Donald Trump の違反問題-1



2021.02.15-REUTERS-https://jp.reuters.com/article/usa-trump-impeachment-idJPKBN2AE0S1
米上院が無罪評決、トランプ氏弾劾裁判 「道義的に責任」と共和党

  [ワシントン 13日 ロイター] - 米上院は13日、連邦議会占拠を巡るトランプ前大統領への弾劾裁判無罪との評決を下した。有罪支持57票に対し無罪は43票で、必要な3分の2に届かなかった。
  統領の煽動が議会乱入につながったとする弾劾裁判では共和党の7議員が有罪に投票した。上院は民主・共和両党がそれぞれ50議席を占めている。

  上院共和党のトップのマコネル院内総務は無罪に投票したが、「実質的かつ道義的に責任がトランプ大統領にあるのは疑問の余地がない。大統領の望みと指示によって行動したと暴徒は信じている」と述べ、前大統領への批判的姿勢を示した。
  バイデン大統領は声明で、有罪判決には至らなかったが罪状の大部分は争点にならず、共和党からも有罪投票がでたことを指摘。「今回の事件は民主主義のもろさを思い知らされた。米国に暴力や過激主義の存在場所はない」と述べた。

  民主党のペロシ下院議長は、有罪とならなかったことは「暗黒の日々と最も不名誉な出来事」のひとつとして米国の歴史に刻まれるだろうと指摘した。
  弾劾裁判が迅速に結審したことで、バイデン大統領は1兆9000億ドル規模のコロナ対応の経済対策や閣僚の承認などに注力できる。
  しかし米議会や国内の分断状況は続く。トランプ氏は無罪となった後、「米国の歴史上、新たな魔女狩りを示した」との声明を公表した。


2021.02.13-毎日新聞-https://mainichi.jp/articles/20210213/k00/00m/030/028000c
トランプ氏「無罪」の公算大 弾劾裁判13日にも評決

  米上院で開かれているトランプ前大統領(共和党)の弾劾裁判は4日目の12日、弁護団の陳述と、陪審員役を務める上院議員による質問が行われた。裁判は13日にも結審し、同日中にトランプ氏が有罪か無罪かの評決が出る見通し。有罪には出席議員3分の2の同意が必要だが、トランプ氏弾劾に消極的な共和党議員が多く「無罪」となる公算が大きい。

  トランプ氏は1月の議会乱入事件を巡り、直前に支持者に向けて「戦わなければならない」と演説したことなどが「反乱を扇動した」として下院で弾劾訴追された。
   昨年11月の大統領選で再選を阻まれたトランプ氏が、結果を覆すため暴力を呼びかけたと主張する民主党側に対し、弁護団は12日の陳述で、トランプ前政権下で民主党議員や候補者が「戦う」「抵抗する」といった言葉を多用してきたと指摘。バンダービーン弁護士は「政治の世界で多用される言葉。(トランプ氏のみが罪に問われるのは)二重基準だ」と訴えた。
   有罪評決には民主党上院議員50人に加え、共和党議員から17人の同意が必要だが、現時点で造反が広がる可能性は低い。早期幕引きを図りたいトランプ陣営の意向を受けて、弁護団は持ち時間を13時間以上残して陳述を終えた。証人招致の有無については決定していないが、13日中に検察、弁護側双方の最終弁論が行われ評決が出る可能性がある。【ワシントン高本耕太】


2021.02.12-朝日新聞 DIGITAL-https://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN2AC009.html
トランプ氏、無罪評決なら再び反乱扇動も=弾劾裁判で民主党

  [ワシントン 11日 ロイター] - 米連邦議会占拠事件を巡るトランプ前大統領の弾劾裁判は11日、3日目の審理を行った。検察官役を務める民主党下院議員は、陪審員役の上院議員が無罪評決を下せば、トランプ氏は再び反乱を扇動しかねないと強調した。
  これまで3日間の審理では1月6日の議会占拠に至るまでに、大統領選での不正を根拠なく主張していたトランプ氏が支持者らに発した激しい言葉の数々が焦点となった。
  弾劾裁判の合憲性を巡る初日の採決で、民主党とともに賛成票を投じた共和党議員は6人にとどまったため、有罪評決が出る可能性は極めて低いとみられる。民主党は有罪評決を下してトランプ氏が再び公職に就くのを阻止したい考え。
  検察官役筆頭のジェイミー・ラスキン下院議員は検察側の弁論を終えるのに際し「トランプ氏が公職に戻り、再び反乱を扇動した場合、他の誰でもなく私たちの責任となる」と訴えた。
  同じく民主党下院議員のテッド・リュウ氏はトランプ氏が2024年大統領選に立候補し、敗北した場合に同じことが起こり得ると警告した。
  民主党側は、トランプ氏が1月6日に支持者らに対し、バイデン氏の大統領選当選を正式に確定する手続きが進行していた議会に赴き「死に物狂いで戦う」よう呼び掛けたことが扇動行為だと証明するため、事件当日までのトランプ氏の問題行動を多数列挙した。
  民主党下院議員の弁論はおおむね両党から高い評価を得たが、一部の上院共和党議員は納得していないと指摘。
  ジェームズ・インホフ上院議員は「同じことを繰り返しているだけだ。私にとっては聞けば聞くほど信頼性がなくなる」と述べた。
  トランプ氏の顧問、ジェイソン・ミラー氏はツイッターで弁護側は12日に弁論を終わらせると表明。共和党上院議員の一部は、13日の審理終了を見込んでいると述べた。
  一方、民主党上院トップのシューマー院内総務は、上院が無罪評決を下した場合にトランプ氏を処罰するための異なる方法を探る可能性に含みを持たせた。反乱に関与した公職者が公職に就くのを禁じる権限を議会に与えている憲法修正第14条を発動する可能性が含まれる。


2021.02.10-BBC NEWS/Japan-https://www.bbc.com/japanese/56006039
トランプ氏の弾劾裁判が開始 米上院は裁判を合憲と判断

  アメリカの連邦議会襲撃事件を扇動したとして弾劾訴追された、ドナルド・トランプ前大統領の弾劾裁判が9日、上院で始まった。初日は弾劾裁判の合憲性をめぐる採決があり、賛成多数で合憲とされた。10日に実質的な審理が開始される。

  採決の結果は賛成56票、反対44票だった。トランプ政権で与党だった共和党の議員6人が、「反乱を扇動した」としてトランプ氏の弾劾を求める民主党に同調し、賛成票を投じた。
  トランプ氏の弁護団は投票に先立ち、弾劾裁判は違憲だと主張。大統領を退任した人物を弾劾裁判にかけることはできず、手続きの適正さも欠いていると訴えた。また、ジョー・バイデン政権で与党となった民主党について、政治的な動機に基づいて行動しており、悪意があると非難した。

