IR(統合型リゾート)問題-1
2023.12.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231227-QELUCB5XLRKCFEYPTYJQQRQ3AU/
IR、国内1カ所でスタートへ 政府が長崎の計画見送り発表 資金調達がネックに
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡り、政府は27日、
長崎県が申請した整備計画の認定を見送ると発表した。
資金調達の確実性が不十分であることなどが理由に挙げられた。「観光立国」の起爆剤として期待されるIRは、当初は最大3カ所の選定が見込まれていたが、唯一認定を受けた
大阪府・市の1カ所のみでスタートを切ることになった。
同時に審査が進められていた令和11年開業を目指す大阪府・市の計画は今年4月に「合格」した一方、長崎県については継続審査となっていた。
長崎県の計画は、同県佐世保市のリゾート施設「ハウステンボス」で、令和9年の開業予定だった。欧州のカジノ運営会社の日本法人などを中核株主とする事業会社のもと、年2716億円の売り上げを見込んでいた。
初期投資額4383億円の6割を借入金でまかなう予定だったが、
資金調達で出資を取りまとめる企業の一つだった金融大手クレディ・スイスが経営危機で買収され、影響が懸念されていた。
観光庁によると、昨年4月の申請以降、有識者審査委員会が34回の会合を実施。基本的な全19項目への適合が求められる審査で、
資金調達の確実性など3項目で不適合と判断され、点数制の詳細審査に進めなかった。
審査委によると、事業会社の提出資料では、出資・融資予定者が途中で大きく変更されていた。出資・融資予定者が資金提供先に送付する確約文書も、一部が未提出だったり、宛先に不備があったり、不透明な部分が多くみられ、審査委は「資金調達の確実性を裏付ける根拠が十分とは言い難い」と結論付けた。
2023.12.04-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231204-ZO5IBMMJ75IJRPFWSASLLCCGEY/
大阪IR予定地で土壌対策工事始まる 万博会場に隣接、準備への影響懸念
大阪市で進むカジノを含む統合型リゾート施設(IR)計画を巡り、
大阪府と市は4日、運営事業者側による予定地の液状化対策工事が始まったと明らかにした。
初期投資額約1兆2700億円の巨大プロジェクトで、
令和12年秋ごろの開業に向けた実質的整備がスタート。
予定地は大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で、会場が隣接する2025年大阪・関西万博の開幕準備への影響も懸念される。
府市によると、
液状化対策工事は3年を見込む。来年夏以降、完了した区域から準備工事に入り、令和7年春から建設工事を始める予定。
万博会場の関連工事は6年秋にピークを迎える見通しで、工期重複による工事車両渋滞が見込まれる。市はアクセス改善のため予定地につながる高架橋を前倒しして完成させる方針だ。
IRを整備するのは、万博会場北側にある敷地49万平方メートル。運営事業者となる「大阪IR」は、9月に府との間で開業に必要な実施協定を締結した。
液状化対策費は255億円で、土地を所有する市が負担する。
2023.09.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230928-U7QDWAZFIJNXJIEVMTUDCHFX3A/
国から課された7条件と撤退リスク 大阪IR、開業に向けスタート切るも課題山積
(北野裕子、吉田智香)
大阪府市が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)について
府と事業者が28日、実施協定を締結し、国内初のIR開業に向けた整備が本格化することになった。
ただし開業までには、国側が大阪IRの区域整備計画認定に際して付した7条件への対応が求められるほか、
今後の状況次第で事業者側が撤退するリスクも残されており、乗り越えるべきハードルは少なくない。
「大阪のベイエリアで世界最高水準のIRを実現したい。その一歩へ、非常に大きな節目になった。極めて重要な日だ」大阪府の吉村洋文知事は28日、実施協定締結の調印式に臨み、こう強調した。
国は4月、府が申請した整備計画を認定する際に7つの条件を付した。具体的には、
▽IR全体の売り上げの8割を想定するカジノ収益をカジノ以外の事業に投資すること
▽軟弱地盤が見つかったIR用地で想定以上の沈下などが判明した場合の対策検討
▽ギャンブル依存症に関する調査と防止策の検証-などだ。
府市は8月、整備計画認定後初めてとなる住民説明会を開いた。参加者からは、地盤沈下時の対応や経済波及効果の実現可能性などを巡り、質問が相次いだ。府市は今後も府内で説明会を開き、理解を求める。
ギャンブル依存症対策としては、相談から治療までを行う「大阪依存症センター」(仮称)に関する有識者の検討委員会を設置し、今年5月から議論を始めた。
府市は毎年、取り組みの状況を国に報告し達成を目指すが、もう一つの懸念材料は事業者の撤退リスクだ。実施協定では、
▽観光需要の新型コロナウイルス禍前水準への回復
▽IR用地の土壌対策▽インフレなどにより初期投資額の増額が見込まれない-などを前提条件とし、いずれか一つでも達成できないと事業者が判断すれば、撤退できるとした。当初の撤退判断の期限は令和5年9月だったが、事業者側の意向をくみ、実施協定では8年9月まで延長した経緯がある。
吉村氏はこの日、記者団に
「事業者はリスクを背負って巨額の投資をする。ビジネスが成り立たなければ撤退する権限はあるが、互いにリスクを分担し世界最高水準のIRを成功させたい」と述べた。
「持続可能な発展へ注視を」
こうした現状を専門家はどう見ているのか。静岡大の鳥畑与一教授(金融論)は、府市のギャンブル依存症対策について
「相談から治療までワンストップで受け付けるセンターを設置するとしているが、依存症の拡大を抑止する効果的な対策を迅速に講じるためにも、府市から独立した組織が必要ではないか」と指摘する。
そのうえで
「海外では依存症対策の独立機関を設けたり、大学と協力して依存症の調査を行ったりしている。大阪でも消費者を守る取り組みが求められ、開業に反対する府民らと真摯(しんし)に対話を続ける必要がある」とした。
また、
日本を訪れる外国人旅行者数は新型コロナウイルス禍前の約8割に回復しつつあることから「『世界最高水準』を目指す大阪IRが、モデルとするシンガポールや、今後変貌が予想されるマカオなど海外のIRとの競争に勝ち、安定的に外国人観光客や富裕層を呼び込めるかどうかも課題だ」と述べた。
