トランプ現大統領-1


2025.02.15-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250215-L4FKO3EEYNJIHKNQ4WHQ54SQKU/
米が希少鉱物資源の5割所有を提案、ウクライナは応じず 支援の見返りに 米NBC報道

  米NBCテレビは14日、トランプ米政権がウクライナに対し、同国の希少な鉱物資源の50%の所有権を米国に譲渡するよう提案していたと報じた。ウクライナは応じなかった。複数の米当局者の話として報じた。

  トランプ政権はロシアの侵略を受けるウクライナに対する支援の見返りに、希少資源の供与を求めている
  ベセント米財務長官は12日、キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談し、希少資源に関する合意文書の草案を示した。NBCによると、草案には米国に50%の所有権を認めることが盛り込まれていたゼレンスキー氏は文書への署名を拒否した。
  ウクライナメディアによると、ウクライナ側は米側の草案を踏まえて対案を示し、ドイツ・ミュンヘンでのゼレンスキー氏とバンス米副大統領との会談で議論したが、合意に至らず協議を続けることになった。対案の内容は明らかになっていない。(共同)


2025.02.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250215-ROKD5DHB6FJT5IMHUQFEJ2BSB4/
USAID問題で存在感、史上最年少27歳のレビット大統領報道官 出産4日後復帰で話題

  ドナルド・トランプ政権が解体を進める「国際開発局(USAID)」の問題で、政権のスポークスマンとして前面に立っているのが、史上最年少の27歳で大統領報道官に就任したキャロライン・レビット氏だ。昨年7月のトランプ氏暗殺未遂事件を受け、出産4日後に選挙チームに復帰したことでも話題となった。

  欧米メディアの報道によると、レビット氏は米東部ニューハンプシャー州出身。第1次トランプ政権で大統領報道官の補佐を務め、2022年の中間選挙では、地元から下院選に出馬したが落選した。24年の大統領選では、トランプ陣営の報道担当を務めた
  ビット氏の強い使命感が現れたのが、昨年7月13日、トランプ氏が銃撃を受けた際のことだ。・・・レビット氏は当時、生後3日目の長男を抱きながら、自宅のテレビで事件を目にした。米メディアのインタビューでは、「私は夫を見ながら、『仕事に戻るみたい』と言いました」「この歴史的な瞬間に立ち会わなければならないと感じた」と明かしている。

  トランプ氏は11月5日の大統領選に勝利し、ホワイトハウスへの返り咲きを決めた。同月15日、レビット氏の大統領報道官への起用を発表したトランプ氏は声明で、「キャロラインは賢く、タフで、優れたコミュニケーターであることを証明してきた」と絶賛した。
  「ワンダーウーマン(脅威の女性)」とのニックネームを付けられたレビット氏は日々、大統領報道官として存在感を高めている。


2025.02.15-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250215-BA7DJUC2SZLWHEWEK77HTOOF5Y/
「グアテマラでの性転換、DEIミュージカル…」 トランプ政権が指弾するUSAID事業

  ドナルド・トランプ政権は、米国の海外援助を担う「国際開発局(USAID)」の予算について、具体例を挙げて「無駄遣いだ」と批判し、職員数千人に休暇を指示した。これに対し、米メディアでは政権側の指摘をファクトチェックする動きも出ている

  「グアテマラでの性転換に200万ドル(約3億円)、エジプトの観光に600万ドル(約9億円)、イラクでの新しいセサミストリート番組に2000万ドル(約30億円)、カザフスタンでの偽情報対策に450万ドル(約6億7500万円)…」
  キャロライン・レビット米大統領報道官は5日の記者会見で、リストを示しながら、USAIDが各国で進める事業の問題点をこう指摘した。
  レビット氏は前日(4日)も、「過去数年間にUSIDで行われてきた無駄や不正を見れば、この組織の優先順位が狂っていることが分かる」といい、次のように具体例を挙げた。
  「セルビアでの『DEI(多様性・公平性・包括性)』推進に150万ドル(約2億2500万円)、アイルランドでのDEIミュージカル制作に7万ドル(約1050万円)、コロンビアでのトランスジェンダーオペラに4万7000ドル(約705万円)、ペルーでのトランスジェンダーコミックに3万2000ドル(約480万円)」
  これに対し、米紙ニューヨーク・タイムズは8日、レビット氏らの発言が事実か否かを検証する記事を掲載した。
  記事では、レビット氏がUSAIDによる「無駄な事業」として例示した8つのうち、イラクとセルビア、カザフスタンへの資金提供は事実だったとしたが、残り5つについては「背景事情を省略している」などと説明した。


2025.02.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250214-MQ3OPJXARVJ7DAOBPQG3FRYTLI/
日本には「構造的障壁」と米高官 トランプ大統領が相互関税検討を指示、4月にも判断

  【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領13日、高い関税や非関税障壁を課す貿易相手への関税を引き上げる「相互関税」の検討を関係省庁に指示する文書に署名した。相手国・地域を個別に調査し、早ければ4月にも大統領が判断して実施する。トランプ政権高官は「日本には高い構造的障壁がある」と指摘しており、日本も対象となる可能性がある。

貿易赤字「安全保障を脅かす」
  トランプ氏はホワイトハウスで、「ほとんどの国々が米国より多く(関税を)課している」と指摘。公平な貿易を実現するために、同率の関税を課す方針を強調した。
  トランプ氏が署名した文書は、米国が抱える貿易赤字が「経済・国家安全保障を脅かしている」と明記。商務省や米通商代表部(USTR)を中心とした関係省庁に対し、貿易相手ごとに関税や非関税障壁の状況を調査するよう命じた。
  ラトニック商務長官候補は13日、調査を4月1日までに終える方針だと説明した。報告を受けたトランプ氏が相互関税発動の是非を判断する。米政権は、米国側の貿易赤字が大きかったり、高水準の関税を課したりしている国・地域に優先的に対処するとしている。
自動車に新たな関税検討も
  米国の輸出品が不利に扱われる非関税障壁として、貿易相手の規制や慣行、補助金を挙げた。欧州連合(EU)の付加価値税(VAT)も考慮の対象とした。米政権高官は日本について「関税は低いが、高い構造的障壁がある」と問題視した。
  トランプ氏は13日、記者団に対し、自動車の輸入に対する新たな関税措置の検討も急ぐ意向を示した。
  トランプ政権は関税を巡る措置を矢継ぎ早に打ち出している。2月4日に中国からの輸入品に対する10%の追加関税を発動した。2月1日に決定したカナダとメキシコへの関税上乗せ措置は、1カ月延期。日本も対象となる可能性がある鉄鋼やアルミニウムへの関税を10日に発表し、3月12日に発動する予定だ。


2025.02.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250213-KLERV2VK5ZPI7JSLH2S6Z5TTEU/
米露首脳が電話会談、ウクライナ戦争終結へ「ただちに交渉開始」合意 相互訪問も

  【ワシントン=大内清】トランプ米大統領12日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、同国とウクライナの戦争終結に向け、米露両国の交渉団が「ただちに交渉を開始することで合意した」と発表した。トランプ氏は続いてウクライナのゼレンスキー大統領とも電話で会談。ロシアによるウクライナへの全面侵攻から24日で3年となるのを前に、ウクライナ情勢を巡る「トランプ外交」が本格始動した。

  トランプ氏は会談後、記者団に、時期は明示せずにプーチン氏とサウジアラビアで会談する可能性に言及。将来的なウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟や、ロシアがウクライナ南部クリミア半島を一方的に併合した2014年以前の領土を同国が完全に回復することは「現実的ではない」とも主張した。
  トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)への投稿で、プーチン氏との電話会談は「長時間でとても建設的」なものとなったと強調。両首脳が互いの国を訪問することでも合意したと述べた。
  またトランプ氏は、ドイツで開催される「ミュンヘン安全保障会議」に出席するバンス副大統領とルビオ国務長官が14日に現地でゼレンスキー氏と会談すると説明。ルビオ氏やラトクリフ中央情報局(CIA)長官、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ウィットコフ中東担当特使らの交渉団が協議を「成功させるだろう」と自信をみせた。
  一方、トランプ氏は記者団に、米国がこれまでウクライナに供与した支援を「取り戻す」ため、同国のレアアース(希土類)や化石燃料の権益などの「保証」が必要だと改めて主張した。


2025.02.13-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250213-QCAQKK7DJVJLVLEMCSSXIXGVQM/
トランプ氏とゼレンスキー氏が電話会談「和平、安全保障を協議」 米露電話会談後に実施

  ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、トランプ米大統領と電話会談「和平達成の可能性や安全保障、経済・資源協力について協議した」と通信アプリに投稿した。両首脳は、対面会談を実施することも申し合わせた。トランプ氏も交流サイト(SNS)に「戦争に関して議論した。ゼレンスキー氏は、プーチン大統領と同様に平和を望んでいる」と投稿した。

  ウクライナ大統領府によると、電話会談は約1時間で、米ロ首脳電話会談の直後に実施した。(共同)


2025.02.12-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250212-G6OJX3D6HVJU3LVXTQAUIEXG2Q/
トランプ米政権で台湾海峡を初航行 中国は全行程追跡し反発、軍事演習を実施

  トランプ米政権は1月の発足後初めて台湾海峡に艦船を派遣した。中国軍が12日、米国の駆逐艦と海洋測量船が10~12日に台湾海峡を航行したと発表した。中国軍は全行程を追跡・監視したといい「国家主権や地域の平和と安定を断固守る」と反発したトランプ米政権による追加関税に中国側が報復関税を発動し米中関係が緊張する中、中国は台湾を巡る米側の対応にも不満を高めており、対立が激化しそうだ

  中国国営中央テレビによると、中国軍は12日、台湾周辺で軍艦や戦闘機を動員し軍事演習を実施した。中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区は報道官談話で米艦派遣について「米側の行動は誤ったシグナルを送っており、安全へのリスクを高めた」と非難した。海上と上空で兵力を動員して「有効な措置」を取ったと主張し、台湾を巡り譲歩しない姿勢を示した。(共同)


2025.02.12-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250212-PKREANYMFBIVTGWEXS2RWGYRP4/
米国第一の「トランプ2.0」スタート 関税・移民政策・減税で日本に降りかかる火の粉
(山口暢彦)

  第2次トランプ米政権1月20日、始動した。次々と〝米国第一〟の政策を打ち出す中、今のところ米国経済は好調で、今後の景気浮揚策に期待して米国株も上昇基調にある。だが、トランプ氏の政策は、3つのルートを通じて米国でインフレを過熱させる危うさをはらむ。日本への悪影響も要注意だ。

1つ目のルートは関税政策だ
  トランプ大統領は、2月4日に予定していたメキシコ、カナダからの輸入品への25%の関税を1カ月延期したが、中国への10%の追加関税は発動した。3カ国へ関税を検討する理由について、「合成麻薬フェンタニルが中国からカナダ、メキシコを経由して米国に流入し、多くの米国民の命を奪っているため」などとしている。
  ほかにもトランプ氏は大統領選期間中、「中国に60%」「日本を含む他の国すべてに10~20%」の関税をかけるとしていた。
  懸念されるのは、関税を支払う輸入業者がその関税分を米国内での販売価格に上乗せすることだ。たとえば中国から米国への輸入品は、電子機器のほか衣服、おもちゃなど身の回りの品物も多い。値上がりが一斉に始まればインフレとなり、消費者の暮らしを直撃する。
  2つ目のルートは、移民が米国に入ってくるのを制限する政策だ。2月2日には、ベネズエラから米国に避難している30万人以上の滞在や労働を許可する一時保護資格(TPS)をトランプ政権が取り消したと米メディアで報じられた。
  米国の労働者のうち約2割は移民とされる。移民が減ると、その分、人手不足がひどくなる。米国へ進出している大阪のメーカーのトップは「移民でも優秀な人材は、GAFA(米巨大IT企業)などと取り合いになっている。移民が米国に入ってこなくなれば、ますます苦しくなる」と打ち明けた。

  人材争奪戦に勝つため企業が行うのが賃上げだ。企業は、その分の人件費を、売るモノやサービスに上乗せし、それらの価格が上がり始めてインフレとなる。
  そして3つ目のルートが減税政策だ。第1次政権下で始めた大型の所得税減税は25年末に期限を迎えるが、トランプ氏は延長を目指す。大統領選では「法人税率を21%から15%まで引き下げる」ともした。
  減税は個人の財布をゆるめ、企業の投資を活発にさせる。企業はモノやサービスの値段を高くしても売れるようになるので値上げを始め、インフレとなる。
  インフレになっても、米国民の賃金が十分上がり続ければ対応でき、お金が循環して景気は良くなる。
  だが、賃上げが不十分なら、高いモノやサービスを買えない人は困窮し、無理して買った人の暮らしも苦しくなる。さらなる消費の拡大にもつながらない。
  企業は、原材料の値上がりをすべて販売価格に上乗せできるとは限らない。上乗せできない分をコストとして抱えれば、業績は悪くなる。個人の消費も企業の活動も低迷すれば、米国経済は悪化する。
  影響は日本にも及ぶ。日本にとり米国は中国を上回り世界第1位の輸出先で、経済が悪化しモノを買う力がそがれれば、日本からの輸出が減り、日本企業の業績悪化につながる。
  インフレを抑えるため米国が利下げに消極的になれば、相対的に運用が有利となるドルが買われて円安が進む。円安は日本国内の物価高につながり、日本経済にとって逆風となる。「トランプ2・0」は、日本にとり決して「対岸の火事」ではない
(山口暢彦)


2025.02.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250211-HXGDZZAFQBM4BAGOSJBIRP5WSM/
「後継バンス氏」時期尚早 トランプ氏、次期大統領選 3選以上狙うような発言も

  トランプ米大統領は10日放送のFOXニュースのインタビューで、バンス副大統領について現時点では後継者とは考えていないと明らかにした。「非常に有能だ」とする一方、自身の第2次政権が始まったばかりだとして2028年の次期大統領選を語るには「時期尚早だ」と強調した「有能な人はたくさんいる」とも述べた。

  40歳のバンス氏はトランプ氏への忠誠心で知られ、史上3番目の若さで副大統領に就いた。共和党の次世代リーダーの一人と目されている
  トランプ氏は、26年の中間選挙が近づけば、バンス氏から大統領選の共和党候補として支持するよう求められるのではないかと質問され、明確な回答を避けた
  米国は大統領3選が憲法で禁じられているため、トランプ氏は次期大統領選には出馬できない。これまで3選以上を狙うかのような発言でたびたび物議を醸していた(共同)


2025.20.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250211-54YQN3HXZFPZ5JJXHGQDWV53UM/
鉄鋼関税、オーストラリアの免除「検討」 電話会談でトランプ氏

  トランプ米大統領オーストラリアのアルバニージー首相と電話会談し、鉄鋼とアルミニウムに対する25%関税のオーストラリアへの適用を免除することを検討していると述べた。アルバニージー氏が11日、キャンベラで記者会見して明らかにした。

  電話会談はキャンベラ時間11日(米東部時間10日)に行われた。アルバニージー氏は米国がオーストラリアに対して長年にわたって貿易黒字国であることを強調。トランプ氏は「両国間の利益のため免除を検討中だ」と語ったという。
  オーストラリアは、トランプ氏の第1次政権でも鉄鋼とアルミの関税の適用を免除された(共同)


2025.02.11-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250211-WA5Y7T5XVRINBFLTM6FQB2LWCI/
鉄鋼アルミ25%関税「例外、免除なし」 トランプ氏布告、日本も対象の可能性

  【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は10日、鉄鋼とアルミニウムの輸入品に25%の関税を課す布告に署名した。米メディアが伝えた。トランプ氏は同日、記者団に「例外、免除なしの25%だ」と指摘。日本も対象に含まれる可能性がある。トランプ氏は関税措置の対象を自動車や半導体、医薬品などにも広げる可能性を示唆した。

  全世界からの輸入品に高関税を課せば、貿易相手からの報復措置を招き、激しい貿易摩擦となる恐れがある供給網(サプライチェーン)が混乱し、鉄鋼やアルミを使う米国メーカーが反発するほか、米国で事業展開する日本企業にも影響が及ぶ公算が大きい
  トランプ氏はホワイトハウスで「鉄鋼とアルミは外国の地ではなく、米国で製造されなければならない」と語った。米国で生産すれば無関税だと述べ、工場を海外から米国に移すよう迫った
  第1次トランプ政権は2018年3月、鉄鋼・アルミの大量流入が安全保障上の脅威に相当するとし、鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課した。欧州連合(EU)などは、米国の名産品に報復関税をかけて対抗。日本の鉄鋼を巡っては、バイデン前政権が22年4月、一定量の無関税枠を設けた
  トランプ氏は10日、記者団に対し、貿易相手からの対抗措置は「気にしない」と述べた。


2025.02.10-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250210-NJ4B2NZYZRILNPDWMHLDF3UEWQ/
日米首脳会談の舞台裏 理詰めで説明の石破首相にトランプ氏「分かっているじゃないか」
(末崎慎太郎)

