アフリカの問題-2020年03月~2023年12月


2023.09.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230925-6HSIM54OIRK7PGDMVVZDW6IFOA/
マクロン大統領、ニジェールから仏軍撤収を表明 アフリカ・対テロ戦略に打撃

  【パリ=板東和正】フランスのマクロン大統領は24日、西アフリカ・ニジェールから年内に駐留軍を撤収させると表明した。駐ニジェール大使も数時間以内にフランスに帰国させると発表した。7月下旬にニジェールでクーデターが起きて以降、撤収への圧力が強まっていた。旧宗主国のフランスは撤収により対アフリカ・対テロ戦略の重要拠点を失う。

  マクロン氏はメディアとのインタビューで、「ニジェールの軍事政権はもはやテロとの戦いを望んでいない」とした上で「(ニジェールとの)軍事協力に終止符を打つ」と発表した。今後数週間から数カ月の間に撤収の手続きを進め、年内に完全撤収する方針。欧州メディアによると、ニジェール軍政は歓迎の意を表明した。
  ニジェール周辺では国際テロ組織アルカーイダやイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の傘下組織が活動し、フランスなどがバズム政権を軍事支援してきた。仏紙ルモンドなどによると、フランスは過激派対策のため計約1500人の部隊をニジェールに駐留させている。
  ニジェールでは7月下旬、軍部がバズム大統領を追放したと宣言し、バズム氏を監視下に置いた。軍部はその後、クーデターを指揮した司令官が国家元首に指名されたと発表した。
  ニジェール軍事政権は8月3日、フランスとの軍事協定を破棄したと一方的に発表。同月下旬には、フランスの駐ニジェール大使の国外追放を命じた。軍事政権を認めていないフランス政府はバズム政権のみを正統と認める立場を取り、駐留軍の撤収や大使の退去に反対し続けていた
  しかし、軍事クーデターで反仏感情が拡大。駐留軍撤収や大使退去への圧力は高まり、仏軍の駐留拠点や仏大使館前では反仏デモが起きた。

  マクロン氏は今月15日、記者団に駐ニジェール大使や外交団は外出もできていない状況だと明かし、「大使らは大使館で事実上、人質となっている」と訴えた。
  フランスはマリやブルキナファソでの軍事クーデター発生で相次いで駐留部隊の撤収を迫られており、ニジェールは西アフリカでの駐留仏軍の重要拠点だ。撤収はアフリカに影響力を維持し続けてきたフランスの対アフリカ政策にとり打撃となりそうだ。


2023.08.05-au web ポータル(産経新聞)-https://article.auone.jp/detail/1/4/8/221_8_r_20230805_1691223595951553
ニジェール政変、緊迫化 地域機構が軍事介入案
(中東支局) 

産経新聞



  軍事クーデターが起きた西アフリカのニジェールを巡り、周辺国でつくる西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は4日、ニジェールへの軍事介入計画を策定したと明らかにした。バズム大統領を追放した軍部に対し、6日までに正統政府を復活させるよう要求。情勢が沈静化しなければ介入する可能性がある。軍部は反発しており、事態は緊迫化している。ロイター通信が報じた。

  ロイターによると、ECOWASで政治問題を扱う委員会のムサ委員長は、「いつ、どのように軍事力を展開するか」について加盟国内で議論したと話した。ニジェールの軍部と交渉を通じた解決を模索しているが、難航しているもようだ。
  クーデターは7月26日に発生。ECOWASは30日、ニジェールに対する経済制裁を発動し、軍部にバズム氏への権力返還を要求した。ナイジェリアで今月4日まで開いた会合では、6日の期限を設定して介入の可能性を示唆し、軍部に歩み寄りを迫った形だ。
  ただ、軍事介入を実施すればニジェールの軍部は応戦する構えだ。また、軍部を支援するため隣国のマリとブルキナファソも参戦する意向を表明しており、周辺国を巻き込んだ軍事紛争に発展する恐れがある。マリとブルキナファソでは、近年、軍部がクーデターを起こして権力を掌握している。(中東支局) 

産経新聞




2023.08.03-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230803-ABYRRVSG4NLY5NRNTN2MBRDKE4/
米大使館員、一部退避へ ニジェール

  ロイター通信は2日、クーデターが起きた西アフリカ・ニジェールの首都ニアメーにある米大使館から職員の一部がチャーター機で退避すると報じた。

  残りの大使館員は勤務を続ける見通し。(共同)


2023.07.31-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/60182c9ee939fe157014b3aa0227c4a93df194c6
ニジェール EU最大の原発ウラン供給元 フランス採掘にクーデターが暗雲

  【パリ=三井美奈】西アフリカ・ニジェールの軍事クーデター反仏感情が広がったのは、旧宗主国フランスが原発燃料ウランの鉱山開発を通じ、ニジェール経済に権益を維持してきたためだ。欧州連合(EU)にとってニジェールは最大のウラン供給元で、クーデターはエネルギー計画を大きく揺さぶった。

  フランスの原子力企業「オラノ」(旧アレバ)は7月28日、ニジェール情勢を受け、「首都ニアメーにある本部、アーリット鉱山での事業は続いている」とする声明を発表した。
  ニジェールには600人近いフランス人が在住するが、コロナ仏外相は30日、仏ラジオで「現時点で、退去の決定はない」と述べた。 フランスは電力供給の70%を原子力に依存それを支えたのが旧植民地ニジェールのウランだった。
  仏紙ルモンドによると、2005~20年、フランスのウラン輸入量の18%をニジェールが占めた。オラノは今年5月、40年までの採掘権延長をめぐって、ニジェール側と合意したばかりだ。 フランスにとって、ニジェールは、西アフリカにおける駐留仏軍の重要拠点でもある。マリやブルキナファソでの軍事クーデター発生により、相次いで駐留部隊の撤収を迫られたためだ。
  仏国営放送によると、ニジェールには現在、仏軍1500~2000人が駐留する。 西アフリカではロシアの民間軍事会社「ワグネル」が影響力を広げ、反仏感情を煽(あお)ってきた
  昨年、ブルキナファソで軍事クーデターが起きた際にも、ロシアの旗を振るデモ隊がフランス大使館を包囲、襲撃する騒ぎが起きた。ニジェールでの事件と重なる。
  経済開発協力機構(OECD)原子力機関によると、ニジェールはウラン産出で世界5位。EUでは21年、ウラン供給の24%をニジェールが占めた。2位はカザフスタン(23%)で、3位はロシア(20%)だった。EUはロシアのウクライナ侵略を受け、露産エネルギー依存からの脱却を進めているさなか。ニジェールの軍事クーデターは、新たな打撃となった。


2023.07.30-東京新聞-https://www.tokyo-np.co.jp/article/266650
ニジェール軍政支持で数千人デモ 仏大使館攻撃、ロシア接近も

  【ナイロビ、パリ共同】西アフリカ・ニジェールの首都ニアメーで30日、クーデターを起こしてバズム大統領の追放を宣言した軍事政権への支持を訴え、数千人がデモ行進した。一部が過激化し旧宗主国フランスの大使館を攻撃、ドアに放火した。ニジェール情勢を協議する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の同日の緊急首脳会合を前に、軍事政権がデモを呼びかけていた。AP通信などが伝えた。

   ECOWASのトゥーレ委員長は30日、軍事政権が1週間以内にバズム氏に権力を返還しなかった場合、軍事介入も選択肢になり得るとの認識を示した。首脳会合の結果、加盟国が同意したとみられる。


2023.05.04-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASR540VX5R53UHBI02Y.html
雨期の洪水、地滑りなどで127人が死亡 ルワンダ
(ヨハネスブルク=遠藤雄司)

  アフリカ東部ルワンダの大統領府は3日、洪水や地滑りが2日から3日にかけて発生し、少なくとも127人が死亡したと発表した。被害は西部、北部、南部の州など各地に広がっているほか、大雨が降り続いていることから、政府は人々の避難を急いでいる

  AFP通信によると、死者の多くはキブ湖のある同国西部に集中している。住宅や建物が押し流されたほか、道路も封鎖されているという。ルワンダを含む東アフリカ地域は雨期に入っており、この時期の洪水被害は珍しくない。同国では2020年5月にも大雨によって65人が死亡したという。(ヨハネスブルク=遠藤雄司)


2023.02.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230225-GBJMYKRYERLUJJH752PS642IYY/
ジブチで陸自2人拘束 日本は抗議

  自衛隊が海賊対処活動などのため初の海外拠点を設置しているアフリカのジブチで2021年10月ごろ、陸上自衛隊部隊の幹部2人が、ジブチ軍に十数時間にわたり拘束されていたことが25日、複数の政府関係者への取材で分かった。中国軍人を撮影したとの疑いだった。現地の日本大使館がジブチの国防省などに抗議し釈放された。

  ジブチでは米国、フランス軍など各国が活動し、中国軍も17年から初の海外基地を運用。21年10月のほかにも、自衛隊員が現地当局に拘束されたり、拘束されそうになったりする事件が相次いでいるという。21年のケースは拘束時間が異例の長さだった。
  複数の政府関係者によると、21年10月ごろ、首都ジブチ市内で、陸自部隊司令部の情報幕僚と地域情報班長の2人が、中国の軍人をスマートフォンで撮影。ジブチ軍の共和国警備隊が2人を拘束、スマホを押収した。日本側の抗議で、2人は十数時間後に解放。スマホは後日返還されたという。


2023.01.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20230102-3FSHZQDCGZLTHJ5HJU6UFN4YTY/
ウガンダで群衆事故、子ども含む9人死亡 ショッピングモールで新年の花火に殺到

  東アフリカのウガンダからの報道によると、首都カンパラのショッピングモールで開かれた新年を祝うイベントで群衆事故があり、地元警察は1日、子どもを含む9人が死亡したと明らかにした。真夜中にモールの外で花火が行われて人々が殺到し、窒息状態になった人もいたという。

  負傷者も出ており、警察が捜査を始めた。新型コロナウイルスが流行後、新年の大型イベントが認められたのは初めてだったという。
(共同)


2022.12.25-Yahoo!Japanニュース(ABEMA TIMES)-https://news.yahoo.co.jp/articles/dfb1e7d3fa1ec247fdd86700456b51cbaa44a795
橋下にタンクローリーが挟まり大爆発 8人死亡、数十人が負傷 南アフリカ
-(ANNニュース)

  南アフリカで橋の下に挟まったタンクローリーが大爆発を起こし、これまでに8人が死亡、数十人が負傷している。

  南アフリカ最大の都市、ヨハネスブルグ郊外で24日、タンクローリーが橋の下に挟まり、漏れ出したガスによって大爆発が発生し、辺り一面が炎に包まれた。
  救急隊の発表によると、これまでに8人が死亡、数十人がけがをした。この爆発により、近くにある病院や家屋などが被害を受けたという。
  現在、事故の原因について調査が続けられている。
(ANNニュース)


2022.08.25-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/ddd29c9264d767ab527b0d72209f6b37f12291d2
官民で「最後のフロンティア」開拓 対中で巻き返し
(高久清史、那須慎一)

  日本政府が主導するアフリカ開発会議(TICAD)が27、28日にチュニジアで開かれ、日本企業の進出促進などが主な議題となる。資源が豊富なアフリカ市場への投資では中国などが先行しているが、現地では過度な中国依存への懸念も出ており、日本は官民が連携してアフリカ開拓を強化し、巻き返しを図る

  「ますます日本とアフリカの関係は対等のビジネスの関係になる」。日本貿易振興機構(ジェトロ)の佐々木伸彦理事長は22日の記者会見でこう述べ、アフリカとの関わり方で「援助からビジネス」のシフトが加速するとの認識を示した。