鳥畑氏は、事業者が実施協定締結に際し、初期投資額を当初から1900億円増の1兆2700億円としたことに言及。「事業者側のIR実現に向けた強い覚悟の表れといえ、持続可能な発展につながるかどうか注視したい」と語った。
(北野裕子、吉田智香)
2023.09.05-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/67611418786af7af13300a371ba9518d5a80b12f
IR開業遅れ、鉄道各社に冷や水 延伸計画にも影響か
(黒川信雄)
大阪府市が5日公表したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の実施協定案では、
開業時期が当初の計画からさらに後ろずれし、令和12年秋ごろになると記された。しかもそれは「工程が最も早く進捗(しんちょく)した場合の想定」で、工事の進捗などによっては「1~2年程度後ろ倒しとなる可能性」があるという。
関西の鉄道各社は、IR開業を見越して延伸や新型列車の開発を進めているが、繰り返されるIRの開業延長は、各社の計画に影を落としそうだ。
IRの誘致が計画される大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)では、7年に大阪・関西万博が開催される。それに合わせて夢洲には新駅「夢洲駅」が開業し、大阪メトロが現在はコスモスクエア駅が終点の中央線を新駅まで延伸する。万博期間中は中央線を大幅に増便し、夢洲への来場者の輸送を支える構えだ。
ただ万博閉幕後は、担当者が「需要に応じての運行となる」と説明するなど、運行計画が見通せていない。万博の跡地を巡っては大阪府市が開発計画を検討しているが、依然として決まった内容がない状況だ。府市は夢洲を「国際観光都市として開発する方針」(担当課)で、人の居住は想定していないという。
定住人口がいなければ鉄道需要の安定性を欠くため、夢洲方面への鉄道需要は必然的にIRに頼らざるを得なくなる。このため、IRの開業遅れは鉄道各社の計画に影響を及ぼすことにつながる。
JR西日本は現在、桜島線の夢洲への延伸を検討しているが、輸送需要が見通せず、実現に向けては慎重姿勢を崩していない。延伸には海底トンネルを2本掘らねばならず、巨額の資金が必要なためだ。
京阪ホールディングス(HD)はIRの開業に向け、中之島線を大阪メトロ中央線九条駅に接続する延伸案を検討している。7月に検討委員会を立ち上げ、今年度内にも延伸の可否を最終決定する方針。
近鉄グループHDは、奈良駅に至る奈良線と、大阪メトロ中央線に乗り入れるけいはんな線を接続させ、奈良と夢洲を直通で走る列車の開発を進めている。ただ各社とも、
実際のIRの開業時期と、需要の見定めを慎重に進める構えだ。 日本総合研究所の藤山光雄・関西経済研究センター副所長は
「IRの開業遅れが続けば、鉄道や観光関連企業が投資に慎重になるのは必至だ。
大阪府市と事業者は現実的な開業時期を示し、一度決めたならば、その時期を動かさない姿勢が必要になる」と指摘している。
(黒川信雄)
2023.04.17-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230417/k10014041151000.html
大阪府など “IR説明動画 著作者から許諾得ていない可能性”
カジノを含むIR=統合型リゾート施設をめぐり、
大阪府などは、事業者側が作成し、公表していた動画と静止画について、著作者などから利用の許諾を得ていない可能性が高い著作物が含まれていたことを明らかにしました。
府などは、こうした動画などをホームページから削除し、利用を停止するとしています。
カジノを含むIR=統合型リゾート施設について、
政府は今月14日、2029年の開業を目指すとした大阪府と大阪市の整備計画を認定しました。
こうした中、IRの説明などに使用するため、事業者側が作成し、
大阪府などが公表していた動画と静止画について、アーティストの奈良美智さんが、みずからの作品のイメージが許可なく使用されていると指摘したことなどから、府などが事実関係を調べていました。
そして、
大阪府と大阪市でつくるIR推進局の担当者が17日午後、記者会見し、事業者側に確認した結果、奈良さんと、現代美術家の村上隆さんの著作物、合わせて2点について、著作者などから利用の許諾を得ていない可能性が高いという報告があったことを明らかにしました。
これを受けて、府などは、こうした動画と静止画について、ホームページから削除し、利用を停止するとともに、引き続き、事実関係の確認を進めるほか、著作物の権利関係の把握を徹底するよう事業者側に求めるなど、再発防止に取り組むとしています。
一方、府などによりますと、動画などを公表したあとのおととし10月に、外部から、著作物の権利に関する問い合わせがあり、事業者側に確認しましたが、「利用許諾を適切に取得している」などと回答があったということです。府と大阪市でつくるIR推進局の坂本篤則局長は、「確認が不十分だったことは否めず、おわび申し上げる」と述べました。
著作権管理など行う財団「著作権法に違反する行為」
今回の問題を受けてアーティストの奈良美智さんの作品の著作権管理などを行う財団がコメントを発表しました。
この中では「『あおもり犬(けん)』は、2006年の青森県立美術館の開館にあたり、奈良美智が故郷への万感の思いを込めて制作した非常に大切な作品です。著作者である奈良美智に許可なくこのようなイメージ図が作成されたことは極めて遺憾であり、著作権法に違反する行為と受け止めています。財団としても、大阪府市はじめ本件の関係者の方々に対し、誠実なご対応を求めていく所存です」としています。
「深く反省 再発防止策を講じる」
今回の問題を受けて、運営事業者の「大阪IR株式会社」の中核株主であるアメリカのIR運営会社「MGMリゾーツ・インターナショナル」の日本法人はコメントを発表しました。この中では「
今回の使用はひとえに当社の不注意によるもので、決して適切な手続きを経ることなく無断で使用する意図はありませんでした。今回の事態に至ったことを、重く受け止め深く反省しております。当社は引き続き調査を進めるとともに、徹底した再発防止策を講じてまいります」としています。
また同じく中核株主であるオリックスは「
芸術作品の使用については、その権利処理を含め大阪IRの共同事業者である『日本MGMリゾーツ』の親会社の『MGMリゾーツ・インターナショナル』が担当したものでした」とした上で「
当社といたしましても今般の事態は大変遺憾であり、著作権者および関係者の皆さまに多大なご心配とご迷惑をお掛けしましたことを、心よりおわび申し上げます」としています。
2023.04.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230414-MWIMPORRERM27BBXRGC4LSD5WE/
