カリブ海の島々の問題-1



2021.07.20-SankeiBiz-https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210720/mcb2107200601001-n1.htm
キューバ政権揺さぶるデモ 党トップ就任から3カ月

  【ニューヨーク=平田雄介】カリブ海に浮かぶ共産党一党独裁の島国、キューバで11日に起きた異例の反政府デモは、党トップの第1書記に就任してから19日で3カ月となるディアスカネル大統領の政権基盤を揺さぶった。ディアスカネル氏は自己批判するとして国民の怒りをなだめる一方、「革命世代」の威光も借りつつ、指導的な活動家を相次いで拘束するなど締め付けを強めている

  デモは11日、首都ハバナ郊外の住民が1日8時間を超える停電に不満を訴えたのがきっかけだった。「解放」を求める住民の動画は瞬く間にインターネットの会員制交流サイト(SNS)で拡散。食料や医薬品の不足も訴えるデモとなって各地に波及した。一部は暴徒化し商店を襲った。

  一党独裁体制で言論や集会の自由がないキューバで反政府デモが行われるのは珍しい。11日以降も各地で散発し、これまでに450人が逮捕され、1人が死亡したと伝えられる。
  11日のデモには数千人が参加したとみられ、冷戦終結後の1991年に崩壊したソ連の後ろ盾がなくなり、景気が悪化した94年以来の大規模デモとされる。
  4月の党大会でキューバ革命の英雄ラウル・カストロ氏(90)の後継として第1書記に就き、党と政府の最高権力を手にしたばかりのディアスカネル氏にとり、デモの早期収束は威信をかけた課題だ。

  当局はSNSやメッセージアプリで政府を批判し、デモ拡大に影響を与えた若者らを相次ぎ拘束した。携帯電話向けネット通信も遮断し言論統制を図る。
  ディアスカネル氏は14日、テレビ演説で「私たちの問題の批判的分析を実行しなければならない」と語り、物資不足に対する政府責任の一端を認める一方、デモを裏で操り「政情を不安定化させたのは米国だ」と責任転嫁した。

  17日には政府主催の大規模集会が行われ、ラウル氏も出席。ディアスカネル氏はラウル氏の前で、米国の経済制裁を非難し、海外メディアのデモ報道に対しても「キューバ全土に拡散したかのような悪意のある解釈をした」と攻撃した。
  デモ拡大の背景にあるのは生活の困窮だ。主要産業の一つ、砂糖の生産量は減少が続き、2019~20年収穫期は過去最低水準に低迷。農地は荒れ、製糖工場は操業を停止、製品を運ぶ鉄道はさびついている。
  さらに近年力を入れてきた観光業も昨年来の新型コロナウイルス禍で打撃を受けた。政府は国産ワクチン開発に成功したとしているが、新規感染者数と死者数は6月下旬から急増中。7月11日のデモ直前からは「感染爆発」とも言える状態が続く。

  今年1月の通貨改革では物価が急騰。米国からキューバへの送金が停止される中、海外親族らの送金に生活資金を頼る人は食料など必需品の入手にも困る状況だ。

  キューバでは昨年11月にも芸術家を中心としたデモが起きた。当時のデモに参加し、今回のデモを目撃した芸術家のウィマー・バーデシアさんは英メディアの取材に「キューバには未来がない。豊かで威厳ある生活がない」と訴えた。


2021.07.16-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210716-3ZSOU7TBE5N3LAXJIWDXWATJDI/
バイデン氏「キューバは破綻国家」 米、強硬に傾斜へ

  【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領は15日、キューバでディアスカネル共産主義体制の失政や拙劣な新型コロナウイルス対策に抗議する大規模デモが起きている問題で「キューバは破綻国家であり、自国民を抑圧している」と指摘し、キューバ国民の救済に向け「多数の可能性を検討している」と表明した。バイデン政権がキューバ政策に関する具体的な方向性を提示するのは初めて。

 バイデン氏は同日、ドイツのメルケル首相との会談後の共同記者会見で、「共産主義は世界中で失敗した制度であり、社会主義もあまり有効な代替制度とはいえない」と述べ、キューバの体制を批判した。

  同氏はその上で、「キューバ政府を利することのない形でキューバ国民を救う方策を考えている」とし、国際機関などを通じた新型コロナのワクチン供給を検討していると語った。
  バイデン政権はキューバ政策の見直しを進めており、オバマ元政権の和解政策に回帰するのか、オバマ政権に実施された渡航・送金規制の緩和を撤回するなど強硬路線を打ち出したトランプ前政権を継承するのかが注目されていた。

  バイデン氏はこの日の記者会見で、送金規制を再緩和する可能性についてキューバの体制が送金されたカネを差し押さえる公算が極めて大きい」とし、現時点で再緩和する考えはないことを明らかにした。
  バイデン氏は12日、キューバ情勢について、「普遍的権利を行使するキューバの人々を断固として支持する。キューバ政府に対し、人々の声の封殺を図る暴力を控えるよう求める」と表明していた。