  アフリカは2050年に世界人口の4分の1を占めると予測される巨大市場で、経済的な潜在力から「最後のフロンティア」とも呼ばれる。
  今後の市場拡大を見据え、金融とITを融合させた「フィンテック」事業などで新興企業が増加。
  国際通貨基金(IMF)によるとサハラ砂漠以南のサブサハラアフリカ地域の実質成長率は22年が3・8%、23年が4・0%と見込まれている。 ただ、日本の存在感は高いとはいえない。
  日本総合研究所の調査ではアフリカ進出企業の拠点数は中国の約5千拠点に比べ、日本は約900拠点ジェトロによると、対アフリカ直接投資残高でも日本は中国などに引き離されている。

  巻き返す上で糸口となりそうなのが社会課題解決につながるビジネス分野への参入だ。現地との橋渡しに取り組むアフリカ開発協会の矢野哲朗会長は「医療分野などで日本の技術を生かしたいという期待は非常に強い」と指摘する。
  具体的な動きもある。経済同友会は今回のTICAD開催に先駆け、アフリカに特化して社会課題解決の投資などを行うファンドの新設を決めた。同友会アフリカプロジェクトチームの岩井睦雄委員長(日本たばこ産業会長)は「日本ならではのやり方で成長(の恩恵)を日本に取り込む」と話す。ファンドの資金運用規模は24年春に100億~150億円を目指す。 一方、海外ビジネスのリスクに対応する保険事業を行う政府全額出資の日本貿易保険は、同業のアフリカ貿易保険機構(ATI)に出資する方針を表明。
  TICADに合わせて協力覚書を交わす予定。ATIとの関係強化を通じて現地の情報を入手し、日本企業を後押しする。 日本総合研究所の石川智久上席主任研究員は、アフリカでは中国が債務を負わせて支配を強める「債務のわな」を懸念し、過度な中国依存の修正を探る機運があると指摘。
  「TICADを活用しながらオールジャパンでアフリカ勢とウィンウィンの形を構築し、アフリカの中国依存を減らせば国際社会での日本の発言力も高まる」と期待する。
(高久清史、那須慎一)


2022.08.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220825-U4VUQOZPBRK7VMSJECYKSRP56E/
TICAD27日開幕 岸田首相オンラインで出席へ

  岸田文雄首相は27日に開幕するアフリカ開発会議(TICAD)で、巨額の資金でアフリカへの影響力を強める中国に対抗、「人への投資」を重視した経済支援を打ち出す。首相は新型コロナウイルスに感染したため、予定していた現地入りは見送り、オンラインで参加する。人材育成支援などを通じてアフリカ経済成長への貢献をアピールし、アフリカ諸国との関係強化を目指す考えだ。

  25日、首相特使の林芳正外相は羽田空港から政府専用機で出発した。出発に先立ち、林氏は外務省で記者団に「わが国はアフリカとともに成長するパートナーとして課題克服に取り組み、双方のさらなる成長につなげる」と述べた。
  TICADはアフリカの経済成長を後押しする日本主導の国際会議で、国連などと共催している。1993年に初めて東京で開催され、横浜市で行われた2019年の前回会議では「自由で開かれたインド太平洋」の実現を盛り込んだ横浜宣言を採択した。
  今回の会合では、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でアフリカが深刻な食料危機に陥っているのを踏まえ、アフリカの食料安全保障の強化に向けた支援策も打ち出す見通し。


2022.08.01-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220801/k10013745791000.html
「国際ロマンス詐欺」疑い 日本人ガーナで拘束 日本移送逮捕へ

  外国人を名乗り、マッチングアプリで知り合った相手に恋愛感情を抱かせる「国際ロマンス詐欺」と呼ばれる手口で現金をだまし取ったとして、大阪府警に国際手配された日本人がガーナで、現地の捜査当局に不法滞在の疑いで拘束されていたことがわかりました。近く、日本に移送され、警察は詐欺の疑いで逮捕する方針です。

  身柄を拘束されたのは詐欺グループのリーダー格とみられ、住居、職業ともに不詳のA容疑者(58)です。
  大阪府警によりますと、A容疑者はグループのメンバーとともに京都府に住む55歳の男性ら2人から合わせておよそ150万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いが持たれています。
  グループは、マッチングアプリで海外にいるアメリカ人のライターなどを名乗り、相手に恋愛感情を抱かせて生活費などを要求したとみられるということです。
  A容疑者は滞在先のガーナから日本にいるメンバーに事件を指示した疑いがあり、大阪府警が逮捕状をとって国際手配していましたが、7月、ガーナの捜査当局に不法滞在の疑いで身柄を拘束されていたことがわかりました。
  近く、日本に移送され、警察は詐欺の疑いで逮捕する方針です。
  グループの口座には被害者とみられる65人から3億9000万円の入金記録があったということで、警察が実態の解明を進めています。



2021.11.12-NHK NEWS WEB -https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211111/k10013344661000.html
南ア デクラーク元大統領死去 アパルトヘイト撤廃でN平和賞

  南アフリカでアパルトヘイト=人種隔離政策の撤廃を実現させマンデラ元大統領とともにノーベル平和賞を受賞したデクラーク元大統領が11日、死去しました。85歳でした。

  デクラーク氏の財団はデクラーク元大統領が11日、南アフリカ・ケープタウンの自宅で85歳で亡くなったと発表しました。デクラーク氏は1936年にヨハネスブルクの白人の家庭に生まれ、大学卒業後、政治の道へ進みました。
  1989年に大統領となり、よくとしには27年間にわたって拘束されていた黒人指導者のネルソン・マンデラ氏を釈放し、マンデラ氏と協力して少数の白人が大多数の黒人を支配したアパルトヘイトの撤廃に取り組みました。こうした功績が評価され1993年にはマンデラ氏とともにノーベル平和賞を受賞しました。
  その後、1994年に初めてすべての人種が参加して行われた民主的な選挙でマンデラ氏が大統領に選ばれると、デクラーク氏は副大統領を務めました。そして政界を引退したあとも財団を立ち上げるなどして国民の融和を目指してきました。財団によりますと、デクラーク元大統領はがんで闘病を続けていたということです。
ラマポーザ大統領は…デクラーク元大統領の死去を受けて、ラマポーザ大統領は記者団に対し「民主化に向けて重要な役割を果たした」と述べたうえで、デクラーク氏がアパルトヘイトを推進していた政党の政治家でありながら撤廃を決断したことについて「みずからの政党の方針から距離を取る勇気があった」と述べて功績をたたえました。
デクラーク元大統領「最後のメッセージ」公開・・・デクラーク元大統領が「最後のメッセージ」として語る動画が死去のあと公開されました。この動画はデクラーク元大統領が亡くなったあと、デクラーク氏の財団によって公開されました。「最後のメッセージ」として本人がおよそ7分間にわたって語りかける内容となっています。
  この中でデクラーク氏は「若いころにアパルトヘイトを擁護していたのは事実だ。しかし1980年代の初頭に考えがまるっきり変わった。まるで改心したかのようにアパルトヘイトが間違っていると気付いた」と語っています。そのうえで「何度も謝罪したが信じてくれない人もいた。この最後のメッセージで繰り返させてください。アパルトヘイトが有色人種の人たちに与えた痛みや屈辱について無条件で謝罪します」と述べています。

  デクラーク氏はアパルトヘイトを推進していた政党の政治家でありながら大統領に就任後、黒人指導者のネルソン・マンデラ氏と協力して撤廃を実現させ、1993年にはマンデラ氏とともにノーベル平和賞を受賞しました。
  メッセージの最後でデクラーク氏は「私たちが手を取り合い知恵を出し合えば南アフリカは直面する課題を克服し、極めて大きな潜在能力を発揮できると強く信じている。どうかその勇気と工夫が示されますように」と締めくくっています。
松野官房長官「心からご冥福をお祈り申し上げる」
  松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「お悔やみを申し上げる。デクラーク元大統領は、アパルトヘイト体制における最後の白人大統領として、在任中、ネルソン・マンデラ氏などの政治犯の釈放やアパルトヘイト法の撤廃を実現した1993年には、対話による平和実現の功績によりマンデラ氏とともにノーベル平和賞を授与された。心からご冥福をお祈り申し上げる」と述べました。


2021.11.05-CNN-https://www.cnn.co.jp/world/35178957.html
エチオピアの反政府勢力、首都郊外に迫る 陥落の可能性も
(1)
  ロンドン(CNN) エチオピアで、連邦政府と敵対する複数の反政府勢力の部隊が合流し、首都アディスアベバの郊外に迫る事態となっている。同国の外交筋が3日、CNNに対して明らかにした。前日には当局が、同国全土に非常事態宣言を発令し、市民に対して首都防衛のため武器を取るよう呼び掛けていた。

  同国で紛争が拡大する一方、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、エチオピア政府が任命する人権委員会と合同で、同国北部ティグレ州で1年間にわたり続く流血の事態を調査。国連は合同調査によって明らかになった、「戦争犯罪」に当たる可能性がある実態について非難していた。
  待ち望まれた報告書は、同国のアビー首相がティグレ州を支配する少数民族勢力、ティグレ人民解放戦線(TPLF)に対する軍事攻勢を命じてから1年近くが経過した今月3日のタイミングで公表された。

  12カ月にわたって続く戦闘では、数千人が死亡し、200万人超が自宅を追われたさらに飢餓に拍車が掛かり、相次ぐ残虐行為をもたらした

  反政府勢力の部隊が首都アディスアベバに歩みを進める事態も相まって、この紛争が全面戦争へと発展しかねないとの恐怖感が高まっている
  エチオピアの外交筋はCNNに対して3日、ティグレ防衛軍(TDF)および、同国最大の人口を抱えるオロミア州の非合法武装勢力、オロモ解放軍(OLA)の戦闘員らが首都郊外に迫っていることを明かした。
(2)
  この情報筋は、戦闘員らが決断すれば、数時間内に市内で戦闘を展開する実力を保有するものの、彼らは合意が結ばれるのを待った方が好ましいと考えていると指摘している
  武装勢力側は先月31日、首都につながる道路沿いにある要衝の町2カ所を掌握したと発表。戦闘員らが急速に展開していることで、同国の指導者らの間では首都陥落の可能性についての懸念が持ち上がっている。
  アビー首相は同日、フェイスブックへの投稿で市民らに対し、武器を取って武装勢力と戦うよう呼び掛けた。投稿には「我々の人民は、武器や防衛のために使えるものは何でも手にして進軍し、テロリストであるTPLFを撃退して葬るべきだ」と記されていたが、フェイスブックによって後に削除された。

  フェイスブックを運営するメタ社の広報担当者は「エチオピア首相による投稿に気づき、暴力沙汰をあおったり支持したりすることに関する我々の方針に違反したため削除した」と述べている。
  同首相は3日、軍司令部での演説で発言をさらに過激化させ、政府の敵は「我々の血と骨で」葬り去り、「エチオピアの栄光を再び高揚させる」と誓った
  ロイター通信の報道によると、アディスアベバの市当局は同日、住民に対して所有する武器を登録し、周辺を「護衛」するために居住地区に集合するよう指示を出した。


2021.09.27-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/c2c13e816d2f5f4b2ef65ff3df9cdb12f8ef52f7
「アラブの春」発火点のチュニジアで混乱拡大

  【カイロ=佐藤貴生】「アラブの春」と呼ばれる2011年の反政府デモで独裁政権を打倒し、民主化の成功例とされた北アフリカ・チュニジアの首都チュニスで26日、サイード大統領に抗議する数千人規模のデモが行われるなど、同国の政治危機が拡大している。2カ月前に首相を解任して国会の機能を停止したサイード氏が最近、自らへの権力集中を強化する意向を示したことが発端だ。