IR誘致に動いた関西財界、認定を歓迎 経済成長の起爆剤に
(井上浩平)
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)で、
大阪府市の整備計画が認定されたことを受け、
誘致を推進してきた関西財界からも歓迎の声が上がった。
令和11年開業予定のIRは、7年の大阪・関西万博後の経済成長の起爆剤になるとの期待が大きい。国際会議や展示会を開くMICE(マイス)施設活用による関西の国際競争力向上も重要になる。
「(予定地の)夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)が観光やビジネスの拠点として発展し、関西・日本観光のゲートウェイ(玄関口)となることを期待する」。関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)はこうコメントし、IR計画の認定に歓迎の意を示した。
万博会場と同じ夢洲で整備するIRについて、大阪府市は国内外から年間約2千万人の来場を見込み、
経済波及効果は近畿圏で年間約1兆1400億円と試算する。関西財界は、IRは地盤沈下が続く関西経済浮上のためには不可欠であるとし、府市と連携して誘致を進めてきた。
関西経済同友会は平成24年以降、IRを「急成長するアジアの人々を引き寄せるキラーコンテンツ」と位置付け、誘致促進を提言。29年には関経連と大阪商工会議所、府市とともに「夢洲まちづくり構想」を策定し、夢洲を国際観光拠点としてベイエリアを開発するスケジュールを示した。
さらに今年3月下旬には、関経連の松本会長と同友会の角元(かくもと)敬治代表幹事(三井住友銀行副会長)らが岸田文雄首相の後援会の会合に出席し、「IRの早期認定をお願いしたい」と要請している。
IRは施設全体の収益の柱にカジノを据えるのが一般的。大阪も売上高の約8割をカジノが占める想定でカジノが注目されがちだが、併設するマイス施設の活用による関西の国際競争力強化への期待も大きい。
角元氏は「ビジネスパーソンや研究者など世界中から多様な人々と最先端の情報、知見が集まり、人類共通の課題克服に向けたイノベーション(技術革新)を生み出す」と指摘。その上で「IRをトリガーに、関西全体の都市競争力向上と国内外への情報発信に取り組みたい」とした。
(井上浩平)
2022.04.27-NHK NEWS WEB(長崎NEWS WEB)-https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20220427/5030014639.html
IR整備計画 長崎県と大阪府の申請を受理 観光庁
カジノを含むIR=統合型リゾート施設について、
観光庁は、27日付けで長崎県と大阪府から整備計画の申請を受理したと発表しました。期限は28日までですが、ほかに申請の動きはなく、この2か所について有識者による審査が始まる見込みです。
IRは、カジノをはじめ、国際会議場やホテルなどが集まる統合型リゾート施設で、政府は、誘致を目指す自治体による整備計画の申請を28日まで受け付けています。
観光庁によりますと、27日付けで長崎県と大阪府から申請が届き、受理したということです。長崎県の計画では、佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」への誘致を目指していて、
開業の時期は、2027年の秋ごろとしています。
一方、
大阪府と大阪市の計画では、大阪湾の人工島「夢洲」への誘致を目指していて、開業の時期は2029年の秋から冬ごろとしています。
ほかに申請の動きはなく、今後はこの2か所の計画について観光庁が設置した有識者による審査委員会が魅力ある滞在型観光を実現できるかや、ギャンブル依存症への対策といった点について審査する見込みです。
観光庁は、十分な審査を行うことが必要なため、認定の時期は未定だとしています。
2022.04.20-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ4N4G6DQ4MPXLB016.html
和歌山、IR誘致は頓挫 国への計画の申請案、県議会本会議で否決-
(直井政夫)
和歌山県が誘致を進めるIR(カジノを含む統合型リゾート)計画を審議する臨時県議会の本会議が20日あり、国への計画の申請案を否決した。IR整備法は地元議会の承認を義務づけている。県は国へ計画を提出できなくなり、
IR誘致は頓挫した。
本会議の採決では、賛成18、反対22の反対多数で否決された。申請案は前日のIR対策特別委員会で反対多数で否決されていた。特別委では、「IRの誘致には賛成」という与党・自民県議からも「事業者の出資や融資の計画があいまいだ」と批判の声があがった。
計画では、人工島・和歌山マリーナシティ(和歌山市)の23・6ヘクタールにカジノ施設、国際会議場、宿泊施設などを建設。2027年秋ごろの開業を目指していた。県は「地域経済の活性化の起爆剤」として誘致を進めていた。
(直井政夫)
2022.01.30-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASQ1Y6WVZQ1YPTIL008.html
大阪IR整備計画に批判・疑問 公聴会で浮かんだ三つの論点
大阪府と大阪市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の整備計画案について、
住民から意見を聞く公聴会が29日終了した。公聴会とは別に実施している説明会も合わせ、
主な論点となったのは収益・経済波及効果、ギャンブル依存症対策、説明のあり方だった。住民から寄せられた疑問に、府・市はどう答えたのか。(筒井竜平、浅沼愛)
経済効果
府・市はIRを「ポストコロナにおける観光需要の回復・反転攻勢に転じる取り組み」と位置づける。整備計画案では、来訪者は年2千万人、経済波及効果は年1兆1400億円などと試算するが、詳しい算出根拠は示していない。
住民側からは「関西経済が成長発展するため、IRが果たすべき役割は大きい」との賛成意見もあったが、反対意見の方が多かった。「『大阪の経済が潤う』と呪文のように言われても、信用できない」「商店街にパチンコ屋をつくれば周辺が潤う。そんな貧弱な発想と同じ」
2022.01.27-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/3bc0e95340182a38fd024db374f8042ed8282614
IR住民投票案検討も賛否は示さず 自民大阪市議団
大阪府と大阪市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐり、自民党大阪市議団が2月開会の市議会定例会に計画の是非を問う住民投票を実施するための条例案の提出を検討している。
