ボルトン回顧録問題-1



2021.09.10-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/879cb77a09fd456cf91f6e9f53317f1bad4e1324
「大量破壊兵器の脅威今も」ボルトン元国連大使に聞く 米中枢同時テロ20年

  米中枢同時テロから20年を機に、当時のブッシュ(子)政権を国務次官や国連大使として支えたジョン・ボルトン氏(72)が産経新聞のインタビューに応じた。ボルトン氏は、同時テロが東西冷戦終結後の世界に新たな脅威を見せつけ、米国の脆弱(ぜいじゃく)さを浮き彫りにしたと指摘

  米国がアフガニスタンに次いで2003年、大量破壊兵器(WMD)疑惑を理由に開戦したイラク戦争についても考えを語った。(ワシントン 黒瀬悦成)
  --20年前のテロを振り返っての感想は 「テロ当日は、想定しなかった手口に驚き、続いて新たな脅威が台頭してくることへの懸念を覚えた。また、情報機関がテロの察知に失敗したことは、米国が過激なイスラム主義者だけでなくロシアや中国など多様な脅威に脆弱であることを明白にした」 「東西冷戦の終結は、1990年代に一部の人が唱えていた『歴史の終わりを意味しなかった。同時テロがこのことを思い知らせた。冷戦終結からの約10年間、私たちは『夢の世界』に生きていたが、同時テロは違った形での『歴史の始まり』を告げたのだ」
  --ブッシュ政権はWMDの拡散阻止に取り組んだ 「アフガンでは国際テロ組織アルカーイダの隠れ家で押収した文書に生物化学兵器や核兵器への言及が多数見つかった。また、イラクとイラン、北朝鮮というならず者国家がWMD計画を推進していることを知っており、これらの国がWMDを拡散させる恐れを除く必要があった。だからイラクでフセイン政権を転覆させた
  --しかし、イラクでは核開発計画に関する物的証拠は発見されなかった 「その通りだ。だが当時のフセイン大統領は『核のムジャヒディン(イスラム戦士)』と名付けた核科学者や技術者ら約3千人を国内に確保し続けていたフセインが国連の制裁や査察をやり過ごしていたら、再び核兵器の開発と製造を目指していたのは疑いない
  --イランと北朝鮮にどう対処していくべきか 「(トランプ前政権が脱退した)イラン核合意に復帰するのは重大な誤りだ。イランの体制には圧力をかけ続ける必要がある。日本はイランとの原油取引を念頭に、(イラン核合意を支持するなど)イランと北朝鮮に対する態度を使い分けているが、核の脅威は本質的に同じだ。日本は北朝鮮だけでなくイランにも核・弾道ミサイルの開発計画を放棄するよう迫るべきだ


2020.7.8-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/260032a9c7fb377a16598ee33e502cd249e0caa0
トランプ政権内幕本のボルトン氏インタビュー 日本に警告! 駐留米軍経費交渉不調なら「在日米軍撤収も」

  【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権の外交政策に関する内幕を描いた著書を6月下旬に出版したボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が7日、産経新聞の電話インタビューに応じた。ボルトン氏は、在日米軍駐留経費の日本側負担について、来年3月末に期限を迎える駐留経費に関する協定の交渉が不調に終わった場合、トランプ大統領が在日米軍の縮小や撤収に踏み切る恐れがあると警告した。
 ボルトン氏は著書で昨年7月に訪日した際、当時の谷内正太郎国家安全保障局長に対し、トランプ氏が日本側の駐留経費負担として現行の約4・3倍に当たる年間約80億ドル(約8600億円)を要求していると伝えたと記した。
   ボルトン氏は要求を伝えた意図について「トランプ氏は従来の米大統領とは違って本当に米軍を撤収させるリスクがあり、経費負担の増額要求をもっと真剣に受け止めるべきだと説明したかった」と述べた。
   実際の交渉のベースとなる額については80億ドルを下回る「妥協額」を用意しているとの見方も示した。  一方、駐留経費交渉が難航する韓国に関しては、トランプ氏が在韓米軍を撤収させる可能性は日本よりも高いと指摘した。
   トランプ氏の外交手法については、目先の「損得」や「取引」に根差していると批判し、「同盟とは長期的に見て両国の利益になるべきだ。同盟(の価値)を金銭勘定に矮小(わいしょう)化すると、両国間の信頼関係は損なわれる」と訴えた。  難航する北朝鮮の非核化協議に関してはトランプ氏が11月の大統領選に向け劣勢が目立った場合、起死回生策として「10月に金正恩キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と再会談する可能性がある」との見方を明らかにした。  ただ、ボルトン氏は「北朝鮮は核計画を堅持する意向だ」と分析し、再会談が実現しても「進展は一切見込めない」と語った。
   一方で、トランプ氏が北朝鮮による日本人拉致の問題に関し、日本政府などの要請を受けて金氏との全ての会談で議題として取り上げたとし、前向きに評価する立場を示した。
   ボルトン氏の著書の中で中国の習近平国家主席に融和的に描かれていたトランプ氏が最近、対中強硬的な言辞を強めていることに関しては、「トランプ氏に一貫した(対中)政策がない好例だ」と非難。同氏が再選された場合は対中批判を封印し、「大型の貿易取引に向けた交渉に回帰していくだろう」として強い懸念を示した。
   ジョン・ボルトン氏 1948年生まれ。71歳。エール大卒。息子ブッシュ政権下の2001~05年に国務次官(軍縮担当)、05~06年に国連大使を務めた。トランプ大統領に請われて18年4月に大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に就任したが、アフガニスタン和平問題などをめぐりトランプ氏と意見が対立し、19年9月に辞任した。トランプ氏は「解任した」と主張している。


