ジェネレーションZ
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(Z-世代)
ジェネレーションZ(
英:
Generation Z)、
Z世代とは、
日本や
アメリカ合衆国などにおいて概ね
1990年代中盤(または
2000年代序盤)以降に生まれた
世代のことである。
カナダ統計局の場合には
1993年生まれ以降を、
アメリカ心理学会の場合には
1997年生まれ以降を指すなど、定義は厳密に決められているわけではない(何年生まれまでを指すかについても、
2010年頃とされる場合や
2010年代序盤から中盤とされる場合もあり流動的である)。主に2010年代から
2020年代に掛けて社会に進出する世代となる。
生まれた時点で
インターネットが利用可能であったという意味で、真の
デジタルネイティブ世代としては最初の世代となる。
デジタル機器やインターネットが生まれた時から当たり前のように存在し、
Webを日常風景の一部として感じ取り、利用している世代である。また、
パソコンよりも
スマートフォン(スマホ)を日常的に使いこなし、生活の一部となっている「
スマホ世代(
iGen)」でもある。
さらに、ビデオ通話サービスの
Zoomを多用することから「
Zoomers(
ズーマーズ)」とも呼ばれる。成長期に
Web 2.0を当たり前のように享受し、情報発信力に長けているため、当該世代からは数多くの
インフルエンサーが登場している。
この他、
ジェネレーションZと同時期(1990年代〜2000年代)に生まれた若者は、
ジェネレーションC(英: Generation C)、
C世代(シーせだい)、あるいは
ニュー・サイレント・ジェネレーション(英: New Silent Generation)と呼ばれることもある。
特徴
ジェネレーションY(ミレニアル世代)よりもさらに周囲の
IT環境が進展しており、幼少期から“デジタル
デバイス(機器)やインターネットの存在を前提とした生活”をしているデジタルネイティブ(ネットネイティブ)世代である。生まれた時からインターネットに接続するための基本的な端末であるパソコンや
携帯電話が既に存在しており、インターネットを利用し始めた頃には
ADSLや
CATVなど
ブロードバンドによる
常時接続環境、
SNS含む
Web 2.0、さらにスマートフォンが普及し、個人の情報発信が身近となっていた。
前述のとおり、生まれた時にはインターネットが普及しており、主に
ブログやSNSから本格的なインターネット利用を始めた世代である。その直後にはスマートフォンが登場し、スマートフォンに最適化された生活を享受してきた(所謂「
スマホ世代(
iGen)」)。
検索エンジンで世界中の情報を瞬時に検索し、SNSで他者と繋がることを前提として生活しているため、インスタントな物を好む傾向にあるが、古典的な
アナログ中心の生活に対して新鮮味を覚える事も多い。
主にインターネットの商用利用が開始されていない時代に生まれ、成長期において発展途上にあったパソコンでインターネットを利用せざるを得なかった
ジェネレーションYと比較して、インターネットを日常生活に大胆な形(特に
Twitter、
Instagram、
TikTokなど)で取り入れ、自分ならではの新しい体験を追い求める傾向にある。
ジェネレーションZにとっては
原風景にインターネットが溶け込んでおり、最早インターネットの無い世界を想像することが難しい程である。
2020年に始まった
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響で、
義務教育と
高等教育の両方で、全社会的に実施された
遠隔教育(オンライン授業)を受ける最初の世代となった。
2020年時点で世界人口の約3分の1を占めており、割合は
ジェネレーションYを上回る。 少子高齢化が最も進んだ
日本においては、
ジェネレーションZを2020年6月時点での10歳〜24歳と定義した場合、それにあたる人口は1752万人であり、総人口の約13.9%となる
ジェネレーションY