  サイード氏は22日、大統領令によって国を統治するとし、憲法改正を目指して委員会を設置する方針を表明した。現行の憲法は同氏の施策に矛盾しない範囲に限り有効だと述べた。 自らの政策について、サイード氏は「真の民主主義を達成するのが目的だと主張し、国民から一定の支持を受ける。これに対し、主要政党は独裁が再び迫っているとして同氏を批判し、政権への抗議デモも発生している。
  国会で最大多数を占めるイスラム主義政党アンナハダ」は、サイード氏の行動を「独裁統治に向かう明確な兆候だ」として批判したものの、25日には同党指導部に対する不満から元閣僚や国会議員を含む百人以上が離党を表明するなど混乱が広がっている。
  チュニジアは北アフリカや中東の強権体制が相次いで反政府デモで崩壊した11年の「アラブの春」の発火点となり、男女平等や表現の自由を認める新憲法が制定され、民主化が実現した。無党派の憲法学者だったサイード氏は19年の大統領選で民主的に選ばれ、大統領に就任した。
  しかし、国会では多党乱立によって意思決定が難しくなり、経済低迷の打開策も打ち出せず、既存政党に対する国民の不信感が強まっていた。
  サイード氏が今年7月下旬に解任した首相の後任は決まっておらず、国会が再開される見通しも立っていない。
  チュニスの男性記者(33)は「サイード氏が現在の国会の状態を刷新したいと考えていることは分かるが、彼の最終的な政策目標がよく分からない」とし、不透明な情勢は当面続くとの見方を示した。


2021.09.07-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/guinea-security-idJPL4N2Q82MV?il=0
ギニアのクーデター主導者、暫定的な挙国一致内閣の設置を約束

  [コナクリ 6日 ロイター] - 西アフリカのギニアでクーデターを主導した軍幹部は6日、暫定的な挙国一致内閣の設置を約束した。5日のクーデターでは国軍の特殊部隊がコンデ大統領を拘束し、政府を解散。憲法停止を宣言し、陸と空の国境も閉鎖した。

  特殊部隊を率いる元フランス外国人部隊兵士のママディー・ドゥムブヤ氏は、コンデ政権の閣僚や政府高官を集めた会議で移行の大枠を決める話し合いを行い、その後、移行を率いる挙国一致内閣を設置する」と表明。」

  「移行期間の終わりに、新たな統治と経済発展の時代の基調を打ち出す」と述べた。移行の詳細や民主的な選挙の実施時期には言及しなかった。
  クーデターを受け、資源業界には懸念が広がった。ギニアはアルミニウムの原料となるボーキサイトの埋蔵量が世界最大。現時点で供給混乱の兆しは見られていないが、6日の取引でアルミ価格は約10年ぶりの高値を付けた。
  ドゥムブヤ氏はこうした懸念の払しょくに向け、資源関連の輸出ができるよう海の国境を開かれた状態にすると強調。「企業や経済パートナーに対し、国内の活動は平常通り継続されると確約できる。資源会社に業務を続けるよう要請している」と述べた。

  軍の報道官はテレビで、陸と空の国境も再開されたと述べた。ただ、ドゥムブヤ氏は政府当局者の出国を禁止し、公用車の引き渡しを命じた。6日の会議に出席した当局者らは兵士に付き添われてコナクリにある軍の本部に移動した。
  外交筋によると、フォファナ首相やカマラ国民議会議長らは逮捕されたという。


2021.07.27-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210727/mcb2107271826009-n1.htm
チュニジアで大統領とイスラム勢力の対立が深刻化 中東各国対応割れる

  【カイロ=佐藤貴生】北アフリカ・チュニジアで首相を解任して国会を停止したサイード大統領は26日、国防相と司法相代理の解任を発表し、約1カ月間の夜間外出禁止令を出して権力掌握を進めた。10年前の「アラブの春」と呼ばれる反政府デモを機に民主化が進展して以来、最大の政治危機といえ、国連が対話による解決を求めるなど国際社会の懸念が高まってきた。

  チュニジアの首都チュニスでは26日、立ち入りが禁じられ治安部隊が警戒する国会の前で、大統領の支持者と国会最大勢力のイスラム主義政党アンナハダの支持者が石などを投げ合って衝突した。混乱は国内各地に拡大し、大統領とイスラム勢力の対立という色彩が強まっている。

  サイード氏は無党派の憲法学者出身で選挙を経て2019年に大統領に就任。新型コロナウイルスの感染拡大と長引く経済低迷に反発する大規模な反政府デモが起きた25日、首相解任と国会停止を発表した。「憲法の規定に沿った行動」だと主張し、事態の沈静化に軍の投入も辞さない姿勢を示している。
  一方のアンナハダはベンアリ独裁政権下で非合法とされ、アラブの春のデモで同政権が崩壊した後、合法化された。サイード氏の行動は民主化の流れに逆行する「クーデター」だと非難している。
  双方の対立が鮮明になるなか、中東では各国の態度が割れている。ロイター通信によると、シーシー政権がイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の弾圧を続けるエジプトの国営メディアは、サイード氏の行動はイスラム勢力との戦いだと位置付けて支持をにじませた。

  これに対し、イスラム教の価値観を重視するトルコのエルドアン政権は、クーデターだと主張してアンナハダに同調した。トルコと同じ立場を取るカタールの衛星テレビ局アルジャジーラは26日、チュニスにある支局に警官隊が押しかけ、同社の職員が追い出されたと伝えた。


2021.07.14-AFP BB News-https://www.afpbb.com/articles/-/3356459
南アフリカ暴動、死者72人に 5日間にわたり騒乱拡大

  【7月14日 AFP】南アフリカの警察は13日、同国で5日連続で起きた暴動の死者が72人に増えたと発表した。

  警察の発表によると、死者の大半は「商店の略奪行為の際に人が殺到したこと」に関係している。銃撃や、銀行の現金自動預払機での爆発により死亡した人もいたという。
  暴動が始まったのは9日。在職中の汚職疑惑をめぐる調査への協力を拒否したとして法廷侮辱罪で禁錮1年3月の有罪判決を受けたジェイコブ・ズマ大統領が、刑期を開始したことがきっかけだった。
  暴動は週末までに、ヨハネスブルクのある北部ハウテン州にも拡大。警察は13日、東部ムプマランガ州と北ケープ州でも騒乱が発生したと発表した。
  人口が最も多いハウテン州と2番目に多い南東部クワズールー・ナタール州では、一部地域で略奪や建物への放火が相次いでおり、シリル・ラマポーザ大統領は12日、取り締まりに当たる警察を支援するため軍隊を投入した。逮捕者は1234人と大幅に増加。ただ、工場や商店などでの略奪行為に関わった人の数は数千人に上る。(c)AFP


2021.06.10-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f5ef249974947d29e074bd2248be1437dc756bb2
人道危機続くエチオピア 紛争拡大、食料不足

  【カイロ=佐藤貴生】アフリカ東部エチオピアの武力紛争は発生から半年以上が過ぎても収束せず、国連は今月上旬、520万人が食料不足に陥っており、早急に支援を行う必要があると警告した。

  アビー首相率いる連邦政府は紛争地域への物資輸送を妨げているとされる。
  米国政府も性暴力などの人権侵害が拡大しているとして経済などの支援を制限すると表明した。
  アビー氏は2019年のノーベル平和賞の受賞者だが、評価は急落して国際的非難が強まっている。
■民族対立
  200万人避難 武力紛争は昨年11月、エチオピアの連邦政府軍と、同国北部ティグレ州を拠点とする「ティグレ人民解放戦線」(TPLF)の間で始まった。ロイター通信などによると同州の戦闘で数千人が死亡、約200万人が家を捨てて避難し、約4万5千人が隣国のスーダンに逃れた。ティグレ州への電話回線は遮断され、メディアの立ち入りも禁じられており、実態把握が困難な状態が続く。
  紛争が長期化しているのは、背景に民族対立や権力闘争があるからだ。TPLFの主体である少数民族ティグレは全人口の6%余りにすぎないが強力な軍事組織を持ち、1991年に政府との戦闘を経て首都アディスアベバを占拠。中央政界を牽引して少数民族による支配を強化してきた。これに異議を唱えたのが、国内最大民族オロモの出身で2018年に首相に就任したアビー氏だ。中央集権の強化のため与党連合を1つの政党に統合したが、TPLFは反発して参加を拒否。同氏はTPLFを政界から排除してきたとされる。
■ノーベル平和賞のアビー氏評価失墜
  紛争には隣国エリトリアもエチオピア連邦政府の側に立って関与している。アビー氏はエリトリアとの国境の村バドメの領有権をめぐる対立を終結させたとしてノーベル平和賞を受賞し、同国との関係を改善。エリトリアはTPLFと敵対しており、兵士が連邦政府軍の制服を着用して戦闘に加わったことが判明している。 エチオピアは80もの民族が混在する多民族国家で、絶えざる紛争の歴史がある。アフリカ諸国の情勢に詳しいエジプトの政治評論家、ハニ・ゴラバ氏は「ティグレ州では民間人の大量殺害や性暴力、強制移住などが行われている」とした上で、「平和賞の受賞者が戦争犯罪に問われる行為をしている」と批判した。 エチオピアでは今月21日に総選挙が行われる予定だが、紛争が続くなかでの実施とあって正当性にも疑問符がつきそうだ。


2021.05.27-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210527/mcb2105271429013-n1.htm
国連安保理 西アフリカ・マリの政変で非難声明

  【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は26日、西アフリカ・マリで暫定政権のヌダウ大統領やウアンヌ首相らが、治安部隊によって拘束されたことを強く非難する報道声明を発表した。ヌダウ、ウアンヌ両氏に代わり、暫定政権のゴイタ副大統領が実権を掌握しており、ゴイタ氏の側近は同日、両氏が大統領と首相をそれぞれ「辞任した」と発表した。

  ロイター通信によると、ゴイタ氏はケイタ前大統領を失脚させた昨年8月のクーデターの首謀者。さらなる政変を、フランスのマクロン大統領は「クーデターの最中のクーデター」と評した。さらに欧州連合(EU)や米国と並んで、マリの指導者層に対する標的制裁を検討していることを明らかにした。米国務省は同日、マリの治安部隊と軍への対外援助を停止した。

  今回の政変は24日の内閣改造をゴイタ氏の同意を得ないまま実施したことが原因とされる。両氏は首都バマコ近郊の軍基地に拘束された。内閣改造では、昨年のクーデターに参加した閣僚2人が交代していた。

  暫定政権は来年2月に予定される民政移管に向けた大統領選と総選挙の準備を進めていた。ゴイタ氏は声明で、選挙は予定通りに実施すると述べている。
  安保理の声明は「強制的な辞任を含め力で暫定政権の指導層を交代させることは受け入れられない」と強調。拘束された両氏らの即時、無条件での解放を要求した。民政移管を支持する方針も改めて確認した。


2021.02.15-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/210215/wor2102150003-n1.html
ギニアでエボラ、3人死亡 2地域同時流行の恐れ

  西アフリカ・ギニア保健当局は14日、南東部でエボラ出血熱により、少なくとも3人が死亡したと明らかにした。他にも4人の発症を確認したという。同国政府はエボラ熱の流行を宣言した。ロイター通信などが伝えた。

  アフリカでは、コンゴ(旧ザイール)でも14日までに4人のエボラ熱感染が判明。離れた2地域で同時に流行している恐れが強まり、新型コロナウイルス対策に注力する国際社会の新たな懸念材料となりそうだ。

  AP通信によると、ギニアでの感染者には、いずれも1日に行われた看護師の葬儀に出席したという共通点がある。看護師の死因には触れていない。
  ギニアでのエボラ熱の確認は、2013年12月から約2年半の間に西アフリカの複数の国で計1万人以上が死亡した大流行以来となる。世界保健機関(WHO)のモエティ・アフリカ地域事務局長はツイッターで、WHOとして感染拡大の抑止を急ぐ考えを表明した。
(共同)


2021.01.12-Yahoo!Japanニュース」(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/954699cf73a75745576a417c8c7efbd80914a50f
チュニジア政権崩壊から10年 「アラブの春」の先駆け いまも続く経済不振