  石破茂首相は、米ワシントンで7日(日本時間8日)に行ったトランプ米大統領との会談に、対米投資などの「土産」を用意して臨んだ「相性が合わないのでは」と悲観論が飛び交う中での会談だったが、昨年末から綿密に重ねた準備が奏功し、予測不能な相手との会談を無難に終えた

  「シナリオから外れることはなかった」。会談後、首相は周囲に手応えを語った。非公開で行われた昼食会では話が通じ合う場面が多くあった。
  防衛費増額の要求を懸念した首相は先手を打ち、安倍晋三元首相と第1次政権時のトランプ氏が米国製装備品購入などを進めた実績を説明した。納得したトランプ氏はボルテージを上げた。
  「そうだ、俺とシンゾーが進めたんだ」・・・懸案の日本製鉄のUSスチール買収計画では、「買収」ではなく「投資」だと提案した。「国内製造業の復活を唱えるトランプ氏は『労働で汗をかき、モノづくりで稼ぐべきだ』という思いが強い」と考えたからだ。トランプ氏は「買収は望まないが投資は大好きだ」と応じた。
  限られた時間で首相が意識したのは両国の国益に資する提案だった。防衛装備品の共同開発や購入、経済関係などについて具体的な数字を挙げながら説明すると、トランプ氏は同席したバンス副大統領らの顔を見て満足げに語った。
  「ほら、ちゃんと分かっているじゃないか」・・・理詰めの議論が好きな首相と、自国の損得を最優先するトランプ氏は具体的な政策論でかみ合った。首相は相手が胸襟を開くのを感じた。
  トランプ氏が掲げる対日貿易赤字の解消を念頭に「日本の米国に対する投資はこの5年間連続して世界1位だ」と強調し、1兆ドル(約152兆円)規模まで引き上げる意向を伝えた。「抽象的で理念的な話はお互い好きではない。具体的な話をした」と振り返る。
  シナリオは昨年12月から、第1次トランプ政権を知る外務、経済産業、防衛各省の官僚らと会議を重ねて練り上げた。1月中旬以降は休日も返上で、過去の発言から就任後の大統領令の文書まで分析し、問答パターンをいくつも用意した。首相は周辺に「これ以上はないといえるほど準備した」と語った。
(末崎慎太郎)


2025.02.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250209-F7PGPABMZJMBJCZ66RPXDZCV5Y/
紙ストロー「ばかげている」 トランプ米大統領が中止を宣言、大統領令に署名へ

  「紙のストローをプラスチック製に戻す!」。トランプ米大統領は7日、バイデン前政権が推進した紙製ストローの導入を中止する大統領令に近く署名すると宣言した。推進の取り組みを「ばかげている」と非難した。

  環境への配慮からプラスチック製ストローを紙製に切り替える動きが広がったが、ふやけて口当たりが悪いとの声が出ている。トランプ氏は8日、自身の交流サイト(SNS)に「次の飲み物は口の中で気持ち悪く溶けるストローなしで楽しんで」と投稿した。
  バイデン前政権はプラスチック製のストローや容器の廃止を進めた。世界でも環境意識の高まりから、小売りや外食業界で脱プラスチックの取り組みが加速している(共同)


2025.02.09-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250208-YC5TX5K34BMR7GFHWDC3ZEVVEY/
「日産」と「日鉄」混同? トランプ氏3度間違う 日米首脳会談後の共同記者会見

  日本製鉄に代わって、日産自動車が米鉄鋼大手USスチールに投資する?―。トランプ米大統領が7日の日米首脳会談後の共同記者会見で、USスチールの買収計画を進める日鉄を「ニッポンスチール」ではなく「ニッサン」と3度言い間違える場面があった経営不振のはずの日産による投資案浮上かと一時混乱。ロイター通信によると、ホワイトハウスが会見後に訂正した

  トランプ氏は、日鉄によるUSスチール買収計画に関し「ニッサンがとてもわくわくすることをする」「ニッサンと来週会う。ニッサンのトップとだ。とてもすばらしい会社だ」と述べた。直前にトヨタ自動車に言及しており、同じ日本車メーカーの日産と混同したとみられている。(共同)


2025.02.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250208-BYAJUEPACNPTDLHQQ54IVQHH6I/
石破氏「神様から選ばれた」 トランプ氏「彼はハンサム」 互いに褒め合い友好アピール

  【ワシントン=坂本一之】石破茂首相とトランプ米大統領は7日の首脳会談や共同記者会見で、互いを褒め合い、友好関係の演出に腐心する姿が目立った。

  石破首相は会談の冒頭、トランプ氏が昨年の暗殺未遂事件で負傷した直後に立ち上がって星条旗を背に拳を突き上げたときの写真を話題に取り上げ、「歴史に残る一枚」と称賛。「大統領はあのときに、神様から選ばれ、大統領に当選し、再び米国を偉大な国にすると確信したに違いない」と語り掛けた。
  トランプ氏は共同記者会見で「首相とご一緒でき、大変光栄だ」と社交辞令を述べた後、ともに撮影した写真を紹介し「私も彼のようにハンサムでありたいが、そうでない」と持ち上げた。
  ただ、トランプ氏の外交スタイルは、対面会談の際に友好的な態度でも、交流サイト(SNS)やメディアの問い掛けに対する応答などでは、姿勢を一変させて厳しい批判を展開することも珍しくないトランプ氏との関係構築を狙う石破氏は、今回のトランプ氏の言葉に浮かれることなく、信頼を積み上げていくことが必要になる


2025.02.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250208-DGLCSFKUWVK2PKKB6RSYROWNLI/
トランプ氏、対日貿易赤字削減に意欲 石破首相は対米投資1兆ドル表明 日米首脳会談

  【ワシントン=坂本一之】トランプ米大統領と石破茂首相は7日、ホワイトハウスで会談した。トランプ氏は会談の冒頭、米国が大きな対日貿易赤字を抱えていると述べ、削減に取り組む考えを述べた。貿易赤字の解消に向けた措置として関税も選択肢になるとの考えを示した

  石破首相は首脳会談後の共同記者会見で、日米の経済関係を巡り「日本の対米投資額を1兆ドル規模まで引き上げたい」との意向をトランプ氏に伝えたことを明らかにした。日本企業の対米投資の機運は高まっているとも述べ、米国の雇用拡大や経済成長に日本が貢献していくことをアピールした。
  また石破首相は、北朝鮮による日本人拉致問題について「強い切迫感」をトランプ氏に伝え、解決に向けた力強い支持を得たと説明した。
  トランプ氏は記者会見で、日本と安全保障や経済の分野などで協力を推進していく考えを語り、石破首相との今後の連携に期待を示した。
  両首脳は、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約の第5条が尖閣諸島(沖縄県石垣市)に「適用される」ことを明記した共同声明を発表。トランプ氏は石破首相の訪日要請を受け入れ、「近い将来」に日本を訪問することになった。


2025.02.08-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250208-LJGAAOU4K5JUFPEFZSPRPWSTQI/
米、来週にも「相互関税」発表 トランプ氏「多く課すなら同じように課す」

  【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は7日、幅広い貿易相手国・地域を対象とする「相互関税」と呼ぶ新たな関税措置を来週、発表すると表明した。トランプ氏が石破茂首相との会談冒頭に明らかにし、「米国が他国と同等に扱われるようにする」と述べた。

  相互関税の詳細は不明で、どの国が対象となるかも分かっていない。トランプ氏は以前、貿易相手が米国製品に課している関税と同率を、相手国からの輸入品に課す方針を示していた。
  米国が相手国・地域より低率の関税を課している場合、この貿易相手からの輸入品への関税を引き上げる可能性がある。
  トランプ氏はホワイトハウスでの石破首相との会談冒頭、「互恵的な貿易」が重要だとの認識を示した。会談後の共同記者会見では、相互関税を巡り「ある国が(米国産品に)多く課すなら同じように課す。とても互恵的だ」と話した。新たな関税措置は来週前半にも説明するという。
  トランプ氏は、首脳会談で関税問題は議論されなかったと明らかにしたが、日本が新たな措置の対象から除外されるかどうか明言しなかった。
  トランプ政権は、不法移民や合成麻薬「フェンタニル」の米国への流入を防ぐため、4日から中国からの輸入品に10%の追加関税を課した同日から25%の追加関税を課す予定だったカナダとメキシコに対しては、関税上乗せ措置を3月1日に延期し、両国にさらなる対策をとるよう迫っている。


2025.02.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250207-HL7ENFT37VHAJOGQSMINRLV3JM/
ホワイトハウス新部署トップに就任する女性伝道師 昨年、旧統一教会系行事にメッセージ

  トランプ米大統領がホワイトハウスに設置する新部署のトップに就任する女性伝道師ポーラ・ホワイト氏(58)昨年、日本の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連のイベントにビデオメッセージを寄せていたことが分かった。

