香港デモ-逃亡犯条例に反対


2019.7.8-朝日新聞-https://www.asahi.com/articles/ASM770CHLM76UHBI02J.html
香港デモ、中国にアピール 勢い衰えず、組織なく散発化

香港の「逃亡犯条例」改正案をめぐる問題で、中国本土と香港を結ぶ高速鉄道の駅を目指すデモ行進が7日、行われた。主催者発表で23万人超(警察発表は5万6千人)の市民が参加した。これまでは立法会(議会)などが抗議の主な舞台だったが、中国本土の人々に声を届ける狙いでルートを変えた。ただ一方で、デモ終了後に道路を占拠した数百人の若者と警察が衝突し、けが人が出ている模様だ。
 「暴動はない。あるのは暴政だけだ」。小雨も降るなか、香港・九竜半島の繁華街を行進したデモ隊は、これまでのデモでは使わなかった中国語の普通語で訴えた。広東語がわからない中国本土の人々にアピールするためだ。デモのルートは中国人の買い物客が多いことで知られる。
 香港警察は約2千人の警察官を配置し厳戒態勢をしいた。デモ終点の西九竜駅周辺への立ち入りを制限し、中国本土に向かう電車の切符の販売も停止した。一連の抗議活動で中国本土との交通に影響が及ぶのは初めて。
 香港警察が警戒を強めるのは、西九竜駅の中に中国当局が管理する区域があるためだ。香港の領域内に中国の管理区域をつくることは、香港の高度な自治を保障した「一国二制度」違反だとして民主派の猛反発を受けたが、香港政府は押し切って昨年9月に駅を完成させた。デモ隊が駅構内に突入し、中国の警察官と接触する事態にならないよう警備態勢を強化している。


2019.7.4-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/photos/190704/wor1907040014-p1.html
メイ英首相が中国政府に懸念 香港問題で英中対立
【ロンドン=板東和正】

メイ英首相は3日、英議会の答弁で、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐり混乱が香港で続く問題について、「懸念」を中国政府に伝えたことを明らかにした。
 メイ氏は答弁で、英国の植民地だった香港の主権を中国に返還することを定めた「中英共同宣言」に触れ、「宣言で示された香港の高度な自治と自由を尊重することは極めて重要だ」と強調した。
 英国は1997年に中国に香港を返還。中英共同宣言では、返還後50年間、2047年までは香港の司法権の独立や表現の自由を含めた社会制度を変えない「一国二制度」が採用され高度な自治が保障された。 今回の香港での混乱をめぐり、英中間の緊張が高まりつつある。 ハント英外相は2日、宣言が順守されなければ「重大な結果を招く」などと指摘し、中国側が反発した。
 また、中国の劉暁明駐英大使が3日、「英国は香港がもはや植民地でないことを忘れたようだ」とした上で、「英国は香港に干渉するべきではない」と発言。ロイター通信によると、英外務省は同日、この発言を容認できないとして劉大使を同省に呼び出し、厳重に抗議した。
 一方、メイ氏の辞任に伴う与党・保守党の党首選の候補者、ジョンソン前外相も3日、ロイター通信のインタビューで「(改正案に対して抗議する)香港の人々を支持する」とし、「一国二制度は現在も機能しており、放棄されるべきではない」と強調した。
 香港の混乱を受け、英国では、中国が市民との対話に臨むべきだとする主張が根強い。英国統治時代の香港最後の総督パッテン氏は6月14日付の英紙ガーディアンへの寄稿で「改正案は世界中の政府、特に英国から反対されなければならない」と指摘していた。


2019年逃亡犯条例改正案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


2019年逃亡犯条例改正案中国語: 2019年逃犯及刑事事宜相互法律協助法例(修訂)條例草案)2019年香港で提出された法案。短縮形で逃犯條例修訂草案、非公式名称は「逃犯條例」(略称)、「送中條例[1]、「引渡條例」などがある。
香港の世論は反対寄りであり、2019年6月9日に行われた3度目の反対デモでは人口の約7分の1にあたる103万人が参加し(主催者発表、警察発表は24万人)2003年の「香港基本法23条国家安全保障条例」案に反対した50万人規模のデモを大きく上回った。政府側は改正案の審議続行を強硬に主張したが、21日夜に「政府は改正作業を完全に停止した。来年7月に廃案になる事実を受け入れる」という声明を発表したが、廃案とは発表しておらず2020年7月までに法改正を再開する可能性がある。