襲撃や演説のビデオを上映
  民主党はこの日の審理でまず、先月6日に連邦議会議事堂が襲われた様子や、その直前のトランプ氏の演説のビデオを上映。
  「弾劾マネジャー」と呼ばれる検察官役の下院議員の1人、ジェイミー・ラスキン氏(メリーランド州)が、「ここに重罪や軽罪が映っている」、「これが弾劾に相当しないなら、相当するものは何もない」と訴えた。
  また、襲撃当日は議会内に娘がいて、彼女が危険な目に遭っていないか心配したと、涙ながらに振り返った。
  そして、「これがアメリカの未来であってはならない」、「憲法にのっとった民意を受け入れられないとして、政府と憲法に対して暴力を扇動する大統領を認めるわけにはいかない」と述べた。
  さらに、退任する公職者を弾劾裁判の対象から外す「1月の例外」を認めれば、危険な前例をつくることになると主張した。
弁護士は「憲法を侮辱」と反論
  一方、トランプ氏の弁護士のデイヴィッド・ショーン氏は、2017年のビデオ映像を上映。民主党内にトランプ氏の「弾劾を求める飽くなき欲望」があることを示す証拠だとした。
  「民主党が憲法の名の下に実現しようとしているのは、ドナルド・トランプが再び政治職に立候補するのを禁じることだ。しかしそれは、誰が標的なのかに関係なく、憲法に対する侮辱行為だ
  多くの米メディアは、トランプ氏がこの日、フロリダ州でテレビで弁護士の主張を見て、怒りをあらわにしたと報じた。
トランプ氏に忠誠な議員
  上院は現在、民主党と共和党が50議席ずつ分け合っている。
  この日の採決は、両党の勢力をほぼ反映した結果となった。同時に、共和党にはトランプ氏に忠誠な議員らが、有罪評決を防ぐのに十分な人数存在していることを示した。
  弾劾裁判でトランプ氏が有罪となるには、上院議員の3分の2以上の賛成が必要
  有罪とされた場合、トランプ氏は公職に就くことが禁止される。
これからどうなる
  民主党側とトランプ氏側は10日昼以降、主張を述べる時間が16時間ずつ与えられる。
  弁論は週末まで続くとみられる。その後、陪審員役の上院議員らに質疑の機会が与えられる。
  弾劾マネジャーが証人を呼び、審理の延長を求めるのかは不明。トランプ氏は任意での証言には応じないとしている。
  与野党の議員らは、新型コロナウイルス対策も進める必要もあることから、弾劾裁判の審理は迅速に行うことで一致しているとされる。
  有罪か無罪かを決める投票は、早ければ15日にも実施される見通し。
  BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、弾劾裁判は始まったばかりだが、最終的な結果はほぼ確実だと分析。
  この日の裁判の合憲性をめぐる採決は、判例から民主党が支持を集めやすかったにもかかわらず共和党から民主党に同調した議員は6人にとどまった。そのことからも、トランプ氏が有罪評決を受ける可能性は低いと解説した。


2021.01.26-Yahoo!Japanニュース(産経新聞)-https://news.yahoo.co.jp/articles/f862320b35939c4016336401941d68cd9ca0bb38
米集計機メーカーがジュリアーニ氏を提訴 選挙「不正」批判に反発

  【ワシントン=黒瀬悦成】米投票集計機メーカー「ドミニオン・ボーティング・システムズ」は25日、昨年11月の大統領選で敗北したトランプ前米大統領の個人弁護士であるジュリアーニ元ニューヨーク市長が、大統領選に関する嘘を拡散して同社の名誉を毀損(きそん)したとして、13億ドル(約1350億円)の損害賠償を求める訴訟を首都ワシントンの連邦地裁に起こした。
   訴状によると、ドミニオン社は「ジュリアーニ氏が同社の集計機のせいで得票が操作され、『選挙が盗まれた』とする『大嘘』の主張を同調勢力と一緒に拡散させ、数百万人をだました」と主張した。

   また、大統領選に絡みトランプ氏の弁護に携わったシドニー・パウエル、リン・ウッド両弁護士や、FOXニュースなどの保守系メディアも大統領選をめぐる偽の主張の拡散に加担し、同社社員が迫害されたり殺害予告を受けたりするなどの「取り返しのつかない被害を受けた」としている。
   同社の集計機が使われた東部ペンシルベニア州での訴訟をめぐっては、ジュリアーニ氏がテレビなど公の場でドミニオン社の「不正」に関し虚偽の主張をしていたにもかかわらず、法廷に提出した訴状では同社の「不正選挙」への関与について一切言及しなかったと指摘した。
   自社の集計機の精度については独立機関の監査や、集計機にデータが入力された紙の投票用紙の再集計を通じて、「不正」があったとするジュリアーニ氏の主張は虚偽であることが証明されたとも主張した。
   同社の集計機で不正が行われたことを裏付ける具体的な証拠は、現在までに確認されていない。  ドミニオン社は今月、パウエル弁護士をすでに提訴したほか、今後も同社の名誉を傷つけた個人らを順次訴える考えを示している。


2021.01.12-JIJI com-https://www.jiji.com/jc/article?k=2021011200050&g=int
トランプ氏弾劾案を提出 米民主、「反乱扇動」の責任追及―13日にも採決

  【ワシントン時事】米野党民主党は11日、支持者による連邦議会議事堂乱入を扇動したとして、トランプ大統領に対する弾劾訴追決議案(起訴状に相当)を下院に提出した。13日にも採決する。可決されれば2019年の「ウクライナ疑惑」に次ぐ2度目の弾劾訴追となり米史上初。民主主義大国の権威を失墜させた「歴史的暴挙」の責任を問う動きが本格化してきた。
  弾劾決議案は「反乱の扇動」と題する1条項。ペロシ下院議長(民主)は11日の声明で「米国に対する大統領の脅威は差し迫っており、われわれの対応もまた同様だ」と述べ、政権がトランプ氏解任に動かなければ弾劾へ進む意向を強調した。
 下院では11日、大統領が「職務遂行不能」と判断された場合の対応を定めた憲法修正25条に基づくトランプ氏解任をペンス副大統領に求める決議案を審議。民主党は全会一致の承認を要求したが、共和党は反対した。12日にも民主党の賛成多数で可決される運びだ。
 可決後、ペンス氏が24時間以内にトランプ氏解任に応じなければ下院は弾劾決議案の審議に移る。ペンス氏は拒否する意向とされる。民主党の下院幹部は11日、弾劾決議案の採決を13日にも行い、可決されるという見通しを示した。


2021.01.08-西日本新聞-https://www.nishinippon.co.jp/item/o/679944/?utm_source=browsepush&utm_medium=push&utm_campaign=push
トランプ氏「新政権20日発足」

