トランプ現大統領-1
2025.07.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250705-W2SCPN5335K2RI4BBFXZD3UWFU/
トランプ政権、対ウクライナ武器供与停止で混乱 相次ぐ方針転換 路線対立が影響
【ワシントン=大内清】トランプ米政権が、地対空誘導弾「パトリオット」を含むウクライナへの武器供与の一部停止を決めたことを巡り、
混乱が広がっている。
トランプ大統領は
6月、ウクライナのゼレンスキー大統領との会談で、パトリオット追加供与に前向きな姿勢を示したばかり。ロシアが同国へのドローン攻撃を激化させる中、欧州諸国からは米国の関与維持を働きかける動きが強まっている。
トランプ政権は今月1日、国防総省による対外軍事支援の見直しを受け、ウクライナへの武器供与の一部を停止したと発表した。停止対象には、国内での備蓄逼迫(ひっぱく)が指摘されるパトリオットや、携行式地対空ミサイル「スティンガー」などが含まれる。米メディアによると、見直しは国防総省ナンバー3のコルビー政策担当次官が主導して進めていた。
ただトランプ氏は6月25日、オランダ・ハーグでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせて行われたゼレンスキー氏との会談を受け、パトリオットの追加供与を「検討する」と述べており、急な方針転換には政権内でも戸惑いが広がった。米国内では、ウクライナ支援に懐疑的なバンス副大統領らの影響があると論評する向きもある。
トランプ氏は今月3日、ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領と電話で会談したが、米国が仲介を試みるロシアとウクライナの停戦への「進展は何も得られなかった」(トランプ氏)。露軍はその直後、ウクライナの首都キーウなどに過去最大規模とされるドローン攻撃を行った。
こうした中でトランプ氏は4日にゼレンスキー氏と電話で会談。米ニュースサイト「アクシオス」は、トランプ氏がウクライナの防空態勢を支援したい考えを伝えたと報じた。事実なら、軍事支援を巡る方針が再び変更される可能性がある。
一方、CNNテレビによるとトランプ氏は4日、ドイツのメルツ首相やフランスのマクロン大統領ら欧州首脳とも電話でウクライナ情勢を協議。メルツ氏は、ウクライナの防空態勢強化に向け、ドイツが米国からパトリオットを購入してウクライナに供与する案を示したという。欧州諸国は、トランプ氏の気まぐれや政権内の路線対立がウクライナ支援に影響することへの警戒から、同氏への直接的な働きかけを進めている格好だ。
2025.07.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250704-MXLOUP5DZJNKVHT2ZX5XTWN5XY/
米民主党トップが法案に抗議し最長演説、8時間44分 これまでの記録を12分上回る
米下院の野党民主党トップ、ジェフリーズ院内総務(54)は3日、減税などトランプ大統領の目玉政策を盛り込んだ法案の採決に先立ち、8時間44分にわたり反対演説を続けた。法案に抗議し、議事妨害を図った。
米メディアによると、下院の演説時間として最長記録を更新した。
これまでの記録は2021年、当時野党だった共和党下院トップのマッカーシー院内総務がバイデン民主党政権の大型歳出法案に反対した演説で、8時間32分だった。
ジェフリーズ氏は、トランプ氏が「大きく美しい法案」と呼ぶ法案について、所得税減税で富裕層がより恩恵を受け、低所得者向け公的医療保険の歳出削減で格差が一層拡大すると指摘。気候変動対策も大幅に後退するとし「大きく醜い法案」だと非難した。
午前5時前から演説を開始し、午後1時半過ぎに終了。途中で自身の体験談などにも言及し、演壇から離れなかった。議場は空席が目立ったが、そばで民主党議員が拍手で連帯を示した。
(共同)
2025.07.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250703-X3XSURDKZZMBTBYKG45XYUJ6NI/
「見返りにベトナムは米国に市場を開放する」トランプ氏が貿易合意表明、輸入に関税20%
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は2日、交流サイト(SNS)への投稿で、
ベトナムと貿易協議で合意したと表明した。
ベトナムからの輸入品に20%の関税を課すとした一方、「われわれは米製品を関税ゼロでベトナムに売ることができるようになる」と説明した。
トランプ氏は投稿で、ベトナム最高指導者のトー・ラム共産党書記長と話し、合意に達したと述べた。ベトナムを経由して米国に迂回(うかい)輸出された物品には40%を課すとした。ベトナムを経て米国に輸出される中国産品が念頭にあるとみられる。
第1次トランプ政権が中国に発動した追加関税を受け、ベトナムには多くの生産拠点が進出したと指摘されていた。
米政権は4月に発表した「相互関税」でベトナムに46%を課すと発表。トランプ氏は関税率を20%とした今回の合意で、「見返りとして、ベトナムは米国に市場を開放する」と主張した。
第2次トランプ政権はこれまで、貿易や米関税措置を巡って英国と合意した。
100%を超える追加関税措置の応酬となった中国とは、互いに税率を大幅に引き下げることなどで妥結した
2025.07.02-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250702-GF3HU4CVGJL7BCUCQKH5KANRJU/
トランプ米大統領「日本へ関税30%、35%」 引き上げ示唆、協議延長を否定
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は1日、日本との関税協議で合意に達するのは「疑わしい」と述べ、
日本に対して「われわれが決める30%、35%といった関税を払ってもらう」と述べた。
7月9日を期限とする「相互関税」の上乗せ分の一時停止に関しては、延長することに否定的な考えを示した。
トランプ氏は大統領専用機内で報道陣の取材に応じ、相互関税の上乗せ分の停止延長を「考えていない」と話した。その上で「多くの国に書簡を送る」と言及し、期限までに合意が成立しない貿易相手国に対し、関税引き上げを通告する可能性を示唆した。
トランプ氏は、日本との協議について「交渉がまとまると思えない。疑わしい。日本はとても強硬だ」と指摘。米国が抱える対日貿易赤字が巨額だと改めて批判し、30%や35%という数字を挙げつつ、日本からの輸入品に適用する関税を上げる意向を表明した。
トランプ氏は6月下旬以降、日本との協議への不満を相次いで表明。米国産の自動車やコメを日本が受け入れず「不公平だ」と批判するなど、貿易を巡る対日姿勢を硬化させている。
2025.06.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250628-UBDTIKHDFVLZLJVKND2I4DF6DQ/
トランプ氏がイランに激怒、必要なら再攻撃「疑問の余地はない」 制裁緩和の検討停止
【ワシントン=大内清】トランプ米大統領は
27日、米軍のイラン攻撃などを巡り同国の最高指導者ハメネイ師が「米国に平手打ちを食らわせた」と主張したことに
怒りをあらわにし、
イランとの核協議に向けて進めていた制裁緩和などの検討を「とりやめた」と述べた。ホワイトハウスの記者会見で語った。
トランプ氏はイランとの核協議再開に意欲を示しており、消極姿勢をみせる同国を揺さぶる狙いがあるとみられる。
米メディアは、トランプ政権が核協議前進のテコとしてイランへの制裁緩和や民生用核施設の供与を検討していると報じていた。
トランプ氏は会見で、必要なら再びイランを攻撃することに「疑問の余地はない」とし、イラン核問題に今後も強硬姿勢で臨むとの立場を強調。米軍が攻撃したイラン中部フォルドゥの地下核施設などへの国際原子力機関(IAEA)の査察を支持する考えを示した。
核施設の破壊規模の検証や濃縮活動の監視にはIAEAの査察が不可欠。だが、米軍の攻撃に反発するイラン国会は25日、IAEAへの協力を停止する法案を承認しており、査察再開には暗雲が漂っている。
一方で
トランプ氏は27日、交流サイト(SNS)でハメネイ師について、「居場所を正確に知っているが、イスラエルにも米軍にも命を奪わせなかった。とても醜く屈辱的な死から彼を守ったのは私だ」と投稿。
イラン指導部は米国との対立や孤立よりも「世界秩序の流れに戻るべきだ」とし、
「平和を!」と協議前進を呼びかけた。
2025.06.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250628-E7T4ADOKSZLYFMW5GNOVB4BXNY/
トランプ氏「カナダとの貿易協議を打ち切る」と通告、関税強化示唆 デジタル税を問題視
トランプ米大統領は
27日、交流サイト(SNS)に「カナダとの全ての貿易協議を即刻打ち切る」と投稿した。
カナダが米IT企業に課す「デジタルサービス税」を改めて問題視し、対抗措置を取ることを示唆した。
「7日間以内に米国とビジネスをするために支払う関税を知らせるつもりだ」とも書き込んだ。米政権による関税措置の強化につながる可能性もある。
米国やカナダのメディアによると、カナダはデジタルサービス税を昨年導入し、その最初の納付期限が今月30日に予定されている。課税措置が遡及適用されるため、米国企業がカナダ政府に支払う金額は数十億ドル(数千億円)になるという。
各国で導入の動きがあるデジタルサービス税は、アマゾン・コムやメタなど米国の巨大IT企業への影響が大きく、米政権はかねて問題視していた。トランプ氏は27日の投稿でも「米国への直接的であからさまな攻撃だ」と非難した。強硬姿勢を見せ、措置の撤廃といった相手側からの譲歩を引き出す狙いもあるとみられる。
米政府は合成麻薬「フェンタニル」の流入を理由にカナダに一部を除いて25%の追加関税を課している。
カナダのカーニー首相とトランプ氏は16日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて会談し、関税を巡る問題などで30日以内に合意を目指すことで一致していた。
(共同)
2025.06.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250627-L3J4ZM5E7VPNJGENFW2IHE2NGM/
イラン核施設攻撃の説明に評価は二分 米議会、トランプ氏への弾劾決議案否決も
米連邦上院議員は
26日、イラン核施設攻撃について、トランプ政権から説明を受けた。米メディアによると、
与党共和党はイラン核開発計画に「深刻な被害」を与えたとの政権の主張に理解を示す一方、野党民主党は被害は不十分だと反論。
下院では24日にトランプ大統領の弾劾決議案も提出されたが、成立しなかった。
上院議員への説明終了後、かねてイラン攻撃論を唱えてきた共和党重鎮のグラム議員は、核施設を「完全に破壊した」とのトランプ氏の主張が正しいと証明されたと強調。民主党トップのシューマー院内総務は「明白になったのは、首尾一貫した戦略がなかったということだ」と非難した。