概要
本改正案は容疑者の身柄引き渡し手続きを簡略化し、中国大陸マカオ台湾にも刑事事件の容疑者を引き渡しできるようにするものである。改正案の背景には台湾でおきた潘曉穎殺人事件中国語版があり、逃亡犯条例の規定により容疑者を台湾に引き渡すことができなかったが、香港政府は逃亡犯条例の規定で中国大陸やマカオが除外されていることが「抜け穴」であると主張した。改正案が成立した場合、香港行政長官は事例毎に引き渡し要請を受け付けることになる。要請を受け付ける容疑には殺人罪のほかには贈収賄、入出国審査官に対する詐欺など7年以上の懲役刑が科される可能性のある犯罪が30種類以上含まれる。また、中国大陸などから要請を受けて資産凍結差押を行うこともできるようになる、改正案の提出直後より、世論は香港の裁判権の独立性に悪影響を及ぼすと危惧し、香港法廷弁護士協会英語版香港事務弁護士協会英語版キリスト教の教会などが中国大陸への引き渡しを盛り込む改正案への反対を表明した。中学校約350校(香港の中学校の7割にあたる)で教師、学生、卒業生が改正案撤回を求める請願書を提出した。
2019年4月3日、改正案は香港立法会第一読会を通過、4月17日には立法会で法案に関する委員会が設立され1回目の会議が行われた。5月6日、民主派中国語版は親政府の建制派中国語版陳維安中国語版ら立法会の秘書からの妨害を受けるものの、委員会の会議を続行して委員会主席の選挙を行い、民主党涂謹申中国語版が主席に、公民党郭榮鏗中国語版が副主席に当選した[13]。5月20日、香港政府は立法会に委員会を経由せずに、6月12日に立法会総会での審議(第二読会)を続行するよう要求したが、6月9日に香港のみならず6か国16都市で反対デモが実施され中国語版、中でも香港のデモ中国語版は103万人が参加し(主催者発表)、60軒以上の商店が罷業した。同日夜に香港政府が第二読会の予定日を6月12日のまま変更しないと発表すると、1,000人以上のデモ参加者が立法会の占領を試み、警察によって鎮圧された。
台湾では大陸委員会が殺人事件の露見以来その解決に奔走していると述べ、香港政府に対し司法協力を3度提出したにもかかわらず返事がなかったという。香港政府では保安局中国語版の局長李家超中国語版が4月に港台経済文化合作協進会中国語版台港経済文化合作策進会中国語版を通じて交渉を行ったと返答した。大陸委員会は李明哲事件中国語版の再来を恐れ、法改正により台湾人が中国大陸に引き渡される可能性が出てくる場合は法改正の理由である潘曉穎殺人事件の容疑者引き渡しを拒否し、危険情報のレベルを上げることも検討すると述べた。アメリカ、イギリス、カナダ政府やアメリカ商工会議所なども憂慮を表明、特に法改正により香港に滞在する自国民が人権問題を抱える中国に引き渡され、人権が侵害される可能性が浮上することを問題とした欧州連合外交申し入れ英語版を発して抗議した[22]
一方、中央政府駐香港連絡弁公室国務院香港マカオ事務弁公室は改正案への支持を表明、中でも前者は5月17日に香港特別行政区全国人民代表大会代表全国政治協商会議香港地区委員を呼び出し、改正案を支持する世論を作ることを要求した

