AI(人工知能)-1


2023.10.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231030-K4ZVD54TVFNIVOPKICYQL2PRHE/
AI対策に著作権法改正を 新聞協会が「考え方」発表

  日本新聞協会は30日、対話型人工知能(AI)のチャットGPTに代表される生成AIについて「基本的な考え方」をまとめた。報道機関が取材活動に多くの労力をかけた記事や写真が、AIの学習用に対価を払うことなく無断使用されていると指摘。政府に対し、技術の急速な進化に合わせ、著作権法改正など権利保護の仕組みを強化するよう訴えた

  平成30年に改正された現行の著作権法はAIの学習用であれば、インターネットなどに公開された記事や写真、画像などを、著作権を持つ報道機関に無断で収集し、学習することを原則として認めている
  「考え方」はなし崩し的に記事の無断使用が進むことに懸念を表明。AIによる記事などの無断かつ無秩序な使用が進めば、報道機関の経営に打撃を与え、国民の「知る権利」を阻害しかねないと主張した。早急に著作権法を改正し、AIの学習を報道機関が拒否したり、利用に許諾を求めて適切な対価を得たりできる仕組みの整備を求めた


2023.10,08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231008-KUNBTH2WEZP5LEZWM6EY5JZ7JA/
AIの規制や課題を議論 京都で国連のインターネット会議
(根本和哉)

  インターネットを巡る政策や課題について議論する国連主催の会議「インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)」が8日、京都市で開幕した。主なテーマは、人工知能(AI)の活用と規制。月内にも策定するAI開発者向けの行動指針にIGFの議論を反映させる。

  初日の8日は、国際的に自由なデータ流通の促進を目指す構想「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」についての会合が開かれた。出席した河野太郎デジタル相はDFFTの推進へ向け「データは経済の生命線だ。国際的で恒久的な議論の枠組みを構築する必要がある」と訴えた。
  自動で文章などを作成する「生成AI」をはじめとするAIは急速に進化しているが、個人情報の流出や偽情報の拡散などのリスクも懸念されている。AIの活用や規制についての考え方は国や地域によって異なっているのが実情。日本が先進7カ国(G7)の議長国として主導するAIの国際的なルール作りの枠組み「広島AIプロセス」へ、今回行われる議論をどう生かすかに注目が集まる。
  会議は今年で18回目で、日本での開催は初めて。各国の閣僚や国際機関、IT企業の関係者らが参加。9日には岸田文雄首相が、AIの規制についての会合に登壇して演説する。(根本和哉)


2023.10.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231001-VF7Q3NANNVMXBEFVWFOSWQMVEQ/
生成AI、ルール作り主導 岸田首相、国際会議で講演

  岸田文雄首相は1日、京都市で開かれた科学技術に関する国際会議で講演した。生成AI(人工知能)に関し「日本が主導して国際ルール作りを進めている」と説明し、技術革新を推進すると同時に「社会への負の影響や倫理的な問題に真摯に向き合う」と強調した。

  講演は英語で行った。気候変動やエネルギー問題といった地球規模の課題解決に向け「科学技術を通じた国際協力や人材育成、外交が不可欠だ」と訴えた。国際的な人材の移動、循環を促す重要性にも触れ「わが国が先陣を切って貢献する」と表明した。
  会議は「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」。今年は開催20回目の節目に当たり、首相は「誰もが科学技術の恩恵を受けられる社会が広がるよう期待する」と語った。


2023.09.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230928-LVICA5VH4JMVHPI63RUYVZ2WSU/
元アップル幹部と新会社か オープンAI、孫氏も協議

  英紙フィナンシャル・タイムズは28日、対話型人工知能(AI)のチャットGPTの開発で知られる米オープンAIが、元米アップルのデザイン責任者とソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と、消費者向けのAI端末を開発するベンチャー企業の立ち上げの協議を進めていると報じた。

  元アップルのデザイナー、ジョニー・アイブ氏は、アップルの共同創業者の故スティーブ・ジョブズ氏の側近として知られ、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」などを手がけた。2019年に退社し、デザイン会社を設立した。
  関係者によると、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)とアイブ氏は、米サンフランシスコのスタジオで製品のアイデア出しを行った。アイフォーンのタッチスクリーンのように、AIと対話する直感的な使い勝手を目指している。検討は初期段階で、合意には至っていないという。(共同)


2023.09.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230928-DTMLFMUHUFJWPB4VZVK2XWL534/
米メタが対話型AIを導入 インスタなど、質問に回答

  米IT大手メタ(旧フェイスブック)は27日、写真共有アプリ「インスタグラム」と通信アプリ「メッセンジャー」「ワッツアップ」に対話型の生成人工知能(AI)を導入すると発表した。チャットGPTに似た機能で、当初は米国で試験的に公開する。オープンAIやグーグル、マイクロソフト(MS)に対抗する。

  ゴーグル型端末の新機種「クエスト3」を10月に発売することも発表した。対話型のAIは「メタAI」と名付けられ、アプリ上で質問に回答する。メタの大規模言語モデル「Llama(ラマ)2」を基盤としており、MSとの提携でリアルタイム情報にも対応している。年次開発者会議で公開した。
  メタAIのほかに、個性を持った28種類のAIキャラクターも用意した。人間のようにそれぞれ特長を持ち、料理やダンス、ゴルフなど得意分野がある(共同)


2023.09.26-朝日新聞-https://www.asahi.com/thinkcampus/pr_soka_2/?cid=pre1
廃棄される酒米の米粉をバイオマスプラスチックに! 〜創価大学理工学部・丸田晋策ゼミの挑戦〜


  生体内の「分子機械」の仕組みを解明し、新たな抗がん剤を開発する――。生物分子科学の分野で先進な研究を進める創価大学理工学部共生創造理工学科の丸田晋策教授は、一方で、学部3年生が参加するゼミでもユニークな取り組みを行っている。廃棄される酒米の米粉をバイオマスプラスチックとして活用するプロジェクトだ。地域、自治体、企業との連携の輪を広げながら、食品ロスやプラスチックごみといったSDGsの課題に立ち向かう丸田ゼミの活動を紹介しよう。(写真=丸田ゼミのメンバー。左から田口尚祐希さん、丸田晋策教授、塩田賢伸さん、熊谷峻輔さん

◆AIに置き換えられない「創造力」を養う
  創価大学理工学部の3年次には「ケーススタディ」というユニークな授業がある。学生7〜8人がチームを組み、一つのテーマを探究していくものだ。目的は、「学生の創造力を育む」こと。「この15年で国内の仕事の49%がAIやロボットに取って代わられるという予想がありますね。しかし、AIやロボットに置き換わりにくいと言われるのが、人の創造力です。私の担当する『ケーススタディ』では実践的なプロジェクトを通じ、学生が将来、社会で活躍するのに必要な創造力を身につけることを目的としています」と、丸田教授は言う。

  分子スイッチ機構を持つ新規抗がん剤の研究を専門としながら、学生たちと米粉を活用したバイオマスプラスチックの開発に取り組む丸田教授。教授の「創造力」も尽きることがない 丸田ゼミで「米粉」が話題に上がったのは、2016年のこと。キャンパスのある東京・八王子市は、大学・短期大学・高等専門学校など25校が存在する全国有数の学園都市で、2009年には産官学で構成する「大学コンソーシアム八王子」が発足した。コンソーシアムは、学生が八王子地域で企画・運営するイベントやプロジェクトに対し、費用の一部を補助する「学生企画事業」を実施している。この事業にゼミで応募すべくテーマを探していたところ、一人の学生が八王子に「高月清流米(たかつきせいりゅうまい)」という特産米があることに着目した。ゼミ生たちは特産米を生産する石川農園を訪ね、田植えの手伝いなどで親交を深めていくなかで、収穫した米を選別する際に小さな米や形の崩れた「くず米」が発生することを知った。食品ロスの観点からも、このくず米を有効利用できるかもしれない。そこで、あるゼミ生がアルバイトをしていた製パン会社に声をかけ、一緒に米粉パンを作ったのが米粉プロジェクトの始まりだった。
◆より環境にやさしいバイオマスプラスチック開発
  大学コンソーシアム八王子が開催したイベントで、丸田ゼミの米粉パンは注目され、さまざまな企業や専門家から声をかけてもらうようになる。なかでも大きな転機となったのが、地元のNPO法人を通じて、八王子産米の吟醸酒「高尾の天狗」を製造・販売する企業「舞姫」を紹介してもらったことだった。
  「吟醸酒の酒米には、米の外側を50%研磨して内部だけを使うのですが、このとき削られた『米粉』が年間7、8トンも発生するのだそうです。米粉は粗く削られるため、上新粉と比べるとでんぷんの質が悪く、これまでは廃棄するしかありませんでした。そこでこの米粉の特性分析をしたところ、糊化温度が低く、分子サイズが小さいことがわかりました。実際、クッキーにして焼くと、硬くて食べられたものではありません。しかし、しっとり系のスイーツなら利用できるのではないかとある学生が思いつき、地元のパン屋さんに声を掛け、酒米米粉を使ったチョコブラウニーが完成しました。また別の学生は、焼くと硬くなるという性質を逆に利用して、『食べられるスプーン』の開発に着手しました」
  プラスチックの代替品ともなる「食べられるスプーン」の着想は、「米粉でバイオマスプラスチック製品を作る」というアイデアに発展する。そして連携相手として探し当てたのが、新潟県上越市にあるバイオマスプラスチック製造会社・バイオポリ上越だった。バイオポリ上越の開発している製造方法で、八王子産米の米粉51%を含むバイオプラスチックのペレットを製造、それを元にスプーンやフォーク、箸などの試作品が完成した。さらに丸田ゼミでは八王子市のプラスチック成型会社・セイホーと連携し、八王子市の木であるイチョウとモミジを象ったクリップを開発する。これらの試作品を、市や大学コンソーシアム八王子、大学が主催するさまざまなイベントに出展、事業の説明やアンケート調査などを行ったところ、評判は上々。とりわけクリップは、八王子市のイベントでノベルティとして採用されることになった。
◆学生の自由な発想で地域貢献を拡大する
  地元企業と連携した地域貢献の取り組みが、食品ロスやプラスチックごみといったSDGsの課題に一石を投じるプロジェクトへ成長していくのを、丸田先生はどのように見ていたのだろうか。
  「米粉パンから、バイオマスプラスチック製品の開発へ発展するとは想像もしていませんでした。ゼミ生は1年ごとに入れ替わりますが、彼らの自由な発想は受け継がれ、次々と新しい扉を開いてきたのです。予備実験や成分解析などの研究領域はもちろん、企業を調べ、電話をかけ、実際に足を運んで依頼をするのもすべて、学生が主体的に行っています。ここまで産学連携がうまく機能したのは、大学コンソーシアム八王子のサポートと中小企業の皆さんが学生の情熱に共鳴し、フットワーク軽く動いてくださったからだと思います」
  連携先の企業からは、「普段接点のない学生と話をすることで新しい視点や刺激を得る機会になった」と、うれしい声が届くという。
  担当するゼミ生が代替わりしながら、プロジェクトは知見を蓄えて進化する。現在目指しているのは、「米粉のバイオマスプラスチックで八王子市のゴミ袋とレジ袋を作る」ことだ。ただ、人口60万人弱という八王子のゴミ袋を作るには、月に20トンもの米粉が必要になるという。「高尾の天狗」の米粉だけでは賄いきれないため、市内外からも米粉を調達する手立てを考えなくてはいけない。それに加えて、バイオマスプラスチックは従来の石油系プラスチックに比べてはるかにコストがかかる。
  「安定供給、大量生産の点から見ると、まだまだ課題は多いです。しかし、上越市などはすでにバイオマスプラスチック(米率20%)のゴミ袋を自治体指定としており、それを見習いながら実現の可能性を探っていきたいと思います」と丸田教授は言う。ゼミの本来の研究分野であるバイオナノテクノロジーの知識を活かし、環境汚染プラスチックを分解する産業用酵素の開発も始まった。学生たちのアイデアが具現化され、それが地域の、そして世界の課題解決につながるよう、丸田教授は学生たちを温かく見守っている。