説明は非公開で、ヘグセス国防長官やケイン米軍統合参謀本部議長、中央情報局(CIA)のラトクリフ長官、ルビオ国務長官が出席。政権は当初、24日に上下両院議員に説明する予定だったが、直前で延期していた。
2025.06.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250625-2V2WZNSNIRLG5AVLRNTIOD52II/
トランプ氏、イラン核施設攻撃は戦争を断念させるため「広島・長崎と本質は同じ」と主張
【ハーグ=黒瀬悦成】トランプ米大統領は25日、
オランダのハーグで記者団に対し、米軍によるイランの核施設攻撃が「(同国とイスラエルとの)戦争を終結させた」と述べ、広島や長崎への原爆投下と「本質的には同じだ」と主張した。
米国では原爆投下が先の大戦で日本に戦争の継続を断念させ、日米の犠牲者がこれ以上増えるのを防いだとして正当化する人々が今も多い。
トランプ氏は「広島や長崎の例を出したくないが」としつつ、米軍が攻撃しなければ「今も戦いは続いていた」と指摘し、攻撃判断は正しかったとの見方を示した。
2025.06.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250625-5JU6KWKCDVPWBM3R4CK2Q7JZZQ/
トランプ氏、同盟国の「不公平」負担解消に躍起 欧州に続き日本などアジア太平洋諸国標的
【ワシントン=坂本一之】「
米国第一」主義を掲げるトランプ米大統領は、
北大西洋条約機構(NATO)加盟国の防衛費増額に目途を付け、アジア太平洋地域の同盟国にも支出拡大を迫っていく方針だ。
米国の過度な負担を嫌うトランプ氏は、貿易と同様に安全保障協力でも米国にとって「不公平」な状況の解消に躍起となっている。
トランプ氏は1月の就任前からNATO加盟国は防衛費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げるべきだと主張していた。その後も、欧州防衛のコストの多くを「米国が負担している」と強い不満を示し、NATO側に圧力をかけてきた。
先週20日には「NATO加盟国は5%にすべきだが、米国がそうすべきだとは思わない」と述べ、米国の国防関連支出拡大に否定的な姿勢も示した。
トランプ氏は米軍を「世界最強」と誇る一方で、同盟国が自助努力を怠り、米国の防衛にも大きな貢献をしていないことへの不満が強い。
北米防衛で協力するカナダには5月、次世代ミサイル防衛システム「ゴール・デンドーム」に参加する場合、総費用1750億ドル(約25兆円)のうち610億ドルの負担を求めた。
NATO加盟国の防衛費増額に目途が付いたことで、次の標的はアジア太平洋地域の同盟国となる。トランプ政権は中国、北朝鮮といった脅威に直面する同地域の同盟国は「防衛能力を迅速に強化すべきだ」とし、NATOの5%と同じ水準に引き上げるべきだと主張している。
ただ、具体的な数値についてはNATOのような組織がないこともあり、国別の交渉になるとみられている。
すでにオーストラリアには5月末の米豪防衛相会談で3・5%への引き上げを要求しており、
日本などに対しても具体的な数値を持ち出して圧力をかけていくとみられる。
2025.06.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250622-WSDUJHB3TVMAZFJIUFXUQA74LM/
「神のご加護を」トランプ氏演説、感情出さず厳しい表情 対イラン「作戦成功」説明
【ワシントン=坂本一之】トランプ米大統領は
21日夜(日本時間22日午前)、ホワイトハウスで国民に向けて演説し、
終始厳しい表情でイラン核施設への攻撃について説明した。
トランプ氏が演説した場所は、2011年5月に当時のオバマ大統領が米中枢同時テロの首謀者で国際テロ組織アルカーイダの指導者だったビンラーディン容疑者の殺害の声明を発表した場所と同じだった。
トランプ氏は紺色のスーツに赤色のネクタイ姿で登場。バンス副大統領とルビオ国務長官、ヘグセス国防長官の3人を引き連れて演説に臨んだ。 米軍によるイラン核施設攻撃が「成功」したと説明する場面でも、顔の表情を緩めることなく、淡々と言葉を続けた。トランプ氏の後ろに並ぶバンス氏らも終始、厳しい表情で演説を見守った。
トランプ氏は約3分半の演説を「中東、イスラエル、米国に神のご加護を。大変ありがとうございました」と締めくくり、カメラの前から去っていった。
ホワイトハウスの行事や記者団とのやり取りでいつもは表情豊かに感情を出して話すトランプ氏だが、
今回の演説では威厳を示すため、感情を出さず厳しい表情で臨んだとみられる。
2025.06.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250617-VETMBX4EHJJYHBQNKNGNARNKU4/
トランプ氏、中国のG7入り「悪くない」 露が加入したG8なら「戦争なかった」
【カルガリー=塩原永久】トランプ米大統領は16日、
訪問先のカナダ西部カナナスキスで記者団に対し、中国が先進7カ国(G7)の枠組みに参加する可能性を聞かれ、「悪くないアイデアだ。構わない」と述べた。
また、ロシアが一時加入した「G8」から外されたことが「過ちだ」と指摘。ロシアのプーチン大統領が加わっていたG8の枠組みが続いていれば、「今ごろ戦争はなかっただろう」と話した。
トランプ氏は16日に開幕したG7首脳会議(サミット)に合わせ、
カナダのカーニー首相と会談し、会談冒頭に報道陣の質疑に応じた。トランプ氏は、ロシアがG8から除外されたことを巡ってオバマ元米大統領らを批判した。
ロシアは2014年、ウクライナ南部クリミア半島併合を受けてG8から除外されていた。
2025.06.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250615-D2TBXLBNSFOCRA4PH35CYJTRNA/
トランプ氏「陸軍が自由を守ってくれている」軍事パレードで謝意 全米各地では反対デモ
【ワシントン=坂本一之、ニューヨーク=本間英士】トランプ米政権は
14日、首都ワシントンで陸軍創設250年を記念する軍事パレードを開催した。
ワシントンでの軍事パレードは湾岸戦争後の1991年にブッシュ政権下で行われて以来、34年ぶり。
トランプ大統領は同日、79歳の誕生日を迎えた。一方、全米各地ではトランプ氏への大規模抗議デモ「ノー・キングス(王はいらない)」が開催された。
ホワイトハウス近くで開かれた軍事パレードには兵士約6700人が参加。1775年に始まった独立戦争以降に陸軍が戦ってきた戦争を紹介し当時の制服や装備を再現した部隊が行進した。現代装備では主力戦車エイブラムスや攻撃ヘリ「アパッチ」などに加え、小型ドローン(無人機)や四足歩行ロボットといった新型兵器も登場した。
トランプ氏はバンス副大統領やヘグセス国防長官らと観覧。行進後の演説では「陸軍が私たちの自由を守ってくれている」と謝意を述べ、創設250年を祝福した。
今回の軍事パレードを巡っては、費用やトランプ氏の誕生日に開かれたことで軍の政治的な利用との批判も出ている。
AP通信が12日に報じた世論調査では、軍事パレードへの「賛成」は40%で、「反対」の29%を上回った。「賛成・反対のどちらでもない」との回答は31%だった。
政党支持別での賛成はトランプ氏の共和党を支持する層で67%。民主党支持層は20%、無党派層も27%にとどまった。
東部メリーランド州から軍事パレードの観覧に来た無党派の男性(57)は「これは政治的なパレードではなく、陸軍創設250年を祝うイベントだ」と語った。
一方、米メディアによると、トランプ氏への大規模抗議デモ「ノー・キングス」は14日、全米約2千カ所で開催。1月の政権発足以降、移民政策などへの最大規模の反対運動となった。移民政策を巡る抗議デモが1週間以上にわたり続く西部ロサンゼルスでは2万人超が参加した。
デモの主催者側は全米各地で数百万人規模の動員を想定。軍事パレードに対し
「軍の私物化だ」と反対の声が上がった。
東部ニューヨークでは雨が降る中、多くの参加者が中心部マンハッタンを行進した。ニューヨーク在住のナンシーさんは
「(米国が独立した)1776年からこの国に王はいない」と書かれたプラカードを掲げて行進。「王のように振る舞うトランプ氏の発言や行動は目に余る」と訴えた。
2025.06.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250615-VN6TEN23K5LZ7KZHUYJJ75THSY/
トランプ氏「イスラエルとイランの戦い終わらせるべき」 米露首脳電話会談
【ワシントン=坂本一之】トランプ米大統領は14日、自身の交流サイト(SNS)で
プーチン露大統領と電話会談したと明らかにした。
トランプ氏はイスラエルとイランの交戦に関し、自身とプーチン氏は共に「終わらせるべきだと考えている」と述べた。
トランプ氏は約1時間にわたる電話会談でイランを巡って協議したと説明。プーチン氏は「イランを熟知している」と指摘した。
ロシアとウクライナの戦争を巡る議論については「それほど長くは話しておらず、来週に持ち越す」とした。
トランプ氏は、プーチン氏が「とても親切に私の誕生日を祝う電話をかけてきた」と持ち上げた上で、「さらに重要なこと」としてイランについて協議したと語った。
2025.06.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250615-FCXRJ22TZRODPLA2OJLREQW3BE/
「米国に王はいらない」トランプ氏への抗議デモ、全米各地で開催 政権復帰後最大規模
【ニューヨーク=本間英士】トランプ米大統領に対する大規模抗議デモ
「ノー・キングス(王はいらない)」が14日、全米各地で開催された。
トランプ氏が首都ワシントンで同日実施した軍事パレードに先立ち開かれ、米メディアによると約2千カ所で開催。今年1月にトランプ氏が政権に復帰して以降、移民政策などへの最大規模の反対運動となった。
デモの主催者側は全米各地で数百万人規模の動員を想定。各地の広場や公園、大通りなどで実施された。巨額の費用がかかる軍事パレードをトランプ氏の誕生日でもある14日に開催したことも、「軍の私物化だ」として批判の対象となった。
CNNテレビなどによると、移民政策をめぐるトランプ政権への抗議デモが1週間以上にわたり続く西部ロサンゼルスでは2万人超が参加。一方、中西部ミネソタ州では、民主党の州議会議員2人が同日に銃撃され1人が死亡した事件を受け、主催者が同州でのデモを中止した。
東部ニューヨークでも雨が降る中、多くの参加者が中心部マンハッタンを行進した。ニューヨーク在住のナンシーさんは「(米国が独立した)1776年からこの国に王はいない」と書かれたプラカードを掲げて行進。「大統領ではなく王のように振る舞うトランプ氏の発言や行動は目に余る。米国の歴史や先人が築いてきた基盤を無視している」と訴えた。
ニューヨークでのデモに参加するためワシントンから訪れた大学生のジャッキーさんは「トランプ氏の移民政策に反対するために来た。
ロサンゼルスでのデモ対策に州兵と海兵隊を派遣したのは違法だと思うし、許せない」と主張した。
2025.06.013-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250613-IQHX2OIOSVNFZEMM4HPBN5YG3E/