  トランプ氏は6日、信仰問題を扱う新部署の設置とホワイト氏の起用を明らかにしていた。ホワイト氏はキリスト教福音派の牧師で、2017年の第1次トランプ政権発足の際に、女性聖職者として初めて就任式で祈祷。トランプ氏の宗教顧問を務めた。過去に旧統一教会系の行事に参加したりメッセージを寄せたりしており、韓鶴子総裁を「マザームーン」と呼んでいる。
  昨年12月8日には、東京都内で開かれた教団関連団体「国際宗教自由連合(ICRF)日本委員会」のイベントに「日本の宗教の自由を懸念している」とするビデオメッセージを寄せていた。
  メッセージでホワイト氏は、米国務省が発表した世界の信教の自由に関する年次報告書を基に「安倍晋三元首相銃撃事件以降、旧統一教会が差別キャンペーンの犠牲者になっており、刑法に違反していない旧統一教会への解散命令請求は、これまでの規範から逸脱している」と指摘。
  厚生労働省が作成した「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」の内容がエホバの証人の信者に対する嫌がらせにつながっているとも述べていた。
  トランプ政権と旧統一教会を巡っては、バンス副大統領が5日に教団と関連のある行事で講演している。


2025.02.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250206-CS5C53W53NMJVEFPHIJSBK2YQI/
米、トランスジェンダー選手の女子競技参加を禁止 トランプ氏が大統領令に署名

  米共和党のトランプ大統領は5日、男性として生まれ、女性を自認するトランスジェンダーの選手が女子競技に参加することを禁じる大統領令に署名した。トランスジェンダーの選手の参加に不満を持つ女子選手に配慮する狙い。性的少数者の権利擁護を推進する民主党関係者や人権団体は反発している

  「女性スポーツからの男性排除」を大統領選の公約として掲げたトランプ氏はホワイトハウスで演説し「大統領令によって、女子競技を巡る争いは終わった」と主張した。5日は女子選手の功績をたたえる「全米少女・女性スポーツデー」。
  トランプ氏は外国のトランスジェンダー選手の米国ビザ(査証)申請を拒否する方針も発表。多くの女子選手に囲まれながら大統領令に署名した。
  調査会社ギャラップの2023年5月の世論調査によると、成人の7割近くが生物学的な性別にのっとって競技に参加すべきだと回答した。AP通信によると、今回の大統領令で影響を受けるトランスジェンダーの選手の人数は明らかになっていない(共同)


2025.02.05-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250205-6SGQCAX6EJLAHHC37MLMSSJIL4/
トランプ氏「米がガザ所有」 各国に住民の受け入れ迫る、ネタニヤフ氏と会談

  【ワシントン=大内清】トランプ米大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相とホワイトハウスで会談し、同国とイスラム原理主義組織ハマスの停戦が続くパレスチナ自治区ガザの情勢やイランによる脅威への対応などを協議した。トランプ氏は、すべてのガザ住民を永続的にガザ域外へ移住させるべきだと主張。その上で米国がガザを「長期的に所有」する考えを示した

  トランプ氏は同日、対イラン制裁を強化し、同国の核開発阻止へ「最大限の圧力」をかけるとも表明した。
  またトランプ氏は、米国が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)と国連人理事会から脱退するとする大統領令に署名。UNRWAによるガザや各地のパレスチナ難民キャンプでの人道支援に深刻な影響が出る恐れがある
  トランプ氏が2期目就任後に外国首脳と会談したのは初めて。・・・トランプ氏は会談後の共同記者会見で「中東に平和と安定をもたらす」と強調。ガザ住民の移住先として、エジプトとヨルダンのほかにも多くの国に受け入れを求めるとし、将来的な住民の帰還は認めない考えを示唆した。米国がガザを「所有」した場合、不発弾やがれきの処理などの後に都市を建設し、「世界の人が来られる場所にする」と語った。
  イランについては、圧力を強める一方で、同国首脳と直接会談する用意があると説明した。


2025.02.03-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250203-6LQYYZJR5BJ6LEAGTYPQ67C4UI/
パナマ運河、改善しなければ「必要な措置取る」米国務長官が警告 トランプ氏「条約違反」

  ルビオ米国務長官2日、就任後初の訪問国パナマでムリノ大統領と会談し、トランプ米大統領が中国の「影響と支配」をパナマ運河への脅威だと見なしていると伝達した。トランプ氏は、運河が中国に運営されていると主張し、管理権の返還を求めている。ムリノ氏は会談後の記者会見で、運河の主権は米国との議論の対象外だと述べた。

  太平洋と大西洋を結ぶ要衝のパナマ運河は米国が20世紀初めに建設し、1999年にパナマに返還するまで管理した。
  ルビオ氏はパナマ運河の拠点港を香港系の企業が運営しており、米国と中国の対立が激化した場合に中国が運河を閉鎖する可能性に「疑いの余地がない」との立場だ。
  会談でルビオ氏は、パナマ運河の現状が運河の永久中立を定めた米パナマ間の条約に違反するとのトランプ氏の見方を伝えた。「現状は容認できない」とも主張し、即時に変更されなければ条約に基づく権利を守るために必要な措置を取ると強調した。


2025.02.02-産経新聞(週刊フジ)-https://www.sankei.com/article/20250202-2N3PD6HIJZGZTBAMPFYKGGBC4U/?outputType=theme_weekly-fuji
トランプ大統領が石破首相と本音で話すとは思えない 相当な不信感は確実 長谷川幸洋
(長谷川幸洋-はせがわ・ゆきひろ)

  日米両政府は、来週にも米ワシントンで、石破茂首相とドナルド・トランプ大統領が初めて会談する方向で最終調整に入ったようだ。石破首相は27日、衆院での代表質問で、「強固な信頼協力関係を構築し、日米同盟をさらなる高みに引き上げたい」と語った。ただ、トランプ氏の盟友、安倍晋三元首相に後ろから弾を撃ち続け、中国への早期訪問を模索する石破首相が、トランプ氏と信頼関係を構築し、日米同盟の絆を維持・強化できるのか。ジャーナリストの長谷川幸洋氏が、危ない「石破外交」に迫った。

  トランプ米大統領は石破首相を、どう評価しているのだろうか。・・・私は「相当な不信感を抱いているのは確実」とみている。日本側が望むように、首脳会談が2月に設定されたとしても、腹を割った話し合いになるとは思えない。・・・そう考えるか。
  トランプ政権にとって、外交の最重要案件はライバルである中国との関係構築だ。日本とは貿易など個別案件もあるが、あくまで「対中包囲網を築くなかで、日本がどんな役割を果たすのか」という文脈が重要になっている。
  トランプ政権が日本に防衛費拡大を求めてくるのは確実とみられている。それも中国を抑え込む米国の負担を軽くするためだ。
  トランプ氏は就任から100日以内に中国を訪問し、習近平総書記(国家主席)と会談したい意向を表明している。習氏にとっても、最重要案件がトランプ氏との関係構築であるのは間違いない。習氏は、トランプ氏に大統領就任を祝う電話をかけ、2人はすでに短い会話を交わしている。
  米中両国は水面下で本格的な首脳会談を目指して、準備を始めているだろう。
  トランプ政権は、石破首相がかつてのトランプ氏の盟友である安倍元首相の「政敵」だったことを把握している。岩屋毅外相はペルーでアントニー・ブリンケン前国務長官と短い会談をしたものの、中国を訪問して、王毅外相と3時間にわたって会談した。
  それだけではない。・・・王毅外相の訪日について、「日中両政府が調整に入った」と報じられている。実現すれば、その先には習氏の訪日も念頭に置いている。岩屋氏は外相会談で、中国人観光客に10年間のビザ新設までプレゼントした
  これでは、トランプ政権が「石破政権はオレたちが対中包囲網の強化を目指しているのを知りながら、逆に中国との関係強化を図っている」と受け止めても、おかしくない。まるで、石破政権は最重要の同盟国にケンカを売っているような振る舞いなのだ。
  こうなると、米国としては、日米首脳会談を開いたとしても、会談内容がどこまで中国に伝わるのかどうか、慎重に考えざるを得ない。その後、開かれるであろう日中外相会談で、岩屋外相の口を通じて、中国側に情報が筒抜けになる可能性が高いからだ。

