Donald Trump の負債問題-1



2020.10.20-HUFFPOST-https://www.huffingtonpost.jp/entry/tucson-mayor-trump-debt_jp_5f8e6a4dc5b67da85d2106ec
「トランプ大統領、8万ドルの借金返して」。アリゾナ州ツーソンの市長が、集会に来る大統領に借金返済を要求

  10月19日にはアリゾナ州ツーソンで集会を開催したが、ツーソンのレジーナ・ロメロ市長は開催に先立ち、大統領が4年前の借金8万ドルをまだ返していないことを伝える書簡を大統領に送った。
  書簡でロメロ市長は、選挙集会でのマスク着用とソーシャルディスタンスの維持も求めている。
  ロメロ市長のツイート「トランプ大統領に書簡を送り、ツーソンには公衆衛生を守る条例があることを伝えました」

  トランプ陣営がこれまでに開いた選挙集会の多くで、大勢の参加者が密集し、マスクをつけていなかった。ツーソンでは、ソーシャルディスタンスが保てない公共の場所でのフェイスカバー着用が、条例で義務付けられている。
  ロメロ氏は書簡で、「これまで私たちが積み上げてきたものが、1つの集会で危険に晒されるようなことがあれば大変不幸です。そのため選挙集会では、市の条例に敬意を示して従って欲しい」「選挙で選ばれた公職者として、有権者に手本を示す責任がある」と求めている。
  また、トランプ陣営が2016年にツーソンで開いた選挙集会にかかった費用8万ドル(約844万円)をまだ市に返済していないことをリマインドし、それに加えて19日の選挙集会では公共の安全を守るためのサービスに5万ドル(約527万円)かかると伝えている。
私たちは4年前のことを忘れない
  アメリカの人口トップ50の都市で、初めてラテン系アメリカ人女性の市長に選ばれたロメロ氏。
  同氏は18日のMSNBCのインタビューで、「ツーソンの市民は努力して、新型コロナウイルスの感染者数を減らしており、スーパースプレッダー(感染が超拡大する)イベントを、私たちの市で開いて欲しくない」と述べた。
  トランプ大統領はツーソンでの集会の後、集会の動画をTwitterに投稿しているが、ロメロ氏の求めにも関わらずソーシャルディスタンスが守られている様子は見られない。

  ロメロ氏はさらに借金について「集会は大統領としての公式訪問ではなく、選挙のためのものなので市民の税金を使うべきではない。大統領にはきちんと支払いをして欲しい」と説明した。
  調査報道NPO「センター・フォー・パブリック・インテグリティ」とNBCの調査によると、トランプ氏の選挙陣営はアメリカ14の都市で、2016年の選挙に関連した合計182万ドル(約1億9200万円)の借金を抱えている。
  現在アメリカの多くの都市が新型コロナウイルスの影響で金銭的に厳しい状況に立たされており、トランプ陣営が借金を返済しないことが自治体の重荷になっている。
  2016年の選挙でトランプ大統領はアリゾナ州で勝利を収めた。しかし現在のところ、同州では民主党候補のジョー・バイデン氏が有利な状況にある。ロメロ氏らが覚えているのは借金だけではない。市長は、トランプ氏が前回大統領に立候補した際に、アリゾナ州在住のラテン系アメリカ人に対して発した言葉や行動を「忘れない」とMSNBCのインタビューで強調した。
  「私たちは彼がメキシコ系アメリカ人を侮辱し、移民やラテン系アメリカ人を侮辱したことを忘れません。彼が私たちをレイピスト、殺人者と呼んだことを忘れません。彼が子どもたちをツーソンから45分も離れた所に閉じ込めたことを忘れません。私たちは、今回の選挙を楽しみにしています」
 (ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。)


2010.10.19-mashup NY-https://www.mashupreporter.com/trump-claims-400-million-debts-is-a-peanut/
「4億ドルなんてはした金」トランプ氏 個人保証の借金認める

