アメリカ問題-1


2024.04.14-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240414-KSXSP7ZSUJMHPOOWDUWCIFRMAE/
米議会上院両党トップが下院に緊急予算の承認要求 イランのイスラエル攻撃受け

  米上院の民主党トップ、シューマー院内総務と共和党トップのマコネル院内総務は13日、イランのイスラエル攻撃を非難する声明をそれぞれ発表し、イスラエルへの支援を含む緊急予算案を早期に承認するよう下院に要求した。

  シューマー氏は「イスラエルを助ける最善の方法は、下院が緊急予算案を可決することだ」と強調。マコネル氏は「緊急予算はイスラエルと中東に駐留する米軍に重要な資源を提供する。議会も役割を果たさなければならない」と訴えた。
  上院は緊急予算案を超党派で可決したが、下院では共和党議員の一部が反対し、審議が滞っている。(共同)


2024.04.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240404-IGWDZ2UUFVPJHDW7LWJRIKJFLE/
「トランプ空港」に改名? 米首都ワシントン玄関口、共和が法案 民主は激しく反発「連邦刑務所にしては」

  米首都ワシントン近郊のダレス国際空港を「ドナルド・J・トランプ国際空港」にすべきだ―。共和党の下院議員7人が3日までに、首都につながる玄関口の名称をトランプ前大統領の名前に改める法案を出した民主党議員は激しく反発。バイデン大統領とトランプ氏の再対決となる11月の大統領選に向け、両党の「場外戦」が激しさを増している。

  共和党が多数を占める下院を法案が通過したとしても民主党が多い上院での否決は確実で、成立は見込めない。提出した共和党議員の1人は「トランプ氏の指導力によって米国には自由、繁栄、強さがあった」として改名の意義を強調。民主党議員は、トランプ氏が4つの事件で起訴されていることから「名前を付けるなら連邦刑務所にしてはどうか」と皮肉った。
  ダレス国際空港はアイゼンハワー大統領に仕えたダレス国務長官にちなんで名付けられた。全日本空輸の日本直行便を含めて幅広い国際線が発着し、各国要人の利用も多い。(共同)


2024.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240403-SIL3KVI5DNOX3NBZ2FDASEK3EA/
米中首脳が電話会談 習近平氏「台湾問題は第一のレッドライン」

  【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は2日、中国の習近平国家主席と電話会談した。両首脳の対話は、昨年11月の米サンフランシスコ郊外での首脳会談以来。中国国営新華社通信によると、習氏は会談「台湾問題は中米関係において第一の越えてはならないレッドラインだ」と牽制(けんせい)し、「米国は『台湾独立』を支持しないという態度を確実に実行すべきだ」と要求した。

  米側としては会談で、首脳会談で合意した軍部同士を含む対話路線の継続を確認し、不測の事態の回避や「責任ある競争管理」を目指す。
  米政権高官によると、電話会談でバイデン氏は、1月に台湾の総統選で当選した民主進歩党の頼清徳副総統の就任式が5月に行われるのと前後して中国の威嚇が強まる懸念があることを念頭に、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)周辺で中国側によるフィリピン船への危険行為が相次いでいることなどへの懸念も表明する。
  また会談では、北朝鮮の核・ミサイル問題を含む地域情勢を協議ウクライナ侵略を続けるロシアが工業基盤を再構築するのを中国が支援していることが、欧州の長期的な安全保障を脅かす恐れがあるとの懸念についても話し合う
  昨年の首脳会談で合意した人工知能(AI)に関する政府間対話や気候変動問題での協力、米国で乱用が深刻化する医療用麻薬フェンタニルの密輸問題への取り組みなどについても進捗状況を協議する。
  経済分野でバイデン氏は、中国の不公正な商習慣への懸念を伝達。一方で、米中の「デカップリング(切り離し)」ではなく、経済依存によるリスクを軽減する「デリスキング」を主眼とする立場を改めて強調する。
  米中関係では、サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が1月に、ブリンケン国務長官が2月にそれぞれ王毅共産党政治局員兼外相と会談するなど、高官レベルでの対話チャンネルの維持が続いている。


2024.02.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20240214-KRWOS3NMFJPFBOYXO67J4L7PO4/
米上院、ウクライナ支援含む緊急予算案可決 トランプ氏に近い下院は困難か

  【ワシントン=渡辺浩生】米上院は13日、ウクライナやイスラエルへの支援を含む総額約950億ドル(約14兆3000億円)規模の緊急予算案を超党派の賛成を得て可決した。財源の枯渇で滞るウクライナ支援を継続するには下院での承認が必要。ただし、下院はウクライナ支援に反対するトランプ前大統領に近い野党共和党が多数派で、可決される見通しはたっていない状況だ

  緊急予算案はウクライナ支援約600億ドル、イスラエル支援約140億ドルに加え、パレスチナ自治区ガザなどへの人道支援、インド太平洋の同盟友好国支援を盛り込んだ。上院(定数100)の採決は民主党に加え共和党22人も賛成に回り、必要な60議席を上回る賛成70、反対29で可決した。
  緊急予算は昨年10月、バイデン大統領が、ウクライナなど対外支援に南部国境から記録的流入が続く不法移民対策を一括した案を議会に要請。しかし、11月の大統領選の再選を目指すトランプ氏は現政権下での不法移民対策強化に異を唱えた。トランプ氏の発言も影響して同案は7日の上院の採決で否決され、民主党の主導で対外支援に絞った予算案に切り替えた。
  ロシアの侵略が続くウクライナは兵器不足に悩んでおり、同国のゼレンスキー大統領は13日、「私たちにとり、米国の継続的な支援はロシアの侵略から人命を守ることになる」と歓迎の声明を発表し、下院での可決にも期待を示した。
  ただし、トランプ氏は最近、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛義務を軽視する発言をし、NATOが結束してきたウクライナ支援にも反対する。トランプ氏に近いジョンソン下院議長は緊急予算案に賛成しない意向を示している


2024.01.24-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20240124-Z7LF7FUAEBINJPCXNY6ROLS44I/
人類滅亡へ「残り90秒」 終末時計、最短維持

  米誌ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツは23日、緊張する中東情勢や、高度な人工知能(AI)の登場、気候変動といった脅威を分析し、人類滅亡を午前0時に見立てた「終末時計」の残り時間を「90秒」と発表した。1947年の創設以来、最短となった昨年と同じ残り時間を維持した。

  ノーベル賞受賞者を含む科学や政策の専門家らが、過去1年の世界情勢に基づいて人類滅亡までの残り時間を比喩的に決め、毎年発表している。解決に向けた行動を呼びかける狙いもある。
  2020~22年は残り100秒としていた。昨年はロシアのウクライナ侵攻や核使用への切迫感などを考慮し、針を10秒進めた。(共同)


2023.12.11-毎日新聞(KYODO)-https://mainichi.jp/articles/20231210/k00/00m/030/140000c
オスプレイ、製造過程で不正か 米司法省とボーイングが9月和解

  米航空大手ボーイングによる米軍輸送機オスプレイに使う複合材の製造過程で、必要な基準を満たさない不正があったと司法省が訴え同社が810万ドル(約11億7400万円)を支払う内容で9月に和解していたことが10日までに分かった。不正は内部告発で発覚し、AP通信によると80機以上に影響すると指摘されていた。

  和解についてボーイングはAPに「法的責任を認めたわけではない」とした。鹿児島県・屋久島沖の米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故を念頭に「日本での事故原因は依然分かっておらず、要請があれば支援の用意がある」と回答した。(共同)


2023.12.05-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20231205/k00/00m/030/029000c
米司法省、スパイ容疑で元外交官を訴追 キューバとつながりか
【ニューヨーク中村聡也】

  米司法省は4日、カリブ海の社会主義国キューバ政府の下で40年以上にわたりスパイ活動をしていた疑いなどで駐ボリビア米大使を務めた元外交官の男(73)刑事訴追したと発表した。国家機密にアクセスができて、外交政策の立案にも影響を与えていたとしている。

  訴追されたのは、南米コロンビア出身で米国籍のA容疑者。訴追状によると、1981年ごろからキューバの諜報(ちょうほう)機関のスパイとして活動を始め、偽造パスポートを使って渡航しキューバの関係者と会合したりしていた。容疑者は81年から2002年まで米国務省に勤務する傍ら、国家安全保障会議(NSC)の幹部や駐ボリビア大使などを務めた。06~12年には中南米カリブ海を管轄する米南方軍の軍事顧問に就いていた。
  司法省は「外国のスパイによる米政府への最も長期にわたる潜入(事例)の一つ」としている。ただ、容疑者がどのような情報を入手しキューバに渡していたかなどは明らかにしていない。
  事件を巡っては、情報提供を受けた連邦捜査局(FBI)が22年11月以降、おとり捜査官を通じて容疑者に接触。米国を「敵」と述べたり、キューバ革命の指導者の故フィデル・カストロ氏を「コマンダンテ」(スペイン語で司令官)と呼んで称賛したりしていたという。AP通信によると、今月1日に南部フロリダ州マイアミで逮捕されていた。
  国務省のミラー報道官は4日の記者会見で「この問題に関して、長期的な国家安全保障への影響を見極めていく」と述べた。【ニューヨーク中村聡也】


2023.11.27-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231127-VOKM4UQVVZJN5HVGXKY6CSLP6M/
米、窒素吸入による死刑を初執行へ 薬物注射の失敗相次ぎ

  米南部アラバマ州で来年1月、窒素吸入による死刑執行が実施される見通しとなった。英医学誌は世界初としている。米国の死刑で40年以上使われる薬物注射は失敗が相次ぎ、死刑囚が苦しむ事例が発生したためだ。擁護派は窒素吸入なら苦痛がないと主張するが「根拠はなく情報開示も不十分だ」との批判も出ている。

  米国で薬物注射による死刑執行が始まったのは1982年。鎮静剤と筋弛緩(しかん)剤、心臓を止める薬を注射するのが一般的だ。だが製薬会社は製品が死刑に使われるのを嫌い、流通を制限。注射の担当官の技術が未熟で失敗する事例も起きている
  昨年11月にはアラバマ州で殺人罪で有罪となった50代のスミス死刑囚が寝台に数時間固定され、何カ所も針を刺されて著しい苦痛を経験再び薬物注射による死刑執行をしないことなどを求めて訴訟を起こし、「問題を避ける現実的な手段は窒素吸入だ」と主張した。(共同)


2023.10.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20231013-QMVM5VR24BL2PME4UMJJ5HJCJM/
中露同時戦争備え軍拡提言 アジアに核兵器配備を 米議会の核戦略委報告書

  米議会が超党派で設置した戦略態勢委員会(委員長・クリードン元国防次官補)は12日、米国は核保有国のロシアと中国との同時戦争に備える必要があるとする報告書を発表した。核戦力の現代化と通常戦力の増強を進め、アジア太平洋地域に核兵器を配備すべきだと提言した。

