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日本の自衛隊(軍事力)-1


2023.04.21-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE21AIQ0R20C23A4000000/
陸自、前師団長の死亡確認 ヘリ回収へ業者と契約

  沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊のヘリコプターが行方不明になった事故で、防衛省は21日、海底から引き揚げて死亡を確認した5人のうち1人について、事故当時に第8師団長だった坂本雄一陸将(55)と判明したと発表した。DNA型鑑定などから特定したという。

  身元が特定されたのは坂本氏で3人目。自衛隊は宮古島西方にある伊良部島北約6キロの海底で、ヘリの胴体部分と6人を発見。18日までに5人を引き揚げて死亡を確認した。うち2人を第8師団司令部の幹部と特定し、20日に氏名を公表していた。
  坂本氏は3月30日に第8師団長に着任したばかりだった。ヘリには同氏ら師団司令部の幹部5人、師団傘下の第8飛行隊から操縦士と整備員2人ずつ、宮古警備隊の幹部1人が搭乗していた。偵察訓練中で、有事に同師団が派遣される可能性がある地域の地形を確認していたという。
  海底にあるヘリの胴体部分は4月下旬にも民間事業者による引き揚げ作業の着手を目指す。陸自は21日に機体の回収作業について入札を実施し、深田サルベージ建設のグループ企業「オフショアエンジニアリング」(東京)と約10億円で契約した。
  機体の引き揚げで、フライトレコーダー(飛行記録装置)が発見・回収されれば、事故の原因究明が進む可能性が高い。
  自衛隊は海底に残る1人の引き揚げを急ぐとともに、行方不明者4人の捜索も進める。ヘリは6日午後に宮古島分屯基地を離陸し、10分後に同島北西の洋上でレーダーから機影が消えた。陸自は事故調査委員会を設置して事故の原因を調べている。
  陸自トップの森下泰臣陸上幕僚長は20日の記者会見で、坂本氏の後任に21日付で青木伸一第11旅団長が就任する人事を発表していた。事故で不明になった宮古警備隊の伊与田雅一隊長の後任に比嘉隼人第5施設群長が就くことも明らかにしていた


2023.04.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230419-2QQ6WOIUSZL7DFRZSKQ7QATZ4M/
魚雷と一緒に寝る 「海の忍者」潜水艦乗員の生活とは

  普段は海中で隠密行動を取っている海上自衛隊の潜水艦内を見学できる貴重な機会があり、今月10日、神奈川県横須賀市の海自施設へ向かった。レーダーの電波が届かない海中に潜むことから「海の忍者」と称される潜水艦。大型艦艇を1隻で撃沈できる日本防衛の切り札だが、狭い艦内で乗員71人が数週間もの過酷な共同生活を送る現場を目の当たりにした。

想像以上に狭い艦内
  海自の潜水艦は、戦後初めて国産化された「おやしお型」8隻、平成21年以降に投入された新型の「そうりゅう型」12隻、そして最新鋭の「たいげい型」2隻の計22隻態勢だ。このうち平成17年に就役した、おやしお型8番艦「たかしお」に乗艦した。
  カン、カン、カン…。艦上にあるマンホールのような入り口からステップを下りると乾いた靴音が響いた。機密保全のため艦内は撮影が禁止され、入り口で携帯電話とカメラは預けさせられてしまった。
  艦は全長81・7メートル、幅8・9メートルでジャンボジェット機と同程度だが、二重構造になっている外壁と内壁の間に空気を入れて浮上する仕組みのため艦内は想像以上に狭い。通路は1人通るのがやっとの幅だ。


2023.04.18-NHK NEWS WEB(沖縄NHK)-https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20230418/5090022808.html
陸自ヘリ事故 18日引き上げ1人死亡確認 新たに6人目発見

  陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島の周辺で消息を絶った事故で、陸上自衛隊によりますと、隊員とみられる5人が見つかった海底付近で18日、新たに1人を引きあげ、死亡を確認したということです。

  また、5人が見つかった海底付近で、隊員とみられる別の1人が新たに見つかったということで、引きあげを急ぐことにしています。
  4月6日、陸上自衛隊のヘリコプターが宮古島の周辺で消息を絶ち、乗っていた隊員10人が行方不明になった事故で、自衛隊は16日、水深106メートルの海底で、隊員とみられる5人を見つけました。
  自衛隊はおとといと17日、「飽和潜水」と呼ばれる特殊な潜水ができる隊員を海中に潜らせて合わせて4人を引きあげていますが、陸上自衛隊によりますと、18日午後、新たに1人を引きあげたということです。
  5人はいずれも死亡が確認され、司法解剖などを行って死因を調べるものとみられます。また陸上自衛隊によりますと、5人が見つかった海底付近では、18日午後、隊員とみられる別の1人が新たに見つかったということです。今回の事故で見つかったのは合わせて6人となり、自衛隊は引きあげを急ぐとともに、行方が分かっていないほかの4人についても捜索を続けています。
  一方、陸上自衛隊は、事故原因を究明するため、海底で見つかった胴体部分とみられる損壊した機体について、民間業者に委託して回収を行うことにしています。


2023.04.17-沖縄タイムス-https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1137268
2人の遺体を沖縄本島へ移送へ 陸自ヘリ事故 死因や身元の特定進める
(東京報道部・新垣卓也、社会部・吉田伸)

  陸上自衛隊幹部ら10人が乗っていたヘリコプターが沖縄・宮古島周辺で行方不明になった事故で、陸自は16日、伊良部島北側約6キロの海底で、搭乗員らしき5人の姿や事故機の胴体部分とみられる物体を発見した。海上自衛隊の潜水士がそのうち2人の男性を引き上げたが、同日午後7時5分までに死亡が確認された。自衛隊は2人の身元の特定のほか、海底に残る3人の状態を確認し、救助に向けた作業を進める見つかっていない5人の捜索も続ける(東京報道部・新垣卓也、社会部・吉田伸)

  陸自によると、海自の潜水艦救難艦「ちはや」の潜水士が16日午前、深い海に潜る特殊な技術「飽和潜水」の作業を再開。同8時半ごろ、水深約106メートルの海底で、搭乗員らしき5人や事故機の胴体部分とみられる物体を発見した。
  そのうち心肺停止の2人を引き上げた。現場周辺の海域では16日午後5時ごろ、宮古海上保安部の巡視船「はりみず」が「ちはや」に接舷する様子が確認された。2人を乗せたとみられる。約1時間半後、「はりみず」は宮古島市の平良港クルーズ船専用バースに接岸。陸自によると、2人は港に待機していた陸自の医官によって、死亡が確認された。
  遺体は自衛隊車両で港を出て、同日午後7時45分すぎ、陸自宮古島駐屯地へ搬送された。
  海底の機体は損壊した状態で見つかっているという。防衛省は17日以降も「飽和潜水」を続行し、残る3人の救助を急ぐ。関係者によると、陸自は17日以降、2人の遺体を宮古島から沖縄本島へ移送し、第11管区海上保安本部などとともに、死因や身元の特定を進める見通し。
  現場周辺の海域では、海自の掃海艇がソナー(水中音波探知機)などを使い、依然行方が分からない5人を捜している。陸上自衛隊員が宮古島の海岸を捜索する姿も確認された。
  事故は6日に発生。ヘリには、宮古島周辺の地形を視察する目的で、陸自第8師団(熊本県)の坂本雄一師団長(55)ら師団司令部の幹部5人、傘下の第8飛行隊のパイロットと整備士計4人、宮古警備隊の幹部1人が乗っていた
  防衛省は14日、飽和潜水を準備したが、機材の不具合で中断15日も荒天などを理由に潜水できない状態が続いていた。


2023.04.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230415-XQHKE5V3PZID7OLDJAFW7BZZ3A/
飽和潜水、天候不良で中止 陸自ヘリ、16日以降再開

  沖縄県宮古島付近の陸上自衛隊ヘリコプター事故で、深い海での作業を可能とする「飽和潜水」と呼ばれる特殊技術を活用した捜索活動は15日、天候不良など現場の状況を考慮し、中止となったことが政府関係者への取材で分かった。14日も機材の不具合でダイバーが海中で活動できず、中止された。自衛隊は16日以降の再開を目指す。

  事故は6日に発生。宮古島の西隣にある伊良部島沖で13日に機体の主要部分とみられる物体を発見。14日にかけて搭乗者とみられる複数人も見つかった。付近は水深約100メートルあり、詳しい状況の確認を急いでいる


2023.04.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230412-7JCRTZDZM5PPTFXXAXN4JHF7SM/
<独自>緊急用フロート装備せず 陸自ヘリ事故

  沖縄県の宮古島付近で10人が搭乗した陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が消息を絶った事故で、事故機には緊急着水時に使用する「緊急用フロート」が装備されていなかったことが12日、陸自への取材で分かった。航空法施行規則は水上を30分以上または185キロ以上飛行するヘリに装備を義務付けているが、陸自関係者は「事故機は海上での飛行を主としておらず、安全に救命し得る最低限の装備で飛行していた」としている。

  緊急用フロートは機体下部に装備し、緊急着水が想定されるときに空気で膨らませることで機体を浮かす装置。機内から脱出する時間が確保され、搭乗員の救命に役立つとされる。
  陸自関係者によると、事故機は4日に高遊原(たかゆうばる)分屯地(熊本県)を離陸し、洋上を航空自衛隊那覇基地まで移動。6日に航空自衛隊宮古島分屯基地へ移り、午後3時46分、地形を視察するため坂本雄一第8師団長(55)らを乗せて同基地を離陸していた。離島が多く海上を飛ぶ機会が多い沖縄県に駐屯する陸自の同型機には緊急用フロートを装備していたが、熊本県の第8師団に所属する事故機には装備していなかった。
  陸自は「離島の上空を経由するなど緊急着陸が可能な陸から離れた洋上での長時間の飛行は行っていないため、法令上も緊急用フロートの装備が義務とはならなかった」と説明した。
  緊急用フロートは海上自衛隊の哨戒ヘリのほか、海上保安庁の全55機のヘリに装備。平成20年に宮古島近海で不時着水したケースでは、緊急用フロートを展開し人命が救われている


2023.04.11-ABCニュース(ANNニュース)-https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/ann_000294977.html
陸自ヘリ捜索困難海自トップ「機体なのかサンゴの岩礁なのか…」

  沖縄県の宮古島付近で陸上自衛隊のヘリコプターが行方不明となった事故で、海上自衛隊のトップは海底にサンゴ礁が多く機体の捜索が難航していると明らかにしました。

  海上自衛隊・酒井良海上幕僚長:「海底地形等がサンゴによって複雑で、ソナーで探知したものもすべてUUV(無人潜水機)で確認しておりますので、時間等かかっております
  海上自衛隊は掃海艇や潜水艦救難艦を投入し捜索を続けていますが、11日、ヘリに関連する新たな発見はないということです。
  掃海艇では音波を用いて水中や海底の物体の情報を得ようとしていますが、酒井海上幕僚長は「機体なのかサンゴの岩礁なのか見分けがつかないというのが実情だ」と説明しました。そのため無人潜水艇で1つずつ確認する必要があり、捜索に時間がかかっているということです。また、周辺海域の潮の流れの速さも捜索が困難を極めている要因の一つだと分析しています。


2023.04.07-Yahoo!Japanニュース(琉球朝日新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/68c6e9d3620a8d25cfc07a8b3286946ed3f2a99a
陸自ヘリ行方不明 レーダーロスト2分前には管制と交信も…
(1)

  陸上自衛隊の師団長を含む10人を乗せたヘリコプターが4月6日に宮古島周辺で消息を絶ちました事件発生から24時間を超えた今も依然として隊員10人の安否が分からない状態が続いています。