  もしも、日米首脳会談で語られたトランプ政権の対中方針が機微に渡る部分まで中国側に伝わると、当然、その後の米中首脳会談に悪影響を及ぼしてしまう。
  以上から、日米首脳会談が2月に開かれたとしても、私には「トランプ氏が石破首相に本音を打ち明ける」とは思えない。日米両政府は「トランプ・石破会談で日米同盟は一層、強固になった」と宣伝するだろうが、内実はトランプ政権の石破政権に対する疑心暗鬼を上書きするだけに終わるかもしれないのだ
  それもこれも、本を正せば、石破政権が同盟国を差し置いて、中国とベタベタしているからだ。石破政権は早くも正念場を迎えている
  今回が最後のコラムになった。これまでご愛読してくださった読者のみなさんに、心からお礼を申し上げる

長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ)
  ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。


2025.02.01-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250201-3NLZ425LZBIFBEPZCFXPOTA6WE/
米の関税強化は「1日開始」、カナダは報復の方針 トランプ氏は半導体などへ拡大言及

  【ワシントン=坂本一之】トランプ米大統領は1月31日、カナダとメキシコへの25%の関税と、中国への10%の追加関税を2月1日に課す方針を確認し、この3カ国が関税回避のためにできることは「ない」と述べた。カナダのトルドー首相は報復関税を課す姿勢を示しており、同盟国同士による追加関税の応酬に発展する事態が現実味を帯びてきた。

  トランプ氏は1月31日、ホワイトハウスで、カナダ、メキシコ、中国が関税を回避するためにできることはあるかと記者団に問われ、「今はない」と即答した。米国の3カ国に対する多額の貿易赤字に加え、米国に流入する不法移民や合成麻薬「フェンタニル」への対応を促す対策であることを強調した。
  米国が輸入するカナダ産原油に関しては、関税を10%とする考えを表明した。米国のガソリン価格への影響を緩和するためだとみられる。
  一方、トルドー氏は1月31日、「米国が(関税発動へ)前に進むなら、すぐに強力な対応をとる用意がある」と交流サイト(SNS)に書き込み、報復関税などで対抗する姿勢を鮮明にした。
  レビット米大統領報道官は記者会見で、「トランプ氏と直接話し合った方が賢明だ」と述べて、トルドー氏に交渉を促した。対象品目などを明かさないまま、3カ国への関税強化は2月1日に開始すると説明。トランプ氏が関税撤廃を決定できるとも言及した。
  トランプ氏は国内産業の強化などに向け、鉄鋼やアルミニウム、銅、半導体、医薬品などへの関税を引き上げる意向も示した。鉄鋼など一部製品は「来月に関税を課す」と指摘。原油や天然ガスへの関税発動は「2月18日ごろを考えている」と語った。カナダ、メキシコ、中国の3カ国以外にも幅広く適用される可能性がある。
  欧州連合(EU)についても「米国の扱いがひどい」と批判し、関税を課す考えを示した。


2025.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250130-5BUSAT2UKVHURJFG5P2QL5BK3U/
不法移民に殺害された女性の母「娘の死を無駄にしないで」 米でレイケン・ライリー法成立

  米南部ジョージア州で昨年、不法移民に殺害された22歳の女子看護学生、レイケン・ライリーさんの名前を冠し、不法移民の取り締まりを強化する「レイケン・ライリー法」が29日に成立した。レイケンさんの母は娘の死を無駄にしないよう訴えた。米メディアが報じた。

  レイケンさんは昨年2月、ジョージア州アセンズでジョギング中に南米ベネズエラ出身の不法移民の男に殺害された。男は終身刑が確定した。男は不法入国した後に、万引きなどで逮捕されながら釈放されていたため、不法移民の摘発の在り方が問われていた。
  レイケン・ライリー法は、殺人や暴行だけでなく万引などの疑いで逮捕された不法移民の拘束継続を義務付ける内容で、トランプ大統領が選挙戦で成立を公約にしていた。
  ホワイトハウスで行われた署名式でトランプ氏は「この法律は画期的で、数え切れないほど多くの国民の命を救うことになるだろう」と強調。同席したレイケンさんの母、アリソン・フィリップスさんは「トランプ氏は約束を守る人だ。娘は帰ってこないが、その命が人々の命を救うことを望む」と話した。


2025.01.30-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250129-QXLTBG2WB5MFVARAQTYFXTQUXE/
空自音楽隊コンサートが突然中止に 反対派の圧力か、県教組が直前に中止要請
(大竹直樹)

  那覇市内の小学校で開催予定だった航空自衛隊の音楽隊のコンサートが一部の批判を招き、急遽取りやめになったことが29日、関係者への取材で分かった。沖縄県教職員組合那覇支部が「軍事的象徴が教育現場に持ち込まれ、生徒や保護者に不安感を与える」などと中止を要請したという。

  空自によると、昨年11月、那覇市内にある小学校のPTA会長からコンサートの開催依頼の連絡があった。その後、同12月に校長とPTA会長の連名で正式に開催依頼があり、今月31日の開催が決定。空自那覇基地に所在する南西航空音楽隊が準備を進めていた。
  しかし、開催直前の23日になって、校長から突然、取りやめの要請があったという。22日付の地元紙には、県教組那覇支部が21日、実際の学校名を挙げた上で、校長とPTA会長宛てに音楽隊のコンサート中止を要請する文書を提出したと、報じられていた。
  要請文書では「自衛隊の活動を学校に持ち込むことは、特定の政治的立場を暗黙的に支持するものと受け取られ、政治的中立性を損なう恐れがある」との理由を並べ「生徒や保護者に不安感を与える場合がある」と記している。
  また、先の大戦末期の沖縄戦の歴史的背景にも言及。「軍事組織に対して否定的な感情を抱く家庭が少なくない」として「学校が多様性を尊重する場としての役割を果たしていないとの印象を与えかねない」「教育の公平性を損なう可能性がある」と反発した。
  空自によると、南西航空音楽隊はこれまで、県内の複数の小中学校で音楽指導に当たってきたという。昨年、那覇市に隣接する豊見城市内の小学校でコンサートを開いた際は、特に問題視されなかったとしている。

  小学校側の突然の中止決定は、過剰とも取れる一部の反発などが背景にあるとみられる。産経新聞の取材に対し、小学校側は「一方的に(報道で小学校の)名前が出た」としながらも「ノーコメントで通している」として回答を避けた。
(大竹直樹)


2025.01.29-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250129-T3LHSP3GQFJN3BSNIRLH7NVKJU/
第2次トランプ政権発足後の不法移民の摘発は4500人に 1日当たり700人超

  米移民・税関捜査局(ICE)は28日、不法移民ら969人を27日に拘束したと発表した。不法移民の大規模強制送還を掲げる第2次トランプ政権が20日に発足後、全米各地で摘発された犯罪歴がある不法移民らは4500人を超えた

  不法移民対策を担うノーム国土安全保障長官は28日、国土安全保障省で職員に対し「国を守るため、あらゆる法的権限を行使する」と宣言し、強硬姿勢を鮮明にした。これに先立ち、ニューヨークでのICEによる取り締まりを視察。X(旧ツイッター)への投稿で「卑劣な連中をわれわれの街から排除し続ける」と訴えた。
  バイデン前政権下の昨年9月末までの1年間では1日当たり平均約310人が拘束された。トランプ政権が取り締まりを本格化させてから27日までの拘束者数の1日当たり平均は700人以上に急増している。(共同)


2025.01.29-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250129-NSML5KF3CZDBBI7WGRG66JQVDI/
トランプ氏、子供の性転換手術規制する大統領令 「破壊的で人生を左右する処置」から守る
(平田雄介)

  トランプ米大統領は28日、19歳未満の子供の性転換手術を規制する大統領令に署名した。「科学的および外科的切除から子供を守る」と題し、ホルモン剤を使用した二次性徴の抑制なども制限している。

  トランプ氏は大統領令で、一部の大人が「不可逆的な医療」によって子供たちを傷つけ、「数えきれないほどの子供が施術を受けたことを後悔し、自らの子供を妊娠することも、母乳で子供を育てることもできないという恐ろしい悲劇を把握し始めている」と指摘。破壊的で「人生を左右する処置」を禁止または制限すると布告した。
  大統領令は、性転換医療に対する連邦政府の保険制度の適用も規制している。
(平田雄介)


2025.01.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250128-Z662AFMW3FKMTFFD6DSPMRPMBA/
トランプ氏捜査を担当した検察官10人以上を解雇 米司法省「信頼できない」

  【ワシントン=塩原永久】複数の米メディアは27日、トランプ大統領の支持者らによる議会襲撃事件などで、トランプ氏の捜査を担当した10人以上の検察官を司法省が解雇したと報じた。マクヘンリー司法長官代行は、解雇された検察官が「トランプ氏の政策課題を誠実に遂行する上で信用できない」と解雇理由を説明しているという。