  バイデン政権は昨年発表した核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」で核兵器の現代化に投資する一方で、軍拡競争は避けると強調していた。
  報告書は「中国による核戦力の急速な拡大とロシアが核兵器への依存を高めていることが、米国の安全保障に前例のない脅威をもたらしている」とし、2027~35年に中露の危険性が一層高まり、紛争が生じれば核戦争に発展する恐れもあると警告した。
  その上で、アジア太平洋地域での米国と同盟国の通常戦力の優位性も低下しているとし、核兵器の配備を検討する必要があるとした。(共同)


2023.09.30-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230930-QQCA44IHDRPNPJQ3QMQ4U3BAMA/
ファインスタイン議員死去 米女性政治家の草分け

  米女性政治家の草分けで、西部カリフォルニア州選出の民主党上院議員ダイアン・ファインスタイン氏が28日、ワシントンの自宅で死去した。90歳だった。在職は約31年で、女性として史上最も長く上院議員を務めた。現職上院議員で最年長でもあった。死因は明らかになっていないが、帯状疱疹の発作で健康状態が悪化していた。

  バイデン大統領は「真の先駆者だった」と業績をたたえる声明を発表。クリントン元国務長官はX(旧ツイッター)で「女性としての新境地を開拓した」と投稿した。
  上院(定数100)の勢力は無所属3人を含む民主党系50、共和党49、空席1となった。ファインスタイン氏の死去で空いた議席は、カリフォルニア州のニューサム知事(民主党)が指名するため、大勢に影響はない(共同)


2023.09.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230923-OR2U7BJ5KRISRMESU4HE3TECEA/
米「政府閉鎖」の恐れ 来月1日以降、共和強硬派が予算拒絶 ウク支援に影響も

  【ワシントン=大内清】米政府の2024会計年度(23年10月~24年9月)予算を巡る下院協議が難航し、一部の機関が10月1日以降、予算を執行できない「政府閉鎖」に追い込まれる公算が大きくなっている大幅な歳出削減でバイデン政権を追い詰めることを狙う野党・共和党の保守強硬派が、閉鎖回避に向けた当面の「つなぎ予算」に反対しているためだ。

  同派はバイデン政権が求めるウクライナ支援の追加予算承認も拒否。院内をまとめられない共和党・マッカーシー下院議長は21日、「理解できない。すべてを焼き払おうというまったく新しい考えを持った人々だ」と述べ、言葉を選びながらも身内である保守強硬派への怒りをあらわにした。
  政府予算を巡っては6月、国債のデフォルト(債務不履行)回避に向けたバイデン政権と与野党の交渉の末24会計年度の支出を23会計年度並みに抑制することなどが決まった。しかし、共和党の保守強硬派はこれに強く反発。歳出の大幅削減やウクライナ支援の停止、同派が左派的とみなす政策廃止などを主張し、予算承認を拒否している。
  共和党は下院の過半数を有するものの、民主党との議席差はわずか。来年の大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領に近い保守強硬派の中核グループは、勢力としては十数人にすぎないが、キャスチングボートを握る
  共和党は今月、「政府閉鎖」を回避し、予算成立までの時間を稼ぐため、1カ月間の「つなぎ予算」案をまとめた。裁量的経費の支出を前年度比で8%削減するなど保守強硬派の要求に配慮した内容だったが、同派はなおも反対。マッカーシー氏の21日の発言は、こうした非妥協的態度に向けられたものだ
  年度末の今月30日までに何らかの予算措置が成立しない場合、政府機関で緊急性の低い部局は閉鎖される。軍兵士や法執行機関が無給状態になるほか、ウクライナへの武器供与や災害対応、中小企業支援などにも影響する。ホワイトハウスは「下院共和党の過激派が米国をカオス(混沌)に導こうとしている」などとし、実質的に少数の保守強硬派に牛耳られた共和党を非難している。
  米有力シンクタンク「ブルッキングス研究所」によると、過去に「政府閉鎖」が複数日にわたったケースは4例ある。クリントン政権(民主)時代の1995~96年には、歳出水準を巡り政権・与党と共和党の対立が強まり、2度にわたり計26日間の閉鎖に追い込まれた。オバマ政権(民主)下の2013年には、医療保険制度改革法(オバマケア)の予算を巡る党派対立から政府閉鎖が16日間続いた。また18年末から19年1月には、トランプ政権(共和党)によるメキシコ国境での「壁」建設予算などを巡り、政府閉鎖が35日間続いた。ただしこの際は、歳出の主要部分は先行して承認されたため、閉鎖は部分的なものにとどまった。


2023.09.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230909-KBOSL4MSKNOIFH6DW3KP3HGNKM/
米、イラン産原油を押収

  米司法省は8日、イラン革命防衛隊が関与した原油取引を摘発し、タンカーで輸送したイラン産の原油98万バレル超を押収したと発表した。数百万ドルに相当するという。取引は米国が科す制裁違反に当たるとしている。

  米国は革命防衛隊をテロ組織に指定している。発表は「違法な原油取引が革命防衛隊の有害な活動を支えている」と指摘した。(共同)


2023.08.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230816-Q4ARHUSVOFJKXMLH3FDXRMXZSQ/
イランの核開発抑制を歓迎 米、軟禁5人の帰国期待

  ブリンケン米国務長官は15日の記者会見で、イランが核兵器級に近い濃縮ウランの蓄積のペースを大幅に減速させたとの報道を巡り、核開発を抑制するための「あらゆる措置を歓迎する」と述べた。報道の真偽の確認は避けた。「イランに核兵器を保有させないとのバイデン大統領の決意は変わらない」とも強調した。

  両国は囚人交換や、米国の制裁に沿って韓国で凍結されたイラン資産約60億ドル(約8700億円)の凍結解除で合意している。ブリンケン氏は、イランの刑務所から釈放され、軟禁下にある米国人5人について「数週間以内に帰国できると期待している」と述べた。
  野党共和党は、資産凍結解除がイランを利すると批判している。ブリンケン氏は、米政権の対イラン政策に変化はないと強調。凍結解除で合意した資産は、人道支援目的に使途が限られるよう厳しく監視すると述べた。(共同)


2023.07.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230709-XRM3YAGDQROU5JHN6OPSB73VHM/
米で小型機が墜落、炎上し6人死亡 カリフォルニア州の空港近く、4日前にも墜落事故

  米カリフォルニア州リバーサイド郡にある空港の近くで8日、小型飛行機が牧草地に墜落して炎上し、搭乗していた6人が死亡した。米メディアが伝えた。現場一帯は濃霧に覆われていたとみられ、操縦士が滑走路を見失った可能性もあるとみて運輸安全委員会(NTSB)が原因を調べている。

  小型機はセスナC550で、墜落したのは午前4時過ぎ。同機はネバダ州ラスベガスを出発した後、カリフォルニア州南部を飛行していた。
  空港付近では4日にも小型機が離陸直後に墜落し、1人が死亡、3人が負傷する事故があった。(共同)


2023.05.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230516-M56CPG76KVJVHH5R5VTOLYPUT4/
FBIのロシア疑惑捜査に「深刻な不備」 特別検察官が最終報告

  【ワシントン=大内清】2016年米大統領選で当選したトランプ大統領の陣営と、選挙に干渉したロシアとの共謀が疑われた「ロシア疑惑」を巡る捜査の妥当性を検証してきたダーラム特別検察官は15日、最終報告書を発表し、捜査には「深刻な不備があった」と結論付けた。報告書は、連邦捜査局(FBI)をはじめとする司法当局が共謀の存在を示す具体的な証拠がないのに強引に捜査を進めたなどとしている

  ロシア疑惑ではFBIが当初の捜査を主導し、これに反発したトランプ氏が17年に当時のコミーFBI長官を解任した。事態を受けて任命されたモラー特別検察官は19年3月、露政府とトランプ陣営の共謀を裏付ける証拠はないとする報告書を発表していた。
  トランプ氏は、共謀疑惑はFBIと民主党による「でっちあげ」だったと主張。トランプ政権末期の20年10月に特別検察官に任命されたダーラム氏は、一連の捜査に違法性がなかったかなどを調査してきた。
  報告書の発表を受けてトランプ氏は15日、自身の交流サイト(SNS)でFBIの捜査は「世紀の犯罪」だったと主張。FBIは声明で、当時の捜査に「誤り」があったと認めた上で、すでに必要な改革を行っていると説明した。


2023.03.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230315-BEAWNRLZRZNLRJTTPRQKWHLH5E/
デサンティス氏、侵略は「領土紛争」 共和知事、ウクライナ巡り波紋

  【ワシントン=渡辺浩生】米南部フロリダ州のデサンティス知事は14日までに、ロシアによるウクライナ侵略を「領土紛争」として同国へのさらなる関与は米国の「重大な国益」ではないとの見解を示した。2024年の大統領選で共和党候補指名争いへの出馬が取り沙汰されるが、ルールに基づく国際秩序を守る米国と同盟友邦国の共通の利益とするバイデン大統領との対立を鮮明にし、波紋を広げている。

    FOXニュースの人気ホストで、プーチン露大統領を擁護する発言をしたことがあるタッカー・カールソン氏が共和党候補と目される人物にウクライナに関する質問状を送り、返答をツイッターに投稿した。
  デサンティス氏は「米国の数々の重大な国益」に米国境の保護、米軍即応体制の整備、エネルギー安全保障確立、中国の経済・軍事力抑制を挙げたうえで「ウクライナ・ロシア間の領土紛争にさらに巻き込まれるのはそれら(重大国益)のひとつではない」と回答。
  「戦いの続く限り」続けるとするバイデン政権の支援を「空の小切手」の資金供給とし、「明確な目的や説明責任を欠き、最も差し迫った課題から注意をそらすものだ」と批判した。
  デサンティス氏はまだ出馬表明していないが、各種世論調査でトランプ氏に次ぐ高い支持率を維持。教育など内政課題で保守主義を鮮明にするが、外交姿勢が明らかになるのはまれだ。
  ロシアの侵略を「人道上の犯罪」としウクライナ支援への結束を「自由と民主主義を守る戦い」とするバイデン氏と相反し、支援継続や介入の拡大に消極姿勢を示す一部の保守層の声を意識したものとみられる。
  一方、トランプ氏は質問に「私が大統領だったらロシアは間違いなくウクライナを攻撃しなかった」とし、欧州は「米国がウクライナ支援に払った同額を少なくとも払うべきだ」と強調。前政権で国連大使を務め、先月名乗りをあげたヘイリー氏は「ロシアが勝利したら最も緊密な友好国の中国とイランがより攻撃的となる」とし、関与は米国の重大利益と主張した。