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ジェネレーションY(
英: Generation Y)、
Y世代(ワイせだい)とは、
アメリカ合衆国などにおいて
1980年代序盤から
1990年代中盤(または
2000年代序盤)までに生まれた
世代のことである。
インターネット普及前の時代に生まれた最後の世代で、幼少期から
青年期に
IT革命を経験した
デジタルネイティブの最初の世代でもある。
ミレニアム(新千年紀)が到来した
2000年前後か、それ以降に社会に進出する世代という意味で、
ミレニアル世代(英: Millennial Generation)、あるいは
ミレニアルズ(英: Millennials)とも呼ばれる。
Y世代はZ世代以降が該当する
iGen(スマホ世代)への過渡期に当たる世代である。Y世代後半がティーンエイジャーであった2000年代でも
フィーチャー・フォンが主流で、不完全な
ブラウザ仕様や回線速度の制約で
SNSには対応出来なかったことから、同世代間のメッセージ交換は
電子メールあるいは
ブログ・
掲示板投稿に頼っていた。2000年代は高額な接続料金を別途支払えば
モバイル端末の
フルブラウザでインターネットが閲覧できるという時代で、最先端として
スマートフォンは存在していたが、前述の接続料金の問題だけでなく、機能的にも不十分で、高級機扱いにもなっていた。従って、当時のY世代にとってはインターネットをリアルタイムなコミュニケーションに使えず、ネットで面識のない他人と知り合う事も一般的でなく、リアルタイムな交流は未だ居住地域内に限定されていた点がiGenとの決定的な違いとなった。
特徴
ベトナム戦争終結後(
1975年)から
ベルリンの壁崩壊(
1989年、
冷戦終結)を経て
アメリカ同時多発テロ事件(
2001年)前までの時代に生まれた世代である。
第二次世界大戦の終結後に生まれた
ベビーブーマーの子供世代(
エコーブーマー、英: echo boomers)であり、「親が2人とも第二次大戦後生まれ」の
子供たちである。日常生活の
デジタル化の初期段階から
IT革命を体験した世代であり、
アナログ的な手段に理解を示しながらも
デジタルデバイスを好む傾向にある。
Web2.0時代が到来してからは、
電子掲示板や
ブログ、
Twitter、
Instagramなどに積極的に参加し、
オンラインを前提とした新しいカルチャーを形成して来た。
例えば、
1980年代に生まれた子供は幼少期に冷戦の終結と
社会主義の没落に遭遇し、
思春期を迎える
ティーンエイジャーの頃に
インターネットの爆発的普及を経験し、同時にキャッチアップも進めて来た。このため、インターネットを駆使して活躍する者が多いといわれている。また、
成人を迎える頃にはアメリカ同時多発テロ事件に遭遇しており、政府の経済や社会政策への介入を肯定的に見る者が多い世代でもあり、
バラク・オバマを大統領に当選させる原動力にもなった。不正を嫌う傾向にあり、
アメリカ国家安全保障局 (NSA) が秘密裏に行ってきた
個人情報収集の手口を
告発したことで、世界から注目を集めた
エドワード・スノーデンもこの世代である。
一方、1990年代にはインターネットの普及と共に
高校生や
大学生といった若者の間で
麻薬などの
ドラッグが広まった。それにより
犯罪を犯し、
刑務所から出所後も
就職できずに再びドラッグの乱用や犯罪を繰り返す若者が急増し、彼らは「新たな
失われた世代 (New Lost Generation)」とも呼ばれるようになった。
1980年代末から1990年代においては技術的な限界からアナログ的な手段も多用されていたが、幼少期から
テレビゲームや
CDを始めとしたデジタル化された生活に慣れ親しみ(
デジタルネイティブ)、成長期から
青年期に
携帯電話や
パソコン、インターネットに触れ始め、それらの進化と共に成長したため(詳細は後節)、以前の世代とは
価値観やライフスタイルなどに隔たりがあるとされる。少なくとも、
オンラインでのデータのやり取りを前提として生活しており、何事にも新しさとスピードを追い求めるため、昔ながらの