   浜田靖一防衛大臣「事件発生当初から夜を徹して現場周辺の捜索を行っておりますが、機体に搭乗していた第8師団長坂本陸将他、9名について、現在も発見に至っておりません」
   玉城知事「現在周辺海域で自衛隊や海上保安庁の懸命な捜索が行われているとのことであり、搭乗者の無事を祈っている次第です」
   防衛省によりますと4月6日午後3時46分に空自の基地を離陸したヘリは宮古島周辺を1時間半ほど飛行して宮古島に戻ってくる予定でした。離陸から10分後の午後3時56分に池間島と伊良部島の間で機影がレーダーから消えたということです。
   宮古島市の平良港には4月6日から捜索活動にあたっていた海上保安部の巡視船「のばる」が燃料補給のために一時入港しました。船の甲板には行方不明となったヘリの機体の一部とみられる「非常口」と書かれたドアが積まれていました。
   海上保安庁・山添岳大警備救難課長「捜索ですが風や潮流といった気象海象を勘案し、捜索海域を設定のうえ巡視船4隻により捜索海域を分担して捜索しております。今のところ手がかりにはありませんが全力で捜索しております」
  寺崎未来アナウンサー「宮古島と池間島を結ぶ池間大橋です。強風の中、橋の上から自衛隊員が捜索を行っています」  池間島の人たちからは不安の声が聞こえてきました。
   池間島の住民「自分が池間大橋にいる時にヘリっぽいのは見たんですけど、すぐそこで落ちたのは心配ではありますね」  池間島の住民「不安はありますね。そんな簡単にヘリって落ちるものなのかなと不思議な感じもします」
   池間島の住民「普段は(ヘリが)飛んでいるの聞こえるよ。だってここ通るんだもん、こうやって。早く見つかるといいですね。心臓が痛いよ、本当に」  消息を絶った陸自のヘリは熊本県に司令部を置く第8師団に所属するUH60・1機で南西諸島周辺の警戒や偵察を主な任務としていて、そのさなかに事故が起きたということになります。行方不明となったヘリには第8師団の坂本雄一師団長が乗っていたほかパイロット2人、整備士2人などあわせて10人が搭乗していました。そのうち一人は、宮古警備隊の所属でした。
   陸自関係者によりますとレーダーから機影が消える2分前には下地島にある空港の管制官と交信をしていたこともわかっています。3月下旬に機体の点検をした時には異常は確認されていませんでした。陸上自衛隊ではUH60の飛行を見合わせています。
   ヘリが消息を絶った海域の捜索は海保が巡視船を4隻出すなど自衛隊とともに進められています。これまでにヘリコプターの回転翼、いわゆる「ローター」のようなものが破損した状態で複数見つかったほかドアの一部とみられるものも発見されました。また、「陸上自衛隊」と書かれた袋に入ったままの救命ボートも回収されていて消息がわからなくなったヘリに積まれていたものだったことが確認されました。
   ただ、10人の安否はいまだわからないままとなっています。
(2)
  陸上自衛隊は4月8日、保良の射撃訓練場での訓練を公開する予定でしたが急きょ、延期となり影響が出ていると見られます。
  事故発生から1日以上が経った現場周辺の様子を寺崎アナに伝えてもらいます。寺崎さん!
  寺崎アナウンサー「宮古島の北西に位置する伊良部島に来ています。午前10時すぎから降り始めた雨は強弱を繰り返していて、(体が揺さぶられるほどの)風の強さも相まって寒く感じられます。そして波も高い状態です。海の向こう見てみますと、視界が悪い中ですが、向こうにかすかに捜索中の海上自衛隊の船の様子を確認することができます
  「陸自ヘリが消息を絶ってから夜通しで捜索が行われています。また池間島や伊良部島では、自衛隊員らが陸地から、双眼鏡を使ったり、岩場を歩いたりして、手がかりを探している様子も見られました。」 「こちらの見晴らしの良い高台でも、24時間体制で自衛隊員が海の様子を監視しています。地元の住民によると、「このあたりは頻繁に自衛隊機が通る場所ではないので大規模な捜索を見て驚いた」「とても心配で早く助かってほしい」と話していました。10人の安否が未だ不明なまま現場は、2日目の夜を迎えることになります。」


2023.04.07-Yahoo!Japanニュース(日テレNEWS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/56a374bcc3ae7d44a1a8ab41857092530f21c203
陸自ヘリが航空偵察中に消息絶つ…師団長含む10人搭乗 離陸から10分で“消失” 想定される原因は
(4月6日放送『news zero』より)

  陸上自衛隊のヘリコプターが6日夕方、沖縄・宮古島周辺を飛行中に消息を絶ちました。陸上自衛隊は、機体の一部とみられるものが見つかったことから、「航空事故」と判断したと発表しました。陸上自衛隊は事故原因について調査中としていますが、どのような原因が想定されるのでしょうか。

  ◇ 6日午後、陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」が消息を絶ちました。当時、10人が搭乗していたということです。
  これについて岸田首相は… ――陸自のヘリが行方不明になったが、把握していることと今後の対応は? 岸田首相 「状況については、防衛省において確認中です。いずれにせよ、人命救助最優先で取り組んでまいります。今、把握しているのは以上です」 ヘリコプターは熊本県の高遊原分屯地の所属です。6日午後3時46分、沖縄・宮古島の宮古島分屯基地から飛行を開始し、午後3時56分ごろ、宮古島周辺を飛行中に機影がレーダーから消失。消息を絶ったということです。
   公開された飛行計画によると、ヘリは宮古島分屯基地を離陸し、反時計回りに下地島などの上空を回り、1時間20分ほどで戻ってくる計画でした。しかし、実際には離陸から10分で、宮古島の北あたりでレーダーから消えたということです。 消失時は、空から海上や地上の様子を確認する航空偵察中だったということです。ヘリに乗っていたのはパイロット2人、整備員2人、搭乗員6人の合わせて10人。そのうち1人は、第8師団のトップ、坂本雄一師団長だということです。
  坂本師団長は、先月末に着任したばかりで、「まさに陸上自衛隊の第一線であると、ここに着任したということで大変光栄に思うとともに、その重責に身の引き締まる思いをしているところであります」と述べていました。
  ◇ 6日夜、陸上自衛隊のトップが会見を開きました。 陸上自衛隊 森下泰臣陸上幕僚長 「今、再度現地で確認していただいておりまして、その航空機の部品らしきものということで判明しているものは以上」 ――UH60JAの部品と考えてほぼ間違いない? 陸上自衛隊 森下泰臣陸上幕僚長 「同機のものかどうかも含めて確認中」
   海上保安庁によると、捜索でドアの一部、プロペラの一部など機体の一部とみられるものを発見。「陸上自衛隊」と書かれた黄色い袋のようなものの画像を公開しました。これは、ヘリに積まれていた救命ボートとみられます。 熊本に拠点を置く第8師団が、なぜ宮古島にいたのでしょうか。
  陸上自衛隊 森下泰臣陸上幕僚長 「あらゆるところを偵察し、準備しということで、第8師団についてもその地域について偵察していた」 元統合幕僚長の河野克俊氏は、第8師団について「基本的に九州全般の守備、警戒・監視・防衛用のミッションを与えられている部隊。九州・南西諸島・沖縄も全般に警備区域として見ているので、ヘリコプター部隊として自分たちの守備範囲を偵察・情報収集していた」と話します。
  ◇ 消息を絶ったのは、「UH60JA」というヘリコプターです。2015年に茨城県などで起きた水害では、救助活動にあたり、孤立した住民を避難先まで運ぶ役目を果たしていました。 今回、なぜ消息を絶ったのでしょうか。
  陸上自衛隊は事故原因については調査中としています。事故当時は、悪天候ではなかったということです。 河野克俊氏は事故原因について、次のような見解を述べました。 元統合幕僚長 河野克俊氏 「(搭乗員は)それなりの訓練を経て任務に就いている人たち。技量上の問題というのは、ちょっと私はないとは思う。大きな事故に遭ったという可能性は考えられます」
  ◇ 現在、海上自衛隊と航空自衛隊の艦艇や航空機、そして海上保安庁の巡視船が捜索活動にあたっています。
(4月6日放送『news zero』より)


2023.03.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230320-GEDWTDPPO5MG7K23UWK3B6R2DI/
最新鋭潜水艦「はくげい」、海自に引き渡し 川崎重工業神戸工場

  神戸市中央区の川崎重工業神戸工場で20日、海上自衛隊の潜水艦「はくげい」の引き渡し式と、自衛隊の編成に入ったことを示す自衛艦旗授与式が開かれた。広島県呉市の呉基地に配備される。

  海自によると、はくげいは基準排水量約3千トン、全長84メートル、全幅9・1メートルの国内最大級。乗員約70人、建造費約720億円で、探知されにくいステルス性能が向上し、リチウムイオン電池の搭載で潜航時間を長くした
  式では防衛省の鈴木敦夫事務次官と川崎重工業の橋本康彦社長の間で引き渡し書が授受され、海自の音楽隊の演奏に合わせ乗組員が乗艦した。鈴木次官は北朝鮮情勢やロシアのウクライナ侵攻に触れ、日本の安全保障環境は戦後最も差し迫った状況にあるとし「伝統あるわが国の潜水艦部隊を牽引(けんいん)してほしい」と訓示した。


2023.01.13-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230113/k10013948571000.html
海自護衛艦事故 周辺の浅瀬に塗膜の付着確認 航路外れて接触か

  海上自衛隊の護衛艦が、山口県沖の瀬戸内海でスクリューなどが損傷し、自力航行できなくなった事故で、海上保安庁が現場周辺の浅瀬を調べたところ、護衛艦のものとみられる塗膜が付着していたことが、関係者への取材で分かりました。海上保安庁は、護衛艦が航路を外れて浅瀬に接触したとみて、業務上過失往来危険の疑いで調べを進めています

  今月10日、海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が山口県の周防大島沖の瀬戸内海で自力航行できなくなった事故ではスクリューの羽根の一部が脱落し船体の前方部分にも亀裂などができていたことが確認されています。
  海上保安庁の潜水士が13日、現場周辺にある浅瀬を調べたところ、護衛艦のものとみられる塗膜が岩に付着していたことが、関係者への取材で分かりました。
  場所は、周辺を航行する船舶に対し、岩礁などの障害物を知らせるために設置された灯標から、200メートル余り離れた深さ数メートルの浅瀬で、一部の岩は砕けていたということです。
  関係者によりますと、GPSのデータから当時、「いなづま」が周辺を通過していたことが確認されているということで、海上保安庁は、航路を外れて浅瀬に接触したとみて、塗膜の鑑定を行うとともに、業務上過失往来危険の疑いで調べています。
  一方、「いなづま」は13日も現場に停泊したままで、海上自衛隊によりますと、移動のめどは立っていないということです。


2023.01.12-NHK NEWS WEB(鹿児島NEWS WEB)-https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20230112/5050021666.html
鹿児島 馬毛島 自衛隊基地の建設計画 工事に着手 防衛省

  鹿児島県の馬毛島に在日アメリカ軍の訓練などに使う自衛隊基地を建設する計画について、防衛省は12日基地の工事に着手しました。

  鹿児島県西之表市の馬毛島では、在日アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先などとして、自衛隊基地の建設が計画されています。
  防衛省は、工事の前提となる、周辺環境への影響をまとめた「環境影響評価書」を12日公告し、午後1時に基地の工事に着手しました。
  これに先だって、午前9時半ごろには防衛省の職員や建設作業員およそ40人が、10キロほど離れた隣の種子島から船で馬毛島に渡り、上陸する様子が確認されました。
  防衛省の計画では、滑走路や格納庫のほか自衛隊の艦船が停泊できる係留施設などが整備される予定です。防衛省によりますと、工期はおおむね4年と見込んでいますが、早期の運用開始を目指し、滑走路などについてはほかの施設に先行して着工から2年ほどで完成させるとしています。
  地元・西之表市では、計画の受け入れに伴って国から支給される再編交付金を活用した地域の活性化に期待する声がある一方で、騒音被害や安全性などへの懸念が根強く、計画をめぐる住民の意見は分かれたままです。
【「2プラス2」共同発表で歓迎】
  日本時間の12日朝、ワシントンで行われた日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」のあと、成果文書として発表された共同発表では、馬毛島での自衛隊施設の整備の進展と将来の見通しを歓迎するとしています。
【地元 西之表市では】
  馬毛島での自衛隊基地の建設について、地元・西之表市ではさまざまな声が聞かれました。このうち、基地建設に賛成だという70代の女性は「若いときはとてもにぎやかでしたが、今は本当に寂しい町になってしまいました。基地ができることで、街に少しでもにぎわいが戻ればと期待しています」と話していました。
  一方、基地建設に反対だという80代の男性は「丁寧に説明すると言いながら、防衛省は自分たちのやりたいことばかりやっていると感じます。基地ができることによって、ますます人が減っていくのではないか」と話していました。
  また、70代の女性は「すごく複雑な気持ちです。本音では基地はできてほしくありませんが、国からの補助金もあり、市民の生活を考えればしかたがないとも思います。騒音対策などできることをしてほしい」と話していました。
【基地建設計画めぐる経緯】
  アメリカ軍の空母艦載機訓練などに使う自衛隊基地の建設計画をめぐるこれまでの経緯をまとめました。
  「FCLP」と呼ばれるこの訓練は、アメリカ軍の戦闘機が滑走路を空母の甲板に見立て、着陸してすぐに離陸する「タッチアンドゴー」を繰り返すもので、現在は、小笠原諸島の硫黄島で行われています。
  アメリカ側は硫黄島は遠く訓練に制約があるとして、代わりの訓練場の確保を要請。
  2011年、日米の外務・防衛の閣僚協議「2+2」の共同声明で、空母艦載機の拠点がある山口県の岩国基地から比較的近い馬毛島が、訓練の移転先の検討対象として初めて明記されました。当時、地元・西之表市などでは反発の声が広がり、鹿児島県議会も訓練移転に反対する意見書を全会一致で可決。当時の伊藤知事が防衛省を訪れて抗議しました。
  その後、地元の反対や地権者との交渉が難航し、こう着状態が続きましたが、2019年、防衛省と地権者が島の買収をめぐり一定の合意に達したことが明らかになり、事態は大きく動き出します。
  その後、防衛省は周辺海域でのボーリング調査や環境影響評価の手続きを開始し、去年1月には、日米両政府が、馬毛島を空母艦載機訓練などに使う自衛隊基地の「整備地」とすることを決定しました。
  地元・西之表市の八板市長は、計画に同意できないと訴えおととし当選しましたが、基地建設が決定したことが明らかになった去年以降、基地建設への賛否について明言していません。
【今後の工事見通し】
  馬毛島での自衛隊基地の建設計画では、2本の滑走路のほか、駐機場や格納庫などが整備され、アメリカ軍や自衛隊の戦闘機や輸送機が使用することが予定されています。また、島の東側には自衛隊の艦船が停泊できる係留施設のほか、基地建設に必要な資材を搬入するための仮設桟橋が設置されます。
  防衛省によりますと、工期はおおむね4年と見込んでいますが、早期の運用開始を目指し、滑走路などについては、ほかの施設に先行して着工から2年ほどで完成させるとしています。防衛省は、基地の整備費用として、今年度分と来年度分あわせて7654億円を計上しています。
【塩田知事「住民の安心・安全の確保を」】
  馬毛島での自衛隊基地の建設が始まったことについて、塩田知事は12日午後、記者団に対し「住民の安心・安全の確保と環境保全措置にしっかりと取り組んでほしい。関係機関との間で情報を共有しながら地元の理解が得られるような取り組みをお願いしたい」と述べました。
  塩田知事は去年11月、国による住民の安全対策や環境保全措置が講じられることが確認されたなどとして、計画を容認する考えを表明しています。
【西之表市 八板市長「心構えできてから着工をとの思い」】
  馬毛島での自衛隊基地の建設が始まったことについて、地元・西之表市の八板市長はきょう夕方、記者団に対し「市民の心構えができてから着工していただきたいという思いはある」と述べました。
  八板市長は基地の建設計画に「同意できない」と訴え、おととし2回目の当選を果たしましたが、基地建設の決定が明らかになった去年1月以降は計画への賛否について明言していません。
  記者団から改めて賛否について問われた八板市長は「不安と期待がある中で国との協議の場で具体的な材料を引きだして市民に判断してもらいと考えており、その作業が終わっていないので引き続き対応していきたい」と述べるにとどまりました。
【住民グループが抗議集会】
  馬毛島での自衛隊基地の建設が始まったことを受けて、基地建設に反対する地元・西之表市の住民グループは12日午後、抗議集会を開き、市民およそ60人が参加しました。
  参加者は、「平穏な生活を壊すな」などと抗議の声を上げ、防衛省に対し計画の撤回を求める決議文を採択しました。
  「馬毛島への米軍施設に反対する市民・団体連絡会」の山内光典会長は「しっかりとした説明もなく一方的に計画を進める防衛省の手法には怒りしかない」と話していました。