逃亡犯条例の制定
本土研究社香港前途研究計画中国語版)の研究が引用したイギリス外務・英連邦省のアーカイブによると、イギリス領香港期の1992年に逃亡犯条例が制定されたとき、「司法制度、刑罰の制度、人権が十分守られる政府とのみ犯罪人引渡しのできる関係を結ぶ」と強調しており、香港返還の後でも変わらないとした。条例制定の本来の意図英語版では犯罪人引渡し条約を締結しなかったことを「抜け穴」としておらず、本土研究社はイギリスが中国を信用していない上、引き渡しの悪用を憂いたことをその理由とした。また、中国は1988年7月に犯罪人引渡し関連の法律と制度の整備が不十分であると認め、相互法的援助条約の交渉において刑法関連の案件を棚上げにして、民事訴訟と商業、貿易関連でのみ相互法的援助を行うことを提案した。2000年に中華人民共和国引き渡し法が発効する直前(発効日は2000年12月28日)、香港が中国と犯罪人引渡し条約を交渉していたことについてイギリス外相ロビン・クックが議会に報告書を提出、交渉の結果が香港基本法および香港の裁判手続に適合することを望むとした。イギリス庶民院は外務・英連邦省に対し、香港と中国が締結するいかなる協定でも人権蹂躙を防ぐ条項が盛り込まれるよう促すことを提案した
1997年以降の香港の警察と中国の公安警察は相互に通知した上で国外追放という形で犯罪人引渡しを行っており、2015年までに公安警察は約170人を逮捕して香港の警察に引き渡し、一方で香港の警察も2008年に六四天安門事件の中心人物の1人で米国永住ビザを有する周勇軍中国語版深圳に追放したといった例はあるが、公安警察と比べて引渡しの人数は少ない

反対運動
2019年3月31日、民間人権陣線中国語版が香港で反対デモを実施した。デモ集団はサウソーン・プレイグラウンド中国語版から香港政府新庁舎中国語版まで移動[89]、主催者発表で12,000人、警察発表で5,200人が参加した
4月28日、民間人権陣線が再びデモを実施した。デモ集団は銅鑼湾東角道中国語版から立法会総合ビル中国語版まで移動、主催者発表で13万人、警察発表で22,800人が参加、林鄭月娥の行政長官就任(2017年7月)から2019年4月までの参加人数が最も多いデモとなった
5月10日の夜、民間人権陣線は立法会総合ビルの外で改正案反対集会を実施、立法会ビルの会議室に留まる民主派議員を応援した。集会には約1,000人が参加した。5月13日の夜、民間人権陣線のデモ参加者は再び立法会総合ビルの外で集会、市民約30名が応援に駆け付けたが、一時は警備員と言い争いになった
民間人権陣線は同5月には6月9日に3度目のデモを予定していることを発表、立法会議員の毛孟静中国語版香港本土中国語版所属、民主派の一員)は参加を呼びかけ、30万人以上の参加を目標とした。その後、3度目のデモは6月9日に予定通りに実施され、主催者発表で103万人、警察発表で24万人が参加し、いずれも2003年7月以降では最多となった。6月9日のデモでは午後3時よりヴィクトリアパークから立法会総合ビルまで移動する予定だったが、予想以上の人数により午後2時20分に前倒しで開始、午後10時まで続いた。103万は香港の人口の1割以上に相当するが、香港政府は同日午後11時に6月12日の第二読会の予定を変更せず、改正案にはいかなる変更も加えないと発表した
海外でも6月8日にオーストラリアパースでデモが実施され、翌9日に6か国16都市(トロントバンクーバーカルガリーニューヨークロサンゼルスサンフランシスコワシントンD.C.ボストンシカゴシドニーメルボルンブリスベンキャンベラロンドンベルリン東京)でデモが実施された
デモ参加者はハイテクを駆使する当局による監視を恐れて位置情報を無効化したスマートフォンで秘匿性の高いSNSTelegram)で連絡し、地下鉄ICカードを使用せず、顔認証システムも避けるためにマスクゴーグルなどを装備した。6月15日夜、デモに参加する男性がパシフィックプレイスビルの屋上から落下し、搬送先の病院で死亡した

中華国民
中華民国立法院は2019年3月に改正案で中華民国への対応のみ追加するよう求める提案を採択した。また、行政院大陸委員会は「台湾が中華人民共和国に帰属する」という前提をもとに容疑者引き渡しを行うことはないと発言した。行政院大陸委員会は5月9日にも改正案により一国二制度と法律制度が損なわれることを憂慮し、李明哲事件中国語版(中華民国国民がマカオから中国大陸に引き渡され、訴追された事件)の再来を恐れた。また、改正案により台湾人の安全が脅かされる場合、改正案が成立しても容疑者引き渡しは拒否すると述べた
5月17日、大陸委員会の香港・マカオ事務所所長杜嘉芬は改正案が成立した場合、国民にその危険性を説明するとともに危険情報のレベルを上げることも検討すると述べた