  トランプ大統領は15日のタウンホールで、ニューヨークタイムズが報じた4億2,100万(440億円)ドルの個人保証による借金の存在について、「数字が誤っている」と述べつつ、「私の純資産のごく一部にすぎない」「(資産に比べれば)4億ドルなんてはした金だ」と発言するなど、部分的に認める発言を行った。
  また、個人保証にもかかわらず「一部は、私にお金を貸したいと思っていた金融機関への好意だ」と主張。さらに海外の銀行からの借金かと問われると「私の知る限りそうではない」と述べ、「もし希望するなら、誰に”少額”を借りているかあなたに教えよう」と語った。
  なおトランプ氏は以前、同報道を「完全なフェイクニュースで、でっちあげだ」と否定していた。

  ニューヨークタイムズは27日、トランプ氏が大統領になる前の15年間のうち、10年間は連邦所得税を支払っていなかったほか、2016年と2017年に収めた金額はわずか750ドルだったと報じた。
  タイムズはこの記事の中で、トランプ氏が4億2,100万ドルの借金を個人保証しており、このうち3億ドルが4年以内に期限を迎えると伝えた。
  これらの主な融資元はドイツ銀行で、同社は「ドラール・リゾート」の購入に1億2,500万ドル、ワシントンホテルのために1億6,000万ドルをトランプ氏に提供していた。
  ドイツ銀行のほかには、2012年以降、重要な貸手と考えられるのは、米不動産投資信託のラダー・キャピタルだけだという。
  なおMother Jonesによると、ラダーキャピタルは商業不動産担保証券などに特化した企業で、従来の銀行からの借り入れができない人々にとって、しばしば最後の手段として使用されているという。同社は、トランプタワーとトランププラザにローンを提供しており、これらは今後数年で期限を迎える。
メイン事業が業績不振
  タイムズによると、トランプ氏のコアビジネスのほとんどが、毎年数百万ドルの損失を出している。トランプ氏はこれらを維持するため、過去数十年、主な収入源となってきたテレビ番組のライセンス収入などをリゾートやホテルに費やしてきた。しかし、これらは近年急激に縮小しているという。
  この一方で、過去数年、株式を大量に売却しており、記録によると、トランプ氏は2014年1月に9,800万ドル、2015年に5,400万ドル、2016年に6,820万ドルを売却していた。7月に開示された財務情報によると、売却可能な証券はわずかに87万3,000ドルだったという。
  タイムズは、ローンは通常、企業の収益性に基づくものだとした上で、継続的に損失を出しているドラールとワシントンホテルを、リファイナンスするのは容易ではないだろうと指摘している。
  一方、元財務当局者は同紙に対して、トランプ氏が司法省に敵を捜査させることをいとわない姿勢を示していることから、連邦規制の対象にある銀行にとっては、厄介な立場に置かれることになると見解を語っている。


2020.10.10-Yahoo!Japanニュース(Forsight)-https://news.yahoo.co.jp/articles/fa64522ea6194833a3e34109ef2db107c3988126
トランプ大統領を「命がけ選挙」に駆り立てる「破産」「訴追」の恐怖
(杉田弘毅)
(1)
  新型コロナウイルスに感染しても3日で退院し、スーパースプレッダーとの揶揄を撥ね返して、選挙集会を再開したドナルド・トランプ米大統領。激戦州に乗り込んで「20年前より元気がみなぎっている」とダミ声で叫ぶ、まさに「命がけ」の選挙運動だ。敗北しても大統領選の結果を受け入れない、と今から宣言している。  過去の大統領が再選を目指した時は、ここまでなりふり構わない戦いではなかった。一期で敗北したジミー・カーター、ジョージ・ブッシュ(父)は粛々と負けを受け入れた。トランプの何が何でもホワイトハウスに居続けるという執念は驚嘆すべきだ。この絶対に負けられないとの固い決意の理由は何なのだろうか。  再選を果たし自分の正当性を世界中に認めさせたいという承認欲求だけではない、もっと切迫した事情が見えてくる。
ホワイトハウスを出たら破産か
  トランプの税逃れは誰もが想像していた。だから、2016、17年は連邦所得税を年間750ドル(8万円弱)しか払っていないという『ニューヨーク・タイムズ』の9月末の「特ダネ」も、オクトーバー・サプライズとはならなかった。
   しかし、この報道で気になるのは、トランプが多額の借金を抱え、このままでは数年後には破産せざるを得ないとの予想の方だ。  同紙が納税報告書を入手して報じたトランプの懐事情を見てみよう。

