5G通信技術


2019.12.12-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/191212/ecn1912120028-n1.html
【税制大綱】(5)5G前倒し整備で投資減税 産業育成後押し

与党税制改正大綱では、第5世代(5G)移動通信システムの早期普及のための新たな税制も設けられた。来年度から基地局などの関連設備を前倒しで整備する携帯電話事業者などに対し、法人税を設備投資額の15%控除するか、30%を特別償却するかのいずれかを選択できるようにする。安全保障上の懸念のない欧米企業との業務提携を促す新法も制定し、認定を受けた企業などを税優遇する。
  除の割合に関しては当初9%とする案もあったが、5G整備を推進したい政府の考えもあり、優遇措置を拡大した。中国など海外勢に後れを取る国内産業の育成や環境整備を後押しする狙い。
   新法では企業などの5Gの整備計画を審査し、安保上の懸念がある国の企業の部品が使われていないことを確認する。5G開発で世界最先端の技術を持つが、中国政府との結びつきも指摘される華為技術(ファーウェイ)などの製品には機密情報漏洩(ろうえい)などの安保上のリスクが拭えず、事実上排除したい思惑もある。
   安保上の懸念のない欧米企業との業務提携を促す新法も制定し、その認定を受けた企業などを税優遇する。新法は来年の通常国会に法案を提出する見通し。
  5Gは、携帯電話などに使われる通信方式の新規格で、通信速度が約100倍になるほか、同時に多数の端末を接続できる特長もある。あらゆる機器を通信でつなぐ「モノのインターネット(IoT)」など幅広い分野で活用が期待され、工場など限定された場所で展開する「ローカル5G」もある。
   5Gの分野では、先行する米国と韓国は今年4月に5Gの商用サービスを開始した一方、日本での商用化は来年以降になる見込みとなっている。


2019.11.18-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/191118/wst1911180005-n1.html
ローカル5G実験施設 関西電力子会社が開設へ

工場やショッピングセンターなどのエリア限定で第5世代(5G)移動通信システムを提供する「ローカル5G」サービスへの参入に向けて、関西電力の通信子会社「オプテージ」が、顧客企業などが利用できる実験施設を開設することが17日、分かった。今年度内に同社本社ビル(大阪市中央区城見)に設置する。来年には大手通信事業者による5Gの商用サービスがスタートする予定で、同社はローカル5G技術を検証できる体制を整備し、顧客獲得を急ぐ。
 5Gは、現行の4Gに比べはるかに大容量の通信が可能で、スムーズに多数の端末を同時に接続できるのが特徴だ。
 ローカル5Gは全国的な携帯電話網と異なり、対象エリア内で一定の周波数帯を独占利用できる仕組み。対象区域までは既存の光回線を使用するため、電波基地局を広域に敷設する必要がない。工場に導入すれば、ロボットや生産ラインなどを大規模に無線制御でき、配線組み替えの手間なく、設備のレイアウト変更や省力化をしやすくするメリットがある。
 ただ、ローカル5Gサービスは、それぞれの施設にあわせたシステムを顧客と一緒に作り上げていく開発体制が重要になる。そこでオプテージは、5Gを活用したロボットの遠隔制御、4K・8Kの超高精細映像配信などを研究できるラボを設置。製造業だけでなく、教育研究機関や病院など幅広い業種の利用を促し、協力してシステムを構築していく。

 オプテージは近畿2府4県で自前の光回線と組み合わせてローカル5Gを提供し、他社回線を使って全国でも事業を展開する方針だ。
 ローカル5Gでは、NTT東日本が10月、東京大学と共同で「オープンラボ」を来年2月に都内で設立すると発表。ケーブルテレビ会社なども参入に強い関心を寄せている。総務省は12月にローカル5Gの免許申請の受け付けを始める方針で、電機メーカーの参入も相次ぎそうだ。


2019.11.14-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52176900U9A111C1916M00/
ファーウェイ、5Gスマホ日本でも20年に発売