2010.6.24-JBpress-https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61048
核心突かれ狼狽?ボルトン回顧録に猛反発の文在寅政権
思わぬ形で露見した「米朝首脳会談」舞台裏の秘話で、韓国に激震

  ジョン・ボルトン前ホワイトハウス国家安保補佐官の回顧録『それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録(The Room Where It Happened:A White House Memoir)』(米国時間6月23日発売)が韓国を揺るがしている。
   21日夜から、韓国メディアは一斉に「ボルトンの回顧録を入手した」とし、数多くのスクープを出し始めた。米朝首脳会談と米韓首脳会談など、国家首脳間の敏感な会談内容を赤裸々に暴露したこの本は、トランプ米大統領にはかすり傷を、文在寅(ムン・ジェイン)韓国政権に致命傷を与えた、と言われている。 韓国の複数メディアが報道した回顧録の内容のうち、韓国で問題となった部分は、文在寅政権が米朝間の仲裁者を自任しながら、米国のトランプ大統領に北朝鮮の意図を誤解させる原因を提供してしまったという指摘だ。韓国メディアに掲載された内容を総合すると、次のようである。

1、2018年6月のシンガポールでの第1回米朝首脳会談に対する記述
  「(2018年)3月にホワイトハウスの大統領執務室で、(韓国の)鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長がトランプ大統領に会いたいという金正恩(キム・ジョンウン)委員長の招待状を手渡し、トランプ大統領は瞬間的な衝動でこれを受け入れた」
  「のちに鄭室長は、(トランプ大統領の)招待については自らが先に金正恩氏に提案したことをほぼ認めた」
  「すべての外交的ファンダンゴ(スペインの男女ペアで踊るダンス)は韓国の創作物で、これは金正恩氏やわれわれ(米国)の真摯な戦略よりも、韓国の統一議題により関連したものだった」
  「文在寅大統領は2018年4月28日の米韓首脳間の電話会談で、『金正恩氏が豊渓里核実験場の閉鎖を含めて完全な非核化を約束した』『金正恩氏に1年以内に非核化することを要請したが、金正恩氏が同意した』と話した」
  「2018年5月4日、鄭室長は3度目のワシントン訪問で、(4月27日の南北首脳間の)板門店会談に関する具体的な内容を提供した。韓国は金正恩氏にCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)に同意するよう強要し、金正恩氏はこれに従っているように見えたと述べた」

2、朝鮮半島の終戦宣言に関する記述
  「われわれの論議において、もう一つの重要なテーマは韓国戦争の終戦宣言だった」
  「最初の終戦宣言が北朝鮮のアイデアだと思っていたが、その後、これが自分の統一アジェンダを裏付けるための文大統領のアイデアだと疑い始めた」
  「北朝鮮はそれを文大統領が望むものと見て、『自分たちは気にしていない』と述べた」
  「私は文大統領がこのような悪いアイデアをトランプ大統領に勧めることについて懸念したが、結局それを止めることができなかった」
3、2019年2月のハノイ米朝首脳会談後に関する記述
  「ハノイの首脳会談の数日後、米韓安保室長の対話で、鄭室長は、『金正恩氏が代案なしに一つの戦略だけ持ってきたことに驚いた。米国側が行動対行動方式を拒否したのは正しい』といいながらも、『寧辺廃棄は意味ある最初の措置であり、これは(このような提案を出したのは)北朝鮮がすでに取り返しのつかない非核化の段階に入ったことを意味する』という、文在寅大統領の統合失調症的なアイデア(Moon Jae-in’s schizophrenic idea)を伝えた」
  「われわれ(米国)はハノイ以降、南北間の接触がないことを知った。太陽政策が可視的な成果をもたらすと主張してきた文大統領は、非核化および南北関係関連の北朝鮮の冷淡さが政治的に良くないと憂慮した。文在寅政府は生贄を探していた」
   「そこで文大統領は、板門店または海軍軍艦での会談を提案し、『劇的な結果を導くことができる時刻、場所、形式に対する劇的なアプローチが、劇的な結果をもたらすだろう』と述べた」
4、2019年6月30日、板門店南北米3者会談に関する記述
  「金正恩氏とトランプ大統領との会談に干渉しようとする文大統領の試みも相手にしなければならなかった」
  「トランプ大統領は文大統領が近くにいないことを望んだが、文大統領は(トランプ大統領と金正恩氏との会談に)強く出席しようとし、できれば3者会談にしようとした」
  「(自分は米朝首脳会談に乗り気でなかったので)文大統領との紛争がすべてを台無しにしかねないという一縷の希望を抱いた。なぜなら、金正恩氏も文大統領が近くに来ることを望まないことは明らかだからだ」

  米韓関係に甚大な影響
   衝撃的な暴露に大統領府は直ちに反発した。鄭義溶・国家安保室長名義の立場文を通じて、ボルトンの回顧録は「相当部分が事実を大きく歪曲している」「韓国と米国、そして北朝鮮の首脳間の協議内容に関する事項を自分の観点から見たことを明らかにしている」と反論した。また、「政府間の相互信頼に基づいて協議した内容を一方的に公開することは、外交の基本原則に反するもの」とし、「米国政府がこのような危険な事例を防止するための適切な措置を取ることを期待する」と述べた。
   当時、大統領府の国政企画状況室長として実務を担当した尹建永(ユン・ゴンヨン)議員は、フェイスブックを通じ、「自分が知っていることがすべてだと信じる錯覚と傲慢から脱することを望む」「すべての事実を一つひとつ公開し反論したいが、ボルトン前補佐官のような人になるわけにはいかないので我慢する。言うことがないから、黙っているわけではない」と非難した。
   民主党議員らも、ボルトンに向けて「自分(ボルトン)が統合失調症ではないか」「一発殴りたいほどだ」「見苦しいタカ派」「武器商人の本気」「戦争狂」「三流政治家」など、激揚した反応を見せている。
   韓国メディアは、金与正(キム・ヨジョン)第1副部長と北朝鮮の敵対的攻勢で緊張感が高まっている朝鮮半島情勢が、ボルトンの回顧録によってさらに悪化するだろうと非難した。