2023.01.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230120-BJL5T4C5EZJ23GF63GJR4PF64U/
米、装甲車や歩兵戦闘車を供与 ウクライナ追加支援3200億円

  【ワシントン=坂本一之】米国防総省は19日、ロシアの侵略を受けるウクライナに対し装甲車「ストライカー」90両など約25億ドル(約3200億円)の追加軍事支援を実施すると発表した。米軍の主力戦車「エーブラムス」は含まれなかった

  追加軍事支援ではロシア軍の戦車に対抗する歩兵戦闘車「ブラッドレー」59両や対戦車ミサイル590発も供与ウクライナ軍の防空能力を高めるため移動式防空システム「アベンジャー」8基なども支援する。
  欧州訪問中のオースティン米国防長官は20日、ドイツ西部のラムシュタイン米空軍基地で開かれるウクライナ防衛を協議する関係国会合に出席する。各国のウクライナ支援では戦車の提供が焦点となっている。


2023.01.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230118-3QERC6T6UZOPBNS6IOLPX6FXJ4/
米・ウクライナ軍トップが会談 さらなる支援策要請

  【ワシントン=大内清】米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は17日、ロシアの侵攻を受けるウクライナ軍のザルジニー総司令官とポーランドで会談した。両者が対面で意見交換するのは初めて。ウクライナ軍は今春にも大規模な反攻作戦を開始するとみられており、ザルジニー氏は会談でさらなる支援策を要請したものとみられる。

  ザルジニー氏は声明で、会談では「勝利に向けて緊急に必要なものの概要を説明した」と述べた。同氏は昨年12月、英誌エコノミストに対し、ロシア軍に打ち勝つには「戦車300両、歩兵戦闘車600~700両、榴弾砲500門が必要だ」と指摘している。
  米国は今月、ブラッドレー歩兵戦闘車50両を含む約30億ドル(約3850億円)の追加軍事支援を発表したが、ウクライナ側の求める兵器の質・量とは大きな開きがある。ウクライナとしては、軍トップ同士の信頼関係を強め、さらなる支援を引き出したい考えだ。
  ウクライナ軍にとっては防空態勢の強化も焦眉の急だ。今月14日に東部ドニエプロペトロフスク州の州都ドニプロの集合住宅に着弾した露軍のミサイル攻撃では少なくとも住民40人が死亡。露軍はウクライナ国民の士気をくじくため、各地の電力インフラへの攻撃も継続している。
  一方、米軍は17日、オクラホマ州の陸軍施設フォート・シルでウクライナ兵約100人に対する地対空ミサイルシステム「パトリオット」の使用訓練を開始した。訓練には数カ月を要する見通し。かねてウクライナが熱望してきたパトリオット配備が実現することで、両国の協力関係の強化が期待される。
  AP通信によるとドイツ国内で15日、ウクライナ兵約500人を対象に、歩兵部隊と火砲、戦闘車を効果的に連携運用するための訓練が始まった。米軍は昨年末までに約3100人に訓練を施し、今後はその規模を拡大させる方針。国防総省は17日、オースティン国防長官とミリー氏が19日、独西部のラムシュタイン米空軍基地で対ウクライナ軍事支援を協議する関係国会合を開くと発表した。



2022.12.15-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/63970609
アメリカ、ウクライナに地対空ミサイル「パトリオット」供与の見通し 米報道

  アメリカがウクライナに対して、地対空ミサイルシステム「パトリオット」を近く供与する見通しであることが明らかになった。複数の米メディアが13日に報じた。

  複数の当局者によると、ジョー・バイデン大統領が今週中にも供与について発表する可能性が高い。
  ウクライナではロシア軍の攻撃で民間人が死亡し、大規模な停電が続いている。ウクライナは以前から西側諸国に対し、さらなる防空支援を求めてきた
  「パトリオット」はアメリカの最新鋭の防空システム。供与は限定的なものになるとみられ、実際にウクライナに送られる台数はわかっていない。
  供与が承認されれば「パトリオット」は数日中にウクライナ側に送られ、ドイツ・グラーフェンヴェーアにある米軍基地でウクライナ兵が訓練を受けることになるだろうと、当局者は話している。
  ロシア政府は14日、ウクライナに提供されれば「パトリオット」はロシアにとって正当な攻撃目標になるとの認識を示した。
ロシアの攻撃が続く状況で
  ウクライナの首都キーウが複数の爆発に見舞われる中、「パトリオット」の供与をめぐる報道が流れた。ロシア軍は10月以降、ウクライナのエネルギーインフラを標的とした攻撃を繰り返している。
  ウクライナは数カ月前からアメリカに防空支援の強化を求めている。
  米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー報道官は先週、ロシアとイランが全面的な防衛協力関係を築いているとの見方を示した。


2022.12.01-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20221201/k00/00m/030/148000c
米下院民主党トップに初の黒人 指導部の世代交代進む-【ワシントン秋山信一】

  米連邦下院の民主党は11月30日、2023年1月からの新会期の党トップに東部ニューヨーク州選出のハキーム・ジェフリーズ氏(52)を選んだ。連邦上下両院で黒人が2大政党のトップを務めるのは初めて。約20年間にわたって下院民主党を率いてきたナンシー・ペロシ下院議長(82)は指導部からの引退を表明しており、懸案だった世代交代が進むことになる。

  ジェフリーズ氏は選出後の声明で「可能な時には共和党との妥協点を模索するが、過激主義には反対する」と述べた。11月8日の中間選挙で共和党が下院の過半数を奪還したため、新会期には少数派として臨むことになる。
  党下院ナンバー2の院内幹事には女性のキャサリン・クラーク氏(59)、ナンバー3の下院議員団長には中南米系のピート・アギラー氏(43)が選出された。院内総務を含めて対立候補はなく、役員経験者から順当に選出された。民主党の下院指導部は、ペロシ氏らトップ3が80代という現体制から大幅に若返ることになる。
【ワシントン秋山信一】


2022.11.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221105-3WMBDDDBFJKSVHGOHMKPKLCS4M/
米大統領補佐官がキーウ訪問 追加支援表明

  【キーウ(キエフ)=黒川信雄】米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は4日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領、イエルマーク大統領府長官らと会談した。サリバン氏は米国によるウクライナへの支援継続を表明し、4億ドル(約586億円)規模の追加の軍事支援を実施すると発表した。米国の軍事支援は、ロシアがウクライナ侵攻開始後計182億ドルを突破した。

  ロイター通信によると、サリバン氏は「ウクライナへの米国の支援は今後も揺るがず、断固としたものであると確信している」と強調した。米国では8日の中間選挙を前に、一部の議員がウクライナ支援の見直しを求めており、ウクライナ側の懸念を払拭する狙いがあるとみられる。
  イエルマーク氏は4日夜、ツイッターで「サリバン氏の訪問は極めて重要なシグナルだ」と述べた。
  今回の追加支援は、ウクライナに供与するチェコ保有の旧ソ連製T72戦車45両を近代化改修する費用や、旧式のホーク地対空ミサイルの改修費、自爆型無人機フェニックス・ゴースト1千機などが含まれる

  オランダも米国とは別にチェコのT72戦車45両の改修費を負担し、ウクライナに供与する。


2022.11.01-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/63466790
ペロシ米下院議長宅で夫襲撃の男、殺人未遂や誘拐未遂で訴追

  アメリカ司法省とカリフォルニア州サンフランシスコの検察は10月31日、米政界の実力者、ナンシー・ペロシ下院議長(民主党)と夫ポール氏(82)の自宅に押し入り、ポール氏に重傷を負わせた男を、殺人未遂や連邦政府職員の家族への暴行など、複数の罪状で訴追した。男はペロシ議長への誘拐未遂罪にも問われることになった。

  司法省とサンフランシスコ地検によると、A容疑者(42)は28日未明、サンフランシスコ市内にあるペロシ夫妻の自宅に押し入り、夫ポール氏をハンマーで襲い、重傷を負わせた。ペロシ議長を探して「ナンシーはどこだ」と叫びながら、犯行に及んだ疑い。
  警察は犯行動機を捜査中だが、「無作為の行動ではなかった」としている。司法省は、容疑者を連邦法違反2件で訴追。連邦職員の公務への報復としてその家族を襲撃した罪については、有罪になった場合、最高30年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。ペロシ議長の誘拐未遂でも訴追され、この最高刑は禁錮20年

  サンフランシスコ地検はこれに加え、殺人未遂や高齢者虐待など6件の罪で訴追。罪状はさらに増える可能性があるという。ブルック・ジェンキンス地方検事は、犯行は「政治的な動機によるもの」のようだとして、容疑者は「平行して複数の罪状で起訴されることになる」と説明した。
  司法省によると、容疑者は逮捕時にテープ1巻、白いロープ、2本目のハンマー、複数の結束バンドを所持していた。ペロシ下院議長を人質に取り、自分に「うそをついた」場合は「彼女の膝頭」をたたき割るつもりだったと、容疑者は供述しているという。
  こうしてペロシ議長が負傷した場合、連邦議会に入る際には車いすを必要とすることになり、それは他の政治家へのメッセージになるはずだと、容疑者は警察に話したという。ポール氏は頭蓋骨を骨折し、右腕と両手に重傷を負った。ペロシ議長は事件当時、東海岸のワシントンにいたが、事件を知り、夫ポール氏が搬送された病院に急いだ。
  ペロシ議長は31日夜に声明を発表し、病院スタッフに感謝したうえで、「ポールの容体は順調に改善しています。回復にはこれから長い時間がかかるはずです」と述べた。
  捜査関係者によると、容疑者はペロシ議長のほかにも複数の政界幹部を襲撃対象にしたリストを作成しており、今回の事件以外にも襲撃を計画していた可能性がある。BBCがアメリカで提携するCBSニュースに、捜査筋が話した。
  A容疑者は現在、サンフランシスコの留置施設に勾留されており、11月1日に出廷する予定だ。警察への通報は28日午前2時23分。調べによると、男はガラスの扉を割って侵入したとみられている。
  ポール氏は事件後、警察に対して、見たことのない男が寝室に侵入してくるまで自分は寝ていたと説明した。トイレに行く必要があると男に伝え、そこにあった携帯電話から緊急通報番号「911」にかけたという。
  現場に急行した警官たちは、ポール氏と容疑者がハンマーをつかんでもみあっているのを発見。容疑者がハンマーを奪い、ポール氏を攻撃したという。警官たちが容疑者を取り押さえ、ハンマーを取り上げたところ、ポール氏は意識を失い床に倒れていたという
  メリーランド州ボルティモア出身のペロシ氏は、1987年からサンフランシスコを地盤に下院議員を務め、地元と首都ワシントンを行き来している。2007~2011年と2019年1月以降、下院議長として、大統領権限の継承順位2位にある。
  来月8日の中間選挙を前に、全米各地の民主党議員らと、資金集めや選挙活動を続けていた。
  夫のポール氏は、ベンチャーキャピタル会社の創業者で億万長者。生まれ育ったサンフランシスコで、主に暮らしている。夫妻は1963年に結婚し、5人の子供がいる。ペロシ氏は、ポール氏の投資による資産もあわせ、最も裕福な下院議員の1人となっている。