中華人民共和国
中央政府駐香港連絡弁公室国務院香港マカオ事務弁公室は改正案への支持を表明、中でも前者は5月17日に香港特別行政区全国人民代表大会代表全国政治協商会議香港地区委員を呼び出し、改正案を支持する世論を作ることを要求した
中華人民共和国外交部のスポークスマン耿爽は5月8日に香港の事務が「中国の内政」であるとし、米中経済安全保障調査委員会英語版など外国からの報告書は論駁に値しないとした。また、6月10日には逃亡犯条例の改正を引き続き支持すると述べた

欧州連合[編集]

2019年5月24日、欧州連合が在香港・マカオ事務所の代表11名を通じて林鄭月娥行政長官に抗議[119]外交申し入れ英語版を発した[120][121]。外交申し入れが発されるのは珍しいとされるが[22]、林鄭月娥は欧州連合が立場を明らかにしただけで、実質的な問題点を提起しているわけではないと返答した[122]

アメリカ
アメリカ合衆国国務省は声明を発し、香港の一国二制度がこれ以上侵害され続けた場合、国際事務における独自の地位に悪影響を与えると述べた。国務省が発表した2018年中国人権報告書では中国の司法制度による人権侵害の例が数多く挙げられ、中国における法の支配が後退していることを示したと結論付けた。また、国務省は香港法廷弁護士協会英語版、香港の米国商工会議所(American Chamber of Commerce in Hong Kong)など多くの組織が反対を表明していることと、香港基本法で保障されている言論の自由集会の自由を尊重すべきと述べ、裁判所と裁判官が伝統どおりに独立した公正な判決を下すことを望むと述べた
米中経済安全保障調査委員会英語版は5月7日に研究報告書を発表、逃亡犯条例が改正された場合、北京政府の香港における影響力が増し、港人治港の骨抜き化が加速するとした。また、条例改正によりアメリカは大きなリスクに晒されることになり、米国-香港政策法に違反する可能性が生じるとし、例としてアメリカ海軍の艦船が香港に停泊した場合に船上の軍人が逮捕、引き渡される可能性が挙げられた
5月22日、中国問題に関する連邦議会・行政府委員会英語版の議員8名が連名で林鄭月娥行政長官に公開書簡を発し(書簡の内容は5月24日発表)、逃亡犯条例改正案の撤回を求め、外国人が中国大陸に引き渡される危険に冒されると、アメリカなどの多国籍会社は本社を香港からアジア太平洋諸国に移転する可能性があると述べた

イギリスとカナダ
カナダ・グローバル連携省英語版のスポークスマンであるギヨーム・ベルベ(Guillaume Bérubé)は4月18日にカナダの『グローブ・アンド・メール』紙に対し、「カナダは香港政府に対し逃亡犯条例改正案に関する重大な問題を提起した」と述べ、カナダ国民の安全が最重要事項であると述べた。香港の保安局英語版は改正案がカナダとの犯罪人引渡し条約に影響しないと返答した
5月30日にはイギリス外相ジェレミー・ハントとカナダ外相クリスティア・フリーランド英語版が連名で声明を発し、香港の住民の権利と自由を侵害することと香港在住の自国民への影響を憂慮した
六四天安門事件からちょうど30年にあたる6月4日、人権団体香港ウォッチ英語版の創設者の1人で香港返還直前にイギリス外相を務めた(任期:1995年7月 – 1997年5月)マルコム・リフキンド英語版は『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』に論説を寄稿、逃亡犯条例改正案が1984年の中英連合声明に違反すると述べた。また、連合声明の交渉において、中国もイギリスも香港と中国の法律制度を分け隔てており、逃亡犯条例は抜け穴どころか、むしろ防壁であるとした
6月11日、『ガーディアン』紙は社説で逃亡犯条例改正案と香港政府の対応を批判した

ドイツ
ドイツ外務省副大臣ニルス・アンネン英語版は逃亡犯条例の改正がドイツと香港に極めて大きな影響を与え、特に香港における一国二制度への悪影響と、ドイツを含む外国人実業家が香港で事業を行う環境が急激に悪化することを憂慮した。また、逃亡犯条例の改正がドイツ・香港間の犯罪人引渡し条約にも波及し、条約の取り消しすら視野に入るとした。ドイツのシンクタンクであるメルカトル中国研究センター英語版も逃亡犯条例の改正が他国と締結済みの相互法的援助条約に悪影響を与えるだけに終わると述べた