2020.6.23-朝日新聞Digital-https://www.asahi.com/articles/ASN6R6HRVN6RUHBI005.html
回顧録、あいまいに対応する日本 見守りたい米大統領選

  米国のボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)が回顧録の中で、トランプ米大統領が在日駐留米軍の経費負担について年間80億ドル(約8500億円)の負担を求めている、と日本側に伝えていたことを明らかにした。現在の日本側の負担をはるかに上回る額となったのは、トランプ氏の意向が反映されたためで、今後の日米間の交渉にも影響しそうだ。
  23日に発売された回顧録によると、ボルトン氏は2019年7月に訪日した際、谷内正太郎国家安全保障局長(当時)に「日本が現在負担している25億ドル(約2700億円)ではなく、年間80億ドルをトランプ氏が求めている理由」を説明したという。防衛白書によると、19年度予算の米軍駐留経費負担額は約1970億円。ボルトン氏が言及した25億ドルは、ほかの関連経費の一部も加えた額とみられる。
 米軍が駐留する国のほとんどは、何らかの形で経費負担をしているが、決定方法は様々で、何が「経費」かもはっきりしていない。ボルトン氏によると、トランプ氏は以前から、米国がかかった経費に加え、5割を上乗せした「コストプラス50%」を求めるべきだとしていた。駐留国を守ることによる利益を米国が得るためで、駐留国が応じない場合は米軍の撤退で脅す考えも示していたという。
  この方針が最初に具体化したのは韓国で、米側は従来の5倍となる年間50億ドル(約5400億円)を要求。次は日本との交渉が始まる予定だった。


2020.6.23-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200623/k10012480841000.html
ボルトン氏回顧録 ここに注目!

トランプ大統領の元側近、ボルトン前大統領補佐官の回顧録が出版されました。注目される、その本の中身は?
トランプ大統領 米朝首脳会談は宣伝のため?
  ボルトン氏は在任中に行われたトランプ大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の3回にわたる首脳会談について、会談の中身や各国の要人とのやり取りだとする内容を詳しく記しています。

  このうちおととし6月にシンガポールで行われた史上初の米朝首脳会談については北朝鮮との事前の交渉が行き詰まるなか、トランプ大統領が「これは宣伝のためだ」とか、「中身のない合意でも署名する」と述べたなどとして、非核化の実現よりみずからのアピールに関心があったと指摘しています。
  また会談のさなかに同席していたポンペイオ国務長官からトランプ大統領の発言について、「でたらめだらけだ」と書かれたメモを渡され、ボルトン氏も同意したと記しています。
  またこの会談の実現に向けては当初、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領の側近が北朝鮮のキム委員長に働きかけていたと指摘し、「戦略よりも南北の統一という目標のための創作だった」として、韓国側の思惑が強く影響していたと主張しています。
  その後、ボルトン氏はトランプ大統領が北朝鮮に安易に譲歩しないよう働きかけを強めたとしていますが、トランプ大統領はキム委員長との再会談に強い意欲を見せ、おととし8月のはじめにキム委員長の親書を受け取ると「ホワイトハウスに招くべきだ」と主張したため、政権幹部がそろって反対したことがあったということです。
  また、ボルトン氏が「小国の独裁者の親書にすぎず、会談すべきではない」と述べたのに対し、トランプ大統領は「あなたは敵意が強すぎる」と反論したこともあったとしています。

  その後、2019年2月にベトナムのハノイで行われた2回目の首脳会談の際、実務者協議を担ったビーガン氏の取りまとめた声明案について、北朝鮮の非核化の合意があいまいなのに、譲歩しすぎているとして退けたと記しています。
  ボルトン氏はビーガン氏について、「制御不能になりそうだった」として、段階的な非核化に応じるのではないかと不信感を強めたということで、「過去の政権と同じ過ちを繰り返そうとしている」と批判しています。
  一方、2回目の会談ではキム委員長がニョンビョン(寧辺)の核施設の放棄と引き換えに経済制裁を解除する提案に最後までこだわったとしています。
  これに対してトランプ大統領は、追加の非核化の措置を求めたとしていますが、側近たちに対しては「部分的な合意だけにするか、合意せずに席を立つか、どちらが大きな記事になるか」と述べ、実質的な成果ではなくメディアの報じ方を気にしていたとしています。
  さらに去年6月にパンムンジョム(板門店)で行われた3回目の首脳会談についても、トランプ大統領の動機は写真撮影とメディアの注目を集めることだったとして、「ツイッターでの呼びかけで会談が実現したことに気分が悪くなった。トランプ大統領は個人的な利益と国益が区別できていない」と批判しています。