  マクヘンリー氏はトランプ氏が任命した。解雇された十数人は、2021年1月の議会襲撃事件など2件のトランプ氏の刑事事件で、捜査や公判対応を指揮したスミス元特別検察官のチームで働いていたメンバーだという。
  トランプ氏は、スミス氏が政治的な意図を持って捜査したとみており、関係者に対する報復を示唆していた。
  20日の就任演説で、トランプ氏は「悪意に満ちた、暴力的で不公正な形で、司法省と政府を武器化するのは終わりだ」と述べていた。司法省ではトランプ氏の就任後、すでに20人弱の高官が配置転換されたという。
  トランプ氏が昨年11月の大統領選で勝利したことを受けて、議会襲撃事件での起訴が取り下げられ、スミス氏も今月10日に辞職した。


2025.01.28-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250128-6SKATC3EZJKRXB4EUE5X3FZQB4/
トランプ氏「米国に工場を建てないなら」半導体や医薬品に関税 新興中国AIは「警鐘」

  トランプ米大統領は27日、米南部フロリダ州で演説し、生産拠点を米国内に戻すために半導体や鉄鋼、医薬品に対して関税を課すと表明した。「関税を支払うのをやめたいなら米国に工場を建てないといけない」と述べた。・・・新たな生成人工知能(AI)を開発したと伝えられた中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」にも言及し、低コストで同じ結果を得られるなら「ポジティブに見ている」と評価。「われわれの産業への警鐘だ」と述べ、競争に集中する必要があると強調した。

  トランプ氏は就任後、メキシコ、カナダからの輸入品に25%、中国からは10%の追加関税を課すと明らかにした。これまで全世界からの全ての輸入品に10~20%の一律関税を検討しているとも述べているが、27日の発言との関係は不明。
  一律関税を巡っては、英紙フィナンシャル・タイムズが27日、上院が財務長官就任を承認したベセント氏が、2・5%から始めて1カ月ごとに同じ割合だけ徐々に引き上げていく腹案を持っていると報じた。(共同)


2025.01.28-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250128-BWW3TA3SWZEF3OLKN6HMBJRT5Y/
「潜在的に危険な犯罪外国人遠ざける」トランプ米政権の不法移民摘発、開始5日間で6千人

  トランプ米政権が始めた不法移民の強制送還をめぐり、不法移民の摘発者が摘発開始から最初の5日間で6千人を超えたことが28日、米入管当局のまとめでわかった。米メディアや当局によると、逮捕は主にニューヨークやシカゴなど、不法移民を保護してきた「聖域都市」で行われているという。

  米移民・税関捜査局(ICE)の公式Xは、政権発足3日後の23日から不法移民の摘発者数を連日公表。初日は538人を逮捕したほか、各州や地方政府に対し、さまざまな罪状で拘置所や刑務所に勾留・収監中の不法移民373人の引き渡しを求めた。
  摘発数は急増しており、27日には1179人を逮捕、1日の逮捕者が初めて1千人を超えた。この結果、摘発者数は27日までの5日間で逮捕者3552人、引き渡し要請者2650人の計6202人にのぼっている。
  米メディアによると、摘発はニューヨークやボストン、首都ワシントン、フィラデルフィアなど、主に民主党の地盤で、入管当局の法執行への協力を制限している「聖域都市」で重点的に行われている。
  特に民主党市長と入管が対立しているシカゴについては、同局が26日、名指しで摘発を始めたと公表。「潜在的に危険な犯罪外国人を地域社会から遠ざけることで、公共と国家の安全を守る」と宣言した。
  同局は一部容疑者については実名や顔写真とともに、薬物犯罪や性的人身売買、飲酒運転、不法残留といった罪状などもXで公表している。


2025.01.26-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250126-RYFSZQM4UJMRHDI2WSHS6J6DP4/
トランプ政権1週間 不法移民、多様性巻き返し…一気に断行 関税は猶予で交渉余地も
(ワシントン 塩原永久、坂本一之、大内清、ニューヨーク 本間英士)

  第2次トランプ米政権27日、発足から1週間を迎える。トランプ大統領は不法移民対策や多様性推進の巻き返しといった重点施策を一気に断行しており、政権運営に弾みをつける狙いだ一方で中国などへの輸入関税の引き上げは猶予し、交渉の余地を残す硬軟両様の構えもみせる

出生地主義も見直し
  トランプ氏は、厳格な国境管理や不法移民の大量送還に向け、矢継ぎ早に指示を出した。米国で生まれた子供に市民権を認める「出生地主義」の見直しにも踏み込み、米国の〝純化〟を志向しているようだ。
  23日には拘束された不法移民を強制送還する軍用機の第1陣が米国を飛び立ち、数百人が中米グアテマラなどに運ばれた。トランプ氏は25日、西部ラスベガスで支持者集会を開き、「(不法移民の)多くは犯罪者や殺人者だ。やつらを追い出す」と気勢を上げた。
  トランプ氏は就任初日、メキシコ国境地帯に国家非常事態を宣言し、大統領令を連発。密入国者や不法滞在者の排除だけでなく、合法的手段での入国にも制限が始まっている。米メディアによると20日以降、バイデン前政権で導入された難民申請の「事前予約」制度を利用して国境に到着した数千人が、申請の受理を拒まれてメキシコ側にとどまっているという。
  国境に軍部隊を配備する動きも加速する。これまで州兵や予備役を中心に約2500人だった態勢に、海兵隊と陸軍から計約1500人を増派。AP通信によると、国防総省は「これは始まりにすぎない」とした。
  大統領令では「出生地主義」を見直し、両親のいずれかが米国人か米永住権(グリーンカード)保持者でなければ市民権付与を拒否するとした。西部シアトルの連邦地裁は23日、この大統領令は「違憲だ」として効力の仮差し止めを命令。司法闘争の激化は必至だ。
「米国第一」外交が始動
  「米国第一」に基づく外交にも乗り出した。地域の安定を促す一方、紛争への関与は控える方針だ。
  22日にはサウジアラビアのムハンマド皇太子と電話会談し、中東地域の安定やテロ対策を協議。皇太子から、今後4年間で対米投資と貿易を6千億ドル(約94兆円)拡大するとの意向が示されたという。
  23日には中米エルサルバドルのブケレ大統領と電話会談し、中南米から米国に流入する不法移民問題などを協議した。
  ルビオ国務長官は21日、日米豪印の協力枠組み「クアッド」外相会合を開催。一方で、中国の王毅(おう・き)共産党政治局員兼外相と24日に電話で会談した。トランプ氏は中国の習近平国家主席との会談に意欲を示しており、意思疎通の継続を図っている。
「性別は男性と女性だけ」
  トランプ氏は就任初日に政府の公式方針として「性別は男性と女性の2つだけとする」と宣言し、「生物学的な男女」のみを性別として認めるとする大統領令に署名した。・・・教育現場や米軍からトランスジェンダー当事者を締め出すと主張。就任前日にはトランスジェンダーの選手を学校の「女子スポーツから排除する」とも述べた。バイデン前政権が進めた少数派の権利向上を通じて社会の活性化を目指す「多様性・公平性・包括性(DEI)」の推進停止も表明。各省庁にも、民間企業にDEI推進の停止を促すよう命じる大統領令に署名した。
  経済・通商分野では、公約した輸入品への関税引き上げを発動していない。関税発動までの猶予期間を置き、交渉の余地を残したとみられる。
  カナダ、メキシコからの物品に関税25%を上乗せするとしたが、実施は2月からとし、公約だった即時実施から先送りした。中国製品に課す税率は60%と公言していたが、現状は10%引き上げるとだけ言及し、強硬な姿勢を後退させた。
  米政権は、麻薬性鎮痛剤フェンタニルの密輸や不法移民の流入を取り締まるよう、カナダやメキシコに求めている
(ワシントン 塩原永久、坂本一之、大内清、ニューヨーク 本間英士)


2025.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250122-7G5IUEGAUJPQ3LIGBOWLVB2SUA/
「米難民申請アプリ」ダウン トランプ大統領就任直後「入国予約は無効」移民ら国境で号泣

