北朝鮮-2(経過)



2021.3.24-BBC NEWS-https://www.bbc.com/japanese/56506015
北朝鮮、短距離ミサイルを発射 米政府は「挑発ではない」

  韓国国防当局は24日、北朝鮮が21日に短距離巡航ミサイル2発を黄海に発射したと明らかにした。アメリカのジョー・バイデン大統領は発射について、挑発行為とは考えていないとしている。
  北朝鮮によるミサイル発射は、米メディアが23日に報じ、米政府と韓国国防当局がこれを認めた。ミサイルは北朝鮮・温泉(オンチョン)から21日朝に発射されたという。
  北朝鮮は、アメリカと韓国が合同軍事演習を行ったことを批判していた。

  バイデン米大統領は23日夜、記者団に対し、「何も変わったことはないと理解している」と述べた。
  挑発行為だと思うかとの問いには、「いや。国防総省によれば、普段どおりとのことだ。北朝鮮の行為に新たな点はない」と答えた。
「ごく普通の軍事行動」
  国連安全保障理事会の決議は、北朝鮮に対し、弾道ミサイルなど多大な脅威を与える武器の発射を禁じている。今回発射された短距離ミサイルは、禁止の対象になっていない。
  複数の米政府高官は、今回の発射について、「北(朝鮮)によるごく普通の軍事行動」と考えているとしている。
  また、米政府は北朝鮮政策の見直しの「最終段階」にあり、日本と韓国の国防担当者らと近く協議する予定だと述べた。
  米政府はこれまで、北朝鮮との外交接触を数週間にわたって試みてきたとしている。
米朝の対立
  北朝鮮はまだ、バイデン氏の米大統領就任を承認していない。両国は、北朝鮮の核開発や弾道ミサイル計画をめぐり、対立が続いている。
  バイデン氏は昨年の大統領選の運動中、金正恩総書記を「悪党」と表現。北朝鮮の核武装が解かれない限り、アメリカと国連による経済制裁の緩和はないと述べた。
  BBCのローラ・ビッカー・ソウル特派員は、北朝鮮が本気でバイデン政権への挑戦姿勢を表明する気なら、もっと強力なミサイルを発射したはずだと解説。
  一方のバイデン政権についても、北朝鮮の核開発などを止めるために戦略の見直しを進めているところで、今回の短距離ミサイルの発射には目立った対応はしないだろうと説明した。


2021.03.16-BBC NEWS-https://www.bbc.com/japanese/56410870
北朝鮮の金与正氏、アメリカに「騒ぎを起こすな」と警告

  北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の実妹、金与正(キム・ヨジョン)氏は15日、国営メディアでアメリカに「騒ぎを起こすな」と警告した。
  与正氏は金総書記の実妹。きょうだいの中で唯一、総書記と親密で強力な味方とされる人物だ。与正氏をめぐっては、韓国の情報機関・国家情報院が先に、これまでより多くの権限が委譲されていると明かしたばかり。
  北朝鮮は、ジョー・バイデン米大統領の就任について、認識していると示す発言をしていない。
  バイデン政権は近く、朝鮮半島政策を明らかにする予定で、今週にはアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が韓国ソウルを訪問する。一方ロイター通信は、バイデン政権が2月中旬から北朝鮮政府との接触を試みているものの、北朝鮮側から反応がないと報じている。

  北朝鮮の国営・労働新聞によると、与正氏は「海の向こうから我々の国土に火薬の臭いをまき散らそうとしているアメリカの新政権に助言がある」と発言。「向こう4年、平和のうちに眠りたいなら、まずは騒ぎを起こさないよう気をつけることだ」と述べた。
  与正氏はまた、アメリカと韓国による合同軍事演習を批判した。北朝鮮はこの軍事演習を侵略の準備とみており、「韓国政府はまた『戦争への行進』、『危機への行進』を選ぼうとしている」と話した。