中国の華為技術(ファーウェイ)は14日、次世代通信規格「5G」に対応したスマートフォンを2020年に日本でも発売すると明らかにした。日本・韓国地域のスマホ事業を統括する呉波氏が同日の新製品発表会で「5Gの商用化が始まる来年に製品を投入する予定だ」と語った。
  日本での製品展開については通信大手を通じた販売と、通信会社を自由に選べるSIMフリー端末の販売の両方を検討しているとした。「複数の販売チャネルを通して5G端末のビジネスを展開する」(呉氏)と語った。
  ファーウェイは既に欧州や中国で5Gに対応したスマホを販売している。呉氏は「世界では今年が『5G元年』と呼ばれている」と紹介し、欧米や中国、韓国などで商用化が進んでいる現状を説明。2020年に日本で5Gの商用サービスが始まることや、東京五輪に言及し、ビジネス展開の意欲を示した。
  ファーウェイは5G端末の開発にこれまで40億ドルを投じているという。「5G分野では、他社と比べて半年から1年は先行している」(呉氏)と自信を示した。
  一方、ファーウェイは5月に米国の輸出禁止規制を受け、製品戦略に変更を余儀なくされている。日本では通信大手3社が米グーグルの関連ソフトが使えなくなる懸念などからファーウェイの新型スマホの発売延期を決めた。
  呉氏は「結果として、ビジネスに根本的な影響は受けなかった」とし、「日本市場では多少変動はあったが、前年を上回る成果を出しており、消費者から支持を得ている」と強調した。今後もソフトウエアの更新などを継続し、消費者の利便性を維持するという。


2019.11.3-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191103/wor1911030022-n1.html
中国、5Gの消費者向けサービス開始 計画前倒しで国際競争先行狙う
(1)
【北京=三塚聖平】中国で、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムの消費者向けサービスが3日までに始まった。北京や上海など50都市を皮切りとして、来年には提供範囲を大幅に拡大させる計画。当初、中国政府は2020年のサービス開始を計画していたが、これを前倒しさせた。巨大な国内市場でいち早く商用サービスを本格展開し、ハイテク分野での米国などとの国際競争で優位に立つ狙いとみられる。
 「中国は5Gの商用時代に入った」。中国移動通信(チャイナモバイル)など中国の携帯電話大手3社が5Gの消費者向けサービスを今月1日から一斉に正式開始したことについて、中国紙の経済日報(電子版)はこう強調した。当初は北京、上海、天津、重慶の4直轄市に加え、四川省成都や福建省アモイなど46都市からサービスを開始。今年末までには全国で13万超の5G基地局を整備する。
 料金は、中国紙によると中国移動通信の最も安いプランで月額128元(約2千円)。サービス開始前には、携帯大手3社で1千万件を超える5G契約の予約があったという。5G対応スマートフォンは、華為技術(ファーウェイ)や北京小米科技(シャオミ)など中国メーカーが相次いで発売している。
 5Gは、韓国と米国の一部でスマホ向けサービスが始まったが本格的な普及はこれからだ。人工知能(AI)や自動運転など幅広い技術開発につながるインフラとなることが見込まれており、各国で5Gをめぐる競争が激化している。中国は米国とハイテク覇権を争う中で、大規模な商用サービスにより実績を積み重ねる考えとみられる。工業情報化省の陳肇雄(ちん・ちょうゆう)次官は10月31日に、工業や交通、エネルギー、農業などの分野で5Gの活用を加速させる考えを示している。
(2)
華為など中国の通信機器大手にとっても、国内で本格展開がいち早く始まることでスマホや基地局など5G関連機器の販売拡大が見込まれる。米国が5G整備で華為の排除を各国に呼び掛ける中で、5Gに関わる国内メーカーのテコ入れにもつながる。
 ただ当初は基地局設備がそろっていないため、消費者が満足できる通信サービスを提供できるかは不透明な部分がある。中国紙の21世紀経済報道(電子版)は「インフラ面からいえば、真に完全な5G体験には時を待たなければならない」と指摘する。
 5G 携帯電話などに使われる通信の新規格で、第5世代(Generation)の略称。現行の「4G」の後継規格で、通信の速度や容量が大幅に向上する。最高通信速度は4Gの100倍。通信時間の遅れは1千分の1秒程度とほとんど発生しない。日本では、来春から本格的な商用サービスが始まる。


2019.9.27-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/190927/ecn1909270026-n1.html
総務省、「ローカル5G」を制度化 免許申請受付へ