2023.01.11-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230111/k10013946181000.html
自力航行不能の海自護衛艦 周辺に水深約7mの浅瀬 岩など接触か

  10日、山口県沖の瀬戸内海でスクリューが故障し自力で航行できなくなった海上自衛隊の護衛艦の航路の周辺には、水深7メートルほどの浅瀬があったことがわかりました。海上自衛隊は、通常の航路を外れて浅瀬の岩などに接触した可能性もあるとみて詳しい原因を調べることにしています。

  10日正午すぎ、海上自衛隊の護衛艦「いなづま」が山口県の周防大島沖の瀬戸内海を航行していたところ、スクリューが故障して自力で航行できない状態となりました。
  海上自衛隊によりますと、広島県内の造船所で定期検査を受けたあと瀬戸内海で試験運転を行っていたということで、周防大島沖の航路の周辺には水深7メートルほどの浅瀬があったということです。
  「いなづま」は海面から船底までの長さを示す「喫水」が最も深い部分でおよそ11メートルあり、2つあるスクリューがいずれも正常に動かない状態になったということです。海上自衛隊は、通常の航路を外れてスクリューが浅瀬の岩などに接触した可能性もあるとみて、今後、事故調査委員会を立ち上げて詳しい原因を調べることにしています。
  また、現場に停泊したままとなっている「いなづま」について、海上保安庁による調査などが終わったあと、えい航するなどして移動させることにしています。
  海上自衛隊によりますと、護衛艦「いなづま」は10日は定期検査後の試験運転を瀬戸内海で行っていて、スクリューが故障した当時はエンジン関連の試験をしていたということです。
  船舶の位置情報などを公開している民間のホームページ「マリントラフィック」では、「いなづま」は山口県の平郡島の沖合で反転したあと、スクリューが故障する直前の20分間ほどは時速およそ55キロ前後で航行していたことが記録されています。
  海上自衛隊のホームページによりますと「いなづま」の速力はおよそ55キロで、当時はほぼ最大速度で航行していた可能性があります。



2022.12.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20221218-AM434BACMJJO3FSK5DJYZZN2YQ/
自衛隊施設8割で防護性能なし 施設強靭化1・7兆円

  全国に2万超ある自衛隊施設の約8割が、敵からの攻撃に耐えうる防護性能を満たしていないことが防衛省の調査で18日、分かった。現行の耐震基準を満たしていない施設も全体の約4割に上る。政府は令和5年度からの防衛力の抜本的強化策の一環として、今後5年間に計約4兆円を投じて機能強化を進め、おおむね10年後までに全施設で防護性能の整備や耐震化を完了させる考えだ。

  防衛省は全国に陸海空の各自衛隊施設2万3254棟を所有する。このうち1万9017棟は、NBC(核・生物・化学)兵器や敵戦闘機による空爆などの攻撃を想定した基準を導入した平成15年以前に建てられた。そのため、全体の約8割の施設で排水溝への有害物質の流入を防いだり、密閉性を高めたりするなど防護対策が急務となっている。
  また、基地や駐屯地などで建物が密集していると、敵の空爆攻撃を受けた際に一斉に被害を受けるリスクがあるのを踏まえ、施設の建て替えに合わせて再配置と集約化も進める。施設間に一定距離を確保し、空爆への被害を最小限に抑える狙いがある
  一方、昭和56年の建築基準法改正に伴う新耐震基準を満たしていない施設は9875棟で、全体の約4割を占める。震度6以上の大地震が発生すれば、倒壊などで機能不全に陥る可能性があり、老朽施設の建て替えや構造強化を急ぐ
  政府は16日に閣議決定した国家安全保障戦略など「安保3文書」で来年度から5年間の防衛力整備経費に約43兆円を計上このうち約1・7兆円を防護性能や耐震性の向上に支出し、5年後までに防護性能については全施設の約6割、耐震化は約8割で必要な機能を確保する。このほか、主要な司令部の地下化に約2千億円、津波などへの災害対策に約4千億円など、自衛隊施設の強靱(きょうじん)化経費は計約4兆円を見込む。


2022.08.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220813-FZHZSTTN4BJTXCQFVWM7K7SUWU/
<独自>陸自、無人地上車導入へ 戦闘地域で輸送用

  防衛省が来年度当初予算の概算要求で、陸上自衛隊への無人地上車両(UGV)の導入に向けた経費を計上する方針を固めたことが13日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。これまで自衛隊では航空機と艦艇、潜水艇で無人機の導入に取り組んでいるが、陸上分野は初めて。戦闘地域などでの輸送車両としての運用を念頭に、8月末の概算要求に向け、具体的検討を進めている。

  防衛省が来年度当初予算で導入を検討するのは、戦闘地域などで装備や糧食などの物資や負傷隊員を運ぶUGV衛星通信などで遠隔操作することで輸送作業を効率化するとともに、攻撃を受けた際に輸送要員が死傷するリスクを減らす。
  防衛省はすでに、無人航空機(UAV)を導入し、無人水上艇(USV)、無人潜水艇(UUV)の研究開発を行っている攻撃型UAVの研究も進めているが、無人機は主に情報収集や哨戒目的の使用を前提としており、UGVも輸送目的の使用を念頭に置く。

  UGVは2015年ごろから米国や英国、欧州など各国軍で導入され始め、今年6月にパリで開かれた世界最大級の防衛装備品展示会ユーロサトリ」では、機関砲を搭載した戦闘用UGVも登場した。
  来年度当初予算の概算要求に向けた骨子では、防衛力の抜本的強化の柱の一つとして「無人アセット(装備品)防衛能力」が挙げられている。政府が年末までに改定する国家安全保障戦略など戦略3文書でも、主要項目に無人化装備が位置付けられる可能性がある。

  民間分野では、国内でも大手ゼネコンがすでに建設現場の建機の自動運転化などに乗り出している。防衛省関係者は無人機の導入について、「陸海空のあらゆる場面で有効利用を検討したい」と話す。


2022.08.12-HEAD TOPICS-https://headtopics.com/jp/653082942033258859652-28935408
<独自>対中有事で弾薬20倍必要 九州・沖縄の備蓄1割弱

  <独自> 対中有事で弾薬20倍必要 九州・沖縄の備蓄1割弱弾薬の7割近くは冷戦時代にロシアの侵攻に備えた北海道に備蓄し続け、九州・沖縄には1割弱しか備蓄していないことも明らかになった。戦闘を続ける継戦能力の欠陥が具体的な数値として初めて浮き彫りになった。

  陸上自衛隊が沖縄の離島への侵攻など中国との有事を想定し、迫撃砲やロケット弾といった弾薬が現状より20倍以上も必要だと見積もっていることが12日、分かった。

  中国の離島侵攻への対処で最前線となる九州・沖縄での弾薬の不足は重大な欠陥と指摘されてきた。自民党が4月に国家安全保障戦略などの年内改定に向けてまとめた提言は戦車や護衛艦、戦闘機といった装備の調達に予算を充て、弾薬の調達を軽視してきたことを踏まえ、「継戦能力の維持に必要な弾薬の確保」の必要性を明記した。


2022.07.10-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0002de46fad525b6dce048d58b17a92b036c635e?source=rss
巡視船実弾誤射は「人為的ミス」 海保長官が見解

  宮古島海上保安部(沖縄県宮古島市)所属の巡視船から誤って実弾8発が発射された問題で、海上保安庁の石井昌平長官は20日の記者会見で、「大変遺憾。二度とこのようなことがないよう再発防止に努める」と述べた。誤射の原因については「人為的ミスと考えられる」との見解を明らかにした。

   海保によると、19日午前11時10分ごろ、同市の伊良部島で、港に停泊していた巡視船「しもじ」が搭載する20ミリ機関砲の点検作業を行っていたところ、誤って実弾8発が発射された。 石井氏はまた、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で今月7日、中国海警局の船が64時間17分にわたって領海に連続侵入し、平成24年9月の尖閣国有化以降で最長となったことにも触れ、「依然として予断を許さない厳しい情勢が続いている」と指摘。「領海警備に万全を期していく」と強調した。


2022.07.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220705-JLZXPCTBVRPWLN5MDPYATO75S4/
<独自>自衛隊施設4割が旧耐震基準、改修進まず-(市岡豊大)

  防衛省が所有する自衛隊施設の約4割が建築基準法改正前の旧耐震基準で建てられ、うち約8割が耐用年数を過ぎていることが同省のまとめで分かった。予算不足で隊舎や弾薬庫などの老朽化が進んでいる。政府は年末までに進める「防衛計画の大綱」など戦略3文書の改定に合わせ、建て替えや耐震改修に必要な防衛予算を確保したい考えだ。

  防衛省は陸海空の各自衛隊施設を全国各地に計2万3254棟所有している。うち昭和56年の建築基準法改正で新耐震基準が定められる前に建てられたのは9875棟で約4割に上る。昭和20年以前の旧軍時代の施設も589棟が残る。

  旧耐震基準の建築物は、耐震診断を受けて改修工事など必要な措置を取ることが努力義務となっている。しかし、防衛省が保有する旧耐震建築9875棟のうち、改修済みは339棟でわずか約3%。建物の耐用年数は鉄筋コンクリート造りや木造などで異なるが、旧耐震の約8割は耐用年数が過ぎている。

  また、旧耐震建築の中で耐震改修などが義務付けられる3階建て以上、延べ床面積1000平方メートル以上の特定建築物は492棟。うち57棟が未改修で、今年度予算にも計上されていない。
  陸自船岡駐屯地(宮城県)の火薬庫は築81年で出入口が狭く、フォークリフトが使えずに隊員が手作業で搬入している。首都直下地震が危ぶまれる三宿駐屯地(東京都)の本部庁舎は築66年で出入口の天井表面が自然に崩落した。宇治駐屯地(京都府)の衛生試験室は築126年だ
  海自鹿屋(かのや)航空基地(鹿児島県)の築86年の庁舎はクラック(亀裂)が入っているほか、空自千歳基地(北海道)の戦闘機を防護する「掩体(えんたい)」は大量の錆(さび)と変形が生じている。

  政府は今年の経済財政運営の指針「骨太の方針」で、「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」と明記。重点政策に「隊舎・宿舎の老朽化対策」と書き込み、来年度予算での対応を図る。防衛省幹部は「『今年も使える』と言って対策を取らずにいる。災害時に真っ先に駆け付けるべき自衛隊が被災して動けないこともあり得る」と危機感を募らせる。

  施設改修に予算を割けば正面装備や弾薬などに関連する予算を圧迫する懸念もある。自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長は6月30日の記者会見で「防衛施設は防衛力の基盤となる。必要な機能を議論する中で優先順位を考えて対応していく」と述べた。(市岡豊大)


2022.06.03-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/fcc8476aac1e5b3904d9a9bd41e442abc64be82c
F15墜落、空間識失調の可能性 空自が調査結果