候補地の整備費として市が決定した新たな巨額負担など、IRに関する「負の側面」を知ってもらう思惑だが、会派としての賛否は示していない。
市議団が特に問題視するのは、候補地の人工島・夢洲(ゆめしま)(同市此花区)の整備で投入される約790億円だ。
供用地で液状化層や土壌汚染が見つかり、対策費として土地所有者の市が負担。事業者への賃料には反映されないため「
IR優遇」が過ぎるのではというわけだ。
市議団の北野妙子幹事長は18日、条例案提出の意向を示すとともに「市民生活にどんなことが負担としてのしかかってくるのか。新たな事実を知ってもらう機会だ」と述べた。
市議団としては誘致を推進する自治体運営の不安要素を強調したいところだが、政権与党の自民党はIRの旗振り役。「
市議団として賛成か反対か決めかねている状況だ。市民がどう思うのかについての情報提供の意味もある」(北野氏)という。
府市は2月開会の府市両議会でIRの区域整備計画案の議決を得た後、4月までに国に提出する方針だ。市議団からすれば住民投票の実施について審議するのは、この議会が最後のタイミングとなるが、
自民党大阪府議団の一人は「聞いていなかった」とこぼす。
市議団は自民府連との調整や各会派との協議を経て議案を上程するか決めるが、住民投票の実現に向けたハードルは高い
最大会派である大阪維新の会は推進派で、公明党市議団幹部も取材に「(自民側から)説明を受けたが、賛成しかねるといったん返事をした」と明かす。 自民市議団の動きに対し、大阪維新前代表の松井一郎・大阪市長は「自分たちが判断することから逃げたいだけで無責任極まりない。政治家を辞めた方がいい」と痛烈に批判する。
23日に市内で開かれた府民ら対象の公聴会では、住民投票の実施を求める声も上がったが、
松井氏は「選挙の公約に掲げて議席を得てきた」とし、住民投票は不要との姿勢を堅持している。
2021.12.21-Yahoo!Japanニュース(KYODO)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f5939cd333ac65e808de64171f163b1caeddbb9c
大阪IR、29年秋開業目指す パナやJR西、20社が出資へ
大阪府と大阪市は21日、誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の事業内容をまとめた区域整備計画案の骨子を発表した。
パナソニックやJR西日本など関西の大手企業を中心とする20社が出資し「大阪IR株式会社(予定)」を設立。早ければ2029年秋の開業を目指す。
運営時の近畿圏での経済波及効果を年間約1兆1400億円と算出した。
新会社は、運営事業者の米カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスに加え、関西企業など20社で構成。
出資金約5300億円を、MGM、オリックスがそれぞれ40%、残りの20%を地元企業20社で分担する。
2021.12.19-日本経済新聞-https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE192EB0Z11C21A2000000/
海外オンラインカジノ、日本からアクセス急増 規制困難
インターネットを通じて実際に金銭を賭けるオンラインカジノに、
日本からのアクセスが急増している。
日本はギャンブルが原則禁止されており、オンラインカジノ利用も違法。だが新型コロナウイルス流行に伴う外出自粛を背景に、今年9月のアクセス数は3年前の100倍以上に増えた。海外事業者の摘発や規制は困難でガードの甘い日本市場が狙われている。
国内からオンラインカジノへのアクセス数は米国、ドイツに次ぐ世界3位で、
日本は今や「
違法カジノ大国」になった。専門家は「早急に法律で規制する必要がある」と警告した。
デジタル分析支援会社、シミラーウェブジャパン(東京)の調査によると、
オンラインカジノへの日本からのアクセス数は、2018年12月に月間約70万回だったが、19年2月ごろから急増。コロナ禍が本格化した20年1月には約7820万回まで増えた。その後はいったん減少したが、20年8月から再び増加に転じた。
21年9月は約8300万回を記録し、18年12月の約118倍に膨らんだ。
国別アクセス数は、米国の約2億5800万回が最多で、
2位は約1億400万回のドイツだった。
20年末までは大手サイト「ベラジョンカジノ」が日本からのアクセスをほぼ独占していたが、21年に入り月間アクセスが1千万を超える大手サイトが複数出現。いずれも日本語のサイトを開設し、海外事業者が「日本市場」の開拓を競う現状が浮かぶ。ベラジョンカジノへのアクセス方法は21年9月で、スマートフォンなどモバイル端末からが67%を占めた。
日本は公営ギャンブル以外の賭博が禁止されている。海外で運営されるオンラインカジノも日本で金銭を賭けていることに変わりはなく、利用者が違法行為として摘発された例もある。ただ海外事業者の取り締まりは非常に困難で、事実上野放し状態だ。
国際カジノ研究所の木曽崇所長は「
スマホが一番身近なギャンブル場という異常な状況。英語圏で市場が飽和し、事実上規制のない日本が狙われている」と指摘する。
国内参加者は1年間で約200万人、海外へ流出している賭け金は数百億円に上ると推計する一方で違法性の認識は驚くほど低いといい、木曽氏は「
営業時間規制やギャンブル依存症対策、適切な課税の仕組みを早急に検討すべきだ」と指摘した。〔共同〕
▼オンラインカジノ 会員登録してパソコンやスマートフォンからお金を賭けてスロットやバカラなどのゲームができる仕組み。主に海外の事業者が運営しており、大半は地中海の島国マルタやカリブ海のオランダ自治領キュラソーなど、ギャンブルが合法の国でライセンスを取得している。日本国内からアクセスして賭博をすれば刑法の賭博罪に問われることがある。〔共同〕
2021.10.01-乗り物ニュース-https://trafficnews.jp/post/111327
IR計画の受け付け開始=3地域が意向、来年4月まで―政府
政府は1日、カジノを含む統合型リゾート(IR)について、誘致を目指す自治体の整備計画の申請受け付けを始めた。IR実施法に基づく手続きで、期限は来年4月28日。大阪府・市、和歌山県、長崎県が申請の意向を表明している。政府は最大3カ所を選ぶが、決定時期は未定で、見通しははっきりしていない。
赤羽一嘉国土交通相は1日の閣議後記者会見で、「IRは観光立国の実現に向けた重要施策だ。誘致を検討している自治体では(新型コロナウイルスなどの)リスク評価も含め、準備が着々と進んでいると承知している」と述べた。
3地域は既に事業者の選定を終え、具体的な整備計画の作成に着手。今後、地元議会の承認を得た上で、申請期限までに国に提出する。いずれも2020年代後半の開業を目指している。提案ベースの事業規模は、長崎の3500億円から大阪の1兆800億円まで幅がある。