オフライン中心の生活(インターネットのない環境)には退屈する傾向を持つと言える。この世代でアナログ的で面倒な手段を楽しむ
懐古趣味的な
ブームも起きているが、それもオンラインありきでの付加的な娯楽として楽しまれているに過ぎない。当該世代ではIT業界の人気が高く、
第四次産業革命(4IR)の最初期の段階である
デジタルトランスフォーメーションの担い手にもなっている。
デジタル機器やインターネットとの関わり
ジェネレーションYの最大の特徴は史上初の
デジタルネイティブ世代ということである。インターネットによる情報流通の民主化と文化革命が達成された瞬間を体験しているため、環境変化への適応力が高いと言える。
1990年代:空前のマルチメディアブーム
ジェネレーションYが幼少期に経験した1980年代末から1990年代末という時代は、
マルチメディアブームの時代に当たる。この時代、最先端では
ゲーム機以外にも、
CGワークステーション、
GUI搭載パソコン、
CD-i、
ビデオCD、
PDA、
VR機器などインタラクティブ性を売りにする多種多様なマルチメディア機器が発売され、インターネットが民間に開放されると共に、当時の覇権国であるアメリカ合衆国の
クリントン大統領と
ゴア副大統領も
情報スーパーハイウェイ構想を発表する(この当時の
中国は発展途上にありIT国家ではなかった)など、電子情報の流通や利活用に対して全世界的に期待が集まっていた。しかし、当時のインターネットは回線速度が低速度(
ナローバンド)で利用料金が高額であり、文章閲覧や低解像度の画像閲覧という用途でしか実用的で無く、端末となるマルチメディア機器の値段は総じて数十万円以上と高価であると共に、家庭用の機器は性能も低かった。動画については画面解像度が
VHS未満かつ
フレームレートも15fps程度しかなく、提供される
コンテンツも実験的な物ばかりで、品質は格段に低かった。
この当時のマルチメディア機器は何でも出来るという多機能性を売りにしていたが、商品としては焦点が定まらなくなり、ユーザーにとっては何が出来るかが分かりにくくなり、技術的な限界もあって各機能単体で見た場合に性能が貧弱になり実用性にも乏しいという結果になった。その後、既に普及して一般にも理解されていたゲーム機が性能競争の過程で文字、音声、静止画、動画、
CGの全てに対応し、
ゲームクリエイターが際限なく高度な
エンターテインメントを志向してコンテンツ開発を続けた事で、
コンピュータゲームとしてマルチメディアを一般化させた。
Macintoshの
MYSTや
3DOの
Dの食卓といった
アドベンチャーゲームは最初期のマルチメディアの成功例として有名である。
1994年に
プレイステーションや
セガサターンが登場し、大手ゲーム会社が参入すると、ゲームとして
マルチメディアの完成度が高められた。
1997年の
ファイナルファンタジーVIIの大ヒットで、ゲームにおける
ポリゴンと
動画の融合については完成したと言える。
1998年の
ドリームキャストは
インターネット接続機能を搭載した、初めてのゲーム機となった。
この時代、趣味層は
パソコン通信で一足早く
オンライン生活に移行していた。
1995年:インターネットの民間開放
1995年に
インターネットが民間に開放された後、
Windows95が発売され、コマンド入力が不要の
マウス操作やインターネット接続対応を売りにした事で、一般家庭にもパソコンが普及し始めた。この当時の教育機関では家庭に先駆けてインターネット接続環境が普及し、パソコン授業でインターネットに触れる児童が初めて現れた。しかし、一般家庭においてはインターネット接続は電話回線経由が主流で、得られる情報に比してコストが高く付いたため、まだマニアの娯楽として認識されていた。しかし、先進的なIT企業により
WWWブラウザの開発は盛んに行われ、先進的なコンテンツクリエイターの間ではオンラインのマルチメディアを実現するWWWの活用について注目が集まった。インターネットは通信技術の総体であるが、一般層においてはマルチメディアの流行の一部として認識され普及が始まって行った。マスメディアから一方的に情報を受け取るしかなかった生活から、Webサイトで世界への情報発信が瞬時に行えるよう変化する事が一般人にとっては大きな衝撃であり、以後想定される社会の変化から一般人も