   カジノや航空会社、ゴルフ場、ホテルビジネスの破綻・不振で現在4億2100万ドル(約445億円)の債務を抱え、そのうち3億ドル超は4年以内に返済期限を迎えるという。負債総額10億ドルとの試算もある。住宅バブルの崩壊、新型コロナ蔓延による不況、そして経営センスのなさが原因だ
   この数字は驚くものではない。『ワシントン・ポスト』取材班が2016年に出版した『トランプ』(邦訳文藝春秋)によると、1990年代の段階で22の事業のうち、利益が出ているのはわずか3件で、負債は32億ドルに膨らんだという。金を貸していた銀行団は資産の売却や生活費の制限をトランプに約束させた。
    2004年からテレビショーの『アプレンティス』が始まり、番組放映権料や出演料、そして「トランプ・ブランド」の商標を売ることでトランプは4億2700万ドルを稼いだ。だが、『アプレンティス』はトランプの移民差別発言に批判が高まり、2015年には終わった。ブランドもトランプの言動で米国内が社会的分断に陥った今、かつての儲けをもたらさない。
   米国の国税庁である「内国歳入庁」(IRS)から脱税の疑いもかけられ係争中だ。もし脱税が認定されれば1億ドル以上の追徴となる。
   米誌『フォーブス』のように、トランプの現金化可能な資産は25億ドルに上るとの推計もある。だが、それでも果たして年々膨らむ債務の返済に十分なのか、心もとない。
   トランプが財政面で生き延びるには、大統領職を続けることが条件となる。コロナ禍で景気は沈滞したままだから、不動産ビジネスの展望は明るくない。だが、返済期限が迫る3億ドル超の債務も、大統領職についていれば返済期限の延期が可能だ。

   一方で、選挙で敗北し民間人となれば、債務の返済延期は認められまい。裁判所に破産と認定され、フロリダ州の別荘など残る資産も没収される恐れがある。  最大の債務は、長年関係を続けるドイツ銀行からのものだ。最低でも1億2500万ドルに上るとされ、2023年と24年に返済期限を迎える。ドイツ銀行は米捜査当局から資金洗浄(マネーロンダリング)や外国への贈賄で捜査対象となっている。「米連邦準備制度理事会」(FRB)からも「重大な脆弱性を抱える」と指摘された。ただでさえ窮地のドイツ銀行が一民間人となったトランプの債務の返済期限延期を気前よく受け入れるとは思えない。
(2)
プーチン大統領が救世主?
  命がけの選挙運動で再選を果たしたとして、トランプが財政的に当てにしているのは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領ではないか。
   ジャーナリストのボブ・ウッドワードの最新刊『Rage』(未邦訳)によると、トランプ政権で国家情報長官だったダン・コーツはロシアゲート疑惑を調べるうちに、トランプは結局ロシアの言いなりであるとの疑念が払しょくできなかった、という。
   確かにトランプには、プーチンに取り入ろうとする言動が多い。反プーチン派の政治家毒殺未遂事件には「米国だって自慢できない」と物わかりがよい。シリアやリビアなど中東への軍事作戦でもロシアをとがめない。米国の縄張りを奪われたのに、どうぞご自由にである。対ロシア制裁を強化しようとする米議会に、トランプはたびたび抵抗している。