安倍首相も頻繁に登場
  ボルトン氏は、トランプ大統領と安倍総理大臣の関係について、「トランプ大統領が世界中のリーダーの中でもっとも個人的に仲がよかったのは、ゴルフ仲間でもある安倍総理大臣だった。ただ、イギリスのボリス・ジョンソン氏が首相になり、安倍総理大臣と肩を並べることになった」と評価しています。
  そして回顧録の中では、さまざまな外交課題をめぐる安倍総理大臣とのやり取りが頻繁に登場しています。
  おととし6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談に先立って、ワシントンで行われた日米首脳会談では、安倍総理大臣が北朝鮮について「非常にタフでずる賢い」と述べ、安易に制裁を解除せず、慎重に対応するよう忠告したと明かしています。
  また、ボルトン氏は、自身の助言に反してトランプ大統領がイランとの対話を重視する路線に進んでいったいきさつも詳しく書いています。
  この中でボルトン氏は、「あとになって知ったが、トランプ大統領は、安倍総理大臣にアメリカとイランの間を取り持つよう依頼し、安倍総理大臣はこれを真剣に検討した」と記し、トランプ大統領が安倍総理大臣に仲介を依頼したとしています。
  そして安倍総理大臣は、去年5月に東京でボルトン氏と会談した際、「トランプ大統領の要請なので、イランを訪問する」という考えを強調したということです。
  その直後の5月、東京で行われた日米首脳会談で、安倍総理大臣が6月にイランを訪問する考えを伝えた際、トランプ大統領は、「いすから落ちはしなかったし、大事な点は聞き逃してはいないようだったが、深い眠りに落ちていた」と、当時の会談の様子を描写しています。
  この翌月の去年6月、安倍総理大臣はイランを訪問しました。
  この訪問についてボルトン氏は、「ハメネイ師との会談のさなかにイランの沖で日本などの海運会社が運航するタンカーが攻撃された。イラン側が、安倍総理大臣に平手打ちをする形で、会談は完全な失敗に終わった」と結論づけています。
  そして、安倍総理大臣がイラン訪問を終えた直後にトランプ大統領と電話会談を行った際には、トランプ大統領は、「協力には感謝をするが、個人的にはアメリカの農産物を日本にもっと購入してもらうほうが重要だ」と述べ、みずからの関心事である農産物の輸出の話題に転じたとしています。
  このほか、中国については、去年5月の日米首脳会談で安倍総理大臣が「中長期的な戦略的脅威だ」と述べ、トランプ大統領に対して、日米同盟を維持し強化することで、中国に対抗していくべきだと伝えたとしています。

「ウクライナ疑惑は事実」との認識
  ボルトン氏は回顧録で、トランプ大統領の弾劾裁判の対象になったいわゆるウクライナ疑惑に関して、「トランプ大統領がウクライナへの支援の見返りに、政敵のバイデン前副大統領に関連する調査を要求した」として、疑惑は事実だという認識を示しました。
  それによりますと、トランプ大統領は去年8月、ウクライナへの軍事支援についてホワイトハウスでボルトン氏に、「バイデン氏に関する調査資料がすべて提出されるまで、ウクライナに何ら支援するつもりはない」と話したということです。
  この疑惑では、野党・民主党主導の議会下院の弾劾調査に対し、複数の政府高官が同様の内容の証言をしていましたが、当時トランプ大統領から直接、指示を受けていたという政府高官の証言はこれが初めてです。
  一方、ボルトン氏は、トランプ大統領がバイデン氏に打撃となる情報をウクライナで見つけようとしていたことについて「幻想だ」としたうえで、「エスパー国防長官、ポンペイオ国務長官、それに私はトランプ大統領を説得して軍事支援をする方法について意見交換を続けた。トランプ大統領と直接向かい合い、個人的な政治的利益のためにアメリカ政府を利用することは許されないと主張した」としています。
  この疑惑で、民主党主導の議会下院は去年12月、トランプ大統領をみずからの政治的利益のためにウクライナに圧力をかけた「権力乱用」と、議会による調査を妨害した「議会妨害」で弾劾訴追し、議会上院でアメリカ史上3回目となる弾劾裁判が開かれましたが、多数を占める与党・共和党の議員が無罪の判断を示し、無罪評決が下されています。
  ボルトン氏は民主党が進めた弾劾調査に協力しませんでしたが、その理由について対象をウクライナ疑惑のみに絞ったためだとしたうえで、「下院がトランプ大統領の幅広い行動に焦点を当てていれば、大統領が『重大な犯罪や不正行為』を犯したと人々を説得できたより大きなチャンスになっていたかもしれない」としています。

トランプ大統領 トルコめぐり捜査に介入か
  ボルトン氏は回顧録で、トランプ大統領がトルコのエルドアン大統領に依頼され、トルコの制裁逃れへの関与をめぐる捜査に介入しようとした疑いがあると指摘しました。
  回顧録によりますと、トランプ大統領はおととし12月、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれたG20サミットに合わせてトルコのエルドアン大統領と会談した際、エルドアン大統領からメモを手渡されたということです。
  回顧録や報道によりますとトルコを巡っては、ニューヨーク南部地区の連邦地検が国営銀行によるイランの制裁逃れへの関与を疑い捜査していましたが、トランプ大統領はメモを受け取ったあと、国営銀行は無実だという認識を示し、エルドアン大統領に対しみずから対処に当たると伝えたということです。
  その際、トランプ大統領は、「南部地区の連邦検事は自分の味方ではなく、オバマ前大統領に近い人たちだ。彼らに代わって自分の味方が検事になった時、問題は解決するだろう」と説明したとしています。
  これについてボルトン氏は、ABCテレビのマーサ・ラダッツ氏の独占インタビューで、「これまでそんな発言をする大統領はいなかった。司法妨害かもしれないと感じた」と述べています。
  ニューヨークの南部地区の連邦地検を巡っては先週、トランプ大統領の側近による違法献金などの捜査を担当してきた検事が解任され、野党・民主党は「政権による司法への不当な介入だ」と批判を強めています。