  航空自衛隊は2日、小松基地(石川県小松市)で1月にF15戦闘機が墜落し操縦士2人が死亡した事故について、事故当時の状況から操縦士が上下の平衡感覚を失う「空間識失調」に陥っていた可能性が高いなどとする調査結果を発表した。

   空自によると、事故は1月31日午後5時半ごろ、航空戦術教導団所属のF15戦闘機が小松基地を離陸した約1分後に発生。空自が回収した飛行記録装置を分析した結果、機体は右旋回しながら上昇した後、右へ垂直に傾いたまま機首が下を向き、高度約650メートルから11秒間降下して海面へ落下した
  異常姿勢となった状態でも操縦かんをほぼ動かしていなかったことや、離陸直後から雲の中に入り視界不良だったことなどから、空間識失調に陥った可能性が高いと判断した。
  また、離陸直後に操縦士が、先行する別の戦闘機をレーダーで捕えられていないことを通信で伝えており、操縦士がレーダー操作に集中して異常姿勢に気付くのが遅れた可能性も指摘した。
  航空戦術教導団は戦闘機の指導を担う空自唯一の部隊で、操縦していたのは訓練で敵役を務めることから「アグレッサー(侵略者)」の異名を持つ精鋭パイロットだった。
  空自では令和元年にも三沢基地(青森県)で最新鋭のF35A戦闘機が墜落し、空間識失調の可能性が高いとする調査結果を示している。
  空自は再発防止策として空間識失調に関する教育・訓練を強化するとともに事故回避システムの調査研究などを行う。 空自トップの井筒俊司航空幕僚長は記者会見で「優秀なパイロット2名を失ったのは断腸の思い。今回のような事故が二度と起きないよう航空機の安全な運用に万全を期す」と話した。


2022.03.27-Yahoo!Japanニュース(幻冬舎-GOLD ON LINE)-https://news.yahoo.co.jp/articles/89f0685ce8cf7edb6d5f843203d96f646f7b7974?page=1
「日本」「中国」「韓国」の軍事力比較…兵力は韓国2.3倍、中国9.7倍
(1)
  ロシアのウクライナ侵攻。「他人事ではない」と、日本の軍事力・防衛力にも関心が高まり、さらに強化しなければならないという議論も起きています。世界と日本、そして日本の周辺諸国の軍事力についてみていきましょう。

世界「軍事力」ランキング…実は日本は軍事大国!?
  ロシアのウクライナ侵攻で、「戦争」の話題がトップニュースになる毎日が続いています。
  スウェーデン・ウプサラ大学、組織的暴力についてデータ収集するプロジェクト「ウプサラ紛争データプログラム」によると、2019年、世界で武力紛争が発生したとされるのは、59の国・地域。
  そのなかで最も多かったのが「アフガニスタン」で4,682件。また武力紛争により死亡者が出たのは58の国・地域で、合計、8万人近くの人が犠牲になりました。
  そのなかで最も多かったのも「アフガニスタン」。犠牲者は3万0,435人でした。 世界には200あまりの国・地域があるといわれているので、実にその4分の1で、武力衝突が起きているということになります。

  ウクライナ問題が深刻化するまで、「平和が当たり前」と思ってきた日本人にとっては、むしろ、「平和ではないが当たり前」という事実は衝撃ではないでしょうか。
  これまで日本は、他国の脅威に対峙していながらも、多くの人が「アメリカが守ってくれる」と思い、「戦争なんて起こるはずない」と考えていたことでしょう。今回のことで「国防・軍事」について考える機会が増えました。
  平和憲法など、いろいろ難しい問題はありますが、世界と比較した場合の日本の「国防・軍事」についてみていきましょう。
  まず「軍事費」について。最も多いのは「アメリカ」。2位「中国」を大きく引き離しています。「日本」は世界で第9位の軍事費を誇ります。
  さらに「軍事・国防分野の研究開発予算」のトップも「アメリカ」。「韓国」「ドイツ」と続き、日本は世界第6位となっています。
【世界「軍事費」上位10】    ・1位「米国」778,232百万US$   ・ 2位「中国」252,304百万US$    ・3位「インド」72,887百万US$    ・4位「ロシア」61,713百万US$   ・ 5位「イギリス」59,238百万US$    ・6位「サウジアラビア」57,519百万US$    ・7位「ドイツ」52,765    ・8位「フランス」52,747百万US$    ・9位「日本」49,149百万US$    ・10位「韓国」45,735百万US$ 出所:世界銀行(2020年)
【主要国「軍事・国防分野研究開発予算」上位10】    ・1位「米国」79,079百万US$    ・2位「韓国」3,911百万US$    ・3位「ドイツ」2,094百万US$    ・4位「イギリス」2,059百万US$   ・ 5位「トルコ」1,397百万US$    ・6位「日本」1,245百万US$    ・7位「台湾」660百万US$    ・8位「オーストラリア」358百万US$    。9位「フランス」254百万US$    ・10位「ポーランド」202百万US$   ( 出所:OECD(2019年))

  「国防・防衛支出対GDP比」についてみていきます。2019年度、-主要国でトップは「イスラエル」で5.29%。-「米国」「韓国」「オーストラリア」「エストニア」と続きます。「日本」は34ヵ国24位です。
【主要国「国防・防衛支出対GDP比」上位10】    ・1位「イスラエル」5.29%    ・2位「米国」3.36%    ・3位「韓国」2.56%    ・4位「オーストラリア」2.51%    ・5位「エストニア」2.1%    ・6位「ギリシャ」1.98%    ・7位「イギリス」1.96%    ・8位「ラトビア」1.92%    ・9位「ノルウェー」1.88%    ・10位「フランス」1.74% ーーーーーーーーーーーーー 24位「日本」0.92%    (出所:OECD(2019年))
   兵力についてみていきます。最も現役総兵員数が多いのは、「インド」で300万人を超える軍人がいます。「中国」「北朝鮮」「ロシア」「米国」と続きます。日本は27位で、26万人の現役軍人と呼べる人がいます。
【世界「軍事兵力数」上位10】    ・1位「インド」3,045,000人    ・2位「中国」2,535,000人    ・3位「北朝鮮」1,469,000人    ・4位「ロシア」1,454,000人   ・5位「米国」1,388,000人   ・ 6位「パキスタン」943,000人    ・7位「エジプト」836,000人    ・8位「ブラジル」762,000人    ・9位「インドネシア」676,000人    ・10位「イラン」650,000人 ーーーーーーーーーーーーー 27位「日本」261,000人 出所:世界銀行(2019人)

(2)
日中韓の軍事力比較…軍事費増で生活負担増の現実味
  日本の軍事力について、いくつかの観点でみてきました。“お金”の部分では日本は有数の軍事大国だといえそうです。
  しかし近隣諸国と比較すると、見劣りする部分もあります。日本、中国、韓国と比べた際、たとえば兵力。韓国は日本の2.3倍、中国は9.7倍もいます。
  いざ、何かあったときに、数では大きく劣る状況です。
◆軍事費 「中国」252,304百万US$ 「日本」49,149百万US$ 「韓国」45,735百万US$
◆軍事・国防分野研究開発予算 「韓国」3,911百万US$ 「日本」1,245百万US$
◆国防・防衛支出対GDP比 「韓国」2.56% 「日本」0.92%
◆軍事兵力数 「中国」2,535,000人 「韓国」613,000人 「日本」261,000人 もちろん、兵器の能力などもあるので周辺諸国と比べると見劣りするとはいえません。

  しかしウクライナ危機をきっかけに、より大きな軍事力を、より多くの軍事費を、という声が大きくなっています。国防予算を増やしていく、という選択肢は、かなり現実的といわれています。 しかし国防費を増やすとなると、税金からとなるでしょう。国の安全のためには、さらなる負担増を覚悟しなければなりません。石油に、小麦に……あらゆるものが値上がりし、生活を圧迫しているなか、かなり痛手となりそうです。



2021.12.20-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20211220-ETSVJSODFVMPPGJEXR6UO3KEHA/
<独自>政府専用機使用規定を見直しへ 自衛隊法改正で

  政府が検討している海外で緊急事態があった際の邦人輸送を定めた自衛隊法改正で、政府専用機を優先使用する規定を見直す方向で調整していることが20日、分かった。邦人が同乗していなくても外国人らの輸送を可能にする改正や安全要件の緩和と合わせ、来年1月召集の通常国会に改正案を提出する方針だ。

  自衛隊法84条の4では、在外邦人らの輸送は政府専用機を使用することとされ、空港施設の状況や輸送人員によって使用が困難な場合には、自衛隊の輸送機などでも行えるとの規定がある。これを見直し、政府専用機の使用可否を検討せずに機動性の高い自衛隊機を使用できるようにすることで判断を迅速化する狙いがある。
  国外退避支援をめぐっては、今年8月にアフガニスタンでイスラム原理主義勢力タリバンが実権を掌握したことを受け、政府は自衛隊機を派遣。現地職員ら約600人を退避させる計画だったが、邦人の同乗が条件のため、わずかな人員しか退避させることができなかった。


自衛隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  自衛隊: Japan Self-Defense Forces)は、自衛隊法に基づき、日本平和独立を守り、安全を保つために設置された部隊および機関
  事実上の軍事組織であり国際法上は軍隊として扱われる。陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊の3部隊から構成され、最高指揮官たる内閣総理大臣および隊務統括を担う防衛大臣による文民統制(シビリアン・コントロール)の下、防衛省によって管理される。1954年昭和29年)7月1日設立。
概要
  日本国憲法第9条の下、専守防衛に基づき、国防の基本方針および防衛計画の大綱の定めるところにより、“国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛すること”を基本理念とする(自衛隊法第3条第1項)。内閣総理大臣内閣を代表して最高指揮監督権を有し、防衛大臣が隊務を統括する。陸、海、空の三自衛隊を一体的に運用するための統括組織として統合幕僚監部が置かれ、防衛大臣は統合幕僚長を通じて、陸海空自衛隊に命令を発する。

  自衛隊法上の「自衛隊」とは、自衛隊員として含まれない「防衛大臣防衛副大臣防衛大臣政務官防衛大臣補佐官防衛大臣政策参与、及び防衛大臣秘書官」なども含めた防衛省の「事務次官並びに防衛省の内部部局防衛大学校防衛医科大学校防衛会議統合幕僚監部情報本部防衛監察本部地方防衛局防衛装備庁、その他の機関並びに陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊を含むもの」(自衛隊法第2条第1項)とされ、これは「防衛省」とほぼ同一の組織に相当する。一般的には国の行政機関という面から見た場合は「防衛省」、部隊行動を行う実力組織としての面から見た場合は「自衛隊」として区別されて用いられることが多い。

  日本国憲法第9条は国際紛争を解決する手段としての「戦争の放棄」と「戦力不保持」、ならびに「交戦権の否認」を定めているが、政府見解によれば憲法は自衛権の放棄を定めたものではなく、その自衛権の裏付けとなる自衛のための必要最小限度の実力は憲法第9条第2項にいう「戦力」には該当しない。よって、日本を防衛するため必要最小限度の実力を行使することは当然に認められており、これは交戦権の行使とは別の観念であるという立場に立っている。こういった憲法上の制約を課せられている自衛隊は、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものであるが、他方、自衛隊は国際法上は軍隊として取り扱われており、自衛官は軍隊の構成員に該当するものとされている

国防の目的は、直接及び間接の侵略を未然に防止し、万一侵略が行われるときはこれを排除し、もって民主主義を基調とする我が国の独立と平和を守ることにある。この目的を達成するための基本方針を次のとおり定める。
  ・国際連合の活動を支持し、国際間の協調をはかり、世界平和の実現を期する。
  ・民生を安定し、愛国心を高揚し、国家の安全を保障するに必要な基盤を確立する。
  ・国力国情に応じ自衛のため必要な限度において 効率的な防衛力を漸進的に整備する。
  ・外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果たし得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。
— 国防の基本方針 - 1957年(昭和32年)5月20日閣議決定

2013年12月17日、「国防の基本方針」に代わるものとして「国家安全保障戦略」が策定された。
  自衛隊の公式な英称はJapan Self-Defense Forcesであるが、日本国外において陸海空の各自衛隊は日本の実質的な国軍(Japanese military force あるいは Japanese armed force)として認知されており、陸上自衛隊は Japanese Army(日本陸軍の意)、海上自衛隊は Japanese Navy(日本海軍の意)、航空自衛隊は Japanese Air Force(日本空軍の意)に相当する語で表現されることがある。なお、英語で"right of self-defense"の語は国際法上「自衛権」を意味し、"Self-Defense Forces"は「自衛権を行使するための軍隊」と解釈できる。(国際連合憲章第51条の英文も参照されたい。)

