日本と世界の問題


2019.12.24-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191224/k10012226671000.html
日中韓首脳会議 北朝鮮問題解決に向け3か国連携して対応

日本、中国、韓国3か国の首脳会議が中国で開かれ、安倍総理大臣をはじめ3首脳は国連安保理決議の確実な履行や、米朝プロセスの継続を後押しするなど北朝鮮問題の解決に向けて、日中韓が連携して対応していくとする共通の立場を確認しました。
  安倍総理大臣、中国の李克強首相、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領による日中韓3か国の首脳会議が中国・四川省の成都で日本時間の午前11時ごろから1時間余り行われ、終了後、首脳がそろって、会議の成果を発表しました。
  首脳会議では、ことしで日中韓協力が20年となるのを踏まえ、今後の協力の在り方について意見が交わされ、安倍総理大臣がことし6月のG20大阪サミットの合意内容を踏まえ、環境問題、高齢社会への対応、人的交流の3分野を英語の頭文字をとって、3つの「E」として、次の10年の日中韓協力の柱に据えていくことを提案し、一致しました。
  一方、朝鮮半島情勢をめぐっては北朝鮮がアメリカとの非核化交渉の期限とする年末を前に挑発的な姿勢を強めていることを踏まえて、意見が交わされました。
  安倍総理大臣は「たび重なる弾道ミサイルの発射は国連安保理決議に違反しており、地域の安全保障を深刻に脅かすものだ。北朝鮮の完全な非核化に向けて、米朝プロセスを最大限、後押ししていくことが重要だ」と指摘しました。
   そして3か国の首脳は国連安保理決議の確実な履行や、米朝プロセスの継続を後押しするなど、北朝鮮問題の解決に向けて日中韓が連携して対応していくとする共通の立場を確認しました。
  拉致問題については、安倍総理大臣から早期解決に向けた支援と協力を求めたのに対し、李首相とムン大統領は理解を示しました。
  また3首脳はRCEP=東アジア地域包括的経済連携の早期署名や、日中韓FTA=自由貿易協定の早期実現に向けた交渉を推進していくことを確認しました。
  首脳会議ではこうした内容を盛り込んだ成果文書を今後、発表することにしています。
中国 李首相「われわれはともに自由貿易の維持を主張」
  中国の李克強首相は日中韓3か国による首脳会議のあとに行われた共同記者発表で、「われわれはともに自由貿易の維持を主張している」と強調して、保護主義的な姿勢を強めるアメリカをけん制しました。
  そのうえで3か国が連携して、RCEPや日中韓FTAの早期妥結を図っていくべきだと重ねて主張しました。
  この中で李首相は中国が議長国を務めた今回の首脳会議について、「率直に話し合いを行い、共通の利益やチャンスを確認した」としたうえで、3か国の今後10年間の協力に向けた共同文書を取りまとめたことを明らかにし、成果を強調しました。
  そして、「われわれはともに自由貿易を維持し、経済の一体化を進めることを主張している。自由貿易の維持は多国間主義の維持や世界平和にも意味がある」と述べ、保護主義的な姿勢を強めるアメリカをけん制したうえで、3か国が連携してRCEPや日中韓FTAの早期妥結を図っていくべきだと主張しました。
  さらに中国の市場開放について、製造業の全面開放に加え、サービス業の開放も進めているとしたうえで、今後、金融のほか、教育や高齢化への対応など幅広い分野での市場開放を進め、日本や韓国との経済協力を進める考えを示しました。
  一方、朝鮮半島問題について、李首相は「われわれは対話と協議が問題を解決する唯一の有効な手段だという認識で一致した」と述べ、引き続き、政治的な対話によって朝鮮半島問題の解決を図る考えを示しました。
  このほか李首相は「来年行われる東京オリンピック・パラリンピックの成功を祈る」と述べたうえで、中国としても、スポーツや文化を通じた3か国の交流を進める考えを強調しました。
韓国 ムン大統領「協力の水準 さらに飛躍させることに」
  韓国のムン・ジェイン大統領は日中韓3か国の首脳会議のあと共同記者発表で、冒頭、議長国・中国の李克強首相に感謝を表明したのに続き、「3か国の協力の発展のため共にしてくれた安倍総理大臣にも感謝申し上げる。きょう午後に行われる首脳会談に対しても期待が大きい」と述べ、1年3か月ぶりの日韓首脳会談に期待を示しました。
  そして3か国の首脳会議について、「20年間発展してきた協力の重要性を再確認し、実質的な協力の水準をさらに一段階、飛躍させることになった」と成果をアピールしました。
  そのうえでムン大統領は「朝鮮半島の平和が3か国共通の利益に合致するとの認識を共にし、米朝間の速やかな対話を通じて非核化と平和が実質的に進展するよう努力することにした」と述べ、3か国がそろって、非核化をめぐる米朝対話の継続を支持していくことで一致したと強調しました。
  ムン大統領は次回の3か国首脳会議が韓国で開かれることについて、議長国として、協力の成果を国民が実感できるよう責任を果たすとして意欲を示しました。
  さらに来年開催される東京オリンピック・パラリンピックについて「3か国は東京オリンピックの成功のために協力し、人文、教育、スポーツ交流を拡大し、信頼を強化していく」と述べました。