【PROFILE】
  まるた・しんさく/創価大学理工学部教授。医学博士。アメリカ・ケースウェスタンリザーブ大学医学校 生理学・生物物理学教室博士研究員、創価大学工学部助手、講師、助教授等を経て現職。体の中で働く「生体分子機械(生体ナノマシン)」の研究が専門で、機能性新規抗がん剤の開発を目指している。
【丸田ゼミで学んだこと、将来に活かしたいこと】
  ◆ゼロからのフィルム状プラスチック開発。「100%生分解性」製品の社会実装が目標です
    高校時代から化学が好きで、理系に進みたいと思っていました。創価大学を志望したのは、オープンキャンパスに参加し、環境系の研究ができる理工学部のカリキュラムに魅力を感じたからです。丸田ゼミでは、米粉を使ったバイオマスプラスチックでゴミ袋やレジ袋のようなフィルム状の製品を作る研究をしています。米粉由来のカトラリーなどはすでに形になっていましたが、フィルム状製品はまだ誰も手をつけておらず、ゼロから挑戦することにしました。
    製品化には特別な機械が必要なため、連携企業である新潟の会社に成分を送り、試作品をお願いしています。その結果を解析し、配合を調整した成分をまた送るというPDCAを回していくのです。新潟ではバイオマス20%のゴミ袋が既に実装されていたので、大いに参考になりました。ただ、僕が目指すのは「100%生分解性」の製品です。質やコストの点で手詰まりを感じていたとき、ゼミ仲間の塩田さんが文献でPBAT※という樹脂の存在を見つけました。まだ広く出回ってはいない材料ですが、この樹脂が打開策になるのではと期待しています。卒業までの残り半年では、PBATを含むペレットを作るところまでが限度かなと思いますが、きっと後輩たちが後を継いでくれるものと期待しています。
    コロナ禍で1、2年次はほとんどキャンパスに来れませんでしたが、3年次からは丸田ゼミで充実した時間を過ごすことができました。この経験が就活にも活きたようで、面接ではプロジェクトに大変興味を持っていただき、おかげで志望していた食品メーカーに内定が決まりました。ここで学んだ知識を活かし、商品開発に携わることができたらうれしいです。※PBAT/ポリブチレンアジペートテレフタレートの略称で、石油由来の生分解性樹脂。
  ◆「あ、これいけるかも!」という アイデアが降りて来るのが研究の醍醐味
    生物化学に興味があり、初年次から理系科目を幅広く学べることが、理工学部を選ぶ決め手になりました。創価大学はSDGsに力を入れており、学生たちが国内外でSDGsの目標達成に向けた活動を行っています。在学中から社会貢献の機会に恵まれているのが、この大学の魅力の一つと言えるでしょう。キャンパスは留学生が多く、国内に居ながらにして異文化に触れることができるのも特徴です。さらに、先生1人と学生4人を一つのユニットとする「コンタクトグループ」があり、日々の悩みを相談できるメンター的な役割を果たします。これは、学生生活を送る上で非常に心強い存在だと思います。
    丸田先生の講義は、入学前からYouTubeで見て知っていました。ゼミでは生分解性の高い米粉バイオマスプラスチック開発のうち、成型品の領域を担当しています。これまでに作ったフォークやスプーンの生分解性を分析し、新たにPBATを導入した製品へと改良していくのが目標です。丸田先生をはじめ、学生の意見に真摯に耳を傾けてくださる方々のおかげで、アイデアが形になっていく過程はワクワクしますね。思うような結果が出ずに難しさを感じることも多々ありますが、PBATを図書室の資料で見つけたときのように、「あ、これいけるかも!」というアイデアが降ってくる瞬間は研究の醍醐味だと思っています。この研究開発に携わったことで環境に対する意識が変わり、米粉だけでなく、さまざまな廃棄物をバイオマスとして再利用できないのかと考えるようになりました。来年春には社会人です。世界に目を向け、これまでに培ったSDGsに貢献する創造力を、より伸ばしていきたいと思っています。


2023.09.20-朝日新聞(SAPIX)-http://www.asahi.com/ad/chuko/talk9.html?cid=pre1
AI時代に人間が磨くべきは「非認知能力」と「読解力」
(髙宮敏郎SAPIX YOZEMI GROUP共同代表 教育学博士 x 新井紀子国立情報学研究所 情報社会相関研究系教授)

  AIが驚くべきスピードで進化し、社会に普及する今の時代教育はどうあるべきなのか。かつてAIで東大合格を目指すプロジェクトを率いた新井紀子さんに、SAPIX YOZEMI GROUPの髙宮敏郎共同代表が聞きました。

幼児期の体験が好奇心や探究心へ
  髙宮  新井先生は以前から「いずれAIによって多くの人々の仕事が奪われる」と警鐘を鳴らしてこられました。現在のチャットGPTをはじめとした対話型生成AIのブームをどのように見ていますか。
  新井  AIの性能が短期間でここまで向上したことには驚いていますチャットGPTは、もはや人間の知能と見分けがつかないほどの能力をもっています。現在の知的労働者やホワイトカラーの仕事は大幅に効率化され、いずれは多くの人が職を奪われる可能性があると危惧しています。
  髙宮  将来、AIに代替されないために、人間にはどのような能力が求められるのでしょうか。
  新井  現在のAIは、人間が何度生まれ変わっても読みきれないほど大量のテキストデータを学習しています。ですからどれだけ多くの知識、情報を処理できるかでAIに勝てる人はいません。
  髙宮  人間はAIにできないことをする必要があると?
  新井  AIと人間の一番の違いは、AIは身体をもっていないことです。またすべてを抽象的なデータから学んでいることです。ですから自分の身体や五感を使い、現実世界のなかでの体験を通して体得した知恵は、人間ならではの最大の武器となります。
  髙宮  身体をもたないAIは主体性やコミュニケーション能力、共感性や倫理観といった非認知能力をもっていません。近年、非認知能力の重要性が指摘されていますが、AI時代にはますます大切になってくるわけですね。
  新井  非認知能力を身につけるには5歳までの教育が重要だと言われています。保育園で子供たちはけんかをしては仲直りする。みんなで仲良く遊ぶためのルールを編み出す。かけっこで勝って喜び、負けて悔し泣きをする。そのような幼児期の原体験が、ますます重要になってきます。
  髙宮  効率や合理性とは無縁な幼児の世界は、AIが絶対に入り込めない世界です(笑)。
  新井  アリやダンゴムシが動く様を1時間も延々と見続けている。そのような大人には無意味に思える体験こそが、人間だけがもつ主体的な好奇心や探究心につながるのです。
子育てや教育の基本は変わらない
 読解力こそが学びの基本
  髙宮  先生は「東ロボくん」プロジェクトを通し、日本の中高生の多くが教科書を正確に読めていないことに気づかれました。以来、日本人の読解力を高めるための取り組みに力を入れておられます。
  新井  これは本当に深刻な問題です。文字は自然物ではなく人工物です。放っておいても自然に人が使いこなせるようになるものではありません。文字を正確に読むには、それなりの訓練が必要なのです。
  髙宮  逆に言えば、文字は人工的な記号なので、学習によってAIも流暢(りゅうちょう)に操れる。そのことをチャットGPTが証明してくれました。
  新井  残念ながら助詞などの機能語を正しく使えない中高生はたくさんいますその点ではチャットGPTのほうが優れています。ただチャットGPTはどんなに言葉を流暢に操れても、記号として計算処理をし、確率に基づいて文章を生み出しているだけ。言葉の意味を理解しているわけではありません。ですからAIが出した結果の意味を考えたり、それをもとに意思決定や課題解決をしたりすることは、人間にしかできません。
  髙宮  AIは基本的にネットから学習しています。ですから今後も図書館をきちんと使い、人との対話を通して情報を得たり、自分の考えを高めたりするスキルは大事だと思います。AIを活用して意思決定や問題解決をするうえでは、部活や学校行事を通して磨かれる協調性やリーダーシップも重要です。そう考えると、今の中等教育を本質的に変える必要はない気がします。
  新井  小学校から大学までは学び方を学ぶ場です。アウトプットの場ではありません。要領よく学ぶより、発達段階に合わせて一つひとつ丁寧に積み上げ、着実な力をつけることが大事です。そしてすべての学びは読解力から始まります。最も大事なことは、中学高校の期間で自学自習できる汎用的な読解力を身につけておくこと。その力があればこれからの時代、どんな変化があっても自ら学び、道を切り開いていけるのではないでしょうか
  髙宮  世の中が変化すると、特別なことをしなくてはならないのではないかと思いがちです。でも人間の可能性を伸ばす子育てや教育の基本は、どんなに時代が変わっても変わらないということですね

あらい・のりこ一橋大学法学部及びイリノイ大学数学科卒業。東京工業大学より博士号を取得。専門は数理論理学。2011年から「ロボットは東大に入れるか」プロジェクト、16年から読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導。一般社団法人教育のための科学研究所代表理事・所長。著書に『AI vs.教科書が読めない子どもたち』『AIに負けない子どもを育てる』など。たかみや・としろう/1997年慶應義塾大学経済学部卒業。三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)を経て、2000年学校法人高宮学園代々木ゼミナールに。米ペンシルバニア大学で大学経営学を学び、教育学博士号を取得。09年から副理事長。現在、SAPIX小学部、SAPIX中学部、Y-SAPIXなどを運営する株式会社日本入試センター代表取締役副社長などを兼務


2023.08.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230825-MOO7XQQZEVMIVHWGFI6ELRY4SM/
AIで関東大震災の証言作る企画展、「捏造」批判受け中止 日赤東京都支部「誤解招いた」

  日赤東京都支部は24日、関東大震災の史料などを生成人工知能(AI)に読み込ませ、新たに作り出した文章を証言として展示する企画展「関東大震災 100年前の100人の新証言」インターネット公開を中止すると発表した。企画展は、26日から東京都新宿区の同支部など2カ所で開催予定だった。

  同支部によると、「歴史の捏造(ねつぞう)につながるのでは」「フェイクニュースだ」などと批判がSNSなどで多数寄せられた。担当者は「新証言という表現を使って、実在した人が話したかのような内容にしたことで誤解を招いてしまった」と話している。
  企画展は、震災当時の絵画に描かれた人物を基に生成AIで「語り部」の肖像画を作成。文献を読み込ませて「新証言」を作成し、肖像画と共に展示予定だった。


2023.08.19-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230819-NHTUODEI4ZNXJLU27USHVJMNYU/
「ブロック」機能廃止方針 Xのマスク氏表明

  米短文投稿サイトX(旧ツイッター)オーナーのイーロン・マスク氏は18日、利用者が他のアカウントをブロックする機能を廃止する考えを表明した。「意味がない」と指摘した。Xへの投稿で明らかにした。

  利用者からブロックされたアカウントを持つ人は、ブロックした人の投稿を見られなくなる。誹謗中傷や攻撃的な投稿から利用者を守るために機能しており、廃止されれば影響が出る見込みだ。ただ、実際に廃止されるかどうかは不透明だ。
  マスク氏は、ダイレクトメッセージ(DM)についてはブロック機能を残し、特定のアカウントの投稿を自分の端末で見られないようにする「ミュート」機能は維持する考えも示した。
  日本ではブロック機能を巡り、Xで260万を超えるフォロワーを持つ河野太郎デジタル相に対し、意見の合わない相手をブロックしていると批判する声もある。
(共同)


2023.08(2018.12)-BusinessCommunication-https://www.bcm.co.jp/solution-now/cat-solution-now/2018-12_1522/
3. AI音声認識を活用した次世代ビジネスの展開
(NTT コミュニケーションズ株式会社 アプリケーション&コンテンツサービス部 AI 推進室長 三竹 保宏

  本レポートでは、ビジネスの現場で実際にAIが活用されている事例を、そのビジネスインパクトや課題も含めてご紹介していく。今回は、Deep Learning(深層学習)により精度が向上したAI音声認識を活用した実ビジネスの動向についてお伝えする。

音声認識におけるAI技術の活用
  コンピュータによる音声認識は古くからある技術で、NTTの研究所においても、数十年にわたって研究が続けられている。前回のレポートでDeep Learning(深層学習)の活用によって映像解析の精度が飛躍的に向上したことをお伝えしたが、音声認識の分野でも同様の取り組みが進んでいる。Deep Learningを活用した音声認識の仕組みについて簡単に説明する。
  音声認識は、通常、音響モデル、言語モデル、単語リストの3つを組み合わせて実現される
  音響モデルは、音声(音の波形)を入力にして、ニューラルネットでその音素を分析して出力する。図1の例で言えば、「駅の近くの家」という音声を「ekinochikakunoie」または「ekinoshikakunoie」という音素列である可能性が高いと分析して出力する。
  言語モデルは、「駅」「液」「近く」「知覚」「四角」「家」といった単語をリストとして持ちながら、上記の音素列を、「液の知覚の家」や「駅の四角の家」ではなく、「駅の近くの家」という文であることを、隣り合わせる単語の出現確率等から判定して、音声認識結果を出力する。
  この仕組みを理解すれば、音声認識技術の実用化での課題についても理解できると思う。例えば、方言の音声認識に対応しようとすれば、標準語とは異なる音響モデルと言語モデルの組み込みが新たに必要になる。業界特有の用語が多く使われる業務での音声認識の場合にも、認識精度を向上させる際には個別の言語モデルの作成が必要になる。このようにして、「音声認識は個別のチューニングに時間がかかる」、「モデルのチューニングができる技術者が限られるので、一度に多くの案件には対応できない」といったビジネス推進上の課題が生まれている。
  研究面では、音声認識の全ての処理をAIで行う方法として、雑音や方言等の音声のゆらぎも含めて音声の入力から認識結果の出力まで、一つの統合されたニューラルネットで処理をするEnd-Endの音声認識の研究も行われているが、現在はまだ実用化には至っていない。(Google等で既に実装されている可能性が無いとは言えない)
AI音声認識を活用したビジネスの拡大
  音素の識別にDeep Learningが活用されたことで、音声認識の精度は近年大きく向上し、既に多くのサービスが世の中に展開されている。
  スマホに搭載されているSiri等の音声認識エンジンやGoogle Home等のAIスピーカー、家電やカーナビ等での音声インターフェースが身近な例であるが、ビジネス向けの用途で、顧客からの電話での問い合わせに対応するコンタクトセンタ等でも音声認識の活用が進んでいる。
  コンタクトセンタで利用されているNTT研究所の音声認識エンジンは、人と人のやりとり(長文での自然発話)を対象とした汎用モデルをベースとして、NTTグループ各社のコンタクトセンタの通話データを活用して追加チューニングを行った「通信業界向け音声認識モデル」など、業界別モデルの構築も行われている。
  コンタクトセンタで音声認識を活用する用途としては、オペレーターの応対をスーパーバイザーが引き継ぐ際に、それまでの応対状況を目視で確認する用途や、応対中に禁止ワード等が発言された際にリアルタイムで検知する、といった用途で応対現場でのニーズがある。
  リアルタイム以外のニーズでは、応対状況をテキストデータで蓄積することで、後から応対内容を確認したい時に、通話録音データを聞き直すことなく、テキストベースで簡単に検索できることで業務効率化を図るニーズや、テキストデータから、オペレーター毎の応対時間や応対内容の分析をすることで、コンタクトセンタの運営の高度化/効率化に役立てるといったニーズがある。
  NTTグループのサービスでは、オンプレミス型のForesight Voice Mining(NTTテクノクロス社)がリアルタイム型の音声認識サービスとして導入実績を拡大している。
  NTTコムでは、リアルタイム以外の利用ニーズを想定して、通話録音装置の音声ファイルをテキスト化して応対状況等のデータの見える化を行うCOTOHA Voice Insight(仮称)を、2019年度当初に提供予定である。COTOHA Voice Insightは、クラウド上で動くCOTOHA音声認識API(2018年度内に商用提供予定)を利用する。COTOHA音声認識APIは、コンタクトセンタ向けの活用だけではなく、COTOHA Translator(AI翻訳)と組み合わせて、Web会議の中で音声認識した内容をリアルタイムで翻訳して多言語会議を可能にするソリューション(図2)や、店頭での販売員の顧客応対を音声認識でテキスト化して接客業務の向上に役立てるソリューション等への活用を予定している。