その他
人権擁護団体香港ウォッチ英語版は6か国15人の国会議員(アメリカ、イギリス、オーストリア、カナダ、ドイツ、マレーシア)が連名で逃亡犯条例改正案に反対すると発表し、香港政府に改正案の撤回を求めるとともに、法学者と香港立法会議員が提出した代替案を採用することで台湾の殺人事件に対処できると述べた。また、改正前の逃亡犯条例が法の支配を保障するとも述べた


2019.7.2-産経新聞-THE SANKEI NEWS-https://www.sankei.com/world/news/190702/wor1907020005-n1.html
香港デモ緊迫 治安部隊が強制排除開始 若者らの立法会占拠

【香港=藤本欣也】英国から中国へ主権が返還されて22年を迎えた香港で1日、大規模な反政府デモが行われ、若者ら数百人が立法会(議会)に突入し、議場などを占拠した。治安部隊は2日未明、立法会周辺の若者らの強制排除に乗り出した。多数の負傷者が出る可能性があり、緊迫した事態となっている。
 立法会の占拠は、ヘルメットやゴーグル、マスクで顔を覆った一部の過激な若者が扇動した。鉄棒でガラスなどを割って突入したもので、制止しようとした民主派議員ら40人以上が負傷した。香港メディアによると、若者らは議場内の設備や歴代議長の肖像画などを破壊したという。
 中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐっては、学生らがこれまで平和的なデモを行い、広範な市民の共感を得ていた。今回の暴力行為により、市民の支持が離れる可能性がある。
 この日は返還記念日恒例のデモ行進も行われ、昨年の約5万人(主催者発表)を大幅に上回る約55万人(同)が参加した。参加者は市内の幹線道路を平和的に行進し、条例改正案の完全撤回や、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官の辞任などを要求した。
 1日午前には中心部で返還22年記念式典が開催された。林鄭氏は演説で、条例改正問題をめぐる社会の混乱を念頭に、「教訓をくみ取りながら民意に沿った政治を行っていきたい」などと述べた。

香港若者ら議会を一時占拠 治安部隊が強制排除

【香港=藤本欣也】香港が中国へ返還されて22年を迎えた1日夜、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の撤回などを求める若者ら数百人が立法会(議会)に突入し、議場などを一時占拠、設備などを破壊した。2日未明、香港の治安部隊が若者らを強制排除した。
 逃亡犯条例改正案をめぐっては、学生らがこれまで平和的なデモを行い、広範な市民の共感を得ていた。今回の暴力行為により、市民の支持が離れる可能性がある。「逃亡犯条例」改正案をめぐる香港の混乱は大きな転換点を迎えた。
 香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は同日未明、緊急の記者会見を行い、若者らの破壊活動について「違法な暴力行為だ」と厳しく非難、違法行為を徹底的に追及する方針を示した。
 立法会の占拠は、ヘルメットやゴーグル、マスクで顔を覆った一部の過激な若者が扇動した。鉄棒でガラスなどを割って突入し、制止しようとした民主派議員ら約60人が負傷。若者らは議場内の設備や歴代議長の肖像画などを破壊した。
 一方、1日の返還記念日恒例のデモ行進には、約55万人(主催者発表)が参加した。


2019.7.1-毎日新聞(Yahoo!!Japan ニュース)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190701-00000017-mai-int
香港で返還記念式典 デモ隊が警官隊と衝突、負傷者も

香港が英国から中国に返還されて22年となる1日朝、記念式典が香港中心部であった。だが、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案に反対するデモ隊が、式典会場から約1キロ離れた香港政府庁舎そばの幹線道路を一部占拠し、警官隊と衝突。香港メディアによると負傷者も出ており、荒れ模様の返還記念日となった。

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでは式典の妨害も呼び掛けられており、香港政府は警備を強化し、周辺の道路を封鎖。会場周囲に何重にも鉄柵を設けて、大勢の警察官が警戒に当たった。式典には林鄭月娥(りんていげつが)行政長官や中国政府関係者らが出席。林鄭氏は条例改正案を巡る一連の混乱を踏まえ「教訓をくみとり、市民の心にもっと寄り添った施政を進めたい」と述べた。