  【カイロ=佐藤貴生】10年前の2011年1月14日、アフリカ北部のチュニジアで23年あまり続いたベンアリ政権が反政府デモで崩壊した。デモが波及したエジプトやリビア、イエメンでもこの年、長期独裁政権が倒れた。ベンアリ政権の崩壊は中東・北アフリカに反政府活動が広がったいわゆる「アラブの春」の始まりと位置付けられる。

  民主化を達成したチュニジアは唯一の成功例とされた。だが、経済低迷から脱却できず、なおも不満がくすぶり続けている。
  当時のデモはチュニジアを代表する花の名から「ジャスミン革命」と呼ばれた。10年前、期待を胸にデモに加わったという同国北西部ジェンドゥーバのアビディさん(28)は産経新聞の現地助手に、「革命は半分しか達成されなかった」と話した。
  大学を出たのに職に就けず、生活費は親頼み。「大卒失業者同盟」という組織で抗議デモを続ける。アビディさんは「学位は無意味になった。この国の経済は暗黒の時代に向かっている」と嘆いた。
   ベンアリ政権崩壊のきっかけは10年12月、貧窮する露天商の男性が図った焼身自殺だった。経済への不満が募っていた若者らがインターネットを通じて連携し、大規模デモに発展した。
   その後、弾圧されてきたイスラム主義政党アンナハダが合法化され、11年以降は選挙にも参加。14年には男女平等や表現の自由を盛り込んだ新憲法が制定された。
   だが一方で、多くの政党が林立し、国会で論議が錯綜(さくそう)。政権が目まぐるしく交代して政策が一貫せず、経済は低空飛行を続ける。
  欧州に密航を図る若者も絶えない。昨年10月下旬には、過激なイスラム思想に染まったチュニジア移民の男がフランス南部のニースで3人を刃物で切りつけ、殺害する事件が起きた。
   アビディさんは「多くの若者が国を出たがっている。民主化を実現したとはいっても、政界には賄賂やコネがはびこり、経済や社会の改革を阻害している」と話した。
   20年に改革担当閣僚を務めたNGO代表、ジュリビさん(47)は「投資に計画性がなく財政改革も進まない。インフレが続いて状況は悪化している」と語る。世界銀行によると、チュニジアの昨年の失業率は16%で、11年当時の18%に迫りつつある。
   「第2のアラブの春」として注目を集める国もある。反政府デモを端緒に19年、長期政権が崩壊したスーダンとアルジェリアだ。
   このうちスーダンでは食料品価格の急騰を理由にデモが始まり、クーデターで約30年続いたバシル独裁政権が倒れた。民政移管に向けて軍民合同の暫定政権が地ならしを進めている。
   首都ハルツームの記者、エッサさんはSNSを通じ、「バシル政権は民主主義の基礎を破壊し、紛争や人種差別を助長した」と政権の崩壊を歓迎した。しかし、経済は以前より悪化しているとの見方もある。ハルツームでは昨年12月中旬、改革の停滞を批判するデモが起きた。軍が権力拡大の機会を狙っているとの指摘もある。
   日々の暮らしが上向かなければ、人々が「春」の訪れを実感することはできない。獲得した民主化の先にも、正念場がある。



2020.8.8-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200808/k10012557921000.html
新型コロナ アフリカ大陸全体 感染者数100万人超

  新型コロナウイルスの感染が広がっているアフリカでは、大陸全体の感染者数が100万人を超えました。WHO=世界保健機関は、状況がもっとも深刻な南アフリカに専門家を派遣するとともに各国に対策の強化を呼びかけました。
  AU=アフリカ連合のまとめによりますと、アフリカ大陸で新型コロナウイルスへの感染が確認された人は7日までに100万人を超えました。
  このうち、▼最も多いのが南アフリカで53万8000人あまりと全体の半数以上を占めているほか▼エジプトが9万5000人あまり▼ナイジェリアが4万5000人あまりなどとなっています。
  WHOアフリカ地域事務局のモエティ事務局長は6日、記者会見し、「各国で外出制限などの緩和が進んでいてウイルスとのせめぎ合いは長期化せざるを得ない」と述べ、感染は今後も拡大するという見通しを示しました。
  南アフリカにはWHOが公衆衛生などの専門家40人以上を派遣することになり、今後、地方での対策を支援するということです。
  また、モエティ事務局長は「アフリカの多くの国では検査キットが不足している」と指摘し、実際の感染者数はもっと多いという認識を示しました。その上で各国政府に対し、感染者の追跡や予防対策をいっそう強化するよう呼びかけました。


2020.5.26-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200526/wor2005260006-n1.html
南ア、黒人貧困層にコロナ直撃懸念 アパルトヘイト後も続く格差

  【カイロ=佐藤貴生】世界保健機関(WHO)はアフリカの新型コロナウイルスの感染者が10万人を超えたとして警戒を呼びかけている。中でも感染者数が2万3千人超と最も多いのが南アフリカだアパルトヘイト(人種隔離)の終結から四半世紀が過ぎたが、いまも劣悪な環境で過ごす黒人の貧困層が多く、新型コロナで深刻な打撃を受けるとの見方が強い
   南半球はこれから冬を迎え、新型コロナ感染がさらに拡大する懸念がある。米ジョンズ・ホプキンズ大の調べによると、南アの感染者は2万3615人となっている。南アの医療専門家らは最悪の場合、11月までに300万人が感染し、現在は400人超の死者が5万人に増える恐れがあるとしている。
   こうしたなか、南アのラマポーザ大統領は24日、2カ月以上続いた感染防止対策を6月から緩和し、食堂や理髪店などを除く商店を再開させるなどと述べた。政府はソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ちながら経済活動を回復させる新たなアプローチだとしている。
   ただ、今月下旬には1日当たりの新感染者数が1200人以上になるなど、むしろピークはこれからという感が否めない。政府の判断には「自粛疲れ」や経済低迷に対処せざるを得ない苦肉の策という面もにじんでいる。
   南アは黒人と白人の格差が今も解消できず、「世界で最も不平等な国」とも呼ばれる。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は1年前、黒人の失業率約25%に対して白人は8%前後で、白人の平均収入は黒人の5倍に達し、医療を受けられる黒人は10人のうち1人にとどまると伝えた。
   スラム街に住む黒人の貧困層で感染が広がるとの見方は絶えない。南アの非営利組織(NPO)の公式サイトによると、貧困層の居室は家族らが眠るスペースしかなく、水が流れないトイレを他の家族と共同使用するケースもある。
     人との接近を避け、感染を防ぐために外出しようとしても、外出制限の厳格な運用を目指す軍や警察に「非道な扱い」を受けることもあるという。
   南アと同じ南半球のザンビアやモザンビークなどは感染者は数百人、死者は1桁台にとどまっているが、実態を反映した数字とは考えにくい。冬にこの地域で感染が本格的に広がれば、深刻な事態に直面する公算が大きい。


2020.5.6-Sankei Biz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200506/mcb2005060834012-n1.htm
アフリカで対中不信「医療支援の質低い」 “債務の罠”も不満

  【カイロ=佐藤貴生】新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるアフリカの医師2人が電子メールなどを通じて取材に応じ、中国の医療支援を批判した。アフリカを巨大経済圏構想「一帯一路」の重要拠点とみる中国は医療器具を送って感染封じ込めに協力しているが、器具の精度などに疑問があるという。一方で中国はアフリカが求める過去の巨額融資の返済猶予など、具体的な経済支援については明言していないもようで、中国への不信は民衆にも浸透しているようだ。
  ニグワニアム氏は「中国はアフリカを静かに買収してきたが、そのためにアフリカは不安定になった。私たちはいま、そのことに気付いた」とも語る。一帯一路を進める中国は2000年以降、少なくとも1430億ドル(約15兆3千億円)をアフリカ諸国に貸し付けたとされる。同氏の発言は、中国が返済に窮した国に政治的要求を突き付ける「債務の罠」を念頭に置いているとみられる。
  ナイジェリアの主要都市ラゴスの新型コロナ感染防止施設で働くオルソラ・オシンデロ医師(40)によると、同国に中国は医療器具のほかに15人の医師を送っているが、「サービスの質は低く、技術者は欧米に比べて優秀ではない」とみる。オシンデロ氏も「国民は中国を信頼していない。政府は国民が望まない条件で融資を受けたと中国の政策を批判した。
  中国は3月以降、大量の人工呼吸器やマスクなどをアフリカに送って支援している。ただ、広東省では在留アフリカ人が新型コロナの感染源だという噂が広がり、住居を締め出されるなどの差別が起きたとされ、アフリカのニュースサイトは「医療支援には中国の否定的な印象を払拭する狙いがある」とも伝えた。
  ロイター通信によると、ドイツのショルツ財務相は4月中旬、アフリカなどの最貧国の支援には債務の返済猶予を認めることが不可欠で「中国の貢献はとても重要だ」と述べたが、20カ国・地域(G20)の会合に際し、中国は難色を示していたという。
  アフリカ疾病対策センター(CDC)の4日の集計によると、アフリカ全体の新型コロナの感染者数は約4万5千人で、死者は約1800人に上っている。


2020.4.16-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/200416/wor2004160016-n1.html
習近平指導部、アフリカ外交つまずく 新型コロナ対策で

   【北京=西見由章】中国国内の新型コロナウイルス対策をめぐってアフリカ系住民らが差別的な扱いを受けたとして、アフリカ諸国が反発を強めている。中国からの投資に依存するアフリカ諸国は、国際的な問題をめぐって中国政府の立場を支持することが多く、表立って批判するのは極めて異例だ。習近平指導部の対アフリカ外交が思わぬ“つまずき”に直面している。
   「パスポートを出せ! 動くな!」。街頭でアフリカ人男性を取り囲み、壁に押し付けて高圧的に尋問する中国の警察官たち。この様子を映した動画をツイッターに投稿したのはナイジェリアのオンエアマ外相だ。同氏は9日に周平剣・中国大使を呼びつけ、広東省広州でナイジェリア人が「虐待」されているとして「強い懸念」を表明したことも明らかにした。
   米国の在広州総領事館もアフリカ系米国人に対して、広州市中心部に近づかないよう警告する文書をサイト上で発表した。「(中国の)警察は飲食店に対してアフリカ系の人を利用させないよう命じている」と指摘。当局が警告なしに強制的な検査や自己負担の隔離を要求する可能性があるなどと注意喚起している。
   中国当局は国内での新型コロナの感染拡大を「断ち切った」とする一方、海外からの「逆流入」を厳戒。こうした政府の姿勢が国民の外国人に対する厳しい見方につながっている。
   また広州市にはアフリカ出身の貿易関係者らが集まる「アフリカ街」と呼ばれる一角がある。在中アフリカ人の中にはオーバーステイの違法滞在者がいるほか、過去に違法薬物の売買で摘発されたケースもあり、複雑な感情を抱く中国人も少なくない。広州の黒人社会で新型コロナの感染爆発が起きたとの噂も拡散していた。
   国営新華社通信によると、広州市当局は今月、アフリカ出身者4553人を対象にウイルス検査を実施し、うち111人に陽性反応が出た。うち19人が海外での感染者とされる。


2020.3.25-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/a/international/article/20200325/0002.html
一帯一路アフリカ、中国コロナ禍で打撃 「債務の罠」に拍車

南アフリカのヨハネスブルグ近郊で、マスクを装着して往来を行く男性。新型コロナウイルスの感染が拡大し、同国でも3月26日から3週間、市民の外出規制措置がとられる=3月23日(AP)(写真説明)