  【ワシントン共同】トランプ米大統領は7日、凍結が解除されたツイッターに動画を投稿し「新政権が20日に発足する。今は円滑で秩序だった政権移行に集中している」と述べ、バイデン次期大統領の大統領選勝利を認めた。6日にトランプ氏の支持者が連邦議会議事堂を一時占拠したことを受け、閣僚らが相次ぎ辞任し孤立化。与野党双方が責任を問い、解任圧力が強まっており、追及をかわす狙いもあるとみられる。AP通信は、バイデン氏への敗北宣言と報じた。
  トランプ氏は議会を占拠した支持者に関し「暴力や無法に憤っている」と非難した。扇動したと批判されている自身の責任には触れなかった。


2021.01.07-Yahoo!Japan-https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20210107-00216399/
トランプ支持者が「裏切り者」を“集団イジメ”する動画が拡散 議会占拠の予兆 米大統領選

  恐れていたことが起きた。
  1月6日、ジョー・バイデン氏が次期大統領として正式に認定されようとしていた米議会に、全米からワシントンDCにかけつけたトランプ支持者たちが暴徒化し、バリケードを破って乱入、議会を占拠したのだ。認定手続きは中断を余儀なくされた。
議員はガスマスクも装着
  トランプ支持者たちはこう叫んでいたという。「トランプが勝ったのだ」「トランプがここに招待してくれたんだ。ここから去らないぞ」
  トランプ支持者たちが議事堂内の会議場まで迫ってきたため、会議場はロックダウンされ、議員たちは中に閉じ込められた。
  その時、会議場にいた議員がリアルな状況をこうツイートしている。「私は会議場にいる。床に伏せて、ガスマスクをつけるように指示された。デモ隊が会議場の扉を叩いているので、警備員や警官が銃を構えている。これはデモなんかではない。アメリカに対する攻撃だ」
  女性1人が銃で撃たれ、死亡した。 トランプ氏は支持者らに帰宅するよう促した。約4時間に及んだ「反乱」の後、平静を取り戻した議事堂だが、ワシントンDCは夜間外出禁止令を発令し、厳戒態勢に入っている。
  そもそも、議会占拠を焚きつけたのは他でもなくトランプ氏だ。トランプ氏は、事前にツイッターで、バイデン氏の大統領選当選認定に抗議する集会「SAVE AMERICA MARCH」に参加するようトランプ支持者たちに呼びかけていた。 
 そして、当日、ホワイトハウス前で開いた大規模集会で訴えた。「選挙は盗まれた。敗北は認めない。議会に向かって歩こう」
  トランプ支持者はその声に従うかのように、議事堂へと向かい、「反乱」を起こしたのである。そのため、トランプ氏を弾劾しようという声もあがっている。
  ワシントンDCに全米からかけつけた狂信的なトランプ支持者たち。彼らの怒りは、ワシントンDCに到着する前からすでに表れていた。
「裏切り者」呼ばわりされた共和党の重鎮
 「裏切り者、裏切り者、裏切り者」・・・トランプ支持者による議会占拠が起きる前日、ある機内で、乗客たちが声を揃えて連呼しているツイッター動画が拡散されていた。その様子はまるで、ある特定の人物をターゲットにして“集団イジメ”をしているようにも見える。

  実際、その機内には、特定の人物がいた。その人物とは、2012年、共和党大統領候補に出馬したユタ州の上院議員(共和党)のミット・ロムニー氏だ。ロムニー氏は、1月5日、ジョー・バイデン氏が正式に次期大統領に認定される1月6日の上下両院合同本会議に出席するためだろうか、地盤にしているユタ州ソルトレイクシティーからワシントンDCに向かっていたのだ。
  ロムニー氏にとって不運だったことは、乗客の多くがトランプ支持者だったことだ。彼らは、トランプ氏がツイッターで呼びかけた、バイデン氏勝利という選挙結果に抗議する集会「SAVE AMERICA MARCH」に参加すべく、偶然にもロムニー氏と同じ便に搭乗していたと思われる。
バイデン氏当選認定をめぐり共和党が分裂
  ロムニー氏がトランプ支持者から「裏切り者」呼ばわりされたのは、同氏が1月3日、トランプ氏が訴えている選挙の不正は間違っていると批判し、さらに、一部の共和党議員が自分たちの政治的野心のためにバイデン氏勝利に異議を申し立てようとしていることは民主的な共和国を危険なほど脅かすとツイートしていたからだ。
  実際、バイデン氏の勝利認定をめぐって、共和党は分裂していた。テッド・クルーズ上院議員やハガティ前駐日アメリカ大使らは徹底的に選挙の不正を調査すべきだと訴え、6日、バイデン次期大統領の当選に異議を申し立てようとしていた。
  その一方、ミット・ロムニー上院議員や上院共和党トップのミッチ・マコーネル上院院内総務など共和党の重鎮たちは、バイデン氏の勝利を認めて前に進むべき時だと訴えていた。そのため、彼らはトランプ支持者らから非難されていたのである。そのロムニー氏、空港では2重にマスクをし、めがねをかけていたが、搭乗ゲートでトランプ支持者に見つかってしまった。以下がその時の様子。

  トランプ支持者の女性がロムニー氏に声をかけると、その女性はマスクをつけていなかったのだろう、ロムニー氏は女性に「法律で決まっているから、空港ではマスクをつけて」と注意している。
   すると、女性は「命令しないでよ。6フィート離れているじゃない。わかってるわよね、あなたと話したいのよ」と言い、「なぜ、トランプを支援しないの? 彼を支援していないわよね」とロムニー氏に詰め寄る。それに対してロムニー氏は「私はトランプを支援しているよ。多くのことに同意して支援している」と弁明。
   女性がトランプ氏の不正選挙の訴えを支援するかときくと、ロムニー氏は「いいや、支援していない」ときっぱり否定し、「話せば長くなるが、憲法上のプロセスがあるからだ。私は憲法に従う。今週、議会でそのことをすべて説明するつもりだ」と言って、そそくさとラップトップパソコンを閉じ、逃げの体勢に入る。
   しかし、女性は攻め続ける。「あなたは、保守的な選挙区を代表する保守議員として選出されたのよね。あなたは、私たちを代表するために選出されたのよ。私たちのために働いてよ。私、間違ってる?」ロムニー氏は「私はユタ州の人々のために働いている」と答えて立ち去ろうとするが、女性はそれでもロムニー氏をなじり続けた。「そうよね。私はユタ生まれよ。あなたに投票しなかった人もたくさんいるわ。合法的に選出されなかったんじゃないの? あなたはお笑い者よ。全くのお笑い者。むかつくわ」
「辞めろ、ミット」
 そして、飛行機に搭乗したロムニー氏は、冒頭の動画のように、マスクをおろしたトランプ支持者たちから「裏切り者」という怒号を一斉に浴びせられたのである。それはある女性が「私たちがどう思っているか彼に教えてやりましょう」と呼びかけた後のことだった。
  女性が叫ぶ。「辞めろ、ミット。ブリスマやジョー・バイデンとの繋がりを知りたいわ、ミット・ロムニー。あなたの選挙区民は知りたがっているのよ。選挙区民の声を聞いてよ」
  ロムニー氏を弁護する乗客もいた。「私はあなたの選挙区民だけど、あなたは素晴らしい仕事をしていると思うわ」
  ロムニー氏はおそらく、機内前方のファーストクラス席に座っていたと推測されるが、トランプ支持者らの怒号には応えなかった。 共和党の重鎮としてリスペクトされてきたロムニー氏だが、狂信的なトランプ支持者たちの大きな怒りには太刀打ちできなかったようだ。
  トランプ氏を“裏切った”共和党議員と政治的野心からかトランプ氏を支援し続ける共和党議員。分裂した共和党は、今後、一丸となって、2024年の大統領選に向けてトランプ氏を支援し続けるのだろうか?