   2016年大統領選にロシアが介入したことを、「米中央情報局」(CIA)などは早くから断定している。だがトランプは2018年の米ロ首脳会談後の記者会見では、選挙介入を否定したプーチンの発言を「説得力を持つ」と支持し、米政府を唖然とさせた。
   弾劾訴追の対象となった「ウクライナ疑惑」では、2016年大統領選の時に米民主党のサーバーにハッキングをかけたのはロシアでなくウクライナであるという奇抜な論も展開した。なぜそこまでロシアをかばうのか、と首をひねらざるを得ない。
   しかし、いかに不興を買おうが、プーチンにすがる事情がある。トランプはプーチンこそが、自らの債務地獄を救う救世主となると信じている節があるのだ。もちろんプーチンはタダではトランプを救済しない。米大統領として、ロシアの問題行動に目くじらを立てないという行動を示してほしいはずだ。
モスクワのトランプ・タワー
  トランプの顧問弁護士を務め、トランプの浮気相手だったポルノ女優の口封じなど尻拭いをさせられてきたマイケル・コーエンは、 「トランプは、世界一の金持ちはプーチン氏だと信じている」  と語っている。
   コーエンによると、トランプは不動産ビジネスでの大勝利をロシアで狙っていたという。
   それはモスクワの赤の広場に面した敷地に120階建てのトランプ・タワーを立てる計画だ。プーチンからビル建設の許可を得るためにペントハウスをプーチン専用のフロアーとして提供する構想もあった。コーエンはその交渉役で、トランプ・タワーの建設はモスクワだけでなく拡大していくことになっていたという。結局この計画はトランプの大統領就任で中断したが、トランプは再開の機会を狙っているはずだ。
   また、コーエンの著書によると、2016年大統領選では落選しても、プーチンが金を貸してくれることになっているとトランプは語っていたという。
(3)
ロシアビジネスの甘い体験
 トランプにはロシアの政商たちの財力で救われた甘い記憶がある。2004年に4135万ドルでフロリダ州に自宅を購入し、その後転売を試みたが、4年間も店晒しになった末に、ロシア人政商が9500万ドルで購入してくれて大儲けをした。先述のコーエンは、トランプは実際の購入者はプーチンだと語っていたと言う。
 またトランプは毎年主催した「ミス・ユニバース」コンテストで赤字を出していたのだが、2013年にロシアで開催した時には、230万ドルの利益を出した。ロシアには超富裕層がいて自分のビジネスに向いているというのがトランプの結論である。
 トランプのロシアコネクションをウォッチしている米英の情報機関は、プーチンはトランプのモスクワでの不動産ビジネスを熟知しその弱みも握っていると読んでいる。だからこそ、トランプはプーチンに頭が上がらないし、今後のビジネスの挽回のためにもロシアでの大掛かりな不動産業に踏み出したいのだ。
外国こそが望みの種
  大統領となった後もトランプ・ブランドの使用許可を与えることで、トランプの企業はフィリピンから300万ドル、インドから230万ドル、トルコから100万ドルと多くの利益をうみだした。
  だが、米国内におけるトランプ・ブランドはもはや金のなる木ではない。国内の2つのホテル建設計画は中止となったし、ワシントンにあるホテルは2018年までに5500万ドルの損失を出した。ゴルフ場も利益を生んでいない。それに比べてドナルド・トランプの名前が神通力を持つ外国こそが儲けの場となるのだ。
   プーチンのほかにトランプが頼みとする超富裕な独裁者と言えば、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子だ。前述したウッドワードの『Rage』の中で、トランプは『ワシントン・ポスト』コラムニストのジャマール・カショギ(ハーショクジー)が皇太子の指示によりサウジアラビアの治安組織に殺害されて大騒動となった事件で、「(制裁をかけようとする)米議会から皇太子を救ったのは私だ」と豪語している。
   ここからも、大統領として便宜を図り、目をつぶることで、ビジネス上の恩恵を狙う様子がうかがえる。
(4)
落選すれば人生の破滅
   トランプが再選を勝ち取らなければならないと焦る理由には、民間人となれば訴追されるという恐怖もあるはずだ。
   米司法省は「現職大統領は起訴しない」という原則を順守している。これは大統領を起訴し裁判にかけることで、司法が行政機能をマヒさせるため、米憲法の定める3権分立に違反するという理由から成り立っている。弾劾手続きとなったウォーターゲート事件の時のリチャード・ニクソン大統領も、不倫もみ消し疑惑の時のビル・クリントン大統領もこの原則により起訴されなかった。
   だが、トランプが民間人となれば話は別だ。
   ロシア疑惑でジェームズ・コミー連邦捜査局(FBI)長官を解任し、ロバート・ムラー特別検察官の捜査にも協力しなかった。サリー・イエーツ元司法長官代理ら400人近い連邦検事OBは、大統領でなければ間違いなく起訴されるだろう、との共同書簡を発表している。イエーツは、「私はもっと証拠が弱い件でも、これまで司法妨害で起訴に持ち込んできた」と証言している。
   時効にも守られない。トランプはロシア疑惑のほかに、選挙資金を不倫相手の口止め料に使ったことで選挙資金規正法違反でも捜査を受けたが、これらの事件の時効は5年だ。2021年1月に大統領を退任するとなれば、2016年1月以後の事件は訴追対象となり、これらの案件は含まれる。
   再選されなければ、バイデン民主党政権の司法長官が自分への捜査を最重要任務として進め、あらゆる案件で起訴・有罪に持ち込もうとするとにらんでいるに違いない。そうなれば、彼の人生は破滅を迎える。
  トランプはホワイトハウス入りした後は、「政治とはすべて自分の利得のため」とみなして行動してきた。11月3日の大統領選はまさに公私ともに自分の運命を決める決戦の選挙であるのだ。
 杉田弘毅