  アメリカでは今月8日、連邦議会の上院の一部と下院の全議席が改選対象の中間選挙が行われる。その直前に、大統領権限の継承順位2位の下院議長をねらった襲撃事件が起きたことから、政治的暴力の悪化が懸念されている
  議長宅襲撃からまもなく米政府は、「イデオロギー的な怨恨」を動機にした人間が、選挙の候補や選挙職員に対して「過激主義による暴力」を働く「危険が高まっている」として、全国の捜査機関に注意喚起した。
  BBCは、A容疑者の名前で作成されたブログやウエブサイト、ソーシャルメディアのアカウントを確認。そこには、反ユダヤやホロコースト否定の内容が大量に掲載され、極右ウエブサイトや「Qアノン」といった陰謀論への言及も多く書き込まれていた
  容疑者はこのほか、2020年米大統領選に関してすでに広く否定されている不正選挙の主張や、極右や過激主義に一般的な主張を多数書き込んでいた。
  議長宅襲撃後、事件の内容についてもさまざまな虚偽の主張が、インターネットで拡散されている。
(英語記事 Nancy Pelosi: Man charged with attempted kidnap and assault


2022.10.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20221029-4FDAWGMHOZLRRDXFWNSWOFAAGA/
米、405億円追加支援 ハイマース砲弾など

  バイデン米政権は28日、ウクライナに対し、高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の砲弾を含む約2億7500万ドル(約405億円)の追加軍事支援を発表した。

  米国の軍事支援は、ロシアによる2月24日の侵攻開始後、今回分を含め約179億ドル(約2兆6393億円)に上った。ブリンケン国務長官は声明で、高性能地対空ミサイルシステム「NASAMS」を来月供与すると説明した。(共同)


2022.10.29-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/10f16e6b2d9a6e84a8aa5262ebc2cf75ecbf2977
米中間選挙 男がペロシ下院議長宅を襲撃、夫に重傷 トランプ氏の不正主張支持、中間選挙に影響も

  【ワシントン=大内清】米西部カリフォルニア州サンフランシスコにある民主党のナンシー・ペロシ下院議長(82)宅に28日未明、男が押し入り、「ナンシーはどこだ」などと叫びペロシ氏の夫ポール氏(82)をハンマーで殴りつけた。男は駆け付けた警察に殺人未遂などの容疑で逮捕された。

  ペロシ氏はワシントンにいて無事だった。 米メディアによると、男はSNS上で、2020年大統領選で「不正があった」とするトランプ前大統領の主張を支持する投稿や、トランプ氏支持者による昨年1月の連邦議会襲撃事件を調査する下院特別委員会を非難する投稿を繰り返していた。
  来月8日に中間選挙を控える米国では政治分断の固定化が進む。今回の事件は、バイデン現大統領の当選を覆すことを狙った昨年の議会襲撃でトランプ氏支持者の標的の一人にもなったペロシ氏を狙った政治暴力だとの見方が強い
  サンフランシスコ市警の発表などによると、男はA容疑者(42)。同容疑者は犯行時、不在だったペロシ氏が帰宅するまで待つとしてポール氏を縛り上げようとしたという。ポール氏は頭部に重傷を負い、搬送先の病院で手術を受けた。
  市警は連邦捜査局(FBI)などと連携し動機などの捜査を進めるとしている。 同容疑者のSNSへの投稿には、20年大統領選が「民主党に盗まれた」とする共和党トランプ派の主張を支持するものや、世界のエリートが人々を支配するのに新型コロナウイルスを利用しているなどとする陰謀論が含まれていた。
  米統計分析サイト「ファイブサーティーエイト(538)」によれば、中間選挙で連邦上下両院や各州知事・州務長官などの座を争う共和党候補約550人のうち、トランプ氏の不正主張に賛同する候補は少なくとも約36%に上る。
  バイデン氏の勝利を「完全に認める」とする候補は約14%にとどまり、それ以外の多くはトランプ氏支持者が離反することへの恐れなどから態度を明確にしていないのが実情だ。 中間選挙で苦戦を強いられる民主党や共和党の反トランプ派は、法的にも決着がついた選挙結果を認めない候補が大量当選する事態は「民主主義の危機だ」と訴えてきた。今回、トランプ派の主張に触発されたとみられる事件が現実に起きたことは、最終盤に入った選挙戦の行方に影響する可能性がある。


2022.10.21-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d3ad0489c964c8e88a0700e0614a5bb92b791b01
クリントン氏、ウクライナ問題で日本に期待 台湾侵攻は「結果伴う」と警鐘
(黒沢潤)

  高松宮殿下記念世界文化賞の国際顧問を務めるヒラリー・クリントン元米国務長官は21日までに、都内でフジテレビと産経新聞のインタビューに応じた。ロシアによるウクライナ侵略をめぐり、先進7カ国(G7)の来年の議長国日本に事態打開に向けた指導力を発揮するよう期待するとともに、中国が台湾侵攻に踏み切った場合、「(相応の)結果が伴う」と警鐘を鳴らした。

  クリントン氏はウクライナ侵略に関し、「21世紀の今日、隣国に侵略できるとなれば、ほかの攻撃的な国々への危険なシグナルとなる」と強調。日本が来年1月から、G7議長を務めることにも言及し、事態打開に向け存在感を発揮すべきとの認識を示した。
  プーチン露政権が核兵器を使用するとの懸念が強まるが、「使用は差し迫ったものでなく、脅し」との見方を披露。
  一方、実際に使用された場合、「ロシアには破滅的な事態がもたらされる」と警告した。 
   中国の習近平国家主席は開催中の共産党大会で台湾情勢に関し、「武力行使の放棄を約束しない」と言明した。これに対し、台湾近海が日本にとってもエネルギーや物資輸送の重要航路であると指摘し、「航路の妨害や、台湾への侵攻・民主主義の破壊は(相応の)結果が伴う」と述べた。
  中露2国が極東地域で軍事演習を実施し、北朝鮮が弾道ミサイルを発射するなど、日本への脅威が高まる中、「日米は軍事演習などを通じ、結束しているとのメッセージを(明確に)送ることが必要」とも語った。
  米国で来月行われる米中間選挙で、クリントン氏の民主党は厳しい戦いを余儀なくされている。政権与党が厳しい審判を受ける「歴史上の先例」が米国にはあると述べた上で、多くの共和党候補が掲げる提案は世界が直面する現実から乖離(かいり)していると批判した。 2024年の大統領選で、自身が出馬することは否定。共和党のトランプ前大統領について「混乱を引き起こし、国家を分断し、真実でないことを口にする」とし、トランプ氏が大統領選に出馬しても勝利を望まない、と述べた。
(黒沢潤)


2022.09.29-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a0804af9c049e06e25b7fdcb619d8de1ab2081ff
不法移民で米「南北」対立 南部の共和知事、民主地盤の北東へ移送

  【ワシントン=渡辺浩生】メキシコ国境を越え米国に不法入国する移民が未曽有のうねりとなりバイデン米政権の「無策」を批判する南部の共和党の州知事は、移民に寛容とされる民主党が地盤とする北東部各地に、バスや飛行機で送り込む強硬手段に出た

  民主党は「人権問題」と非難しており、11月の中間選挙に向けて、移民の扱いをめぐる南北戦争」が過熱している。
  東部マサチューセッツ州マーサズ・ビンヤード島に9月14日、ベネズエラの移民の約50人が飛行機で着いた。富裕層の多い島の住民から支援を受けた後、米軍基地内の施設に移された。
  飛行機は南部テキサス州サンアントニオを離陸。フライトを用意したことを南部フロリダ州のデサンティス知事(共和党)が認めたテキサスからフロリダへの移民流出を阻止する目的で、同知事は16日、「これはほんの始まりだ」と述べ、州予算を使い移送を続ける方針を表明した。
  移送先の候補にはバイデン大統領の地元、東部デラウェア州も含まれるとした。
  11月の州知事選で再選を目指し、2024年大統領選でトランプ前大統領と並ぶ有力候補とされるデサンティス氏は、テキサス州のアボット知事(同)と「連携する」とした。 アボット氏は西部アリゾナ州のデューシー知事とともに、首都ワシントン、ニューヨーク、シカゴなどの都市に不法移民をバスで送致。9月15日朝にはワシントンのハリス副大統領の公邸近くなどに2台の移民バスが到着した。

  アボット氏も移送したと認め、「政権はテキサスの共同体を危険に陥れた南部国境の歴史的危機を無視し続けている」と非難した。ハリス氏が以前、「国境は安全だ」と発言したことに反発したとみられる。
  9月中旬までにワシントンへ約9400人が移送されたといい、ワシントンのバウザー市長は「国境の危機をここで対処するにはインフラが必要だ」と緊急事態を宣言。移民の住居確保に追われた。記録的な移民流入に危機感を持つ南部州は、不法移民への市民権付与を唱え、リベラル勢が強い北東部が「われわれの苦悩を味わうべきだ」(デサンティス氏)と突き放す。
  米税関・国境取締局によると、米南西部国境における22会計年度(昨年10月~今年7月末現在)の拘束件数は約200万件。21年度(20年10月~21年9月末)の173万件を超えた。 本国の経済危機や権威主義政権による抑圧が背景にあり、米紙ウォールストリート・ジャーナルによると1日約5千人が不法に国境を越え、半数以上が本国送還されず難民申請のため米国滞在が許されるという。
  一方、マーサズ・ビンヤード島に送られた移民は、行く先を知らされなかったと人権団体に証言したとされ、米政権は「人間を政治的な売名行為に利用している(ジャンピエール報道官)とデサンティス氏らを非難民主党内には「人身売買」だとして司法省に調査を求める声もある。移民をめぐる「南北」の溝は政治分断を一層深めている。


2022.08.24-読売新聞-https://www.yomiuri.co.jp/world/20220824-OYT1T50123/
米がウクライナに4100億円追加支援、過去最大規模…長期戦に備え武器・弾薬中心

  【ワシントン=田島大志】複数の米メディアは23日、米政府がロシアの侵略を受けるウクライナに対する30億ドル(約4100億円)規模の追加軍事支援を24日にも発表すると報じた。一度の支援額としては過去最大となる。

  侵略開始から半年とウクライナの独立記念日に合わせたもので、米国として強力な支援を継続する姿勢を国際社会に示す狙いがある。
  報道によると、今回は米軍の在庫から供与する形ではなく、新たに契約して調達する。提供時期が遅くなるため、長期戦に備えた武器や弾薬が中心となる。