2020.12.24-BBC NewsJapan-https://www.bbc.com/japanese/55433707
トランプ米大統領、側近29人に恩赦や減刑 マナフォート元選対本部長ら

  ドナルド・トランプ米大統領は23日、元選対本部長のポール・マナフォート受刑者(71)ら側近29人に恩赦や刑の減免を与えた。前日にはイラクで民間人十数人を殺害し有罪となった軍事請負業者にも恩赦を与え、国連などから批判されている。
  トランプ氏はマナフォート受刑者(資金洗浄罪などで有罪)のほか、すでに禁錮刑の執行を免除した盟友ロジャー・ストーン元被告(68、連邦議会への偽証罪で有罪)、娘婿ジャレド・クシュナー氏の父親など26人に対して、恩赦を与えた。そのほか、3人について刑の執行を免除した。刑の執行免除は有罪判決の取り消しを意味しない。
  マナフォート受刑者は2016年大統領選に対するロシア政府の介入疑惑をめぐる捜査を発端として、大統領選とは直接関係のないウクライナでの政治コンサルタント活動をめぐり、脱税や銀行詐欺などの罪状計8件について実刑判決を受けた。さらに、アメリカに対する共謀と司法妨害の共謀の罪2件について実刑判決を受け、科せられた刑期は通算7年半だった。
  マナフォート受刑者は2019年3月に収監されたが、今年4月に新型コロナウイルス感染予防を理由に自宅で服役していた。今回の大統領恩赦によって、刑期7年半のほとんどが免除されることになった。


2020.10.20-HUFFPOST-https://www.huffingtonpost.jp/entry/tucson-mayor-trump-debt_jp_5f8e6a4dc5b67da85d2106ec
「トランプ大統領、8万ドルの借金返して」。アリゾナ州ツーソンの市長が、集会に来る大統領に借金返済を要求

  10月19日にはアリゾナ州ツーソンで集会を開催したが、ツーソンのレジーナ・ロメロ市長は開催に先立ち、大統領が4年前の借金8万ドルをまだ返していないことを伝える書簡を大統領に送った。
  書簡でロメロ市長は、選挙集会でのマスク着用とソーシャルディスタンスの維持も求めている。
  ロメロ市長のツイート「トランプ大統領に書簡を送り、ツーソンには公衆衛生を守る条例があることを伝えました」

  トランプ陣営がこれまでに開いた選挙集会の多くで、大勢の参加者が密集し、マスクをつけていなかった。ツーソンでは、ソーシャルディスタンスが保てない公共の場所でのフェイスカバー着用が、条例で義務付けられている。
  ロメロ氏は書簡で、「これまで私たちが積み上げてきたものが、1つの集会で危険に晒されるようなことがあれば大変不幸です。そのため選挙集会では、市の条例に敬意を示して従って欲しい」「選挙で選ばれた公職者として、有権者に手本を示す責任がある」と求めている。
  また、トランプ陣営が2016年にツーソンで開いた選挙集会にかかった費用8万ドル(約844万円)をまだ市に返済していないことをリマインドし、それに加えて19日の選挙集会では公共の安全を守るためのサービスに5万ドル(約527万円)かかると伝えている。
私たちは4年前のことを忘れない
  アメリカの人口トップ50の都市で、初めてラテン系アメリカ人女性の市長に選ばれたロメロ氏。
  同氏は18日のMSNBCのインタビューで、「ツーソンの市民は努力して、新型コロナウイルスの感染者数を減らしており、スーパースプレッダー(感染が超拡大する)イベントを、私たちの市で開いて欲しくない」と述べた。
  トランプ大統領はツーソンでの集会の後、集会の動画をTwitterに投稿しているが、ロメロ氏の求めにも関わらずソーシャルディスタンスが守られている様子は見られない。

  ロメロ氏はさらに借金について「集会は大統領としての公式訪問ではなく、選挙のためのものなので市民の税金を使うべきではない。大統領にはきちんと支払いをして欲しい」と説明した。
  調査報道NPO「センター・フォー・パブリック・インテグリティ」とNBCの調査によると、トランプ氏の選挙陣営はアメリカ14の都市で、2016年の選挙に関連した合計182万ドル(約1億9200万円)の借金を抱えている。
  現在アメリカの多くの都市が新型コロナウイルスの影響で金銭的に厳しい状況に立たされており、トランプ陣営が借金を返済しないことが自治体の重荷になっている。
  2016年の選挙でトランプ大統領はアリゾナ州で勝利を収めた。しかし現在のところ、同州では民主党候補のジョー・バイデン氏が有利な状況にある。ロメロ氏らが覚えているのは借金だけではない。市長は、トランプ氏が前回大統領に立候補した際に、アリゾナ州在住のラテン系アメリカ人に対して発した言葉や行動を「忘れない」とMSNBCのインタビューで強調した。
  「私たちは彼がメキシコ系アメリカ人を侮辱し、移民やラテン系アメリカ人を侮辱したことを忘れません。彼が私たちをレイピスト、殺人者と呼んだことを忘れません。彼が子どもたちをツーソンから45分も離れた所に閉じ込めたことを忘れません。私たちは、今回の選挙を楽しみにしています」
 (ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。)


2010.10.19-mashup NY-https://www.mashupreporter.com/trump-claims-400-million-debts-is-a-peanut/
「4億ドルなんてはした金」トランプ氏 個人保証の借金認める

  トランプ大統領は15日のタウンホールで、ニューヨークタイムズが報じた4億2,100万(440億円)ドルの個人保証による借金の存在について、「数字が誤っている」と述べつつ、「私の純資産のごく一部にすぎない」「(資産に比べれば)4億ドルなんてはした金だ」と発言するなど、部分的に認める発言を行った。
  また、個人保証にもかかわらず「一部は、私にお金を貸したいと思っていた金融機関への好意だ」と主張。さらに海外の銀行からの借金かと問われると「私の知る限りそうではない」と述べ、「もし希望するなら、誰に”少額”を借りているかあなたに教えよう」と語った。
  なおトランプ氏は以前、同報道を「完全なフェイクニュースで、でっちあげだ」と否定していた。