総務省は27日、第5世代(5G)移動通信システムの電波を地域限定で企業や自治体に割り当てる「ローカル5G」を12月に制度化し、免許申請の受付を開始すると発表した。携帯電話事業者以外の企業や自治体が独自に5Gの電波を扱えるようにすることで、携帯電話事業者によるネットワーク作りを補完し、全国各地で5Gを早期に利用できる環境を整える。
 総務省はローカル5Gの制度化に向けた電波法の関連省令の改正案とガイドライン案を同日公表し、28日から意見募集を開始する。この結果を踏まえ、12月までに制度整備を完了する。
 ローカル5Gは地域や産業の多様なニーズに応じて、地域の企業や自治体などが自らの建物内や敷地内でスポット的に5Gの通信網を整備できる仕組みだ。
 例えば、工場の敷地限定で自社専用の通信網をつくり、超高速大容量、超低遅延という5Gの特長を生かして数百台のロボットをケーブル不要で自動制御することなどが可能になる。遠隔医療や建機の遠隔操作など5Gの使用使途に応じて必要となる性能を柔軟に設定することもできる。
 総務省は4月に携帯大手に5G電波を割り当てており、来春にも5Gサービスの商用化が始まる。だが、5Gは4Gに比べて電波の飛ぶ距離が短く、サービスを全国に行き渡らせるにはより多くの基地局整備が必要で時間がかかる見通し。
 このためローカル5Gを活用すれば、携帯大手によるエリア展開が遅れる地域や、山間部など電波が届きにくい地域でも5Gの恩恵が早期に受けられるようになる。 総務省が示したガイドライン案には、携帯大手は免許を取得できないことや、当面は自治体や企業が所有する建物内や敷地内での利用を基本とすることなどが盛り込まれた。もっとも、来年には割り当てる周波数の帯域を増やす方針で、公道など敷地外での利用に向けた制度整備についても検討する。

2019.9.20-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/190920/ecn1909200031-n1.html
【新閣僚に聞く】高市早苗総務相「5G活用し安全な社会に」
--約2年ぶりに総務相として再登板した。取り組む課題は
 「地方自治体の情報システムでサイバーセキュリティーを強化する。国民生活に多大な影響を与える(鉄道や医療、水道など14分野の)重要インフラ全てについて、セキュリティー対策の義務化を提案したい」
 --国地方係争処理委員会が、ふるさと納税の新制度から泉佐野市を除外した決定の再検討を勧告した
 「地方税法の改正で(ふるさと納税の)ルールが明確になった。なぜ法律の改正が必要になったかという問題は(係争処理委に)共有してもらったと思う。勧告を総合的に検討して対応を決めたい」
 --かんぽ生命の不適切販売問題への対応は
 「私の就任前から迅速に指導していると報告を受けている。日本郵政グループが契約者に不利益を生じさせたことは大問題だ。顧客本位のサービス提供に向け、抜本的な改善策を早急に検討してもらわなくてはいけない。9月末までに出る報告を見て、しっかり監督責任を果たす」
 --携帯電話料金の引き下げは進むか
 「10月から改正電気通信事業法が施行され、利用者が通信料金の比較や端末の選択をしやすくなり、事業者間の競争が活発化する。低廉な料金サービスの実現にしっかり取り組む」
 --マイナンバーカードの普及率が低迷している
 「来年から(カード取得者を対象に全国共通の)『マイナポイント』を付与し、令和3年に健康保険証としての利用を始めるので交付は増えていくと思う。円滑な交付に向けて全国の市町村を支援したい」
 --人口減少時代の地方議会のあり方は
「できるだけ多種多様な層から(地方議員が)選出され、議会を構成することが多くの住民のニーズをつかむことにつながる。総務省の研究会で有意義な提言が出ることを期待する」
 --過疎対策は
 「第5世代(5G)移動通信システムなど最新の技術革新を十分に活用し、どこに住んでいても安全で、質の高い福祉や教育を受けられる社会にしたい」(清宮真一)