  ブリンケン国務長官とオースティン国防長官は初の外遊で、15日から17日まで日本を訪問。その後、17日から韓国を訪れる予定で、北朝鮮の核開発が大きな議題になるとみられる。
  バイデン大統領はすでに、ドナルド・トランプ前大統領の北朝鮮政策を見直すと発表しており、4月にも詳細が明らかになる見通しだ。
  バイデン氏は昨年の大統領選中に金正恩氏を「ちんぴら」と呼び、アメリカや国連による厳しい経済制裁を緩和するには北朝鮮の核軍縮が必要だと強調していた。
  2017年に北朝鮮が米本土の都市を攻撃できる長距離ミサイルの発射実験を行ったことで、米朝関係は急速に冷え込んだ。その後、トランプ氏が金氏との個人的な関係性を築く中で両国の緊張は和らいだ。
  トランプ氏と金氏は3度にわたり首脳会談を重ねたものの、ほとんど成果は得られなかった。
<解説>ローラ・ビッカー・ソウル特派員
  ソウルに住む大勢にとっては、想定内のことだ。韓国とアメリカが合同軍事訓練を行えば、北朝鮮は大抵、反応するのが常だ。時にはミサイル発射という形で、あるいは今回のように、怒りの言葉を連ねて軍事演習を批判する
  金与正氏はもうしばらく前から、実兄・金正恩氏のお気に入りで、兄の代わりに周囲にほえて回る番犬の役割を果たしている。今回も例外ではない。与正氏は合同軍事演習、そしてアメリカの国務長官と国防長官の訪韓という2点を槍玉に挙げた。
  与正氏が発言したことで、アメリカと韓国は少なくとも、北朝鮮がホワイトハウスからの連絡には応じなくとも、両国の動向を観察していることを確認した。
  与正氏は、北朝鮮が米韓の協議内容にどう対抗していくのか、具体的なことは述べなかった。しかし、「警告したぞ」と言っているのだ。


2021.03.15-BBC NEWS-https://www.bbc.com/japanese/56390843
米政権、北朝鮮に接触試みるも反応なし 前政権含め1年以上協議実現せず

  アメリカのバイデン政権が2月中旬から北朝鮮政府との接触を試みているものの、北朝鮮側から反応がないことが明らかになった。米政府関係者の話としてロイター通信が13日に報じた。
  報道によると、米政府は北朝鮮との緊張がエスカレートしないよう、複数の外交チャンネルを通じて北朝鮮当局者との接触を試みた。この中には北朝鮮の国連代表部を介す「ニューヨーク・チャンネル」も含まれるという。
  ある米政府関係者はロイター通信に対し、アメリカは北朝鮮との接触を「複数回にわたり試みた」ものの、ジョー・バイデン大統領の前任者ドナルド・トランプ氏の大統領任期最後の1年を含む12カ月以上にわたり、北朝鮮との意味のある接触は実現しなかったと明かした。
  バイデン氏はすでに北朝鮮政策を見直すと発表しており、4月にもその内容が公表される見通し。
  北朝鮮の国営メディアはこれまでのところ、バイデン氏を米大統領として報じていない。

  アメリカと北朝鮮は、北朝鮮の核・ミサイル開発計画をめぐり対立し続けている。
  バイデン氏は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記を悪党と呼び、アメリカや国連による厳しい経済制裁を緩和するには北朝鮮の核軍縮が必要だと強調していた。
  一方の金氏は、より精度の高い長距離ミサイルや超大型核弾頭、偵察衛星、原子力潜水艦の開発を進めているとし、同国の軍事力を誇示し続けている。
  同時に、アメリカ側に「敵対的な政策」をやめるよう求めている。
  アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官は今週、日本と韓国を訪問する予定で、北朝鮮の核開発が大きな議題になるとみられる。

  2017年に北朝鮮が米本土の都市を攻撃できる長距離ミサイルの発射実験を行ったことで、米朝関係は急速に冷え込んだ。その後、トランプ氏が金氏との個人的な関係性を築く中で両国の緊張は和らいだ。
  トランプ氏と金氏は3度にわたり首脳会談を行ったものの、ほとんど成果は得られなかった
  アメリカや西側の主要国は北朝鮮に核兵器の放棄を求めていたが、経済制裁の解除が先だと主張する北朝鮮を説得することはできなかった。
  北朝鮮は現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、1年以上にわたり国境を封鎖するなど、かつてないほど外界から遮断されている。
  主要な同盟国である中国との貿易はここ数カ月で90%以上減少している。


2021.01.17-BBC NEWS-https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-55672683
北朝鮮、核開発めぐりバイデン氏に向けメッセージ 「そっちが動く番」