政府は有識者ら8人で構成する委員会で各地の計画を審査し、整備区域を認定する。施設の規模やコンセプトに加え、経済効果や交通アクセス、ギャンブル依存症対策などが判断基準となる。認定は3カ所と限らず、決定時期も未定だ。
政府は当初、整備計画の申請期間を今年1月4日~7月30日とし、20年代半ばの開業を目指していた。だが、新型コロナや現職国会議員の汚職事件の影響で、ずれ込んだ経緯がある。
首都圏で唯一誘致を表明し、有力視されていた横浜市では8月の市長選で推進派の現職が落選。初当選した山中竹春氏は、計画撤回を表明した。
◇事業者が提案する各地のIR概要
【大阪府・市】・・・ 事業者-MGMリゾーツ・インターナショナル(米国)、オリックス、建設地-夢洲(大阪市)、施設床面積-77万平方メートル、事業規模-1兆800億円,目標年間来場者数-2050万人
【和歌山県】・・・・ 事業者-クレアベストグループ(カナダ)、建設地-和歌山マリーナシティ(和歌山市)、施設床面積-56.9万平方メートル、事業規模-4700億円,
目標年間来場者数-1300万人
【長崎県】・・・・・・ 事業者-カジノオーストリア・インターナショナルジャパン、 建設地-ハウステンボス(佐世保市)、施設床面積-50万平方メートル、事業規模-3500億円、目標年間来場者数-840万人
2021.09.28-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/642bb27d3506fe2c179dd92b60521ddbeeed3564
大阪IR事業者決定 国の認定獲得にはハードル
大阪府市がオリックス、米MGMリゾーツ・インターナショナルの連合を大阪IRの整備事業者として正式に選定した。来年4月末が締め切りの国に対する区域整備計画の認定申請に向け、
府市とMGM連合は共同での計画策定作業を本格化させる。国が求めるのは、観光産業の国際競争力を高めつつ、訪日客が各地を旅行し、
広域で経済が潤うIR施設。基準をクリアできる計画づくりに向けては、事業者と行政が乗り越えるべきハードルは決して低くない。
政府が昨年12月に発表したIR基本方針によれば、IR誘致を目指す自治体が提出する区域整備計画は10以上の基準で評価される。
具体的には、
大規模で、地域の新たな象徴になりうる建築物を含む全体計画▷重要な国際会議などに対応したMICE(国際会議・展示場)施設▷客室の広さ、設備を備え、国際競争力がある宿泊施設▷他の施設とバランスがとれたカジノ施設▷訪日客が各地を観光するための送客施設を備え、国内外の主要都市への移動が容易―などだ。
関西の経済界からは、しっかりした計画をもとに「(収益性の高い)カジノを基盤に、MICEなど、将来性のある事業を安定的に進めてほしい」(関西経済連合会の松本正義会長)といった期待の声が上がる。
ただ、国が求める基準をクリアする計画を作るのは容易ではない。
たとえば、
IR誘致が予定される夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)へは、
令和7年の大阪・関西万博の開催決定で大阪メトロの中央線延伸が決まったが、他の鉄道会社は依然として慎重なまま。
施設・ホテルに訪日客らを集め、さらに他の地域への送客も求められるIRにとり、貧弱な交通インフラは大きな障害だ。
国の基準である、訪日客が各地を観光するための送客施設を備え、国内外の主要都市への移動が容易にすることも可能になるか怪しくなる。 大都市で、かつ1兆円規模という巨額投資を事業者が決めた大阪がどのような計画を打ち出すかは、日本のIR産業の行方を左右すると言っても過言ではない。
大阪以外にも和歌山県、長崎県がIR誘致を目指しているが、計画しているIRの規模は小さく、採算性の問題から誘致の実現自体を疑問視する声があるからだ。
そもそも、
IRそのものに対する反対意見も依然としてある。住民や経済界が歓迎できる計画をまとめ、国の認定を勝ち取ることができるか。大阪が直面する課題は決して小さくない。(黒川信雄
)
2021.07.21-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/a5ef06b19ca2eda95b6ca2f7472d1294e75d212d
ライバルはアジア 大阪IRへの1兆円投資発表
大阪府の吉村洋文知事は21日、
誘致を目指す統合型リゾート施設(IR)整備事業に関し、オリックスと米MGMリゾーツ・インターナショナルの連合が提出した
事業計画の投資額が「1兆円規模」だと正式に発表した。巨額の計画が実行されれば、新型コロナウイルス収束後の大阪・関西経済の成長に弾みがつく。
競争相手はシンガポールやマカオの巨大IR。歴史、文化など大阪独自の魅力を効果的に発信し、集客へつなげるといった戦略も求められる。
「
1兆円は段階的に投じられるのではなく、開業時までの投資規模になる。われわれが想定していた世界最高水準のIRになる」 吉村氏はそう語り、2020年代後半が予定される開業時までに、1兆円が投じられるとの考えを明かした。
府市はIRの段階的整備を容認していたが、事実上、方針を転換した。大阪IRは開業段階で相当な規模の施設となる見通しだ。 1
兆円は国際会議・展示場やホテル、コンサートやスポーツイベントが開催される大型施設、カジノなどの建設費用に充てられる。他のアジアや米国の主要IRより投資規模が大きい。
日本総合研究所の若林厚仁・関西経済研究センター長は「(大阪市此花区にある)建設予定地の夢洲(ゆめしま)への鉄道延伸など周辺地域のインフラ整備も動き出し、雇用創出も見込める」と計画を評価する。
連合が巨額投資の提示に踏み切った背景について、IR情報サイトを運営する小池隆由氏は「
米国がコロナ禍の影響から脱しつつあり、MGMの主要市場である米ラスベガスのIR業界の業績が急回復していることが大きい」と指摘する。
その上で、大阪IRの開業時にはコロナ禍の影響はさらに少ないと予想されるため「事業の収益性が十分見込めると判断したのだろう」と分析した。
開業後に立ちはだかるのは
アジアの主要IRだ。大阪IRは中心的な収益源であるカジノの主要顧客を海外からの富裕客と想定しており、若林氏は「
シンガポールやマカオのIRと、顧客をめぐり厳しい競争になる」と語る。
これらとの競争に打ち勝つため、大阪IRは「
他国の模倣ではなく、大阪が持つ潜在力を最大限に生かす」(関係者)ことが求められる。
施設の整備に加え、インバウンド(訪日外国人客)に好まれる大阪独自の伝統・現代文化や和食、歴史を楽しめるようにするなど、コンテンツ面の充実が求められる。
府市が連合を事業者として正式に選定すれば、両者は来年4月に共同で国に提出する最終的なIRの整備計画を提出する。巨額投資をIR内にとどめず、関西経済の発展につなげる工夫も両者には求められている。(黒川信雄