  実ビジネスでの課題としては、個別チューニングを行う際の稼働に加えて、音声データの収集が挙げられる。精度向上のチューニングに必要な学習データとなる音声データを、顧客の承諾を取り、個人情報の扱いに問題のない形で収集し蓄積する取り組みを継続的に進めていく必要がある
  AI音声認識の今後の展開としては、技術面では、音声を文字列に変えるだけではなく、音声から推測できる感情や男性/女性といった属性を付加情報として音声認識結果に追加する仕組みや、疑問文や肯定/否定のトーンを音声から判定する仕組みの研究が既に進んでいる。
  音声認識の適用領域は広く、手と目を使わない/使えないシーンでの入力インターフェースとして、医療や介護の現場、建築現場、家事、育児、運転中、等々の様々なシーンでの活用が今後更に広がっていくことが想定される。コンタクトセンタ等でのAIによる自動応対では、既に簡単なシナリオの応答はAI音声認識とAI自動応答システムの組み合わせで実現されているが、今後、人間の発話の意図や内容をより深く理解するAIシステムの開発が進めば、ロボットやConnected Carと連動したより高度なAI自動応答が実現することが期待される。


2023.07.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230715-BNB4ZZWMHZKNNAKRD6F5V25JRI/
マスク氏、開発AI テスラに投入 自動運転などグループ中核技術に
(大坪玲央)

  米企業家のイーロン・マスク氏は14日、新設した人工知能(AI)開発企業「xAI(エックスエーアイ)」の概要を説明し、自ら手掛ける電気自動車(EV)大手の米テスラと連携させる方針を表明した。自動運転機能の向上などにxAIで開発するAIを活用していく。

  マスク氏は同日、ツイッターのリアルタイム会話ができる機能を使って12日に設立を発表したxAIについて説明した。
  マスク氏はテスラ以外にも宇宙開発のスペースXなど多くのテクノロジー企業の経営に携わっており、これらの企業もxAIと連携させて技術革新のスピードを速めるとみられる。xAIはマスク氏の企業グループの技術の中核を担うことになりそうだ
  xAIは設立の趣旨として「宇宙を理解すること」という壮大な目標を掲げる。人間と同様の感性や思考回路を持って答えを出す「汎用(はんよう)人工知能(AGI)」をつくることにより、人類の未解決の問題を解決するとしている。これを実現していくため、安全性の高いAIの開発に注力する方針だ。
  AIはプライバシーの漏洩(ろうえい)や誤った情報の拡散、軍事利用などのリスクが指摘されている。文章などを自動的につくる生成AIの代表格「チャットGPT」が便利さから脚光を浴び、既に全世界に普及している。
  マスク氏は、チャットGPTを開発した米オープンAIに、安全性に配慮していないとして対抗していく考えも表明。マスク氏はAIに関し、「(一部の)企業が独占するのではなく競争が必要だ」と述べ、オープンAIなどと競争することで技術が進化するとの考えを強調した。
  マスク氏は当初、非営利団体だったオープンAIの設立メンバーの一人だったが、営利企業への移行の際に意見が対立し離れた。4月にオープンAIに対抗して「トゥルース(真実)GPT」の開発を表明するなど、批判的な姿勢を示してきた。
  生成AIを巡っては、オープンAIと資本業務提携する米マイクロソフトや米グーグルなどが先行しており、マスク氏の新会社が第三極になれるかにも注目が集まる。マスク氏がxAIで生成AIの安全性を高め、非営利目的で人類にも貢献していくのか、これまで以上に言動から目が離せなくなりそうだ。(大坪玲央)


2023.06.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230616-AMA4BF5VNZMBFLG5EWHTUNXOX4/
AIで人類破滅、4割予想 米経営者ら回答、今後5~10年で

  米CNNテレビは15日までに、急速に能力が向上する人工知能(AI)が今後5~10年で人類を破滅させると考える企業経営者が42%に上ると報じた。58%は「心配していない」と答えた。エール大の研究者がオンラインイベントで尋ね、119人が回答した。

  破滅は、8%が「5年以内」、34%が「10年以内」とみる。AIの恩恵は誇張されすぎているかと尋ねると「そう思う」と答えたのは13%にとどまり、期待の大きさもうかがわせた。影響が特に及ぶと思う業界は医療やメディアなどだった。
  AI開発企業や研究者の間では、兵器利用やシステムの暴走など技術がもたらす巨大なリスクへの関心が高まる。米団体「AI安全性センター」は5月、「AIによる人類絶滅の恐れを最小限にすることを世界的な優先事項とすべきだ」との短い声明を発表。グーグル副社長も務めたジェフリー・ヒントン氏ら多数の著名な研究者や企業経営者が名を連ねた。(共同)


2023.06.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230608-AWZNRXLNEBN4DASJOTUV3KR3YA/
AIと著作権、論点整理へ 政府、侵害事例を明確化

  政府の知的財産戦略本部がまとめる知的財産推進計画の原案が8日、分かった。生成AI(人工知能)で人間の著作物と区別がつかない精巧な文章や画像などの生成物を大量に作れる現状を踏まえ、どのようなケースが著作権の侵害に当たるか具体的な事例に則して論点整理し、考え方を明確化する方針を打ち出した。どのような場合にAIの生成物を「著作物」と認めるかも検討する。

  9日の本部会議で決める。知財推進計画は毎年策定されているが、今回は対話型AI「チャットGPT」などを念頭に生成AIを巡る課題を個別項目として取り上げた。
 原案では、AIが人間の著作物のオリジナルに似た文章や画像を大量に生成すれば「個々の権利者にとって紛争解決対応も困難となる恐れ」があると指摘。AI技術の発展を妨げずに著作者の権利を保護するよう課題を列記した。


2023.05.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230526-ED4BGHDDFJPKXOTY23RRPGUPOA/
政府戦略会議 生成AIのリスクと活用の評価を 論点整理

  人工知能(AI)の活用やルール作りについて検討する政府の有識者会議「AI戦略会議」は26日、2回目の会合を開き、AI活用へ向けて「論点整理」について議論した。

  文章や画像を自動で作成する「チャットGPT」に代表される生成AIが持つリスクとして著作権の侵害や情報漏洩(ろうえい)などへの対策を講じることを柱とした。会合に出席した河野太郎デジタル相は冒頭のあいさつで「(AIの)リスクの実態と活用による可能性を同じように評価し、バランスのある政策を進めていく必要がある」と述べた。
  公表する見通しの「論点整理」では、生成AIが労働力不足の解消や生産性の向上などに寄与する可能性を指摘する。一方で、リスクへの対応の重要性も強調。先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で合意した「広島AIプロセス」のもと、国際的なルール作りへ向けた議論を主導する必要があるとした。
  想定されるリスクとしては、機密情報の漏洩犯罪やサイバー攻撃の巧妙化偽情報がもたらす社会の不安定化著作権侵害などを挙げる。対策として、AI開発者らに対しデータの取り扱いを開示することを求めたり、偽情報やAIによる生成画像かどうかなどを判定するソフトを開発したり、現行の法令を周知したりすることなどが盛り込まれる見通しだ。
  一方で、医療、介護、行政、教育、金融、製造などの分野においては活用が期待されるとも指摘。国内の企業や関係機関によるAI開発の支援の重要性を訴え「慎重かつ大胆な戦略」を打ち出すことが必要との認識を示すとみられる。


2023.05.24-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2429Q0U3A520C2000000/
神戸市、生成AI利用へ全国初の条例 自治体活用手探り

  神戸市議会は24日、文書や画像を自動的につくる「Chat(チャット)GPT」などの生成AI(人工知能)の利用指針を定めた条例改正案を賛成多数で可決した。5月中にも施行する。安全性を確保しながら業務の効率化をめざす。

  神戸市によると生成AIに関する条例制定は全国で初めて。自治体による活用は手探りが続く。「神戸市情報通信技術を活用した行政の推進等に関する条例」生成AIに関するルールを追記した。同市は生成AIの行政利用を禁止していたが、条例の施行後、6月中の試験運用をめざす。
  神戸市は安全面に配慮しながら積極的に活用する。文書の要約や翻訳、議事録や草案の作成などの利用を想定している。
  まず100人程度の職員が試験的に使い、業務に活用できる新たな用途を探る。どの程度業務効率化につながるかも検証し、行政サービスの向上につなげる。情報漏洩や著作権侵害も懸念されるため、氏名や病歴などの個人情報、市の非公開情報などの機密の入力は当面、禁じる。市は利用時の留意事項をガイドラインにまとめ順守を徹底する。
  試験運用を通じて適切な利用方法や効果などについて職員からアイデアを募り、必要に応じてガイドラインを更新したうえで本格導入をめざす。安全性が確認された生成AIだけを利用する。現時点では入力履歴が保存されない米マイクロソフトのサービスを個別で契約し活用する方針だ。

  久元喜造市長は生成AIについて「業務の効率化や職員が新しい施策を考える際の情報収集などに有益」としている。各地の自治体も活用に動き出している。神奈川県横須賀市は4月、全国の自治体に先駆けてチャットGPTを全庁で導入して実証試験を始めた。
  既存のビジネスチャットツールと連携し、文章の作成や要約、誤字脱字のチェックなどに使っている。機密情報や個人情報は扱わない方針だ。導入から1カ月が経過し、職員の6割が利用して評判も上々だという。上地克明市長は「手応えを感じている。AIで効率化を進め、職員は外に出て市民の声を拾い、付加価値の高い仕事をしてほしい」と語る。
  職員の業務改善だけでなく、自殺防止対策など福祉分野への活用も検討しているという。リスクや課題を考慮し、検討段階の自治体もある。東京都は行政サービスのデジタル化担当局にプロジェクトチームを立ち上げ、業務への活用方法を探っている。
  部長級の職員のほか、AIや情報管理の専門的な知見がある職員らがメンバーとなり、情報漏洩などの危険性を踏まえた検証に取り組んでいる。
  小池百合子知事は個人情報の保護や回答の正確性などの課題を指摘しつつ「多様な活用の可能性がある。人間にとってのプラスとマイナスについて研究を重ねる」との認識を示している。


2023.05.11-AI media by news-https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2305/11/news093.html
GoogleのチャットAI「Bard」、日本語に対応 もう使える

  米Googleは5月10日(現地時間)、年次開発者会議「Google I/O 2023」で、「ChatGPT」のようなチャットAI「Bard」の日本語・韓国語対応を発表した。

  利用に当たっての“順番待ち”制度も廃止。180以上の国から、すぐにBardを利用可能にした。Bardのサイトにアクセスすると、日本語で返答してくれるようになっている(ただし試験運用の段階という)。Bardは今後、英語、日本語、韓国語を含む40言語に対応する予定。


2023.05.02-JDIR(JBpress Digital Innovation Review)-https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/75033?page=2
グーグルやMSなどIT大手CEO、AI投資の重要性強調
(1)
  米IT(情報技術)大手4社の1〜3月期決算が出そろった。景気減速への懸念が高まる中、グーグル(アルファベット)、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタの経営トップは、コスト削減を進めるとともに効率改善に取り組んでいると報告した。