  バイデン政権はこれまでウクライナに対し、106億ドルの軍事支援を発表している。


2022.08.20-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/acaa2733bd3053f90cec3687e1059daedb3330cc
米が無人機など1千億円分ウクライナに供与

  【ワシントン=坂本一之】バイデン米政権は19日、ロシアの侵略を受けるウクライナに対し、無人偵察機「スキャンイーグル」15機や耐地雷装甲車「マックスプロ」40両、対戦車ミサイルなど最大7億7500万ドル(約1060億円)の追加軍事支援を実施すると発表した。バイデン政権による対ウクライナ軍事支援の総額は、計106億ドル規模となった。

  米軍がスキャンイーグルとマックスプロをウクライナに供与するのは初めて。 ロシア軍はウクライナ南部や東部に多数の地雷を敷設しており、無人偵察機で敵情を把握し、装甲車で地雷原を突破する能力の強化を通じ、ウクライナ軍による南部ヘルソンの奪還作戦を後押しする狙いがあるとみられる。

  ロシア軍の防空レーダー基地の破壊に向け、ウクライナ軍が保有するミグ戦闘機に搭載可能な対空レーダーミサイル「HARM(ハーム)」も供与する。 105ミリ榴弾砲16門と砲弾3万6千発、対戦車ミサイル「ジャベリン」1千基、高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の弾薬なども供与する。
  ブリンケン国務長官は19日の声明で「ウクライナの人々が国を守るために必要な支援を続ける」と表明。また、プーチン露大統領は「民間人に悲痛な損害」を与え、民間インフラを破壊していると批判した。


2022.08.11-goo ニュース(KYODO)-https://news.goo.ne.jp/article/kyodo_nor/world/kyodo_nor-2022081101000177.html
台湾の現状変更「させない」 米下院議長、中国を批判

  【ワシントン共同】ペロシ米下院議長は10日、中国が台湾に軍事圧力をかけていることについて「ニューノーマル(新常態)」をつくり出し、一方的な現状変更を図っていると批判し「そうはさせない」と強調した。「台湾を孤立させることは許さない」とも述べ、台湾を支え続ける考えも表明した。」

  ペロシ氏は共に訪台したミークス下院外交委員長、タカノ下院退役軍人委員長らと議会で記者会見した。結果として中国の軍事活動を招いた自身の訪台の理由については「台湾をたたえ、米国との友好を示すためだった」と説明した。


2022.06.29-Yahoo.!Japanニュース(REUTERS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/44a722a5a095f46b443c980ce8516d53c89d63a3
米テキサス州の移民死者51人に、メキシコ国籍の容疑者2人起訴

  [サンアントニオ 28日 ロイター] - 米テキサス州で熱波の中で放置された大型トレーラーの中から不法移民とみられる遺体が多数発見された事件で、当局は28日、少なくとも51人が死亡したと発表した。

  メキシコ側から密入国したばかりとみられており、関与の可能性があるメキシコ国籍の容疑者2人が米国で起訴された。
  遺体はテキサス州サンアントニオ郊外で27日に発見された。死者のうち39人は男性、12人が女性で、移民の密入国では近年で最も多くの犠牲者が出た事件の一つとなった。
  裁判所資料や米当局の話によると、被告2人は米国に不法滞在中に銃器を所持した罪で起訴された。
  メキシコ当局者によると、トレーラーを運転していた米国人は入院中だが、起訴される見込み。 トレーラーは鉄道線路の近くに放置され、現地の気温は摂氏40度に迫っていた。
   バイデン大統領は28日声明を発表し、「恐ろしく、悲痛な」事件と強調。「利益のために脆弱な人々を搾取することは恥ずべきことだ」と非難し、密入国のあっせん業者を取り締まると強調した。 死者のうち27人以上がメキシコ人、3人がグアテマラ人、4人がホンジュラス人とみられる。3国の当局が明らかにした。

  米税関・国境警備局(CBP)の高官らによると、トレーラーには約100人の移民が乗っていた可能性があるものの、正確な数字は不明という。
  米・メキシコの当局者によると、移民は最近メキシコから越境し、トレーラーで働く場所に連れて行かれるところだったもよう。 バイデン政権にとって不法移民流入の抑制は難しい課題となっている。


2022.06.02-Yahoo!Japanニュース(読売新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/d98e67b8f2b8650116d7e1d501ca8d4f0453d0cf
アメリカ、ロシアにサイバー攻撃…ナカソネ司令官「攻撃的な作戦を実施」

  【ワシントン=蒔田一彦】米サイバー軍のポール・ナカソネ司令官は、英民放スカイ・ニュースが1日に報じたインタビューで、ウクライナへ侵攻したロシアに対し、「攻撃的な作戦」を実施したと明らかにした。ウクライナ支援の一環で、2月のウクライナ侵攻開始以降、米軍がロシアに対するサイバー攻撃作戦の実施を認めたのは初めてとみられる。

  ナカソネ氏はスカイ・ニュースに対し、「我々は、攻撃、防御、情報など、あらゆる領域で作戦を実施してきた」と述べた。ナカソネ氏は作戦の詳細は明らかにしなかったが、米国防総省の決定した政策に基づくものだと説明した。
  米政府はこれまで、ロシアのサイバー攻撃から防御するためにウクライナを支援していることを認めていた。ウクライナ侵攻後、ロシアでは政府機関などを対象にしたサイバー攻撃が相次いでいる。米欧の関与を主張してきたロシアが、米国への報復としてサイバー攻撃を仕掛ける可能性もある。
  米国のカリーヌ・ジャンピエール大統領報道官は1日の記者会見で、ロシアに対するサイバー攻撃は、ウクライナを巡る戦闘に米国が直接関与しないとしてきた従来の方針に反するのではないかと問われ、「そうは思わない」と述べた。


2022.05.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220517-TTQHTA5JHBPAXMCYTZJAAUYTIA/
バイデン政権、キューバ政策見直し 送金・渡航など緩和、トランプ時代から転換

  【ワシントン=大内清】バイデン米政権は16日、キューバへの渡航や送金に関する制限を緩和するとともに、キューバ人への米国ビザ(査証)発給数を増加させると発表した。昨年の政権発足時から進めていたキューバ政策の見直しを受けた措置。トランプ前政権下での強硬路線からの転換を鮮明にした形だ。

  キューバをめぐっては、民主党のオバマ政権が2014年、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長(当時)と関係正常化を進めることで合意し、外交関係の再開などが実現した。しかし、17年に就任したトランプ前大統領が制裁強化に方針を転換。バイデン大統領は就任前、キューバ政策を再び融和路線に引き戻す考えを示していたが、キューバで昨年発生した大規模な反政府デモが同国政府によって弾圧されたことなどを受けて明確な政策変更を打ち出せずにいた。
  今回の措置について与野党議員などからは、早くも「独裁政権への誤ったシグナルだ」との指摘が相次いでいる。これに対し米政府高官は16日、米国からの送金がキューバ政府を経由しないようにするなど「人権侵害を助けることにならない方法をとる」と強調した。


2022.05.10-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220510/k10013618411000.html
アメリカで「武器貸与法」成立 ウクライナへの支援が加速へ

  アメリカで、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナなどに対して軍事物資を迅速に貸与することを可能にする法律が成立しました。
  バイデン大統領は「ウクライナへの支援は今が極めて重要なときだ」と述べて、支援を加速させていく考えを示しました。

  ウクライナを支援するための「レンドリース法=武器貸与法」は、ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナや近隣の東欧諸国に対して、来年9月末までの間、軍事物資を貸与するための手続きを簡略化し、迅速に提供することを可能にするものです
  バイデン大統領が9日、ホワイトハウスで署名し、法律が成立しました。
  「武器貸与法」は、第2次世界大戦中にも制定され、ナチス・ドイツと戦うイギリスなどに対して武器や装備を提供し、大きな役割を果たしたとされています。
  バイデン大統領は法律について「ウクライナの人々がプーチン大統領による残虐な戦争から民主主義を守るための重要な手段を提供することになる。今が極めて重要なときだ」と述べて、ウクライナへの支援を加速させていく考えを示しました。
「武器貸与法」とは
  アメリカの「レンドリース法=武器貸与法」は、第2次世界大戦中の1941年、ナチス・ドイツと戦うイギリスが武器を賄う資金の不足に追い込まれ苦戦を強いられる中で、制定されました。
  当時のルーズベルト大統領は「アメリカが民主主義の偉大な兵器庫になるべきだ」として、軍事支援の必要性を訴えました。
  この法律のもとでアメリカからイギリスなど連合国へ供給された武器や装備品といった物資は1945年までに総額およそ500億ドルに上り、連合国勝利の要因のひとつになったとも言われています。
  またドイツと戦っていたソビエトに対する支援にも適用されました。当時の法律は効力を失っていますが、今回、ウクライナに対する軍事物資の供給に必要な手続きを簡略化するため、新たな「武器貸与法」が制定されました。
  ことし2月にロシアが侵攻を始めて以降、アメリカによるウクライナへの軍事支援は合わせておよそ38億ドル、日本円にして4900億円あまりに上っていますが、新たな「武器貸与法」によって、大統領の権限でより迅速に支援を提供することが可能になります
  署名にあたってバイデン大統領は「ウクライナの人々が民主主義を守るための重要な手段を提供することになる」と述べ、アメリカが軍事支援をさらに推し進めるという決意を表明した形です。


2022.05.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220507-TK5J2LUBZ5MLVF6JYZMMC5BNFM/
米、ウクライナに200億円追加支援 砲弾、レーダーなど

  【ワシントン=大内清】バイデン米政権は6日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、新たに約1億5000万ドル(約196億円)相当の武器などを供与すると発表した。これにより、侵攻が始まった2月24日以降の米国からウクライナへの軍事支援額は計38億ドルに達する。バイデン大統領は声明で、ウクライナがロシアとの戦闘の「次の段階」で成功を収めるためには「途切れることなく武器と弾薬を届ける決意」が必要だとし、今後も国際社会による支援を主導する考えを強調した。

  国防総省によると新たな支援には、すでにウクライナ軍への供与が進んでいる155ミリ榴弾(りゅうだん)砲の砲弾2万5000発や、対砲レーダー3基、妨害電波を発信するジャミング装置などが含まれる。

  バイデン氏は4月28日、ウクライナへの軍事・経済・人道支援のために約330億ドルの追加予算を求める考えを表明。議会に対し、早期に法案を通過させるよう働きかけを強めている。


2022.05.03-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ5364SLQ53UHBI00Y.html
記念日にロシアが戦争宣言すれば……「大きな皮肉」と米国務省報道官

