バルト3国問題-1(エストニア-ラトビア-リトアニア)


2023.11.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20231107-TRVYKKKFJNNTNJ6JWM3Y2TBBD4/
バルト海でパイプラインと通信網破壊 中国船の仕業か 「意図的」の疑いも
(三井美奈)

  北欧のバルト海で先月、ガスの海底パイプラインと通信ケーブルが破損される事件が起きた。フィンランド警察は中国のコンテナ船が引き起こしたとの見方を強め、「意図的な行為」の疑いもあると発表した。ロシアのウクライナ侵略と並行し、バルト海では海底インフラが壊されるナゾの事件が続いており、北大西洋条約機構(NATO)は警戒を強めている。

  パイプラインはフィンランドとエストニアを結び、全長約77キロ。フィンランドはロシアのウクライナ侵略後、露産ガス輸入を停止しており、欧州連合(EU)の供給網とつながる重要ラインの一つだった。通信ケーブルはエストニアとフィンランド、スウェーデンをそれぞれ結ぶ2本で、各1カ所で切られているのが見つかった。パイプラインと通信ケーブルの計3つの破損「事件」は、いずれも先月7日から8日にかけて起きた
  パイプライン破損を捜査していたフィンランド警察は先月24日、現場付近で発見された錨(いかり)によるものとの見方を発表した。海底には錨を引きずった痕跡が残っており、航路記録から香港籍の中国コンテナ船「ニューニュー・ポーラー・ベア(新新北極熊)」が浮上したと名指しした。この船は捜査協力の要請に応じていないという。
  通信ケーブルについては、主にエストニア当局が捜査中。同国の公共放送ERRによると、現場付近で中国コンテナ船のほか、ロシアの原子力砕氷船が航行していたことが判明している。エストニアのカラス首相は「一連の事件は関連している」との見方を示した。中国コンテナ船が原因だった場合、「中国は国連海洋法条約の加盟国として、法的措置をとらねばならない」とも述べた。
  通信ケーブルは10月末に運営会社が「復旧した」と発表し、通信障害に至らなかった。パイプライン損傷でもガス供給への影響は出ていないが、NATOは事態を重く見た。早期警戒管制機(AWACS)を出動させて、バルト海のインフラ監視を強化した。バルト海では昨年9月、ロシアとドイツを結ぶガスパイプラインが何者かの「破壊工作」で損壊する事件があったばかりだからだ。
  昨年9月の事件は大規模なガス漏れを引き起こし、スウェーデンやデンマークが一時、沖合の航行を禁止する騒ぎ
となった。ドイツ誌シュピーゲルは今夏、親ウクライナ派が犯行に関与した可能性があると報じたが、ウクライナ政府は関与を否定しており、真相は明らかになっていない。
  北欧諸国が敏感に反応した背景には、中国がバルト海で存在感を強めていることもある。中国はロシアと合同軍事演習を行ってきた。北海からの中継点となるドイツ北部ハンブルク港では今年、中国の国有海運企業が一部権益を取得したばかりだ。
  一連の事件を受け、中国外務省報道官は10月23日の記者会見で、フィンランド当局と事件をめぐって接触していると述べた。中国コンテナ船が当時航行していたことには「何ら不自然なことはない」と主張。客観的で正確な捜査を行うよう求めた。 (三井美奈)


2022.08.13-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/baltics-china-idJPKBN2PH1WB
ラトビアとエストニア、中国との協力枠組みから離脱

  [ビリニュス 11日 ロイター] - バルト3国のラトビアとエストニアは11日、中国と中東欧諸国の協力の枠組みから離脱すると発表した。隣国リトアニアは昨年に離脱している。

  中国を巡っては、台湾に対する軍事的圧力の強化やウクライナ侵攻を続けるロシアとの関係緊密化に西側諸国から批判が高まっている。
  ラトビア外務省は、対中協力の枠組みに引き続き参加するのは「現在の国際環境においてわれわれの戦略的目標にもはや合致しない」と述べた。
  同国とエストニアはいずれも、ルールに基づく国際秩序と人権を尊重しつつ、「中国との建設的かつ実際的な関係」に向けて引き続き取り組む考えを示した。