2020.10.10-nifty ニュース.(日刊ゲンダイ DIJITAL)-https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-821231/
“不動産王”トランプは実は借金まみれ 大統領選に負ければ丸裸に【窮地のトランプ大統領 焦燥の真相】
(春名幹男/国際ジャーナリスト)

  米大統領選は毎回エキサイトする。しかし、今回ほど感情をむき出しにした激突も珍しい。 リベラル系メディアのドナルド・トランプ大統領批判も強烈だ。特に、大統領は「過去15年間のうち10年間税金を払っていない」「2016~17年の税金支払額は各750ドル(約9万9000円)」とする9月27日付ニューヨーク・タイムズ紙報道に、多くの米国民が驚いた。
  だが、この報道が伝えたもう一つの真実は日本では注目されていない。実はトランプ大統領は借金まみれだというのだ。
  借金の返済期限は、トランプタワー関係のローンが2022年に1億ドル(約106億円)、その他のローンが24年に4億2100万ドルとなっている。実はそのことと大統領選の間に微妙な関係があるのだ。
  トランプ大統領といえば、一代で成功した実業家といわれ、尊敬もされてきたが、その実像はほとんど知られていなかった。確定申告書類を基にした同紙の報道に、他の信頼できる情報を加えて、可能な限り分かりやすく全体像を伝えたい。

  トランプ氏は第一に、父フレッド氏(1999年死去)から計4億1300万ドルもの資産を相続していたのだ。とはいえ、91年、ニュージャージー州アトランティックシティーにあるホテル1軒が倒れ、さらに同シティーでカジノ2軒、92年はニューヨークのプラザホテルが倒産、さらに04年にはトランプホテル・カジノ、08年には別のリゾートが倒産して手放し、約18億ドルの負債が残った。ところが、04年にNBCで始めたリアリティー番組「アプレンティス」のプロデュース、出演で4億2740万ドルを稼ぎ、息を吹き返し、次はその収入を米国内外のゴルフ場買収などに充てた。負債の返済はなお続いていて、所得は赤字とされ、所得税額はゼロと算定、というわけだ。