トランプ大統領 「習主席に再選支援を懇願」
  ボルトン氏は回顧録でトランプ大統領が去年6月に大阪で開かれた中国の習近平国家主席との首脳会談で、「突然、アメリカ大統領選挙の話題を持ち出し、中国の経済力が選挙に与える影響を示唆しながら、みずからの再選を確実にするため、習主席に支援を懇願した」と指摘しました。
  そのうえで、「トランプ大統領はアメリカの農家からの支持の重要性を強調し、アメリカ産の大豆や小麦の購入を増やすよう求めた」としています。
  また回顧録では、中国の通信機器大手「ファーウェイ」の孟晩舟副会長がおととし12月にカナダで逮捕された際、トランプ大統領がボルトン氏に「中国のイバンカ・トランプを逮捕したんだ」と述べ、娘の名前を出して不満を示したと記しています。
  さらに孟副会長の逮捕は刑事事件であり、アメリカ政府が「ファーウェイ」を次世代の通信規格5Gで大きな脅威になると見ているにもかかわらず、トランプ大統領は何度も「ファーウェイ」の問題を貿易交渉の取り引き材料にする姿勢を見せたとしていて、ボルトン氏は貿易交渉を優先させ安全保障上の課題を軽視したと批判しています。
  さらに去年6月、香港で民主派によるデモが激しさを増していた時にトランプ大統領は、「関わりたくない。アメリカにも人権問題はある」と発言したほか、この頃に習近平国家主席と電話会談した際には、「香港のデモは中国の国内問題だ。側近たちには公の場で香港の問題を語らないよう伝えた」と述べて、習主席から感謝のことばを受けたとしています。
  そして去年6月に中国の天安門事件から30年を迎えた際に、ホワイトハウスが大統領声明を出す方針でしたが、トランプ大統領はムニューシン財務長官から貿易交渉への影響を聞き、「誰が声明を気にするんだ。中国と交渉をまとめようとしているんだ」と述べて、声明を出すのを拒否したということです。
  またトランプ大統領は去年6月の習主席との会談で「習主席から新疆ウイグル自治区でウイグル族を拘束する施設の建設の必要性を説明された」としたうえで、その際に同席した通訳によると、トランプ大統領はこの時、「正しいことで建設を進めるべきだ」と発言したと指摘し、トランプ大統領が中国国内の人権問題を軽視していると批判しています。

バイデン氏「再選支援と引き換えに人権問題を軽視」
  ボルトン氏が回顧録でトランプ大統領がみずからの再選のために中国の習近平国家主席の支援を求めたと主張していることを受けて、野党・民主党の対立候補のバイデン前副大統領はトランプ大統領が再選への支援と引き換えに香港やウイグルをめぐる人権問題を軽視してきたと批判しています。
  バイデン氏は秋の大統領選挙に向けて、トランプ大統領の陣営から中国寄りで弱腰だと批判されていますが、ボルトン氏による回顧録での暴露も受けて攻勢を強める構えです。
またトランプ大統領に反発する保守系の専門家らも批判を強めています。
  トランプ大統領の再選阻止を目指す共和党員や元軍人でつくる政治団体「リンカーン・プロジェクト」は、トランプ大統領こそ中国寄りで弱腰だと主張する宣伝ビデオを公表しました。
  宣伝ビデオでは、「ドナルド・トランプは中国に対抗できるのは自分だと装っているが、中国はトランプが弱腰で汚職にまみれ、笑い者になっていることを知っている。まるで犬のように習近平国家主席に再選の支援も懇願した」と非難しています。

農業団体幹部はトランプ大統領を評価
  一方、トランプ大統領がみずからの再選のために中国の習近平国家主席に対してアメリカの農産品の購入で支援を求めたことについて、中西部イリノイ州の農業協会の幹部、マーク・タトルさんはNHKの取材に対して「トランプ大統領は近年の大統領のなかで、最も農業について語る大統領だ。いつも農家のことを気にかけ、我々に耳を傾けてくれる」と述べました。
  さらに「農家はトランプ大統領を強く支持している」と述べ、農家の大統領への支持は揺るがないと主張するとともに、「中国が貿易交渉の約束を果たしてアメリカの農産品の購入をさらに行うことを望む」と述べて、中国の農産品購入に期待を示しました。
  中西部ミズーリ州の農業協会の会長ブレーク・ハーストさんは、NHKの取材に「大豆を売るために国を危険にさらすなという主張もわかるが、中国の市場は多くのアメリカの農家にとって非常に重要だ」と述べ、中国との貿易の重要性を強調しました。
  またトランプ大統領が中国の習近平国家主席に選挙で農家の重要性を説明したとされることについて「トランプ大統領が我々の投票を気にしてくれるのは農家としては当然、うれしい」と述べましたが、米中の貿易戦争で多くの被害を受けたとして秋の大統領選挙でトランプ大統領に投票するかどうかは決めていないとしています。


ジョン・ボルトン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


  ジョン・ロバート・ボルトン(英語: John Robert Bolton、1948年11月20日 - )は、アメリカ合衆国の政治家・外交官。アメリカ合衆国国際連合大使、国家安全保障問題担当大統領補佐官などを歴任した。