)
2020.5.5-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/west/news/200505/wst2005050012-n1.html
万博会場・IR予定地工事が危惧するコロナの影響
(1)
2025年大阪・関西万博の会場であり、大阪府市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の候補地でもある大阪湾の
人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)。2大プロジェクトの舞台として、今春から土地造成やインフラ整備が本格的に始まった。だが、
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、主要ゼネコンで工事中断が相次ぐなど建設業界では不透明感が漂う。夢洲での工事は継続されているが、今後の見通しはどうなるのか。
現場での感染も
夢洲をめぐっては現在、万博予定地(約155ヘクタール)の土地造成工事が急ピッチで行われているほか、道路の拡幅、上下水道の増設、大阪メトロ中央線の延伸といった複数のインフラ整備が同時並行で進んでいる。
ほぼすべてを
万博開幕前の令和6(2024)年度末までに完了させる計画で、総事業費は963億円を想定。今年度当初予算だけでも約75億円規模に上る。
市は
緊急事態宣言を受け、夢洲の工事を請け負うJV(企業共同体)に聞き取りを実施。工事の中断も了承するとしたが、
事業者側は予定通り行う意向を示したという。
ただ、建設現場での感染拡大の恐れもあり、予断は許さない状況だ。
実際、東京都では4月、同じ現場で働いていた清水建設の作業員3人が新型コロナに感染、うち1人が死亡した。同社は
緊急事態宣言が解除されるまで、東京や大阪などでの工事中断を決定。このほか、西松建設も大阪など7都府県で原則全工事を中断している。
(2)
大阪市のある幹部は、「
1つの現場で感染者が出れば、集団感染が発生する可能性はある。感染予防は事業者に任せているが、状況に合わせて対応したい」と気を引き締める。
事業計画に遅れ
世界的な「コロナ禍」は、万博や府市のIRの事業スケジュールそのものに影響を及ぼしつつある。
政府は大阪万博の開催計画を記した「登録申請書」を6月にパリで開かれる博覧会国際事務局(BIE)総会に提出し、承認を得る予定だったが、感染収束まで総会は延期されることに。政府は次回の総会での承認を目指し、準備を進めるが、正式に承認されるまで、
各国へ大阪万博参加の呼びかけはできない。
また、府市が誘致を進めるIRでは、
感染拡大で事業者の公募手続きを3カ月遅らせることを決定。事業者への土地の引き渡し時期も遅れることから、理想としてきた
万博前のIR開業を断念することになった。
着工時期不透明に
大阪万博の建物工事での受注を目指す在阪ゼネコンの担当者は、コロナ禍をめぐる建設現場の状況について「作業員や建設機材をどの期間確保しておけばいいのか、工事の開始時期が不透明となっている」と指摘。混沌(こんとん)とした状況が今後も続けば、「
万博でも(建物工事の)着工のタイミングが軒並み遅れることも考えられるのでは」と予想する。
一方、関西経済を中長期的に展望する日本総研の石川智久・上席主任研究員は、「新型コロナ後の世界
『アフターコロナ』の視点で、より万博に注目が集まっている。
万博まではあと5年。腰を据えて対応できる時間は十分ある」と指摘。その上で、夢洲での工事について感染拡大が長引いた場合、「突貫工事をするのではなく、工期に間に合わせるための新技術や機械化の導入など、現場の工夫も必要になってくるだろう」と話した
2020.3.27-NHK NWES WEB-
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200327/2000027131.html
大阪府市 IR万博前開業は撤回
大阪府と大阪市が誘致を進めている
カジノを含むIR=統合型リゾート施設について、府と市は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、事業者側との協議が進んでいないとして、ことし6月ごろとしていた事業者の選定時期を延期するとともに
、「大阪・関西万博前の開業を目指す」としていた条件についても撤回することを決めました。
大阪府と大阪市は、大阪・此花区の夢洲への誘致を目指しているIRについて、ことし6月ごろに事業者を選定する方針でした。
しかし、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、事業者側との協議が進んでいないことなどから、選定時期を3か月程度、延期する方針を決めました。
また、これに伴って、議会の同意を得たり、事業者に土地を引き渡したりする時期にも遅れが生じるとして、事業者の募集要項に盛り込んだ、「大阪・関西万博前の開業を目指す」とする条件についても撤回することを決めました。
一方、遅くとも2026年度末までに開業するという条件については、変更はないとしています。
大阪へのIRの誘致をめぐっては、アメリカと日本の共同グループが、応募条件となる書類を提出していて、府と市は、引き続き、この共同グループを軸に調整を進めることにしています。
2020.2.20-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/life/news/200220/lif2002200030-n1.html
「リゾート型」で大阪と差別化 和歌山県、IR実施方針案公表
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指す和歌山県は20日、IRの実施方針案を公表した。豊かな自然と観光資源を活用した「リゾート型」を打ち出し、
昨年11月に先行して実施方針案を公表した大阪府・市との差別化をはかる。
誘致先は和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」の23・63ヘクタール。カジノ施設はIR施設全体の床面積の3%を超えない規模とし、おおむね10万平方メートル以上の宿泊施設や、国際会議場・展示場(MICE)を併設する。
実施方針案では、「多種多様な観光資源を背景にしたリゾート型IR」を基本的な構想とし、日本遺産に認定されている和歌浦湾に面した立地条件を活用。温泉や食文化、マリンレジャーなどの体験メニューを提供するとした。
大阪府・市など都市部に比べ、これまで外国人観光客が訪れることの少なかった地方と世界を結ぶ「観光ゲートウェイを形成する」とし、移動や予約などに必要なサービスを「ワンストップ」で提供。来場者を県南部や伊勢湾、四国などにも送り出す「観光街道」を形成するとした。