エストニア



リトアニア


2022.09.22-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/511122f07ae386075c5a8f11e33c85911b9a03b9
露動員令、リトアニア警戒 米「常軌逸した行為」-(ワシントン 渡辺浩生、ニューヨーク 坂本一之)

  ウクライナへの侵略を続けるロシアのプーチン大統領が21日、予備役を徴兵する「部分的動員を発表し、核兵器使用も辞さない姿勢を示した。地続きの欧州では警戒感が高まり、米国はプーチン政権への批判を一段と強めている。

  欧州ではプーチン大統領の発表について、「焦りの表れ」という見方が広がった。ロシアが軍事挑発に出る可能性があるとして、バルト3国のひとつ、リトアニア国防省は「緊急対応部隊が警戒態勢に入った」と発表した。

   リトアニアのナウセーダ大統領はプーチン氏の発表について、「絶望にかられた動き。ウクライナは勝利に近づいている」とツイッターで発信した。国防省は、リトアニアに隣接するロシアの飛び地領カリーニングラードも、部分的動員の対象になっていると指摘。
  緊急対応部隊は、ロシアの挑発に備える必要があると表明した。
  一方、ロシアと1300キロの国境を接するフィンランドでは、カイッコネン国防相が「ロシアの動きは驚くには当たらない。わが国の軍は準備を整え、状況を注視している」と述べ、国民に平静を呼びかけた。

  大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、ロイター通信に対し、「戦争がプーチン氏の計画通りに進んでいないことの表れ。大きな誤算があった」と分析した。ロシア軍増強で戦闘が激しくなり、ウクライナ側にも死者が増えると懸念を示し、米欧が長期的に武器支援を続ける必要性を強調した。
  トラス英首相と欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は国連総会の会場ニューヨークで会談し、「プーチン氏の部分的動員は、野蛮な侵略が失敗しているサイン」とする声明を発表。
  マクロン仏大統領は「ロシアは、さらに孤立した。誰もロシアの選択を理解できなくなった」と述べ、ロシアに対する圧力強化の必要性を訴えた。
  EUはニューヨークで緊急外相会合を開催。声明で、プーチン氏が核兵器使用をほのめかしたことに触れ、「われわれの決意は変わらない」とウクライナ支援を継続する構えを示した。(パリ 三井美奈)

   ロシアのプーチン大統領が核兵器使用の可能性に言及したことについて、米国は「核保有国として無責任」などと批判を強めている。米政府としては、核エスカレートを避けつつ、ウクライナへの軍事支援を拡大し、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の対露抑止力を強める困難なかじ取りも迫られている。 バイデン米大統領は21日、国連総会の一般討論演説で、「常軌を逸した行為」とプーチン氏を批判。ロシアが国連常任理事国としてふさわしい国でないと強調した。
   プーチン氏の今回の発言の狙いについて、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は21日、米FOXニュースに対して「この紛争を西側とロシアの対立」に仕立てることにあると指摘した。
  「脅しではない」とプーチン氏自ら発言したのは、高機動ロケット砲システム「ハイマース」などの重火器支援でウクライナの反撃を支える米欧の結束を揺さぶる狙いがある、とバイデン政権はみている。
  「核の脅し」は初めてではない。侵攻直後に核運用部隊に戦闘警戒態勢を命令。首都キーウ周辺から露軍が撤退し、西側が支援拡大に動いた4月、「(核戦争の危険は)現実のものだ」(ラブロフ外相)と付きつけた。今回は露軍が東部ハリコフ州から敗走した直後だ。
  プーチン氏は動員拡大も命じ、占領地域でロシア編入の是非を問う「住民投票」ももくろむ
  ブリンケン国務長官は「弱さの証で、ロシアの失敗の象徴」と非難した。だが、ロシア領に編入されれば大量破壊兵器による防衛対象となり、核使用の口実に使われる危険もある。 米政府は21日、ウクライナに揺るぎない支援を続ける」(ブリンケン氏)と表明した。
  米国は核戦争へのエスカレートへの警戒を強めつつ、戦車など高性能の兵器を求めるウクライナの反撃力をどこまで強化すべきかという難題に直面している。欧州の核抑止力の点検・強化も不可欠だ。 国際政治学者のウォルター・ラッセル・ミード氏は米紙ウォールストリート・ジャーナルのコラムで「バイデン氏はプーチン氏にウクライナへの核攻撃は米国に対する戦争行為と言わねばならない」と指摘した。
(ワシントン 渡辺浩生、ニューヨーク 坂本一之)