経歴・人物像
  メリーランド州ボルチモア生まれ。1964年アメリカ合衆国大統領選挙では当時高校生ながら共和党候補バリー・ゴールドウォーターの選挙運動に参加した。1970年イェール大学を最優等で卒業、1974年同大学イェール・ロー・スクール修了(法務博士 J.D.)。ロースクールでは後の最高裁判事のクラレンス・トーマスと同じクラスであり、またビル・クリントンヒラリー・クリントンも同時期に在学していた。
  ワシントンの法律事務所勤務、保守派の大御所的存在ジェシー・ヘルムズ上院議員の補佐官を経て、1981年レーガン政権の8年間、国際開発庁および司法省に勤務し、エドウィン・ミース司法長官と行動を共にした。1989年から1993年まで、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ政権で国務次官補を務め、ジェイムズ・ベイカー国務長官の知遇を得た。担当は対国際連合クリントン政権期は保守系シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所副所長に就任し、タカ派の立場からクリントン政権の外交政策に対して一貫して批判を続けた。1997年に設立された新保守主義的な外交政策を主張するアメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)にも参加した

  2001年ジョージ・ウォーカー・ブッシュ政権によって国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)に任命され、北朝鮮との六者会合イランの核開発問題などを担当したが、強硬なスタイルは多くの敵を作った。イランの外務省はボルトンを「無作法で非外交的」と非難した。また北朝鮮を巡っては、時の総書記金正日を「圧政的な独裁者」と呼び、北朝鮮で生きることは「地獄の悪夢」などと発言したことから、北朝鮮はボルトンを「人間のクズ」(human scum)と激しく批判した。ボルトンの発言は非外交的だとして議会などから問題視された。また、開戦への慎重論が少なくなかった国務省内の対イラク開戦推進派としてイラク戦争への流れをつくり、ブッシュ政権を去った後もイラク戦争の正当性を主張している。イラク戦争の推進やPNACへの参加などからネオコンの代表的な人物とみなされることが多いが、ボルトン自身は高校時代から生粋の保守派であるため、左翼からの転向者を意味する「ネオコン」と呼ばれることを嫌っている
  2005年、駐国際連合アメリカ大使に推された。ここではヘンリー・キッシンジャー、ジェイムズ・ベイカー、ローレンス・イーグルバーガージョージ・シュルツアレクサンダー・ヘイグの5人もの共和党政権における国務長官経験者が議会にボルトンを推薦する書簡を送るなど極めて異例の推薦を受けたが、民主党フィリバスターで対抗するなど強い反発を浴びた。ブッシュは反対を押し切って8月に任命を強行(休会任命の為未承認)。上院が承認しなかった為、2006年12月4日に辞任を表明し年内に任期満了で退任した。在任中は北朝鮮とイランの圧政を国務次官時代と同様一貫して激しく批判しており、両国に対する強硬路線を主導した。自身と米国政府が推薦した大韓民国出身の潘基文が国連事務総長に当選した際は歓迎している。しかし、ブルー・チームと呼ばれる親台派でもあるため、潘基文が中華民国台湾)の加盟を拒否した際はこれを批判した
  2006年7月5日に北朝鮮が行ったテポドン2号発射及び、同年10月9日に強行された核実験の後は安倍晋三(当時内閣官房長官)や外務大臣(当時)の麻生太郎と共に北朝鮮への制裁路線を推進。10月15日には対北制裁決議の採択を実現する。バンコ・デルタ・アジアの北の不正資金凍結も断行した。ブッシュ政権が2期目に押し進めた対北融和路線も激しく批判。拉致被害者家族からの信頼も厚く、2007年11月北朝鮮による拉致被害者家族連絡会北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会が訪米した際、最初に面会した要人である。また、北朝鮮の脅威に対抗するために日本と韓国が核武装を検討することも主張していた。
  2016年5月のバラク・オバマの広島訪問についてはニューヨーク・ポスト紙で「恥ずべき謝罪の旅」と強く批判し、ハリー・S・トルーマン日本への原子爆弾投下の決定は勇断と擁護した2017年にはウォール・ストリート・ジャーナル紙で在沖米軍の台湾への一部移転を主張し2018年にはニューヨーク・タイムズ紙ではイランへの爆撃やウォール・ストリート・ジャーナル紙で北朝鮮への先制攻撃も主張していた。
トランプ政権
  かねてから2016年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬したドナルド・トランプはボルトンの外交手腕を買って国務長官候補として検討しており 、政権移行チームでも名前が挙がっていた 
  2018年3月にトランプ大統領は自身のTwitterにおいてハーバート・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官を解任し、後任にボルトンを充てると表明した
  2018年4月13日に起きたアメリカ・イギリスフランスによるシリアバッシャール・アサド政権への軍事攻撃では、国家安保担当補佐官に着任したばかりのボルトンがイランと北朝鮮への威嚇を狙って後押ししたとされる。同年5月にはそのタカ派ぶりで北朝鮮から名指しで批判された。同年9月にはイランへの攻撃計画準備も国防総省に指示したと報じられた
2019年2月に第2回米朝首脳会談が決裂した際はボルトンの介入によるものとする批判が韓国政府関係者から起き、同年4月20日には北朝鮮の崔善姫外務次官はボルトンを「間抜け」と批判した。また、同年5月27日、北朝鮮の外務省報道官は、短距離弾道ミサイルの発射実験を国連制裁決議違反として批判したボルトンに対して「欠陥人間」「一刻も早く消えるべきだ」との論評を行っている。
経歴・人物像
  メリーランド州ボルチモア生まれ。1964年アメリカ合衆国大統領選挙では当時高校生ながら共和党候補バリー・ゴールドウォーターの選挙運動に参加した。1970年イェール大学を最優等で卒業、1974年同大学イェール・ロー・スクール修了(法務博士 J.D.)。ロースクールでは後の最高裁判事のクラレンス・トーマスと同じクラスであり、またビル・クリントンヒラリー・クリントンも同時期に在学していた。
  ワシントンの法律事務所勤務、保守派の大御所的存在ジェシー・ヘルムズ上院議員の補佐官を経て、1981年レーガン政権の8年間、国際開発庁および司法省に勤務し、エドウィン・ミース司法長官と行動を共にした。1989年から1993年まで、ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ政権で国務次官補を務め、ジェイムズ・ベイカー国務長官の知遇を得た。担当は対国際連合クリントン政権期は保守系シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所副所長に就任し、タカ派の立場からクリントン政権の外交政策に対して一貫して批判を続けた。1997年に設立された新保守主義的な外交政策を主張するアメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)にも参加した。