【カイロ=佐藤貴生】新型コロナウイルスの感染拡大の波がアフリカに及び、中国の投資に依存する国々に打撃を与えている。感染拡大で中国国内の景気が冷え込み、投資や貿易高の激減が確実視されるからだ。巨大経済圏構想「一帯一路」の対象である資源国などは原油価格の下落もあって債務が返済できず、中国の政治的要求に応じざるを得ない「債務のわな」と呼ばれる事態が深刻化する公算が大きい。感染拡大は、アフリカの“中国離れ”を促す契機になるのだろうか。
   ■対策不十分「目を覚まそう」
  ロイター通信によると、アフリカでは25日までに45カ国で1700人以上が新型コロナに感染した。コンゴ(旧ザイール)やセネガル、コートジボワールが非常事態宣言を出している。


2020.3.24-HPは紹介不可です(この感染症の詳細は下記参照)
中国でネズミから人に移るハンタウイルス感染が確認された人物1人が死亡したことで、新型コロナウイルス(COVID-19)流行が発生した同じ国で新たなウイルス流行が懸念を呼んだ。

  中国の国営通信、環球時報(Global Times)のニュースで、同国西部の雲南省でハンタウイルスが確認された人物1人がビジネス旅行で山東省に向かっていた途中にバスの中で死亡したことが報じられた。
  このニュースで、このバスに乗っていた31人にも試験が行われたことが伝えられた。
  環球時報のニュースを受けて、ソーシャルメディア上で新たなウイルス流行が発生する可能性があるというコメントが次々に上がった。ツイッターでは「ハンタウイルス」のタグが世界規模で広まった。
  ネズミまたはネズミの尿、その吐いた物や便に触れた人に感染するハンタウイルスは、「ハンタウイルス肺症候群(HPS)」という病気を起こす。人から人には感染しないこのウイルスには、流行の危険はない。


2020.3.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/200320/plt2003200008-n1.html
2022年のアフリカ開発会議はチュニジア 巨額援助の中国牽制

政府が国連などと共催する2022年の第8回アフリカ開発会議(TICAD)が北アフリカのチュニジアで開かれる見通しとなったことが20日、分かった。第6回(16年)のケニアに続く2回目のアフリカ開催で、巨額の経済援助で影響力を強める中国を牽制(けんせい)する狙いもある。月内にもアフリカ連合(AU)や世界銀行などの共催機関と協議し、正式決定する。
   関係者によると、2月8、9両日のAU総会で、開催国に名乗りを上げたチュニジアへの支持が決まり、その後の共催機関間の調整でも異論は出ていないという。首都のチュニスで開かれるとみられる。
   昨年8月に横浜市で開いた第7回TICADは日本企業の進出や投資促進を主要テーマに日本政府が22年までの3年間に200億ドル(約2兆1千億円)超の民間投資を支援することを約束。海洋覇権を強化する中国を念頭に、法の支配を重視する「自由で開かれたインド太平洋」構想を盛り込んだ横浜宣言を採択した。
   日本は欧米各国が冷戦終結後にアフリカ支援から距離を置き始める中、1993年に第1回TICADを東京で開催し、アフリカ開発に取り組んできた。ただ、近年の中国企業の進出は目覚ましく、アフリカ在留の邦人1万人弱に対し中国人は100万人に上る。
   巨費を投じたインフラ開発で存在感を高める中国に「資金力では対抗できない」(外務省幹部)のが現実で、政府は各国の持続的な発展に結びつく法律や財政の専門家育成などソフト面での支援も充実させる。


厚生労働省-https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-04-25.html
ハンタウイルス肺症候群

定義
 ブニヤウイルス科、ハンタウイルス属の新世界ハンタウイルス(シンノンブレウイルス等)による急性呼吸器感染症である。
臨床的特徴
 前駆症状として発熱と筋肉痛がみられる。次いで咳、急性に進行する呼吸困難が特徴的で、しばしば消化器症状及び頭痛を伴う。頻呼吸、頻拍の出現頻度が高い。半数に低血圧等を伴う。発熱・悪寒は1~4日続き、次いで進行性呼吸困難、酸素不飽和状態に陥る(肺水腫、肺浮腫による)。早い場合は発症後24時間以内の死亡も頻繁にみられる。肺水腫等の機序は心原性ではない。X線で肺中に広範な滲出液の貯留した特徴像が出る。致死率は40~50%である。
 感染経路としては、(1)ウイルスを含む排泄物(尿、便)、唾液により汚染されたほこりを吸い込む(これが最も多い)、(2)手足の傷口からウイルスに汚染されたネズミの排泄物、唾液が接触して入る、(3)ネズミに咬まれる等である。
 媒介動物は、米国ではシカシロアシネズミが、南米ではコットンラットがウイルス保有動物として最も一般的である。ウイルスを媒介するこの群のネズミは米国、カナダ、中南米(チリ、アルゼンチン等)にも存在する。このネズミとウイルスは日本では見つかっていない。
 届出基準
患者(確定例)

 医師は、(2)の臨床的特徴を有する者を診察した結果、症状や所見からハンタウイルス肺症候群が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ハンタウイルス肺症候群患者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
無症状病原体保有者
 医師は、診察した者が(2)の臨床的特徴を呈していないが、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ハンタウイルス肺症候群の無症状病原体保有者と診断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること。
感染症死亡者の死体
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、ハンタウイルス肺症候群が疑われ、かつ、次の表の左欄に掲げる検査方法により、ハンタウイルス肺症候群により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。
 この場合において、検査材料は、同欄に掲げる検査方法の区分ごとに、それぞれ同表の右欄に定めるもののいずれかを用いること
感染症死亡疑い者の死体
 医師は、(2)の臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、ハンタウイルス肺症候群により死亡したと疑われる場合には、法第12条第1項の規定による届出を直ちに行わなければならない。


スーダン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  スーダン共和国(英語: Republic of the Sudan)、通称スーダンは、北東アフリカに位置する国家である。首都ハルツームである。エジプトリビアチャド中央アフリカ南スーダンエチオピアエリトリアと国境を接し、東は紅海に面している。対岸側にはサウジアラビアがある。
  アルジェリアコンゴ民主共和国に次いでアフリカ大陸で3位の面積を有する。2011年7月に南スーダン共和国が分離独立する前は、面積2,505,813km2アフリカ大陸最大の国土を有していた。

国名
歴史
  古代ヌビア諸王国
  キリスト教化
  イスラム化
  ムハンマド・アリー朝
  マフディー国家
  英埃領スーダン
  第一次内戦
  第二次内戦
  ダルフール紛争
  バシール政権(SPLA連立政権)
  アビエイ問題
  南スーダンの独立
  ・・・
バシール政権の崩壊と暫定政権の成立
  2018年末よりパンの値上げをきっかけとして反政府運動が全土で発生し、2019年4月11日に国防軍がバシールを大統領から解任し身柄を拘束。ここに30年にも及ぶバシール独裁政権は終焉を迎えた(2019年スーダンクーデター)。政権は軍による暫定軍事評議会が掌握し、これに対し民主化勢力『自由・変革同盟』は民選による政権樹立を要求。双方による協議は幾度となく中断したものの、8月17日、両者は3年3か月間の暫定政権で共同統治を行い、そのトップはまず軍人が1年9か月務め、その後文民が1年6か月務めることとし、2022年に選挙を実施することで最終合意し、暫定憲法に調印した。8月21日に新たな統治機構である最高評議会が発足し、11人のメンバーが宣誓したほか、経済学者のアブダッラー・ハムドゥークが首相への就任宣誓を行い、新政権が発足した。アフリカ連合は軍部とデモ隊の衝突が発生したことを機に加盟国としての資格を停止したが、暫定政権樹立を受け、9月6日に停止処分を解除した
政治
  2019年4月11日に軍部によりクーデターが実行され、憲法を停止し暫定軍事政権が実権を握ったため、議会は機能を停止している。同年8月21日よりアブダッラー・ハムドゥークが首相となり組閣。軍と民主化勢力による3年3ヶ月の暫定共同統治を行っており、2022年の選挙実施を目指している。
  クーデター前の議会は一院制の国民議会(360議席)で、全議席の60%を小選挙区制、15%を比例代表制で選出する。残り25%は女性議員枠である。

  バシール政権下では自身が結成した国民会議が与党であった。20年以上も軍事独裁政権が続いたが、2010年4月11日に24年ぶりの複数政党制選挙がおこなわれた。しかし、大統領選挙では政権側の不正を理由に、最大野党のスーダン人民解放運動(SPLM)が大統領選挙を、一部野党が各種選挙をボイコットしたため、バシールが得票率68.24%で再選を果たした。
  行政府の長たる首相職は1989年を最後に廃止されたが、2016年に議会が復活を決議。2017年3月1日にバシール大統領が側近のバクリー・ハサン・サーレハ第1副大統領を首相に指名し、翌2日に就任宣誓を行った。2019年4月のクーデターにより首相職が空席となったが、同年8月に発足した暫定政権では再び首相が就任している。
  一方で法の改正も進められており、中東地域やアフリカ各国で現在も続けられている因習を違法化する法律改正が承認されている。2020年7月10日、同国の軍民共同の統治評議会により、因習として続けられている女性器の切除(女子割礼)を違法化するとの承認が報道された
国際関係
  バシール政権は、湾岸戦争時にはイラクサッダーム・フセインを支持してオサマ・ビンラディンの国際テロ組織アルカイダも支援したとされたことで、1993年にはアメリカ合衆国テロ支援国家の指定を受け、以後、2020年12月に指定が解除されるまで経済制裁が続いた。この間、一時改善の兆しがあったものの、2003年のダルフール紛争勃発後はさらに欧米諸国と対立した。このため、バシール政権はヌメイリ政権時代から友好的でスーダンの豊富な資源を求めている中華人民共和国との関係を深めて中国企業はスーダンの産油企業2つの最大株主となっており、国際連合アフリカ連合ダルフール派遣団で中国からの国連平和維持部隊も受け入れ、中国の援助で自らの大統領府も建設するなど経済・軍事両面で両国は密接な関係を持っている。
  またロシア連邦プーチン大統領が、2017年11月に訪露したバシール大統領と会談するなど、スーダンとの関係を重視している。
  2016年1月2日にサウジアラビアイスラム教シーア派の有力指導者を処刑したことで、サウジアラビアとイランの関係は急速に悪化。イランの首都テヘランにあるサウジアラビア大使館が襲撃されたことをきっかけに、サウジアラビアはイランとの国交を断絶した。スーダンもこれに続いて、イランとの国交断絶を表明した。
  2017年12月、トルコエルドアン大統領がスーダンを訪問し、かつてオスマン帝国の影響下にあった紅海沿岸のスワーキン島をトルコが開発する計画を発表。トルコと対立するサウジアラビアやエジプトが反発している。
  2020年、隣国のエチオピア北部ティグレ州でエチオピア政府軍とティグレ人民解放戦線の紛争が始まると、2万人を超す難民ガダーレフ州カッサラ州に流入、難民キャンプが設営された。スーダンは、1980年代にエチオピアで発生した飢饉の際にも難民キャンプを設営を許容している。
  在留日本人数 - 134名(2017年10月現在)在日スーダン人数 - 230名(2017年12月現在)
経済
  IMFの推計によると、2013年のスーダンのGDPは667億ドルであり、アフリカ全体では7位に位置する。一方、一人当たりのGDPは1,941ドルと、世界平均の20%を下回る水準にある。1990年代までは、長引く内戦経済制裁などで、経済は完全に破綻状態であり、2019年現在スーダンは平和基金会が発表している「世界失敗国家ランキング」8位の国である。
  他方で、石油資源ではMelut Basin(Adar/Yale油田)やMuglad Basinヘグリグ(Heglig)油田、ユニティ(Unity)油田、Abu Gabra油田)やBlue Nile Riftが大きく世界の注目を浴び、アメリカの経済制裁が加えられた期間に石油メジャーの間隙を突く形で、1990年代後半から中国政府のバックアップを受けた中国系企業が進出した。数万人規模の中国人労働者がスーダンに派遣され、石油プラント、石油パイプライン(Greater Nile Oil Pipeline, PetroDar Pipeline)が建設された。