2019.12.24-NHK NEWS WEB-https://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20191224/7000016523.html
解放された漁船5隻 根室に帰港

北方領土の歯舞群島周辺の海域でロシアの国境警備局にだ捕されて国後島に連行され、24日午前解放された根室市の漁船5隻が1週間ぶりに根室市の花咲港に戻りました。漁船の船長は「無事に帰ってきてほっとしている」と話しています。
  根室市の花咲港に戻ったのは、いずれも根室市にある▼根室漁協の漁船2隻と▼落石漁協の2隻、それに▼歯舞漁協の1隻のあわせて5隻、24人の乗組員です。
  5隻は午後3時20分ごろ花咲港に到着し、漁協の関係者や家族などの出迎えを受けました。
  5隻の漁船の船長は記者団の取材に応じ、このうち根室漁協に所属する「第三十八大友丸」の西島義隆船長は、「みなさんに大変ご心配やご迷惑をおかけしてすみませんでした」と話しました。
  また同じく根室漁協所属の「第五十五海鷹丸」の吉野達也船長は、「とりあえず無事に帰ってきてほっとしています」と話していました。
  2隻がだ捕されていた落石漁協の浄土昭雄専務は記者団に対し、「みなさまにはご迷惑をおかけしたが、年内に戻ってくることができ本当によかった」と話しました。
  そのうえで、「今まで通りの操業をしていたのでロシア側の対応には疑問を感じる。『安全操業』の操業条件の交渉にあたる北海道水産会や、水産庁と今後、話をしていきたい」と話しました。
  また浄土専務は、漁船の操業日誌と照らしあわせながら水揚げした量などについて今後、乗組員から聞き取りを行う考えを示しました。
5隻は今月17日、歯舞群島周辺の海域で日ロ両政府の協定に基づき漁を行う「安全操業」の枠組みでタコ漁をしていたところ、ロシアの国境警備局により国後島の古釜布に連行されだ捕されました。
  ロシアの裁判所は、漁船の船長らがロシアの漁獲規則に違反してあわせて7.5トンのタコなどの漁獲物を申告していなかったとして、罰金として日本円で1100万円余りの支払いを命じました。
  その後、罰金の支払いが確認されたとして、船長や乗組員は24日午前解放されました。


2019.12.22-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191222/k10012224761000.html
日中韓 経済貿易相会合 RCEPの早期妥結に向け協力で一致