北朝鮮の指導者・金正恩(キム・ジョンウン)氏が、新たな武器の「欲しいものリスト」を示しながら、自らの誕生日を祝った。

  リストに挙げられていたのは、より高精度の長距離ミサイル、超大型核弾頭、偵察衛星、原子力潜水艦などだ。
  ここ5年間で北朝鮮最大の政治イベントである、朝鮮労働党党大会において発表された武器開発計画に、脅威を覚える向きもあるだろう。実際、それは脅威だ。

  ただ、それは挑戦でもある。重要なのは、アメリカのジョー・バイデン次期大統領の大統領就任が目前という、今回のメッセージが出されたタイミングだ。
  このたび総書記(一党支配を続ける朝鮮労働党の最高位)に昇格した金氏は、現在のアメリカの騒乱の中で、自国以外にメッセージを届けるのに苦労している。もし、アメリカの新政権が金氏の核開発への野心を抑えたいと望むのなら、今こそ彼の言葉に耳を傾ける時かもしれない。
  「Kim Jong-un and the Bomb(金正恩と爆弾)」の著書があるアンキット・パンダ氏は、「金の発表は疑いなく、アメリカの新政権がすぐに行動を取らなければ、北朝鮮はアメリカや韓国の国益に有害となる方向で開発能力を質的にアップさせるぞと強調する意図がある」と分析。バイデン次期政権は、これを真剣にとらえるべきだと話す。

  金氏とドナルド・トランプ大統領は3度会談した。だが、北朝鮮の核開発計画や、北朝鮮に大打撃を与えているアメリカと国連による経済制裁を終わらせる方向での合意には至らなかった。
  朝鮮半島で現在出ている疑問は、「バイデン氏は少しでも改善できるのか」、「彼は金氏の脅威を真剣に受け止めるのか」だ。
  「次期大統領はその状況をまともにとらえるべきだ。そしてできるだけ早く、来るべき北朝鮮との協議において、彼の政権が何を目指すのかを明確にすべきだ」とパンダ氏は言う。
  「もし、制裁緩和には包括的で完全な核軍縮が重要だとする従来の姿勢をアメリカがまったく変えないと金氏が感じれば、彼は単に核実験などの活動を進めるだろう」
  朝鮮労働党の党大会で、金氏は数千人の代表団に向かい、アメリカは「最大の敵」だと演説した。同時に、「外交を排除」はしないと付け加えた。
  米朝首脳会談は、失敗に終わったのかもしれない。しかし、朝鮮労働党の議場のメインホールでは、首脳会談は「国際政治史において最も重大な出来事」として、鮮やかな色彩で賛美されている。
  これは、バイデン氏が望むのであれば、いくらかの対応を取れる余地があることを示している。
  ただ、アメリカが最初に動く必要があり、いかなる取引にもコストは必要になると、新アメリカ安全保障センターの非常勤シニアフェロー、ドゥヨン・キム氏は話す。
  「アメリカに対する金正恩氏の代償は、米韓合同軍事演習の終了、制裁の撤廃、話し合いの前に人権問題で批判するのを控えることだ。アメリカ政府は無条件にはこれらをしないだろう」
  「仮に米朝協議が再開し、どんな取引をするにしても、金氏が求める代償は大きい。彼は双方が互いに措置を講じる、冷戦時代型の軍縮交渉を提案しているからだ。しかし、アメリカと北朝鮮の核備蓄はまったく等しくないので、それは不合理だ」

  トランプ氏と金氏は、2019年2月にヴェトナム・ハノイで開かれた2回目の首脳会談で、合意目前まで行ったというのが私の認識だ。
  しかし、その合意はもはや話し合いのテーブルから消えている。そして金氏は今後、これまでとはかなり違うタイプの大統領と交渉することになる。
  今回の演説で金氏は、自らが優位に立っているとはっきり示そうとしているのだ。
  彼は交渉の出発点をリセットしている。それはもはや、彼が現在の核備蓄を放棄することではなく、彼に新しく改良された核兵器を開発させないことへと変わっている。
さらなる「炎と怒り」?
  金氏が核備蓄を増やしたいという野心をもつのは、大きな驚きではない。
  多くの人が驚いたのは、彼が詳細な目標リストを発表したことだ。
より長距離のミサイル・より高性能のミサイル・極超音速ミサイル・軍事偵察衛星・固体燃料大陸間弾道ミサイル・新しい無人航空機・新しい核弾頭・戦術核兵器
  当然ながら、新たな兵器はテストが欠かせない。しかし、テストをすれば緊張が生じる。
  北朝鮮が3回にわたって長距離ミサイルのテストをした後の2017年、トランプ氏が「炎と怒り」で応じると発言したときの脅威を、朝鮮半島の誰もが覚えている。

