友”となってきた。米企業に対する知財窃取や技術移転の強制といった中国の貿易慣行を、シューマー氏は問題視。関税発動を辞さず中国に厳しく対処するトランプ氏に、エールを送ってきたのだ。
  それだけにシューマー氏は第1段階合意に関し、党派を超えてトランプ氏の対中交渉を称賛してきた自身の立場が「無駄骨になる」と危ぶむ。
  米産業界からも、中国に構造改革を迫る第2段階協議を急ぐよう求める声が出ている。米商工会議所のドナヒュー会頭は9日の年頭所見で、「まだ道は遠い。第2段階協議では、米企業を不利にしている中国の貿易・産業政策を是正させねばならない」と述べ、トランプ政権にくぎを刺した。
  一方、トランプ政権は「歴代政権がなし得なかった大きな成果だ」(経済閣僚)と合意内容を擁護する構えだ。だが、民主党や産業界が求める第2段階の合意について、トランプ氏は今月、ツイッターへの投稿で11月の大統領選後に先送りする考えを示した。ロイター通信によると、ムニューシン米財務長官は14日、第2段階での合意まで、計3700億ドル(約41兆円)の対中制裁関税を維持する意向を表明した。



2019.8.5-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji26/
1からわかる!「米中貿易摩擦」(後編)影響は?今後は?

  日本にとって大事な貿易相手、米中の対立はどうなるの?壁となる「赤字」と「経済の仕組み」 2つの問題って何?日本への影響は?今後どうなるの?「米中貿易摩擦」の最低限抑えるべきポイントを学生リポーターが1から聞いてきました。
・・・



2019.8.5-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/special/news_seminar/jiji/jiji6/
1からわかる!「米中貿易摩擦」【前編】そもそもの経緯は?

  「世界経済にとっていちばんのインパクトがある」「行方を注視している」-「人事が選ぶマストニュース」のコーナーで多くの企業が取り上げた「米中貿易摩擦」。マストなニュース…、これは知らなきゃマズい…。国際情勢と経済の両方に詳しい布施谷博人デスクに1から聞きました。(取材日2019年3月17日、改訂版7月16日取材)

  事の起こりは、トランプ大統領になってからです。動きが表面化したのは1年前、2018年が最初です。
  最初にトランプ大統領が問題視したのは、中国で作る鉄鋼製品でした
  鉄の棒というか、ニュースなどで見かける真っ赤なもの。あれが中国で大量に作られて、すごく安く世界にばらまかれていると彼は問題視したんです。
  それで2018年3月、その鉄に「おれは関税をかけるぞ」と始まった。
  ・・・








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