  一方、2023年に入って一気に注目された「ChatGPT」のような対話AI(人工知能)について、その基盤技術となる大規模言語モデル(LLMs)への投資が不可欠だとし、投資家に理解を求めた。
  米CNBCによると、4人のCEO(最高経営責任者)で共通していたのは、AIがもたらす事業成長の可能性、大規模言語モデル構築・運用のための巨額費用とその重要性、の2つだった。
グーグル、生成AIで検索改良
  アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは、AIに関する自社の目標について「順調に進んでいる」と説明した。
  同氏によると、グーグルでは今後も生成AIを慎重かつ計画的に導入し、検索エンジンの改良を進める。同社は広告効果の向上にAIを活用しているほか、AIモデルに入り込む「有害テキスト」を減らす取り組みも進めている。
  グーグルでは大規模言語モデルの運用に自社開発の半導体を利用しているが、米エヌビディア(NVIDIA)製の高性能画像処理半導体(GPU)も利用していると明らかにした。GPUは主に画像関連の処理に用いられるが、機械学習や大規模言語モデルのトレーニングにも使用される。人間のような文章表現やリアルな画像を生成するAIシステムを構築するには、こうした高性能半導体が必要になる
  グーグルは先ごろ、AI研究部門を再編すると明らかにした。14年に買収した英ディープマインドとグーグルの研究部門「グーグル・リサーチ」のBrain(ブレイン)チームを統合する。
マイクロソフトCEO、巨額投資が必要
  ChatGPTを手がける米オープンAIに出資するマイクロソフトは、オープンAIの大規模言語モデル「GPT」を検索エンジン「Bing」に導入しているほか、業務用ソフト群「マイクロソフト365」にも組み込む。
  マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、「AIが最終的に収益増をけん引する」と述べ、すでに同社製アプリの利用拡大につながっていると説明した。例えば対話AIを導入したことで、Bingアプリのダウンロード件数が4倍に増えたという。
  同氏は、これらのアプリケーションを運用していくためには大規模なデータセンターが必要で、そのために巨額の投資が必要になると説明した。
  「我々は今後もクラウドインフラ、特にAIに投資していく。顧客の変化によって高まる需要に対応していく。その結果として得られる収益は時間とともに増加する」(ナデラ氏)
(2)
アマゾンCEO「当社は巨額投資が可能な1社」
  アマゾン・ドット・コム傘下の米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は23年4月、顧客企業が独自の生成AIシステムを開発できるようにする基盤モデル「Amazon Bedrock(ベッドロック)」を発表した。
  アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは、この市場が巨大であるとし、同社が独自の大規模言語モデルを構築していると明らかにした。アマゾンでは機械学習のためのデータセンター用半導体を自社で設計しているという。
  「これら大規模言語モデルと生成AIはかなり前からあったが、実のところ6〜9カ月前まではあまり人を引き付けられるものではなかった。しかしこの技術は急速に大きな存在になった。すべての顧客体験に変革をもたらす可能性がある」(ジャシー氏)
   同氏もこの技術に多額な費用がかかると説明。それに対応できる自社は有利な立場にある、と自信を示した。同氏によると大規模言語モデルを構築するには、数百台のコンピューターを数週間稼働させて、それらを人件費の高い機械学習エンジニアに監督させる必要がある。「その時間と費用を投じることができる企業はわずかだが、当社はそのうちの1社になる」と述べた。
メタCEO、AIにも経営資源、大量投入
  メタについては先ごろ、生成AIを年内に商用化する方針だと報じられた。今回の決算説明会で、マーク・ザッカーバーグCEOは、同社が力を入れるメタバース(仮想空間)と並行して、AIにも大量に経営資源を投入できると強調した
  同氏によると、メタはこれまで機械学習を活用してニュースフィードや広告システムの精度を高めてきた。今後は生成AIにも注力する。「生成AIは驚くべき進歩を遂げており、当社で現在行っている作業は、我々のアプリとサービスのすべてに影響を与えるだろう」(ザッカーバーグ氏)
  メタは今後、「WhatsApp」の対話機能にAIを活用するほか、「Facebook」や「Messenger」にAIによる画像生成機能を導入する。将来的には、短い指示文から動画を生成できるプログラムなど、さまざまな製品・サービスに取り組む。「企業のカスタマーサポート用AIエージェントなどに活用が期待できる」(同社)
  ザッカーバーグ氏はデータセンター構築に必要となる費用についても言及した。同社の設備投資額は過去数年間増加しているが、それは主にAIへの投資によるところが大きいという。同氏は今後もこの分野への投資を継続する必要があるとの認識を示した。


2023.04.30-Yahoo!Japan!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/95b044dcdbd3279281709e7fc98a2266ad19e84f
AIの振興と規制進める中国 米欧の影響拡大を警戒

  【北京=三塚聖平】対話型AIの「チャットGPT」など開発が急速に進む人工知能(AI)について、中国は振興と規制の両にらみの構えだ。

  習近平政権が策定した2021~25年の中期経済目標「第14次5カ年計画」では、「経済発展の新エンジン」としてAIなどの育成を掲げた。
  中国共産党は今年4月28日に党のトップ24人が参加する政治局会議を開き、AIについて「発展を重視しなければならない」と指示。AI分野で世界をリードしたい考えだ。
   一方で、チャットGPTが世界を席巻したことには警戒を強めている。中国政府は4月、文章や画像を自動で作り出す生成AIに関する規制案を公表。
  「社会主義核心価値観」を体現する内容であることを求め、国家政権の転覆や社会主義制度の打倒といった内容を含むことを禁じた。 チャットGPTは主に米欧のインターネットサイトの情報をベースにしており、中国共産党政権の公式見解とは異なる回答がみられるため、中国では既に利用が制限されている。
  中国軍の機関紙、解放軍報は4月、チャットGPTに関する論考を相次いで掲載。英語情報をベースにしているために「鮮明な政治的立場や価値観の傾向を持っている」と米欧の影響拡大に警戒をあらわにした。
  中国では現在、ネット検索最大手の百度(バイドゥ)や、ネット通販最大手のアリババ集団などIT大手が生成AIの開発を急いでいる。米中対立の長期化が見込まれる中、AIを巡る競争も激化することが確実とみられる。


2023.04.24-NHK NEWS WEB(山梨NEWS WEB )-https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20230424/1040019972.html
電話詐欺 AI識別し被害防ぐ対策 NTTが無料提供へ

  依然として減らない電話詐欺の被害を受けてNTT東日本山梨支店は、ほとんどの被害のきっかけとなっている自宅にかかってきた電話の内容をAIが識別して被害を防ぐシステムを無料で提供する対策に乗り出しました

  去年、県内では高齢者などの自宅に詐欺の電話、いわゆる「アポ電」が1000件近くかけられ、だまし取られた金額は11年連続で1億円を上回っています。
  詐欺グループは入手した名簿などに掲載されている固定電話に手当たりしだいに「アポ電」をかけ続けます。こうした手口に対応しようと、NTTは自宅にかかってきた電話の内容をAIを活用して即座に分析して詐欺被害に遭うのを防ぐ新たなシステムを3年前に導入しました。
  分析により詐欺の疑いがあるとわかった場合には、家族などの連絡先に電話やメールで危険を知らせる仕組みで、NTTはこのシステムの利用や必要な機器の設置にかかる費用を無料とする対策に乗り出しました。受け付けは全国で来月1日から始まり、NTT東日本の管内では先着5000人を対象とします。
24日、甲府駅前ではNTT東日本山梨支店と山梨県警が合同でシステムの利用を呼びかけるチラシなどを配りました。
  システムの利用を検討している高齢の女性は「不審な電話が自宅の固定電話にかかってきたことがある。機器を利用すればもっと安心できると思う」と話しました。
  NTT東日本山梨支店の横山明正支店長は「詐欺の手口には固定電話が使われていることから、NTTとしても社会の重要な課題としてとらえている。無償化でより多くの人に利用してもらい安心してもらいたい」と話していました。


2023.04.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230415-QHBN2SXTINI4DJ52WCDCPTG76A/
マスク氏がAI企業設立 チャットGPTに対抗 米紙など報道

  米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は14日、米企業家のイーロン・マスク氏が米西部ネバダ州に人工知能(AI)の会社「X(エックス)ドットAI」を設立したと報じた。対話型AI「チャットGPT」を手がける米オープンAIに対抗する動きとみられる。

  英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)も同日、マスク氏のAI企業設立計画を報じた。報道によると、マスク氏はAIの研究者やエンジニアのチームを編成。関係筋は、マスク氏が率いる電気自動車大手テスラや宇宙開発企業スペースXの投資家と資金面の相談も始めたと説明している。
  マスク氏はオープンAIの創業メンバーの一人だった。しかし、AIの安全性に対する姿勢などを巡って経営陣との意見の相違からオープンAIを離れたとされる。(共同)


2023.04.13-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c6aa0d8679416f4746b49a97768a3f057c75d335
米アマゾン、生成AI参入 MSやグーグルに対抗、競争激化

  【ニューヨーク共同】米アマゾン・コムは13日、ネットワークを通じて情報を処理するクラウドサービスの顧客向けに、文章などを作る生成人工知能(AI)の提供を始めると発表した。米マイクロソフト(MS)や米グーグルに対抗する動きで、競争が激しくなりそうだ。

  生成AIは、利用者の指示に基づいて文章や画像、動画を作り出す技術生成AIを使ったサービスでは米新興企業オープンAIが昨年公開した対話型ソフト「チャットGPT」が知られる。急速に利用が広がる一方で、個人情報保護の課題も指摘されている。
  利用企業はマーケティングに使う文章や広告イメージの作成、ブログの要約などに生成AIを使えるようになるというソフトウエア開発者向けに生成AIでプログラミングを支援するサービスも拡大する。  アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は投資家向けの書簡で「生成AIには重点的に投資している。あらゆる規模の企業が生成AIを活用できるようにする」と述べた。


2023.02.16-日経 X-TREND-https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/01125/
目指すは「養豚業界のライザップ」 AI豚カメラで早くマッチョに

  分厚いトンカツにジューシーなチャーシュー、角煮、ショウガ焼きと、家庭の食卓に欠かせない豚肉。牛肉より割安なこともあって需要は高いが、いまだに養豚場は科学的な生産管理が進まず、利益を出すのが難しい生産者も多いそんな業界にメスを入れる。養豚場をアップデートし、先進的なアニマルウェルフェア(動物福祉)の対応も進める。AI(人工知能)などテクノロジーを総動員する、その仕組みとは。

養豚業界はデジタル化の“劣等生”
  豚肉の市場規模は、ソーセージやハムなどの加工品を除く生肉だけでも世界で約40兆円、国内は約6000億円に上るといわれている。だが、この巨大市場はいくつかの課題に直面している。
  「1つは世界で人口が増え、中国や東南アジアなど新興国の経済発展に伴う肉の需要拡大に供給側が追いつかなくなっていること。もう1つが、豚などの家畜の育成には餌が大量に必要で環境負荷が高いため、いずれ植物肉や培養肉に取って変わられる可能性があること。このままでは将来、おいしい豚肉が高級品になって多くの人は食べられなくなってしまう」
  一方、国内の生産者も課題を抱えている。多くの養豚場では、従業員1人が平均1000頭もの面倒を見ているという。それにもかかわらず、養豚に関わるデータを収集、分析して科学的に生産管理を行っている生産者は少なく、人力に頼るばかり。むろん、現場では様々な無駄が生じている。
  例えば、出荷時の豚の体重が96~116キログラム(2023年からは121キログラムまでに改定)の規格に収まっていると“上物”として評価され、1頭当たり最大4万8000円程度で取引される。だが、平成から令和にかけて上物率が50%を超えたことはないという。巨漢の豚を人の手で体重計に載せるのは至難の業。この作業を行うたびにストレスで豚の体重が1キログラムも減ってしまうこともあり、いまだに豚の体重は「目視」で推定することが多いからだ。
  「規格外」になると、取引価格は1頭当たり4万円程度に減額されてしまう。餌代など繁殖や肥育にかかる原価はおよそ4万円。これでは養豚場の利益はなくなる。「すべての農家はこうした問題や改善すべき点を認識しているが、これまで対処できなかった」と、神林氏は言う。
  他の食領域では、例えば野菜などはデータを活用して生産管理を行う植物工場が広がり始めている。魚の養殖に関しても、陸地に設けられたデータドリブンなプラントでサーモンなどを生産する陸上養殖が始まり、スーパーなどで流通している。それらに対し、養豚業界は大きく後れを取っており、「デジタル化の劣等生」(神林氏)となっている。
AI豚カメラで“上物”を選別出荷
  こうした養豚業界の課題をデータとデジタルの力で解決している。まずICT(情報通信技術)の基盤として養豚に関連するすべての作業記録をデータ化し、従業員間で共有しながら一元管理を開発。既に母豚数換算で国内全体の約10%に当たる70以上の生産者が導入している。



https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/aistrategy2022_honbun.pdf
AI戦略2022


(上記をクリックしてね!)