歴史
  陸上自衛隊 1950年(昭和25年)の朝鮮戦争勃発時、GHQの指令に基づくポツダム政令により警察予備隊総理府の機関として組織されたのが始まりである。同時期、旧海軍の残存部隊は海上保安庁航路啓開本部と各管区海上保安本部航路啓開部となり、日本周辺の機雷処分を実施したほか、旧海軍軍人主導により、将来の海上防衛力の母体として独立することを視野に入れた「スモール・ネイビー」として海上警備隊が設立された。その後、海上警備隊は警備隊に再編され、各管区海上保安本部航路啓開部は航路啓開隊として警備隊に統合された。1952年(昭和27年)8月1日には警察予備隊と警備隊を管理運営のための総理府外局として保安庁が設置された。同年10月15日、警察予備隊は保安隊に改組された。そして1954年(昭和29年)7月1日、「自衛隊の任務、自衛隊の部隊の組織及び編成、自衛隊の行動及び権限、隊員の身分取扱等を定める」(自衛隊法第1条)自衛隊法(昭和29年6月9日法律第165号)が施行され、保安隊は陸上自衛隊に、警備隊は海上自衛隊 に改組されたほか、新たに諸外国の空軍に相当する航空自衛隊 も新設され、陸海空の各自衛隊が成立した。また同日付で防衛庁設置法も施行され、保安庁は防衛庁に改組された。

  自衛隊創設当時、陸軍士官学校海軍兵学校などの旧軍の軍学校を卒業した旧陸海軍正規将校が幹部自衛官として、陸海空三自衛隊の幕僚機関の主流を占めていたほか、実働部隊の指揮中枢において直接22万人の自衛隊員を動かす立場にあった。これにより、創設当時の自衛隊は旧陸海軍正規将校の強い影響下で戦力を整備し、隊風を育ててきた。旧陸海軍で大佐中佐だった幹部自衛官の多くが定年退官し、防衛大学校出身の幹部自衛官が年々増加していた1967年(昭和42年)においても、陸上自衛隊には2288人、海上自衛隊には1563人、航空自衛隊には1063人の、計4914人の旧陸海軍正規将校が幹部自衛官として務めており、自衛隊幹部現員の15.3%を占めていた。また、1969年(昭和44年)当時の自衛隊幹部における旧陸海軍出身者の割合は、クラスで80%、一佐で78%、二佐で66%、三佐で21%であった。

  自衛隊は創設以来、ソビエト連邦の日本侵攻を想定してアメリカ軍と共同作戦を行うことを国防の大前提としていた。自衛隊の統合幕僚会議議長と在日米軍司令官が署名し、防衛庁防衛局長を通じて防衛庁長官に報告されていた「共同統合作戦計画」のシナリオによれば、北海道へのソビエト連邦軍の上陸侵攻に際して、まずは自衛隊が独力で対処し、1週間から2ヶ月かけて数次に分かれて到着するアメリカ軍の来援を待つことになっていた。共同統合作戦計画は毎年改定されていたほか、陸海空自衛隊は共同統合作戦計画を前提として、毎年度の日本防衛計画である「年度防衛警備計画(年防)」を策定していた。
  冷戦後は、1990年の湾岸危機をきっかけに新たな役割を模索するようになり、国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(PKO協力法)によって自衛隊はカンボジア東ティモールに部隊や要員の派遣を行ったほか、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を機に、「日米安保のグローバル化」が進行し、自衛隊とアメリカ軍による日米防衛協力の領域は日本周辺や極東地域から、中東インド洋へと拡大し、本土防衛を主任務としてきた自衛隊の任務の変容も進んでいる。イラク戦争においては、アメリカ軍主導の多国籍軍の一翼を担う形で、イラク南部のサマーワに人道復興支援活動を目的として、陸上自衛隊の部隊が派遣された
  2006年(平成18年)3月27日、統合幕僚会議及び同事務局を廃止し、統合幕僚監部が新設された。ほか、2007年(平成19年)1月9日、防衛庁は防衛省に昇格した。2015年(平成27年)6月10日、「防衛省設置法等の一部を改正する法律(平成27年法律第39号)」が可決・成立し、同年10月1日の防衛省設置法改正法施行により、内局の運用企画局が廃止され、部隊運用に関する事務が統合幕僚監部へ一本化されたほか、技術研究本部及び装備施設本部が廃止され、新たに防衛装備庁が防衛省の外局として設置された。
構成
  自衛隊はシビリアン・コントロール(文民統制)の原則の下、文民で構成される内閣、立法府である国会の統制下に置かれている。内閣総理大臣は内閣を代表して自衛隊の最高指揮監督権を有し、防衛大臣が自衛隊の隊務を統括する。また、内閣には関係閣僚等で構成される国家安全保障会議が置かれ、防衛に関する重要事項を審議する。自衛隊の防衛出動治安出動等にあたっては事前又は事後の国会承認を要し、また国会は自衛隊に係る定員、予算、組織などの重要事項の議決を通じて自衛隊を統制する。

  陸・海・空の各自衛隊はすべて防衛大臣の直轄部隊から構成され、各自衛隊の隊務に係る防衛大臣の幕僚機関として陸上幕僚監部海上幕僚監部及び航空幕僚監部が置かれている。更に各自衛隊を統合運用するための幕僚機関として統合幕僚監部が置かれ、自衛官の最上位者である統合幕僚長がこれを統括する。防衛大臣は各幕僚長を通じて各自衛隊に命令を発するが、部隊の運用に関しては全て統合幕僚長を通じて行うものとされている。各幕僚長は「最高の専門的助言者」として防衛大臣を補佐し(自衛隊法第9条第2項)、部隊等に対する防衛大臣の命令を執行する。
  防衛事務次官は待遇等の面では統合幕僚長と同格であるが、「その省の長である大臣を助け、省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する」(国家行政組織法第18条2項)ものとされ、防衛省・自衛隊の機関全般にわたって監督権限を有する。
  その他、防衛省の所掌事務に関する基本的方針について審議する機関として、防衛大臣、防衛副大臣、防衛大臣政務官、防衛大臣補佐官、防衛大臣政策参与、事務次官、防衛審議官、内局の官房長と各局長、統合・陸・海・空幕僚長、情報本部長、防衛装備庁長官で構成される防衛会議が設置されている。

  特別裁判所の設置が憲法で禁止されているため、軍法会議(軍事裁判所・軍事法廷)は置かれていない(従って、軍事刑務所の類は無く、被疑者は一般同様検察庁送致される。微罪は別にして、禁錮以上の罪で立件される等で重大な反社会的行為に関与したと判断された場合は懲戒免職されることがあり、また懲戒免職されなくても禁錮以上の罪が確定すれば失職する)。諸外国の憲兵に相当する部隊は陸・海・空の各自衛隊に警務隊として組織されている。
規模・各自衛隊の概説
  高度な装備を保有するが、総兵力は約24万人(うち女性1万2,300人)と対人口比で主要国中最低水準である。年間防衛予算も約4兆7千億円で絶対値的でこそ世界的に上位に位置するものの、対GDP比では1%を割って主要国中最低水準である。予算は陸海空で概ね4:3:3の比率であり、予算総額の約44%は人件費で、装備品の調達費は、比較的高額な水準となっている。戦力維持のために若年定年退職制度を導入しており、多くの自衛官の定年退職が53歳である。
  近年、国家財政の悪化と少子高齢化のために防衛予算と兵力は減少傾向にあったが、周辺国、特に中国の軍拡や尖閣諸島問題の影響で2013年度以降は対前年比で増加に転じた。また、自衛隊が保有する装備の維持・運用・管理などにおいて他の西側諸国と同じく日米安全保障条約による同盟国アメリカに強く依存している装備も多く、実戦におけるノウハウ習得や幹部自衛官教育、新型装備に関する技術講習などでもアメリカ(在日米軍)との協力関係が重要視されている。

陸上自衛隊(詳細は「陸上自衛隊」を参照)
  諸外国の陸軍にあたる組織であり、日本に対する海外勢力による上陸作戦を防止し、上陸された場合にはこれに対処することを主な任務とする。前身組織は保安隊警察予備隊)。普通科いわゆる歩兵を基軸として、戦車装甲車榴弾砲対戦車ロケット弾対戦車ミサイル地対空ミサイル地対艦ミサイルヘリコプターなどを保有する。英称 Japan Ground Self-Defense Force、略称 JGSDF。諸外国からは Japanese Army(日本陸軍の意)に相当する語で表現されることがある。

  陸上自衛隊の部隊は、方面隊陸上総隊その他の防衛大臣直轄部隊から構成され、その所掌事務に係る幕僚機関として陸上幕僚監部が設置されている。定数は約15万2千(即応予備自衛官を除く)であり、三自衛隊の中で最大だが、振り分けられる予算は約1兆7千億円と、海、空自衛隊に大差は無い。小銃をはじめ、戦闘車輌や一部の航空機は国産品を装備しているが、輸入ライセンス生産による装備品もある。遠隔操縦観測システム(FFOS)のような無人航空機の運用能力も持つが、指揮通信能力、統合作戦能力は整備途上にある。各方面隊が担当地域の防衛警備を担っている。また、島国という地理上、離島への武力侵攻に備えた水陸機動団も配備されている。
海上自衛隊(詳細は「海上自衛隊」を参照)
  諸外国の海軍に当たる組織であり、海洋国家である日本の防衛力の中核を担っている。前身組織は警備隊海上警備隊)。護衛艦潜水艦機雷戦艦艇輸送艦対潜哨戒機、ヘリコプターなどを保有する。英称Japan Maritime Self-Defense Force、略称JMSDF。諸外国からはJapanese Navy(日本海軍の意)に相当する語で表現されることがある。

  海上からの侵略を阻止し、また艦船、航空機、潜水艦等の脅威を排除して、海上交通の安全を確保することを主な任務とする。年間を通じて、日本周辺海域の哨戒任務を行っており、国籍不明潜水艦や他国の艦艇不審船遭難信号などを探知した場合は、哨戒機をスクランブル発進させ、護衛艦が緊急出港し、対象目標を継続追尾する態勢に移行する。また、弾道ミサイルの監視、迎撃任務も負っている。実質的には外洋海軍としての能力を有し、対潜水艦戦や対機雷戦では高い能力を有する。

  海上自衛隊の部隊は、自衛艦隊地方隊教育航空集団練習艦隊その他の防衛大臣直轄部隊から構成され、その所掌事務に係る幕僚機関として海上幕僚監部が設置されている。定数は約4万5千であり、予算は約1兆5百億円。艦艇、潜水艦航空機、各陸上基地を運用する。日本が海洋国家であり、通商貿易国家であることから、シーレーンの安全確保を重視し、太平洋戦争大東亜戦争)の戦訓から 対潜水艦戦能力と対機雷戦能力に重点を置いている。
  保有するイージス艦の一部にはBMD能力が付与されており、ミサイル防衛の中核を担う。いずも型護衛艦ひゅうが型護衛艦おおすみ型輸送艦は離島防衛や大規模災害対処のシーベースとしても活動できる。
  いずも型護衛艦一番艦「いずも」が2015年(平成27年)3月に就役し、海自保有艦艇としては歴代最大の自衛艦となった。
航空自衛隊(詳細は「航空自衛隊」を参照)
  諸外国の空軍に当たる組織である。平時においては日本周辺の空域を警戒監視し、領空内に不法に侵入しようとする航空機に対して、戦闘機をスクランブル発進させて、対領空侵犯措置をとるほか、災害派遣国際緊急援助隊業務等を行っている。また、有事においては、航空優勢の確保による防空、侵入してくる陸海戦力の航空阻止と近接航空支援を主な任務とする。陸上・海上両自衛隊と違い前身組織はない。英称Japan Air Self-Defense Force、略称JASDF。諸外国からはJapanese Air Force(日本空軍の意)に相当する語で表現されることがある。

  航空自衛隊の部隊は、航空総隊航空支援集団航空教育集団航空開発実験集団その他の防衛大臣直轄部隊から構成され、その所掌事務に係る幕僚機関として航空幕僚監部が設置されている。定数は約4万7千人であり、予算は約1兆8百億円。アメリカ製の大型戦闘機F-15、同じくアメリカ製の多用途戦闘機F-16をベースとしたF-2戦闘機をはじめ、E-767早期警戒管制機や、KC-767空中給油機パトリオットミサイルバッジシステムJADGEの導入により、世界的にも高水準の防空能力を維持する。高度な救助能力を持つ航空救難団災害派遣でも活用されている。


陸上自衛隊
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  陸上自衛隊: Japan Ground Self-Defense Force、略称: JGSDF)は、日本行政機関のひとつ。自衛隊のうちの陸上部門にあたる防衛省特別の機関の総称である。日本語略称は、陸自(りくじ)。諸外国からは、Japanese Army(日本陸軍の意)に相当する語で表現されることがある。

概要
  陸上幕僚監部並びに統合幕僚長および陸上幕僚長の監督を受ける部隊および機関からなる。各部隊および各機関は防衛省特別の機関である。自衛隊法の規定によれば、主として陸において行動し、日本の平和と独立を保つため、直接及び間接の侵略に対する防衛を行うことを主任務とし、また、必要に応じて公共の秩序の維持に当たるものとされる。
  主に陸上自衛官で構成され、その最上級者は幕僚機関である陸上幕僚監部を統括する陸上幕僚長である。他国からは陸軍(Army)とみなされている。
  平成28年度以降に関わる防衛計画の大綱では、常備自衛官150,875人と即応予備自衛官8,075人の合計158,950人、戦車約400両、火砲約400門と定数が設定されている。2020年(令和2年)3月末時点での陸上自衛隊の各装備の保有数は、戦車570両、装甲車990両、高射機関砲50両、ロケット弾発射機など60機、野戦砲(各種榴弾砲)380門、迫撃砲1,100門、無反動砲2,600門である。駐屯地の数は158(駐屯地131・分屯地27)である。
  令和2年度末の人員は、常備自衛官15万0695名、即応予備自衛官は7,981名で、年間平均人員は約14万0347名である[4]。令和2年度の陸上自衛隊の予算は約1兆8170億円である
  シンボルマークは「日本列島を守るように抱える緑色の両手」、キャッチコピーは「守りたい人がいる」