  韓国は、こうした熱を帯びた言葉と瀬戸際外交が繰り返されるのを防ごうと懸命だ。
  しかし、金氏は対決姿勢を示しており、何らかの反応が得られるだろうかと、おそらく思いをめぐらせている。
  金氏は演説で、長距離ミサイルにどこまで飛んで欲しいかということまで言及した。1万5000キロメートル先のターゲットを攻撃できるようにしたいと思っている。
  この距離は、北朝鮮がアメリカを攻撃できる以上のことを意味する。
  北朝鮮は2017年後半、「火星15」として知られるミサイルを発射。核弾頭を搭載させて、アメリカのどの地域にも飛ばすことができると主張した。
  だがこのミサイルが、目標に向かって飛行し大気圏に再突入する際に、核弾頭を守るのに必要な技術を備えているのかは不明だ。
  一方、原子力潜水艦を保有する夢は、実現までかなり長い道のりになるだろうとアナリストらはみている。
  しかしながら、北朝鮮は「これまで非常に対応力が高いことを示してきた」と、パンダ氏は話す。

  度重なる経済危機にもかかわらず、金氏は現行の核開発において著しい進歩を実現してきた。
  「金氏が目標すべてを達成できなくても、列挙した兵器システムのいくつかのテストや製造を押し通し、開始させようという彼の意志を見くびるべきではない」とパンダ氏は言う。
食料危機が報じられる中で
  大きな問題は、北朝鮮がここ数十年で最悪レベルの経済状態にある中で、金氏が自らの野望にかかる費用をどうねん出するのかということだ。この「欲しいものリスト」は、ただのこけおどしとなるのか。
  5年前、金氏は国民に経済的繁栄を約束した。その計画は現在、無残な状態になっている。彼は今回の党大会の冒頭で、失敗を認めた。「すまない」という言葉は、彼の父や祖父から聞かれることはなかった。一方、この若い指導者は、いまや謝罪するのに慣れている。昨年10月の軍事パレードでは、国民が直面している厳しい状況を説明する際に、涙を流す姿まで見せている。
  北朝鮮は中国との国境を、新型コロナウイルス感染症COVID-19の拡大を防ぐため、1年近く閉じている。COVID-19について、北朝鮮は1人の感染者も出ていないとしている。だが、この秘密主義の国で新型ウイルスの感染が広がっているとする未確認情報は数多い。国境封鎖により、中国との貿易は80%近く減っている。
  一連の台風と洪水で、主要作物や家々には深刻な被害が及んでいる。ウェブサイトのNKニュースは、首都・平壌のスーパーの棚は空の状態だと伝えた。韓国の諜報当局によると、北朝鮮では砂糖などの単純な商品の価格が急騰しているという。複数の外交関係者は、医療品を含む特定の物資が国境で山積みになっていると、私に語った。
  うまくいけば、それらは遅れて北朝鮮に届けられるだろう。しかし、国内にまったく運び込まれない恐れもある。そしてもちろん、厳しい経済制裁が続けられている。北朝鮮がこれほど国際社会から切り離されたことは、かつてなかった。
  国内では、各家庭が臨時収入を得ようとして各地で生まれた、非公式の市場を取り締まる動きがみられる。そうした資本主義の小規模な動きは長年、容認されてきた。しかし現在、政府はここで動く金銭も集めている。