米国内に抗議デモ飛び火 テキサスは州兵5000人配備「テキサスに手を出すな」
【ニューヨーク=本間英士】米西部カリフォルニア州で続くトランプ政権の移民政策への抗議デモが米国各地に飛び火している。
南部テキサス州のアボット知事(共和党)は12日、抗議デモに対応するため州兵約5千人の配備を発表した。CNNテレビによると、
デモはこれまでに計16州に拡大。トランプ政権に対する反発の声が一段と強まっている。
AP通信によると、西部ネバダ州ラスベガスで11日に行われた抗議デモでは94人が逮捕され、警察官4人が負傷。西部ワシントン州シアトルやスポケーンでもデモ参加者と警察が衝突した。テキサス州サンアントニオでも、数百人が抗議のための行進を実施した。
アボット知事は12日、X(旧ツイッター)で、「ロサンゼルスで見られたような無法行為は容認しない。器物損壊や傷害事件を起こした人物は逮捕する」と強調。デモ参加者の一部が暴徒化している点を念頭に置いた上で、「テキサスに手を出すな」と牽制した。
知事が厳しい姿勢で臨むのは、14日に同州を含めた全米各地でトランプ氏に対する抗議デモ「ノー・キングス(王は不要)」が開催されるためだ。デモは東部ニューヨークや中西部シカゴに加え、トランプ氏の私邸がある南部フロリダ州パームビーチ周辺といった〝お膝元〟でも予定されている。
一方、ロサンゼルスでは11日も中心部の一部区域で夜間外出禁止令が継続された。市警察は退去命令違反などで70人超を逮捕したと発表した。
トランプ大統領は12日、交流サイト(SNS)で、「不法滞在者は自主的にこの国を去るか、移民・税関捜査局(ICE)に発見されて強制送還されるかのいずれかだ。
米国を守ることは譲れない!」と改めて主張した。
2025.06.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250611-T3CZ6LMNTBMWBA5AMBW4CPJE7A/
中国依存、医薬品の安全保障上の問題が浮き彫りに トランプ関税導入予告で
トランプ米大統領は
先月、米国で処方される医薬品が不当に高額になっているとして、
価格を引き下げるための大統領令に署名し、薬価引き下げに向けた政策に従わない国に対して追加関税を課すとも表明した。
現時点での詳細は不明で、
国内外の製薬企業は様子見を続けるものの、一方で、こうした動きが、薬を巡る安全保障の問題を浮き彫りにしている。
世界中の製薬企業が原材料や原薬を中国に依存するかたちになっているためだ。原材料など製造工程の上流部分の独占は、医薬品の価格や流通を支配されるリスクをはらんでいる。
医薬品製造に携わるのは薬を開発、製造販売する製薬企業だけではない。その上流には原薬をつくる企業があり、さらに原材料となる化学物質をつくる企業がある。現在、世界の製薬企業の多くが、原薬や原材料を中国やインド、韓国、欧州に依存している。中でも原材料は多くを中国に頼る。
国内の原薬メーカーの幹部に聞くと「ある種類の原材料をつくっているのは、結局、世界中で中国の1社しかない、ということもある」と明かす。韓国やインド、イタリアなどでつくられた原薬も原材料をたどっていくと中国にいきつくことも多い。
米国では医薬品の原薬などの約90%が国外産という全米経済研究所による2019年の調査がある。また、米国のCNNも、トランプ氏が予告する医薬品への関税強化によって、米国が医薬品の多くを頼る中国からの輸入が途絶え、米国内の医療に深刻な影響を及ぼす事態が懸念される、と報じた。例えば、細菌感染症の治療に使われるペニシリン系の抗生物質、アモキシシリンを米国内で製造するメーカーは1社だけで、原料は中国産に80%を頼っているという。
中国が10年前に発表した最重要産業政策「中国製造2025」では、ロボットなどを重点分野に掲げるのと同時に、医薬品産業でも「世界的なリーダー」となる目標を掲げた。この間、新型コロナウイルス禍では、中国のワクチン外交を可能にした。
そのコロナ禍前にも、依存のリスクが顕在化していた。2019年、手術時の感染症予防などに欠かせない抗菌薬のセファゾリンの供給が長期にわたって滞り、世界中の医療現場に混乱をもたらした。原薬に必要な物質を製造していた中国企業が、当局による環境規制上の指示で供給を止めたことが一因だった。危機感を募らせた日本化学療法学会など4学会は「海外の状況によって国内の患者の命が左右される安全保障上の問題に陥っている」と指摘していた。
そして医薬品のサプライチェーン(供給網)を安全保障上の観点で議論する必要性は、コロナ禍で一層高まった。しかし喉元過ぎればなんとやらで、原材料や原薬の安定確保、国内生産回帰、継続的な供給に関する議論が順調に進んでいるとはいえない状態だ。確かに、政府は経済安全保障の観点から抗菌薬を「特定重要物資」に指定し、国内メーカーに生産を促す施策を進めている。ただ、安い薬価になってしまっている抗菌薬を継続して供給し続けるにはさらなる官民の連携が必要になってくるだろう。
また、
中国依存は日本だけ、米国だけのリスクではない。原薬の主要生産国であるインド政府も原材料から内製できる体制づくりを急ぐ。各国が安全保障上の観点で原薬、原材料の確保の在り方を見直す時期にきている。
関税リスクという局面に、医薬品の安定供給のバランスを守るための議論をしっかり進めたい。
2025.06.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250610-U5KGNI5L7JNVRNGPIVFWAIVV3U/
ロス抗議デモに海兵隊員700人派遣 州知事はトランプ氏提訴「挑発行為であり不要だ」
【ニューヨーク=本間英士、ワシントン=坂本一之】米西部カリフォルニア州ロサンゼルスで、トランプ政権の移民政策に抗議するデモの一部が暴徒化した問題を巡り、
ヘグセス国防長官は9日、連邦政府の職員や施設に対する「脅威」が高まっているとして、海兵隊員約700人を派遣すると発表した。米国内で起きた抗議デモで海兵隊を派遣するのは異例。
一方、カリフォルニア州のニューサム知事(民主党)は9日、トランプ大統領(共和党)が州知事の同意を得ずに州兵の派遣を命じたのは憲法違反であり、権限を逸脱しているとして、命令の差し止めを求めて提訴した。ニューサム氏はニューヨーク・タイムズ紙に対し、海兵隊の派遣は「挑発行為」であり、不要だと述べた。
ヘグセス氏はX(旧ツイッター)で、海兵隊員は「秩序の回復」のために派遣されると説明。米本土の防衛を担う北方軍によれば、派遣される海兵隊部隊はロサンゼルスで展開する州兵部隊と連携して任務を遂行する。
FOXニュースは、海兵隊部隊が連邦政府の職員や施設を保護する任務にあたるとしている。10日にも現地入りする。
トランプ氏は7日、デモの暴徒化に対応するため州兵2千人を派遣する大統領覚書に署名。軍は8日、州兵約300人が現地に展開したと発表した。AP通信によると、9日までに少なくとも50人が逮捕され、複数の警察官が軽傷を負った。
トランプ氏は9日、SNS(交流サイト)に「暴動に対処するため州兵を派遣する決断は正しかった。もしそうしていなかったらロサンゼルスは壊滅していただろう」と投稿した。
2025.06.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250609-AV3PTTRL4NL3VMRWBIAVSMFIQU/
米ロスで抗議活動が拡大、トランプ氏が州兵派遣「ロスは不法移民の犯罪者に侵略された」
【ワシントン=塩原永久】米西部ロサンゼルスで不法移民の取り締まりに対する抗議活動が拡大し、トランプ大統領が派遣を命じた州兵約300人が8日、現地に到着して
連邦施設の周辺などに展開した。米テレビは
抗議活動が過激化し、車に放火したり治安当局と衝突したりする様子を伝えている。
AP通信などによると、移民・税関捜査局(ICE)が6日、ロサンゼルスで一斉摘発を実施。7日夜から抗議デモが始まり、当局の指示に従わなかったとして11人が逮捕された。デモ隊の一部が暴徒化し、国境警備隊と衝突。警備隊は催涙ガスなどで対応した。
ホワイトハウスは7日、トランプ氏がカリフォルニア州兵2千人を派遣する大統領覚書に署名したと発表した。ヘグセス米国防長官は、500人規模の海兵隊を派遣する用意があるとした。
トランプ氏は8日、交流サイト(SNS)への投稿で「ロサンゼルスは不法移民と犯罪者によって侵略、占領されている」と訴えた。地元カリフォルニア州のニューサム知事(民主党)は、共和党のトランプ氏の州兵動員が違法だとして、撤回を求めている。
2025.06.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250609-TQDQCUQHOBI5VOSUB27KRGVCDU/
不法移民取り締まり抗議活動に州兵派遣 トランプ氏「過激な左派抗議活動許容できない」
米西部ロサンゼルスで7日、移民・税関捜査局(ICE)の不法移民取り締まりに対する抗議活動があり、ホワイトハウスは同日、トランプ大統領が州兵2千人を派遣する大統領覚書に署名したと発表した。AP通信によると、
州兵約300人が8日、ロサンゼルスに展開し、警戒などに当たった。
トランプ氏は8日、交流サイト(SNS)で「過激な左派の抗議活動は許容できない」と投稿し、
州兵動員を正当化した。ホワイトハウスは州兵派遣の理由として、抗議活動の参加者の一部が暴徒化し、取締官らを襲ったとしている。
ICEが逮捕した移民らの一部が拘束されていると報じられたロサンゼルス中心部の連邦施設付近では8日、ライフル銃を携えた州兵約30人が警戒に当たった。
(共同)
2025.06.06-産経新聞(KYODO)-.https://www.sankei.com/article/20250606-WZITNP5S2ZMIVPVQJA35TOVRDU/
「子どものけんか、続けさせ…」 トランプ大統領、ウクライナとロシアへの仲介放置を示唆
トランプ米大統領は5日、
ロシアによるウクライナ侵攻で続く戦争を「子どもの激しいけんか」に例え「時にはしばらく続けさせ、その後引き離した方が良い場合もある」と述べた。
両国の応酬が激化する中、早期の停戦実現は難しいとの認識を示し、交渉仲介を一定期間放置する可能性を示唆した。
トランプ氏は、ホワイトハウスでドイツのメルツ首相と初会談した冒頭、ロシアとウクライナの間に「深い憎しみがある」と記者団に指摘した。「できれば即時和平を望むが、そうはならない」と語った。
対露追加制裁の発動時期については「この状況が止まらないと判断した時だ。頭の中に期限はある」とした。ウクライナにも制裁を科す可能性をにじませた。
「子どものけんか」のたとえ話についてトランプ氏は、ロシアのプーチン大統領と4日に電話会談した際も取り上げたと説明した。戦況で優勢なロシアは、戦争を継続して占領地の拡大を狙っているとされ、トランプ氏が事態を放置すればロシアを利する恐れもある。
トランプ氏は、ウクライナによるロシア軍基地への大規模な無人機攻撃に対し報復するのをやめるようプーチン氏に求めたとも話した。
(共同)
2025.06.05-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250605-234GOIMPOVKTTC6D7QSLK2HNQA/
プーチン氏、ウクライナへの反撃通告 トランプ氏に電話で説明「停戦合意困難」
トランプ米大統領は