2022.09.06-起業LOG-https://kigyolog.com/article.php?id=1690
誰でも簡単に、たった1分で、プロのような芸術的な絵が描けると話題のMidjourney

  Twitterにも連日多数の作品が投稿され「神絵が描ける!」「イラストレーターの仕事が無くなる!?」など大盛り上がりです。
  この記事では、Midjourneyの始め方・使い方・上手く描くコツなどを徹底解説。
  また、初心者には難しく感じる英語でのキーワードの書き方、気になる商用利用の規約、注意点や困ったときの解決法もわかりやすく紹介します。
  自分もカッコイイ絵を描いてみたいけれどうまく使えない...とお悩みの方も、ぜひご参考ください
ーーーーーーーーーーーーーーー
このページの目次
Midjourneyとは?   AIが絵を描いてくれる   簡単・ハイクオリティ・無料!
Midjourneyの始め方 簡単3ステップ!     STEP1:Discordのアカウント準備     STEP2:招待を受ける     STEP3:ログインする・・・・・
   (このページではここまでです。これからさきはHPでどうぞ)・・・・・
Midjourneyの使い方
  初心者部屋に入る   絵のキーワードを入れる   絵のクオリティを上げる
Midjourneyで上手な絵を作るコツ
上手な絵が作りやすいキーワード例(なるべく文章にする)
Midjourneyの良くある疑問と解決策   枚数制限とは?   有料プランとは?   スマホから使いたい時は?   初心者部屋が表示されない時は?   自分の作った絵が探せない!   作った画像を消したい!
Midjourneyの活用法   SNSでシェアしたい場合は?   著作権は誰のもの?   商用利用したい場合は?
Midjourneyの使い方   初心者部屋に入る   絵のキーワードを入れる   絵のクオリティを上げる
Midjourneyで上手な絵を作るコツ   上手な絵が作りやすいキーワード例   なるべく文章にする
Midjourneyの良くある疑問と解決策   枚数制限とは?   有料プランとは?   スマホから使いたい時は?   初心者部屋が表示されない時は?   自分の作った絵が探せない!   作った画像を消したい!
Midjourneyの活用法   SNSでシェアしたい場合は?   著作権は誰のもの?   商用利用したい場合は?
Midjourney プロたちの利用例   背景に使って絵を描く   漫画や小説を作る   立体表現に活用する   企業やアーティストも利用⁈
まとめ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Midjourneyとは?
  (Midjourney(ミッドジャーニー)とは、キーワードに合った画像を自動生成してくれるサービスです。SNSでも話題を集め、人気が高まっていますが、その凄さと人気の理由は何なのでしょうか?)
AIが絵を描いてくれる
  Midjourneyの画像生成の仕組みは、元NASAの技術者などのメンバーが作った超高機能のAIです。単語1つでも、文章でも何でもOKなので、描いて欲しい絵のイメージやキーワードを入力すれば、それに沿った画像をAIがすぐに作成してくれます。(詳しい使い方は後述しますが、例えば「ハワイの夕暮れ」と入れただけでこんな画像が即完成!)
簡単・ハイクオリティ・無料!
  Midjourneyが人気なのは、まず、使い方がめちゃくちゃ簡単で誰にでもできるという点です。また、出てくる画像がハイクオリティで芸術的なのでプロ界隈でも評判が良いです。
  さらに、こちらも後述しますが、1アカウント25枚までなら無料で使えるという点も嬉しいポイント。筆者も色々試してみましたが、25枚でかなり沢山遊べたので、次章を参考に早速使ってみましょう!

Midjourneyの始め方 簡単3ステップ!
  Midjourneyの始め方はとても簡単です。登録画面も日本語なので初心者の筆者も数分で完了しました! それでは手順を見ていきましょう。

 STEP1:Discordのアカウント準備
  Midjourneyは、「Discord」というチャットサービス上で動くツールです。そのため、Midjourneyをはじめるには、Discordのアカウント登録が必要となります。

<Discordとは?>
  Discordそのものは、世界3億人のユーザーがいるアメリカ発の有名なチャットサービスです。音声通話の品質が良く、チャット部屋が管理しやすいことから、ゲーマーやYoutuberの間で人気のあるサービスでしたが、近年はリモートワークでの利用も増えています。
  個人情報の詳細登録は必要なく、メアドの数だけいつでも作れるので、気軽に作成できます。すでにアカウントをお持ちの場合はMidjourneyトップ画面の「Sign In」からログインしましょう。(持っていない方は、次の手順でカンタン登録しましょう!)

 STEP2:招待を受ける
  Midjourneyのトップ画面にアクセスし、「Join the beta」ボタンを押します。
  すると、「あなたに招待がきています」という画面が立ち上がるので、必要事項を入力して招待メールを受け取ります。
  利用者に知り合いがいなくても、誰でも招待を受けられるので簡単ですね。(なお、生年月日の入力を求められますが、Discord内では非公開情報ですのでご安心ください。)
  なお、登録画面は、次のように1ページずつ出てくる場合もありますが、入力する内容は同じです。

<登録は自分で行いましょう>
  2022年8月現在、Midjourneyの爆発的ブームからか、メアドを入力して登録代行してくれるようなページが何件か存在するようです。そのページ自体は安全なものもあるようですが、上記手順のように、自分で簡単に登録できるので、必要性がない限りは正規の登録ルートを使いましょう。

STEP3:ログインする
  入力したメールアドレスに招待メールが届くので、リンクをクリックすれば、ログイン完了です。
  以下のような画面が出れば成功です。

このページではここまでです。これからさきはHPでどうぞ)・・・・・


2022.09.02-IT media news(産経新聞)-https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2209/02/news059.html
児童虐待の深刻度をAIで見極め 政府、新たな対策2日に決定へ

  政府は9月2日、急増する児童虐待を防ぐため、新たな総合対策を策定する。年内に児童相談所(児相)の体制強化に向けた計画をまとめ、職員の業務負担軽減のため虐待の深刻度を判定する人工知能(AI)を導入する。同日の関係閣僚会議で決める見通しだ。

  政府は虐待に対処する児相の相談体制を強化するため、2019年度からの4年間で児童福祉司を2000人増やし、計5200人体制を整えるなど、環境整備を進めてきた。しかし、全国の児相が対応した虐待の相談件数が20年度だけでも約20万5000件にのぼり、死亡事件も相次いでいる。
  厚生労働省子ども家庭局は「都市部で急増する相談件数に追いついていない」と指摘。児相では勤務年数の浅い児童福祉司が増えたことに伴い、経験不足から深刻な虐待事案に対応しきれないケースも目立っている。

  政府は23年4月に創設する「こども家庭庁」に関連施策を一元化し、抜本的な強化を図る必要があると判断した。
  新たな総合対策では、児童福祉司のさらなる増員を図る。また、対応の質の向上を目指すため、福祉の現場などで一定の実務経験がある人が、児童福祉司の中でも指導的立場に立てるような、認定資格制度の導入などを盛り込む。
  さらに児相の負担を軽減するため、相談時にAIが児童を一時保護すべきかリスクの程度を見極める仕組みの開発を進め、24年度に全国での運用開始を目指すことも明記する。


2022.08.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220820-7HG7XCRNWRNWVHCV5GREEZR2VE/
迷い人捜索や人命救助に 防犯カメラ映像をAI解析
(高久清史)

  防犯カメラなどに映った人の動きを人工知能(AI)で解析し、道に迷った高齢者らの捜索や、倒れ込みなどの異常事態の検出に役立てる新技術の開発が相次いでいる警備員らの人手不足を先端技術で補いながらトラブルへの迅速対応が実現できれば、人命救助や被害防止といった安全向上につながる。

  富士通はAIを活用して人が歩く映像から関節の動きを抽出して、その人物が別の映像に映りこんでいる場合に高精度で照合できる技術を開発した。道に迷った高齢者や子供の捜索などでの活用を見込み、令和5年度までの実用化を目指す。

  捜索の際には家族がスマートフォンで事前に撮影した映像などから得たデータを登録し、迷った場所の周辺にある映像を解析して照合することを想定する。検証で約90%の精度があることを確認。夜間などで顔が鮮明でない映像で照合できる利点もある。
  認知症やその疑いがある行方不明者として全国の警察に届け出があった人数は増加傾向で3年は延べ約1万7600人に上る。富士通の担当者は「人手に頼るところが大きい捜索に役立つ技術になる」と話す。

  NECはうずくまりや倒れ込み、車いす使用などの際に生じる骨格の動きをサンプル映像からAIが学び、商業施設などの映像で類似の動きが映りこんだ場合に検出する技術を開発した。実用化すれば速やかな介助、119番通報などの対応が可能となる。

  今年1月から3月にかけて東京都新宿区と秋田市の2カ所の交差点で倒れ込みなどを検出する実証実験を実施した。同社の担当者は「技術検証を生かし、事故抑止や街の見守りなどに貢献していくことを目指す」と話している。
  防犯カメラの映像をAIで解析するシステムを展開する日立製作所は、周囲を見回す動作を続ける迷子や不審者らの発見につながる新機能の提供を始めた。「見回す」のほか、「指をさす」「殴る」「倒れる」「しゃがむ」など計9種類の行動や、荷物の持ち去り・置き去りを検知する。

  駅や空港、大規模商業施設などでの活用を想定し、異常事態やその予兆を把握することで「迅速な対応や警備の効率化が期待できる」(担当者)という。
(高久清史)


2022.03.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220313-KRTUKBNZANNRNJEYEQ5QUB5MEY/
二次元の画像を「高精度な3Dイメージ」に変換するアルゴリズムが、AIの進化を加速させる
(1)
  二次元の画像を表現豊かな3Dのイメージに変換する新たな技術が、研究やビジネスの世界に衝撃を与えている。ビデオゲームやVR、ロボット工学を一変させる大きな力を秘めているこの技術により、将来的にはAIが人間並み以上の知性を身に付ける日が来るかもしれない。
  現在の人工知能(AI)技術を取り巻く大きなうねりの始まりは、2012年にさかのぼる。この年、写真のなかの物体をアルゴリズムにどれだけ正確に認識させられるかを競う学術コンテストが開催されたのだ。

  研究者たちはその年、ヒトの脳内ニューロンが新たな情報に反応する仕組みに大まかなヒントを得てアルゴリズムを構築した。そして数千枚に及ぶ画像をそのアルゴリズムに読み込ませることによって、認識精度を飛躍的に高められることを発見した。この画期的な発見は学術研究やビジネスの世界に激震を走らせ、数々の企業や業界に変化をもたらしている。

  そしていま、同種のAIアルゴリズムにトレーニングを施すことで、二次元(2D)の画像を表現豊かな3Dのイメージに変える新たな技術が登場した。コンピューターグラフィックス(CG)とAIのふたつの世界を騒然とさせているこの新技術は、ビデオゲーム、仮想現実(VR)、ロボット工学、クルマの自律走行のあり方を一変させる大きな力を秘めている。
  専門家のなかには、この技術によってコンピューターがさらに賢くなって人間並み以上の知性を身に付け、この世のあらゆることを理解したり、理路整然と論じたりするようになるかもしれないと考える者もいるほどだ。

使い道の多い画期的な技術
  「いまや話題沸騰で大注目されている技術です」と、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)でロボット工学を研究するケン・ゴールドバーグは言う。彼はこの技術を使ってAIで動作するロボットの能力を高め、見慣れぬ形状の物体でも掴めるようにする研究に取り組んでいる。この技術には、エンターテインメントから建築に至るまで「数百もの使い道」があるはずだと彼は語る。
  この新技術に用いられているのは、ニューラルネットワークを使って数枚の2Dスナップ写真を読み取り、そこから3Dイメージを生成する「ニューラルレンダリング」と呼ばれる技法だ。CGとAIを巡るさまざまな概念の融合から生まれたこの技術への関心は、20年を境に一気に高まった。この年の4月、UCBとグーグルの共同研究チームが、ニューラルネットワークに数枚の2D写真を見せるだけで、同じ場面を非常にリアルな3Dイメージで再現できることを実証してみせたのだ。
  大気中を通過する光の動きを利用したこのアルゴリズムは、3D空間の各データポイントの密度と色を計算するよう設計されている。これにより2D画像をどこから見てもリアルな3Dイメージに変換することが可能になったのだ。

  この技術の核となるニューラルネットワークは、12年の学術コンテストで公開された2D画像のピクセルを分析する画像認識アルゴリズムと同種のものである。新たにつくられたこのアルゴリズムは、2Dのピクセルを「ボクセル」と呼ばれる3次元ピクセルに変換するという。Neural Radiance Fields(神経放射輝度フィールド、略称NeRF)と命名されたこの技術を紹介する動画は、多くの研究者たちをうならせた。
(2)
  「20年にわたってコンピュータービジョンの研究に携わってきましたが、この動画を観たときは『いやあ、これはすごい』と声が出ました」と、ジョージア工科大学教授のフランク・デラートは語る。
  コンピューターグラフィックスを研究する者なら誰もが、この技術の革新性を認めるに違いないとデラートは語る。リアルで詳細な3Dイメージを完成させるには、たいてい何時間にもわたる面倒な手作業が必要だ。ところが新方式の登場により、ほんの数分でごく普通の写真からこうした3Dイメージを作成できるようになったのである。
  これまでにない方法で画像を合成したり、出来上がった合成画像を自在に動かしたりすることも可能になった。「非常に独創的で価値のある技術です。誕生からわずか2年の技術にこうした賛辞が与えられるのは、極めて異例なことです」と、デラートは言う。
  デラートは、この新技術の登場後に生まれたアイデアの多さには、目を見張るものがあると語る。例えば、数枚の静止画を基に人物の頭部をぐるっと回っているように見せるムービングセルフィー(この新技術の名前にちなんで「nerfie」とも呼ばれる)、1枚の写真から3Dアバターをつくる、シーンの照明を自動的に変更する方法など、さまざまなアイデアがある。
  そしてNeRFは、驚くべきスピードで産業界に浸透してきた。NeRFの研究者のひとりで、現在はグーグルに所属するベン・ミルデンホールは、現在の研究開発の隆盛について「ゆっくりと、大きな波がきているようだ」と表現している。
メタバースの景観が変わる
  AIやゲームに用いられる半導体のメーカーであるエヌビディア(NVIDIA)の研究員たちはこれまでに発表した論文のなかで、写真を集めて3Dイメージを作成したり、アニメーションにより本物らしい質感をプラスしたりといったNeRFの活用例を挙げ、この技術がビデオゲームをいっそう進化させるだろうと述べている。