歴史
任務
  陸上における国土の防衛を主任務とする。当初は冷戦体制のもと、主にソビエト連邦による大規模侵攻に備え、その際に国土内で「内陸持久」戦闘を行って当面もちこたえ、アメリカ軍の来援を待ち共同で反攻・撃退を行うことを想定していた。しかし1990年代以降、ソビエト連邦崩壊による北方脅威の減少によって日本本土で大規模地上戦が起こる可能性は減少したものの、中国の台頭による先島諸島等での島嶼部防衛・北朝鮮のテロリズム対処やゲリラの遊撃、また、阪神・淡路大震災以降に特に活発になった災害派遣、海外派遣など、陸自の任務は一層増えており、北方重視であったこれまでの配備を見直して全国的な変革が現在も行われている。
国土防衛
  日本は四方を海に囲まれた島国であり、海上交通路(シーレーン)を封鎖されては国家の存立も危うくなる。また、日本の防衛基本方針は専守防衛であるために、外国からの侵攻を受けた場合は、まず海上自衛隊航空自衛隊が主体となって洋上での戦闘を行う事が想定されている。そのため陸上自衛隊は、その後にある「最終防衛力」と位置づけられている。標語である『Final Goalkeeper of Defense』はこれを表している。

  一般に先進国の国防において最も費用の掛かるのが人件費(給与、糧食等)であり、日本も例外ではなく、自衛隊全体の人件費だけで防衛予算の45%を占める。そして、隊員を圧倒的に多く抱えるのが陸自(15.5万人)であり、海自(4.2万人)、空自(4.6万人)を大きく引き離している。他方、陸海空の予算比は概ね4:3:3でしかなく、このことから陸自は予算の大半が人件費であることが分かる。装備の維持費等を差し引くと、ますます装備の調達予算がないのが現状である。島国である日本にとっての現在の陸上自衛隊の存在は「潜在防衛力」であり、「確固たる陸上部隊が存在すること」による「上陸侵攻の抑止」を第一の任務としている。また災害派遣など人海戦術が必要な任務では、大量動員が可能な陸自の普通科が主力となる。
  防衛任務のため、正面装備として戦車・装甲車などの陸上装備、ヘリコプターなどの航空機を保有しており、これらの装備は毎年8月に実施・一般公開される富士総合火力演習や各地の駐屯地祭などで公開されている。

  航空機は柔軟な運用が可能なヘリコプターが中心であるが、連絡偵察機として固定翼機も少数配備している。大型機を有していないため、長距離の移動や大量の物資輸送などは航空自衛隊の支援を必要とする。陸上自衛隊は海空のような航空学生制度を持たず、入隊後に適正者を選抜する陸曹航空操縦学生を実施している。
  水上・水中装備として隠密性に優れたゴムボートや水中スクーターを配備しているが輸送艦や強襲揚陸艦はないため、長距離の海上輸送や大規模な上陸作戦では海上自衛隊の支援を必要とする。
  最近では、南西諸島などの離島への侵攻に対する「上陸侵攻の抑止」任務が重要性を増しつつある。また、国内に潜伏する工作員によるゲリラコマンド攻撃、あるいはテロリズム等に対する抑止力として重視されつつある。日本が大規模テロや特殊部隊による攻撃などを受けた場合、防衛出動または治安・警護出動の命により陸上自衛隊が最優先で防護する「重要防護施設が全国に135箇所指定されており、各方面隊に担当施設が割り振られている。
  なお、「対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約」により、2003年(平成15年)2月8日までに、訓練用など一部を除く全ての対人地雷の廃棄を完了した。また、2008年(平成20年)12月にはクラスター爆弾禁止条約に署名したことで、保有するクラスター爆弾を新型爆弾の調達中止も含め全廃する。
災害派遣・民生協力
  陸上自衛隊は、主に大規模災害に際し、救援活動に派遣される。自衛隊法において主たる任務目的とはされていないが、世界有数の災害発生国である日本で半世紀にわたる災害派遣を経験し、多くの有事対処を行ってきた。
  地震、台風、水害、雪害、火山活動など多種多様な災害に出動している。2004年の新潟県中越地震では、孤立集落から多くの被災者をヘリコプターで救出したほか、新潟スタジアム前に野外炊具を設置し、毎食多数の被災者に食事を提供した。被災国から出動要請を受ける機会も増えており、スマトラ島沖地震パキスタン地震の際にも緊急出動している。
  災害出動以外にも副次的な業務として、各種マラソン大会やさっぽろ雪まつりなどの「民生協力」にも力を入れている。また、害獣駆除に猟友会などと共に協力することもある。
海外派遣(詳細は「自衛隊海外派遣」を参照)
  国連平和維持活動や紛争復興、上記のような災害援助のために日本国外に派遣される事がある。PKO協力法等によって自衛隊の海外派遣は一般的な任務となり、また、国際連合要請以外にも時事立法による派遣が恒常化しつつある。陸上部隊として海外派遣の中心を担う事とされている。


海上自衛隊
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海上自衛隊: Japan Maritime Self-Defense Force、略称: JMSDF)は、日本行政機関のひとつ。自衛隊のうちの海上部門にあたる防衛省特別の機関の総称である日本語略称は、海自。諸外国からは、Japanese Navy(日本海軍の意)に相当する語で表現されることがある

規模と能力
  2020年(令和2年)3月末現在、主たる戦力として護衛艦48隻(合計基準排水量約26万6,000トン)、通常動力型潜水艦20隻(合計基準排水量約5万7,000トン)、機雷戦艦艇24隻(合計基準排水量約2万3,000トン)、哨戒艦艇6隻(合計基準排水量約1,000トン)、輸送艦艇11隻(合計基準排水量約2万8,000トン)、補助艦艇29隻(合計基準排水量約12万8,000トン)、航空機は、固定翼哨戒機74機(P-1 24機、P-3C 50機)、電子戦データ収集機(EP-3 5機)、画像データ収集機(OP-3C 5機)、哨戒ヘリコプター81機(SH-60J 18機、SH-60K 63機)、掃海・輸送ヘリコプター(MCH-101 10機)等を保有する。人員は、定員45,356人(現員42,850人 充足率94.5%)である。
  令和2年度(2020度)の予算額は約1兆1589億円基地の数は約31である。
  海上自衛隊の部隊をフォースユーザー(事態対処責任者)として運用する中核となるのは自衛艦隊であり、艦艇約100隻、航空機約230機が、フォースプロバイダー(部隊提供者・練度管理責任者)として練度管理などを担当する隷下部隊の「護衛艦隊」「航空集団」「潜水艦隊」「掃海隊群」「艦隊情報群」「海洋業務・対潜支援群」「開発隊群」に所属している
  護衛艦隊は、護衛艦8隻により編成される護衛隊群4個を中心とし、それに加え沿海防衛用として配備されている5個護衛隊及びそれらを支援する部隊により編成されている。これらの艦艇は大湊基地(青森県)、横須賀基地(神奈川県)、舞鶴基地(京都府)、呉基地(広島県)、佐世保基地(長崎県)の5基地に配備されている。
  潜水艦隊は、2個潜水隊群からなり、呉基地と横須賀基地の2基地に配備されている。潜水艦の行動は秘密性が高く、作戦行動中は戦争抑止力としても活動している。また、海上自衛隊の対潜戦の訓練目標としても行動している。
  掃海隊群は、機雷掃海を任務とする。太平洋戦争大東亜戦争)において日本周辺に日米両軍が敷設した機雷や、不発弾爆弾砲弾)を戦後に多数処理して、航路啓開と船舶・人命の被害防止に努め、経験・技術の蓄積を得ている。掃海部隊が海上保安庁所属だった朝鮮戦争時には日本特別掃海隊として派遣され、湾岸戦争後のペルシャ湾掃海とともに、アメリカ合衆国関係者からその力量を称えられた。また、掃海艇部隊は掃海隊群以外にも各地方隊隷下に配備され、海中や海岸で発見される太平洋戦争や朝鮮戦争時に漂着・沈底した機雷や不発弾の処理を行っている。なお、掃海隊群は2016年(平成28年)7月から水陸両用作戦支援の任務も付与されている。
  航空集団は、航空自衛隊とは個別に運用されている。主に哨戒機により広大な日本周辺海域を哨戒しており、諸外国の潜水艦、艦艇の領海侵犯排他的経済水域における日本国の主権の侵害行為に対して、護衛艦などと共に常時警戒体制を敷いている[18]。固定翼哨戒機部隊として4個航空群が編成されており、厚木航空基地(神奈川県)、八戸航空基地(青森県)、鹿屋航空基地(鹿児島県)、那覇航空基地(沖縄県)に配備されている[12]。また、回転翼哨戒機(ヘリコプター)部隊は2個航空群が館山航空基地(千葉県)、大村航空基地(長崎県)に配備されており、護衛艦艦載ヘリコプター部隊として活動している。捜索救難に従事する部隊としては飛行艇岩国航空基地に、救難ヘリコプター部隊を各地に配備している。そのほか、航空掃海ヘリコプターや輸送機の部隊も属している。 
  冷戦終結以前は、太平洋戦争の教訓により、敵対勢力からの通商破壊活動に対して脆弱な海洋国家日本の弱点を補完するため、対潜戦対機雷戦の戦術能力の向上を目指していた。対潜戦の能力はアメリカに次ぐ世界第2位の規模と能力を持っており、また、活動面積に対する対機雷戦能力は世界最高水準にあるとされる。
  海上自衛隊はその特徴の一つに航空海軍としての一面がある。艦載ヘリコプターと固定翼哨戒機からなる航空集団は航空部隊の中核となっており、自衛艦隊内におけるその人員比は航空集団が護衛艦隊に対し、常に過半数となる規模である。海上自衛隊は多数のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)を保有し、ひゅうが型護衛艦いずも型護衛艦は外国のヘリコプター空母と同様な外見の全通甲板を持つ。このように航空部隊が水上艦隊に対して優越した構成は、多数の空母と強襲揚陸艦を有するアメリカ海軍と海上自衛隊だけに見られる特色である
  1998年(平成10年)の北朝鮮によるテポドン1号打ち上げを受け始まった日米共同研究を経て、弾道ミサイル防衛(BMD)システムを導入した。日本の採用した多層防衛システムのうち、海上自衛隊はイージスシステムを装備するイージス艦にBMD対応能力を付加し、RIM-161スタンダード・ミサイル3(SM-3)射程1200kmを利用するイージス弾道ミサイル防衛システムを導入している。
任務
  海上自衛隊では、哨戒機、護衛艦、潜水艦を駆使して、年間24時間体制で、日本周辺海域の哨戒(パトロール)任務を実施している[7]。哨戒任務で確認した目標は、統合幕僚監部が毎日公表している。哨戒範囲は排他的経済水域と防空識別圏を勘案して、海上自衛隊で独自に定めており、大湊基地、横須賀基地、佐世保基地、呉基地、舞鶴基地で区域を分担している。哨戒任務での捜索、監視の対象目標となるものは、他国の潜水艦や艦艇、海上プラント(石油プラットフォームなど)等である。不審な艦艇等の目標を探知したならば、哨戒機をスクランブル発進させ、また、艦艇を緊急出港し、継続的な監視体制に移行する。哨戒任務中も数々の訓練想定が隊員に付与されており、哨戒任務中の隊員は訓練と並行して、実目標の探知識別を行っている。哨戒任務で探知した情報は『世界の艦船』『朝雲新聞』『海上自衛新聞』などで公表されており、ロシア中国情報収集艦および海洋調査船に対する監視任務は、ほぼ年間を通じて常続的に実施されている。日本周辺のチョークポイント間宮海峡宗谷海峡津軽海峡対馬海峡南西諸島宮古海峡バシー海峡など)を通峡する諸外国の艦艇に対しては、特に厳重な監視体制を敷いている。通過した艦艇の種類や艦隊の規模によっては、報道機関や国民に対して公表することもある。

  海上自衛隊は自衛隊単独あるいは同盟国・友好国の海軍と共同で、軍事演習を行う。時には、日本から遥かに離れた遠洋で行うこともある
  日本周辺海域で行われる近隣諸国の軍事演習に対しては、海上自衛隊に継続的な監視任務が指令される。この場合、航空会社に対しては、国土交通省から「NOTAM」が出され、民間船舶に対しては、海上保安庁から「航行警報」が出される。監視任務中の海自艦艇と航空機は、不測の事態に備えて高レベルの戦闘配備が下令されているといわれる。
  2次的な対象目標として、不審船や遭難船舶の捜索を海上保安庁と協力して行う。軍事的目標ではない不審船舶であれば、第一義的には海上保安庁の担当となるが、海上保安庁の対処能力を超える場合は海上警備行動が発令され、海上自衛隊が対処することとなる
  震度5弱以上の地震や大規模災害が発生したならば、哨戒機等が緊急発進する。津波に対する長大な海岸線の警戒監視任務では、日本国内でもっとも有効なユニットである。