2019.9.15-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/190915/ecn1909150009-n1.html
東京ゲームショウ閉幕、5Gに熱視線 課題は端末普及
(1)
世界最大級のゲーム展示会「東京ゲームショウ」が15日閉幕。来春から商用化する高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムを使ったゲームが大きな注目を集めた。多くの機器を接続できる5Gでは、データ通信の大きいゲームでも、大人数が同時にスマートフォンなどの携帯端末で遊べる。ゲームソフトの売り切りではなく、配信による定額制サービスへの転換が進むなど、5Gによって業界地図ががらりと変わる可能性も秘めている。
 東京ゲームショウは千葉市の幕張メッセで、12日から開かれていた。 NTTドコモは、5G対応スマホを使って、ゲームキャラクターが対戦している様子を3次元(3D)で観戦できる技術を公開した。目の前にある現実空間に架空の映像を重ねる拡張現実(AR)技術を活用しており、大容量の3D映像を送信するために5G回線が利用された。
 5Gが普及すれば、データ容量の大きい高画質で複雑なゲームでも、携帯端末で遊ぶことができるようになる。ゲーム業界ではソフトの売り上げだけでなく、定額制サービスで月額料金を稼ぐビジネスモデルへの転換が進み、5Gがこうした流れを加速させる。
 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、月額2500円で家庭用ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」などのゲームを配信するサービスで、会員数が年平均4割超の伸び率で増えている。ゲーム事業は、ソニーの連結売上高の4分の1以上を占め、稼ぎ頭だ。
(2)
米IT大手も続々と市場に参入する。アップルは19日から100以上の新作ゲームをそろえた定額制サービス「アップル アーケード」を開始。グーグルも11月にネット上でゲームを楽しめるサービス「スタディア」で追随する。
 課題は5Gのインフラ設備と対応端末の普及だ。ソニーは対応スマホを開発中だが、今回は端末の出展を見送った。大手ゲームメーカーの担当者は「通信網や対応機器がまだ定まっておらず、しばらく模索が続きそうだ」と話した。(高木克聡)


2019.8.21-YAHOO! JAPAN ニュース- SankeiBiz-https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190821-00000510-fsi-bus_all&pos=2
5G時代、イベントで探求 各社プレサービス続々、普及に課題

来年春の第5世代(5G)移動通信システムの商用化を前に、消費者向けプレサービスが続々と登場している。商用化開始当初はコンサート会場や競技場などの限られた空間での事業展開が先行する見込みで、携帯電話大手は大型イベントにからめて5G時代の到来をアピールする。しかし5G基地局の展開や対応端末の普及にはしばらく時間がかかることも現実。プレサービスには大型イベントを試金石として課題を探る意味合いもあるようだ。
 新潟県湯沢町の苗場スキー場と東京・六本木の音楽ファンが「ひとつの会場」でイベントを体験する-。
 ソフトバンクは7月下旬、国内初の消費者向け5Gプレサービスとして、こんな企画を打ち出した。苗場で開かれた音楽イベント「フジロックフェスティバル」のステージを仮想現実(VR)空間に再現し、苗場と六本木の両会場を訪れた参加者がVRゴーグルをつけて一緒にライブを楽しむという仕掛けだ。
 VR空間には自分の分身(アバター)が映し出され、手を振ったり、顔を見合わせたりしながら、双方の会場からの参加者と声を交わせる。「こちら六本木、苗場の天気はどうですか」。VR空間内での会話は、約200キロ離れているとは思えないほどの臨場感で弾んだ。
 来春の商用化を見据えるのは他社も同じだ。NTTドコモは7月下旬、都内の5G体験スペースを2020年東京五輪・パラリンピックを意識した内容に一新。KDDI(au)は触感や温度が伝わるロボットを観光地に設置して遠隔操作するなど、新しい観光サービスを描く。
 5Gの電波の割り当てを受けたドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの4社のうち、ソフトバンクとKDDIは来年3月に5Gの商用サービスを開始する予定。NTTドコモも春から提供する計画だ。
 ただし5Gサービスは一足飛びで実現するわけではない。実用化が期待される自動運転や多言語翻訳などは、全国津々浦々での利用が想定され、全国的な5G基地局網の整備が不可欠。しかし4社の計画によると、合計7万局の5G基地局網の整備は24年度末までかかり、政府は前倒しを支援する方針だ。
 また、5G対応スマートフォンの普及スピードも見通せない。日本メーカーの試作機は厚みがあったり、縦に長くなったりと改良の余地が残り、価格も数万円割高になるとみられる。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が販売中の5G対応スマホも日本円換算で約9万3000円で、中国製品としては高めだ。
 今回のソフトバンクのプレサービスで5G回線が使われたのは、実験用の5G対応スマホの試作機と移動基地局の間のわずかな距離だけ。実際に苗場と六本木を結んだのは現行規格の4G回線だった。各社のプレサービスには、実験を重ねて実用化への道を探る意味合いもある。(高木克聡)