  2001年ジョージ・ウォーカー・ブッシュ政権によって国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)に任命され、北朝鮮との六者会合イランの核開発問題などを担当したが、強硬なスタイルは多くの敵を作った。イランの外務省はボルトンを「無作法で非外交的」と非難した。また北朝鮮を巡っては、時の総書記金正日を「圧政的な独裁者」と呼び、北朝鮮で生きることは「地獄の悪夢」などと発言したことから、北朝鮮はボルトンを「人間のクズ」(human scum)と激しく批判した。ボルトンの発言は非外交的だとして議会などから問題視された。また、開戦への慎重論が少なくなかった国務省内の対イラク開戦推進派としてイラク戦争への流れをつくり、ブッシュ政権を去った後もイラク戦争の正当性を主張している。イラク戦争の推進やPNACへの参加などからネオコンの代表的な人物とみなされることが多いが、ボルトン自身は高校時代から生粋の保守派であるため、左翼からの転向者を意味する「ネオコン」と呼ばれることを嫌っている
  2005年、駐国際連合アメリカ大使に推された。ここではヘンリー・キッシンジャー、ジェイムズ・ベイカー、ローレンス・イーグルバーガージョージ・シュルツアレクサンダー・ヘイグの5人もの共和党政権における国務長官経験者が議会にボルトンを推薦する書簡を送るなど極めて異例の推薦を受けたが、民主党フィリバスターで対抗するなど強い反発を浴びた。ブッシュは反対を押し切って8月に任命を強行(休会任命の為未承認)。上院が承認しなかった為、2006年12月4日に辞任を表明し年内に任期満了で退任した。在任中は北朝鮮とイランの圧政を国務次官時代と同様一貫して激しく批判しており、両国に対する強硬路線を主導した。自身と米国政府が推薦した大韓民国出身の潘基文が国連事務総長に当選した際は歓迎している。しかし、ブルー・チームと呼ばれる親台派でもあるため、潘基文が中華民国台湾)の加盟を拒否した際はこれを批判した。
  2006年7月5日に北朝鮮が行ったテポドン2号発射及び、同年10月9日に強行された核実験の後は安倍晋三(当時内閣官房長官)や外務大臣(当時)の麻生太郎と共に北朝鮮への制裁路線を推進。10月15日には対北制裁決議の採択を実現する。バンコ・デルタ・アジアの北の不正資金凍結も断行した。ブッシュ政権が2期目に押し進めた対北融和路線も激しく批判。拉致被害者家族からの信頼も厚く、2007年11月北朝鮮による拉致被害者家族連絡会北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会が訪米した際、最初に面会した要人である。また、北朝鮮の脅威に対抗するために日本と韓国が核武装を検討することも主張していた
  2016年5月のバラク・オバマの広島訪問についてはニューヨーク・ポスト紙で「恥ずべき謝罪の旅」と強く批判し、ハリー・S・トルーマン日本への原子爆弾投下の決定は勇断と擁護した2017年にはウォール・ストリート・ジャーナル紙で在沖米軍の台湾への一部移転を主張し、2018年にはニューヨーク・タイムズ紙ではイランへの爆撃やウォール・ストリート・ジャーナル紙で北朝鮮への先制攻撃も主張していた。
トランプ政権
かねてから2016年アメリカ合衆国大統領選挙に出馬したドナルド・トランプはボルトンの外交手腕を買って国務長官候補として検討しており、政権移行チームでも名前が挙がっていた
  2018年3月にトランプ大統領は自身のTwitterにおいてハーバート・マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官を解任し、後任にボルトンを充てると表明した
  2018年4月13日に起きたアメリカ・イギリスフランスによるシリアバッシャール・アサド政権への軍事攻撃では、国家安保担当補佐官に着任したばかりのボルトンがイランと北朝鮮への威嚇を狙って後押ししたとされる。同年5月にはそのタカ派ぶりで北朝鮮から名指しで批判された。同年9月にはイランへの攻撃計画準備も国防総省に指示したと報じられた。
  2019年2月に第2回米朝首脳会談が決裂した際はボルトンの介入によるものとする批判が韓国政府関係者から起き、同年4月20日には北朝鮮の崔善姫外務次官はボルトンを「間抜け」と批判した。また、同年5月27日、北朝鮮の外務省報道官は、短距離弾道ミサイルの発射実験を国連制裁決議違反として批判したボルトンに対して「欠陥人間」「一刻も早く消えるべきだ」との論評を行っている。
  2019年4月、マイアミで行われたピッグス湾事件関係者の集会で「今日、我々は万人の前で誇りをもってモンロー主義は健在であると宣言する」と演説した。また、西半球から社会主義は駆逐せねばならないとしてキューバミゲル・ディアス=カネルベネズエラニコラス・マドゥロニカラグアダニエル・オルテガを「3人の愚かな社会主義者」と呼び、この3カ国に対する経済制裁を17日に発表した。
  2019年5月、ワシントンD.C.で1979年の米台断交後初の安全保障担当高官接触だった台湾国家安全会議秘書長の李大維との会談を行った
  2019年6月20日、イスラム革命防衛隊による米軍無人偵察機の撃墜を受けてトランプ大統領による対イラン軍事行動決定を後押しするも攻撃10分前になって撤回されることとなった。イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相からは同様にイランに敵対的なイスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相サウジアラビアムハンマド・ビン・サルマーン皇太子とともに「Bチーム」(類似するチームBとは無関係)と度々呼ばれている。