4日、自身の交流サイト(SNS)で、ロシアのプーチン大統領と同日に電話会談したと発表した。
ウクライナによるロシア軍の航空基地に対する無人機攻撃などを協議し、プーチン氏はウクライナへの反撃を通告したと説明。
トランプ氏はロシアとウクライナの双方が攻撃を激化させており、停戦合意は困難だとの認識を示した。
米露首脳の電話会談は5月19日以来。トランプ氏は「良い会話だったが、即時のウクライナ和平につながるようなものではなかった」と投稿。「プーチン氏が航空基地への攻撃に対応しなければならないと非常に強く言った」と明らかにした。
トランプ氏がプーチン氏の発言にどう返答したかは言及しておらず、自制を求めていなければ攻撃を容認したと受け取られる可能性がある。
ウクライナは停戦交渉を仲介する米国に無人機攻撃を事前に通知しておらず、トランプ氏はいら立ちを強めているもようだ。
(共同)
2025.06.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250603-FESYBTQ6J5DQXLUFYKGAVG7GRE/
感動か、共産党を代弁か…ハーバード大の卒業スピーチ 中国人女性「人類共通」が呼ぶ波紋
トランプ米政権との対立が続く名門・ハーバード大で
5月29日に卒業式があり、卒業生代表の一人として登壇した中国人女性は、分断する米国や世界の情勢を踏まえ「人類の共通する未来」を強調したスピーチを行った。
トランプ氏を批判する文脈で多くのメディアが取り上げ感動を呼ぶ一方、言葉遣いが習近平国家主席と似通っているとして中国共産党とのつながりを疑い反発する声も出ている。
英BBC放送によると、スピーチをした中国人女性は、英国や米国の大学を経てハーバード大で国際開発学の修士号を得たジャン・ユロン氏。「ルアンナ」という英語名を持ち、中国人女性として初の学生演説者に選ばれたという。
ジャン氏は、モンゴルでインターンシップをしていた時期に多国籍の同窓生とやりとりした過去を振り返って、ハーバード大が国際的であることの意義を強調。「敵と呼ぶ存在も人間であることを忘れてはいけない。私たちは共通の人間性によって結びついている」と訴えた。
多様性と寛容さの重要性を示すと取れるスピーチで、BBCは「彼女が中国の学生の心を代弁してくれた」と共感するSNS上の中国人の声を紹介した。
一方でBBCは、「検証していない」との前置きをしたうえで、SNSで拡散されているジャン氏と中国共産党のつながりに言及。ジャン氏が、父親とともに中国共産党の資金援助と監視を受けているNGO「中国生物多様性保護・グリーン発展基金(CBCGDF)」の幹部を務め、卒業式でのスピーチで「習近平国家主席の『人類運命共同体』というレトリックを繰り返した」とするトランプ氏の熱烈な支持者の主張を紹介した。
BBCによると、
ハーバード大の留学生は約6800人で3分の1が中国出身。
米国務省は国家安全保障上の脅威となる可能性があるとして、
中国共産党とつながりがある人物を含む中国人の留学ビザを積極的に取り消すとしている。
2025.05.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250529-JSVXWVGFLVKUZC5PQDYYCBERUE/
「解決に大変近づいている」イスラエルに攻撃自制要求 トランプ氏、イランとの協議優先
トランプ米大統領は
28日、イラン核問題を巡る米イラン両政府の協議が続いているとして、
イスラエルのネタニヤフ首相にイランへの攻撃を自制するよう伝達したと明らかにした。
「数週間以内」に合意が実現する可能性もあるとし、
イランとの協議を優先する姿勢を示した。ホワイトハウスで記者団に述べた。
トランプ氏は22日の電話会談でネタニヤフ氏に伝達。イラン核問題が「解決に大変近づいているので、今(攻撃に)踏み切るのは不適切だと伝えた」と説明した。
(共同)
2025.05.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250528-B26GCJSDNBOEPEHIHM5JJ7BWWU/
トランプ氏「プーチン氏は火遊び」 露のウクライナ攻撃激化にいらだち
【ワシントン=大内清】トランプ米大統領は
27日、ウクライナに対する長距離ミサイル・ドローン(無人機)攻撃を激化させるロシアのプーチン大統領を「火遊びをしている」と批判した。
自身の交流サイト(SNS)に投稿し、自らが仲介を目指すロシアとウクライナの和平協議が前進しないことへのいらだちをあらわにした。
トランプ氏は投稿で、「プーチン氏は、もし私(が米大統領)でなかったらロシアにとってたくさんの悪いことがとっくに起きていたであろうことに気付いていない」と主張し、ロシア寄りの立場をとってきた自身の仲介努力をプーチン氏がむげにしているとの思いをにじませた。
ロシアによる大規模攻撃を巡り、トランプ氏は25日の投稿でも「(プーチン氏は)完全に狂ってしまった」と非難。その一方で、
ウクライナのゼレンスキー大統領に対しても「彼の話し方は国(ウクライナ)のためになっていない。口から出るすべて(の言葉)が問題を起こしていて私は好きじゃない」などと批判した。
2025.05.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250522-2PFE3HJ4YFPKXJ64QOMBKLUQ2E/
トランプ米政権がカタール王室から「エアフォースワン」向け航空機受領へ 代金は言及せず
【ワシントン=坂本一之】米国防総省は
21日、中東のカタール王室から航空機ボーイング747を受け取ることを決定したと明らかにした。
米大統領専用機「エアフォースワン」として活用する予定。国防総省と米軍は今後、機体の検査とともに機密通信や安全性の向上などの改修作業を実施する。
国防総省のパーネル報道官は声明で、機体の受け取りを決定したことに関し
「連邦法や規則を順守した」と説明。「大統領を輸送する航空機」として適切な安全対策などに取り組むと述べた。機体の購入代金を支払ったかどうかについては言及していない。
大統領専用機は「空飛ぶホワイトハウス」と呼ばれ、
執務室などを備える。内政や外交に関する機密情報のやり取りや、米軍の最高司令官としての任務を遂行するため、
盗聴やサイバーセキュリティー対策を講じた特別な通信機器が設置される。また、
機体の安全性を高める特別な機器なども備えるとされる。
空軍幹部は20日の議会公聴会で「大幅な改良が必要だ」と述べだ。
現在の機体は1990年代から使用していて、後継機が2024年ごろまでに納入される予定だったがスケジュールが遅れている。このためトランプ大統領(共和党)は、カタールからボーイング747を譲渡する申し出を受け、大統領専用機に活用することを表明していた。
機体は推定数億ドル相当で、安全性や倫理的な問題などから野党の民主党が批判。トランプ氏を支持する極右活動家のローラ・ルーマー氏もSNSで「政権の汚点になる」と反対している。
2025.05.18-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250518-NQFFKBVU45JYVDXBUYK3VEVARI/
トランプ氏が19日にプーチン氏と電話会談 SNSで表明、停戦や貿易を協議
トランプ米大統領は17日、
自身の交流サイト(SNS)で、19日にロシアのプーチン大統領と電話会談すると明らかにした。
ウクライナ和平に向け、停戦や貿易について協議すると説明した。
その後、
ウクライナのゼレンスキー大統領や北大西洋条約機構(NATO)加盟国とも議論するとしている。
(共同)
2025.05.16-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250516-VFZ4QSDSEZIIHPG46GHZIVW46A/
「インドに工場建設してほしくない」 トランプ氏、アップルの生産移転方針に難色
トランプ米大統領は15日、
スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の生産を一部インドに移す方針を示す米アップルの計画に難色を示した。ティム・クック最高経営責任者(CEO)に対して
「インドで工場を建設してほしくないと伝えた」と述べ、米国での建設を要請したことを明らかにした。
アップルは、トランプ政権の高関税を避けるため、米国で販売されるスマホの生産の拠点を中国からインドに移管する方針を打ち出している。トランプ氏は訪問先の中東での会合で「クック氏と昨日ちょっとした問題があった」と明かし
「何年にもわたって中国で工場を建てたことに我慢してきた。いまこそわれわれのところで建てるべきだ」とクック氏に話したという。米メディアによると、
実際に米国で生産すると人件費などの影響でアイフォーンの価格は大幅に上昇するとみられている。
(共同)
2025.05.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250514-ZKQNBT3XWNN4NBDA2JSOLZ5KRU/
トランプ氏へのカタールの〝贈り物〟で物議 「空の宮殿」を大統領専用機に改修意向
【リヤド=大内清】中東歴訪中のトランプ米大統領が、
訪問先のカタールから「プレゼント」されると報じられた航空機を新たな大統領専用機(エアフォース・ワン)とする意向を示していることが、物議を醸している。安全上の問題のほか、外国から高価な贈り物を受け取ることによる
法的・倫理的問題も取り沙汰されている。
問題となっているのは、カタールの王族が所有する約4億ドル(約6兆円)相当のボーイング747-8ジャンボジェット機。複数の寝室や浴室、ラウンジなどを備え、「空の宮殿」とも呼ばれる。米ABCテレビは11日、今回の歴訪でトランプ氏が同国に立ち寄る際に贈られる見通しだと報じた。
これについてトランプ氏は12日、「タダで手に入る高価な飛行機を『いらない』というのはバカだ」と述べ、プレゼントは「カタールからの素晴らしい意思表示だ」と述べた。
現在の大統領専用機は1990年代に導入されたもの。トランプ氏は1期目の任期中、老朽化を理由にボーイングに後継機を発注したが、製造遅延で納入が遅れている。このためトランプ氏は、後継機が納入されるまでカタールから贈られる機体を専用機として使用する意向を示している。米メディアによると、この機体はすでに米国内にあるという。
ただ、有事の際には「空飛ぶ最高司令部」ともなる大統領専用機には高度な保安・通信設備などが不可欠で、別の機体を改修する場合には数十億ドルの費用と数年の作業期間を要するとされる。
また、
政府当局者が議会承認なしで外国からの贈り物を受け取ることを禁じた憲法の規定に抵触する可能性や倫理上の問題も指摘される。レビット大統領報道官は12日、
カタールから見返りを求められた場合の対応を記者団に問われ、「問題はない」と主張した。
2025.05.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250511-ZBH4EKH6GNJUTAER2PLRA45LXA/
トランプ氏、印パの貿易「大幅に増やすつもりだ」 両国の停戦決断を称賛
トランプ米大統領は
10日、自身のソーシャルメディアで、インドとパキスタンの停戦を仲介した成果を改めてアピールした上で「まだ話し合っていないが、両国との貿易を大幅に増やすつもりだ」と強調した。