2022.08.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220812-5BESIAQASRJJNKOUCCPM66WWOY/
中国がリトアニアに制裁決定 高官の訪台に反発

  【北京=三塚聖平】中国外務省は12日、リトアニア運輸・通信省のバイシウケビチウテ副大臣が台湾を訪問したことに対し、制裁措置の実施を決めたと発表した。リトアニアの運輸・通信省とのやり取りを停止し、同分野での交流や協力もとりやめるとしている。

  中国外務省は「中国の内政を深刻に干渉し、主権と領土の保全を損なった」と非難した。バイシウケビチウテ氏は今月上~中旬に訪台し、運輸や第5世代(5G)移動通信システムなどの分野で交流を行った。
  リトアニアは昨年、首都ビリニュスに「駐リトアニア台湾代表処」(大使館に相当)の開設を認めた中国は、台湾が欧州に置く代表機関として初めて名称に「台北」ではなく「台湾」と明記した代表処が開設されたことに猛反発し、外交関係の格下げに動くなど反発を強めている


2022.06.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20220622-SEWJCV6OFRJZJLA2LSEYKPYENY/
露、リトアニアに反撃警告 飛び地への列車通過拒否で

  ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記は21日、リトアニアがロシア本土から同国飛び地カリーニングラード州に向けた一部貨物列車の通過を禁じた措置に対し「敵対行為には確実に反撃し、リトアニア国民に深刻な影響を与えるだろう」と警告した。タス通信が伝えた。

  リトアニアは欧州連合(EU)制裁対象の貨物を積んだ列車の国内通過を禁じている。パトルシェフ氏はカリーニングラード州での安保会議で「対応を準備中で、近く実行される」と予告した。
  リトアニアのランズベルギス外相は20日、鉄鋼製品などの輸送禁止は「リトアニアが決定したことではなく、EUのガイドラインに沿って行われている」と反論。欧州メディアによると、シモニテ首相は21日、同州を「封鎖しているわけではない」と強調した。(共同)

ラトビア

2022.08.12-Yahoo!Japanニュース(REUTERS)-https://news.yahoo.co.jp/articles/0816fea3d5faeae9f7b23780552645cd4a176187
ラトビア、ロシアを「テロ支援国家」に指定 西側に制裁強化呼びかけ

  [ビリニュス 11日 ロイター] - ラトビア議会は11日、ウクライナに侵攻しているロシアを「テロ支援国家」に指定し、紛争終結に向け、西側諸国にロシアに対する一段と包括的な制裁措置の導入を求める決議を採択した。

   決議は「ロシアのウクライナにおける行動を、ウクライナの人々に対する大量虐殺と認識する」とし、西側諸国に対しウクライナへの軍事、財政、人道、外交支援を強化する一方、ロシアの行動を非難するよう呼びかけた。
  ウクライナのクレバ外相は、ラトビア議会の決議に謝意を表明。 「他の国や組織もこれに倣うよう奨励する」とした。 ロシアはラトビア議会の決議を非難。外務省のザハロワ報道官は「この決定の背景には、動物的な外国人嫌いを除いて何の中身もない」と批判した。







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