  ニューヨークタイムズは27日、トランプ氏が大統領になる前の15年間のうち、10年間は連邦所得税を支払っていなかったほか、2016年と2017年に収めた金額はわずか750ドルだったと報じた。
  タイムズはこの記事の中で、トランプ氏が4億2,100万ドルの借金を個人保証しており、このうち3億ドルが4年以内に期限を迎えると伝えた。
  これらの主な融資元はドイツ銀行で、同社は「ドラール・リゾート」の購入に1億2,500万ドル、ワシントンホテルのために1億6,000万ドルをトランプ氏に提供していた。
  ドイツ銀行のほかには、2012年以降、重要な貸手と考えられるのは、米不動産投資信託のラダー・キャピタルだけだという。
  なおMother Jonesによると、ラダーキャピタルは商業不動産担保証券などに特化した企業で、従来の銀行からの借り入れができない人々にとって、しばしば最後の手段として使用されているという。同社は、トランプタワーとトランププラザにローンを提供しており、これらは今後数年で期限を迎える。
メイン事業が業績不振
  タイムズによると、トランプ氏のコアビジネスのほとんどが、毎年数百万ドルの損失を出している。トランプ氏はこれらを維持するため、過去数十年、主な収入源となってきたテレビ番組のライセンス収入などをリゾートやホテルに費やしてきた。しかし、これらは近年急激に縮小しているという。
  この一方で、過去数年、株式を大量に売却しており、記録によると、トランプ氏は2014年1月に9,800万ドル、2015年に5,400万ドル、2016年に6,820万ドルを売却していた。7月に開示された財務情報によると、売却可能な証券はわずかに87万3,000ドルだったという。
  タイムズは、ローンは通常、企業の収益性に基づくものだとした上で、継続的に損失を出しているドラールとワシントンホテルを、リファイナンスするのは容易ではないだろうと指摘している。
  一方、元財務当局者は同紙に対して、トランプ氏が司法省に敵を捜査させることをいとわない姿勢を示していることから、連邦規制の対象にある銀行にとっては、厄介な立場に置かれることになると見解を語っている。


2020.10.10-Yahoo!Japanニュース(Forsight)-https://news.yahoo.co.jp/articles/fa64522ea6194833a3e34109ef2db107c3988126
トランプ大統領を「命がけ選挙」に駆り立てる「破産」「訴追」の恐怖
(杉田弘毅)
(1)
  新型コロナウイルスに感染しても3日で退院し、スーパースプレッダーとの揶揄を撥ね返して、選挙集会を再開したドナルド・トランプ米大統領。激戦州に乗り込んで「20年前より元気がみなぎっている」とダミ声で叫ぶ、まさに「命がけ」の選挙運動だ。敗北しても大統領選の結果を受け入れない、と今から宣言している。  過去の大統領が再選を目指した時は、ここまでなりふり構わない戦いではなかった。一期で敗北したジミー・カーター、ジョージ・ブッシュ(父)は粛々と負けを受け入れた。トランプの何が何でもホワイトハウスに居続けるという執念は驚嘆すべきだ。この絶対に負けられないとの固い決意の理由は何なのだろうか。  再選を果たし自分の正当性を世界中に認めさせたいという承認欲求だけではない、もっと切迫した事情が見えてくる。
ホワイトハウスを出たら破産か
  トランプの税逃れは誰もが想像していた。だから、2016、17年は連邦所得税を年間750ドル(8万円弱)しか払っていないという『ニューヨーク・タイムズ』の9月末の「特ダネ」も、オクトーバー・サプライズとはならなかった。
   しかし、この報道で気になるのは、トランプが多額の借金を抱え、このままでは数年後には破産せざるを得ないとの予想の方だ。  同紙が納税報告書を入手して報じたトランプの懐事情を見てみよう。

   カジノや航空会社、ゴルフ場、ホテルビジネスの破綻・不振で現在4億2100万ドル(約445億円)の債務を抱え、そのうち3億ドル超は4年以内に返済期限を迎えるという。負債総額10億ドルとの試算もある。住宅バブルの崩壊、新型コロナ蔓延による不況、そして経営センスのなさが原因だ
   この数字は驚くものではない。『ワシントン・ポスト』取材班が2016年に出版した『トランプ』(邦訳文藝春秋)によると、1990年代の段階で22の事業のうち、利益が出ているのはわずか3件で、負債は32億ドルに膨らんだという。金を貸していた銀行団は資産の売却や生活費の制限をトランプに約束させた。
    2004年からテレビショーの『アプレンティス』が始まり、番組放映権料や出演料、そして「トランプ・ブランド」の商標を売ることでトランプは4億2700万ドルを稼いだ。だが、『アプレンティス』はトランプの移民差別発言に批判が高まり、2015年には終わった。ブランドもトランプの言動で米国内が社会的分断に陥った今、かつての儲けをもたらさない。
   米国の国税庁である「内国歳入庁」(IRS)から脱税の疑いもかけられ係争中だ。もし脱税が認定されれば1億ドル以上の追徴となる。
   米誌『フォーブス』のように、トランプの現金化可能な資産は25億ドルに上るとの推計もある。だが、それでも果たして年々膨らむ債務の返済に十分なのか、心もとない。
   トランプが財政面で生き延びるには、大統領職を続けることが条件となる。コロナ禍で景気は沈滞したままだから、不動産ビジネスの展望は明るくない。だが、返済期限が迫る3億ドル超の債務も、大統領職についていれば返済期限の延期が可能だ。

   一方で、選挙で敗北し民間人となれば、債務の返済延期は認められまい。裁判所に破産と認定され、フロリダ州の別荘など残る資産も没収される恐れがある。  最大の債務は、長年関係を続けるドイツ銀行からのものだ。最低でも1億2500万ドルに上るとされ、2023年と24年に返済期限を迎える。ドイツ銀行は米捜査当局から資金洗浄(マネーロンダリング)や外国への贈賄で捜査対象となっている。「米連邦準備制度理事会」(FRB)からも「重大な脆弱性を抱える」と指摘された。ただでさえ窮地のドイツ銀行が一民間人となったトランプの債務の返済期限延期を気前よく受け入れるとは思えない。
(2)
プーチン大統領が救世主?
  命がけの選挙運動で再選を果たしたとして、トランプが財政的に当てにしているのは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領ではないか。
   ジャーナリストのボブ・ウッドワードの最新刊『Rage』(未邦訳)によると、トランプ政権で国家情報長官だったダン・コーツはロシアゲート疑惑を調べるうちに、トランプは結局ロシアの言いなりであるとの疑念が払しょくできなかった、という。
   確かにトランプには、プーチンに取り入ろうとする言動が多い。反プーチン派の政治家毒殺未遂事件には「米国だって自慢できない」と物わかりがよい。シリアやリビアなど中東への軍事作戦でもロシアをとがめない。米国の縄張りを奪われたのに、どうぞご自由にである。対ロシア制裁を強化しようとする米議会に、トランプはたびたび抵抗している。