日本と中国、それに韓国の経済貿易相の会合が開かれ、RCEP=東アジア地域包括的経済連携の早期の妥結・署名に向けて、日中韓の3か国が協力していくことなどで合意しました。およそ3年ぶりとなる日中韓の経済貿易相会合は、中国 北京で開かれ、日本からは梶山経済産業大臣が出席しました。
  会合の後、共同声明が発表され、この中では貿易をめぐる緊張などで世界経済が困難に直面する中、3か国の協力が重要だと指摘しています。
  して、アジア太平洋の16か国が参加するRCEPの来年中の妥結・署名に向けて協力していくことや、日中韓3か国のFTA=自由貿易協定の交渉を加速させることなどで合意しました。
  梶山大臣は終了後の共同記者会見で、RCEPからの離脱も示唆しているインドに関して「インドの重要課題を解決するために、16か国がともに取り組むことが重要だと申し上げた。日中韓はもとより一層の努力をしていくことで一致した」と述べ、インドを含む枠組みで妥結を目指す認識で3か国が一致したという認識を示しました。
  一方、先日、日韓の局長級の政策対話が行われた貿易管理をめぐっては、梶山大臣と韓国のソン・ユンモ(成允模)産業通商資源相が個別にことばを交わす機会はなかったということです。
梶山経産相とソン産業通商資源相 短時間会談か
韓国の連合ニュースによりますと韓国のソン・ユンモ(成允模)産業通商資源相は、夕食のあと、日本の梶山経済産業大臣と10分間にわたって、話をしたということです。
  具体的な内容は明らかになっていませんが、輸出管理をめぐる対応など、両国の間の懸案を解決するための方法について意見を交わしたことが予想されると伝えています。
 また、韓国の産業通商資源省は22日夜、コメントを発表し、日本と中国との経済貿易相会合の中で、ソン産業通商資源相は、日中韓の中の2国間関係の浮き沈みにかかわらず、域内の安定的な協力と発展のためには、3か国の協力の枠組みを整えておくことが重要だと強調したとしています。
  ソン産業通商資源相は、韓国メディアに対して「きょうの会合は、3か国間の共通の関心事について話す場だった」と述べ、日中韓3か国の会合では、輸出管理については議題にならなかったと説明しました。
  これに先立ち、ソン産業通商資源相は、中国に向けて韓国を出発する際、輸出管理を厳しくした半導体などの原材料のうち、「レジスト」と呼ばれる品目について日本が運用を一部見直したことに関連して「自発的な措置で、若干の進展があったと評価できるが、問題の解決には不十分だ。以前の状態に戻すため、積極的に対話をしていく」と述べました。


2019.12.11-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/politics/news/191211/plt1912110031-n1.html
政府、バーレーンの米海軍司令部に自衛隊連絡員派遣へ

政府は中東海域の情報収集強化を目的とする海上自衛隊の独自派遣に合わせ、バーレーンにある米海軍第5艦隊司令部に幹部自衛官を連絡員(LO)として派遣する方向で検討に入った。海自が得た情報を米軍と共有することで、米国が主導する有志連合(センチネル作戦)の情報を入手しやすくなり、日本関係船舶の安全確保にも役立てる。中東派遣に関する閣議決定には、国会報告を少なくとも1年ごとに実施することなどを盛り込む方針だ。
 政府は海自の護衛艦1隻とP3C哨戒機を来月にも派遣する方針だ。オマーン湾からアデン湾にかけて活動し、緊迫度が高いホルムズ海峡への派遣は見送る。
 一方、1月下旬にも活動を本格化するとみられる有志連合は、ホルムズ海峡を航行する船舶の警護にも当たる。情報収集任務を担当する連絡員を米軍に置くことで、中東海域の情報収集能力の向上を図る。
 ホルムズ海峡はサウジアラビアなどペルシャ湾沿岸国と外洋をつなぐ要衝だ。日本が輸入する原油の8割以上が通過するため、その情報は「日本船舶を守る上で非常に有意義」(政府関係者)となる。
 11月にバーレーンに発足した有志連合の司令部には連絡員を送らない。派遣すればより円滑な情報共有が可能となるが、有志連合と一体化しているとみなされ、イランとの関係に悪影響を及ぼしかねないからだ。政府はあくまで独自に自衛隊を派遣することでイランとの関係も重視しながら、外交努力による中東の安定化を目指している。
 護衛艦などの派遣は防衛省設置法の「調査・研究」を根拠とする。政府は与党協議を経て、20日の閣議決定を目指している。


2019.12.3-Gooニュース (産経新聞)-https://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/sankei-afr1912030015.html
100人超に不正発行か 駐日ベトナム領事