今年春ごろにIR事業者を公募。2025年大阪・関西万博までの開業を目指す。
和歌山県のIRには、これまでにフランスとフィリピン、香港の計3社が参入に意欲をみせている
和歌山県IR基本構想
~ 和歌山県が目指すリゾート型IR構想について ~
○単なるカジノホテルではなく、様々な施設(※中核施設)が一体となった複合的な観光集客施設
○日本で認められるカジノ施設の規模は、IR施設の延べ床面積3%以下
○民間事業者により設置・運営される(民設民営) ➡ 国が設置するカジノ管理委員会による徹底的な信用調査が行われ、クリーンな企業のみが日本で 事業を行うことができる
2020.2.14-GOO ニュース-https://news.goo.ne.jp/article/abcnews/region/abcnews-5048.html
カジノを含む統合型リゾート=IRの事業者公募 応募は1組のみ 大阪府市
カジノを含む統合型リゾート=IRの事業者を公募していた大阪府と大阪市に、1組からしか応募がなかったことがわかりました。
IRの誘致を目指す大阪府と大阪市は去年12月、全国初となる事業者の公募を始め、14日午後5時までに手続きに必要な書類を提出するよう求めていました。大阪府の吉村知事は先ほど取材に応じ、書類審査に応募したのは
アメリカのカジノ大手、MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループの1組だけだったことを明らかにしました。他の事業者は大阪から撤退すると連絡を受けたということです。公募した事業者は4月ごろまでに具体的な事業計画を提案し、6月ごろに最終決定します。
2020.2.12-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/economy/news/200212/ecn2002120039-n1.html
政府、2020年代半ばのIR開業方針変えず
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で収賄罪で起訴された衆院議員の秋元司被告(自民を離党)が12日夜に保釈され、立憲民主党など主要野党は秋元司被告の証人喚問を求める方針だ。IRに対する風当たりは厳しくなりそうだが、
政府は予定通り2020年代半ばのIR開業を断行する構えを崩していない。国内外から多くの集客が見込まれるIRは東京五輪後の景気を下支えし、地方創生の起爆剤として期待が高いためだ。(大島悠亮)
「IR事業にさらに厳しい目が向けられるようになったのは事実だ」。IRに携わる政府関係者は昨年12月、IR担当の内閣府副大臣だった秋元被告の汚職事件を振り返り、肩を落とした。
政府は当初、事件を「議員個人の問題」(政府高官)と意に介さない様子だった。副大臣は「大半が1年で交代する上、大臣に比べて権限も弱い」(官邸筋)ため秋元被告の影響力は限られていた。別の政府高官は「そもそも今の政権が中国企業の参入を認めるはずがない」と話す。
だが、通常国会で主要野党が首相主催の「桜を見る会」とともにIRを政権批判の目玉として据えたのを受け、政府は方針を転換。1月中に決定する予定だった基本方針は「より丁寧に説明する必要がある」(高官)と判断し、今春に決定を先送りした。昨年7月に参院選への影響を考慮して公表時期を遅らせたのに続き、政治的理由で先送りを余儀なくされたのは2回目。しかも、足元では桜を見る会をめぐる公文書管理のあり方と合わせ、IRを主導する菅義偉(すが・よしひで)官房長官を野党がターゲットにしており、IRへの逆風は厳しさを増す。
2020.1.23-NHK NWES WEB-
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200123/k10012256901000.html
IR汚職事件 大手カジノ事業者日本法人を捜索 東京地検特捜部
IR=統合型リゾート施設をめぐって秋元司衆議院議員が再逮捕された汚職事件の関係先として東京地検特捜部が海外の大手カジノ事業者の日本法人を捜索していたことが関係者への取材で分かりました。秋元議員は贈賄側の中国企業の招待でマカオを訪れた際、この事業者が運営するカジノを訪れていたということで、特捜部は当時の詳しい経緯について調べを進めているものとみられます。
IRなどを担当する内閣府の副大臣だった衆議院議員の秋元司容疑者(48)は3年前の平成29年12月、贈賄側の中国企業に招待されてマカオなどを訪れた際、およそ150万円相当の旅費の提供を受けたなどとして収賄の疑いで再逮捕されました。
この旅行の際、
秋元議員は、海外の大手カジノ事業者が運営するマカオのカジノを訪れていて、東京地検特捜部が事件の関係先として、東京 千代田区にあるこの事業者の日本法人を捜索していたことが関係者への取材で分かりました。
特捜部は押収した資料を分析するなどして秋元議員がマカオを訪問した際の詳しい状況について捜査を進めているものとみられます。
大手カジノ事業者の日本法人はNHKの取材に対し「
捜査についてはコメントできない。運営するマカオの施設を秋元議員が視察に訪れたことはあるが、違法なことは一切ない」と話しています。
弁護士によりますと秋元議員は一連の事件について全面的に不正を否定しています。
2020.1.21-TBS NEWS-https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3884898.html
IR基本方針、月内決定を先送りへ
カジノを含むIR=統合型リゾート事業の整備をめぐって、政府は整備地の認定基準に関する基本方針の決定時期を当初予定された今月末から先送りする方向で調整に入りました。
政府は、今月末までにIRの整備地の認定基準に関する基本方針を決定し、来年にも全国で最大3か所を整備地に認定する予定でした。しかし、複数の関係者によりますと方針の決定時期について政府は先送りする方向で調整を始めたということです。
IR汚職事件を受け主な野党はカジノを禁止する法案を国会に提出。また、与党内からも「国民の理解を得られる形で進めるべき」といった意見が出ていて、政府は、今後の国会審議などを見極め対応を決めることになります。
2020.1.8-毎日新聞-https://mainichi.jp/ch191253505i/IR%E6%B1%9A%E8%81%B7
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡り、元自民党の衆院議員、秋元司容疑者らが逮捕されたIR汚職事件のまとめです。
(2020.1.8)-
IR汚職 維新・下地議員が離党届 100万円受領、議員辞職は近く結論