パソコンに必要性を感じるようになって行った。
1990年代の一般人の生活
1990年代を通して、一般家庭ではマルチメディアやインターネットの流行を知りながらも、機器が高価で一般受けするコンテンツにも欠けていたため、アナログ的あるいは貧弱な
デジタル的手段である
ブラウン管テレビ、
ビデオテープ、
カセットテープ、CD、
ラジオ、
フィルムカメラ、
葉書、
固定電話、
公衆電話、
ポケベルなどを多用せざるを得なかった。情報伝達は未だに
中央集権的に行われ、一般人が遠隔地の情報を得る手段は
マスメディアが中心で、一般人が自身の情報を広く公開することは殆ど不可能であった(他者との電気的な
通信手段は専ら1対1の固定電話に限定され、これまでの世代と同様、電話に出た家族を通して話したい相手に電話を引き継いで貰うという形で行われた。当然の事ながら、
SNSで行われるような不特定多数との交流は不可能であった。また、人同士の待ち合わせも同様で事前に連絡した
ランドマークとなる建物の周辺に集まるようにして行われていた)。従って、ジェネレーションYはITデバイス、インターネットによる文化的革命(
IT革命)が起きる以前の中央集権的で縦割り型な世界を経験した最後の世代であり、ITデバイスの急速な普及、1990年代前半から始まったインターネットの急速な普及もリアルタイムに体験して育ってきた変革期の世代でもある。
2000年代前半:パソコンと携帯電話の普及
2000年代前半は
常時接続が一般家庭に普及し、パソコンが大幅に安価になった時代である。ティーンエイジャーも携帯電話を持ち始め、メール交換を楽しんだ。一般家庭の回線速度も急激に伸び始めた。デジタルカメラやDVDやMDも普及した。従来のアナログデバイスは掛かる手間が大きく、徐々に見向きされなくなって行った。
CGIの活用が進み、多数の企業により商業目的でWebアプリが作られるようになった。各家庭においても個人サイト開設が広く行われるようになり、
FLASHコンテンツ,電子掲示板や
ブログも一般に広まり始めた。ネットを通したリアルな出会いや物を授受することにリスクを感じている人が多く、
出会い系サイトや
ECサイトはまだ活用が進んでいなかった。
2000年代後半:スマートフォン・SNS・動画共有サイトの始まり
2000年代後半に至り、現在の生活の原型が現れ始めた。2005年にYouTubeがサービスを開始した。2006年にTwitterがサービスを開始した。2008年にiPhone
3Gが発表され、スマートフォンとして初めて大ヒットした。これらが相互作用することによって、一般人の情報交換がより手軽な物になって行った(
Web 2.0の普及)。その流れから一般人でありながら大きな影響力を持つ
インフルエンサーが数多く現れる事になった。
オンラインゲームで男女が出会い、
カップルになるといった、
オンライン経由での出会いが認知されるようになった時代でもある。
インターネットインフラの再編
インターネットトラフィックは従来のTier-1
ISP(
NTTコミュニケーションズ,
AT&T,
Verizon,Liberty Global等)ではなく、大量のコンテンツを保持するhyper giants(
Limelight[要曖昧さ回避],
Facebook,
Google,
Microsoft,
YouTube,
Akamai等の総称)に集中するようになった。コンテンツプロバイダが自社内に巨大な
自律システムを構築するようになり、Tierで明確に分けられていたインターネットの階層構造が崩れた。2000年代後半当時、携帯電話やスマートフォン等の
移動体通信を介したインターネット利用は通信速度が遅い割にパケット代が高額で敷居が高く、オープンLANも広く普及していなかった。従って、この当時のインターネットアクセスポイントは専ら自宅か勤務先のLANに限定されており、モバイル端末からインターネットへの直接的な画像・動画投稿も殆ど存在しなかった。