  Greater Nile Oil Pipelineは全長1,600kmで、ユニティ油田 - ヘグリグ油田 - ハルツーム(Khartoum Crude Oil refinery) - ポートスーダン(紅海に面する港)を繋いでいる。Muglad Basinから産出する石油は"Nile Blend"と呼ばれている。後に、Thar Jath油田からHegligまで172kmパイプラインが延伸された。
  PetroDar Pipelineは全長1,380kmで、Palogue油田 - Adar/Yale油田 - Fula油田 - ポートスーダン(紅海に面する港、Port Sudan Crude Oil Refinery)を繋いでいる。Melud Basinから産出する石油は"Dar Blend"と呼ばれている。これら油田の大部分と南北合計の原油確認埋蔵量の約80%が南スーダンに帰属するため、政府は南スーダンに対し高額の原油通過量を要求し、独立後の火種となっている。

  同様にレアメタル埋蔵量も注目を集めている。そのほか、メロウェダムに象徴される大規模な水力発電所及びダム、鉄道(老朽化したポートスーダンからハルツーム間)の建設も中国系企業が受注するなど、極めて濃厚な協力の下、徐々に経済が立ち直る兆しが見られる。以上の理由から、特に東部では経済が急成長しており、首都ハルツームでは総工費40億円を掛けて63塔もの高層ビルの建築が進行中である。しかし、石油資源などが豊富な地域は南部スーダン地域であり、スーダンの支援国である中国は南スーダンにも国連平和維持部隊を派兵して油田権益を確保している
・・・


アルジェリア
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  アルジェリア民主人民共和国、通称アルジェリアは、北アフリカマグリブに位置する共和制国家。東にチュニジアリビアと、南東にニジェールと、南西にマリモーリタニアと、西にモロッコサハラ・アラブ民主共和国国境を接し、北は地中海に面する。地中海を隔てて北に旧宗主国のフランスが存在する。首都はアルジェ
  アフリカ世界地中海世界アラブ世界の一員であり、アフリカ連合アラブ連盟地中海連合アラブ・マグレブ連合に加盟している。2011年の南スーダン独立によりスーダンが分割され領土が縮小したことで、スーダンを超えてアフリカ大陸において最も領土が広い国となった。世界全体でも第10位の領土面積である。
国名
歴史
  古代アルジェリア
  イスラーム帝国
  オスマン帝国時アルジェリア期
  フランス領アルジェリア期
  独立
政治・・・
国際関係(詳細は「アルジェリアの国際関係」を参照)
  基本政策は非同盟中立アラブ連帯であり、1960年代から1970年代まではキューバ北ベトナムと共に第三世界諸国の中心的存在だったが、1979年のシャドリ政権以降は現実主義・全方位外交を基調としている。近年はG8諸国を中心に先進国との外交活動を積極的に推進している。これはここ数年のアルジェリアはテロのイメージが強く、それを払拭するためである。この努力の結果、アルジェリアへのイメージも改善されてきている。
  アフリカ諸国、アラブ諸国の中心的存在にある国の一つであり、アフリカ連合アラブ・マグレブ連合アラブ連盟に加盟している。2005年にはアラブ連盟の議長国を務め、国連非常任理事国にもたびたび選出されている。
  マグリブ諸国との関係においては、独立以来国家体制の相違や、領土問題、パレスチナ問題への取り組み、アルジェリアによる西サハラ独立運動の支援など様々な要因により、アルジェリアはモロッコとの対立を繰り広げてきた。1994年以来、モロッコとの国境は封鎖されている。
  モロッコが大部分を実効支配する西サハラの独立を訴えるサハラ・アラブ民主共和国ポリサリオ戦線を一貫して支持し続け、アルジェリア領内には西サハラ難民の難民キャンプが存在する。日本で2019年に開催された第7回アフリカ開発会議でサハラ・アラブ民主共和国代表団はアルジェリアが発給した旅券で日本に入国し、日本政府が黙認する形で参加が実現した。
日本との関係
  ・在留日本人数 - 135名(2018年12月)
  ・在日アルジェリア人数 - 225人(2017年12月)
  日本との関係においては、独立戦争を全学連宇都宮徳馬北村徳太郎らが支援したことをきっかけに、独立後も友好的な関係が築かれた。アルジェリアは日本企業に多くの開発事業を発注し、1978年には日本人在留者(在アルジェリア日本人)が3,234人に達するなど、日本にとって最も関わりの深いアラブの国となったが、1990年代の内戦勃発以後日本人在留者の数は急速に減少した。
  2011年東日本大震災において8億3510万円(世界6位)の義援金を日本に贈る。
地方行政区分(詳細は「アルジェリアの行政区画」を参照)
  アルジェリアは58のウィラーヤ(県)、547のダイラ(郡)と1,541のバラディヤ(基礎自治体)に分けられている。各県の県名は、最大都市の名前からとられている。
・・・
地理(詳細は「アルジェリアの地理」を参照)
  国土の大部分を砂漠が占め、乾燥した平原地帯となっている。しかし、北部には2000m級のアトラス山脈が走り、地中海沿岸は雨量も多く、草原なども広がり、国民の約95%がこの地域に居住している。地中海の対岸にはスペインフランスが存在する。一見して日本より相当南の緯度にあると思われがちだが、首都のアルジェは新潟県南部や石川県中部、長野県北部や富山県北部や栃木県北部や群馬県北部や茨城県北部とほぼ同じ緯度である。ユーラシアプレートアフリカプレートの境に位置するため、地震国である。
  アトラス山脈はアルジェリア北西部でアトラス高原をはさんで北部のテルアトラス山脈と南部のサハラアトラス山脈の2つに分かれている。アトラス高原には塩湖やそれが枯渇した盆地が多数ある。また、アトラス山脈から北にシェリーフ川が流れる。
  サハラアトラス山脈の南にはわずかなステップ地帯があり、それ以外は全てサハラ砂漠になる。内陸部の砂漠地帯は標高1000 m以下の平原が多いが、ニジェールとリビアの国境に近いアルジェリア南東部は山がちで、ホガール山地アドラル山地ナジェール高原ホガール高原などがある。ホガール山地は火山性で、アルジェリア最高峰のタハト山 (2,918m) を有する。
経済(詳細は「アルジェリアの経済」を参照)
  2013年のアルジェリアのGDPは約2060億ドルであり、埼玉県とほぼ同じ経済規模である。同年の一人当たりのGDPは5,437ドルであり、アフリカ諸国の中では上位に位置する。
  膨大な対外債務があるが、天然ガス石油を産出し、近年の原油価格上昇で貿易黒字が増大している。それ以外にも鉄鉱石リン鉱石などを産する。国内産業は農業が主で、小麦、オレンジなどを産する。貿易相手は欧米が中心。フランスに存在する100万人以上の出稼ぎアルジェリア人労働者からの送金も大きな外貨収入源となっている。
  アルジェリアの鉱業を支えているのは、天然ガス(3213千兆ジュール、世界シェア5位、2003年時点)である。原油(4560万トン)、石炭(2万4000トン)にも恵まれる。アルジェリア産の石油は非常に軽いことで知られる。1992年時点では天然ガスと石油が総輸出額の97%に達した。2003年時点においても98%を維持している。
  金属資源としては、300トン(世界シェア同率3位)に達する水銀の採掘が特筆に値する。リン鉱石鉄鉱石の埋蔵量も多いが開発は進んでいない。ジュベル・オングのリン鉱床は2100平方kmに渡って広がり、埋蔵量は世界最大級とされるものの、採掘量は28万トンに過ぎない。これは1991年時点の109万トンと比較しても低調である。鉄鉱石も234万4000トン(1991年)から70万トン(2003年)に減少している。これは社会主義政策による国営企業を民営化する計画が1995年から始まったことにもよる。
  アルジェリアの国土の約9割はサハラ砂漠の一部である。しかしながら、アトラス山脈と地中海に挟まれた帯状の地域は年降水量が600 mm以上に達し、農耕が可能である。国土面積のうち3.5%が耕地であり、人口の10%弱が農業に従事している。主要穀物では、乾燥に強いコムギ(260万トン、以下2002年時点の統計)のほか、オオムギも栽培されている。特徴的な作物としては地中海性気候に適したナツメヤシ(45万トン)がある。生産量は世界シェア7位に達する。オリーブ(17万トン)や柑橘類の生産も盛んだ。
  アルジェリアの貿易はフランスの植民地時代において非常に発展した。現在総輸出額が495億9000万ドル、輸入額が225億3000万ドルとなっており、主な輸出国はアメリカ(22.8%)、イタリア(16.2%)スペイン(10.4%)フランス(10%)、輸入国はフランス(28.2%)、イタリア(7.8%)、スペイン(7.1%)、中華人民共和国(6.6%)となっている。
  インフレ率は1995年頃は30%だったが、その後は減少し、近年は1-3%で推移している。GDP成長率は1990年代は停滞していたものの、近年は5%前後まで回復している。また、貧困率はアフリカ諸国の中では低いが、地域間の経済格差は依然としてまだ残っている。
  政府は積極的に経済改革を推進し、諸外国からの投資を誘致したり、国営企業を売却する(民営化)などしているが、経済の多角化は進んでおらず、石油や天然ガスに頼ったままである。失業率も30歳以下で70%前後と高く、未だ解決に至っていない。製造業はGDPのうちの多くを占めるが大半は自国向けである。イスラム銀行の副次国でもある。
国民
  人口の約90%は、北部の地中海沿岸地域に住んでいる。また、人口の約半分が都市部に住んでいる。人口の30%が15歳以下である。義務教育は6歳から16歳までで、すべて無料である。人口増加率はアフリカ諸国の中では比較的少ない。平均寿命は73.26歳であり、内訳は男性は71.68年、女性は74.92年となっている。独立後イスラーム法に基づいた家族法の下で、アルジェリアでは一夫多妻制が継続された。2005年の新家族法公布によって女性の地位は以前に比べれば向上したが、それでも一夫多妻制は一定の条件の下で合法のままとされた。
民族(詳細は「アルジェリアの民族」および「アルジェリアの民族」を参照
  国民の80%がアラブ人で、残りの20%がベルベル人であり、ベルベル人はカビリー地方のカビール人をはじめ、シャウィーア人ムザブ人トゥアレグ人など4つのグループに分かれる。わずかにフランス人ピエ・ノワールの残留者)も存在する。南部の砂漠地帯には少数派の約150万人の遊牧民ベドウィン)やスーダン系黒人が住む。難民キャンプには、西サハラからのサハラウィー人が46,000人が居住している。2009年、35,000人の華僑(海外中国人労働者)が居住している。
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ジブチ保障基地
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中国人民解放軍駐ジブチ保障基地(中国語: 中国人民解放军驻吉布提保障基地)は、 「アフリカの角ジブチにある中国人民解放軍海軍の基地。