  トランプ米大統領の20日の就任直後、米国で難民申請用のスマホアプリが突然ダウンしたことがわかったアプリは難民(亡命)申請するための入国予約用で、バイデン前政権が導入した。南部国境のメキシコ側で入国を待つ人々は突然予約を取り消され、途方に暮れたトランプ政権の公約である不法移民対策の一環とみられる
  国境の橋の上で途方に・・・トランプ氏が首都ワシントンの連邦議会議事堂で第47代大統領に就任した直後。約3000キロ離れた南部国境のメキシコ側の町で、入国を待つ人々のスマホにメッセージが現れた。
  「CBPワンを通じた予約は無効になりました」・・・米税関・国境警備局(CBP)で難民申請の予約を取るためのアプリ「CBPワン」がダウンし、予約が取り消されたことを告げていた。同局による意図的なものとみられる。
  南米コロンビアから来て無効になった女性は、国境にかかる橋の上で号泣し、「ここまで来たのに、すべてが崩れ落ちた」。
  同アプリはバイデン政権が2023年1月から運用し、これまでに約90万人が入国したという。だが、トランプ政権はこうした難民申請のための合法入国者も「出稼ぎ移民」の可能性があるとして、厳しい姿勢で臨んでいるとみられる。
「聖域都市」も摘発迅速化
  一方、米国土安全保障省は21日、「迅速な強制送還の対象となる外国人の指定」と題する通知を発令。米東部時間21日午後6時(日本時間22日午前8時)に発効した。
  通知は、外国人が何らかの事案で逮捕された際、米国内に2年以上滞在していることを証明できない場合、裁判手続きをへることなく迅速に強制送還できるという内容。ニューヨーク・タイムズ紙によると、こうした広範な権限は長年、主に南部国境付近に限られてきたが、今回の通知で全米に拡大されたという。
  欧米メディアによると、同省移民・税関捜査局(ICE)はシカゴやニューヨークなど、移民に寛容な大都市で不法移民の摘発を始めるとされ、今回の通知はこうした不法移民の「聖域都市」での摘発を迅速化するための措置とみられる。
政権移行へ周到準備
  米国の不法移民数は1100万人以上とされる。バイデン政権下で寛容な移民政策を見込んだ不法移民が中南米から押し寄せたためだ。これは総人口3億3650万人の3・3%に当たる。
  トランプ氏は、多くの不法移民が滞在するとされる聖域都市について「移民の犯罪者をかくまっている」と非難。ほかにも、米国に難民申請した移民を隣国メキシコで待機させる制度を復活させるなど、対策は広範囲に及んでいる。
  トランプ氏は就任初日から、こうした措置を可能にする大統領令を連発。8年前の1期目就任直後の大統領令は数本だったが、2期目は初日だけで25本以上にのぼっており、政権移行に向け周到な準備を重ねていたことがうかがわれる。
  米国内の移民人権団体は、こうした動きが移民たちを怖がらせているとして新政権を非難している。


2025.01.22-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250122-S2COQUD7TNP3DEIJQ2XMWLIEBA/
トランプ大統領がボルトン元補佐官の警護打ち切り 安保政策で対立、退任後も確執
(平田雄介)

  米CNNテレビは21日、トランプ大統領が1次政権で大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたジョン・ボルトン氏の警護を打ち切ったと報じた。ボルトン氏を巡っては、イラン革命防衛隊の同氏暗殺計画が発覚し、バイデン前政権が大統領警護隊(シークレットサービス)による警護対象としていた。

  ボルトン氏は2018年に1次政権3人目の大統領補佐官に就任したが、外交・安保政策を巡る意見の対立からトランプ氏が19年に「解任」を宣言。1次政権はボルトン氏の退任後、大統領警護隊による警護を打ち切り、21年に発足したバイデン前政権が再び警護対象としていた。
  ボルトン氏は、米メディアの取材に「トランプ大統領がこのような決断を下したことに失望しているが、驚いてはいない」と回答。米司法省がボルトン氏殺害を企てたとして22年にイラン革命防衛隊員を訴追した事件に触れ、「国民はどちらの大統領の判断が正しいかを判断できる」とトランプ氏の対応を批判した。
  ボルトン氏はトランプ氏が敗れた20年大統領選の期間中に1次政権の内幕を描いた〝暴露本〟を出版。当時、トランプ氏側が裁判所に求めた出版差し止めは認められなかった。ボルトン氏は昨年の大統領選でもトランプ氏を批判していた。
  米メディアはボルトン氏の警護打ち切りについて、トランプ氏が20日にホワイトハウスに返り咲いてから「24時間以内」の決定だったと伝えている。(平田雄介)


2025.01.22-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250122-QBECYXJNHNO75FHBZRSJQIQW54/
米、中国に10%の関税検討 「2月から」とトランプ氏 大統領就任後初の言及

  トランプ米大統領は21日の記者会見で、中国に10%の関税を課すことを検討していると明らかにした。「メキシコと中国への関税は2月1日を検討している」と話した。大統領就任後に中国への関税強化に言及したのは初めて。関税を巡って強硬路線を取る姿勢を鮮明にしたことで影響が世界経済に波及する可能性がある。

  トランプ氏は関税措置を検討する理由について「中国がメキシコとカナダに(鎮痛薬)フェンタニルを送っている事実に基づく」と説明した。
  トランプ氏は就任初日の20日に出した覚書で、貿易赤字や鎮痛薬の流入に関する調査を行うよう商務省や米通商代表部(USTR)などに指示中国に対しては大統領選で掲げた関税強化は打ち出さず、両国間の貿易合意に関する履行状況の調査の表明にとどまっていた。(共同)


2025.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250121-DC5L3PFSBBCBVPOVOCT2EKZPHQ/
トランプ大統領令要旨<不法移民③>出生地主義を廃止「米国市民権の特権は深遠な贈り物」

  トランプ新米大統領20日の就任演説で厳格な不法移民対策を実行すると表明。「米国市民権の意義と価値の保護」と題する大統領令に署名した。米国生まれの子供に自動的に国籍を与える出生地主義の制度を廃止するもの。出生地主義に基づく国籍付与は憲法で規定されており法廷闘争は必至だ。要旨は次の通り。

  合衆国憲法と法により大統領として私に与えられた権限により、ここに命令する
  目的。米国市民権の特権は、貴重で深遠な贈り物だ。憲法修正14条は「合衆国で出生または帰化し、その管轄権の対象となるすべての者は、合衆国と彼らが居住する州の市民である」と規定している。(略)
  しかし、修正14条は、米国内で生まれたすべての人に市民権を普遍的に拡大すると解釈されたことはない。修正14条は、常に米国で生まれたが「その管轄権の対象」ではない人を生得権市民権から除外してきた。
  この理解と一致して、議会はさらに、立法を通じて「合衆国で生まれ、その管轄権に従う者」は出生時に合衆国の国民であり、市民であると明記した。これは、一般的に修正14条の条文を反映している。
  米国で生まれ、その管轄権の対象とならない個人のカテゴリーのうち、米国市民権の特権は、米国で生まれた人に自動的には適用されない
  (1)その人の母親が不法に米国に滞在し、父親がその人の出生時に米国市民か合法的な永住者ではなかった場合
  (2)その人物の出生時にその人物の母親が米国に滞在していたことが合法ではあるが一時的なものであり(ビザ免除プログラムの支援の下での米国訪問、学生ビザ、就労ビザ、または観光ビザでの訪問など)、父親がその人物の出生時に米国市民または合法的な永住者ではなかった場合。(後略)


2025.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250121-5NWQ5E6COVKXLAB5DNWUSY3ICA/
プーチン氏、トランプ新大統領を祝福 米露対話に意欲 ゼレンスキー氏は和平の手腕に期待
(小野田雄一)

  ロシアのプーチン大統領20日、露国家安全保障会議に出席し、米国で同日就任したトランプ新大統領を祝福した。ウクライナ情勢や米露関係の先行きについてトランプ氏と対話する意欲を示した。一方、ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領もトランプ氏を祝福し、ウクライナ戦争の和平実現に向けたトランプ氏の手腕に期待感を示した

  プーチン氏はトランプ氏について、米露の直接対話を再開する方針や第三次世界大戦を抑止する意欲を示してきたと指摘。ロシアは米国との対話を拒否したことはなく、「ウクライナ紛争に関して米新政権と話し合う用意がある」と表明した。一方で「最も重要なのは危機の根本原因を取り去ることだ」と発言。ウクライナ情勢の正常化は、短期的な停戦や再軍備のための「息継ぎ」でなく、各国の利益尊重という原則に基づいた「永続的な平和」でなければならないと主張した。
  一方、ゼレンスキー氏はウクライナ侵略とロシアを念頭に「今日は変化の日であり、国際的な難題解決に向けた希望の日だ」と指摘。トランプ氏の掲げる「力による平和」政策こそが長期的で公正な平和を可能にすると述べた。「ウクライナと米国は今世紀を、われわれの失敗を望む者たちの世紀でなく、民主主義の世紀にしなければならない」と強調し、両国の協力が発展することを楽しみにしていると表明した。
(小野田雄一)


2025.01.21-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250121-ZFQTG24GXFNWTF26242KQQFEGQ/
トランプ新大統領「米国第一」外交を国務省に指示 「戦争に巻き込まれないこと重要」