  2019年7月22日、訪日。河野太郎外相や岩屋毅防衛相らとホルムズ海峡を航行する民間船舶の安全確保を図るための有志連合や日米同盟の役割、日韓関係などについて会談を行った。続いて23日には韓国入りし、康京和外相鄭義溶国家安保室長、鄭景斗国防相らとホルムズ海峡や朝鮮半島問題、米韓防衛費分担金特別協定改定などについて会談を行った。また、野党である自由韓国党羅卿ウォンも会談を行ったことを明かしている。
  2019年9月10日、国家安全保障問題担当大統領補佐官を解任された。これについて、大統領は自分が辞任を進言したと主張しているが、ボルトンは自分の意思で辞任を届け出た、としており、対立がみられる。トランプ大統領は北朝鮮、イラン、ベネズエラなどをめぐって意見の対立があったと明かした。同月19日、トランプ大統領は、後任にロバート・オブライエンを指名した。
政権離脱後
  2019年7月、トランプ大統領がウクライナへの軍事援助と引き換えに同国に政敵の調査を持ち掛けたとする出来事があり、同年中にトランプ大統領を弾劾裁判にかける事態へと発展した(ドナルド・トランプとウクライナ論争を参照)。2020年1月6日、ボルトンは、議会上院から召喚状が出されれば弾劾裁判で証言を応じることを表明したが、ボルトンなどの証人招致を求める動議は共和党の反対多数で否決されたため実現せず、そのままトランプ大統領には無罪評決が下った。
  2019年4月、マイアミで行われたピッグス湾事件関係者の集会で「今日、我々は万人の前で誇りをもってモンロー主義は健在であると宣言する」と演説した。また、西半球から社会主義は駆逐せねばならないとしてキューバミゲル・ディアス=カネルベネズエラニコラス・マドゥロニカラグアダニエル・オルテガを「3人の愚かな社会主義者」と呼び、この3カ国に対する経済制裁を17日に発表した。
  2019年5月、ワシントンD.C.で1979年の米台断交後初の安全保障担当高官接触だった台湾国家安全会議秘書長の李大維との会談を行った。
  2019年6月20日、イスラム革命防衛隊による米軍無人偵察機の撃墜を受けてトランプ大統領による対イラン軍事行動決定を後押しするも攻撃10分前になって撤回されることとなった。イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相からは同様にイランに敵対的なイスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相サウジアラビアムハンマド・ビン・サルマーン皇太子とともに「Bチーム」(類似するチームBとは無関係)と度々呼ばれている
  2019年7月22日、訪日。河野太郎外相や岩屋毅防衛相らとホルムズ海峡を航行する民間船舶の安全確保を図るための有志連合や日米同盟の役割、日韓関係などについて会談を行った。続いて23日には韓国入りし、康京和外相鄭義溶国家安保室長、鄭景斗国防相らとホルムズ海峡や朝鮮半島問題、米韓防衛費分担金特別協定改定などについて会談を行った。また、野党である自由韓国党羅卿ウォンも会談を行ったことを明かしている
  2019年9月10日、国家安全保障問題担当大統領補佐官を解任された。これについて、大統領は自分が辞任を進言したと主張しているが、ボルトンは自分の意思で辞任を届け出た、としており、対立がみられる。トランプ大統領は北朝鮮、イラン、ベネズエラなどをめぐって意見の対立があったと明かした。同月19日、トランプ大統領は、後任にロバート・オブライエンを指名した
政権離脱後
  2019年7月、トランプ大統領がウクライナへの軍事援助と引き換えに同国に政敵の調査を持ち掛けたとする出来事があり、同年中にトランプ大統領を弾劾裁判にかける事態へと発展した(ドナルド・トランプとウクライナ論争を参照)。2020年1月6日、ボルトンは、議会上院から召喚状が出されれば弾劾裁判で証言を応じることを表明したが、ボルトンなどの証人招致を求める動議は共和党の反対多数で否決されたため実現せず、そのままトランプ大統領には無罪評決が下った。
回顧録の出版
  2019年から2020年にかけて「The Room Where It Happened」と題した回顧録を執筆していたが、ホワイトハウス側が事前に機密情報の有無をチェック、記載内容を理由に出版を却下した。一方で回顧録の出版準備は進み、同年6月23日に出版が決定したため、6月16日にはアメリカ司法省が、ワシントン連邦地方裁判所に版差し止めを申し立てた。マイク・ポンペオ長官は、内容を読んでいないとしつつも報道を見る限り「数多くの嘘を拡散している」と指摘、裏切り者との言葉を使いながら厳しい批判を行った。
  ボルトンは回顧録の中でトランプ大統領が中華人民共和国習近平国家主席に対して2020年アメリカ合衆国大統領選挙での再選を支援するよう要請してウイグル族の強制収容も擁護したと主張した。また、日本に対しては在日米軍の撤退をちらつかせながら年80億ドル(前年比5倍)の思いやり予算支出を求めたほか、韓国の文在寅大統領の北朝鮮政策を「統合失調症患者のような考え」と批判していたことも出版前にリークされている
  2020年6月20日、ワシントン連邦地裁は政府のチェックを得ていないプロセスであり国家に損害を与える可能性があるとしながらも、本の内容は既にリークや報道されている内容であり出版差止めした場合でも与える影響がないと出版差止めを棄却した







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