自国の経済的利益を忘れずに訴えた。
トランプ氏は両国が停戦を決断したことに関して
「力強いリーダーシップを誇りに思う」と称賛。係争地カシミールの問題の解決に向けても協力していくと投稿した。
(共同)
2025.05.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250508-OAUUG2VELVLRRPRZGVC7D2LIBI/
デンマーク外相、米国大使召喚へ トランプ政権による「グリーンランド諜報活動」報道受け
【ロンドン=黒瀬悦成】デンマークのラスムセン外相は
7日、トランプ米政権がデンマーク自治領グリーンランドに関する諜報活動の強化に着手したとする米紙報道に「懸念」を示し、駐デンマーク米大使を召喚する意向を表明した。地元メディアが伝えた。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(6日、電子版)によると、ギャバード国家情報長官に仕える複数の高官が先週、中央情報局(CIA)や国防総省の国防情報局(DIA)、国家安全保障局(NSA)などの情報機関の責任者に対し、グリーンランドの独立運動や米国の資源開発に対する現地の反応を探るよう指示する文書を送った。
指示文書では、米政権が目指すグリーンランド領有に向けて協力を期待できる人物の特定も求めた。
情報当局者が同紙に語ったところでは、グリーンランドが米諜報活動の対象となるのは初めて。
米国家安全保障会議(NSC)報道官は同紙に対し「トランプ大統領はグリーンランドと北極圏の安全を懸念している」と指摘する一方、グリーンランドへの諜報活動に関しては言及を避けた。
ラスムセン氏は「友邦同士は互いにスパイ行為を仕掛けないはずだ」と述べた上で、米政府が報道を否定しようとしないことを「心配している」とした。
2025.05.08-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250508-NLXETSKF3BI7TEWGRIC5FG4ZVE/
トランプ米大統領「ペルシャ湾」→「アラビア湾」に呼称変更方針 イランは強く反発
AP通信は7日までに、
トランプ米大統領が米国によるペルシャ湾の呼称を「アラビア湾」と変更する方針だと報じた。来週のサウジアラビア訪問中に発表する見通しという。複数の米政府関係者の話としている。
イランのアラグチ外相はX(旧ツイッター)で、政治的な動機により呼称を変更しようとする試みは「断固として非難されるべきだ」と反発した。
国際的にはペルシャ湾が正式な名称として認知されているが、一部のアラブ諸国は「アラビア湾」と呼ぶようアピール。イランとの間で長年論争となってきた。
トランプ氏は13~16日の日程でサウジアラビアとカタール、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問する予定。
(共同)
2025.05.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250505-BLER3UFFZ5ON5KX2FNXTF7SCK4/
トランプ氏がウクライナに強力な援軍か 地対空誘導弾パトリオット、新たに2基供与承認へ
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は4日、
米国製地対空誘導弾パトリオット2基が新たにウクライナに供与される見通しだと報じた。
主にウクライナ首都キーウの防空が目的。トランプ米大統領が承認して供与されれば、ウクライナのパトリオットは計10基態勢となる。
ウクライナに追加供与されるパトリオットのうち1基はイスラエルでの改修が終わり次第供与される予定。
バイデン前政権時にイスラエル政府との間で供与に合意していた。もう1基はドイツかギリシャが保有するパトリオットを供与する方向で検討しているという。
米国法に基づき、機密性が高い米国製兵器をウクライナに移転するには第三国から供与される場合も米政府の承認が必要。トランプ氏の意向は明らかではないが、同紙は「ロシアの対ウクライナ攻撃が激しくなるのに伴い、トランプ氏の発言もウクライナ寄りになっている」と報じた。
米国、ウクライナ両政府は4月30日、ウクライナの鉱物資源開発を巡る協定に署名したと発表。
ウクライナのゼレンスキー大統領は5月3日、鉱物協定の締結により米国はより多くの防空システムを供与することになると記者団に語っていた。
2025.05.02-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250502-KSO7OEVZJVOYHJBIO2MPHERW34/
米トランプ大統領、ウォルツ補佐官を解任を発表 閣僚級で初 情報漏洩で 国連大使に
トランプ米大統領は
1日、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任し、次期国連大使に指名すると発表した。第2次政権で閣僚級の解任は初めて。ルビオ国務長官が当面、同補佐官を兼務する。ウォルツ氏は民間通信アプリで軍事機密情報を協議し、誤って米誌編集長を招いたことも発覚。情報漏洩が問題視されていた。
トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「新たな役割でも国益を最優先することを確信している」と強調した。問題を批判するリベラル系メディアに屈する形に見られることを避けるため、同じ閣僚級の国連大使への起用を決め、更迭の印象を薄める狙いとみられる。
発表に先立ち、米主要メディアはトランプ氏がウォルツ氏と北朝鮮問題に精通するアレックス・ウォン大統領筆頭副補佐官を更迭する見通しと報じていた。
同補佐官はホワイトハウスで外交・安全保障政策を取り仕切る要職で、後任にはウィットコフ中東担当特使らの名前が浮上している。(共同)
2025.05.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250501-UFLYJGVR2NP3THARWAKU7MRX6E/
孫正義氏が米会合でAI投資強調 トランプ氏「マサ、ありがとう。あなたは長年の友人だ」
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は
4月30日、ホワイトハウスで開かれたトランプ政権下の企業投資の実績を示す会合に参加した。
表明済みの人工知能(AI)分野への5千億ドル(約71兆円)投資に関し「米国のインフラ投資として過去最大規模だ」と強調した。
孫氏は第2次トランプ政権発足直後の1月、米新興企業のオープンAI、米IT大手オラクルと共同で、生成AI分野に4年間で5千億ドルを投資する計画を明らかにした。孫氏は会合で
「重要なのは、人類の未来を担うAIの最大のインフラ投資である点だ」とも述べた。トランプ大統領は
「マサ、ありがとう。あなたは長年の友人だ」と応じた。
(共同)
2025.04.30-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250430-243LQTFONZJYDPORRLXDWEB5QA/
トランプ政権が車関税に負担軽減策 米国内生産を対象に部品を減免、日本メーカーも適用
トランプ米政権は
29日、自動車や部品に対する25%の追加関税の負担軽減措置を導入する布告を発表した。米国内で生産される自動車を対象に、部品を輸入する際の関税の一部を還付する。米国に生産拠点を置く日本勢にも適用される。国境をまたいでサプライチェーン(供給網)を構築する自動車業界からの要請を受けたもので、混乱回避のため修正に踏み切った。
メーカー各社は関税負担が価格上昇や販売減少につながるとして、減免策を要請していた。政府高官は今回の措置は、部品などを含めた生産の米国移転を進めるための時間を確保する狙いだと説明している。
軽減措置は部品を輸入して関税を払い、米国内で車を組み立てた場合に適用。車全体の15%までを対象とし、この部分にかかる部品の25%追加関税を還付する。
自動車価格のうち最大3・75%相当が軽減される計算となる。2年目は2・5%相当に減らし、3年目以降は還付措置をなくす。
米国製品として調達する部品の割合が85%以上であれば、当面は関税がかからないことになる。
(共同)
2025.04.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250429-HPK34QZQZFK2JF64P5PBGJTC4Q/
関税効果、米国民は懐疑的 物価上昇を懸念する声は89% 世論調査結果
米調査会社ギャラップは28日、
トランプ政権による
関税政策の効果について、米国民の多くが懐疑的だとする世論調査結果を発表した。
米国での物価上昇につながると懸念する声は89%に上った。
新たな関税が短期的に米国経済に打撃を与えると考えるのは70%で、長期的な影響を不安視するのは62%だった。米国内の雇用創出につながると期待したのは49%。調査は2~15日に実施した。
貿易赤字の解消を狙う政権は5日に一律10%の関税を導入した。9日には国別の貿易赤字を参考に独自に設けた上乗せ分を発動したが、金融市場が混乱したため90日間の停止を発表した。
(共同)
2025.04.27-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250427-63ZGIWJBWVBAXD4PQMURBHB3BU/
「最前列じゃないなら行かない」トランプ氏、教皇葬儀で席順強制か 青ネクタイにも批判
バチカンで26日に開かれたローマ教皇フランシスコの葬儀には世界各国の首脳が駆け付けた。
トランプ米大統領もその1人だが、最前列席を特例で認めるようバチカンに「強制」した疑惑が浮上している。
服装についてもスーツとネクタイが青で「ドレスコードを知らないのか」という批判が出ているという。米芸能情報サイト、レーダー・オンラインが報じた。
同サイトによると、トランプ氏は参列条件として目立つ最前列の席を要求。その上で「そうでなければ行かないとバチカン側に明確に伝えた。バチカン側は問題にならないようにトランプ氏を王様のように扱うことを受け入れた」と外交筋の話として伝えた。
五輪における開会式の入場順同様に、ローマ教皇の葬儀にも慣例がある。外交用の言語であるフランス語に則ってアルファベット順で席次が決まる。
特例扱いだったのはフランシスコ氏の出身国であるアルゼンチンと、バチカン領土を取り囲み、今なお大きな影響力を持つイタリア。アルゼンチンのミレイ大統領も特等席である最前列に陣取った。そのほかはドイツ(Allemagne)などから並ぶが、米国(les
états-unis d’Amérique)は本来3列目だったという。
一方、
トランプ氏が着用していた濃い青のスーツと青のネクタイも非難の的だという。
こちらもバチカンの厳格な服装規定違反。男性の場合はダークスーツに黒ネクタイ、白シャツが慣習で、コートや傘も黒でなくてはならず、「ルールを知らないのか」と非難する声が上がっているという。
ファーストレディのメラニアさんは欧州スロベニア出身のカトリック。レースのベールと手袋をつけた保守的な黒いコート姿で参列した。
2025.04.26-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250426-EHTSQC4Z3ZLZ7I5XYGC7DTVI2I/