 現状では、外国のホテルに自分の名前を貸すブランド事業などでは黒字を出しているが、ゴルフ場やホテルは赤字が続いている状態。ブランド事業では、20%の「コンサルタント料」を必要経費として計上、実際にはそれを長女のイバンカ氏に渡すという不可解な経理の実態も明らかになったという。また、トランプ氏と内国歳入庁(IRS)の間で、所得税額をめぐる対立が表面化している。トランプ氏は当初の課税額から7290万ドル割り戻しを受けていたが、IRS側の監査で不正と判断された場合には、トランプ氏はその全額を返却しなければならない。トランプ氏の借入金総額については、「約5億ドル」(マザー・ジョーンズ誌)説や、「約11億ドル」(フォーブス誌)説もあり、真相は不明。

 トランプ氏が大統領選に勝利し、現職大統領として返済期限を迎えれば、何らかの支援を受けやすいが、落選した場合、資産売却など惨めな目に遭うことになる。(春名幹男/国際ジャーナリスト)


2020.10.10-Livedoor.News(日刊デンダイDIGITAL)-https://news.livedoor.com/article/detail/19033557/
“不動産王”トランプは実は借金まみれ 大統領選に負ければ丸裸に【窮地のトランプ大統領 焦燥の真相】

  米大統領選は毎回エキサイトする。しかし、今回ほど感情をむき出しにした激突も珍しい。
  リベラル系メディアのドナルド・トランプ大統領批判も強烈だ。特に、大統領は「過去15年間のうち10年間税金を払っていない」「2016~17年の税金支払額は各750ドル(約9万9000円)」とする9月27日付ニューヨーク・タイムズ紙報道に、多くの米国民が驚いた。
  だが、この報道が伝えたもう一つの真実は日本では注目されていない。実はトランプ大統領は借金まみれだというのだ。

  借金の返済期限は、トランプタワー関係のローンが2022年に1億ドル(約106億円)、その他のローンが24年に4億2100万ドルとなっている。実はそのことと大統領選の間に微妙な関係があるのだ。
  トランプ大統領といえば、一代で成功した実業家といわれ、尊敬もされてきたが、その実像はほとんど知られていなかった。確定申告書類を基にした同紙の報道に、他の信頼できる情報を加えて、可能な限り分かりやすく全体像を伝えたい。
  トランプ氏は第一に、父フレッド氏(1999年死去)から計4億1300万ドルもの資産を相続していたのだ。
  とはいえ、91年、ニュージャージー州アトランティックシティーにあるホテル1軒が倒れ、さらに同シティーでカジノ2軒、92年はニューヨークのプラザホテルが倒産、さらに04年にはトランプホテル・カジノ、08年には別のリゾートが倒産して手放し、約18億ドルの負債が残った。
  ところが、04年にNBCで始めたリアリティー番組「アプレンティス」のプロデュース、出演で4億2740万ドルを稼ぎ、息を吹き返し、次はその収入を米国内外のゴルフ場買収などに充てた。
  負債の返済はなお続いていて、所得は赤字とされ、所得税額はゼロと算定、というわけだ。
  現状では、外国のホテルに自分の名前を貸すブランド事業などでは黒字を出しているが、ゴルフ場やホテルは赤字が続いている状態。
  ブランド事業では、20%の「コンサルタント料」を必要経費として計上、実際にはそれを長女のイバンカ氏に渡すという不可解な経理の実態も明らかになったという。
  また、トランプ氏と内国歳入庁(IRS)の間で、所得税額をめぐる対立が表面化している。トランプ氏は当初の課税額から7290万ドル割り戻しを受けていたが、IRS側の監査で不正と判断された場合には、トランプ氏はその全額を返却しなければならない。
  トランプ氏の借入金総額については、「約5億ドル」(マザー・ジョーンズ誌)説や、「約11億ドル」(フォーブス誌)説もあり、真相は不明。
  トランプ氏が大統領選に勝利し、現職大統領として返済期限を迎えれば、何らかの支援を受けやすいが、落選した場合、資産売却など惨めな目に遭うことになる。