  救難飛行隊US-2UH-60Jを使用して、捜索救難航空救難)や患者輸送、海難事故救難のための災害派遣に従事している。
  2009年(平成21年)4月以降、ソマリア沖の海賊対策において、航行する日本の商船の護衛任務を行っている。(詳細は「ソマリア沖海賊の対策部隊派遣」を参照)
  派遣当初は海上警備行動及び警察官職務執行法を準用していたが、同年7月24日以降海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律に切り替えて活動を継続している。2010年代後半になると、海賊行為自体は減少の一途を辿り年数回程度となったため、漂流漁船の救援、一般漁民への啓蒙活動等も行うようになってきている。
  中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動を行うため、新たに編成する派遣情報収集活動水上部隊の護衛艦1隻及び海賊対処行動に従事する派遣海賊対処行動航空隊のP-3C2機により情報収集活動を実施することが決定し、活動海域は、オマーン湾アラビア海北部及びバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾の三海域の公海(沿岸国の排他的経済水域を含む。)とされた。(詳細は「中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動」を参照)
  この活動期間は2020年1月20日から同年12月26日である。ただし派遣情報収集活動水上部隊の編成日は2020年2月2日とし、同日以降速やかに活動海域に進出することとされた
  2020年2月2日、派遣情報収集活動水上部隊として護衛艦「たかなみ」が横須賀を出港した。同艦は2月下旬に活動海域に到着し、日本関係船舶の安全確保に向けた情報収集活動を開始する予定。
  2020年2月26日、護衛艦「たかなみ」がアラビア海北部で情報収集活動を開始。哨戒ヘリコプター2機を併用し活動を実施する。なお艦艇部隊は、対象海域のうちオマーン湾やアラビア海北部などの公海を活動担当とし、バブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾は、P-3C部隊が担当する。ホルムズ海峡では原則、活動を行わないとされている。また、「たかなみ」は4か月活動後次直護衛艦と交代予定と発表された
国内外の組織との関係・・・
海上保安庁との関係
  海上保安庁は海上の安全および、治安の確保を図ることを任務とする国土交通省(旧運輸省)の機関(外局)であり、主に海難救助交通安全防災及び環境保全治安維持が任務の内訳となるが、それ以外にも海洋権益領海警備海洋調査)も任務としている。一方、国外の艦艇に対応する任務は行政上別系統である防衛省特別の機関である海上自衛隊が担当しており、船舶に対する任務を海上保安庁が担う。海上自衛隊は防衛大臣による海上警備行動の発令によって初めて洋上の警備行動が取れる。
  海上保安庁は第二次世界大戦敗戦後、高等商船学校出身の旧海軍予備士官が中心となり、1948年(昭和23年)5月設立された。これに対し、海上自衛隊の前身・海上警備隊海軍兵学校を卒業した旧海軍の正規士官海軍将校)が中心となり海上保安庁内に1952年(昭和27年)4月に設置された。

  高等商船学校生は卒業時に海軍予備少尉又は海軍予備機関少尉に任官され、戦時に召集されると海防艦の艦長、特設艦艇の艦長・艇長、あるいはそれらの艦艇の機関長等として船団護衛、沿岸警備の第一線で活躍したほか、乗り組んでいた商船が船ごと軍に徴用されて危険海域の物資・兵員輸送業務に従事するなど、予備士官といえども海軍兵学校出身の正規士官に負けない働きをした。 しかし、優秀なエキスパートであっても予備士官は将校とはされず、有事の際には指揮権継承の優先権を軍令承行令に基いて、将校たる正規士官より下位とされた。
  太平洋戦争(大東亜戦争)では高等商船学校出身者の戦死率が海軍兵学校出身者よりも高く、これが後に至るまで海上保安庁(高等商船学校出身者)と海上自衛隊(海軍兵学校出身者)の関係に禍根を残した。組織的な背景を詳らかにすれば、商船学校はピュアに高等船員を養成するのに対し、海軍兵学校はロジスティックスも含めた海軍の官僚組織員の養成学校という本質的な違いがある。
  1999年(平成11年)に能登半島沖不審船事件が発生し、事態が海上保安庁の能力を超えているとして海上自衛隊に初の海上警備行動が発動された。この時の反省を受け事件後に、海上保安庁と海上自衛隊との間で不審船対策についての「共同対処マニュアル」が策定され、長らく続いてきた両者間の疎遠な関係を改善する切っ掛けとなり、情報連絡体制の強化や両機関合同の訓練が行われるようになった。同時に海上警備行動発令下のROE(行動基準)、とりわけ武器の使用に関する隊員教育が行われるようになっている。海上警備行動は、「海上自衛官の制服を着た海上保安官」としての行動であり、警察官職務執行法に準じた行動が求められるためである。

  ただし、自衛隊法第80条には、「内閣総理大臣は、第七十六条第一項又は第七十八条第一項の規定による自衛隊の全部又は一部に対する出動命令があつた場合において、特別の必要があると認めるときは、海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れることができる。」(第1項)、「内閣総理大臣は、前項の規定により海上保安庁の全部又は一部をその統制下に入れた場合には、政令で定めるところにより、長官にこれを指揮させるものとする。」(第2項)との規定があり、有事の際には海上保安庁の指揮権を一時的に防衛大臣に委ねることができる旨を定めている。
  しかし、自衛隊法第80条に基づく海上自衛隊艦艇と海上保安庁船舶の統一運用は、指揮命令系統がまったく別であること、これを調整する諸規定が定められていないこと、船名艦名で同一のものが少なからず存在すること等から、不十分な状態にある。
  また、海上保安庁法第25条は「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。」と海上保安庁を非軍事組織として強く定義している。この点が、準軍事組織であるコーストガードアメリカ沿岸警備隊など)との大きな違いである。
  海上保安庁では固定翼の練習機を配備していないため、操縦士の初等教育は海上自衛隊に委託されている。
日米同盟
  1960年(昭和35年)、国内での多くの反対を受けつつも成立した日米安保(新安保)体制は、成立後冷戦下におけるソ連の脅威に対して抑止力として機能し、同国の崩壊により結果として冷戦は日米を含む資本主義自由民主主義)陣営の勝利に終わった。この間、日米両国は、1978年(昭和53年)、日本有事を想定したガイドラインを制定。冷戦後においても、湾岸戦争に引き続く、ペルシャ湾への掃海部隊の派遣、新ガイドライン、周辺事態法平和安全法制等、日米同盟関係は段階的に発展を続けている。
 海上自衛隊も、日本国憲法第9条との整合性という問題を抱えつつも、対潜水艦作戦、常続的監視、弾道ミサイル防衛能力等を生かし、また、統合運用による進展も経て、北朝鮮のミサイル対処など、日本の周辺地域で想定される有事に、限定的ながらも日米相互に補完する態勢を構築してきた。1996年(平成8年)の共同声明では同盟の意義を「アジア太平洋地域の平和と繁栄」と再定義をして現在に至っている。

  また、2001年(平成13年)9月11日の米国同時多発テロ以降、日本はこれまでの国際環境の変化に応じて、自衛隊インド洋派遣ソマリア沖海賊の対策部隊派遣等、国際貢献に対して積極的な取り組みを実施している。日米同盟はこれらの国際的活動においても、日本の外交的側面、または自衛隊活動の運用、情報、ロジスティック面等について活動を支えている。今日の日米同盟は、このように「日本の防衛」「地域の安定」「国際社会における外交・安全保障施策の基盤」という、主に3つの側面においてその機能を有する。
アメリカ海軍との共同訓練
  太平洋戦争において、大日本帝国海軍アメリカ海軍との激戦でほぼ壊滅し、組織としても解体された。戦後は機雷処理と東西冷戦の激化により、日本はアメリカを主体とする連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の理解を得て、アメリカ海軍から艦艇を貸与・供与されて(タコマ級フリゲートくす型護衛艦など)、海自の前身である海上警備隊警備隊 (保安庁)を設置した。以降、海上自衛隊とアメリカ海軍とは良好な関係にあり、陸自空自と比較して、自衛隊の3軍種の中でも極めて日米の相互運用性が高い。日米共同の対潜特別訓練は1958年(昭和33年)に始まった。また、米国派遣訓練は1963年(昭和38年)に潜水艦派遣が行われたのが最初である。さらに、1980年(昭和55年)以降は環太平洋合同演習にも参加している。
国際協力
海外派遣
  湾岸戦争後の自衛隊ペルシャ湾派遣に始まり、自然災害PKO派遣等による海外派遣の輸送の要として活動している。米軍のアフガニスタン攻撃の際は、海上での米軍支援のためインド洋に自衛隊の大型補給艦を派遣した(自衛隊インド洋派遣参照)
  また、2009年(平成21年)より、ソマリア沖アデン湾にてジブチ共和国を活動拠点としたソマリア沖の海賊対処活動 (ソマリア沖海賊の対策部隊派遣参照)を実施している。
防衛交流
  ・海上自衛隊は、各国海軍との防衛交流を積極的に推進している。
  ・1980年(昭和55年)以降は、米海軍主催でハワイ付近で実施されている多国軍事演習である環太平洋合同演習(RIMPAC)に参加している。
  ・海上自衛隊が日本海域で実施する観艦式に合わせて外国艦艇が来航するほか[33]、外国の観艦式に艦艇を派遣する。ロシア海軍300周年記念観艦式に参加するため、1996年(平成8年)7月には71年振りに海上自衛隊の艦船がウラジオストク港へ派遣された。また、これに対して、ロシア側も1997年(平成9年)6月に103年振りにロシア軍艦「ウラジーミル・ビノグラードフ」が東京港に来航した。
  ・2006年(平成18年)10月3日から5日まで、第6回アジア太平洋潜水艦会議(APSC2006)を初めて海上自衛隊が主催した。この会議には、日、コロンビアインドネシアマレーシアパキスタン、露、シンガポールタイ、米の16ヶ国海軍が参加した。同会議は2001年(平成13年)から毎年開催されている。
  ・こうした交流は政治問題の影響を受けることもある。韓国は2018年10月11日に済州国際観艦式に招待した海上自衛隊に、自衛艦旗旭日旗)を降ろすよう要求。防衛省はこれを拒否して、10月5日に参加中止を発表した

航空隊
  航空自衛隊とは別に、海軍航空隊に相当する航空集団が存在し、旧海軍の海軍飛行予科練習生(予科練)に相当する航空学生により操縦士戦術航空士を独自に養成している。海自の航空学生は冬制服に海軍飛行予科練習生と同じ「紺色の詰襟に七つボタン」、夏制服に同じデザインで白色の制服を採用している。
  旧海軍航空隊では旧陸軍航空部隊航空母艦とは別に、多数の陸上基地と陸上航空機を運用しており、海上自衛隊は航空基地の一部を引き継いでいる。海上自衛隊の航空集団は固定翼及び回転翼の哨戒機による防衛警備、警戒監視、災害派遣、航空救難、民生協力等を主な任務としている。イギリス軍では陸上基地の固定翼哨戒機を空軍が運用しており、第二次世界大戦後に空軍を創設した英連邦諸国でもこれに倣うことが多いが、海上自衛隊やアメリカ海軍では独自運用している。
  30大綱及び31中期防により、いずも型護衛艦の事実上の空母への改修が決定しているが、艦載機であるF-35B(42機)は航空自衛隊が運用する。
  導入している機種は哨戒機・救難機・輸送機・練習機の他、護衛艦の訓練支援のために標的曳航等を行う訓練支援機がある。ほか、捜索救難専用の飛行艇を配備している。操縦士は機長の資格を取得し最初のフライトを終えると、基地の隊員からバケツで水をかけられる伝統行事がある


航空自衛隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

航空自衛隊: Japan Air Self-Defense Force、略称: JASDF)は、日本行政機関のひとつ。自衛隊のうちの航空部門にあたる防衛省特別の機関の総称である。日本語略称は、空自(くうじ)。諸外国からは、Japanese Air Force(日本空軍の意)に相当する語で表現されることがある。

概要
  海上幕僚監部並びに統合幕僚長および海上幕僚長の監督を受ける部隊および機関からなる。海上幕僚長は最上級者として海上幕僚監部を統括する。各部隊および各機関は防衛省特別の機関である。他国からは海軍とみなされている
  日本の平和独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し日本を防衛することを主たる任務とする。必要に応じ、公共の秩序の維持に当る。
  日本の領海排他的経済水域接続水域を含む)などにおいて平素から警戒監視、情報収集、各種訓練を行い、有事において海上交通の安全確保(シーレーン防衛)や周辺海域の防衛に対応する。また、ソマリア沖で、日本商船(外国船も可能)の護衛任務も行っている。
  平時における警察活動は後述するように他国の沿岸警備隊に相当する海上保安庁が担当している