 1日は祝日で午後には条例改正案の完全撤回と林鄭氏の辞任を求めて大規模デモが予定されている。

 香港では若者らによる激しいデモが断続的に続いており、香港紙によると、6月29日には女子大学生(21)が条例改正案の完全撤回を求める遺書を残して抗議の飛び降り自殺をした。【香港・福岡静哉】


2019.67.1-産経フオト-https://www.sankei.com/photo/story/news/190701/sty1907010024-n1.html
若者ら一部暴徒化 香港返還22年で大規模デモ

香港が英国から中国に返還されて22年を迎えた1日、民主派団体は、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の完全撤回と、香港政府トップの林鄭月娥行政長官の辞任を求める大規模デモを香港中心部で行った。
 一方、立法会(議会)前には1日午後、数千人の若者が集まり、鉄棒でガラスを破壊するなど一部が暴徒化した。午前にも約千人が中国国旗掲揚の式典に合わせて立法会周辺の道路でデモを行い、一部が警官隊と衝突。警官隊は催涙スプレーを使用した。一連の抗議行動で警官13人のほか、若者らを制止しようとした民主派議員らが負傷した。(共同)


2019.6.17-産経新聞-https://www.sankei.com/world/news/190617/wor1906170002-n1.html
香港のデモ、200万人参加 過去最大 高まる行政長官辞任圧力
【香港=藤本欣也】

中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正問題をめぐり混乱が続く香港で16日、香港政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官
     の辞任などを求める大規模デモが行われた。林鄭氏は15日、改正案の立法会(議会)審議を延期すると発表したが、市民の反発は収まらず、
     林鄭氏の辞任を求める声が高まっている。
  この日のデモには主催者発表で約200万人が参加。香港の全人口の4人に1人以上が参加した計算になり、103万人(主催者発表)の9日のデモを
     上回る過去最大になった。
  デモ隊は16日午後、ビクトリア公園を出発、政府本部庁舎のある中心部を目指した。途中の側道からも市民が続々と合流し、あっという間に幹線道路は
     人で埋め尽くされた。 市民らが行進しながら要求していたのはまず、改正案の審議延期ではなく「完全な撤回」だ。
  民主化運動を支援する歌手の何韻詩(デニス・ホー)さん(42)もデモに参加し、「最近の(改正反対)運動の特徴はリーダーがいないこと。
     みんな自発的に行動していて、とても感動している」と語った。
  一連の反対運動では、12日に学生のデモ隊と治安部隊が立法会周辺で衝突し、80人以上が負傷。中国政府と香港政府はデモを「暴動」、
     一部学生を「暴徒」と断定し激しく非難した。
  これに対し、「ヘルメットやゴーグル、マスクしかしていない学生に、催涙弾やゴム弾を撃ったのは治安部隊の方ではないか」(24歳の女性教師)と反発する
     声が広がっている。
  この日のデモで最も大きかったシュプレヒコールは「林鄭下台!」(林鄭氏は辞任せよ!)だった。
  「中国政府のいいなり。傀儡(かいらい)政権だ」(31歳の男性会社員)。「僕たちの主張を全く聞いてくれなかった」(17歳の男子高校生)。
     林鄭氏が今回の改正問題で失った市民の信頼を取り戻すのは容易ではない。
  林鄭氏は16日、デモを受けて「政府の仕事が不十分で香港社会に大きな矛盾と紛争を生み、多くの市民に失望と悲しみを与えた。行政長官としておわびする」
     として、謝罪の談話を発表した。
  ただ、林鄭氏を辞任に追い込んだとしても、現行の選挙制度では親中派の行政長官が選ばれるだけだ。
  これに関しては「市民の声をもっと聞いてくれる(親中派の)人物の方がいい」(62歳の男性)や、「行政長官を普通選挙で選びたい」(17歳の男子高校生)
     など意見が分かれる。ただ、行政長官選の民主化は2014年の「雨傘運動」で失敗しており、ハードルはかなり高い。
  香港メディアによると、中国の当局者が香港に近い深●(=土へんに川)(しんせん)に滞在し、この日のデモを注視している。今のところ、
     「中国当局は林鄭氏の統治能力に失望したとしても支えるほかない」(香港紙)とみられるが、今後の情勢次第で林鄭氏ははしごを外されかねない。
  一方、香港の経済界は、15日の「審議延期」決定に歓迎の意を示している。有力経済団体、香港総商会のハリレラ会長は「香港政府と市民の建設的な
     対話に期待する」とコメントした。 しかし混乱が収束する見通しは立っておらず、林鄭氏は正念場を迎えた形だ。