2020.10.02-Wedge Infinity-https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20948
脱税が支えた「トランプ王国」の虚像と虚構
(1)
  ニューヨーク・タイムズ紙の特大スクープでトランプ大統領が長年、所得税の脱税と超過少申告を繰り返していた実態がついに明るみになった。自ら豪語してきた「億万長者」は虚像だった可能性が高い。
   「私は(億万長者の)ドナルド・トランプより高額納税者だI paid more taxes than Donald Trump!」―11月3日の大統領選挙を前に、全米でこんなメッセージ入りシャツ類やピンバッジの販売が始まった。
   「ドナルド・トランプより高額納税者はクラクション鳴らせHonk if you paid more taxes than Trump」―ほぼ同時に、同趣旨の文言を刷り込んだ乗用車ステッカーのネット販売も始まり、同調者同士が走行中にすれ違いざまクラクションを鳴らすことを呼びかける運動へと広がる気配を見せている。
   いずれも、先月27日、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた爆弾記事で、2016年、17年両年度のトランプ大統領の所得税納税額がたったの750ドルだったことが判明したことを受けたものだ。全米の一般サラリーマンはもとより、建設労働者、ホテル・メイドなども含めた圧倒的多数の国民が毎年1000ドル以上の所得税を納税してきており、それを下回る大統領個人の不正納税を糾弾すると同時に、大統領選での「トランプ追放」を有権者向けにアピールする狙いがあるとみられる。
   同紙特大スクープの重要骨子は以下のようなものだ:

  ①トランプ氏は過去18年間にわたり、9500万ドルの所得税を納税したが、その後、「企業損益」などを理由に7290万ドルの還付を受けた。州税、市税でも2100万ドルの還付を受けた。所得税還付金7290万ドルについては、「疑わしき方策dubious measures」により還付を受けた可能性があるとして、現在、内国歳入庁(IRS)の監査対象となっており、その結果次第では大規模罰金を科せられる可能性もある。
  ②トランプ氏は2016年、2017年の両年、連邦所得税をそれぞれ750ドルだけ納税するにとどまった。
  ③過去15年のうち10年分については、損失が収益をはるかに上回ったことなどを理由として所得税をまったく納めなかった。
  ④トランプ氏は豪勢なライフスタイルを維持するため、自家用旅客機、数多くの別邸、ゴルフコースを次々に手に入れたが、購入費および維持費の大部分を「経費扱い」として税処理してきた。
  ⑤トランプ氏は2000年以来、いくつものゴルフ場経営で3億1500万ドルの損失を計上したほか、大統領就任後、新設オープンしたばかりの首都ワシントンの「トランプ・インタナショナル・ホテル」経営でも5500万ドルの損失を税申告した。