概要
  中国人民解放軍初の海外基地であり、USドルにして5億9000万ドルの費用で建設された。この軍事施設の完成によって、アフリカの角とインド洋における中華人民共和国の影響力を大幅に増大させると予想されている。
  2017年現在、基地司令官は梁陽大校。
  ジブチは、スエズ運河への入り口にあたり、北西側に紅海、南西側にアデン湾と隔てるバブ・エル・マンデブ海峡に位置する戦略的重要な地域である。
  中国人民解放軍海軍はこの基地を拠点にソマリア沖での海賊対策任務を行っており、真珠の首飾り戦略キーストーンの一つとみられている。
  この基地は、ジブチ市の西に位置し、中国が開発を行っているドラレ港にある。 なお、ジブチ市の南部には、ジブチ国際空港に並ぶようにして、アメリカ軍 キャンプ・レモニエフランス空軍 ジブチ第188空軍基地があり、日本自衛隊の拠点を置いている。
歴史
  2015年頃、イスマイル・オマル・ゲレ政権のときに、中国がジブチで戦略的基盤を構築するための交渉を始めたとされる。2016年1月に交渉が終了し、中国とジブチは海軍施設の建設について「合意した」と発表した。
  中国航海の日の2017年7月11日、人民解放軍海軍は南海艦隊司令部のある中国広東省湛江市の湛江港で新基地開設記念式典を行い、中国人民解放軍建軍記念日である2017年8月1日に正式に基地が開設された。最初の実弾演習は2017年9月22日に実施。
  2018年5月頃、中国は基地に長さ330m以上の大桟橋の建設を開始した。
任務
  中国は、この基地は主にアデン湾で活動する中国軍の後方支援、およびアフリカでの平和維持活動と人道支援活動のために使用すると主張している。また、公海での海賊行為を防止する中国海軍の行動を強化するためのものだとしている。
  基地の面積は0.5平方キロメートル(0.2平方マイル)で、約400人の人員が配置されている。基地には、管制塔を備えた400mの滑走路がある。また、人民解放軍ジブチ病院もある。
他のジブチ駐留外国軍との軋轢
  アメリカの基地に近接した中国の基地の存在は、安全保障上対立する両国にとって政治的緊張を生み出した。
  アメリカは2014年にロシアの基地を締め出し、キャンプ・レモニエを10億ドルかけて拡張工事を開始した。アメリカ政府当局者は、ジブチがそのちょうど2年後に中国の基地を承認したことで「神経質」になった。ジブチのイスマイル・オマル・ゲレ大統領は、アメリカが中国の基地に「固執」し過ぎていると主張し、アメリカは中国の作戦を妨害していると「絶えず」不満を述べた。彼はまた、日本はアメリカよりもさらに中国に対して心配していると述べた。 また、中国を「絶えずスパイ」しなければ、西側諸国は中国と国内に「同居」しても問題ないと述べた。

  日本についても中国軍は、海上自衛隊が中国の軍艦が基地に停留している間にダイバーを派遣し、中国側に発見されて追い出されたと主張した。
  アメリカ合衆国国防総省は2018年、中国軍基地上空を飛行しているパイロットに対するレーザー攻撃の事例を報告する航空情報を発表した。 これに対し中華人民共和国国防部は、アメリカ国防総省の発表を「事実ではない」と主張し、アメリカ側に「勝手な憶測を発表しないように」求めた。
関連項目
  ・真珠の首飾り戦略一帯一路 - 現代版「海の道」、シルクロードとも呼ばれる。
  ・ジブチ駐留アメリカ軍基地および自衛隊拠点 - 中国は日米と安全保障上大きく対立している。
  ・日本の旗 日本 ジブチ共和国における自衛隊拠点
  ・アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 キャンプ・レモニエ
他のジブチ駐留外国軍についてはジブチ国際空港に隣接する軍事施設も参照
  ・ジブチ国防軍 - 中国製装備も取り入れている。