   2016年大統領選にロシアが介入したことを、「米中央情報局」(CIA)などは早くから断定している。だがトランプは2018年の米ロ首脳会談後の記者会見では、選挙介入を否定したプーチンの発言を「説得力を持つ」と支持し、米政府を唖然とさせた。
   弾劾訴追の対象となった「ウクライナ疑惑」では、2016年大統領選の時に米民主党のサーバーにハッキングをかけたのはロシアでなくウクライナであるという奇抜な論も展開した。なぜそこまでロシアをかばうのか、と首をひねらざるを得ない。
   しかし、いかに不興を買おうが、プーチンにすがる事情がある。トランプはプーチンこそが、自らの債務地獄を救う救世主となると信じている節があるのだ。もちろんプーチンはタダではトランプを救済しない。米大統領として、ロシアの問題行動に目くじらを立てないという行動を示してほしいはずだ。
モスクワのトランプ・タワー
  トランプの顧問弁護士を務め、トランプの浮気相手だったポルノ女優の口封じなど尻拭いをさせられてきたマイケル・コーエンは、 「トランプは、世界一の金持ちはプーチン氏だと信じている」  と語っている。
   コーエンによると、トランプは不動産ビジネスでの大勝利をロシアで狙っていたという。
   それはモスクワの赤の広場に面した敷地に120階建てのトランプ・タワーを立てる計画だ。プーチンからビル建設の許可を得るためにペントハウスをプーチン専用のフロアーとして提供する構想もあった。コーエンはその交渉役で、トランプ・タワーの建設はモスクワだけでなく拡大していくことになっていたという。結局この計画はトランプの大統領就任で中断したが、トランプは再開の機会を狙っているはずだ。
   また、コーエンの著書によると、2016年大統領選では落選しても、プーチンが金を貸してくれることになっているとトランプは語っていたという。
(3)
ロシアビジネスの甘い体験
 トランプにはロシアの政商たちの財力で救われた甘い記憶がある。2004年に4135万ドルでフロリダ州に自宅を購入し、その後転売を試みたが、4年間も店晒しになった末に、ロシア人政商が9500万ドルで購入してくれて大儲けをした。先述のコーエンは、トランプは実際の購入者はプーチンだと語っていたと言う。
 またトランプは毎年主催した「ミス・ユニバース」コンテストで赤字を出していたのだが、2013年にロシアで開催した時には、230万ドルの利益を出した。ロシアには超富裕層がいて自分のビジネスに向いているというのがトランプの結論である。
 トランプのロシアコネクションをウォッチしている米英の情報機関は、プーチンはトランプのモスクワでの不動産ビジネスを熟知しその弱みも握っていると読んでいる。だからこそ、トランプはプーチンに頭が上がらないし、今後のビジネスの挽回のためにもロシアでの大掛かりな不動産業に踏み出したいのだ。
外国こそが望みの種
  大統領となった後もトランプ・ブランドの使用許可を与えることで、トランプの企業はフィリピンから300万ドル、インドから230万ドル、トルコから100万ドルと多くの利益をうみだした。
  だが、米国内におけるトランプ・ブランドはもはや金のなる木ではない。国内の2つのホテル建設計画は中止となったし、ワシントンにあるホテルは2018年までに5500万ドルの損失を出した。ゴルフ場も利益を生んでいない。それに比べてドナルド・トランプの名前が神通力を持つ外国こそが儲けの場となるのだ。
   プーチンのほかにトランプが頼みとする超富裕な独裁者と言えば、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子だ。前述したウッドワードの『Rage』の中で、トランプは『ワシントン・ポスト』コラムニストのジャマール・カショギ(ハーショクジー)が皇太子の指示によりサウジアラビアの治安組織に殺害されて大騒動となった事件で、「(制裁をかけようとする)米議会から皇太子を救ったのは私だ」と豪語している。
   ここからも、大統領として便宜を図り、目をつぶることで、ビジネス上の恩恵を狙う様子がうかがえる。
(4)
落選すれば人生の破滅
   トランプが再選を勝ち取らなければならないと焦る理由には、民間人となれば訴追されるという恐怖もあるはずだ。
   米司法省は「現職大統領は起訴しない」という原則を順守している。これは大統領を起訴し裁判にかけることで、司法が行政機能をマヒさせるため、米憲法の定める3権分立に違反するという理由から成り立っている。弾劾手続きとなったウォーターゲート事件の時のリチャード・ニクソン大統領も、不倫もみ消し疑惑の時のビル・クリントン大統領もこの原則により起訴されなかった。
   だが、トランプが民間人となれば話は別だ。
   ロシア疑惑でジェームズ・コミー連邦捜査局(FBI)長官を解任し、ロバート・ムラー特別検察官の捜査にも協力しなかった。サリー・イエーツ元司法長官代理ら400人近い連邦検事OBは、大統領でなければ間違いなく起訴されるだろう、との共同書簡を発表している。イエーツは、「私はもっと証拠が弱い件でも、これまで司法妨害で起訴に持ち込んできた」と証言している。
   時効にも守られない。トランプはロシア疑惑のほかに、選挙資金を不倫相手の口止め料に使ったことで選挙資金規正法違反でも捜査を受けたが、これらの事件の時効は5年だ。2021年1月に大統領を退任するとなれば、2016年1月以後の事件は訴追対象となり、これらの案件は含まれる。
   再選されなければ、バイデン民主党政権の司法長官が自分への捜査を最重要任務として進め、あらゆる案件で起訴・有罪に持ち込もうとするとにらんでいるに違いない。そうなれば、彼の人生は破滅を迎える。
  トランプはホワイトハウス入りした後は、「政治とはすべて自分の利得のため」とみなして行動してきた。11月3日の大統領選はまさに公私ともに自分の運命を決める決戦の選挙であるのだ。
 杉田弘毅


2020.10.10-nifty ニュース.(日刊ゲンダイ DIJITAL)-https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-821231/
“不動産王”トランプは実は借金まみれ 大統領選に負ければ丸裸に【窮地のトランプ大統領 焦燥の真相】
(春名幹男/国際ジャーナリスト)