衆院議員の秋元司容疑者(48)=収賄容疑で逮捕=への贈賄容疑で逮捕された中国企業「500ドットコム」の顧問から現金100万円を受け取っていた日本維新の会の衆院議員、下地幹郎元郵政担当相(58)=比例九州=は7日、離党届を出したと表明した。議員辞職については「さまざまな方々と相談し、(20日召集予定の)通常国会が始まるまでには結論を出したい」とした。
(2020.1.7)-
維新・下地議員が離党届を提出 議員辞職は「通常国会までには結論を」 IR汚職-【遠藤孝康】
カジノを含む統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者(48)=収賄容疑で逮捕=への贈賄容疑で逮捕された中国企業「500ドットコム」の顧問から現金100万円を受け取っていた日本維新の会の衆院議員、下地幹郎元郵政担当相(58)=比例九州=は7日、離党届を出したと表明した。議員辞職については「さまざまな方々と相談し、(20日召集予定の)通常国会が始まるまでには結論を出したい」とした。
下地氏は那覇市の事務所で後援会の会合を開いた後、報道陣の取材に「7日午前に維新の馬場伸幸幹事長に離党届を提出した」と明らかにした。理由については「党のイメージを考え、早めに離党した」と述べた。政治資金収支報告書は修正したという。
下地氏は6日に記者会見し、2017年10月の衆院選期間中に「500ドットコム」顧問の紺野昌彦容疑者(48)から事務所の職員が選挙資金として現金100万円を受け取っていたことを明らかにした。紺野容疑者が固辞したために領収書を発行せず、政治資金収支報告書などには記載していなかったとしている。
下地氏については、日本維新の会の松井一郎代表が6日に「政治資金規正法違反にあたり、議員辞職すべきだ」と述べ、辞職が相当との考えを示していた。【遠藤孝康】
2019.12.26-
現職10年ぶり、秋元議員逮捕 IRの闇、解明なるか-【巽賢司、服部陽】
カジノを含む統合型リゾート(IR)参入に絡み、衆院議員の秋元司容疑者(48)が東京地検特捜部に逮捕された。捜査は、IR誘致レースの舞台裏で現金が飛び交っていた疑いを浮上させた。不祥事で一度は信用を失った特捜部にとって10年ぶりの現職国会議員の逮捕。今後の捜査で真価が問われそうだ。【巽賢司、服部陽】
国会にらみ越年捜査
特捜部が、年の瀬の迫った異例の時期に現職国会議員の逮捕に踏み切ったのは、国会審議への影響を最小限に抑えるためだったとみられる。捜査の焦点は、中国企業から不正な依頼が明確にあったか否か、あったとすれば、それを受けて秋元議員が具体的にどのような便宜を図ったかに移る。
IR-
https://www.kkc.or.jp/plaza/basic/ir.html
企業広報プラザ
1.IRの目的
IR(インベスターリレーションズ)とは、
株主・投資家に対し投資判断に必要な企業情報などを適時、公平に継続して提供する活動であり、株主・投資家(インベスター)との間に良好な関係(リレーションズ)を築くことで、有利な資金調達が可能になるなどのメリットがある。
最近では、日本企業の海外での資金調達が進み、情報開示、IRに関する意識が高まったことや、外国人投資家が増大するなどによりIRが重要視されるようになってきている。
IRと広報の違いは、
広報は社会一般に対して企業の商品や活動などを広く知らせイメージアップを目的とするのに対し、
IRは株主・投資家などに投資判断に関係する企業情報を、良し悪しに関わらず継続して発信するものである。IRを行う上で重要なのは「公正さ」と「説明責任」の意識である。
従来は、IRの対象は機関投資家が多く情報も一般の人に難しい財務内容などであったが、今日は個人投資家の増大により内容も一般的なものが多くなり、広報と内容が近くなってきている面もある。
IRの目的は、一言でいえば企業が経営していくための体力(エネルギー)がどれだけあるのかを報せることである。
2.IRの具体的活動
IR活動の方法には大きく2通りある。
1つは対面で話をする方法で、(1)経営方針や企業理念を紹介する企業説明会 (2)質疑応答により進められるスモールグループ・ミーティング (3)決算説明会 などがあり、密度の濃いやり取りをすることが出来る。
もう1つは、出版物として(1)アニュアルレポート (2)アニュアルレポートを補完するためのデータをまとめたファクトブック (3)事業報告書 などがある。これは、特定の対象に対し、確実に情報を送り届けることが出来る。これ以外にも、ニュースリリースやIR広告などがあり、不特定多数を相手にする時に有効な方法である。IRのポイントは、自発的に継続的な情報開示を行うことである。また、公平かつオープンな情報開示が必要である。いずれにしても、IR活動を行うには、ターゲットに適した方法で、伝えるべきメッセージを何事もベクトルをひとつにして実施することが重要である。
最近では、インターネットを活用したIR活動を展開する企業も増えはじめ、自社のホームページでリアルタイムに公開し、情報開示の透明性を高めている。
インターネットのメリットは、速報性と双方向性である。最新情報をタイムリーに提供できるほか、時間がかからずに更新することもできる。他にも、日本だけでなく世界各国に配信ができるなどのグローバル性や、静止画だけでなく動画で決算説明会の様子を配信できることも大きなメリットである。
3.IRを広報部門が担当するメリット、デメリット
最近は株主・投資家対応の重要度がますます高まる中で、独立組織を設置する企業も増えてきている。当センターが実施した『第12回企業の広報活動に関する意識実態調査』によると、広報を担当する組織として「広報IR部(室)」を設置する企業は13.0%にとどまっている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
広報がIRを兼ねた場合、マスコミに発信する情報と、投資家やアナリストに発信する情報を一元化することで統一できるといったメリットがある。その反面、デメリットとしては、広報とIRが持つそれぞれの役割を正しく理解した上で、内容や相手に合わせて開示方法やタイミング、情報量などを判断していかなければならず、時には混乱を招く可能性がある。
同じ情報であっても、広報には広報の、IRにはIRのアプローチが必要である。ターゲットそれぞれの特徴を理解した上で、その特徴を上手く活用し、より確実かつ効果的に情報を届けなければならない。
IR担当者に必要なこととして、(1)コミュニケーションスキルを身につける (2)プレゼンテーション能力を持つ (3)国際的な感覚・語学力を身に付ける、といった技術・能力に加え (4)財務、会計、法律の専門知識を持つ (5)社内情報の収集力などがあげられる。
広報担当者は、コミュニケーションのノウハウを持っているが、財務や会計などの専門知識は相対的に弱い。一方、財務担当者であれば会計情報には強い反面、コミュニケーションに慣れていない。このような状況からも、IR活動を実施する上では、各部門の連携が不可欠である。