トランプ氏とゼレンスキー氏の会談は15分間 米ホワイトハウス「非常に生産的な協議」
トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は
26日、バチカンで会談した。
ロシアとウクライナの和平が最大の焦点。米ホワイトハウスは「非常に生産的な協議」だったとしたが、内容は明らかになっていない。
バチカンでは同日、ローマ教皇フランシスコの葬儀が営まれ、各国首脳による弔問外交の舞台になった。
会談は教皇葬儀の前、バチカンのサンピエトロ大聖堂内で約15分間行われた。膝をつき合わせて話す写真が公開された。
トランプ氏とゼレンスキー氏が対面で会談するのは、口論の末に決裂した2月末のワシントンでの首脳会談以来初めて。英スカイニューズ・テレビによると、
教皇葬儀の終了後に再び会談する可能性がある。 トランプ氏にとっては2期目初の外遊。出発前、ホワイトハウスで記者団に「多くの外国首脳と会う」と述べた。ただ、26日中に帰国の途に就く予定で、滞在時間が限られている。
(共同)
2025.04.23-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250423-Q6APPNACGZIXPOMM5RSHJGTMRU/
クリミアは露領、ロシアの占領地支配も容認…米の「最終和平案」内容判明と米報道
(小野田雄一)
ロシアによるウクライナ侵略で、米ニュースサイト「アクシオス」は22日、
トランプ米政権が最近、ウクライナに「最終提案」として提示したとする
和平案の詳細を伝えた。
ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島を露領土として正式に承認するほか、
ウクライナ東・南部4州の占領地域についてもロシアの実効支配を認めるとの内容。事実であれば、
全体的にロシア側に有利な内容で、ウクライナが受け入れるかは不透明だ。
和平案はこのほか、
ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への非加盟を「約束」すると規定。
対露制裁の解除も定めた。一方
、ロシアがウクライナ東部ハルキウ州の占領地域を放棄することや、南部ザポリージャ原発を米国が管理するとの内容も盛り込まれた。
トランプ政権は和平案を、ウィットコフ中東担当特使とプーチン露大統領の今月11日の会談を受けて起草したという。
一方、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は22日、消息筋の話として、
プーチン氏がウィットコフ氏との会談で、ウクライナ東・南部4州全域に対する領有権主張を取り下げる可能性に言及したと伝えた。プーチン氏は現在の前線での戦闘終結も提案したという。
事実であれば、東・南部4州全域のロシアへの割譲を停戦条件の一つに掲げてきたプーチン氏が一定の「譲歩」を示した形となる。ただ、国営ロシア通信によると、ペスコフ露大統領報道官はFT報道について「現在は多くの偽情報が報じられている」と述べ、
事実でないとの立場を示した。
プーチン氏は従来、停戦条件として、ロシアが一方的に併合を宣言したクリミアと東・南部4州全域の対露割譲や、「中立化」「非軍事化」などをウクライナが受け入れることを掲げていた。
一方、ウシャコフ露大統領補佐官は22日、今週中にウィットコフ氏が再び訪露する予定だと発表した。
(小野田雄一)
2025.04.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250422-WCK5WINJKJOV3BR6I5ROZX66VI/
「遅すぎる男!」FRB議長へのトランプ砲で「米国売り」拍車 一時1ドル=139円台に
(米沢文、ワシントン 塩原永久)
22日の外国為替市場で円相場が対ドルで急伸し、一時1ドル=139円台と約7カ月ぶりの円高ドル安水準をつけた。
トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)に利下げを要求したことで、
FRBの独立性が揺らぐとの懸念が強まっている。
米国ではドルだけでなく、株と債券も売られる「トリプル安」の様相を呈している。
「ミスター・トゥー・レイト(判断が遅過ぎる男)」。トランプ氏は21日、自身のSNSでFRBのパウエル議長をこう批判し、「いま金利を下げなければ経済が減速しかねない」と早期利下げを要求した。
トランプ氏は17日にも「退任が早過ぎるということはない」と辞任を迫っており、〝口撃〟を強めている。だが、法律で独立性が担保されている中央銀行に対し、大統領が公然と政策変更を求めたり、トップに理不尽な解任を迫ったりする行為は本来、ご法度とされる。通貨や財政の信認低下に直結するためだ。
混乱への警戒感から、21日のダウ工業株30種平均は連休前の終値から一時1300ドル超も下落。「安全資産」とされる米国債やドルも売られた。
米国売り「市場さらに強く反応も」
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「高関税政策によって市場の不安が高まる中、大統領がFRBに利下げ圧力をかけ続ければ、市場はさらに強く米国売りで反応する恐れがある」と指摘する。
米国資産から逃げ出したマネーは日本円のほか、スイスフランや「金」に流入。円高が重しとなり、22日の日経平均株価は続落した。
加藤勝信財務相は米ワシントンで開かれる20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議に出席予定で、24日にベセント米財務長官と会談する方向で調整している。米側がドル高是正を求めるとの観測もドル売りの材料になっている。財務省幹部は「まずは向こうの要望を聞いてみないと分からない」と気を引き締める。
(米沢文、ワシントン 塩原永久)
2025.04.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250422-SOFM2M6EPBOJZBXIPGIRLBNAZI/
トランプ大統領、FRBパウエル議長は「判断が遅すぎる」 改めて早期利下げを要求
トランプ米大統領は
21日、自身のSNSで、米連邦準備制度理事会(FRB)に政策金利の早期引き下げを改めて要求した。
インフレは解消したと主張し「今利下げをしなければ、経済が減速する可能性がある」と強調した。
パウエル議長の批判も繰り返し、21日の米ダウ工業株30種平均は金融市場混乱への警戒から売りが膨らみ、連休前の終値から一時1300ドル超下落した。
トランプ氏は、
エネルギーや食料品の価格が大幅に下がったとし「インフレはほぼ起こり得ない」と持論を展開。
パウエル氏について「(判断が)常に遅すぎる」と批判した。「先手を打つ利下げを求める声は多い」とも指摘した。
直近2月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2・5%上昇となり、伸び率は前月から横ばいだった。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は2・8%上昇し、2カ月ぶりに伸びが拡大した。パウエル氏は、トランプ政権の高関税政策による成長鈍化に警戒感を示しつつ、インフレ再燃への懸念から利下げには慎重な姿勢を崩していない。
(共同)
2025.04.17-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250417-3VVR2GCBNNJXHJFSVZI5VSWOZI/
トランプ氏「大変光栄。大きな進展だ」赤沢再生相と会談 日米交渉始まる 関税取り下げ焦点
【ワシントン=塩原永久、坂本一之】訪米した赤沢亮正経済再生担当相は16日午後(日本時間17日午前)、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談した。
日米両政府は米政権の関税措置を巡る交渉を開始。米側は貿易赤字削減に向け、日本市場開放などを要求し、日本側は追加関税の取り下げを求めるとみられる。
トランプ氏は16日夕、交流サイト(SNS)に、日本の代表団を迎え「大変光栄。大きな進展だ」と投稿した。
赤沢氏はベセント米財務長官らと会談し、会談終了後、記者会見する。・・・トランプ氏が16日朝、交渉出席を表明したことを受けて、石破茂首相は「実りある会談となることを期待している」とX(ツイッター)に投稿していた。
トランプ氏は16日朝のSNSへの投稿で、防衛負担や「貿易の公平性」が討議されると指摘し、日米双方に「良い成果が得られると望んでいる」とした。米政権内には防衛費や在日米軍の駐留経費の負担増額を求める動きがある。
米側から、ほかに通商代表部(USTR)のグリア代表が参加。米政権は、日本が自動車の安全基準などで非関税障壁を維持していると主張しているほか、コメをはじめとする農産品の市場開放を要求する姿勢をみせている。為替も議題にしたい意向とみられる。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、
米政権は関税交渉の相手国に対して、中国製品の迂回(うかい)輸出の防止を求めることを検討しているという。
政権内ではベセント氏が主導している案だとされ、赤沢氏との会談でも対応を要請してくる可能性がある。
2025.04.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250415-VIPXGG2OLVIC3NES4HJ76TYHGY/
トランプ氏、自動車関税の減免検討か 「メーカー支援する」緩和策が必要と認識示す
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は
14日、自動車と部品に課した追加関税に関連し、「いくつかの自動車企業を支援する何かを検討している」と述べた。詳細には言及しなかったが、
関税措置を減免する案が政権内で浮上している可能性がある。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団の取材に応じ、自動車メーカーが「部品を米国内で生産しようとしているが、それには少し時間を要する」と指摘。自動車への高関税の影響を、しばらく緩和する対応をとる必要があるとの認識を示した。
米国で事業展開するメーカーは、国境を接するカナダ、メキシコをまたぐ供給網(サプライチェーン)を整備している。部品には完成までに数回にわたって国境を行き来するものもあり、米国の関税が大幅なコスト増につながる懸念がある。
トランプ政権は輸入車への25%の追加関税を3日に発動。乗用車の税率は2・5%から27・5%に上がった。ただし、エンジンやトランスミッションなどの主要部品は、1カ月後の5月3日までに、25%が適用されることになっている。
2025.04.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250413-4HNCOQEYYRJKJEWUH5XLAO2GAU/
トランプ氏が2期目初の健診 認知テストは「全問正解だった」 結果は近く公表
(ワシントン支局)
米主要メディアによると、
トランプ大統領は11日、2期目就任後で初めての定期健康診断を東部メリーランド州の軍医療施設で受けた。