  【ワシントン=坂本一之】トランプ新米政権は20日、優先政策に関する文書を発表し、国務省に「米国第一」主義に基づく外交政策を進めるようトランプ大統領が指示したことを明らかにした。米国の紛争関与を抑制し、国際協調よりも米国の利益拡大に向けた外交を強化する方針だ。

  トランプ氏は20日の就任演説で、「かつてないような世界最強の軍隊を築きあげる」と強調。「(米軍の)最高司令官として脅威や侵略から米国を防衛すること以上の責任はない」と語り、国民の生命や財産、領土を守る姿勢を強調した。
  その一方で、「われわれにとっての成功は、戦いに勝つだけでなく、戦争を終結させることだ」と述べた。ロシアによるウクライナ侵略戦争などの終結を図ることが米国にとって重要であることを訴えたとみられる。共和党内からはバイデン前政権による巨額の対ウクライナ支援に批判の声が出ていた。
  トランプ氏はまた、各地で起きる紛争を巡り「最も重要なことは戦争に巻き込まれないことだ」と述べ、軍事的関与を控える方針を示した。


2025.01.14-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250114-4XMPDSXYBFDULJI45GEMUDCDEU/
「トランプ氏はメルカトル地図を見ている」グリーンランド領有意欲をニューズウイーク揶揄

  トランプ次期米大統領がデンマーク領グリーンランドの領有への意欲を重ねて示していることについて、米誌ニューズウイークは「ドナルド・トランプはグリーンランドが実際よりもずっと大きいと考えているのだろうか?」と題した記事を掲載した。

  記事では「グリーンランドはほとんどの地図に描かれているほど大きくない」「メルカトル図法は、地図上の陸地が赤道から離れるほど大きく歪んで見える。グリーンランドよりアフリカのほうが14倍大きいにもかかわらず、ほとんどの地図ではグリーンランドはアフリカとほぼ同じ大きさに描かれている」などと指摘した。
  あわせて、コロラド大ボルダー校のマーク・セレゼ教授(地理学)の「メルカトル図法でグリーンランドを見て広大さを感じる人は、地理の補習を受ける必要がある。私は喜んでそれを提供する」とのコメントも掲載した。
  記事は「トランプ氏が『51番目の州』として併合しようとしているカナダもまた、メルカトル図法のせいで実際よりも大きく見える」と結ばれ、トランプ氏を揶揄する報道になっている。
  しかし、トランプ氏がメルカトル図法の仕組みを知らないとは考えられない。そもそも、グリーンランドは世界最大の島で、面積は米国の4.5分の1ある。
  トランプ氏がグリーンランドに目を付けた理由について、米メディアは、ロシアと中国をにらんだ安全保障上重要な場所であることと、レアアース(希土類)など豊富な地下資源の存在を挙げている


2025.01.11-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250111-R2WX6JPBWFJ23ELSSWQHZAZZ6Q/
トランプ氏不倫口止め有罪も刑罰なし 州地裁「無条件放免」有罪評決受け初の大統領就任へ

  トランプ次期米大統領が大統領経験者として初めて有罪評決を受けた不倫口止めに絡む事件で、ニューヨーク州地裁は10日、有罪評決を維持しつつ刑罰を科さない「無条件での放免」を言い渡した。トランプ氏は有罪評決を受けながら就任する初の大統領となる。

  トランプ氏はオンラインで出廷し、起訴は「不適切だった。私は完全に無実だ。何も悪いことはしていない」と主張し、政治的動機に基づいた訴追だと改めて批判した。控訴する方針を表明している。・・検察側も量刑言い渡しに先立ち、「無条件での放免」に同意する立場を示した。
  トランプ氏側は連邦最高裁や州最高裁に量刑言い渡しの延期を求めたが、いずれも却下された。
  州地裁の陪審は昨年5月、トランプ氏が2016年大統領選の直前に当時の顧問弁護士を通じて、06年に不倫関係にあったと訴える女性に口止め料を支払い、一族企業の帳簿などで「法務費用」不正に処理して州法に違反したと認定。最高で禁錮4年が言い渡される可能性も取り沙汰されていた(共同)


2025.01.09-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250109-OLUBPATVTJNJFCWNSWFXRHQC5U/
トランプ氏のグリーンランド買収発言に欧州が反発 北極海戦略の変化が「覇権主義」背景に

  【ロンドン=黒瀬悦成】トランプ次期米大統領がデンマーク領グリーンランドの買収に向けて軍事力の行使も排除しないと発言したことに対し、欧州諸国から反発の声が相次いだ。発言の背景には、気候変動を受けた北極海地域の戦略的価値の高まりがある一方でカナダ合併やパナマ運河返還と併せ、領土拡張の意思を強める覇権主義的なトランプ氏の態度は、ロシアのウクライナ侵略や中国による台湾の一方的統一を正当化する口実にも利用されかねない

  デンマークのフレデリクセン首相は7日、「グリーンランドは売り物ではなく、将来に売りに出されることもない。デンマーク国民もこの立場を支持している」と述べ、トランプ氏の発言を一蹴した。
  フランスのバロ外相も8日の公共ラジオの番組で、グリーンランドは欧州連合(EU)に加盟するデンマークの領土であり「どの国であろうと、その領土を攻撃するのをEUは決して容認しない」と強調した。
  ドイツ政府報道官も8日、武力による威嚇や武力行使で他国の領土を脅かすことを禁じた国連憲章の原則に照らし、米国による武力行使を認めないとの立場を打ち出した。
  トランプ氏は1期目の2019年にグリーンランドの購入に意欲を示したが、デンマークの反発を受けて断念した経緯がある。
  加えて、グリーンランドでは近年の地球温暖化を受け、これまで分厚い氷の下に眠っていたレアアース(希土類)など豊富な鉱物資源の開発機運が広がっており、中国やロシアがこれらの権益を狙って進出を図っていると指摘
される。
  また、北極海を通って大西洋と太平洋を結ぶ北極海航路が温暖化の影響で砕氷船なしで航行できつつあるようになり、グリーンランドの戦略的な価値が上がってきていることも、トランプ氏が関心を強める要因になっているとみられる。
  一方、グリーンランド自治政府のエーエデ首相が今月3日の演説で独立の意向を強調したことも、トランプ氏が取得に動く契機になったとも指摘される。
  グリーンランドは53年までデンマークの植民地だったが現在は自治領。2009年に両者の間で結ばれた協定では、グリーンランド議会の議決と住民投票を通じて独立が可能になると規定された。住民の過半数は独立に賛成とされ、トランプ氏はグリーンランドが独立を果たした際に取引を持ち掛ける可能性もある。


2025.01.06-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250106-QPERFCH42FKTRJXCCGVEJQG2WM/
「なぜ今売却したいのか」トランプ氏、USスチール買収は不要と自身のSNSで示唆

  トランプ次期米大統領6日、自身の交流サイト(SNS)に「関税政策でUSスチールは収益性が高く、より価値のある企業になるのに、なぜ今売却したいのか」と投稿した。自身が掲げる関税強化政策により、USスチールの経営状況は改善するため、日本製鉄による買収は不要だとの考えを示したとみられるバイデン大統領による買収禁止命令を支持する可能性がある。

  トランプ氏は「かつて世界で最も偉大な企業だったUSスチールが、再び偉大さへの道を歩み始めるのは素晴らしいことではないか」と指摘。「すべてがあっという間に実現する可能性がある」と主張した。
  トランプ氏は大統領選の期間中に、買収を阻止すると主張大統領への返り咲きが決まった昨年12月にもSNSで「かつて偉大で強かったUSスチールが外国企業、今回は日鉄に買収されることに全面的に反対だ」と強調していた。(共同)


2025.01.04-産経新聞(KYODO)-https://www.sankei.com/article/20250104-K2LPZR4EAFPNXDFGLHGKHAID6Y/
トランプホテル前の爆発、容疑者はPTSDか 車暴走事件との関連は否定 FBI

  米西部ラスベガスにある「トランプ・インターナショナル・ホテル」の入り口前で車両が爆発した事件で、連邦捜査局(FBI)は3日、車内で自殺した容疑者の男が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患っていたとみられると明らかにした。単独犯だったとし、南部ニューオーリンズで群衆に車が突っ込んだテロ事件との関連を否定した。

  男は陸軍特殊部隊員のA容疑者(37)地元警察によると、車内にあった本人の携帯電話から「米国は崩壊に向かっている。事件は警鐘だ」などと書かれたメモが見つかった。FBIは、家族や友人らへの聞き取りの結果、容疑者にトランプ次期大統領への悪意はなかったとの見方を示した。
  事件は1日に発生。容疑者が運転する電気自動車(EV)大手テスラの「サイバートラック」が爆発し、7人が軽傷を負った。(共同)







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