2019.7.9-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://special.sankei.com/f/column/article/20190709/0001.html
5Gの衝撃(5)「5G安保」出遅れる日本
第6部
(この連載は万福博之、高木克聡、西見由章、板東和正、塩原永久、中村翔樹、原川真太郎、清宮真一、グラフィックは田中杏奈、原田あゆみ、前原亮祐が担当しました。)

平和利用だけでは国家の危機招く
 5Gは米国や韓国で商用化が始まり、中国も通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を筆頭に膨張を続ける。日本は国際競争を勝ち抜けるのか。
 中国浙江省杭州市。電子商取引で世界最大手のアリババ本社を片山さつき地方創生担当相が訪れた。1月9日のことだ。
 先端都市「スーパーシティ」構想の視察の一環として、アリババ集団と杭州市が手掛ける人工知能(AI)による都市交通管理システムの説明を受けた。
 AIが路上に設置された4千台の監視カメラの画像を分析し、信号機の点灯時間を制御するほか、複数の車が路肩にあれば異常と認識し、警察官に自動通知する。膨大な人員が24時間態勢でシステムの保守管理に当たり、中国ではワースト3といわれた杭州市の渋滞は劇的に改善したという。
 「すべてがコントロールされている」。巨大スクリーンに映る車の流れに、片山氏は目を見張った。当時はまだ4Gだったが、「5Gになればさらに進化する。日本もできるところから始めなければ、世界の潮流に乗り遅れる」と危機感を募らせた。
 民間企業のアリババが膨大なデータを独占的に蓄積する背後には、習近平政権の存在がある。北京の南西約100キロ、河北省の計画都市構想「雄安新区」も習氏の肝煎りだ。2035年までにAIやビッグデータによる管理社会をつくるとされる。一方、安倍晋三政権のスーパーシティ構想は国家戦略特区を活用し、意欲的な自治体で先行導入するボトムアップ型だ。
 中国と異なり、主眼は少子化に伴う労働人口減少が深刻な地方の社会維持、そして経済成長を促すことにある。車の自動運転や小型無人機「ドローン」による配達などを完全実施できれば、他国もいずれ直面する課題に日本が解決の道筋を示すことにつながる。 ただ、政府の方針は地方に浸透しているとはいえない。対応する省庁が複数にまたがり、「司令塔」がいないことが大きい。

 別の課題もある。5Gがより必要な地方と都市部のインフラ格差が解消するのは、早くて5年後と見込まれる。自民党情報通信戦略調査会は5月、石田真敏総務相宛ての提言書で「整備の遅れが懸念される条件不利地域について重点的な支援を検討」するよう要請した。同時に「5Gの利用を強力に牽引(けんいん)する総合対策が必要」と警鐘を鳴らした。
 5Gの国際競争で日本が出遅れている要因は、軍事・安全保障を前提とした発想の欠如にあるともいえる。米国などは軍が技術開発を先行し、民生に派生してきた。
 レーダー、コンピューター、GPSなどの普及は軍の関与あってこそで、自衛隊の存在さえ憲法に明記していない戦後日本は、そもそも米国や中国とスタートラインが異なる。
 防衛省情報本部で人工衛星の情報解析を担当した元陸将の福山隆氏は「民間への先端技術の波及は、軍事面の開発研究が発端となっている。国家の生き残りをかけた競争において、日本がうたう『平和利用』は国防を忘れたユートピア的発想であり、弊害になりかねない」と警告する。
 米国が同盟国に華為排除の行動を求めているのも安保上の懸念からであり、通信の保安と国家の存亡は今や表裏一体といえる。高い技術力を持つ日本が競争の枠組みを変える「ゲームチェンジャー」になるには、5Gの次を見据えた戦略が求められる。=第6部おわり