結果は13日に公表される見通し。認知テストも受けたといい、トランプ氏は「全問正解だった」と記者団に語った。
トランプ氏は1月、78歳と史上最高齢で大統領に就任。ファストフード好きで知られている。
ABCテレビによると、11日の健診が行われた医療施設には約5時間滞在。トランプ氏は健診後、大統領専用機内で「全体として心身はとてもよい状態だ」と述べた。認知テストについては、受検を拒んでいたバイデン前大統領を引き合いに出して「バイデンとは少し違った存在になりたかった」と語った。
トランプ氏は1期目だった2018年の健診で「極めて健康」とされたが、
高コレステロールや肥満を指摘された。
(ワシントン支局)
2025.04.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250412-RVV6M6WXJZN6NMX4ZYJ2DCEJWM/
トランプ氏「変心」なぜ 関税90日停止 債券市場の異変、好きな番組…翻意促す
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領が9日未明に発動した「相互関税」を、13時間余り経過した後に突然、一部停止すると表明した。
株式市場は急騰し、各国関係者らが驚かされたが、トランプ氏の変心の背景に何があったのか-。
「その問題は、すぐに修正した。得意なんだ」
トランプ氏は11日、大統領専用機で、報道陣の質問にそう答えた。「その問題」とは、国債市場で約23年ぶりに起きた異変のことだ。
米政権が貿易赤字是正を狙い、2日発表した相互関税は、市場の想定を上回る大規模な措置となった。5日未明に10%分を発動。9日未明には、赤字が多い約60カ国への上乗せ部分を適用した。
景気悪化を招く関税発動で、株価が急落。安全資産とされる米国債も売られた。長期金利の指標となる10年債利回りが、週明け7日から9日に0・53ポイント上昇(債券価格は下落)し、3日間の上昇幅が2001年12月以来の水準を記録した。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、
2日の発表以降、市場の異変を察知し「金融パニックを恐れた(ベセント財務長官ら)政権幹部」が、トランプ氏に働きかけを開始。貿易問題の本丸である中国への対処に集中するよう進言した。
相互関税は9日未明に発動したが、トランプ氏の翻意を後押ししたと取り沙汰されるのが、同氏が好む保守系FOXビジネスのテレビ番組だ。
9日午前、
米金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)が出演し、トランプ氏の指導力を称賛。一方、同氏の高関税政策を巡り、「(景気後退が)可能性の高い結果だ」と指摘し、深刻な懸念を示した。
トランプ氏は起床後、FOX系番組を視聴するのが習慣で、同氏に直接訴えたい政界関係者らが出演を競う。トランプ氏と旧知のダイモン氏は、そうした事情を熟知していたようだ。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、番組終了後に司会者と電話したトランプ氏が、「(ダイモン氏は番組で)良い指摘をしていたと話していた」といい、視聴していたことを認めた。
トランプ氏は9日午後、相互関税の上乗せ部分の90日間停止を発表したが、市場の動揺は収まらない。レビット大統領報道官は11日、財務当局が「債券市場を注視している」と述べ、市場を監視する方針を示した。
2025.04.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250410-R37L37HQXZLQVMOQTD7YMRHTLI/
米、「相互関税」上乗せ部分の90日間休止を表明 中国には「125%に上げる」
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は
9日午後(日本時間10日未明)にSNSへ投稿し、「相互関税」のうち10%を上回る税率部分を90日間、ただちに休止すると発表した。
米国への報復関税を強化した中国に対しては「関税を125%に上げる」と表明した。
トランプ氏は投稿で、中国が「世界の市場に対する敬意」を欠いていると批判した。その上で、中国への追加関税の税率を125%に上げると明らかにした。即時発効するとしている。税率は直前まで計104%としていた。
これと対照的に、「75カ国以上が米国との交渉に向けて連絡してきた」と指摘。これらの国々が報復措置をとらず、関税や貿易障壁などについて米国と協議する姿勢を示していると述べ、
「90日間の休止を承認した」と述べた。
米政権が相互関税と呼ぶ追加関税は、ほぼ全ての国にまず10%を課税。この基礎部分に加え、米国が抱える貿易赤字が多い国々に個別に算定した税額を上乗せしている。日本には基礎部10%に14%を上乗せし、計24%を課していた。
2025.04.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250409-TGNZUYMCRFMWPGXKBWWC5ULJTM/
トランプ関税、見えぬ着地点 政権内もせめぎあい 中国には強硬で「貿易戦争」に現実味
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領が発動した一連の関税措置を巡っては、「70近い国々が交渉開始に向けて連絡してきた」(レビット大統領報道官)という。今後は協議の行方が焦点となるが、関税の減免はトランプ氏の一存で決まるだけに交渉の成否は見通せない。一方、
米政権は中国への強硬姿勢を貫き、貿易摩擦のさらなる激化も辞さない構えだ。
8日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は前日比320ドル安と4営業日、連続で下落した。取引時間中には上げ幅が1400ドルを超える場面もあり、連日、相場は乱高下している。
投資家を惑わせるのは
トランプ氏の発言だ。
相手国からの協議を受け入れる姿勢をみせつつ、関税措置を休止することは「考えていない」と述べるなど真意がみえない。
トランプ政権内でも、産業や雇用の米国回帰を促すため高関税を発動・維持すべきだとするグループがある半面、関税は一時的な交渉カードにとどめて相手国に市場拡大などを迫るべきだとするグループがあり、せめぎあいが起きていると米メディアが伝えている。
交渉を通じ、相手国がどこまで譲歩すればトランプ氏が関税撤回に応じるかは、うかがえない。議会内でも、政権から関税発動の目的や適用期間などに関する「明確な発信が何一つない」(民主党上院議員)と不満が出ている。
第1次トランプ政権は2018~19年の米中貿易摩擦で、関税対象となる中国産品を選定した上で、最大25%の追加関税をかけた。米ピーターソン国際経済研究所によると、中国からの輸入品の最大6割前後が関税の標的となった。
第2次トランプ政権は今回、第1次政権をはるかに上回る計104%を中国からの全輸入品に課すことになる。反発する中国も一歩も引かない構えで、米中が関税措置を応酬する「貿易戦争」に陥るシナリオが現実味を帯びている。
2025.04.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250408-VIYUBOUOPZKEXCJC24T2C54FFA/
トランプ氏、中国が対米報復やめなければ「関税50%上乗せ」 SNSで表明
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は7日、
相手国が課す水準まで関税を上げる米国の「相互関税」に対して中国が報復措置を取り下げなければ、中国からの輸入品にさらに50%の関税を9日から上乗せすると表明した。
8日までに報復を取り下げるよう要求。応じなければ中国との協議を「終わらせる」とも述べた。
トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)への投稿で、相互関税に報復した国が「非常に高い新たな関税に直面することになるとの私の警告」にも関わらず、
中国が対米報復に出たと非難した。
また、中国を除くほかの国々から要請された貿易協議について「ただちに始まる」と指摘した。
トランプ氏は7日のイスラエルのネタニヤフ首相との会談冒頭、
「中国は本質的に閉じられた国だ」と市場の閉鎖性を批判した。ほかの国にも同じことが言えるとした。
トランプ米政権は中国に9日から34%の相互関税を課すと発表。これに対して中国政府は、報復措置として、米国産の全ての輸入品に34%の追加関税を10日からかけると表明していた。
米国は合成麻薬「フェンタニル」の流入防止策に関連し、すでに中国産品に20%の関税を適用している。これに34%の相互関税が加わり、さらに新たな50%の追加関税が課されれば、計104%の関税率になる計算だ。
2025.04.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250408-UZPZXYTOEJIHPMRD7MHP6KZLHM/
トランプ氏、財務長官らに対日交渉指示 関税休止「考えず」 長官「日本は優先的かも」
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は7日、
「相互関税」などの関税措置を巡り、
ベセント財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表に日本との交渉を開始するよう指示した。
ベセント氏がX(旧ツイッター)で明らかにした。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、一連の関税措置を休止することは「考えていない」と話した。
トランプ氏は7日、イスラエルのネタニヤフ首相との会談冒頭、「とても多くの国が米国と取引するため交渉にくる」と述べた。
石破茂首相との7日の電話会談にも触れ、日本市場が米国の自動車を受け入れていないと改めて不満を示した。
また、
日本の通貨・円を例に挙げつつ、多くの貿易相手国が為替を操作し「通貨を安くしている」と主張。その結果、米国製品を外国で売るのが「非常に困難だ」と訴えた。
ベセント氏は米FOXビジネスの番組で、
「日本は迅速に名乗り出てきた。優先的に扱われるかもしれない」と話した。日本の非関税障壁が非常に高いと強調したが、日本側との交渉は
「非常に生産的なものになると思う」と語った。
相互関税は5日にまず10%分が発動。貿易赤字の大きい国に対しては上乗せ分を9日から課す。日本は計24%になる。
トランプ氏や政権幹部は、貿易相手国が自国通貨を安く誘導し、輸出で不当に競争力を得ているとの見解を繰り返し述べており、関税措置を巡る交渉で為替問題も扱われる可能性が出ている。
2025.04.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250405-HLBJU7HLZZI6JAOV5MGEVWFOB4/
「相互関税」10%分が発効 日本への税率は9日に24%、トランプ氏「政策変わらない」
【ワシントン=塩原永久】トランプ米政権は
5日、「相互関税」のうち10%分の追加関税を発動した。