  ウクライナ侵攻を続けるロシアが5月9日に第2次世界大戦の対独戦勝記念日を迎えることについて、米国務省のプライス報道官は2日、「(ロシアがこの日を)プロパガンダに使うためになんでもすると確信する理由が十分ある」と述べた。ロシアが正式に「戦争」を宣言する可能性については「宣言すれば大きな皮肉になる」とした。

  プライス氏は会見で、ロシアが戦場での失敗やロシア経済への影響などから目をそらすためのプロパガンダを展開していると指摘。戦勝記念日にロシアが軍事的に大規模な動員を図ったとすれば(ロシアの)戦争が失敗し、苦戦していると、世界に明らかにすることに等しい」と述べた。
  ロシアは9日にウクライナでの「勝利」を宣言するため、戦果を急いでいるとされてきた。だが、戦況の一進一退が続いているため、これまで侵攻を「特別軍事作戦」と称してきたロシアが9日に正式に「戦争」を宣言して、攻勢を強めるとの予測が出始めている。(ワシントン=清宮涼)

2022.04.29-BBC NEWS Japan-https://www.bbc.com/japanese/61267600
バイデン米大統領、ウクライナ支援に4兆3000億円の追加予算承認求める

  ジョー・バイデン米大統領は28日、ウクライナへの軍事・経済・人道支援を強化するため、330億ドル(約4兆3000億円)の追加予算承認を連邦議会に求めると発表した。一方で、アメリカが「ロシアを攻撃」するわけではないと強調した。

  ホワイトハウスで演説したバイデン大統領は、ウクライナの自衛力を助けるための追加支援を、米議会が承認することが「何より大事」だと強調した。追加予算には軍事援助に約200億ドル超、経済援助に85億ドル、人道援助に30億ドルなどが盛り込まれている。

  「ウクライナの自由のための戦いを支援するため、この予算案が必要だ」とバイデン氏は述べ、「北大西洋条約機構(NATO)の同盟諸国や欧州連合(EU)のパートナーたちも相応の費用負担をすることになるが、これは我々がやらなくてはならないことだ。同盟を率いる役割を果たさなくてはならない」と呼びかけた。
  「この戦いの費用は安くない。しかし侵略に屈するのは、そのような事態を許してしまったら、はるかに高くつく」
  また、「侵略者はロシアだ。ごまかしようがない。ロシアが侵略者だ。そして世界はロシアに責任を取らせなくてはならない、そのようにする」とバイデン氏は強調した。
  アメリカ政府はこれまでにも様々な援助をウクライナに提供してきたが、今回の提案は支援の規模を一気に拡大するもの。
  バイデン氏は、アメリカがすでにウクライナに提供してきた軍事援助は、ロシアがウクライナに送り込んだ戦車1台につき対戦車兵器10基に相当すると説明した。
核戦争への懸念
  ただしバイデン氏は、アメリカがロシアを攻撃するわけではないと強調。「我々は、ロシアの侵略に対するウクライナの自衛を助けている」と述べた。さらに、「核兵器の使用について、誰もいい加減な発言をするべきではない」とくぎを刺した。

  ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相はこのところ、核戦争のリスクについて言及を繰り返し、西側がウクライナを通じた代理戦争をロシアに対して展開していると発言。27日にも、ウクライナをめぐる核戦争の「深刻な」リスクは「過小評価」できないと述べた。ほかにもロシア要人や著名人が国営テレビなどで、核攻撃や総力戦などに言及することが増えている。

  これについて記者団に心配かどうか質問されると、バイデン氏はロシア要人のそうした発言は「真実ではない」としながら、「ただしロシアが当初の目的をまったく果たせず大失敗したことについて、ロシアがいかに破れかぶれになっているかがうかがえるので、心配だ」と答えた。
  バイデン氏はさらに、ロシアが欧州諸国を「天然ガスで恐喝」していると批判。ロシアはこのほど、ポーランドとブルガリアへのガス供給を停止した。
  「(西側による)制裁から脱出するためロシアが諸外国を脅したり恐喝したりすることを、我々は許さない。ロシアが自国産の石油やガスを使って、自分たちの侵略行為の責任を回避することを、我々は許さない」と、バイデン氏は強調した。
  ロシア外務省報道官は28日、西側諸国によるウクライナへの軍事支援は「大陸の安全保障」を脅かすものだと批判した。
押収資産をウクライナ再建に
  アメリカは2月末以降、計37億ドル相当の軍事・安全保障援助をウクライナに提供してきた。3月半ば4月半ばにはそれぞれ計8億ドル相当の軍事支援を重ねたほか、4月半ばには5億ドルの経済支援も提供した。

  また、ロシア要人の資産凍結など様々な経済制裁を他の西側諸国と共に発動してきた。28日には新たに、ロシア政府と親密な資産家(オリガルヒ)の資産を速やかに押収・売却し、その対価をウクライナに送金する仕組みを発動した。これによって米政府は、「ロシアの侵略でウクライナが受けた被害を回復」するために押収したロシア富豪の資産を利用できるようになるという。
  EU加盟諸国を含め西側各国は、美術品や不動産、ヘリコプターや豪華ヨットなど、ロシア富豪の巨額資産を合同で追跡してきた。
  ホワイトハウスによると、米政府はこれまでに時価100億ドル相当の船舶・航空機を制裁した。EUは300億ドル以上のロシア資産を凍結したという。
アメリカの経済縮小
  一方でアメリカ経済は現在、苦しい状況にある。米商務省の経済分析局(BEA)が28日に発表した統計によると、今年1~3月期の同国の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は前期比年率換算で1.4%減だった。
  それでも連邦議会は、今回の追加予算措置を承認するだろうと、BBCのアンソニー・ザーカー北米特派員は指摘する。
  「大統領は国内の優先課題について議会の予算承認を得るのに苦労しているが、議会はウクライナ軍事支援の予算についてはいくらでも承認する姿勢のようだ」とザーカー記者は述べ、「330億ドルは相当の額だが、これまでの例にならうなら、比較的速やかに認められるだろう。民主党が何か無関係の支出項目を追加しようとしない限り」と説明した。


2022.04.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220415-BGPIN4DQE5MZRFOUMOY24DM6FI/
中国の台湾侵攻「起きないよう手段講じる」米補佐官

  サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は14日、ワシントン経済クラブの会合で、ロシアのウクライナ侵攻に関連して中国が台湾に武力侵攻した際の対応を問われ、「それ(侵攻)が起きないよう、あらゆる手段を講じる」と述べた。

  サリバン氏は、中国はウクライナ情勢を注意深く観察し、台湾有事にどう適用するか「教訓」を得ようとしているとの見方を示した上で、「ウクライナと台湾の情勢は同じではない」と指摘。米台関係は、台湾関係法に基づいていると強調した。同法は米国の国内法で、台湾への防御的な武器の供与などを定めている。サリバン氏は関係諸国が「世界のどこであれ、いかなる侵略も容認できないとの明確なメッセージを送る必要がある」とも述べた。
  台湾の外交部(外務省に相当)は15日、サリバン氏の発言に「心からの感謝を表明する」との声明を発表した。(ワシントン支局)


2022.04.13-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220413-AIJ37HUY4FL5FAMARYTVOEGIVQ/022.04.
ガスマスク姿で発煙筒 地下鉄発砲事件でNY市警が重要参考人を公表

  米ニューヨーク市南部ブルックリンの地下鉄車内と駅ホームで12日朝(日本時間同夜)、発砲事件があり、市警幹部によると23人が負傷した。うち10人が銃撃を受けており、5人が重傷だが、いずれも命に別条はない。犯人は逃走。市警は重要参考人として黒人の男(62)の氏名と顔写真を公表、情報提供を呼びかけた。

  スーエル市警本部長は記者会見で「現時点ではテロとしての捜査はしていない」と述べた。動機の解明を急ぐ。
  スーエル氏らによると、事件は12日午前8時半ごろ発生。市南部ブルックリンの駅に向かっていた通勤ラッシュの地下鉄車内でガスマスクを着用した男が、バッグから出した発煙筒をたき、煙で充満した車内と駅のホームで拳銃を33発発砲した。現場付近で黒人の男が借りたワゴン車の鍵が見つかり、車もブルックリンで発見された。(共同)


2022.03.31-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20220331-BF7V2ITYZZJRPO2U5RVNQVMQZI/
米、600億円追加支援 ウクライナと首脳電話会談

  バイデン米大統領は30日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、5億ドル(約600億円)の追加財政支援を実施すると伝えた。ウクライナ防衛に必要な追加軍事支援の在り方についても協議。ゼレンスキー氏はロシアとの停戦交渉の進捗状況を説明した。ホワイトハウスが発表した。

  ゼレンスキー氏はツイッターで、具体的な防衛支援策、新たな制裁強化パッケージ、財政や人道支援について話し合ったと強調した。(共同)


2022.03.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220326-AOAGMRX7KNNCFEAJDN2VNFWUTU/
ロシアサイバー大手は脅威 米通信当局、中国2社も

  米連邦通信委員会(FCC)は25日、安全保障上の脅威になる通信機器やサービスのリストに、ロシアのサイバーセキュリティー大手「カスペルスキー研究所」を追加したと発表した。ロシア企業の認定は初めて。中国の通信大手2社も加えた

  中国の2社は中国移動通信(チャイナモバイル)、中国電信(チャイナテレコム)。FCCは安全保障上の脅威を理由に、両社の米国内での事業免許を取り消したり、申請を却下したりしている。
  FCCのカー委員は、リストの追加について「米国の国益を損ねようとする中国やロシアの脅威からネットワークを保護できるようになる」と意義を強調した。
  FCCは昨年3月にリストを公表。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)など中国企業5社が認定されている。(共同)


2022.03.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220307-FKSVMZYO75OUNEETKLFAHLOHVU/
ウクライナに戦闘機提供案 米国務長官が示唆 ポーランドは否定

  【パリ=三井美奈】欧州歴訪中のブリンケン米国務長官は6日、訪問先のモルドバで記者会見し、ポーランドによるウクライナへの戦闘機供与を「積極的に検討している」と述べた。ポーランドが保有する旧ソ連製戦闘機を供与し、米国がポーランドに補填機を提供する計画が浮上していると認めた

  ブリンケン氏は記者会見で、ウクライナへの戦闘機支援について「ポーランドが提供を決断すれば、われわれがどのように穴埋めできるかを考えている」と発言した。時期については明らかにしなかった。
  ウクライナで制空権をめぐる攻防が激しくなる中、ウクライナ政府は北大西洋条約機構(NATO)に対し、飛行禁止区域の設定、あるいは戦闘機の供与を強く求めていた。米紙ウォールストリート・ジャーナルは6日までに、米政府関係者の話として、ポーランドの戦闘機提供に伴い、米国がポーランドにF16戦闘機を補塡(ほてん)する案が検討されていると報じた。
  ただ、ポーランドの首相府はツイッターで「ポーランドは戦闘機をウクライナに送らず、飛行場を出撃に使わせない」と発信し、提供を否定している。