2006年頃よりオンラインを前提とした
クラウドコンピューティングが騒がれ始めたが、基盤技術となる通信や仮想マシンの性能・安定性の面で、懐疑的な意見も数多く飛び交っていた。
2010年代:ビッグデータとAIのブーム・インフルエンサーの増加・米中冷戦時代への突入
4Gの登場で高速な
移動体通信を介したインターネット接続が安価に利用できるようになり、モバイル中心の社会となった。また、
クラウドコンピューティングが実用段階に入り、多種多様なサービスの急速な発展を下支えした。この変化により、オンラインの人気者が増々社会に台頭するようになって行く。例えば
YouTuberやアルファツイッタラー等の出現である。同時に多数の利用者がアップロードするデータにより
ビッグデータが形成され、
AIが実用的になり普及を開始した。結果として、チャットボットや
スマートスピーカーや
デジタルサイネージを活用した
AI案内所等が広く実用化され、バーチャルなキャラクターとの対話で情報を得られる時代となった。IT国家として
中国が急速に台頭し、AIや
5Gを巡って米国との間で過激な争いを展開するようになった。複雑な問題に急速に対処するという意味で、AIや
スパコンによる
シミュレーション環境が重要な
社会インフラと化した。環境破壊により異常気象や新型ウイルスの流行が頻発するようになった。
2020年:コロナ・ショック
2020年に発生した
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの際には、人類始まって以来続けられてきた
対面での
集会が禁止され、全社会的な
テレワーク移行が起きた。ジェネレーションYの中でも、社会人数年目以内と言った若年期に体験している者が居る。この時代、
マルチメディアや
インターネットは成熟し、テレワークにも十分耐えうるものに進化していた。大部分の人間関係はオンライン化され、
ノマドワーカー的な労働者も徐々に増加している。ITの急速な進歩は続いているが、未だAIが人間の仕事を置き換えるには至っていない。
時代の移り変わり
この世代においては下記のように、生活の前提を覆す程の大きな変革が起きた。下記の変化はアナログ社会からデジタル社会への移行として語られる事が多い。
マルチメディアと通信の進歩
・
据え置きゲーム機の表現方法については2D、ロー
ポリゴン3D、写実的3Dと移り変わった。一方、
携帯ゲーム機の表現方法については
白黒2D、カラー2D、ローポリゴン3D、写実的3Dと移り変わった。そして、ゲームハード自体もゲーム専用機、
スマホゲーム、
AR、
VRなどと多様化していった。
・映像・音声コンテンツの供給方法の主流がビデオ、CD、カセットテープから各種配信サービスに変化した。
・
音楽再生装置については、生まれた時には既に
レコードがシェアを失っていた時代で、CD、カセットテープ、大型
ステレオ、
ラジカセが普及していた。その後に
小型コンポ、
MD、
デジタルオーディオプレーヤーと順次移行して
iPodが流行した後、
iPhoneが登場して音楽プレーヤーは
スマートフォンのアプリとなった。
・通信手段については固定電話しか普及していなかった時代を経て、ポケベルに続いて、携帯電話(後に
フィーチャー・フォン〈ガラケー〉と呼ばれる)やインターネットが普及し、さらにその後、
スマートフォンが普及するようになった。
・ネット文化については最も早くとも1990年代半ば以降に学校や公共施設で触れた企業サイト、個人
サイト、
電子掲示板、
FLASHが人生で最初に経験したネット文化であり、
思春期から青年期を迎えた2000年代前半〜中盤には家庭にインターネットが普及し、
Web 2.0のサービスである
ブログ、
SNS、
動画共有サービスに触れ始めている。長いネット生活により、どんな疑問もネット検索で解決する癖が付いており、長大な書籍は利用しない傾向にある。
・
ハイパーテキストシステムの
World Wide Webは
1989年に開発されたが、単なる
マルチメディアの流行に留まらず、消費者向けサービス展開や業務