  米大統領選は毎回エキサイトする。しかし、今回ほど感情をむき出しにした激突も珍しい。 リベラル系メディアのドナルド・トランプ大統領批判も強烈だ。特に、大統領は「過去15年間のうち10年間税金を払っていない」「2016~17年の税金支払額は各750ドル(約9万9000円)」とする9月27日付ニューヨーク・タイムズ紙報道に、多くの米国民が驚いた。
  だが、この報道が伝えたもう一つの真実は日本では注目されていない。実はトランプ大統領は借金まみれだというのだ。
  借金の返済期限は、トランプタワー関係のローンが2022年に1億ドル(約106億円)、その他のローンが24年に4億2100万ドルとなっている。実はそのことと大統領選の間に微妙な関係があるのだ。
  トランプ大統領といえば、一代で成功した実業家といわれ、尊敬もされてきたが、その実像はほとんど知られていなかった。確定申告書類を基にした同紙の報道に、他の信頼できる情報を加えて、可能な限り分かりやすく全体像を伝えたい。

  トランプ氏は第一に、父フレッド氏(1999年死去)から計4億1300万ドルもの資産を相続していたのだ。とはいえ、91年、ニュージャージー州アトランティックシティーにあるホテル1軒が倒れ、さらに同シティーでカジノ2軒、92年はニューヨークのプラザホテルが倒産、さらに04年にはトランプホテル・カジノ、08年には別のリゾートが倒産して手放し、約18億ドルの負債が残った。ところが、04年にNBCで始めたリアリティー番組「アプレンティス」のプロデュース、出演で4億2740万ドルを稼ぎ、息を吹き返し、次はその収入を米国内外のゴルフ場買収などに充てた。負債の返済はなお続いていて、所得は赤字とされ、所得税額はゼロと算定、というわけだ。

 現状では、外国のホテルに自分の名前を貸すブランド事業などでは黒字を出しているが、ゴルフ場やホテルは赤字が続いている状態。ブランド事業では、20%の「コンサルタント料」を必要経費として計上、実際にはそれを長女のイバンカ氏に渡すという不可解な経理の実態も明らかになったという。また、トランプ氏と内国歳入庁(IRS)の間で、所得税額をめぐる対立が表面化している。トランプ氏は当初の課税額から7290万ドル割り戻しを受けていたが、IRS側の監査で不正と判断された場合には、トランプ氏はその全額を返却しなければならない。トランプ氏の借入金総額については、「約5億ドル」(マザー・ジョーンズ誌)説や、「約11億ドル」(フォーブス誌)説もあり、真相は不明。

 トランプ氏が大統領選に勝利し、現職大統領として返済期限を迎えれば、何らかの支援を受けやすいが、落選した場合、資産売却など惨めな目に遭うことになる。(春名幹男/国際ジャーナリスト)


2020.10.10-Livedoor.News(日刊デンダイDIGITAL)-https://news.livedoor.com/article/detail/19033557/
“不動産王”トランプは実は借金まみれ 大統領選に負ければ丸裸に【窮地のトランプ大統領 焦燥の真相】

  米大統領選は毎回エキサイトする。しかし、今回ほど感情をむき出しにした激突も珍しい。
  リベラル系メディアのドナルド・トランプ大統領批判も強烈だ。特に、大統領は「過去15年間のうち10年間税金を払っていない」「2016~17年の税金支払額は各750ドル(約9万9000円)」とする9月27日付ニューヨーク・タイムズ紙報道に、多くの米国民が驚いた。
  だが、この報道が伝えたもう一つの真実は日本では注目されていない。実はトランプ大統領は借金まみれだというのだ。

  借金の返済期限は、トランプタワー関係のローンが2022年に1億ドル(約106億円)、その他のローンが24年に4億2100万ドルとなっている。実はそのことと大統領選の間に微妙な関係があるのだ。
  トランプ大統領といえば、一代で成功した実業家といわれ、尊敬もされてきたが、その実像はほとんど知られていなかった。確定申告書類を基にした同紙の報道に、他の信頼できる情報を加えて、可能な限り分かりやすく全体像を伝えたい。
  トランプ氏は第一に、父フレッド氏(1999年死去)から計4億1300万ドルもの資産を相続していたのだ。
  とはいえ、91年、ニュージャージー州アトランティックシティーにあるホテル1軒が倒れ、さらに同シティーでカジノ2軒、92年はニューヨークのプラザホテルが倒産、さらに04年にはトランプホテル・カジノ、08年には別のリゾートが倒産して手放し、約18億ドルの負債が残った。
  ところが、04年にNBCで始めたリアリティー番組「アプレンティス」のプロデュース、出演で4億2740万ドルを稼ぎ、息を吹き返し、次はその収入を米国内外のゴルフ場買収などに充てた。
  負債の返済はなお続いていて、所得は赤字とされ、所得税額はゼロと算定、というわけだ。
  現状では、外国のホテルに自分の名前を貸すブランド事業などでは黒字を出しているが、ゴルフ場やホテルは赤字が続いている状態。
  ブランド事業では、20%の「コンサルタント料」を必要経費として計上、実際にはそれを長女のイバンカ氏に渡すという不可解な経理の実態も明らかになったという。
  また、トランプ氏と内国歳入庁(IRS)の間で、所得税額をめぐる対立が表面化している。トランプ氏は当初の課税額から7290万ドル割り戻しを受けていたが、IRS側の監査で不正と判断された場合には、トランプ氏はその全額を返却しなければならない。
  トランプ氏の借入金総額については、「約5億ドル」(マザー・ジョーンズ誌)説や、「約11億ドル」(フォーブス誌)説もあり、真相は不明。
  トランプ氏が大統領選に勝利し、現職大統領として返済期限を迎えれば、何らかの支援を受けやすいが、落選した場合、資産売却など惨めな目に遭うことになる。


2020.10.02-Wedge Infinity-https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20948
脱税が支えた「トランプ王国」の虚像と虚構
(1)
  ニューヨーク・タイムズ紙の特大スクープでトランプ大統領が長年、所得税の脱税と超過少申告を繰り返していた実態がついに明るみになった。自ら豪語してきた「億万長者」は虚像だった可能性が高い。
   「私は(億万長者の)ドナルド・トランプより高額納税者だI paid more taxes than Donald Trump!」―11月3日の大統領選挙を前に、全米でこんなメッセージ入りシャツ類やピンバッジの販売が始まった。
   「ドナルド・トランプより高額納税者はクラクション鳴らせHonk if you paid more taxes than Trump」―ほぼ同時に、同趣旨の文言を刷り込んだ乗用車ステッカーのネット販売も始まり、同調者同士が走行中にすれ違いざまクラクションを鳴らすことを呼びかける運動へと広がる気配を見せている。
   いずれも、先月27日、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた爆弾記事で、2016年、17年両年度のトランプ大統領の所得税納税額がたったの750ドルだったことが判明したことを受けたものだ。全米の一般サラリーマンはもとより、建設労働者、ホテル・メイドなども含めた圧倒的多数の国民が毎年1000ドル以上の所得税を納税してきており、それを下回る大統領個人の不正納税を糾弾すると同時に、大統領選での「トランプ追放」を有権者向けにアピールする狙いがあるとみられる。
   同紙特大スクープの重要骨子は以下のようなものだ:

  ①トランプ氏は過去18年間にわたり、9500万ドルの所得税を納税したが、その後、「企業損益」などを理由に7290万ドルの還付を受けた。州税、市税でも2100万ドルの還付を受けた。所得税還付金7290万ドルについては、「疑わしき方策dubious measures」により還付を受けた可能性があるとして、現在、内国歳入庁(IRS)の監査対象となっており、その結果次第では大規模罰金を科せられる可能性もある。
  ②トランプ氏は2016年、2017年の両年、連邦所得税をそれぞれ750ドルだけ納税するにとどまった。
  ③過去15年のうち10年分については、損失が収益をはるかに上回ったことなどを理由として所得税をまったく納めなかった。
  ④トランプ氏は豪勢なライフスタイルを維持するため、自家用旅客機、数多くの別邸、ゴルフコースを次々に手に入れたが、購入費および維持費の大部分を「経費扱い」として税処理してきた。
  ⑤トランプ氏は2000年以来、いくつものゴルフ場経営で3億1500万ドルの損失を計上したほか、大統領就任後、新設オープンしたばかりの首都ワシントンの「トランプ・インタナショナル・ホテル」経営でも5500万ドルの損失を税申告した。

   初めて暴露されたこうした驚くべきトランプ氏の納税実態は、「不動産王」「億万長者」「屈指のディールメーカー」などこれまで自慢してきた自画像とは大きくかけ離れたものであったことを裏付けている。
   しかし、それだけにとどまらない。今回報道では詳細が明らかにされなかったさらなる疑惑がいくつもある。
   その第1は、2022年までに返済義務が迫っているとされる4億2100万ドルもの借金をどこから借り受けたかだ。
   ブルームバーグ通信は税問題に詳しいベテラン記者による解説記事の中で、トランプ氏がロシアのプーチン大統領またはその側近財界人から多額の融資を受けてきた疑惑に言及、今後、捜査当局による本格的メスが入ることになれば、重大な国家的犯罪に発展する可能性を指摘している。
   この点に関連して想起されるのは、2018年7月16日、ヘルシンキでプーチン大統領との首脳会談に臨んだトランプ氏の終始怖気ついた態度と発言だ。席上、記者団から「米国トップの情報機関の最終結論として、ロシアがプーチン指揮の下で2016年米大統領選に介入した件を話したか」との質問を受けたトランプ氏は、隣席のプーチン氏の顔色をうかがうようなしぐさを見せながら「会談でその件も話題に上ったが、プーチン氏は真っ向から否定した。わが国のインテリジェンスがどう言おうが、私は彼の言葉を信じる」と答えた。この時の大統領の卑屈なまでの発言と態度は米主要テレビ、新聞で大々的に報じられた。米議会でも野党民主党のみならず、与党有力議員の間でも、「自国のれっきとした情報機関の調査より外国指導者の言葉に重きを置くとは何事か」といった猛烈な非難の声が挙がった。
   有力誌「Atlantic」最新号は、2年前のこの“ヘルシンキ・エピソード”を念頭に「ニューヨーク・タイムズ紙の指摘で浮上したトランプ氏の莫大な借金の出所がもしロシアなどの外国政府だったとしたら、大統領がつねに脅迫にさらされ、国家安全保障が損なわれる危険がある」との論評を掲げている。
(2)
追跡不可能な疑わしい海外取引
  第2は、トランプ氏が大統領就任後、フィリピン、トルコなど諸外国とのビジネス取引に関係、巨額の利益を得ていたことだ。
  周知のとおり、米国では「倫理法」の規定により、大統領以下、閣僚、政府高官が私的な商取引に従事することは禁じられている
  トランプ氏の場合、不動産取引などを主体とした「トランプ・オーガニゼーション社」(本社ニューヨーク)を立ち上げ、大統領就任後は、公私混同の批判をかわすため、社長の座を長男に移譲したものの、経営者としての地位はそのまま保持してきた。
  その結果、就任後も実務は長男に委ねつつも、大統領の立場をフルに生かし、海外でのビジネスを展開、その際に、数千万ドルに達する所得税を当該国に支払っていることも明らかになっている。
  非営利の監視団体「Open Secrets」の調査によると、大統領は2016年から2019年にかけて、インドで410万ドル、トルコから7百万ドル、フィリピンから5百万ドルの収益を得たほか「ほかにも追跡不可能な疑わしい海外取引が無数に行われてきたとみられる」という。
  米下院倫理委員会、歳入委員会など関係委員会は、ニューヨーク・タイムズの調査報道を踏まえ、今後、連邦政府当局者の証人喚問、外国企業からの事情聴取に乗り出す構えを見せている。
  第3の関心事は、今日のトランプ氏の「個人資産」規模だ。
  その実態については謎が多く、正確の数字は明らかになっていないが、経済誌「Forbes」などの試算によると、「推定25億ドル前後」とされる。
  しかし、その中にはマイアミの巨大ゴルフ施設Doral Resort, スコットランドの名門ゴルフ場Turnberryなど、多額の借金で買収した不動産物件多数が含まれており、実際に手元に残るキャッシュがどれだけかははっきりしていない。
  しかも、トランプ氏が2022年までに返済を迫られる4億2100万ドルもの借金を、今後2年間でスムーズに返済できるかどうかが、トランプ氏の「純個人資産」規模を知るひとつの手掛かりになることだけは確かだ。
  このようにトランプ氏のビジネス取引は、多くの謎と厚い秘密のベールに包まれてきたが、トランプ政権下の司法、財務当局は事実上、これを放置してきたと言っても過言ではない。
  しかし、もし、11月3日に迫った大統領選挙の結果、バイデン候補が勝利した場合、局面は一変することになる。
  すでに政界筋では、バイデン政権誕生後、あらゆる“トランプ疑惑”をそうざらいする特別タスクフォースがホワイトハウス内に設置され、その統括責任者として敏腕検察官上がりのカマラ・ハリス女史が副大統領の立場で直接指揮する計画も浮上している。その結果、トランプ氏が刑事告発される可能性も現実味を帯びてくる。
  いずれにしても、大統領選挙結果次第では、虚構だらけの「トランプ王国」が早晩、ついに“砂上の楼閣”として瓦解してしまうことになりかねない。
  これまでの選挙戦でバイデン候補にリードを許してきたトランプ氏だが、劣勢挽回の好機と期待をかけた去る29日の第1回討論会でも、資質面、性格面での弱点をさらけだし、かえって評判を落とす結果となった。
  脱税、巨額過少申告問題の批判も、草の根レベルで今後広がるにつれ更なる支持率低下につながりかねず、大統領の苦悩は一層深まるばかりだ。








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