ベトナム人の在留許可に関する証明書を不正に発行してもらう見返りに、在福岡ベトナム総領事館の男性領事(38)=7月に出国=に現金15万円を渡したとして不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)容疑でブローカーの女が兵庫県警に逮捕された事件で、男性領事が女の顧客100人超に対し、不正に証明書を発行した疑いのあることが3日、捜査関係者への取材で分かった。不正に発行された大量の証明書が役所の手続きなどで悪用されたとみられ、県警が事件の全容解明を進めている。
 逮捕されたのはベトナム国籍のズオン・ティ・テー容疑者(34)=神戸市長田区。

 県警によると、男性領事は短期滞在のベトナム人顧客から直接依頼を受けたズオン容疑者を通じ、国内の役所で独身を証明する「婚姻要件具備証明書」や、母国に日本で結婚したことを証明する「婚姻受理記載証明書」などの証明書を発行し渡していた。賄賂額は1通あたり数万円とみられ、短期滞在のベトナム人が国内で発行を受けることができない証明書もあった。
 捜査関係者によると、不正を依頼した顧客は100人超に上るとみられる。


2019.11.27-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191127/wor1911270012-n1.html
中国また日本人拘束 50代の男性、湖南省で 国家安全当局か

【北京=西見由章】中国湖南省長沙市で今年7月、50代の日本人男性が中国の国内法に違反したとして拘束されたことが27日、分かった。日本政府関係者が明らかにした。男性を拘束したのは防諜工作などを担当する国家安全当局とみられる。2015年以降、スパイ行為に関与したなどとして中国当局が事実関係を明らかにしないまま拘束した日本人男女は少なくとも15人に上ることになる。
 日本政府は男性に領事面会や家族への連絡などの支援を行っているとしているが、拘束容疑などは明らかにしていない。
 これまで邦人15人のうち9人が懲役15~3年の実刑判決を言い渡され、2人が上訴している。今月15日に「保釈」された北海道大の男性教授を含む5人がこれまでに解放され帰国した。


2019.11.19-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191118/k10012181661000.html
日米防衛相会談 ”GSOMIA含む 日米韓の連携が重要”

タイを訪れている河野防衛大臣は、アメリカのエスパー国防長官と会談し、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返す中、韓国側の破棄の決定により、今週、失効する日韓の軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」を含めた日米韓3か国の連携が重要だという認識で一致しました。
河野防衛大臣は、訪問先のタイのバンコクで17日の日米韓3か国の防衛相会談に続き18日、アメリカのエスパー国防長官と会談しました。
  この中で両氏は、北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、地域の安全保障にとって重大な脅威だとして、国連安保理決議に基づいて、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄を求めていくことを確認しました。
  そのうえで韓国側の破棄の決定により、今週23日に失効する日韓の軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」をめぐっても意見を交わし、協定を含めた日米韓3か国の連携が重要だという認識で一致しました。
  一方、河野大臣が、日本政府が独自に検討している中東地域への自衛隊派遣について説明したのに対し、エスパー長官は、地域の平和と安定に資するものだとして感謝の意を示したということです。
  また、両氏は日本側が中止を求める中、在日アメリカ軍が先月、沖縄の嘉手納基地でパラシュート訓練を行ったことなどを踏まえ、協力して地元の理解を得ていく重要性を確認しました。

河野防衛相「日米韓の連携強化 必要との認識一致」
河野防衛大臣は会談のあと記者団に対し「エスパー長官との間では、北朝鮮情勢を見るにつけ、日米韓の連携の強化が必要だという認識は一致している」と述べました。
  そのうえで、記者団から「日米韓の連携の重要性は、日韓の軍事情報包括保護協定=『GSOMIA』の更新の有無にかかわらず、3か国で一致しているのか」と問われたのに対し、「そのとおりだ」と述べました。


2019.11.16-NHK NEWS WEB-https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191116/k10012179391000.html
中国 9人の日本人が拘束されたまま 北大教授解放も…