   初めて暴露されたこうした驚くべきトランプ氏の納税実態は、「不動産王」「億万長者」「屈指のディールメーカー」などこれまで自慢してきた自画像とは大きくかけ離れたものであったことを裏付けている。
   しかし、それだけにとどまらない。今回報道では詳細が明らかにされなかったさらなる疑惑がいくつもある。
   その第1は、2022年までに返済義務が迫っているとされる4億2100万ドルもの借金をどこから借り受けたかだ。
   ブルームバーグ通信は税問題に詳しいベテラン記者による解説記事の中で、トランプ氏がロシアのプーチン大統領またはその側近財界人から多額の融資を受けてきた疑惑に言及、今後、捜査当局による本格的メスが入ることになれば、重大な国家的犯罪に発展する可能性を指摘している。
   この点に関連して想起されるのは、2018年7月16日、ヘルシンキでプーチン大統領との首脳会談に臨んだトランプ氏の終始怖気ついた態度と発言だ。席上、記者団から「米国トップの情報機関の最終結論として、ロシアがプーチン指揮の下で2016年米大統領選に介入した件を話したか」との質問を受けたトランプ氏は、隣席のプーチン氏の顔色をうかがうようなしぐさを見せながら「会談でその件も話題に上ったが、プーチン氏は真っ向から否定した。わが国のインテリジェンスがどう言おうが、私は彼の言葉を信じる」と答えた。この時の大統領の卑屈なまでの発言と態度は米主要テレビ、新聞で大々的に報じられた。米議会でも野党民主党のみならず、与党有力議員の間でも、「自国のれっきとした情報機関の調査より外国指導者の言葉に重きを置くとは何事か」といった猛烈な非難の声が挙がった。
   有力誌「Atlantic」最新号は、2年前のこの“ヘルシンキ・エピソード”を念頭に「ニューヨーク・タイムズ紙の指摘で浮上したトランプ氏の莫大な借金の出所がもしロシアなどの外国政府だったとしたら、大統領がつねに脅迫にさらされ、国家安全保障が損なわれる危険がある」との論評を掲げている。
(2)
追跡不可能な疑わしい海外取引
  第2は、トランプ氏が大統領就任後、フィリピン、トルコなど諸外国とのビジネス取引に関係、巨額の利益を得ていたことだ。
  周知のとおり、米国では「倫理法」の規定により、大統領以下、閣僚、政府高官が私的な商取引に従事することは禁じられている
  トランプ氏の場合、不動産取引などを主体とした「トランプ・オーガニゼーション社」(本社ニューヨーク)を立ち上げ、大統領就任後は、公私混同の批判をかわすため、社長の座を長男に移譲したものの、経営者としての地位はそのまま保持してきた。
  その結果、就任後も実務は長男に委ねつつも、大統領の立場をフルに生かし、海外でのビジネスを展開、その際に、数千万ドルに達する所得税を当該国に支払っていることも明らかになっている。
  非営利の監視団体「Open Secrets」の調査によると、大統領は2016年から2019年にかけて、インドで410万ドル、トルコから7百万ドル、フィリピンから5百万ドルの収益を得たほか「ほかにも追跡不可能な疑わしい海外取引が無数に行われてきたとみられる」という。
  米下院倫理委員会、歳入委員会など関係委員会は、ニューヨーク・タイムズの調査報道を踏まえ、今後、連邦政府当局者の証人喚問、外国企業からの事情聴取に乗り出す構えを見せている。
  第3の関心事は、今日のトランプ氏の「個人資産」規模だ。
  その実態については謎が多く、正確の数字は明らかになっていないが、経済誌「Forbes」などの試算によると、「推定25億ドル前後」とされる。
  しかし、その中にはマイアミの巨大ゴルフ施設Doral Resort, スコットランドの名門ゴルフ場Turnberryなど、多額の借金で買収した不動産物件多数が含まれており、実際に手元に残るキャッシュがどれだけかははっきりしていない。
  しかも、トランプ氏が2022年までに返済を迫られる4億2100万ドルもの借金を、今後2年間でスムーズに返済できるかどうかが、トランプ氏の「純個人資産」規模を知るひとつの手掛かりになることだけは確かだ。
  このようにトランプ氏のビジネス取引は、多くの謎と厚い秘密のベールに包まれてきたが、トランプ政権下の司法、財務当局は事実上、これを放置してきたと言っても過言ではない。
  しかし、もし、11月3日に迫った大統領選挙の結果、バイデン候補が勝利した場合、局面は一変することになる。
  すでに政界筋では、バイデン政権誕生後、あらゆる“トランプ疑惑”をそうざらいする特別タスクフォースがホワイトハウス内に設置され、その統括責任者として敏腕検察官上がりのカマラ・ハリス女史が副大統領の立場で直接指揮する計画も浮上している。その結果、トランプ氏が刑事告発される可能性も現実味を帯びてくる。
  いずれにしても、大統領選挙結果次第では、虚構だらけの「トランプ王国」が早晩、ついに“砂上の楼閣”として瓦解してしまうことになりかねない。
  これまでの選挙戦でバイデン候補にリードを許してきたトランプ氏だが、劣勢挽回の好機と期待をかけた去る29日の第1回討論会でも、資質面、性格面での弱点をさらけだし、かえって評判を落とす結果となった。
  脱税、巨額過少申告問題の批判も、草の根レベルで今後広がるにつれ更なる支持率低下につながりかねず、大統領の苦悩は一層深まるばかりだ。








このTopに戻る





monomousu   もの申す
最近のニュース
TOPにもどる