ウイグル族-1


2025.05.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250516-OO25ULOHJ5FIJKEN2PJWIYAR6M/
ウイグル強制労働の中国企業に8割の日系企業が関与 人権団体「欧米の制裁逃れの穴場に」
(奥原慎平)

  日本ウイグル協会と国際人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」(HRN)2団体は16日、国会内で記者会見し、ウイグル強制労働問題を巡る日系企業調査の結果、8割を超える企業に関与が指摘されたと発表した。欧米で輸入規制など対策が進む中、日本は法整備が追い付いていないとされ、2団体は「日本が制裁逃れの穴場として利用されるリスクがある」と懸念を訴えた。

ウイグル自治区に拠点を置く電機大手
  2団体はオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)がウイグル強制労働と世界の企業の関係性を調査した2020年3月の報告書などから日系企業35社、日本進出の中国企業6社を対象に調査。
  計41社について米シンクタンク・高等国防研究センター(C4ADS)に対し米国ウイグル強制労働防止法が輸入禁止対象とする中国企業などとの取引関係の調査を依頼したところ、カジュアル衣料品、自動車大手など日系企業30社、中国企業4社が直接間接を問わず取引していることが判明した。ある電機大手は中国新疆ウイグル自治区で事業展開していた。
  2団体が各企業に現状を確認すると、電機大手など3社は過去に取引があったことを認めた上で、既に取引を停止したと回答した。ただ約半数の企業は無回答、もしくは経営方針を回答するのみだったという。
「強制労働は現代の奴隷制」
  2団体は20年以降ウイグル強制労働と日系企業の関係性について調査しており、HRNの伊藤和子副理事長は会見で「取引関係がさらに広がっている。強制労働は現代の奴隷制だ。取引関係を日本企業は断ち切っていく必要がある」と強調した。
  ウイグル強制労働を巡っては、米国が22年4月にウイグル強制労働防止法を施行し、ウイグル自治区からの物品輸入を原則禁止した。欧州連合(EU)欧州議会も24年3月に強制労働で生産された製品の流通や輸入を禁止する規制案で暫定合意している。
  日本は22年4月、企業が取引先の人権侵害のリスクを調べて予防・対処する「人権デューデリジェンス(人権DD)」に関するガイドラインを策定したが、罰則はなく企業側の自主的な取り組みにとどまっている。
「日本の価値観が汚される」
  ウイグル協会のレテプ・アフメット会長は「高い割合で日本の市場がウイグル強制労働問題に加担していることが示唆されている」と述べ、「欧米で制裁が進む中、制裁の対象にならない日本に(取引関係を)切り替えてしまう。日本の価値観と企業の名誉が汚されかねない」と法整備を訴えた。
  会見に同席した自民党の高市早苗前経済安全保障担当相は「ことは人権問題だ。個人的に米国法のような形の法律があった方がいい」と語った。
  日本ウイグル国会議員連盟会長を務める自民党の古屋圭司元国家公安委員長「人権問題については毅然と対応していくのが民主国家の国会議員の役割だ」と述べ、議連として国会で問題視していく考えを示した。
(奥原慎平)







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