◇【用語解説】第5世代(5G)移動通信システム
 約10年ごとに世代交代してきた無線通信の国際規格で第5世代にあたる。Gは「Generation」(世代)の頭文字。通信速度は現行の4Gの約100倍。通信時間の遅れは1千分の1秒程度とほとんど発生しない。1平方キロ当たり100万台の機器を同時につなぎあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の基盤となる。日本では、来春から本格的な商用サービスが始まる。


5Gを制す世界を制す      (2019年3月22日) 産経新聞より

5G制すは世界を制す
5G制すは世界を制す」-次世代移動通信システム(5G)は、現在の4Gと比べて「高速」「大容量」であるだけでなく、「大量接続」「低遅延」が特徴だ。
     一平方キロメートル当たり100万台の小型無人機などの兵器と同時に接続でき、リアルタイムで遠隔操作が可能になりうる通信技術である。
     サイバー空間で「5G」を制することは、経済の強化だけでなく、安全保障の上でも圧倒的優位に立てる。だからこそ、5Gをめぐる「米中」の
     「覇権戦争」は、双方にとって譲歩の余地がほとんどない。
2月18日、中国上海の中心部にある虹橋駅(ホンチャオ)。年間利用者6千万人を超える場所で、「5G」ネットワークの整備が始まった。9月完成予定である。
     世界ではじめて「5G」屋内デジタルシステムを採用した駅になると中国メディアは伝える。着工式に合わせてAI(人工頭脳)ロボットによる案内などの
     「5G」体験コーナーが設けられた。高画質の映画を一本をダウンロードするのに20秒もかからない。「虹橋」にとどまらず北京、南京駅などにも同様 
     のものが建設される。コレラの駅で採用されるのが、中国を代表するIT企業の華為技術(フアーウエイ)の技術である。国内で「5G駅」を作るのも
     華為技術(フアーウエイ)の研究結果をアピール、その技術を世界中に輸出する投資であると考えている。同社によれば、今年一月までに世界の大手
     通信事業者と25件の5G商用契約を締結した。通信設備となる5G基地教は、すでの一万以上を世界各地に出荷したという。
民間企業として世界展開する華為技術(フアーウエイ)は、中国政府から全面的なバックアップを受けており、国内企業以上に特権を持つこともある。華為技術
     に詳しい中国人記者は「5G分野における華為技術の世界シエアー拡大は、中国政府の国家プロジェクトになっている」と話す。
米国の要請を受けたカナダ司法当局が昨年12月、華為技術の孟晩舟最高財務責任者(CFO)を逮捕してから3ヶ月余りが経過した。この背景には、「5G」技術
     で最先端を走る華為技術に対する、米国の警戒があるといわれている。米国は同盟国に対し、華為技術の通信機器を使わないように求めている。
「困難が大なれば大なるほど栄光は大なり」と、華為技術の郭平副会長兼輪番会長は今年一月に発表した年頭所感で、米国を中心にした華為技術の排除に
     立ち向う姿勢を強調した。今月7日には、米政府機関で製品の使用を禁じたのは違憲だと、米連邦地裁への提訴を発表した。
米政府が、華為技術による「5G」覇権の獲得を恐れるのは、「5G」が他国の安全保障を脅かす「サイバー兵器」になりうるからだ。100機のドローンで敵の
     艦艇などを同時に爆撃する。原子力潜水艦は指揮官不在で移動する。
「5G」の活用により、すべての兵器はインターネットの空間でつながり、自由に操作できる。中国軍は陸海空で「無人化」を達成できる見込みを立てている。
米セキュリティー専門家、ヒユー・テラサット氏は「5Gは、他国の戦車、戦闘機、核兵器を乗っ取ることも可能だろう」とした上で「習近平国家主席の肝いり政策
     である「軍事融合」で、華為技術の最先端技術が軍事利用される。米国はそれを危惧している」と話す。」
米国が華為技術排除について、同盟国のあいだでは、対応が割れている。米当局は、華為技術製品に情報を無許可で送信する「バックドア」が仕込まれて
     いると主張。米下院情報特別委員会は華為技術と人民解放軍との関係を指摘し、情報が中国政府にながれていると危機感をあらわにする。
ただ、華為技術が中国の為にスパイ行為をしたという証拠は不十分である。欧州では華為技術の完全排除に慎重論が目立ち始めた。複数の欧米メディアに
     よると、ドイツでは「5G」整備の為華為技術製品の完全排除には至らない方向だという。英国の国家サイバーセキュリティーセンターは、華為技術による
     安産補償へのリスクは「管理可能」との見解を示している。
「米国は世界の代表ではなく、一部に過ぎない」華為技術の操業者件最高経営責任者(CEO)で孟晩舟氏の父、任正非氏は2月、英BBC放送のインタビュウー
     でそう強調し、今後の事業拡大に自信を見せた。