全世界からの輸入品に一律に適用し、貿易赤字の削減を目指す。日本など赤字額が多い約60カ国・地域は9日から税率を上げる。
日本に対する税率は計24%になる。中国やカナダが報復関税を表明し、激化する貿易摩擦が世界経済の先行きを暗くしている。
相互関税は2層構造になっており、基礎部分の10%は、ほぼ全ての貿易相手国・地域が対象になる。9日未明に適用する上乗せ部分は、貿易赤字額が多い約60カ国・地域に対して、個別に税額を設定している。
米国の関税措置と、中国などによる対抗措置の応酬が景気悪化を招く恐れが強まったとして、4日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、前日比2200ドル超の下げ幅となった。。。。だがトランプ米大統領は4日、交流サイト(SNS)への投稿で、「私の政策は決して変わらない」と強調し、強硬な関税政策を断行する姿勢を示した。中国の報復関税については、「中国は誤ったやり方をした。パニックになっている」と批判した。
一方、トランプ氏は別の投稿で、ベトナムのトー・ラム国家主席(共産党書記長)と「とても生産的な電話をした」と明らかにした。ベトナムから「米国と合意できるのなら関税をゼロまで引き下げたいと伝えられた」と説明。近い将来の首脳会談に意欲を示した。
トランプ氏は、追加関税の減免を目指す他国からの交渉を受ける構えだが、相手国には踏み込んだ譲歩を迫る構えだ。今後、新たに医薬品や半導体への関税措置も公表するとしている。
米政権は相互関税を巡り、既に25%の関税を課す措置を一部発動したカナダとメキシコには適用しない。また、
鉄鋼とアルミニウム、自動車といった分野別関税の標的となった輸入品は、対象外としている。
2025.04.05-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250404-IVHTPRLBZ5JMDB6RCGPZ2Y64GM/
NY株下げ幅一時1700ドル超 7か月ぶり4万ドル割れ 中国の報復関税で景気減速懸念
4日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は続落して始まり、
前日と比べた下げ幅が一時、1700㌦を超えた。取引時間中として昨年9月以来、約7カ月ぶりに節目の4万㌦を割り込んだ。
トランプ米政権の相互関税に対し中国が報復関税を発表。世界的な貿易戦争の激化と、米国の景気減速への警戒感が広がった。
午前11時現在は前日比1424・11㌦安の3万9121・82㌦を付けた。
(共同)
2025.04.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250404-SHIT6ASLABKBDJJ76KCRQH5C3E/
トランプ関税、EUは「報復」 韓国と台湾は「困惑」 対抗手段は硬軟分かれる
トランプ米大統領が
2日(日本時間3日)に相互関税を発表したことを受け、米国の主要貿易相手国・地域は一斉に反発した。ただ、
対抗手段に関しては、欧州連合(EU)や中国が報復措置をとる意思を示した一方、
具体的な言及を避けた国もあるなど対応が分かれている。
EUのフォンデアライエン欧州委員長は3日、
「われわれは応じる用意がある」と報復措置をとる構えを示した一方、
「まだ遅すぎない」とも述べ、交渉による摩擦解消を米国に呼び掛けた。
事前に「報復関税に飛びつくことはしない」と述べていたスターマー英首相は3日、英政府の対応について「冷静な態度を維持する」と表明。英国製品の関税率が10%にとどまったことに安堵(あんど)しているもようだ。
中国外務省の郭嘉昆報道官は記者会見で「ルールを基礎とする多国間貿易体制を深刻に損なっている」と難じた。その上で「必要な措置を講じ、自らの正当な利益を固く守る」と対抗措置をとる方針を示した。
中国や北朝鮮の脅威に直面し、安全保障を米国に依存する韓国と台湾は困惑を隠せない。
韓国政府は3日、緊急会議を開き、大統領権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相は「通商危機の克服に向け、政府が持つ全ての力を注がなければならない」と強調。32%の相互関税を課された台湾の行政院(内閣に相当)の報道官は「極めて不合理で非常に遺憾だ」とする声明を発表した。
自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を結ぶカナダとメキシコは反応が分かれた。
カナダのカーニー首相がトランプ政権を非難するとともに「関税に対抗する。そのための対策も講じる」と述べたのに対し、メキシコは報復関税に慎重だ。ロイター通信は
USMCA適合品に対する関税猶予が継続されると報じており、
こうした事情もメキシコの対応に影響を与えた可能性がある。
2025.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250403-JZOPZKWBX5IG7EV7QWNJWFAZOY/
トランプ関税算出方法に疑問広がる 貿易赤字を輸入額で割っただけの「偽の関税率」と批判
(岡田美月)
トランプ米大統領が
3日発表した相互関税を巡り、税率の算出方法に疑問を呈する声が上がっている。
米国が2024年に計上した貿易赤字額を輸入額で割った数字を基に税率を算出していたと見られ、
会員制交流サイト(SNS)では「偽の関税率」と批判が上がった。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、
金融ジャーナリストのジェームズ・スロウィッキー氏が自身のX(旧ツイッター)で、相互関税の算出方法について分析した。スロウィッキー氏は税率について、
「関税率と非関税障壁を計算したものではない」と指摘し、
偽の関税率だと批判。
米国の貿易赤字額を貿易相手国の対米輸出額で割っただけだと断じた。
トランプ氏は非関税障壁を考慮すると、日本は米国に対して46%の関税を課していると主張した。この数字は、24年の対日貿易赤字額(684億ドル)を輸入額(1482億ドル)で割った「0・46」が根拠になっているとみられている。
ホワイトハウスの担当者は記者団への事前説明で、関税率の算出方法について、経済諮問委員会が「定評のある手法」を使って算出したと説明していた。ホワイトハウスはその後、米通商代表部(USTR)の公式サイトに「解析しづらい数式」(同紙)を使って算出方法の詳細を示した。
米シンクタンク
「新アメリカ安全保障センター(CNAS)」の研究員で元USTR副次官補のエミリー・キルクリース氏は「早く何かを発表したいという願望から、政策目標に極力沿った数値を出したようだ」と指摘した。
(岡田美月)
2025.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250403-2LTUXGA5WZMRHPFACCHEZ2U3QE/
米自動車関税が発動へ 25%の追加措置 日本車に逆風強く 米国産の使用促進も目指す
【ワシントン=塩原永久】米国への自動車と主要部品の輸入品に25%の追加関税を課す措置が、米東部時間3日未明(日本時間3日午後)に発効する。
日本からの輸出品も対象になり、
自動車を基幹産業とする日本経済への打撃が見込まれる。
トランプ米大統領は米国の自動車産業の再興を目指す意向で、今後、米国製部品を優遇する仕組みの導入にも取り組む。
米国は普通車に2・5%の関税を課しており、新たな関税の発効後は税率が11倍になる。一部のトラックは現在の25%が50%になる。対象の部品にエンジンやトランスミッション(変速機)などが含まれたが、徴税は最大1カ月遅らせる。
米政府は、第1次トランプ政権の2019年に輸入車の流入を「安全保障上の脅威」と認定した判断を根拠にして、新たな関税措置を発動した。
自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定」で無税となる部品は、当面、追加関税の適用外とする。米政府は関税対象部品を拡大する検討を1カ月以内に進める。米国産の使用割合が低い部品に高い税率を課す仕組みにするとしている。
米政府によると、
2024年の新車販売台数の半数近い800万台程度が輸入車だった。
最多がメキシコからの約296万台。日本は約138万台を持ち込んでいる。
2025.04.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250403-2KNGTEVQEBIN5CWVIHM3YFU2PE/
トランプ関税、次第に米国景気にも影響顕在化 米金融大手「不況入り確率35%に上昇」
【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領が表明した関税措置は、米国経済にも悪影響を及ぼすとの観測が強い。
経済専門家は景気後退に陥る確率が高まっていると分析。
国際的な供給網(サプライチェーン)を敷く自動車などの製造業で景況感が悪化しており、トランプ氏が重視する対米投資を手控える動きが顕在化しかねない。
米金融大手ゴールドマン・サックスは3月末、トランプ政権が強硬な関税措置を導入していった場合、米国が1年以内に景気後退に陥る確率が、従来の20%から35%に上がるとの分析を示した。
高水準の関税は国内の物価上昇圧力になり、変動の大きい食料・エネルギーを除いたコア指数が2025年末に3・5%増まで上がると予測した。米メディアが報じた。
米供給管理協会(ISM)が今月1日に発表した3月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49・0と、拡大・縮小の分岐点となる50を3カ月ぶりに下回った。2月は50・3だった。関税が製造業の景況感を押し下げ、「物価上昇を加速させた」(ISM幹部)という。
トランプ氏は演説や記者会見で、人工知能(AI)や半導体といったハイテク分野を中心に大型対米投資の発表が相次いでいると誇っている。だが、関税発動と相手国の報復措置で経済の先行きが見通せず、企業は投資に慎重になっている。
昨年秋の大統領選で、
物価高に不満を抱く有権者がトランプ氏支持に回ったとされ、関税の痛みが鮮明になれば同氏に注がれる視線が一気に厳しくなるとみられる。
2025.04.01-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250401-6IWWGCT7WZKGVJNHBVFJT4BW34/
香港警察トップら6人制裁 トランプ米政権「国境越え弾圧」 国家安全維持法の域外適用
トランプ米政権は
3月31日、香港国家安全維持法(国安法)を域外に適用し、
米市民や米在住者を含む19人の民主活動家に対する「国境を越えた弾圧」に関与したなどとして、
香港警察トップ蕭沢頤警務処長ら6人を制裁対象に加えたと発表した。
司法部門トップ林定国司法官や香港国家安全維持委員会の区志光秘書長のほか、国安法に基づく中国政府出先機関の国家安全維持公署の董経緯署長らが対象となった。米国内の資産を凍結し、米国人との取引も禁じる。
国務省は声明で「香港の人々の権利を奪ったり、米国の領土内で弾圧行為をしたりする者の責任を問うトランプ政権の決意を示すものだ」と強調した。
ルビオ国務長官は3月31日、チベット自治区への米外交官や記者らの訪問を制限する政策に関わる中国当局者に対し、追加のビザ制限を課すと明らかにした。
(共同)