  北朝鮮経済をつぶさに研究しているウィーン大学博士課程のピーター・ウォード氏は、政府のこの動きは新型ウイルスが世界的に流行する前からみられると指摘。「金正恩氏が権力を握る前に始まっていたものもある」とする。
  「2019年以降にみられる、市場関係者への敵意の強さと、国の小売システムの復興に対する力の入れ具合は、顕著であり心配だ」
何ができる?
  韓国はまもなく発足するバイデン政権に対し、北朝鮮との交渉に前向きだと北朝鮮側に伝えるべきだと、ほのめかす以上のことをしている。
  韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は新年の演説で再び、北朝鮮の金総書記と「いつでも、どこでも」会談する意思があると述べた。
  しかし金氏は、この和平の申し出を拒絶。北朝鮮にとって韓国は交渉の相手ですらないと、蔑視することも珍しくない。援助の申し出や、COVID-19対策の薬やワクチンをめぐる協力の提案も、金氏ははねつけている。NKニュースのアナリスト、ジョンミン・キム氏は、「韓国が期待値を下げる時だ」とし、次のように話す。
  「北朝鮮は南北協力のようなシンボリックで小規模な事柄には興味がないことを、今回の党大会で、文大統領に向かってより明確に示した」
  「ただアメリカに対してそうしているように、北朝鮮は韓国に対して完全にドアを閉じているわけではなく、条件をつけて留保している状態だ。それはまるで、出方を見定めようとしているかのようだ」
  「韓国にとって、アメリカとの関係を犠牲にして北朝鮮と手を握るのは無理な注文だ。文氏にそれはできない」
  「しかし、北朝鮮が条件付きで留保し、完全に関係を断ったわけではないので、韓国は望みを持ち続け、できることを進めるだろう。それは引き続き、関係崩壊のリスクを最低でも管理するため、公衆衛生面での協力を申し出ることであり、文の任期が終了する2022年までは継続されるだろう」
  このように、取引へと続くすべての道は、米政府を通っているように思われる。ただ、米新政権の優先事項リストは項目が増えており、どれも重要性が大きい。北朝鮮はその中の1つに過ぎず、注目を引こうと躍起になっている。
  だが、もしバイデン氏が素早く反応しなければ北朝鮮は行動を起こすだろうと、アナリストの多くが考えている。おそらく弾道ミサイルのテストをすることが予想される。いまや金氏は舞台のセットを終えた。そして、「バイデンさん、あなたが動く番だ」というメッセージを送っている。


2021.01.15-BBC NEWS-
北朝鮮が軍事パレード 新型の弾道ミサイルを公開

  北朝鮮で14日夜、朝鮮労働党の党大会を記念した軍事パレードが首都平壌の金日成広場で行われ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が見守る中、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられる兵器が登場した。

  同国国営の朝鮮中央通信は15日、「世界最強の兵器が広場に次々と入った」と伝えた。
  朝鮮中央通信が公開した複数の画像では、北朝鮮旗を振る群衆の目の前を通過する白と黒2色のミサイルが少なくとも4基確認できる。
  アナリストたちは、これまでに見たことのない兵器だと指摘。北朝鮮専門家のアンキット・パンダ氏は、新型の「北極星」だとツイートした。「北極星」とは北朝鮮がSLBMに付ける名称だ。

  皮のコートと毛皮の帽子を身に着けた金氏が笑顔で手を振りながら、金日成広場で歩兵部隊や砲兵隊、戦車などを見守る様子の写真も公開された。
  朝鮮中央通信は「革命強兵の威力を力強く誇示しながら、水中戦略弾道弾、世界最強の兵器が広場に次々と入った」と伝えた。
  今回の軍事パレードでは、北朝鮮の兵器で最大規模の大陸間弾道ミサイル(ICBM)は披露されなかった。昨年10月の軍事パレードには過去最大のICBMが登場。アメリカ全域に核弾頭を運ぶ能力があるとみられ、経験豊富なアナリストさえも驚かせた。
米朝関係
  アメリカではジョー・バイデン次期大統領が20日に就任式を控えており、北朝鮮は軍事パレードを行うことで軍事力を誇示したかたち。
  また、金氏は5~7日の党大会の報告でもアメリカは「最大の敵であり、革新的発展の主たる障害」だとし、誰が権力の座に就いてもアメリカの対北朝鮮政策の本質は変わらないとけん制。核兵器保有量や軍事力の拡大を約束し、陸上や海から発射可能なICBMや「超大型核弾頭」開発などの計画を示していた。
  パンダ氏は新型SLBMが披露されたことについて、「北朝鮮は我々に、より大型の固体燃料ロケットブースターを所持していることに気付いてもらいたいのだ」とツイートした。過去4年間、ドナルド・トランプ政権のアメリカと北朝鮮の関係は不安定なものだった。金氏とトランプ氏は互いに罵倒し、けん制し合ったが、2018年にはシンガポールで史上初の米朝首脳会談にこぎ着けた。また、トランプ氏が金氏と「恋に落ちた」と発言したこともあった。
  金氏はトランプ氏と親密な関係をつくりあげたものの、北朝鮮の核開発をめぐる交渉は具体的な進展がほとんどみられなかった。ヴェトナム・ハノイでの2回目の首脳会談は、アメリカが北朝鮮側の要求を拒否し、決裂に終わった。