ブルキナファソ
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  ブルキナファソフランス語: Burkina Faso)は、西アフリカにある共和制国家。北はマリ、東はニジェール、南東はベナントーゴ、南はガーナ、南西はコートジボワールと国境を接する内陸国である。首都はワガドゥグー
概要
  ブルキナファソは、アフリカ大陸西部に位置する内陸国の一つである。GDPは162億2,600万ドルで、後発開発途上国の1つに数え上げられる。
  公用語はフランス語であり、人口の約63.8% がイスラム教を信仰し、26.3% がキリスト教を信仰している。同国政府によって公式に認められている先住民族の言語は60語が確認されており、最も一般的な言語であるムーア語は、人口の半分以上から使用されている。
  元はフランス植民地の一つで、1960年オートボルタ共和国として独立した。1984年に現国名の「ブルキナファソ」に改称。独立後、フランスから離れて非同盟路線を歩み、東側諸国と友好関係を築いたが、1987年以降はフランスとの関係を最重視している。その傍ら独立後の数十年間は、不安定な国勢や汚職をはじめ旱魃による飢饉といった危機的状況に晒され続けており、その影響から1966年と1980年、1982年から1983年の一年間、1987年と1989年、2015年と2022年に様々なクーデターが生起した一面を持っている。
  ブルキナファソは、国連フランコフォニー国際機関の加盟国であり、アフリカ非核兵器地帯条約の加盟国でもある。また国際通貨基金世界銀行世界貿易機関にも所属している。一方で、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)とアフリカ連合からは2022年現在も加盟停止を受けている。
国名
  元々ヴォルダ川の上流に位置するフランスの植民地であったために、オートボルタ(Haute-Volta)と名付けられていた。ブルキナファソはフランス語英語による正式国名はBurkina Fasoであり、1984年当時の大統領トーマス・サンカラによって改名された。ブルキナ共和国(Republic of Burkina)と表記する場合もある。ただし同国大統領はフランス語でファソ大統領(Président du Faso)と呼称される。国民・形容詞の英語はBurkinan, 又はBurkinabe(bèはフラニ語の接尾辞)。
  国名は「ブルキナ」と「ファソ」に意味が分かれており、また単語の言語も異なる。「ブルキナ」はモシ語で「高潔な人」、「ファソ」はジュラ語で「祖国」を意味する。
歴史(詳細は「ブルキナファソの歴史」を参照)
モシ人
  伝説上では11世紀ごろ、この地域にモシ人が侵入してモシ王国を建設した。モシ王国は実際にはモシ王国群と呼ぶべきもので、最も強力なワガドゥグー王国を中心に、ヤテンガやテンコドゴなどいくつかの王国からなっていた。モシ王国は14世紀から16世紀にかけて最盛期を迎え、マリ帝国ソンガイ帝国といったニジェール川流域帝国と戦争を繰り返した。その後周辺地域に侵攻を行うことはなくなったものの、モシ王国群はこの地域で結束と独立を保ち続け、19世紀まで存続した。
フランス植民地時代
  1884年から1885年にかけて開催されたベルリン会議 (アフリカ分割)ヨーロッパ列強諸国がアフリカ分割の動きを強めると、西アフリカにはフランスが進出し、1896年にモシ王国の中心であるワガドゥグーがフランスの保護領となった。1898年には現在のブルキナファソに相当する領域全体がフランス保護下に入り、1904年に周辺諸国と共にセネガルダカールを中心とする広大なフランス領西アフリカの一部としてフランス植民地帝国を構成した。ただしフランスはこの地域では間接統治を行い、モシ王国や旧来の権力構造は残存した。1919年には仏領オートボルタ植民地が成立し、1932年にいったん周辺植民地に分割されたものの、地域的なまとまりの強かったこの地は1947年に再び単独の植民地となった。
独立
  第二次世界大戦後の1958年にフランス共和国の自治共和国となり、「アフリカの年」こと1960年オートボルタ共和国(République de Haute-Volta)として独立した。
  オート・ボルタとはボルタ川の上流という意味である。初代大統領はモーリス・ヤメオゴであった。1966年サンゴール・ラミザナによるクーデターが発生しヤメオゴは失脚、ラミザナは1980年にセイェ・ゼルボのクーデターで打倒されるまで、大統領を務めた。ゼルボ大統領も1982年にジャン=バプティスト・ウエドラオゴのクーデターによって失脚した。
サンカラ革命
  1983年ブレーズ・コンパオレによるオートボルタ時代最後のクーデターが起こり、ウエドラオゴ大統領は失脚、かつて首相でありながらも失脚していたトーマス・サンカラが大統領に就任した。サンカラは社会民主主義、革命的民主主義を掲げて社会主義路線を推進し、ブルジョワジーや伝統的首長、イスラームマラブー聖人)と対抗しながら、女性の地位向上、識字運動、福祉の向上などを図り、旧宗主国のフランスや領土問題を抱えていた隣国のマリ共和国と対立する一方で、キューバリビアアンゴラモザンビーク北朝鮮ベナンなどの社会主義国と友好関係を築いた。1984年8月にサンカラは革命事業の一環として国名を「オート・ボルタ共和国」(「ヴォルタ川の上流の共和国」の意)から現在の「ブルキナ・ファソ」(「清廉潔白な人たちの国」の意)に変更し、自ら新国歌ある一夜」の作詞もした。サンカラへの支持は国民からも高く、「アフリカのチェ・ゲバラ」の異名を取ったカリスマ的な政治家だった。サンカラ政権下の1985年に、ブルキナファソはen:Agacher Strip War英語: Christmas War)にてマリ共和国と交戦した。
コンパオレ政権以後
  1987年10月15日、サンカラが独裁的かつ行き過ぎた社会主義路線をとっているとして、側近のブレーズ・コンパオレがクーデターを起こし、サンカラは暗殺された。コンパオレは人民戦線を設置し、人民戦線議長(国家元首)に就任。1990年10月にサンカラ時代の急進的左翼路線を放棄し、複数政党制や大統領の直接選挙を柱とする憲法を国民投票にかけ、1992年には複数政党制による総選挙が実施され、大統領に選出された。以後、7年の任期を2回、任期の長さを批判されて短縮された5年の任期を2回、都合27年にわたり大統領として君臨。2014年、翌年の大統領選挙に向けて3選を禁止していた憲法の改正に着手しようとしたところ国民が反発し、同年10月には首都において数十人の死者が出る暴動に発展した(2014年ブルキナファソ反政府運動)。この混乱に対し、軍が収拾に乗り出し内閣を総辞職させ、夜間外出禁止令を出し政権を掌握。事実上、コンパオレ政権が崩壊した。
  政権を掌握した軍はいったんオノレ・トラオレ陸軍参謀長の元首就任を発表したものの、軍内部や市民からの反発を受け、11月1日にイザック・ジダ中佐が暫定元首に就任。同月には民間人のミシェル・カファンドが暫定大統領に就任し、ジダを暫定首相に任命した。
2015年クーデター(詳細は「2015年ブルキナファソクーデターを参照 )
  2015年9月16日、コンパオレとつながりのある大統領警備隊兵士がカファンド暫定大統領とジダ暫定首相、ほか閣僚2名を拘束し、翌17日にクーデターを宣言した。クーデター派は国民民主評議会を設置し、議長にはコンパオレ政権で参謀総長を務めたジルベール・ディエンデレを指名。暫定政権を解散させ、国境を封鎖し、夜間外出禁止令を出した。同日、フランスのフランソワ・オランド大統領がクーデターに対する非難を表明。18日、クーデター派は拘束していたカファンドと閣僚2人を解放。封鎖していた国境を開放した。同日、危機打開に向け、西アフリカ諸国経済共同体議長国セネガルのマッキー・サル大統領と、ベナンのヤイ・ボニ大統領がワガドゥグーに到着した。一方、アフリカ連合は平和安全保障理事会後、ブルキナファソの加盟国資格の即時停止を発表。クーデター参加者の渡航禁止と資産凍結を全加盟国に呼び掛けた。21日、クーデターに反対する政府軍部隊が事態収拾を目指しワガドゥグーに入りクーデター派に武装解除を迫ったことにより、22日に拘束していたジダを解放し降伏に向けた協議に入る。 23日、交渉が妥結したことによりカファンドが暫定大統領に復帰し、クーデターの終結を宣言。カファンドの職務復帰から数時間後、ディエンデレもクーデターの終結を宣言し、反乱部隊と政府軍との全面戦闘は回避された。
2015年民政復帰後
  11月には大統領選挙が実施され、ロック・マルク・クリスチャン・カボレ大統領が就任して民政復帰した
  2015年以降の政変で政府が弱体化すると、隣国のマリからイスラム系武装組織が北部に侵入。治安部隊への攻撃が繰り返されている。2019年9月には、北部の都市バルサロゴで人員と物資を輸送していた車両が即席爆発装置により破壊され、乗っていた15人以上が死亡した。一方、政府軍側も武装組織側に対して非公表の反撃を加えており、2020年、国際人権団体はブルキナファソ北部で軍により埋葬された男性180人以上の遺体を発見したとして報告書を公開した。
2022年の政変
  2022年1月23日に国軍兵士らは国内各地の軍事基地で蜂起し、台頭するイスラム系武装組織に対抗するため政府に軍備増強と軍上層部の解任を要求した。24日、兵士らは首都ワガドゥグーを制圧し国営テレビの生放送で憲法の停止、政府と議会の解散、そして権力の掌握を宣言した(2022年ブルキナファソクーデター)。31日、アフリカ連合および西アフリカ諸国経済共同体は加盟資格の停止を発表した。また代表団がクーデター後行方不明となっていたロック・カボレ前大統領を訪問した。この数時間後に軍部は憲法の再開を発表し、ポール=アンリ・サンダオゴ・ダミバを暫定大統領に任命した。
  2022年9月30日、軍部の反乱グループが国営テレビなどを占拠し、ポール=アンリ・サンダオゴ・ダミバ暫定大統領の解任、国境の閉鎖と憲法の停止などを発表。新たな政権トップにイブラヒム・トラオレ大尉が就くとした。10月1日、ダミバは大統領府のフェイスブックに声明を掲載し、自身の追放を発表した反乱部隊に対し「正気に戻れ」と求め、クーデターの報道後、初めて健在を主張した。2日、ダミバは辞任に同意した。ダミバは辞任に当たり、身の安全の保証や2年以内の民政復帰など「7項目の条件」を付け、トラオレが受け入れた。5日、トラオレが大統領に任命された
政治(詳細は「ブルキナファソの政治」を参照)
  ブルキナファソは共和制大統領制をとる立憲国家である。現行憲法1991年6月11日に制定されたもの。
行政
  国家元首である大統領は、国民の直接選挙により選出され、任期は5年。3選は禁止されている。首相は国民議会との協議に基づき、大統領により任命される。内閣に相当する閣僚評議会のメンバーは、首相の推薦に基づき、大統領が任命する。 (「ブルキナファソの大統領一覧」および「ブルキナファソの首相一覧」も参照 )
立法
  議会は一院制で、正式名称は国民議会。定数127議席。議員は比例代表制に基づく選挙で選出され、任期は5年である。
政党
  主要政党としては、ロック・マルク・クリスチャン・カボレ大統領率いる進歩人民運動(MPP)が2015年選挙で55議席を得、第一党となっている。次いで、進歩再生連合(UPC)が33議席で第2党となっている。
  前大統領ブレーズ・コンパオレの与党であった民主進歩会議(CDP) はコンパオレ政権下で圧倒的な議席数を得ていたものの、政権崩壊後の2015年選挙では18議席、第3党となった。 (「ブルキナファソの政党」も参照 )
司法
  最高司法機関は最高裁判所である。 国際関係 (詳細は「ブルキナァソの国際関係」を参照 )
  ブルキナファソはかつて1961年12月から1973年10月まで台湾、1973年9月から1994年2月まで中国と国交を持っていた。1994年2月から台湾と復交して中国と断交していたが、2018年5月24日に再度台湾との断交を発表し、5月26日に中国と復交した。なお、2017年に中国から500億ドルの供与を条件に中国との復交と台湾との断交を持ちかけられたが当時は断っている。
日本との関係 (詳細は「日本とブルキナファソの関係」を参照 )
  1960年のオート・ボルタ共和国の独立と同時に同国を承認、1979年より経済協力を開始した。当初は食糧援助や肥料等の援助が中心で、水、教育等に協力分野を広げ、今では保健、農業、環境と協力分野が広がっている。日本との貿易は日本の大幅な黒字であり、日本からは機械類や自動車が主に輸出される。ブルキナファソから日本への輸出品はゴマがほとんどであり、2016年には、ブルキナファソの対日輸出の96.3%がゴマによって占められていた。2017年データでは、ブルキナファソは日本のゴマ輸入国第1位となっており、日本のゴマ輸入量の約27%がブルキナファソ産によって占められていた。
  2009年1月に在ブルキナファソ日本国大使館が開館した。経済協力分野に加え、日本国大使館や国際交流基金が主催する文化面での交流も活発に行われるようになった。また、2009年には同国では初めてとなる文部科学省国費留学生選考試験が行われるなど人物交流も盛んである。初代駐ブルキナファソ特命全権大使は杉浦勉が務めた。
  2010年から2013年までサッカーブルキナファソ代表ウィルフリード・サヌJリーグ浦和レッズ京都サンガF.C.に所属し活躍した。
  2015年8月、前年より練習生として四国アイランドリーグplus高知ファイティングドッグスに所属していたサンホ・ラシィナが高知球団と選手契約を結び、ブルキナファソで初めてプロリーグに所属する野球選手となった。
  ・在留日本人数 - 59人(2021年1月現在)  ・在日ブルキナファソ人数 - 178人(2019年12月現在)
軍事(詳細は「ブルキナファソの軍事」を参照)
地理
  ブルキナファソの国土は標高180mから300mほどの高原をなしており、全体的に起伏が乏しく平坦な地形をしている。西部には丘陵が存在するが、国土の最高地点でも749mにすぎない。国土を北から南へ3本のヴォルタ川の支流が流れ、これがかつての国名である「オート・ボルタ」の由来ともなった。この3本の支流のうち、最も西を流れるのが黒ヴォルタ川である。赤ヴォルタ川は国土の中央部を流れ、そのやや東を白ヴォルタ川が流れている。これらの河川はガーナ国内で合流し、最終的にはギニア湾に注ぐ。
  降水量は緯度にほぼ比例し、北へ行くほど降水量は少なくなる。南部はケッペンの気候区分ではサバナ気候 (Aw)に相当し、サバナが広がる。最も雨の多い南西部の降水量は年間約1150mm程度である。首都ワガドゥグーを含む中部はステップ気候(BS)に属する。国土の北部はサヘル地帯にあたり、砂漠化が少しずつ進行している。最北部の年間降水量は250mm程度に過ぎない。
生態系(詳細は「ブルキナファソの野生動物」を参照 )
  ブルキナファソには、西アフリカの多くの国よりも多数のゾウの生息が確認されている。また、ライオンヒョウバッファローの生息も確認されている。なお、ブルキナファソの動植物は現在4箇所の国立公園(アーリ国立公園ドゥ・バレス国立公園カボレ・タンビ国立公園西ニジェール国立公園)で保護されている。 (「ブルキナファソの保護地域一覧」および「アフリカの国立公園の一覧」も参照 )
地方行政区画 (詳細は「ブルキナファソの行政区画」を参照 )
  ブルキナファソは13地方、45県、301郡に分割されている。
  ・ブクル・デュ・ムウン地方(Boucle du Mouhoun)(コッシ県スル県ナヤラ県バレ県バンワ県ムフン県)   ・カスカード地方(Cascades)(コモエ県レラバ県) ・中部地方(Centre)(カディオゴ県) ・中東部地方(Centre-Est)(クリテンガ県クルペロゴ県ブルグ県) ・中北部地方(Centre-Nord)(サンマテンガ県ナメテンガ県バム県) ・中西部地方(Centre-Ouest)(サンギエ県シッシリ県ジロ県ブルキアンデ県) ・中南部地方(Centre-Sud)(ズンドウェオゴ県ナウリ県バゼガ県) ・東部地方(Est)(グナグナ県グルマ県・コモンジャリ県・コンピエンガ県・タポア県) ・上流域地方(Hauts-Bassins)(ケネドゥグ県トゥイ県フエ県) ・北部地方(Nord)(ゾンドマ県パッソレ県ヤテンガ県ロルム県) ・中央大地地方(Plateau-Central)(ウブリテンガ県ガンズル県クルウェゴ県) ・サヘル地方(Sahel)(ウダラン県スム県セノ県ヤガ県) ・南西部地方(Sud-Ouest)(イオバ県・ヌンビエル県・ブグリバ県ポニ県)
主要都市(詳細は「ブルキナファソの都市の一覧」を参照 )
  最大都市は首都のワガドゥグーである。ワガドゥグーは国土のほぼ中央に位置し、政治の中心地である。これに次ぐ都市は西部のボボ・ディウラッソである。ボボ・ディウラッソは周辺の農産物の集散地となっている。ブルキナファソの都市としてはこの両都市が突出しており[37]、これ以外に人口10万人を超える都市は存在しない。
経済詳細は「ブルキナファソの経済」を参照)
  IMFの推計によると、2013年のブルキナファソのGDPは120億ドルである。一人当たりのGDPでは711ドルとなり、隣国のガーナやコートジボワールと比べると半分ほどで、世界平均の10%未満の水準にある。輸入超過を慢性的に計上しているが、1994年から貿易額自体が膨張し、赤字もふくらんでいる
  農業を主体とする第一次産業の従事者が78.4%(2006年)、GDPの35%を占めているが、表土は痩せたラテライトに覆われており、灌漑設備も整っていないため天水農業が主である。全世界の生産量では雑穀(ほとんどがトウジンビエである)が7位、ソルガムが10位を占める(2014年)。輸出用作物としては綿花が重要であり、2015年には総輸出の13.6%を占める第2位の輸出品となっているほか、世界7位の生産量を誇るゴマも輸出品として重要であり、2015年には輸出の7.8%を占める第3位の輸出品となっている。
  すでにフランス植民地時代より人口過剰のため、周辺諸国への出稼ぎがさかんに行われてきた[37]。こうした移民の流出先は南側の沿岸諸国、なかでも特にコートジボワールが大半を占めており、1988年の時点でコートジボワールにいた300万人の移民のうち、ブルキナファソ人は51%、150万人以上にも上っていた。こうした移民の多くはカカオ農園の労働者として働いているが、コートジボワール大統領だったコナン・ベディエの「イボワリテ」政策以降、労働条件が悪化。多数が帰国した。
  国内で電力需給を賄うことができず、隣国から電力を輸入している。このため2030年を目標に電力需要の30%を太陽光発電で賄うことを目指しており、2017年には首都ワガドゥグー郊外に西アフリカ最大規模の出力33MWの太陽光発電所が建設されている。
  ブルキナファソはアフリカ商法調和機構(OHADA)の加盟メンバーの一国となっている
治安
  2010年代半ば以降、サヘル地域でのイスラム過激派テロの台頭により、イスラム国(またはアルカーイダ)と部分的に同盟している幾つかの民兵組織がブルキナファソ国内で活動し、マリとニジェールの国境を越えて活動範囲を広げているといった深刻な事態に陥っている。
  これに伴い2016年以降、同国内では、イスラム過激派組織によるテロが急増している。当初、北部地方を中心に相次いで発生していた治安機関や行政機関等を標的とした襲撃誘拐は、その後は東部、南部及び西部地方にも拡大しており、最近では一般市民を標的とした事件も見受けられる。特にマリやニジェールといった治安が不安定な国々との国境付近では、イスラム過激派組織が活発に活動しており、テロや誘拐のリスクが極めて高い危険な地域となっている。
  また、ブルキナファソにおいては一部地域で民族間の衝突をはじめ、都市を中心に窃盗強盗(路上封鎖や銃器によるものも含む)等の一般犯罪も発生しており、治安情勢は悪化傾向にある
世界遺産(詳細は「ブルキナファソの世界遺産」を参照 )
  ブルキナファソ国内には、ユネスコ世界遺産リストに登録された文化遺産が2件、自然遺産が1件存在する。2009年には国内最初の世界遺産としてロロペニの遺跡群が登録され、2017年にはニジェールのみの登録となっていたW国立公園が、隣接するベナン・ブルキナファソ両国を含む形でW・アルリ・パンジャリ自然公園群として拡大された。その後、2019年にはブルキナファソの古代製鉄遺跡群が文化遺産として登録された







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