  また、フェイスブック(現社名はメタ・プラットフォームズ)はNeRFと類似の技術を開発し、最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグがしきりに喧伝するメタバースの景観をさらに充実させようとしている。メタのチーフAIサイエンティストで、12年にAIの世界を一変させたこの技術の先駆者でもあるヤン・ルカンは、こうした取り組みを「最高に素晴らしい」と評し、その成果に「心から感動している」と語る。
  NeRFが特に真価を発揮するのは、現実世界の機械類に採用された場合なのかもしれない。ロボットの把持(物を掴む)性能研究の世界的権威のひとりであるUCBのゴールドバーグは、同僚の研究者たちとともにNeRF技術を使って透明な物体を認識できるようロボットを訓練した。通常、透明な物体は光の反射のせいで認識しづらいが、ビデオ画像を基に物体の形状を推測させることで、こうした訓練が可能になったのだ。
  自動運転技術を開発するメーカーも、この技術を採用し始めている。テスラのAI担当ディレクターのアンドレイ・カルパシーが21年8月のプレゼンテーションで語ったところによると、同社は道路上で起こりうるあらゆる事象を捉えて対処できるよう自動運転アルゴリズムを訓練するために、NeRF技術を駆使して必要な3D映像を作成しているという。
(3)
物理的な認識も“人間並み”に?
  NeRFの背景にある考え方は、AIそのものにとって重要なのかもしれない。現実世界を正しく認識するには、物理的な理解が不可欠だからだ。
  「コンピューターグラフィックスから生まれたこれらの技法は、AIに多大な影響を与えています」と、マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授で学習や推論といった人間の行為の裏にある計算原理について研究しているジョシュ・テネンバウムは語る。
  テネンバウムは、このほどMITの助教授に就任したビンセント・シッツマンの研究を紹介する。シッツマンらのグループは、限られた数の2D画像を基にニューラルレンダリングの技法を用いて物体の3Dイメージを生成する発想を、19年に初めて披露した。
  シッツマンらの研究のテーマは、本物そっくりの完璧な3Dイメージを作成することではなく、不完全な写真から物体のおおよその形状を推測するアルゴリズムをつくることだった。これは人間が習慣的にこなしていることだと、テネンバウムは言う。「例えば目の前にあるコーヒーカップを手に取ろうとするとき、手が近づいていくと同時に、人間の知覚システムは自然にカップの背面がどの辺りにあるかを推測しています」と彼は言う。
  さらに最近では、シッツマンやハーバード大学の研究フェローであるセモン・レチコフをはじめとする研究者たちが、より計算効率の高いニューラルレンダリングの技法を発表している。彼らが研究している方法を用いると、AIプログラムは自らが作成した3Dイメージを基に物体を識別できるようになり、過去に見たものとまったく異なるデザインであっても、それをクルマやカップとして認識できるようになるという。

  つまり、NeRFとそれに関連する数々の概念によって、AIは最終的にこの世界のあらゆることをいまよりさらに洗練されたやり方で学習するようになるかもしれないということだ。その道の先には、どんなに複雑かつ不慣れな状況においてもロボットたちが不具合を起こさずに働いてくれる未来が待っているのかもしれない。
  テネンバウムによると、周囲を見回しているときの人間の脳がNeRFと似た働きをしていることを示す認知科学上の裏付けもあるという。NeRFには「複雑な計算が使われています」と彼は言う。「しかし、人間の脳も同じように複雑なのです



2021.10.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211013-KMAW6XEWEVLT7MVACPSRMYT2HQ/
<独自>「新資本主義会議」AI開発の平野氏起用へ

  岸田文雄首相は13日、看板政策である「新しい資本主義実現会議」のメンバーにAI(人工知能)開発の「シナモン」の平野未来(みく)社長CEO(最高経営責任者)=(37)=らを起用する方針を固めた。実現会議のメンバー約15人のうち半数近くを女性が占める

  シナモンはAIを使って仕事の効率化を図る技術で注目を集めている。同社を起業した平野氏は2児の母で、政府のIT総合戦略本部の本部員や税制調査会特別委員を経験している。


2021度版HP-https://ai-market.jp/services/ai_development_company/
AI開発に強い開発会社、プロ厳選の13社!【2021年最新版】

  自社ビジネスにAI(人工知能)を活用・導入して売上向上、業務改善を検討されている企業では、AI開発およびAIのPoCをどの会社に外注・委託すべきかを迷われている企業も多いのではないでしょうか?
  また、AI開発を行えるシステム開発会社を比較、検討する上で、特徴の違いがわからなかったり、費用感が見えなかったり、専門的な用語でよくわかなかったりして、選定がうまく進まないという課題をお持ちの企業もいらっしゃることでしょう。
  そこで今回は、特徴や実績・事例などを、AI Marketのプロのコンサルタントが1社1社Webサイトの調査やインタビューを通して、おすすめのAI開発会社を厳選しました。
  また、AI Marketでは、AI開発会社の選定サポートや適切な会社の紹介も行っています。AI開発会社の選定に迷ったり、依頼方法がわからなかったら、AI Marketの専門のコンサルタントが適切な会社選定を無料でサポートしますので、いつでもお気軽にご相談ください。記事には書けない費用感なども含めてご案内致します。


2021.06.24-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASP6R7FDQP6RUHBI00R.html
空飛ぶ殺人ロボット、戦場で使用か AI兵器、世界初?

  北アフリカ・リビアの内戦で軍用の無人小型機(ドローン)が、人間から制御されない状態で攻撃をした可能性があることが、国連の安全保障理事会の専門家パネルによる報告書で指摘されていたことが分かった。人工知能(AI)を用いて、自動的に相手を攻撃する兵器が戦場で用いられたとしたら、世界初のケースになるとみられる。

   専門家パネルの報告書は、今年3月にまとめられた。報告書は、リビア暫定政権が昨年3月に軍事組織を攻撃した際、トルコ企業が開発した「自律型致死兵器システム(LAWS)」と呼ばれる無人小型機によって追尾攻撃が行われたと指摘した。このLAWSについて「操縦者とつながっていなくても、標的を攻撃するようプログラミングされていた」としており、AIが攻撃を行った可能性を示唆している。情報源や、死傷者が出たかについては記されていない。

   米国の専門誌「原子力科学者会報」は5月、この報告書について「空を飛ぶ殺人ロボットが使われたかもしれない」と報道。「死者が出ていた場合、AIを用いた自律型兵器が殺害に用いられた、歴史上最初の出来事になる可能性が高い」と位置づけた。
   一方、拓殖大の佐藤丙午教授(安全保障論)は「LAWSとは、指揮管制システムから攻撃、その評価までの全体を指す。その中で顔認証などで標的を定め、追跡、攻撃するという機能を規制しようというのが国際社会の流れだ。報告書によると、ドローンのような無人兵器が戦場に現れ、脅威を与えたことは事実かもしれないが、具体的な行動は書かれておらず、LAWSではなかったのでは、という印象だ」という。

   ただ、佐藤氏は「小型ドローンが勝手にターゲットを認識し、追いかけて殺害する、という可能性のある兵器が戦場に出てきたという点は、LAWSへの懸念そのものの構図に当てはまる」と指摘。「兵器開発を止めることは難しくても、拡散や使用をいかに防ぐかが重要で、軍備管理・軍縮の枠組みで取り組むしか道はない」と語る。
   LAWSをめぐっては、地雷など非人道的な兵器を規制する特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の枠組みで国際的な規制が模索されてきた。「コロナ禍で2年近く止まっている議論を加速するべきだ」とした。
   米ニューヨーク・タイムズも原子力科学者会報の記事の筆者の見方を紹介しながらも、「報告書では、ドローンがどれだけ独立して行動し、人間がどれだけ監視・制御していたか分からない」として、評価に慎重な別の専門家の見方も紹介した。ただ、この専門家も「自律型兵器システムについては議論をすべきか? 当然だ」としている。(中井大助=ニューヨーク、荒ちひろ)


2021.06.23-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/92a99403f82afa8cb57716db61e8f54330fcfd72
殺人AI兵器、世界初使用か 昨年リビアで国連報告書

  人工知能(AI)を持ち、人間の意思を介在させずに敵を自動的に攻撃する「殺人ロボット兵器」が昨年春、内戦下のリビアで実戦に使用されたとみられることが国連安全保障理事会の専門家パネルの報告書で22日分かった。
  トルコ製の小型無人機で、兵士らを自動的に追尾、攻撃した。死傷者など被害が出たかどうかは不明。
   「自律型致死兵器システム」と呼ばれる殺人ロボット兵器の実戦投入が確認されたのは世界初とみられる。倫理面からの批判は必至で国際的な規制を求める声が強まりそうだ。
   報告書はリビア北部で墜落した無人機の残骸の写真を掲載しており、パネルは回収した残骸を分析したもようだ。


2021.06.10-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/article/20210610-AYCDHQ5USFJK5CCEMV67PCRQHE/
京セラが無人レジシステム AIの画像認識活用

  京セラは10日、人工知能(AI)を活用した画像認識型の「スマート無人レジシステム」を開発したと発表した。カメラを通して約6千種類以上の商品を見分け、商品の一部が隠れても識別が可能。労働現場での省人化や非接触技術の需要が高まるなか、自動運転を支える物体認識技術を応用した。

  1台のカメラとパソコン、ディスプレーで構成される。AIがカメラを通して商品の特徴を瞬時に見分け、形や色に個体差がある野菜なども識別。商品が重なるなどして面積の約4割が隠れていたり、手に持った状態でかざしたりしても正確に認識できる。
  従来の物体認識技術では、新商品の特徴をAIに学習させる際に、既存の商品も含め全て学習し直さなければいけなかったが、今回のシステムでは新商品の学習のみで済み、作業時間を大幅に削減できる。また、多数のカメラの設置や、商品へのICタグの貼り付けが必要な他の無人レジ方式に比べて導入コストを大幅に抑えられる。

  少子高齢化に伴う労働人口の減少や、新型コロナウイルス禍での感染防止の観点から、流通業界で省人化や非接触技術の需要が高まっており、同社が持つ自動車の自動運転を支える物体認識技術を応用して開発。令和5年以降にコンビニやスーパー、企業の社員食堂などへの導入を目指す。


2021.04.22-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR229E50S1A420C2000000/
EUのAI規制案、リスク4段階に分類 産業界は負担増警戒

  欧州連合(EU)が人工知能(AI)の利用を制限する包括的な規制案を公表した。個人の自由や権利の保護を重視し、リスクの高いAIの使用には「事前審査」を求める。違反すれば巨額の罰金が科されることになり、産業界では早くも負担増への警戒が広がる。

  「新たなAIのルールは合理化される必要がある」。EUの欧州委員会が規制案を公表した21日、IT(情報技術)関連企業などで構成する団体「デジタルヨーロッパ」がウェブサイトで懸念の声を上げた。
  同団体には独シーメンスや米グーグルといった欧米企業、日本の日立製作所など80社以上が名を連ねる。規制案の公表前から「(個人情報保護の厳格化を求める)一般データ保護規則(GDPR)から教訓を学んだのか」と、コスト負担の増加などに対し、警戒感を示していた。

  規制案では人間の生命や基本的な権利に与える影響の大きさをもとに、AIがもたらすリスクを禁止高リスク限定的なリスク最小限のリスク――という4段階に分類した。
  最も厳しい「禁止」は、政府が個人の「格付け」にAIを用いることなどが対象となる。個人の信用度を評価する仕組みとして、中国アリババ集団傘下の金融会社アント・グループが取り入れた「芝麻信用」などが知られる国家がこうした手法を用いれば、民主主義の根幹が崩れかねないとの判断だ

  警察などが顔認証の技術を使い、公共の場で市民を「常時監視」することも原則禁止になる。顔認証技術は人種や性別によって精度に差が出ると指摘されてきた。米国では2020年の白人警察官による黒人男性暴行死事件を受け、警察による顔認証の利用に批判が集まった。この結果、米アマゾン・ドット・コムなどが関連事業の停止や撤退に追い込まれた。

  「高リスク」の対象は幅広い。運輸やガス・水道関連の重要インフラ、教育現場での試験評価、ロボットを使った手術、採用での履歴書管理、ローンなどに絡む信用調査、移民・難民に関わる書類の管理などに使うAIが該当する。
  対応は難しい。重要インフラに組み込まれるAIでは、航空や鉄道、エネルギー業界に広く影響が及ぶ可能性がある。採用活動などに使うAIについても、該当する企業は多数にのぼるとみられる。