アプリケーション開発でも必須の技術となり、企業の生き残りをも左右するようになった。特に、あらゆる手続きを劇的に効率化する
オンラインと
クラウドコンピューティングの急速な普及により、
2025年以降の企業の生き残りにおいて、
デジタルトランスフォーメーションを達成することが必須であると社会全体で考えられるようになった。
社会機能の分散化
・これまでの一般的な
消費経済とは異なる、
シェアハウス、
レンタサイクル、
カーシェアリング、
クラウドファンディングなどといった
共有経済(シェアリングエコノミー)が2000年代後半より注目されるようになった。20代から30代を迎えた
2010年代には
ビッグデータ時代に突入し、
第四次産業革命(4IR)の波も訪れた。第四次産業革命の最初期である
デジタルトランスフォーメーションについても全く違和感なく受け止めている。
・国ごとに事情は異なるが、
20世紀以降の
資本主義的な経済活動の負債として、各
先進国で
少子高齢化と
経済格差が顕在化し、
地球温暖化による
異常気象が日常生活を脅かすようになった。また、
チェルノブイリに始まり
福島に至るまで、
原子力発電所の重大な事故も何回か報じられている。その影響か、資本主義や
大量消費よりも共有経済と
エコロジーを好む傾向にある。
・
超大国同士であるアメリカ合衆国と
ソビエト連邦(ソ連)の冷戦が終わり、
国際テロリズムの脅威に晒されるようになった。
抑止力ではなく、実際に武器を使用すると言う意味では、国家間戦争よりも、
アルカイダや
ISILなどとの戦いが盛んに報じられている。
・様々な
新興国が急速に成長し、その中でも
中国の台頭の結果として、
米中貿易戦争が起きた。
・
グローバル化の進展に伴い、人間にとって有害な
外来種の移入や
感染症の
パンデミックの危険が増加した。
SARSや
新型インフルエンザなど何度もパンデミックが起きたが、2020年に発生した
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの際には、感染者の把握が難しいため、人類始まって以来続けられてきた
対面での
集会が禁止され、全社会的な
テレワーク移行が起きた。この時、2000年前後の
IT革命に始まり、20年掛けて整備されてきた通信インフラがフル活用され、社会機能の分散化が加速した。
アメリカ以外でのジェネレーションY
育った時代背景については「
冷戦#ポスト冷戦時代(1991年-)」を参照するとわかりやすいであろう。
アメリカ以外でも、
1975年〜
1989年(もしくはそれ以降の1990年代)に生まれた世代は「ジェネレーションY」(Y世代)や「ミレニアル世代」(ミレニアルズ)と呼ばれることがある。
アメリカのジェネレーションYは、一桁台から10代で
ソビエト連邦の崩壊と
グローバル資本主義に遭遇したため、
プレカリアート(
非正規雇用労働者)の多い世代である。
一方、
日本のジェネレーションYは「
氷河期世代」と呼ばれているが、この他に「
ロストジェネレーション」(アメリカではジェネレーションYの曽祖父母世代を指す言葉でもある)と呼ばれることも多い。さらに近年では幼少期〜青年期よりインターネットが身近にあって、それ以前と価値観や消費行動などが大きく異なる世代でもある「
ミレニアル世代」(
ミレニアルズ)という用語を日本における同時期の世代に当てはめて使用するケースもあり、また価値観などが類似している「
さとり世代」に当てはめられることもある。
こうした時代背景は、政治・経済に対する意識にも影響を与えている。
ロシアのジェネレーションYは、一桁台〜10代でソ連崩壊に遭遇し、グローバル資本主義による不況(
ロシア財政危機)に巻き込まれたことから、
ウラジーミル・プーチンの
反米・大国路線を支持する者が多いという。
また、
韓国のジェネレーションYは「
88万ウォン世代」とも呼ばれており、10代で
アジア通貨危機に遭遇したために
プレカリアートが多く、
金大中政権が敷いた
新自由主義に反発するが故に、
李明博(
ハンナラ党)を大統領に当選させる原動力にもなった。