スパイ行為の疑いで中国当局に拘束された北海道大学の教授が、15日、2か月ぶりに解放されました。中国としては、日本との関係改善をはかる中で早期解決に動いた形ですが、中国国内では依然として9人の日本人が拘束されたままで、日中間には多くの懸案が残っています。
  北海道大学の岩谷將教授は、ことし9月に中国政府系のシンクタンク「中国社会科学院」の招きで北京を訪問中、中国の反スパイ法に違反した疑いで、当局に拘束されましたが、15日、2か月ぶりに解放され、帰国しました。
  中国当局は、2014年に反スパイ法を施行して以降、外国人への監視を強めていて、岩谷教授も、学術的な研究がスパイ行為として疑われたものとみられます。
  岩谷教授の拘束をめぐっては、日本の中国研究者のあいだで不安や動揺が広がり、学術交流にも影響が出ていただけに、安どの声もあがっています。
  中国政府としては、日本との関係改善を進める中、早期の解決に動いた形で、来年春に予定される習近平国家主席の訪日を友好的な雰囲気の中で迎えたいという思惑もあると見られます。
  ただ、中国では、現在も9人の日本人がスパイ行為などを疑われて拘束されたままであるうえ、沖縄県の尖閣諸島をめぐる問題など、日中間には、数多くの懸案が残っています。


2019.10.21-産経新聞 THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/191021/wor1910210001-n1.html
北の石炭密輸船、日本に寄港100回以上 国連制裁逃れか

2017年8月の国連安全保障理事会決議で全面的に禁じた北朝鮮産の石炭輸入に関与したとして、韓国政府が18年8月以降に入港禁止にした複数の船舶が、措置後少なくとも計26回日本各地に寄港していたことが20日分かった。韓国の入港禁止前を含めると、石炭禁輸の国連決議後の日本寄港は100回を超した。前後にロシアや中国を訪れており、産地をこれらの国など北朝鮮以外に見せかけ制裁を逃れる不正取引に、日本の港湾が使われた恐れがある。
 民間会社の船舶追跡データや海上保安庁の情報を共同通信が集計した。安倍晋三首相は6月の日米首脳会談で国連決議の「完全履行」を確認したが、核・ミサイル開発の資金源となる石炭密輸に関わった疑いがある船が自由に出入りしていた実態が明らかになった。(共同)