  規制案では、こうした利用は第三者機関などの事前審査を経る必要がある。適切なデータの使用や消費者への十分な説明、人間が監視できる仕組み、などが求められ、企業にとっては対応に向けたコストが膨らむ恐れがある。
  「限定的なリスク」は、深刻な危険はないAIが分類される。言語分野でAI技術を用いた「チャットボット」のようなシステムが対象となる。企業が消費者からの問い合わせに答える目的などで使っており、人間ではなく「AIが対応している」ことの明示などが必要となる。

  最も段階が低い「最小限のリスク」では、既存の法令を満たしていれば追加の対応は必要ない。迷惑メールを除去する目的での用途などが含まれており、欧州委は「大多数のAIはこのカテゴリーに属する」と説明している。
  EUは今回の規制を設けることで、AIを巡るルール形成で主導権を握る狙いがあるとみられる。ただ規制案に対しては日本政府内でも「厳しすぎる」と、混乱を危惧する声が上がる。産業界からも反発がさらに強まる可能性がある。
  規制案が法律になるには、欧州議会とEUの閣僚理事会の承認が必要だ。一部の欧州議員からは「あいまいな規定が多く、十分な審議が必要」との声が上がっており、成立までには時間がかかりそうだ。
(AI量子エディター 生川暁、ブリュッセル=竹内康雄)


2021.03.17-SciencePotal CHINA-https://spc.jst.go.jp/hottopics/2104/r2104_yang.html
顔認証産業の闇 軽視されるリスク(その1)
(2021年03月17日 楊智傑/『中国新聞週刊』記者 神部明果/翻訳)

  「目の前にある顔認証機器は、あなたの顔をスキャンしさえすればあなた自身より正確に銀行口座の残高を把握できる」。顔データが流出し他のデータと関連付けられれば、その後には深刻な結果が待ち受けている。

  2020年3月、集合住宅のマンション棟のエレベーターに貼られたある公告が清華大学法学部の労東燕(ラオ・ドンイエン)教授の目に飛び込んできた。集合住宅の各ユニットの入口にはまもなく顔認証出入管理システムが設置されるというものだ。公告の下部にはQRコードがつけられており、住人自身が利用登録をおこない、顔、身分証および不動産権利書をアップロードするよう要求していた。労教授はこれまで、職業的本能から顔認証の過度な活用については断固として反対してきた。そこで不動産管理会社と住民委員会に法的な書簡を送付し、同意なく個人の生体情報を収集することは現行の法律の規定に違反するとの注意喚起をおこなった。労氏、街道〔行政区分としての居住区〕、家主委員会および不動産管理会社の四者「交渉」の結果、この集合住宅における顔認証出入管理の推進計画は無期延期となり、いまもまだ開始されていない。

  労教授に限らず、顔認証にはっきりと反対の立場を表明する有名大学の法学部教授がますます増えている。彼らの懸念はいまや徐々に現実のものとなりつつある。顔情報取引を中心とした闇の産業チェーンは、実在するだけではなく猛威を振るっているのだ。中国中央テレビの最近のニュース報道によると、あるインターネット取引プラットフォーム上では2元で何千枚もの顔写真が購入でき、写真の本人は振り込め詐欺や財産詐取の被害にあうおそれがあり、顔情報がマネーロンダリングや暴力団などの違法犯罪行為に利用される可能性さえあるという。「目の前にある顔認証機器は、あなたの顔をスキャンしさえすればあなた自身より正確に銀行口座の残高を把握できる」とまでいわれ、顔データが流出し他のデータと関連付けられれば、その後には深刻な被害が待ち受けているのだ。
 「顔認証をめぐるリスクは想像を超えるものだ」と労教授はいう。「あなたは誰が顔データを収集しているのか、またどのような情報を収集しているのかを知らない。相手が何を保存したのか、どう利用するかも知らない。すべてが闇に包まれている」
「顔」が盗まれる
  「3万枚にのぼる顔データベース、15万件の記録。メインはエンベデッドシステム業界のディープラーニングアルゴリズム。顔認証の精度は99.97%以上、認証速度は200ミリ秒以下を達成。顔認証端末に高精度体温測定サーモグラフィーモジュールおよび顔認証アルゴリズムを組み合わせることで、顔認証と非接触体温測定の2in1機能を実現」。これはある顔認証・体温測定一体型端末の製品紹介文だ。こうした製品は今年、新型コロナウイルス感染症の拡大により爆発的にヒットし、ショッピングセンター、オフィスビル、各種機関、地下鉄・鉄道の駅入口に大量に出現した。体温測定に加え、こうした製品で忘れられているもう1つの機能は顔情報の収集だ。
  ユーザーの同意を得る少数のソフトウエアまたはシーンを除き、多くのシーンで顔情報収集はこっそりと実施される。「一部のショッピングセンターは顔認証技術を運用し、顧客の動態と購入手段情報を収集している」。「一部の大学は顔認証技術を運用し、学生が顔を上げる割合、わずかな表情、授業中の姿勢を収集している」。「顔画像分析に基づいた顔の入れ替え、バーチャルメイク、性格判断、健康状態予測などのアプリケーション」。南方都市報のAI倫理課題チームとアプリ特別取締業務チームが発表した「顔認証応用公衆調査研究レポート(2020)」は、こうしたシーンを列挙し、そこでおこなわれている「こっそり」とした収集方法に多くの人が拒絶反応を示したと報告している。
 「データ収集段階からみると、顔認証は無意識性と非接触性という特徴を備えており、遠距離でも機能する。さらに長期にわたり大規模にデータを蓄積してもユーザーに察知されず、不正アクセスのリスクが非常に高い」と冒頭の労教授は論文の中で分析する。
  データ収集は顔認証産業では最も重要かつ優先される作業といえる。顔認証精度の向上は大量の顔データの「インプット」にかかっているからだ。複数の技術者は本誌に対し、技術開発の初期において、データは主に機関または大学の実験室の公開データセットから入手しており、志望者からの有償での収集も企業にとっての重要な手段だったと語った。
  人工知能を活用するテックカンパニー「雲従科技〔CloudWalk〕」の責任者によれば、同社は顔認証技術の向上のため91のカメラからなるマトリクスを利用し、2年間に1,000人分、1人あたり20万枚、合計2億枚の顔写真を収集したという。収集データはさまざまな表情や身なりをした人々の様子を広範囲に捉えており、逆光や陰になって顔が暗くよく見えない写真なども収集されていた。
  しかしこうしてオフラインで収集したデータでもはるかに不十分であったため、同社はさらにインターネット上で1,000万人分のおよそ10億枚の顔データを入手したうえで、機械学習のデータベースに入力している。こうした膨大なデータをもとに、同社の顔認証精度は68%から99%にまで向上した。
  クローラーツール〔ネット上を巡回しデータを自動収集・整理するプログラム〕でインターネット上に公開されている写真を入手する手法は業界全体で一般的となっている。コンピュータービジョンと機械学習の研究に取り組む中国科学院コンピューティング技術研究所の山世光(シャン・シーグアン)研究員は、顔認証技術関連企業の中科視拓〔Seetatech〕の創業メンバーの一人でもある。山氏は以前、人々がネット上にアップロードした2、3枚もしくは十数枚の写真を入手できれば、その人物のデータをアルゴリズムの能力向上に用いることが可能と述べている。
  過去にマイクロソフト・リサーチ〔MSR〕に勤務していた黄昊(ホアン・ハオ)氏(仮名)は取材に対し、現在の顔認証モデルが最も必要としているのはクオリティの低いデータであると述べた。例えば画角の広い写真、暗い写真、撮影時からかなり年数がたった写真などだ。こうした企業はSNSサイトにあるような人々がポーズを取ったクオリティの高い写真を入手することはほとんどなく、ダイレクトに生活シーンの中にカメラを設置し撮影・顔認証を実施するという。予定調和から外れたデータが最も優れた効果を発揮するというのだ。
  多くの顔認証業界関係者は、中国が顔認証技術で世界のトップを走る理由について、インターネット上の膨大なデータの存在および相対的に緩やかなインターネット環境の恩恵をある程度受けているためと述べる。ネット上の写真は「主体的に公開」されているものであり、こうしたデータを利用してアルゴリズムを訓練することは「プライバシーの侵害に該当せず」、企業は顔以外の個人情報を入手できないというのが彼らの考えだ。
  中国科学院自動化研究所の研究員、北京智源人工智能研究院AI倫理センター主任、国家次世代人工智能管理専門委員会委員を務める曾毅(ツォン・イー)氏は、こうしたクローラーツールによるデータ収集方法には正当性がなく、かつ合法的でもないとの見方を示す。「それ以上に信じがたいのは、テック企業が単に写真のみを収集し、ネット上の他の個人情報を入手していないということだ」。曾氏によれば、ネット上で収集されたデータはまず整理しタグ付けされた後、アルゴリズムの訓練に利用されるという。1枚の写真には例えば女性、成人、アジア人といった複数のタグが付けられる。SNSサイト上にある生年月日、卒業校、職業などを含む一部データ情報はすべて写真の解釈のために用いられ、データのタグ付けに役立てられる。
  2020年1月には、米国の顔認証ソフトウエア企業Clearview AIが同社の開発した顔認証アプリケーションをめぐり業界の批判の的となった。同アプリの利用者は1人の人物の写真をアップロードするだけで、ネット上に公開されている同人物の写真およびサイトのリンクを発見できるというものだ。さらに恐るべき点として、このアプリは30億枚以上の写真から構成されるデータベースをもとに、同人物の名前、住所、これまでの活動内容や人脈をも識別できた。
  同社によれば、こうした写真はフェイスブック、ユーチューブ、ツイッター、インスタグラムおよびその他の数百万にのぼるウェブサイト上から収集したという。この1年前には600以上の法的機関がClearview AI社のソフトウエアの使用をすでに禁じている。上述の大手IT企業も同社アプリからのアクセスをブロックした。
(※本稿は『月刊中国ニュース』2021年3月号(Vol.109)より転載したものである)


2021.03.17-SciencePotal CHINA-https://spc.jst.go.jp/hottopics/2104/r2104_yang2.html
顔認証産業の闇 軽視されるリスク(その2)
(2021年03月17日 楊智傑/『中国新聞週刊』記者 神部明果/翻訳)