2021.01.03-BBC NEWS-https://www.bbc.com/japanese/55598932
金正恩氏、アメリカは「最大の敵」 核・軍事力の強化誓う

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は5日~7日の党大会の報告で、核兵器保有量や軍事力を拡大すると表明した。同国国営の朝鮮中央通信が9日に伝えた。

  2016年5月以来約5年ぶり8回目の開催となった朝鮮労働党の党大会で、委員長は原子力潜水艦の建造について、「設計、研究が終わって最終審査の段階」にあると述べた。さらに、アメリカは北朝鮮にとって「最大の敵であり、革新的発展の主たる障害」だとし、誰が権力の座に就いてもアメリカの対北朝鮮政策の本質は変わらないと述べた。ただし、敵対勢力が北朝鮮に対して核兵器を使用しない限り、核兵器を使用するつもりはないと述べた。

  アメリカは1月20日に、ジョー・バイデン次期大統領の就任式を控えている。アナリストたちは金氏の発言について、次期米政権に圧力をかける狙いがあるのではないかと指摘している。
  北朝鮮の核開発をめぐるアメリカとの交渉では具体的な進展はほとんどみられなかったものの、金氏はドナルド・トランプ大統領と親しい関係を築いていた。
経済目標「ほぼ達成できず」
  金氏は5日の党大会開会の辞で、前回大会(2016年)で打ち出した「国家経済発展5カ年戦略」について、「ほとんど全ての部門」の目標を達成できなかったと認めた。
  北朝鮮は昨年1月、新型コロナウイルスの感染症COVID-19の拡大を防ぐため国境を封鎖した。これまで国内での感染者は1人もいないと主張している。
  国境封鎖により同盟国である隣国中国との往来は断たれ、同国との貿易は約80%減少した。
  また、核開発計画などをめぐり国際社会から厳しい制裁を受ける中、台風や洪水により国内の家屋や作物が壊滅的な被害を受けた。



























2019.03.01-BBC NEWS-
【解説】2回目の米朝首脳会談はなぜ決裂したのか

  トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による2回目の首脳会談は、合意も取り決めもないまま幕を閉じた。アメリカは、北朝鮮との協議は今後も継続する方針で、ハノイ会談の破綻は大きな落胆ではないと強調している。
  突然の終わりを迎えた今回の米朝首脳会談。その原因について北朝鮮の専門家の分析を以下にまとめた。
予想通りの「合意なし」
アンキット・パンダ、外交専門誌「ディプロマット」副編集長
  「合意なし」という結果になることは、前々から目に見えていた。実際、昨年のシンガポール会談以降に出された北朝鮮の色々な声明をしっかり読んでいれば、なぜ合意できなかったのか、核心的な問題はなんだったのか、明らかだった。
  シンガポール会談の翌日、北朝鮮の国営メディアは金委員長の言葉を引用し、アメリカが「本物の措置」を実施すれば、北朝鮮は「善意の措置を追加」するだろうと伝えた。この時の会談に先立ち、北朝鮮は同国北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場を廃棄し、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験の一時停止を発表していた。
  数週間後には、ミサイル・エンジンの実験施設と発射設備を部分的に、そして可逆的に廃棄した。
  昨年9月に平壌で開かれた3度目の南北首脳会談では、両首脳は、アメリカからの「相応の措置」と引き換えに北朝鮮が交渉のテーブルに置くものの一例として、寧辺(ヨンビョン)核施設を引き合いに出した。
  最終的に金委員長は今年元日、新年のあいさつの中で同じことを主張した。相応の措置は、アメリカと北朝鮮の外交関係の進展につながると。この表現は実際には経済制裁のことだったが、朝鮮戦争の終結宣言を含む、あらゆるアメリカの譲歩を意味していると誤解された。