2019.4.13-産経新聞
【主張】「5G」割り当て 基幹インフラの整備急げ

総務省が第5世代(5G)移動通信システムの電波について、NTTドコモなど携帯電話4社への割り当てを決めた。来年の商用化に向け、事業者は基地局
     などの整備を本格化させる。
  5Gの通信速度は、現行の4Gに比べて、最大100倍速く、大量の端末などに同時接続することが可能になる。交通や製造、農業など幅広い分野で
     利用され、暮らしや産業に大きな変化をもたらすと予想されている。すべてのモノがインターネットでつながる「IoT」の時代を迎えている。日本でも
     5Gの早期普及を図るために基幹インフラの整備を急がねばならない。
  国際競争も激化している。日本は3Gまでは世界の最先端を走ってきたが、4Gになって米国企業の商用サービスなどに出遅れた。今後は5Gの実用的な
     サービスをいち早く提供することで世界に存在感を示したい。
  携帯4社に5Gの電波を割り当てた石田真敏総務相は「5Gは21世紀の基幹インフラになる。これまでの新幹線網や高速道路網に匹敵する」と強調した。
     基地局などに対する4社合計の設備投資は5年で合計1・6兆円にのぼるという。まずは来年の商用化を確実に図りたい。
  5G技術は携帯電話サービス以外での利用が進みそうだ。工場現場では通信で多くの産業用ロボットなどを同時制御し、無人生産が進展する。
     製品すべてにタグを付けて在庫を管理すれば、売れ筋も瞬時に把握できる。特に期待されているのが自動運転への活用だ。前方の様子をカメラ
     で確認しながら先行車との距離を調整したり、人が飛び出したりした場合の急停止などが通信で制御できるようになる。5Gを使った自動運転バス
     が実用化されれば、人手不足に悩む過疎地の交通手段の確保にもつながる。
  米中ではこの次世代規格をめぐって覇権争いが勃発し、米国は自国や友好国から中国通信機器大手「ファーウェイ」の機器排除に乗り出している。
     日本も5G分野の政府調達で中国製品の排除を申し合わせており、国内4社も政府方針に従うことを決めた。
  ただ、そうであってもインフラ整備が遅れるような事態は許されない。政府は携帯4社の基地局の設置状況などを点検し、円滑な整備を促してもらいたい。


5Gで新時代

第5世代(5G)移動式通信方式が今秋に本格運用されるのを前に、携帯電話各社がスポーツ競技場での実証実験を加速させている。スポーツや音楽イベント
   で人が集まる競技場は、集中する通信への対応など多くの課題が予想される「5G」時代の世界の縮図。競技場はスマートフオン決済の導入なども含めた
   シンサービスの実験場となっており、通信業界とスポーツ産業との連携深まって居る。

 野球もVRで
「コミニュケーションの進化がここで生まれる」ソフトバンクのモバイルネットワーク本部の野田真本部長は21日、プロ野球福岡ソフトバンク
   ホークスの本拠地ヤフオークドーム(福岡市)で、競技場での{5G」展開の意義を力説した。
ソフトバンクはこの日の東北楽天イーグルールスとのオープン戦で、仮想現実(VR)ゴーグルでの観戦実験を行った。実際のVIPルームをVR空間に
   再現し保守の後ろのフエンスや一、三塁側のベンチ付近など4カ所に設置されたカメラで撮影した試合風景を映し出す仕掛けだ。
観戦者は視点を自由に切り替えることが可能。従来VRの5倍以上のデーター量がある立体映像を扱えるのは高速大容量の5G通信のおかげだ。
現実的には休場から遠く離れた複数のフアンがVR空間に集まって一緒に観戦することも想定しており、平成32年度中の商用化を目指す。