  国務省でも、トランプ前政権下で実施されたキューバのテロ支援国家指定を撤回する動きは出ておらず、バイデン政権としては当面の間、キューバに強硬姿勢で対処する構えだ。
  バイデン政権がキューバに対して強硬な立場を打ち出した背景には、来年の中間選挙と2024年の大統領選をにらみ、キューバ政府の圧政から逃れてきたキューバ系住民が多く住む南部フロリダ州での巻き返しを図りたい思惑もある。
  昨年の大統領選でフロリダ州を制したトランプ前大統領は、強硬な対キューバ政策を打ち出し、キューバ系住民の支持を獲得した。フロリダ州は大統領選の行方に大きく影響する激戦州であるだけに、バイデン政権は強硬なキューバ政策により同州で支持固めを図る一方、「民主党は社会主義者だとする共和党陣営の批判を封じたい考えだ。


2021.07.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210713-ZBB4AMFVZFPTHGVCTI4QHETHHU/
ハイチ、大統領暗殺で混迷 バイデン政権も懸念
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  【ニューヨーク=平田雄介、ワシントン=大内清】カリブ海ハイチがモイーズ大統領の暗殺事件を受けて混乱している。事件の全容解明に向けた捜査が本格する一方、政界では後任争いが起きている。バイデン米政権も〝裏庭〟に位置する同国が不安定化し、米国が介入せざるを得なくなる事態を懸念している。

  暗殺事件は7日午前1時ごろ、ハイチの首都ポルトープランスのモイーズ氏の自宅で起きた武装グループは同氏とマルティーヌ夫人を銃撃し、同氏はその場で死亡。夫人は重傷で、治療のためフロリダ州マイアミの病院に搬送された。事件について「攻撃はあっという間に起きたため夫は何も言えずに撃たれた」とツイッターに投稿した。

  ハイチ国家警察は11日、すでに逮捕していたクリスチャン・エマニュエル・サノン容疑者(63)が首謀者の一人で、政治的な動機から武装グループを雇い犯行に及んだと発表。自ら大統領に就任しようとしていたという。警察はこれまでに容疑者3人を殺害し、サノン容疑者のほか、南米コロンビアの元国軍兵士ら18人とハイチ系米国人2人を逮捕。逃走中の5人を追っている。
  犯行の詳しい動機は不明だが、マルティーヌ夫人は政府契約を独占してきたエリートや財閥などの解体を目指したモイーズ氏の排除が狙いだとの見方も示す。逮捕されたコロンビア人は南米ベネズエラ移民が米マイアミで経営する警備会社で働いていたことも判明。国内外の政治勢力の関与も取り沙汰されている。
  南北アメリカ最貧国とされるハイチでは議会が機能不全に陥るなど政情不安が続いており、大統領暗殺で生じた権力の空白は混乱に拍車をかけている。

  事件後、ジョゼフ暫定首相(外相)は「臨時に国を引き受ける」と述べたが、モイーズ氏が5日に新首相に指名したばかりだったアリエル・アン氏は自ら政権を握るべきだと主張ハイチ国会は9日、憲法に基づきジョゼフ・ランベール議長を新大統領に指名し、アン氏を首相に据えると発表したが、国会は定足数を満たしておらず正当性に疑義が生じている。

  一方、バイデン政権は11日、司法省や国土安全保障省、国務省などの専門家らからなるチームをハイチに派遣し、現地情報を収集。ジョゼフ暫定首相らとも面会し、自由で公正な選挙の実施に向けて各政治勢力が対話を行うよう促した。バイデン大統領は12日に同チームから報告を受けた。 

  ハイチは親米国であり、米国は最大の支援国としてハイチの政治・経済に大きな影響力を持つ。軍事占領を含む介入を行ってきた歴史もある。
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  ただ、ハイチ側が重要施設の警備などのために米軍部隊の派遣を要請していることに慎重な態度をとるなど、バイデン政権は当面は事態の推移を見守る構え。暗殺犯グループの背後関係などが不明な中、特定の政治勢力に肩入れしていると受け止められたくないとの思惑があるとみられる

  サキ大統領報道官は12日、「確かなのは将来の政治指導者(が誰になるか)は不明瞭だということだ」と述べ、政局への深入りは避ける姿勢をにじませた。政権としては情勢が人道危機などに発展することがないよう、距離をとりつつ慎重に手綱を握っておきたいのが本音とみられる。


2021.07.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20210712-CFRPK2WEWZICVBY7D3ZFF7IAUA/
キューバで異例の抗議デモ 数千人か、大統領は火消し

  社会主義国キューバで11日、食料不足や物価の高騰に苦しむ市民が政府への抗議デモを行い、首都ハバナなどでシュプレヒコールを上げながら歩いた。

  AP通信は全国で数千人が参加したと報じた。無許可のデモは原則禁止されており、極めて異例の動き。ディアスカネル大統領は、食料不足は米国の経済制裁のせいだとして火消しを図った。

  参加者はハバナの海岸沿いマレコン通りを「もうたくさんだ」「自由を」と叫びながら行進。警察への投石も起きた米国による経済制裁の影響や新型コロナウイルス流行で主要な観光産業が打撃を受け、輸入頼みの食料供給が滞っている。
  キューバの共産党機関紙グランマ(電子版)などによると、ディアスカネル氏は11日、国営テレビを通し、経済制裁が「物資不足を引き起こしている」と非難した。
  昨年11月にも芸術家ら数百人が表現の自由を求めるデモを行ったが、大規模なデモは1994年の夏以来とされる。(共同)





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