6. 東アジアとの関係
(1)東アジア(広義)の隆盛と日本
【東アジアの見通し】

ASEAN 10ケ国に日中韓台を加えた東アジアGDP伸長はめざましく、2008年に世界GDP(61兆USドル)の24%を占めて米国に並び、2020年にはEU(加盟27ケ国)のように30%に達すると予測される。
 日本の貿易総額における対米貿易は1990年27%だったが20年間で半減して2008年14%に落ち込んだ。
その代わりに台頭したのがアジア諸国で、中国18%、韓国6%、台湾4%、タイ・マレーシア・インドネシア・シンガポールが各3~2%で、フィリピン・ベトナム・ミャンマー・カンボジアと続く東アジア全体で世界の半分近くを占め、今後さらに増加する勢いである。
 2010年に中国がGDP2位になるが、日本の10倍の人口を擁し(1人当たりは日本の1割)、2020年まで成長率8~10%の「高度成長」、40年まで成長率4~5%の「中位安定成長」が続くと見られる。
 韓国と台湾は、製鉄・造船・自動車・半導体等で経済を発展させてきたが、次いでASEANが台頭してくるのは確実で、東アジアは2050年頃までに人口が30億人に増え『世界の工場・世界の市場』時代が続く。
 南アジアではインドが宇宙・医療・情報などの先端技術開発を進めて経済を加速されており、2050年にはパキスタン・バングラデシュを含めた人口が20億人となり、東アジアと南アジアで地球人口の過半数を占める。
 【日本の立ち位置と物流の課題】
  日本からの物流経路を見ると、東アジアは米国(西海岸は約9000km、東海岸はその約2倍)や欧州(地中海側15000km前後、大西洋側18000km前後)よりはるかに近く、青島は福岡から約1000kmの近距離で横浜より近く、比較的遠いハノイでも福岡から4000kmほどで、域内の資源・食糧・製品を海で繋げることができる点でも、民族・文化・歴史という共通点においても日本の立ち位置は東アジアにあるとみることができる。ところが、日本が取り残される懸念材料もある。物流主体であるコンテナ取扱量の 2008年世界ランクは、1位シンガポール以下、上海、香港、深圳、釜山、寧波、広州・・・10位青島で、日本はそれから離されて20位から50位に東京・横浜・名古屋・神戸・大阪が登場するという状況で物流に遅れをとっている。
  米国中心の貿易ではパナマ運河を通れる船体(パナマックス:喫水12m・総㌧数6万5千トン前後・コンテナ積載量2,000~5,000TEU)が主流だったが、今建造が計画されているコンテナ船はスエズ運河を通過できるスエズマックス(喫水16m・10万㌧前後・10,000TEU 前後)が多く、さらにマラッカ海峡(最浅水深25m)を通過できる巨大船マラッカマックス(喫水20m・20万㌧前後・20,000TEU前後)の登場が予測される中で、日本の港は水深16m以下の規格が主体で大型化に対応できず、位置的にも東アジア経済圏から見て「裏日本」に当たる太平洋側や瀬戸内海に集中している問題もあり、大局的な視野で物流態勢を再構築する必要がある。
 (2)食糧と水に関わる産業の出番
  コ ストが高い日本では、工業品も農林水産物も、国内や海外から望まれるような健康や生活に貢献できる産品を生産すべきで、それが結果として経済の安定をもた らす。 東アジアでは、農林水産業から資源と工業品の生産・輸出にシフトしているが、その結果、山が荒れて耕作地が減少し、煤煙・農薬・廃棄物による汚染 と埋立てによる土壌・内水面・沿岸域の環境悪化が進み、各地で公害や水不足=水争奪の紛争が発生している。
  今 後は、東アジアの農林漁業生産量が停滞又は減少し、人工増加と食糧不足が進むとともに、農薬による土壌汚染が広がる可能性が高く、川から海に流している廃 水の生物凝縮による水俣病のような公害が発生し、農林水産物の安全性が急速に損なわれていくと推測され、食糧と飲料水は益々重要な物資となって、安全な食 糧と安心できる水を求める機運が高まるのは確実である。
海 に囲まれた日本は東アジアの公害や家畜伝染病の伝播を水際で防止できる利点があり、周囲の膨大な海水による環境維持作用にも恵まれており、豊かな土地と海 で生産される安全な食糧と『きれいでうまい水』は差別化商材としての輸出も有望で、井戸の掘削工事や淡水製造プラントの現地生産・施工等の事業も期待でき る。
(3)参加型観光事業の展開
ア ジアからの観光客が急増しているが、特に海・山・温泉・雪などの自然に触れられるコースに人気が高く、我々が思っている以上に日本の美しい自然に魅力を感 じており、四季を通じた特産物の提供、観光地での一寸した会話などで人情に触れることも、海外観光客にとって旅行の印象が深まってリピートにつながる。
 そのための自然をより深く体験できるツアー等でアジアからの観光客をさらに誘致できるのではないか。例えば、田植え・草刈り・収穫・植樹(樹木オーナー)・木工・炭焼き作業、が体験できる農山村ツアー、潮干狩り、地引網・定置網・カキやホタテの操業、真珠の採取と加工、が体検できる漁村ツアー、等の参加型観光を展開し、顧客層開拓につなげることによって観光を盛んにするとともに、その先にある農林水産物の輸出と農林漁業の振興推進に寄与できるのではないかと考える。
 (4)東アジアとの安全保障のかかわり
  東 アジア(広義)共同体構想が提起されているが、この地域の歴史をみると、我が国が大戦で多くの惨禍をもたらし、米国の力の下で経済を発展させたことに対し て好意的ではなく、中国政治体制の不透明さや最近のベトナム・韓国・日本との領土問題に見られる大国意識とナショナリズム台頭に物騒な気配が感じられる が、日本がいち早く経験した教訓を中国に真摯に伝えて、アジアの盟主として道を誤らぬように助言すべきである。
  これからの東アジアとの安全保障に関して、日韓米安保体制と、北朝鮮に対する食糧援助と暴発防止策などについて、国民が納得できる十分な論議の上で、中国と協調していけるような方針を決定する必要があるが、他国がどうであれ、我が国は、底力のある経済力とCapacityの大きい食糧供給力を備えた自立国家として、周辺国との地道な関係改善を図り、米・中・東アジア諸国から一目おかれる存在になることが望まれる。















このTopに戻る





monomousu   もの申す
最近のニュース
TOPにもどる