 瞬時に顔認証
米大リーガーやサッカーの欧州リーグの収益が増加傾向にあるのに比べ、日本のスポーツ産業は伸び悩んできた。しかし今秋のラグビーワールドカップ(W杯)、
   2020年東京五輪・パラリンピックを控え、スポーツ関連企業は大きなチャンスを迎えている。
NTTドコモは29年7月にJリーグと協業を開始。今年2月にはサッカーJ1の鹿島アントラーズとも提携した。一人一のスマホに好みに合わせた映像を配信する
   サービスを目指し、実験を重ねている。スポーツ&ライブビジネス推進室の馬場浩史室長は「33年ごろには5G端末も普及する。さらにサービスが多様化
   する。」と分析する。
KDDI(au)は16台のカメラを自由に切り替えてタブレット端末で野球観戦できる実証実験に成功。すでにプロ野球のVR映像の配信も始めている。
また楽天はイーグルスの本拠地「楽天生命パーク宮城」(仙台市)とサッカーJ1ヴィッセル神戸の「ノエビアスタジアム神戸」(神戸市)で、チケットや飲食物などの
   販売にスマホ決済などを導入して完全キャシュレス化する取り組みを開始。さらに、5G通信で高画質な画像の高速処理を実現し、瞬間に顔認証すると
   いった、スタジアムの”スマート化”を推し進める計画だ。
5Gが普及すれば、自動車の自動運転や医療機器、建築機械の遠隔操作などの面でも人人の生活は一変する。
野田氏は「普段使い」での課題の発見が実証実験の狙いのひとつだと強調。これからの競技場はスポーツだけでなく、未来の技術を味わえる場に変わっていく。
(高木克聡)


2019年3月27日 フアーウエイ一律排除せず(欧州委、5G整備で) - 産経新聞

政執行機関、欧州委員会は26日、第5世代(5G)移動通信システム整備に向けた勧告を発表した。セキュリティーの確保のため、加盟国の協調した対応を
     図る内容だが、米国が求める中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)の排除を一律に求めることには踏み込まなかった。
  EUでは華為製品使用への警戒も高まっているが、加盟国間には中国への対応に温度差がある。5G整備が遅れて経済競争で不利になるとの懸念が強い
     ことも、華為製品の排除を見送った背景にあるとみられる。
  発表によると、EUは各国がどの製品を使うかを判断するための安全基準や、リスクを低減する具体的方策について年末までに合意することを目指す。
     加盟国には6月末までに5G整備に伴うリスク評価を要請。EUはその結果を土台に事業者に求める要件や試験、管理のあり方を検討する。
  現時点で一定のメーカーや製品の一律排除はしないが、一連の評価で潜在的にリスクとなる製品や事業者を特定し、各国が独自に排除できる余地は残した。
  勧告は22日のEU首脳会議で要請されていた。サイバー上のセキュリティー対応は各国の判断に委ねられているが、1カ国でも問題が生じれば、
     ネットワークを通じてEU全体に影響が出る恐れがある。このためEUとしての協調が必要との声が上がっていた。
  ただ、米国は同盟相手の欧州諸国に華為排除を強く働きかけてきただけに、EUの姿勢が反発を招く可能性がある。米国は完全排除を見送ったドイツには
     華為製品を採用した場合、機密情報の共有を制限するとも警告している。


2019年4月4日 世界初 米で5G開始
スマホ向け、韓国より早く
世界初 米で5G 開始

米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは3日、高速大容量の第5世代(5G)に対応したスマートフォン向けサービスをシカゴなど2都市で始めたと発表した。   スマホ向け5G通信の商用化は世界初という。韓国の通信大手KTが2日、同様のサービスを5日に始めると発表。ベライゾンは当初11日の開始を
     予定していたが、約1週間前倒しし「世界初」を奪い取った。
   5Gは現行の第4世代(4G)に比べ、最高通信速度が100倍程度に達する。企業や国家間で導入競争が激化しており、日本では2020年ごろに本格導入
     が見込まれている。
   ベライゾンが3日にサービスを始めたのはシカゴと中西部ミネアポリスで、いずれも中心部に限られる。年内に対象地域を30都市以上に広げる。
   5Gサービスに対応するスマホは現在、モトローラ製の1機種だけで、さらに専用機器を装着する必要がある。データ容量が無制限の料金プランを契約
     している人は、月10ドル(約1100円)の追加でサービスを利用できる。(共同)







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