  この一連の動きは北朝鮮にとって重要だ。非核化に関する譲歩を今後さらに取り付けるためには、アメリカはまず先に制裁解除に合意しなければならないだろう。北朝鮮は、アメリカが制裁解除の措置を講じるまで交渉のテーブルにはつかないだろう。
  トランプ大統領はハノイ会談2日目の記者会見で、まさしくこのことが会談が決裂した原因だと認めた。
  アメリカが制裁解除の最初の1歩を踏み出そうとしない限り、非核化へのプロセスは行き詰ったままだろう。その状況が長引くほど、協議が破綻する可能性は高まる。
アメリカの勢いが衰退する?
ジェニー・タウン、北朝鮮分析サイト「38ノース」編集長
  予備的な合意もまとめられなかったのは、意外だ。サミット前の協議の最終段階には明らかに、暫定合意の下書きは出来ていたのだから。
  記者会見での口調は比較的前向きだった。今でもトランプ政権には前に進む方法が見えているし、交渉を継続する方針でいる。
  それは今のところは、好感材料だ。加えて、アメリカが「悪い合意」を受けれるのではないかと考えていた人たちは、ホッとしただろう。
  しかし一方で、具体的な義務は米朝どちらにも課されていない。
  核実験場の廃棄など、これまで北朝鮮が提供してきた信頼醸成案は、今後は続きそうにもないと私は思う。
  米朝問題の停滞は、利害関係者のなかでも特に韓国を非常に苦しい立場に追い込む。韓国は、南北経済協力の再開を可能にする制裁免除が、米朝合意に盛り込まれるよう期待していたが、それは実現しなかった。
  さらに、北朝鮮との交渉を継続するというトランプ氏の意思表示をよそに、現在の米国内の政治環境においては、対立する様々な利害関係に飲み込まれ、米朝交渉が失速するおそれがある。

北朝鮮側のリスク
アンドレイ・アブラハミアン、米スタンフォード大学フェロー
  本来この会談は、これまで永遠に続いてきた「僕の勝ち、お前の負けだ」というゼロサム的枠組みではなく、両国が互恵的な「ウィン・ウィン」関係に移行するためのプロセスの幕開けとなるはずだった。
  したがって、今回は全員が敗者だと言わざるを得ない。
  トランプ氏目線で言えば、切り抜けられる程度の損失だろう。多くを北朝鮮側に譲歩する「悪い合意」をしていれば、長期的な論争や、アメリカの外交政策の専門家からの抵抗を引き起こしただろう。今回の結果についてトランプ氏は、実務者協議で取り戻すことのできる事態だということにした。大統領は帰国し、ニュースサイクルは次の話題に移る。
  それこそが、北朝鮮にとってはリスクだ。
  両国関係に勢いを生み出すのは難しい。トランプ大統領が国内の政治に気を取られて、好機の窓が閉じる可能性は十分にある。
  誰が次期大統領になるのか、そしてその人物が北朝鮮に何を望むのかなど、誰にも分からない。
もはや「最大限の圧力」はない
オリヴァー・ホサム、NKニュース編集長
  トランプ氏が言ったように、今回の交渉で北朝鮮が「全ての制裁」の解除を要求したというのは、いかに北朝鮮の一部が事態打開に向けて必死かという表れだ。それ以外の合意など、無意味だという意見が北朝鮮の中にあるということだ。北朝鮮がこれから数日の間にどう反応するか、様子を見る必要がある。

  韓国も大恥をかかされた形だ。「朝鮮半島の平和と繁栄の未来」についての大きな発表を計画し、会談を受けて北朝鮮との協力関係が拡大することを期待していたのだから。
  中国、ロシアもまた、この結果に失望するだろう。
  しかし北朝鮮国内の雰囲気は和らいだかもしれない。トランプ氏が北朝鮮に対する制裁を強化せず、近い将来、「ぜひとも」解除されるのを見たい、楽しみだと述べたからだ。
  正式な制裁解除はすぐには実現しないだろうが、「最大限の圧力」の時代はもう過ぎ去ったということだ。
相互関係にある人権と非核化
オリヴィア・イーノス、ヘリテージ財団・アジア研究センター アナリスト
  トランプ大統領が交渉の場から退席したのは、正しい判断だった。
  全制裁解除という北朝鮮側の要求は実現不可能だし、そもそも違法だ。アメリカと国連の制裁によると、北朝鮮の核計画の「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)を実現し、人権問題を改善するまで制裁解除はできないことになっている。
  強制収容所にいる8万から12万の北朝鮮国民は、金正恩委員長が進める核・ミサイル計画の資金調達と建設のための自由労働者として搾取されている。
  報告書によると、化学兵器や生物兵器の人体実験に使われている人さえいるかもしれない。








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