2019.6.15-https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/061500453/
池田 信太朗-日経ビジネス 電子版開発長
9年6月15日
逃亡条例改正「延期」 どうなる香港デモ、3つの疑問

香港政府は現地時間15日15時から会見を開き、大規模な反対デモの原因となっていた「逃亡犯条例」の改正を「期限は定めずに延期する」と発表した。 この第一報を受けて浮かぶであろう3つの疑問について、いま分かっている情報をもとに解説する。

疑問1:審議「延期」ということは「再開」するのか
  「取り下げ(withdraw)」ではなく「延期(postpone)」なので、字義通り解釈すれば再開の可能性はある。ただし、会見で林鄭月娥行政長官(香港の行政トップ)
     は「今回の改正は、市民の理解が得られなかった」と延期の理由を明言しており、単なる時間稼ぎの可能性は低いと思われる。
  また、審議の延期について「先送りのスケジュールは定めない」とも発言した。この言葉で想起するのは、「香港デモは「最後の戦い」、2014年雨傘革命との違い
     でも解説した2003年の「香港基本法23条条例」事件だ。香港基本法23条に基いて、反政府的な言動を禁ずる条例を成立させようと試み、大規模デモ
     でとん挫した際、香港政府が使った言葉も「撤回」ではなく「期限を定めない延期」だった。そしてその後、同条例案が審議入りしたことはない。「延期」
     という言葉で政府の面子を保ちつつ、現時点では事実上の廃案になったということだ。この前例通りになるかは分からないが、ヒントの1つにはなるだろう。

疑問2:今回の判断は中国政府の意向なのか
  林鄭月娥行政長官は今回の決定について「香港政府の判断を、北京政府(中国政府)が尊重してくれた」と発言した。ただしこれを額面通りに受け取る
     向きは少ない。
  今回の決定の前に林鄭月娥行政長官が深センに滞在する共産党幹部・韓正氏と会談したと、複数の現地紙が報じている。会見では「韓正氏と会談したのか」
     という質問に対しては回答しなかったが、否定ではなく回答を拒否したというのは、事実であることを示している可能性が高い。
  そもそも「一国二制度」の根幹に関わる今回の条例改正について、香港政府が中国政府の意向を無視して単独で意思決定できるということはあり得ないと
     考えるべきだろう。
  ではなぜ中国政府は妥協したのか。6月28日から大阪で開催され、習近平国家主席も参加するG20サミットでの各国からの批判を避けるため、
     などの推論は成り立つが、今後の中国政府の動きによって明らかになっていくだろう。

疑問3:反対デモは続くのか
 記者会見をライブ中継したメディアのフェイスブックページには、視聴しているユーザーによる「616見(6月16日に会おう)」などの発言が次々に書き込まれた。
     6月16日に予定されている大規模集会に参加する意思表明だ。
 あくまでも政府の決定は「撤回」ではなく「延期」だったため、デモは継続するだろう。ただし、一定の戦果を挙げたため、規模は縮小していく可能性が高い。
 今回のデモが異例の規模に発展したのは、64集会(天安門事件への反対集会)などと異なり、政治的に強い「反中」意識を持っている人たちだけでなく、
     香港が当たり前に享受してきた安全と自由が脅かされることに危機感を持った市井の人たちも参加したからだ。今後も政府に対して強硬な要求を
     続ける勢力はデモを継続する可能性が高いが、そうでない人たちの参加は減っていくと思われる。

 今後の争点は、デモの主宰者に対する「処分」だ。雨傘革命の首謀者たちは逮捕、起訴され、一部が入獄した。ただし雨傘革命については政府は強硬な
     姿勢を崩さず、デモの要求は退けられた。今回は会見で、行政長官が遺憾の意を表明し、改正案の審議を延期するというアクションを取った。
     政府が誤りを認めたからデモ活動は不問に付すのか、それとも道路占拠や破壊などの不法行為について粛々と処罰するのか。どこまで強面(こわもて)
     の処分を下すかに、中国政府の怒りの強さが表れてくるだろう。





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