「顔」が売られる
   曠視科技〔MEGVII〕、商湯科技〔センスタイム〕、依図科技〔YITU〕、雲従科技の4社は、中国のコンピュータービジョン〔CV〕業界における4匹の小さな龍と称されている。これらのAIスタートアップ企業は顔認証産業の川中に位置している。同じフィールドで競争している企業にマイクロソフト、BAT〔バイドゥ、アリババ、テンセント〕、Googleといった大手IT企業があり、こうした企業は黙っていても大量のデータが手に入る。顔認証事業を手掛けるスタートアップ企業もこうしたデータを喉から手が出るほど強烈に欲している。
   AI技術関連会社がどのような形で顧客と提携しているか、顔データが誰によって入手され、どう保存されているかは社会の大きな関心を集めているものの、依然として不透明な状態にある。曠視科技の「Face++人工知能オープンプラットフォーム開発者サービス契約」にはかつて、同社はユーザーのデータを保存したうえで、同社およびその関連会社の内部研究の目的に利用する権利を有しているとの記載があった。そうしたデータは「主に顔認証の精度やアルゴリズムの向上および当社の製品とサービスの改善に利用される」という。
   雲従科技の関連責任者は取材に対し、われわれのような会社が顧客にサービスを提供する際、どんな契約モデルであったとしても、一般的にデータはすべて顧客側に保存されており、顧客がデータをわれわれ顔認証技術関連会社に提供することを望むはずがないと説明した。「顧客のなかでもとくに銀行や警察はイントラネットをもっており、われわれのサーバーはいずれも彼らのイントラネット内に存在する。それは彼らの私有サーバーに相当するものであり、データが外部に流失することはありえない」
   とはいえ、初期の顔認証技術関連企業の一部はデータの保護をおろそかにしていた。黄氏は2015年、ある企業の顔認証へのタグ付けが他の企業に外部委託されており、あるウェブサイト上で全データが直接閲覧できるようになっていることを発見した。このデータ流出は業界関係者のみが把握しており、彼自身も一部データをダウンロードしたものの、間もなくこのセキュリティホールは修復されたという。黄氏によれば、データの保護にはコストがかかり、これらはスタートアップ企業にとって軽視できない費用だと説明する。さらに重要な点は、データの過度な保護が多くの企業にとっては顔認証技術の発展の障害になるという事実だ。「一部企業はサーバーからデータを取得するほかに方法がない。もし自身のコンピューター上でビジュアライゼーション(データ可視化)をおこないたいと思ってもデータは入手できない。これはすなわち分析手段がいくらか減るということだ」
   流出したデータの多くは、顔情報を売買する闇市場に流入している。『北京青年報』は以前、ある売り手がネットショップで販売していた「顔データ」には2,000人分の肖像が含まれており、1人につき50~100枚の写真からなる合計17万件のデータには有名人だけでなく職業も年齢も異なる一般人も含まれていたと報じた。写真ごとにデータファイルが付されており、目、耳、鼻、口、眉毛などのパーツ情報まで含んでいたという。その売り手は記者に対し、こうした顔データの一部は検索エンジンから入手したものであり、国外のソフトウエア企業のデータベースから入手したものも一部存在すると話している。
   さらに深刻なのは、ますます多くの顔データがクラウド上にアップロードされ、データ流出または違法利用の可能性が大幅に高まり、運営側スタッフによるデータ窃取、データベースへのハッカー侵入、企業の破産・倒産後におけるデータベースの投機的な転売といった可能性も排除できないことだ。
  「データ保管の段階からみれば、いったん収集されたデータが適切に保護されなければ大規模な流出につながるだろう。たとえ合理的なデータ保管措置が講じられたとしても、ハッカーの侵入による流出の危険性は依然としてぬぐえない。個人の生物学データは安定的かつ不変的であるため、いったん流出すればこれに関するリスクと危害は不可逆的なものとなり、有効な挽回方法もない」。労氏は顔データの流出によってもたらされる潜在的リスクは携帯番号や口座番号の流出よりはるかに深刻だと断言する。顔、声、虹彩などの生物情報が流出しても、それらを変更する術は存在しないからだ。
個人情報とのひも付けで高まる危険性
   中商産業研究院のあるレポートでは、中国の生体認証技術(顔認証技術を含む)の市場規模は2020年300億元を突破すると予想されていた。顔認証をめぐってはすでに基礎レベル(チップ、アルゴリズム、データ)、技術レベル(動画の顔認証、画像の顔認証、データ比較検査)、応用レベル(ハードウエア、アプリケーションおよびアプリケーションプラン)からなる完璧な産業チェーンが構築されている。
   データ流出の影響は甚大であり、多くの業界関係者は、単なる個人の写真だけでは大きなリスクとならないが、それに個人情報がひも付けられた場合の被害は非常に深刻だと指摘する。
   顔写真と個人情報のマッチングの経路はますます多様化している。「1つ目の経路は決済ソフトウエア。ソフトウエアは元々個人情報を抱えており、これらに顔写真が加わることでマッチングが可能となる。2つ目に工業団地や観光地。こうした場所で身分証をかざして入場すると、それがデータベースになる。3つ目に多くの金融サービス会社。こうした会社は顧客情報を権威ある機関のデータベースで検索・照合するが、一部企業は照合後それらのデータを保存し続けるため、データ流出のおそれがある」と業界関係者は分析する。
   ある専門家は、多くのシーンまたはアプリで利用者は身分証の撮影を求められるが、これは身分証と顔写真がセットになっているので最も危険であり、こうした情報の提供は可能な限り回避すべきだと注意喚起している。
   多くのメディアはこれまで、「写真の3Dアニメーション化」ツールを使えば、顔写真を「まばたきをする、口を開ける、うなずく」といった動作をおこなう顔認証動画に変更できることをスクープしてきた。個人情報をひも付けた写真の3Dアニメーション化をおこなうと、市場に出回る大多数のソフトウエアに実名登録できるようになる。これに認証コードのクラッキング手段が加われば、犯罪者がネットキャッシングや振り込め詐欺などを実行するうえでほとんど何の障害もなくなる。
  「グーグルは情報の乱用に対する懸念から、顔と個人情報のマッチングをすでに明確に拒絶している。だが他のIT企業の態度はこれほど毅然としたものではないようだ。アマゾンとマイクロソフトはいずれもクラウドコンピューティングサービスにおいて顔認証を提供しているほか、フェイスブックもこれを中核プランの一部に組み込もうとしている」。英『エコノミスト』誌が2017年に掲載した論文にはこうした指摘があった。
   ある専門家は以下のように述べる。「顔認証アプリには主に技術的なリスク(誤認リスク、人種差別、性差別の危険性、セキュリティホールへの対抗など)、乱用リスクおよび情報リスクがある。やがてアプリが普及するにつれて、『カネ』や『セキュリティ』などの面でのリスクが高まる」
乱用されるテクノロジー
   米国中央情報局〔CIA〕元技術分析官のエドワード・スノーデン氏は2017年の時点でこう予言していた。「携帯電話のロック解除をはじめとするフェイスアプリケーションの登場は、顔のスキャニングを当たり前のものに変えると同時に、必ずや顔認証の乱用につながるだろう」
   この予言はいまでは現実のものとなっている。アップルは2017年、顔認証によるロック解除をサポートする新型スマートフォンiPhoneXをリリースした。また同年には、支付宝〔アリペイ〕、京東集団〔JD.com〕、蘇寧易購〔Suning.com〕も相次いで顔認証決済機能をスタートさせた。顔認証の活用シーンはエンドユーザーのレベルで広がる一方だ。
  「規制が一切ないため、顔認証技術の活用シーンの大々的な拡大に伴い、必ず避けられなくなるのが乱用と差別〔人種差別、性差別など〕だ。セキュリティ、出入退管理、決済および認証などのよくある活用シーンに加え、顔認証技術は現在、ショッピングセンターでの顧客数統計、社区〔地域コミュニティ〕管理、年金の受領、税務認証、物品の保管、観光スポットへの出入場および劇場でのチケット確認などに幅広く使用されている。さらには学生の授業態度をモニターすることを目的に、教育分野での利用も推進されている」と前掲の労氏は論じている。
  ニーズのある政府部門と市場を奪いたい企業が「示し合わせ」、膨大なリスクを抱える顔認証アプリケーションを「至るところで開花」させているというのが労氏の考えだ。「政府の観点からいえば、顔認証はやはり便利なテクノロジーツールというのが先に立つ。求められる安全性についてはできる限り厳密な対策を講じるとしかいえない。一方で資本の側からいえば、研究開発や普及に取り組む企業が常軌を逸するほどの速度で事業を拡大しているのは、自社の市場価値や利益をできる限り引き上げるためである。この両者の密接な提携があるからこそ、顔認証技術拡大の勢いは押し寄せる洪水のようにせき止めることが不可能だと言うしかない」
  ますます多くの顔認証が生活に「侵入」している事態に対し、労氏は一貫して抗議の立場を鮮明にしてきた。北京市軌道交通指揮センターの戦明輝(ジャン・ミンホイ)主任は2019年10月29日に実施されたあるフォーラムで、北京市は顔認証技術を活用した乗客分類安全検査を実施し、安全検査職員はこれに基づき各種の安全検査措置を講じる計画であることを明らかにした。その2日後、労氏は「地下鉄での顔認証利用に関する法的リスク」と題する論文を発表し、こうしたやり方に断固として反対した。現時点でこの計画は一時的に棚上げされている。

  「データをどう収集、保存、送信、使用および処理するか、ならびに第三者への販売または提供を許可するか、ネットワーク上に置くことを認めるかどうかなど、現行の法律は一切介入していない。その結果、活用シーンの大々的な拡大で誘発されるであろうリスクもまた、何倍にも膨らむ状況が出てきている」。労氏はこれが「よくよく考えると恐ろしいこと」というレベルの話ではなく、根本的には「想像すらしたくない事態」だと断言した。(おわり)



2020.11.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/201120/wst2011200010-n1.html
偽動画「ディープフェイク」急増 一般人にも被害の懸念
(1)
  人工知能(AI)の顔認証技術を悪用した精巧な偽動画「ディープフェイク」が、インターネット上で増加し、世界中で懸念が高まっている。女性有名人のわいせつ動画や、政治家が問題発言をする動画などが作成されており、名誉毀損(きそん)や情報操作に発展する恐れもある。一方で、復讐(ふくしゅう)のために交際相手の裸の写真を流出させるリベンジポルノに悪用される可能性もあり、有名人だけでなく一般人の身近でも対策が必要だ。(南里咲)
56万円の広告収入
  「生活のためにやっていた」。女性芸能人のわいせつ動画を作成したとして、京都府警が名誉毀損容疑などで逮捕した男はこう供述した。男はアダルトビデオの出演者に女性芸能人の顔を合成した偽動画を100本以上作成。1~6月にサイトの広告収入などで約56万円を得ていたという。
  ディープフェイクはAIの先端技術「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」の合成語。2017年に米国で投稿されたことがきっかけで、広まったとされる。作成は容易で、府警に逮捕された男はネット上で無料で入手できるアプリを使用。「女性芸能人が本当に裸になっているように見えるほど精巧だった」と、男が作成した偽動画を見た府警幹部は明かす。
  このような手軽さや精巧さもあり、被害は急拡大しているが、専門家らは有名人に限らず、一般人への被害を懸念する。ネット問題に詳しい最所義一弁護士(神奈川県弁護士会)は、日本での一般人の被害は把握していないとした上で、「ネット上で誹謗(ひぼう)中傷をする人間は面白半分で行う。同じような感覚で、リベンジポルノなどに悪用されることは十分あり得る」と指摘する。
SNSの写真が素材に
  偽動画は素材となる写真が多ければ多いほど作成しやすいため、「さまざまな角度からの写真をSNS(会員制交流サイト)上に多く投稿している人は、注意が必要だ」と警鐘を鳴らした。
(2)
  また、これまでリベンジポルノの被害は実際に撮影された裸の写真が流出するケースが主だったが、府警幹部は「ディープフェイクが広まれば、裸の写真を撮影したことがない人でも、顔写真さえあれば被害に遭う可能性があり、死活問題になる」と危機感を募らせる。
  今月には、神奈川県立高校で、デジタル加工で変形させた顔の画像を拡散されるいじめを受けた男子生徒が不登校になる事案も発覚しており、ディープフェイクも同様に悪用される恐れは否定できない。米国では実際にリベンジポルノに使われた例もあり、昨年7月にバージニア州は加害者に最大1年間の懲役と2500ドル(約30万円)の罰金を科す法改正をした。
被害防止へ対策進む
  ディープフェイクが急速に増加する一方、被害を食い止めようとする動きも進んでいる。
  オランダのIT企業の調査によると、今年6月時点で約4万9千件の偽動画が存在しており、2年前の6倍以上に急増。被害者の半数は米国人だが、日本人の割合も4%を占める。国内で被害を受けた芸能人は約200人、公開されている動画は約3500本に上るとみられ、深刻な問題になっている。
  ツイッター社は3月、政治家の映像を改竄(かいざん)した動画が投稿された場合、警告ラベルを表示する措置を導入。リツイート(転載)や「いいね」を付ける前にも警告文を表示し、利用者に注意を促す。
  フェイスブック社は1月、見る人をだますことを目的とした偽動画の削除を表明。ユーチューブも2月、同様の措置を取ると発表した。米国企業が相次いで対策に踏み切った背景には、大統領選への悪影響を防ぐ狙いがあったとみられる。
  日本でも文部科学省が今年度、フェイクニュースやフェイク動画を検知して対処する技術の研究を戦略目標に掲げており、国立情報学研究所はディープフェイクを自動識別する技術の研究を進めている。


2020.2.2-dmenu ニュース(産経新聞)-https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sankei/politics/sankei-plt2002020018
AI関連予算に3900億円 政府、国家戦略で成長後押し

国会で3日から実質審議が始まる令和2年度予算案で、政府が人工知能(AI)戦略に基づく関連予算として文部科学省、経済産業省、国土交通省など政府全体で前年度比147億円増の約1314億円を計上していることが分かった。元年度補正予算の約2581億円との合計で約3895億円にのぼる。AIを使いこなす人材育成や新技術の研究開発、AIの社会実装などに支出し、国家戦略として成長を後押しする。
 安倍晋三首相は1月20日の施政方針演説で「AIが解析するデータのボリュームが、競争力を左右する時代だ」と述べ、この分野で世界をリードしていきたい考えを強調した。予算案には首相の意向を反映した。
 人材育成に関し、政府は令和7(2025)年にトップクラス100人を含む2千人のエキスパートを育成することを目標としている。小中学校にパソコンなどの端末を1人1台配備するのもその一環だ。AIを用いて社会や企業の課題解決に秀でた人材の育成にも取り組んでいる。
 2年度予算案には、新たに中小企業の生産性向上に向けて、そうした人材を育成、活用する事業に6億2千万円を計上した。600人の育成と、企業と人材をマッチングするノウハウの構築を目標としている。
 研究開発では、グローバル化を踏まえ、多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発に新規で14億円を計上。前年度に計上された開発関連では、次世代AIやロボットの中核技術開発に50億円、高効率・高速処理を可能とするAIチップなどの技術開発などには94億2千万円を計上し、それぞれ増額した。
 政府は医療、農業、建設などへのAI導入も加速させたい考えで、関連予算を確保した。新規としては、保健医療分野でのAI研究開発加速に向けた人材養成に2億円を計上した。


2019.4.29-THE NHK NEWS WEB-https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_963.html
(人工知能)が大腸がんの診断をサポート

AIの医療応用   大腸がんは内視鏡検査で早期発見   AIが大腸がんを発見   なぜAIが必要?   AIの学習方法   さまざまな画像を学習   医療分野の人工知能の研究開発・・・・・・・・・・・


日立 InspireTheNext-https://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2019/03/05b04/index.html
画像診断を革新するAI技術
グローバル×デジタルを加速する技術革新


■AI・人工知能の利用例
  ・AIの利用例1:自動車の自動運転
  ・AIの利用例2:お掃除ロボット
  ・AIの利用例3:工場における不良品検知
  ・AIの利用例4:クレジットカードの不正使用検知
  ・AIの利用例5:非接触検温
  ・AIの利用例6:Google翻訳
  ・AIの利用例7:SiriやAlexaなどのバーチャルアシスタント







このTopに戻る





monomousu   もの申す
最近のニュース
TOPにもどる
ここは、2019年4月29日~2023年10月までのニュースです