規模と能力
  2020年(令和2年)3月末現在、主たる戦力として護衛艦48隻(合計基準排水量約26万6,000トン)、通常動力型潜水艦20隻(合計基準排水量約5万7,000トン)、機雷戦艦艇24隻(合計基準排水量約2万3,000トン)、哨戒艦艇6隻(合計基準排水量約1,000トン)、輸送艦艇11隻(合計基準排水量約2万8,000トン)、補助艦艇29隻(合計基準排水量約12万8,000トン)、航空機は、固定翼哨戒機74機(P-1 24機、P-3C 50機)、電子戦データ収集機(EP-3 5機)、画像データ収集機(OP-3C 5機)、哨戒ヘリコプター81機(SH-60J 18機、SH-60K 63機)、掃海・輸送ヘリコプター(MCH-101 10機)等を保有する。人員は、定員45,356人(現員42,850人 充足率94.5%)である。令和2年度(2020度)の予算額は約1兆1589億円基地の数は約31である。

  海上自衛隊の部隊をフォースユーザー(事態対処責任者)として運用する中核となるのは自衛艦隊であり、艦艇約100隻、航空機約230機が、フォースプロバイダー(部隊提供者・練度管理責任者)として練度管理などを担当する隷下部隊の「護衛艦隊」「航空集団」「潜水艦隊」「掃海隊群」「艦隊情報群」「海洋業務・対潜支援群」「開発隊群」に所属している
  護衛艦隊は、護衛艦8隻により編成される護衛隊群4個を中心とし、それに加え沿海防衛用として配備されている5個護衛隊及びそれらを支援する部隊により編成されている。これらの艦艇は大湊基地(青森県)、横須賀基地(神奈川県)、舞鶴基地(京都府)、呉基地(広島県)、佐世保基地(長崎県)の5基地に配備されている。
  潜水艦隊は、2個潜水隊群からなり、呉基地と横須賀基地の2基地に配備されている。潜水艦の行動は秘密性が高く、作戦行動中は戦争抑止力としても活動している。また、海上自衛隊の対潜戦の訓練目標としても行動している。
  掃海隊群は、機雷掃海を任務とする。太平洋戦争大東亜戦争)において日本周辺に日米両軍が敷設した機雷や、不発弾爆弾砲弾)を戦後に多数処理して、航路啓開と船舶・人命の被害防止に努め、経験・技術の蓄積を得ている。掃海部隊が海上保安庁所属だった朝鮮戦争時には日本特別掃海隊として派遣され、湾岸戦争後のペルシャ湾掃海とともに、アメリカ合衆国関係者からその力量を称えられた[17]。また、掃海艇部隊は掃海隊群以外にも各地方隊隷下に配備され、海中や海岸で発見される太平洋戦争や朝鮮戦争時に漂着・沈底した機雷や不発弾の処理を行っている。なお、掃海隊群は2016年(平成28年)7月から水陸両用作戦支援の任務も付与されている。

  航空集団は、航空自衛隊とは個別に運用されている。主に哨戒機により広大な日本周辺海域を哨戒しており、諸外国の潜水艦、艦艇の領海侵犯排他的経済水域における日本国の主権の侵害行為に対して、護衛艦などと共に常時警戒体制を敷いている[18]。固定翼哨戒機部隊として4個航空群が編成されており、厚木航空基地(神奈川県)、八戸航空基地(青森県)、鹿屋航空基地(鹿児島県)、那覇航空基地(沖縄県)に配備されている。また、回転翼哨戒機(ヘリコプター)部隊は2個航空群が館山航空基地(千葉県)、大村航空基地(長崎県)に配備されており、護衛艦艦載ヘリコプター部隊として活動している。捜索救難に従事する部隊としては飛行艇岩国航空基地に、救難ヘリコプター部隊を各地に配備している。そのほか、航空掃海ヘリコプターや輸送機の部隊も属している。
  冷戦終結以前は、太平洋戦争の教訓により、敵対勢力からの通商破壊活動に対して脆弱な海洋国家日本の弱点を補完するため、対潜戦対機雷戦の戦術能力の向上を目指していた。対潜戦の能力はアメリカに次ぐ世界第2位の規模と能力を持っており、また、活動面積に対する対機雷戦能力は世界最高水準にあるとされる。
  海上自衛隊はその特徴の一つに航空海軍としての一面がある。艦載ヘリコプターと固定翼哨戒機からなる航空集団は航空部隊の中核となっており、自衛艦隊内におけるその人員比は航空集団が護衛艦隊に対し、常に過半数となる規模である。海上自衛隊は多数のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)を保有し、ひゅうが型護衛艦いずも型護衛艦は外国のヘリコプター空母と同様な外見の全通甲板を持つ。このように航空部隊が水上艦隊に対して優越した構成は、多数の空母と強襲揚陸艦を有するアメリカ海軍と海上自衛隊だけに見られる特色である。
  1998年(平成10年)の北朝鮮によるテポドン1号打ち上げを受け始まった日米共同研究を経て、弾道ミサイル防衛(BMD)システムを導入した。日本の採用した多層防衛システムのうち、海上自衛隊はイージスシステムを装備するイージス艦にBMD対応能力を付加し、RIM-161スタンダード・ミサイル3(SM-3)射程1200kmを利用するイージス弾道ミサイル防衛システムを導入している。
任務
  海上自衛隊では、哨戒機、護衛艦、潜水艦を駆使して、年間24時間体制で、日本周辺海域の哨戒(パトロール)任務を実施している。哨戒任務で確認した目標は、統合幕僚監部が毎日公表している。哨戒範囲は排他的経済水域と防空識別圏を勘案して、海上自衛隊で独自に定めており、大湊基地、横須賀基地、佐世保基地、呉基地、舞鶴基地で区域を分担している。哨戒任務での捜索、監視の対象目標となるものは、他国の潜水艦や艦艇、海上プラント(石油プラットフォームなど)等である。不審な艦艇等の目標を探知したならば、哨戒機をスクランブル発進させ、また、艦艇を緊急出港し、継続的な監視体制に移行する。哨戒任務中も数々の訓練想定が隊員に付与されており、哨戒任務中の隊員は訓練と並行して、実目標の探知識別を行っている。哨戒任務で探知した情報は『世界の艦船』『朝雲新聞』『海上自衛新聞』などで公表されており、ロシア中国情報収集艦および海洋調査船に対する監視任務は、ほぼ年間を通じて常続的に実施されている。日本周辺のチョークポイント間宮海峡宗谷海峡津軽海峡対馬海峡南西諸島宮古海峡バシー海峡など)を通峡する諸外国の艦艇に対しては、特に厳重な監視体制を敷いている。通過した艦艇の種類や艦隊の規模によっては、報道機関や国民に対して公表することもある

  海上自衛隊は自衛隊単独あるいは同盟国・友好国の海軍と共同で、軍事演習を行う。時には、日本から遥かに離れた遠洋で行うこともある。
  日本周辺海域で行われる近隣諸国の軍事演習に対しては、海上自衛隊に継続的な監視任務が指令される。この場合、航空会社に対しては、国土交通省から「NOTAM」が出され、民間船舶に対しては、海上保安庁から「航行警報」が出される。監視任務中の海自艦艇と航空機は、不測の事態に備えて高レベルの戦闘配備が下令されているといわれる。
  2次的な対象目標として、不審船や遭難船舶の捜索を海上保安庁と協力して行う。軍事的目標ではない不審船舶であれば、第一義的には海上保安庁の担当となるが、海上保安庁の対処能力を超える場合は海上警備行動が発令され、海上自衛隊が対処することとなる。
  震度5弱以上の地震や大規模災害が発生したならば、哨戒機等が緊急発進する。津波に対する長大な海岸線の警戒監視任務では、日本国内でもっとも有効なユニットである。
  救難飛行隊US-2UH-60Jを使用して、捜索救難航空救難)や患者輸送、海難事故救難のための災害派遣に従事している。
  2009年(平成21年)4月以降、ソマリア沖の海賊対策において、航行する日本の商船の護衛任務を行っている。(詳細は「ソマリア沖海賊の対策部隊派遣」を参照)
  派遣当初は海上警備行動及び警察官職務執行法を準用していたが、同年7月24日以降海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律に切り替えて活動を継続している。2010年代後半になると、海賊行為自体は減少の一途を辿り年数回程度となったため、漂流漁船の救援、一般漁民への啓蒙活動等も行うようになってきている。

  中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動を行うため、新たに編成する派遣情報収集活動水上部隊の護衛艦1隻及び海賊対処行動に従事する派遣海賊対処行動航空隊のP-3C2機により情報収集活動を実施することが決定し、活動海域は、オマーン湾アラビア海北部及びバブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾の三海域の公海(沿岸国の排他的経済水域を含む。)とされた。(詳細は「中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動」を参照)
  この活動期間は2020年1月20日から同年12月26日である。ただし派遣情報収集活動水上部隊の編成日は2020年2月2日とし、同日以降速やかに活動海域に進出することとされた。
  2020年2月2日、派遣情報収集活動水上部隊として護衛艦「たかなみ」が横須賀を出港した。同艦は2月下旬に活動海域に到着し、日本関係船舶の安全確保に向けた情報収集活動を開始する予定
  2020年2月26日、護衛艦「たかなみ」がアラビア海北部で情報収集活動を開始。哨戒ヘリコプター2機を併用し活動を実施する。なお艦艇部隊は、対象海域のうちオマーン湾やアラビア海北部などの公海を活動担当とし、バブ・エル・マンデブ海峡東側のアデン湾は、P-3C部隊が担当する。ホルムズ海峡では原則、活動を行わないとされている。また、「たかなみ」は4か月活動後次直護衛艦と交代予定と発表された


2022年06月-公務員総研-https://koumu.in/articles/210702s
日本の自衛隊は5位 – 2021年の世界の軍事力ランキング

  「軍事力」とは、軍事的な能力のことであり、国家やそれに類する集団が、内外の対象に対して、実力行使ができる能力のことです。本記事では、「軍事力」をテーマに『日本の自衛隊の軍事力』をご紹介します。

そもそもの自衛隊の目的
  もそもの自衛隊の目的・存在意義は何でしょうか?
  自衛隊について定めた法律「自衛隊法」の第一条に「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たるものとする。」という文言があります。
  災害が続く近年は「自衛隊の災害派遣」というイメージが強いですが、「国際平和を主眼とした海外派遣」も近年の自衛隊は積極的に行っています。
  それらは自衛隊にしかやれないことであり非常に重要なことですが、自衛隊が存在する主目的は、日本の平和と独立を守る「防衛」のためということは常におさえておく必要がありあす。
  その目的を達成するための日本を防衛する事態を想定するシナリオはいくつもあり、日本を守るためには(望む望まないに関わらず)有事に対応できる軍事力が必要となります。
「世界の軍事力ランキング」から見た日本の軍事力
  『Global Firepower』のランキングは、各国の陸・海・空国の潜在的な戦争能力に基づいています(50以上の個別要因に加え、人的資源・設備・天然資源・財政・地理的側面を考慮した値が組み込まれています)。
  この章では、そのランキングについてご紹介します。

1位 アメリカ-ランキングトップ、世界最強の軍事力を誇るのはアメリカ合衆国です。日本にとっては、唯一の同盟国であるアメリカは、軍事予算、技術力は世界最高、兵力も豊富で、陸・海・空、海兵隊すべてにおいて、世界最強の軍隊を擁しています。
2位 ロシア-戦闘装甲車等の地上部隊は米軍を凌ぎ最強と言われ、空・海軍の近代化にも力を入れていますが、西側による経済制裁による軍事予算の不足もあり、近代化は思うように進んでいないと考えられています。
3位 中国-日本の隣国、中国では、経済成長が軍事力を強力に後押しして、急速に軍事力を高めています(軍事予算は世界第2位です)。近年は、量より質、高い技術を活かした軍事開発を進めています。
4位 インド-中国との衝突が緊迫しているインドでは、軍事予算の少なさと技術力の乏しさを、13億人を抱える人口と安価な労働力がカバーしています。膨大な兵力を擁することが評価の高いポイントですが、近年は近代化を急速に推し進めており、海外からの戦闘機購入や国産空母の建造にも着手しています。
5位 日本-位4カ国に比べると兵力が劣ることは否めませんが、(他国と比べて)防衛予算の潤沢さと最新鋭の装備を備えていることもあり5位にランクインしています。特に海上自衛隊と航空自衛隊は高評価です。
  日本の軍事力について 、中国政府系メディアは「核兵器以外のすべての武器・兵器を生産する能力があり、軍事力ランキングに表れない「潜在的軍事力」で見れば、日本は間違いなく世界一だ」と評価(警戒)しています。

以後、ランキングは、韓国、フランス、イギリス、ブラジル、パキスタンと続きます

日本に軍事力強化が求められる理由
  2021年4月の日米首脳会談の共同声明では(極東地域の)「日本の防衛力強化」が明記されました。
  日本の防衛大臣は、「中国が軍事力を増強し続けていることを考慮して、日本は防衛能力の向上を加速しなければならない」とコメントしています。
  ※中国が抱える国際問題(尖閣諸島、南沙諸島、ウイグル自治区、米中経済戦争、香港国家安全法、台湾問題、インド国境線)は、極東地域の政情を不安定にしています。
  日本を守ること、すなわち自衛隊の「抑止力」と「対処力」を一層強化することが、世界(極東地域)情勢の安定にとって(現時点では)必要なことだと考えられているようです。







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ここは2021年12月20日~2023年4月のニュースです