  モルドバでの記者会見では、ブリンケン氏とともに登壇した同国のサンドゥ大統領が、モルドバ東部トランスニストリア地域に駐留するロシア軍について懸念を示し、米国に支援を求めた。同地域はウクライナに隣接。1990年にロシア系住民が「独立」宣言し、千人以上の露軍部隊が駐留しているとみられている。


2022.03.07-msn news-https://www.msn.com/ja-jp/news/world/
米国務長官、露のウクライナ侵攻「しばらく続く覚悟」と長期化示唆

  ブリンケン米国務長官は6日、複数の米テレビ番組に出演し、ロシアによるウクライナ侵攻について「残念ながら、しばらく続くことを覚悟しなければならないと長期化する恐れを示唆した。侵攻の激しさが増していることを受けた発言で、ブリンケン氏は対抗措置としてロシアからの石油の輸入禁止措置に踏み切る可能性にも言及した。

  ブリンケン氏は、これまでに米欧などが発動した金融・経済制裁についてロシアに壊滅的な影響を与えている」と説明した。一方で、「(ロシアのプーチン大統領が)侵攻を加速させており、激しさも増している」と指摘した。
  ロシア産の石油禁輸措置については、欧州の同盟国などと「議論している」と明かした。その上で「可能な限り緊密に連携することで、より効果的な制裁になる」と述べ、発動する場合には同盟国やパートナー国と同時に行う方針を示した。【ワシントン鈴木一生】


#MeToo
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  #MeToo(ミートゥー)は、セクハラや性的暴行などの性犯罪被害の体験を告白・共有する際にSNSで使用されるハッシュタグである。「私も被害者である」という意味で「私も」を意味する英語ハッシュタグ(#)を付している。「Me Too」「#metoo」なども用いられる。欧米では、被害を告発する#MeToo運動と、被害の撲滅を訴えるTime's Up運動が存在するが、日本においては両方の意味で「#MeToo」のみを用いることが多い

概要
  2006年に若年黒人女性を支援する非営利団体「Just Be Inc.」を設立したアメリカの市民活動家タラナ・バークが、家庭内で性虐待を受ける少女から相談されたことがきっかけで、2007年に性暴力被害者支援の草の根活動のスローガンとして「Me Too」を提唱し地道な活動を行う。
  2017年10月5日にニューヨーク・タイムズの記者、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーが、2015年3月から性的虐待疑惑のあった映画プロデューサーハーヴェイ・ワインスタインによる数十年に及ぶセクシャルハラスメントを告発する記事を発表。のちにワインスタイン効果と呼ばれるほどの大反響があり、10日には、2015年10月にワインスタインの名を出さずに問題のセクハラを告発していた女優アシュレイ・ジャッドら数十名が実名でセクハラを告発、雑誌ザ・ニューヨーカーも10ヶ月に及ぶ被害者への取材記事をウェブ版で発表する
  10月13日、フランスのジャーナリスト、サンドラ・ミュラーが、告発者の9割以上が職を失う現状を鑑み、訴訟の代わりにセクハラ被害の告発をSNSで行う「#BalanceTonPorc(豚を告発せよ)」運動を提唱した
  ワインスタインによる被害者が多かったイタリアでは、13日に作家のGiulia Blasiが「#quellavoltache(あの時)」を提唱し、15日に被害者の一人である女優のアーシア・アルジェントがリツイートして連帯を呼びかけた。
  10月15日アリッサ・ミラノが同様の被害を受けたことのある女性たちに向けて"Me too"と声を上げるようツイッターで呼びかけた。多くの著名人や一般利用者がこれに呼応し、世界的なセクハラ告発運動が展開された。ちなみに、ミラノは同じスローガンが10年前に既に提唱されていたことを知らず、2日後にバークと連絡を取り協力関係を築いた。バークは当初、自分の地道なライフワークのスローガンが予期しない大きなムーブメントになったことに恐怖を感じたと証言している。
運動の拡がり
 欧米
   #MeToo運動には多数のハリウッドの著名人たちが賛同を示し、「セクハラや性的虐待を見て見ぬ振りをするのは終わり」にする「タイムズ・アップ」運動が起こった。
   2017年10月25日、ジャーナリストのマーク・ハルペリンが5人の女性からセクハラを告発される。27日までに計12名の被害者が名乗り出た。
   10月29日、俳優のケビン・スペイシーが、30年以上前の強姦未遂を当時14歳だったアンソニー・ラップに告発され、「覚えていない」としながらも謝罪し、かねてから噂のあった同性愛者であることを告白した。同性愛の告白は非難をかわすためのものだと批判された。その後も業界関係者ら十数名から告発が相次ぎ、出演作品からの降板が決まった。
   11月9日、コメディアンのルイ・C・Kが5人の女性からセクハラを告発され、番組からの降板が決まり、17日に公開予定だった映画の上映が中止された。同9日、アラバ マ州上院補選の共和党候補ロイ・ムーア元判事が複数の女性から性被害を告発された。これに対しムーアは「魔女狩りであり、典型的なフェイクニュースだ」と反論したが、12月12日の選挙で落選した。
   11月14日、NBCが重役のマット・ジマーマンをセクハラ疑惑で解雇した。
   11月20日、ニューヨーク・タイムズが看板記者のグレン・スラッシュをセクハラ疑惑で停職処分にした。
   11月22日、CBSが大物ニュースキャスターのチャーリー・ローズをセクハラ疑惑で解雇した。
   11月29日、NBCが看板情報番組『トゥデイ』司会者のマット・ラウアーをセクハラ疑惑で解雇した。これには、ドナルド・トランプ大統領も反応を示した。この件について、弁護士でコメンテーターのジェラルド・リベラは、ラウアーを擁護し、局の対応に懐疑的な見解を示した。それを受けて、ベット・ミドラーがリベラによる過去の性被害を告発した1991年のインタビュー動画をツイッターに投稿した。
   12月2日、ニューヨーク・ポストが、メトロポリタン・オペラ名誉監督ジェームズ・レヴァインによる過去の少年への性的虐待を告発した。被害男性は2016年に警察に訴えたが時効を迎えており、レヴァインも容疑を否認していた。メトロポリタン・オペラは報道の後、調査を開始し、2018年3月にレヴァインを解雇した。これを受けてレヴァインはメトロポリタン・オペラを損害賠償や名誉毀損で提訴した。
   12月7日、タイム誌の2017年度パーソン・オブ・ザ・イヤーに#MeToo運動を起こした「サイレンス・ブレイカーズ(沈黙を破る女性達)」が選ばれる
   12月8日、コメディアン出身で民主党上院議員のアル・フランケンが、2006年12月の中東への米軍慰問団ツアーでのセクハラ疑惑を受けて辞任する意向を発表した。2018年1月2日、正式に辞任した。
   2018年1月7日、第75回ゴールデングローブ賞授賞式において、「タイムズ・アップ」運動に賛同した女優たちが黒い衣装で参加し、被害者との連帯を示した。「Me Too」創始者のバークも友人で女優のミシェル・ウィリアムズに招待され出席した。同様の動きは、2月18日の英国アカデミー賞でも見られた
   4月16日、「#MeToo」を使った運動の発端となったセクハラについて報道したニューヨーク・タイムズとザ・ニューヨーカーの記者が、ピューリッツァー賞の公益報道部門に選ばれた。
   4月26日、2016年7月にスペインの牛追い祭りワッツアップ・グループ「La Manada(群れ)」の男性5人が18歳の女性を集団強姦した事件(通称「ラ・マンダラ」事件)の判決が下り、求刑禁錮20年以上に対し、性的虐待で禁固9年、強姦容疑については無罪となった。裁判官の一人は、携帯電話の窃盗についてのみ有罪を主張した。これに対し、女性団体らが大規模な抗議のデモを起こした。同事件はスペインにとっての「#MeToo」運動のきっかけとなり、「Yo te creo(私はあなたを信じる)」を合言葉に被害者支援が広まり、SNS上では「#YoSiTeCreo」や「#NoesNo(ノーはノー)」が用いられた。判決後、スペイン国家警察公式ツイッターは「#NoesNo」を12回つぶやき、被害者への共感を示した。
   4月30日、アシュレイ・ジャッドがハーヴェイ・ワインスタインを提訴した。
   5月3日、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、1977年に強姦で有罪判決を受けたあと国外逃亡し、#MeToo運動により告発が相次いでいたロマン・ポランスキー監督と2004年の強姦容疑の再審で4月に有罪判決が出たコメディアンのビル・コスビーの両名を除名すると発表した。5月4日、スウェーデン・アカデミーが、前年11月に会員(2018年4月辞任)の夫で写真家のジャンクロード・アルノーによる性的暴行疑惑が浮上したことを受けて、2018年度ノーベル文学賞の発表を見送ることを表明した。
   5月24日、モーガン・フリーマンが複数の女性から過去のセクハラ行為を告発される。フリーマンは「軽い冗談だった」と謝罪する一方で、セクハラと性暴行が同一視されていることに反論した。
   5月25日、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインが2013年のレイプ容疑と2004年の性的行為の強要容疑で逮捕。弁護人を通じて無罪を主張していたが、禁固23年の実刑判決を受けた。
   2019年9月10日、ワインスタインのセクハラについて最初に告発記事を発表したニューヨーク・タイムズの記者、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーが取材経過をまとめた著書『She Said: Breaking the Sexual Harassment Story That Helped Ignite a Movement 』を出版。(邦題『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』古屋美登里訳、新潮社、2020年)
 アジア圏
  日本
     2017年5月29日、フリージャーナリストの伊藤詩織は、記者会見で準強姦被害を告発。同年10月半ばに著書を出版した。告発相手である山口敬之は手記にて反論した。2017年9月、伊藤は山口に対し民事訴訟を起こした。2022年7月8日、最高裁判所の判決で「山口氏が同意なく性行為に及んだ」と認定され、約332万円の賠償が確定した。(「伊藤詩織#山口敬之による性的暴行事件」も参照)
     2017年12月17日、作家の伊藤春香(はぁちゅう)が、広告代理店電通在籍時に受けたセクハラバズフィード・ジャパンで告白した。告発を受けた、当時の伊藤の上司にあたる岸勇希は、経緯を説明すると共に謝罪した。また、後に自身が代表取締役を務める「刻キタル」を退社した。その一方で、伊藤は過去に性経験のない男性を侮蔑する発言をしており、これがセクハラ行為にあたるとして、伊藤自身がセクハラ加害者であるとしてツイッターが炎上。一時は謝罪文を発表したが、後に撤回している。2018年3月15日、広告代理店電通アイソバーに勤務する女性社員が社内で受けたセクハラについての取材記事がバズフィード・ジャパンに掲載された。電通アイソバーはその責任を否定すると共に、非公表の懲戒内容の開示を求める被害者側に対して「加害者プライバシー権の侵害」などを理由に回答を拒否している。
     2018年3月16日、伊藤詩織が国連本部で記者会見し、日本で大きな運動に発展していない「MeToo」の代わりとして、より多くの女性が運動に参加しやすいように「WeToo(私たちも行動する)」運動を提唱した。この運動は、2017年11月にアメリカの実業家サマー・マクレーンが、すべての人の経験を包括し、性別だけでなく、性犯罪に焦点を合わせている運動として提唱したものである
     2018年4月1日、写真家荒木経惟のモデルを2001年から16年間にわたって務めてきたKaoRiが、荒木のセクハラやパワハラなどをブログで告発した。4月9日、これを受け、荒木の撮影モデルを務めたこともある水原希子インスタグラムで荒木を批判し、業界の改善を訴えた。また、過去に広告撮影でセミヌードになった際、拒否したにも関わらず、スタッフではない多数の男性たちに撮影を見学されたことを明かした。ネットでは、荒木が担当した2013年の資生堂の新聞広告が問題の撮影であり、男性たちとは資生堂社員のことではないかとの憶測が広まった。J-CASTニュースの質問状に対し資生堂は「事実確認が取れない」と回答した。(「荒木経惟#セクハラ問題」も参照)
     2018年4月20日、野党6党が国会内で集会を開き、財務事務次官のセクハラ疑惑に抗議の意思を示すため、「# Me Too〔ママ〕」や「#Me Too〔ママ〕」と書かれたプラカードを掲げた。(「福田淳一#セクハラ報道」も参照)
     2018年12月、フォトジャーナリストの広河隆一は複数の女性から性行為などを強要されたと告発された。(「広河隆一#性暴力、セクハラ、パワハラ問題」も参照)
     2022年、映画監督の榊英雄園子温、俳優の木下ほうかは複数の女優から「性加害」を受けたと告発され、波紋を呼んだ[67]。同年11月、劇作家の谷賢一も舞台劇の出演女優によりセクシュアルハラスメントをしたとして告訴された。(「榊英雄#性行為強要・強姦疑惑」、「園子温#セクハラ・性行為強要告発」、および「木下ほうか#性加害疑惑」も参照)
  大韓民国
     韓国でも#MeToo運動の動きは存在し、政治家や俳優や文化人など多数の著名人が運動から2ヶ月ほどで告発を受けた。文在寅大統領は運動に対し
     2月26日「積極的に支持をする」と発表し、性差別根絶対策と、性犯罪への積極的な捜査を行うよう指示を出した。また、
     2月27日には小中高等学校での「フェミニズム教育の義務化」を発表した。鄭鉉柏女性相は「2018年は韓国の女性運動史にとって歴史的な年として刻まれるだろう」と述べている。
     2018年1月上旬に女性検事が幹部からのセクハラ被害をテレビインタビューで訴えたことから運動が広がり、3月には将来の大統領候補と目された忠清南道知事の安熙正が秘書への性暴行疑惑により辞任し、ノーベル文学賞候補にもなった詩人の高銀、舞台監督の李潤澤、劇作家の呉泰錫がセクハラ疑惑により作品が教科書から取り下げられた。
     一方で、「セクハラを受けた女性側にも問題がある」との偏見も根強く、被害者が相談先の警察で暴言を吐かれたり、名誉毀損で逆告訴される事など、韓国社会の性暴力に対する未成熟さを指摘し、運動の沈静化を懸念する声が上がった。
     2018年2月に複数の教え子から長年にわたる過去のセクハラを告発され、清州大学演劇学科教授を免職、所属事務所との契約も解除された俳優のチョ・ミンギが、3月9日に自殺した。
     3月12日に警察が取り調べをする予定だった。前年10月に事態が発覚し、12月に懲戒委員会が停職3か月の処分を下したが、チョが事実を認めなかったため清州大学HPの掲示板で告発された。
     5月、#MeToo運動に勇気付けられた一般女性が、光州事件で戒厳軍に性暴行された体験を告白した。女優チャン・ジャヨンが性接待を強要されたとの遺書を残して2009年に自殺した事件の再捜査を求める声が高まり、2018年6月26日、元朝鮮日報記者のチョ某容疑者が強制わいせつ罪で在宅起訴された。
     2020年、釜山広域市長呉巨敦ソウル特別市長朴元淳は女性職員のセクハラ告発により失脚し、朴元淳は自殺した。
  中国
     #MeToo運動の動きは大学生の間で特に盛んになっており、大学側へセクハラ問題への対処を求める署名運動が行われている。運動への反発も大きく、検閲機関が#MeTooに関するインターネット上の投稿を削除する他、20年前に起こったセクハラによる自殺事件を問題提起した学生が大学側から批判をやめるよう通告を受けるなどしている
     2018年8月に中国仏教協会会長・北京竜泉寺住職学誠は数人の尼僧からセクハラメール及び性交強要の問題を告発された。のち、同僧は当局の取り調べを受け、中国仏教協会会長を辞任し、他に発覚した金銭面の問題により住職も罷免された。
     2021年7月、元EXO中国系カナダ人メンバー、クリス・ウーは過去に付き合ったことのある18歳女性により、中国国内で複数の未成年女性に対して性的暴行をしたと告発された。ウーはのち、北京市の公安当局により逮捕された
     2021年11月、女子テニス選手・彭帥は元副総理張高麗から性的関係を強要されたとソーシャルメディアで告発したことは、AFPBBの報道において#MeToo運動の一部とみなされる。
  インド
     セクハラ被害を告白するボリウッドの女優が存在するが、男性優位の業界のため、声を上げる女性は少ないとされている。
推進者の加害行為の発覚
  運動を主導又は支持していた人の中にも、過去の性的暴行などの加害の告発されることが発生した。また、ニューヨーク・タイムズ紙に#MeToo運動内にいる加害者を支持者は庇っているとの批判がなされた。
  5月7日、ザ・ニューヨーカーが#MeToo運動の推進者の一人でニューヨーク州司法長官のエリック・シュナイダーマンの4人の元交際相手への度重なる性的虐待行為を告発する。シュナイダーマン長官は否定したが、「職務を効果的に指揮できなくなった」として、記事の掲載からわずか3時間後に辞任した。ニューヨーク州司法省は2月にワインスタイン・カンパニーと創業者のワインスタイン兄弟を、性的加害から社員を守らなかったとして公民権法違反で提訴していた。その際、シュナイダーマン長官はツイッターでセクハラ撲滅と被害者の人権救済を呼びかけていた。
  ニューヨーク・タイムズは、ワインスタインを告発して#MeToo運動の中心となっていたアーシア・アルジェントが、2013年の37才時に共演していた、当時17歳の子役俳優であったジミー・ベネットに対し、複数回の強制性交に及び、その性的虐待被害を訴えたベネットに賠償として38万ドルを秘かに渡していたことを報道した。双方の関係者がアルジェントの加害は事実としてニューヨーク・タイムズの記事を認めた。ワインスタインの弁護士は「ワインスタインはアーシアと、互いに成人として4年以上交際して続いていたにあったのにも関わらず訴えられている。」と17才の少年に手を出して賠償していたことを隠していたアルジェントを「偽善が驚くべきレベルで明らになった」と批判している。
  ベネットはアルジェントによる性的暴行を告発した理由について、「(アルジェントが)被害者ぶっているのが耐えられなかった」と述べている。
  #MeToo運動を支持していた女性の権利活動家でもあるニューヨーク大学の女性教授が、男子学生へのセクハラ容疑で停職処分を受けた。教授は2012年から3年間、男子学生に自身への性交を強要していた。ニューヨークタイムズ紙は8月13日に、11ヵ月に渡る調査の結果、博士号を取得を目指していた学生に性的嫌がらせや性的暴行をしていた事実を発見したと報じた。
  ニューヨーク大学側は一年間女性教授への給与を支払うことや職務を一時停止させ、学生との将来のミーティングが彼女の代わりに監督されることを義務づけられていた。また、彼女を擁護するための女性活動家達の言動を男子学生はニューヨーク・タイムズへのインタビューで批判している。被害者男性は弁護士と共に女性教授と大学側に対する訴訟提起を検討していると報道された。
批判・評価
  ・ジャーナリストのオーラ・ボガドらは、黒人女性が始めた運動が白人女性の手柄になることを批判した。
  ・2017年10月末、カトリーヌ・ドヌーヴが、「Balance Ton Porc(豚を告発せよ)」という過激な表現を批判し、「物事を動かす最善の方法ではなく、解決にも繋がらない」とインタビューに答えた。
  ・2018年1月9日、100人の女性たちが連名で仏ル・モンド紙に、「豚を告発せよ」運動に反対し、「(男性が女性を)口説く自由」を訴える声明文を発表した。声明は他にも、弁明すらさせずに性犯罪者同様に扱う「行き過ぎた断罪」や運動の排他主義、男性に対する「フェミニズム的なハラスメント」への批判などを盛り込み、「ピューリタニズムの波が起きている」と警告した。これに対し、アーシア・アルジェントが「内に秘めたミソジニーである」と異議を唱え、賛同者の一人であるカトリーヌ・ドヌーヴは被害者を傷つけたことを謝罪した。
  ・2018年1月17日、ブリジット・バルドーが、「女優たちの売名行為。偽善的でばかげている」と批判した。
  ・マーガレット・アトウッドは、一連の運動を「自警団的な司法であり、そのような正義はリンチなどに繋がりかねない」と運動の行き過ぎを懸念した。
  ・2016年7月に性被害を告白した女優のタンディ・ニュートンは、「タイムズ・アップ」運動に勧誘されなかったことを明かし、同運動が一部のセレブのものになっていることを批判した。
  ・ゴールデングローブ賞授賞式において、黒い衣装を身につけなかった3人の女性の一人で、モデルのバーバラ・マイヤーは、運動の趣旨には賛同しながらも、「男性のために着たい服を制限するのではなく、自由に服を選ぶことで「自由」を表現した」と表明した。
  ・フランスでは、開始から半年を過ぎた「豚を告発せよ」運動は上流階級だけの運動になっており、労働者階級の女性で運動の恩恵を感じる者は少なく、重要視されていないと指摘された。
  ・1995年から性暴力被害男性の支援に取り組んでいる、聖書研究家のアンドリュー・シュマッツァーは、運動が女性中心であり、告発を望む男性たちが取り残されていることを指摘した。一方で、自身も性的虐待経験のある映画監督タイラー・ペリーは、運動が声をあげられない男性被害者たちの救済に繋がる希望があると評価した







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